JP2007278088A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の燃料噴射制御装置において、パイロット噴射による燃料の着火時期を容易に検出することができる技術を提供する。
【解決手段】メイン噴射および該メイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を行う低温始動時において、パイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼しているかを機関回転数の変動に基づいて検出する(S103)。パイロット噴射による燃料の燃焼度合いにより機関回転数の変動のしかたが変わるため、機関回転数の変動によりパイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼しているか否か判定することが可能となる。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
内燃機関の気筒内において燃料が着火する時期を推定することにより、該着火時期に応じた内燃機関の制御が可能となる。例えば、ピストン上死点時と下死点時で夫々測定された回転変動に基づいて各気筒における着火時期を推定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このようにして推定された着火時期と、予め定められた基準噴射発令時期と、の差を求めて、各気筒における噴射発令時期を補正し、以て各気筒内の燃焼のばらつきを減少させることができる。
特開2002−221071号公報 特開2000−291466号公報 特開平11−148410号公報 特開2004−150335号公報 特開平11−82121号公報 特開平2−95751号公報
しかし、従来技術では複雑な数式モデルを用いる必要があるため制御が複雑になってしまう。また、着火性を向上させるためにパイロット噴射を行った場合、このパイロット噴射の量や時期により機関発生トルクが変化する。そして、パイロット噴射が原因で機関発生トルクが低下した場合には、メイン噴射の着火時期を判定しつつそのトルクの低下分をメイン噴射の量や時期を制御して補うのは困難である。これに対し、パイロット噴射の量や時期を適正化することにより、機関発生トルクを向上させることができるので、内燃機関の始動性を向上させることができる。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の燃料噴射制御装置において、パイロット噴射による燃料の着火時期を容易に検出することができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の燃料噴射制御装置は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明による内燃機関の燃料噴射制御装置は、
メイン噴射および該メイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を行う低温始動時において、パイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼しているかを機関回転数の変動に基づいて検出することを特徴とする。
ここで、「パイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼している」とは、パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼していることを示しており、メイン噴射の時期や量を変更しても内燃機関の運転制御を行うことができない状態となっていることを示している。
メイン噴射は主に内燃機関への要求トルクを発生させるために必要となる量の燃料を供給するために行われる。また、パイロット噴射は、主にメイン噴射の着火性を高めるためにメイン噴射に先立って行われる。しかし、パイロット噴射による燃料が気筒内で過剰に燃焼することがあり、この場合にはパイロット噴射により内燃機関の出力が上昇する。すなわち、メイン噴射が行われる前にパイロット噴射による燃料が燃焼すると、メイン噴射
が行われる前に内燃機関の出力が上昇する。そのため、機関回転数が上昇する。
そして、パイロット噴射による燃料が燃焼することにより気筒内の酸素が消費されるので、メイン噴射による燃料に着火しにくくなる。さらに、パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼した場合には、メイン噴射による燃料に着火し難くなる。ここで、メイン噴射の時期は内燃機関の出力がより大きくなるように決定されているので、パイロット噴射による燃料が燃焼してメイン噴射による燃料が燃焼しなくなると、機関出力が低下してしまう。この出力低下は、パイロット噴射が原因となっているため、メイン噴射の時期および量を変更しても改善することができない。このような状態では、パイロット噴射からメイン噴射の間に機関回転数が大きく上昇し、メイン噴射後の機関回転数は緩慢となる。
すなわち、パイロット噴射による燃料の燃焼度合いにより機関回転数の変動のしかたが変わる。そのため、機関回転数の変動によりパイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼しているか否か、若しくは過剰に燃焼しているか否か判定することが可能となる。
本発明においては、メイン噴射時期の瞬時回転数と圧縮上死点時の瞬時回転数とから前記パイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼しているか判定することができる。
内燃機関の瞬時回転数は、圧縮行程でピストンが上昇するのにしたがって低下し、圧縮上死点において最低となる。その後燃料が燃焼すると気筒内の圧力が上昇し、それに伴い機関回転数が上昇する。そして、パイロット噴射による燃料が過剰燃焼していない場合には、メイン噴射が行われた後に機関回転数の上昇度合いが大きくなるが、パイロット噴射による燃料が過剰燃焼している場合には、パイロット噴射からメイン噴射の間にも機関回転数の上昇度合いが大きくなる。以上から、メイン噴射時の瞬時回転数と圧縮上死点時の瞬時回転数とを比較することにより、パイロット噴射による燃料が過剰燃焼しているか否か判定することができる。ここで、パイロット噴射による燃料の燃焼量が多くなるほどメイン噴射時の瞬時回転数と圧縮上死点時の瞬時回転数との差が大きくなる。
また、本発明による内燃機関の燃料噴射制御装置は、メイン噴射および該メイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を行う低温始動時において、メイン噴射を行ったとしてもこの燃料に着火し得ない時期に該メイン噴射を行い、そのメイン噴射を行ったサイクルにおいて失火の発生が検出されない場合には、前記パイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼していると判定することを特徴としてもよい。
ここで、パイロット噴射が過剰に燃焼していない場合には、メイン噴射を適正な時期に行うことにより、該メイン噴射による燃料が燃焼する。しかし、メイン噴射を適正な時期に行わないと該メイン噴射による燃料が燃焼せず、機関回転数も上昇しない。一方、パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼している場合には、メイン噴射による燃料が燃焼しなくてもパイロット噴射による燃料により機関回転数が上昇するので、失火の発生が検出されなくなる。すなわち、燃料が着火し得ない時期にメイン噴射を行ったときに気筒内の失火が検出されない場合には、パイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼している状態であると判定することが可能となる。なお、メイン噴射を行ったとしてもこの燃料に着火し得ない時期とは、パイロット噴射による燃料が所定量未満の燃焼しかしていない運転状態のときに気筒内の温度が燃料の着火温度よりも低くなる時期としてもよい。
また、本発明による内燃機関の燃料噴射制御装置は、メイン噴射および該メイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を行う低温始動時において、機関始動後の着火回数に基づいてパイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼していると判定することを特徴としてもよい。
パイロット噴射による燃料の過剰な燃焼は気筒内の温度の上昇により起こる。したがって、気筒内の温度を検出または推定することにより、パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼する状態であるか否か判定することができる。ここで、気筒内の温度は、内燃機関始動後の着火回数と略比例関係にある。そのため、気筒内の温度を直接測定しなくても内燃機関始動後の着火回数により、パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼する状態であるか否か判定することができる。例えば着火回数が所定値以上となった場合には、パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼する状態であると判定することができる。
本発明においては、パイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼していると判定された気筒のみパイロット噴射の減量およびパイロット噴射時期の遅角を行うことができる。
これにより、パイロット噴射による燃料が過剰燃焼した気筒では、パイロット噴射による燃料の燃焼が抑制される。また、パイロット噴射による燃料が所定量未満燃焼していると判定された気筒では、パイロット噴射の量を維持若しくは増量し、またパイロット噴射の時期を維持若しくは進角させることができる。これにより、パイロット噴射による燃料が過剰燃焼していない気筒で燃焼状態が不安定となることを抑制できる。すなわち、各気筒において、パイロット噴射を効果的に行うことが可能となる。
本発明においては、パイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼していると全気筒において判定されるまではパイロット噴射の減量およびパイロット噴射時期の遅角を行わないことができる。
パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼していると判定された直後では燃焼状態が不安定なため、すぐにパイロット噴射量を減量し、またはパイロット噴射時期を遅角させると次のサイクルで失火が発生するおそれがある。その点、全気筒においてパイロット噴射による燃料が過剰に燃焼していると判定されたときにパイロット噴射の量を減量し、またはパイロット噴射の時期を遅角すれば、失火の発生を抑制することができる。これにより、内燃機関の始動性を向上させることができる。
本発明においては、パイロット噴射の減量およびパイロット噴射時期の遅角を行うことにより失火が発生した場合には、失火が発生した気筒のみパイロット噴射の増量およびパイロット噴射時期の進角を行うことができる。
これにより、失火が発生した気筒ではパイロット噴射による燃料に着火しやすくなるため、失火を抑制することができる。また、失火が発生していない気筒では、パイロット噴射の量および時期を現状のまま維持することができる。これにより、失火が発生していない気筒で燃焼状態が不安定となることを抑制できる。すなわち、各気筒において、パイロット噴射を効果的に行うことが可能となる。
本発明においては、失火が発生した直後の1サイクルのみパイロット噴射の量を減少させ若しくはパイロット噴射の時期を遅角させ、または失火直後の1サイクルのみパイロット噴射の量および時期を失火したサイクルと同じとすることができる。
失火が発生した気筒では気筒内に未燃燃料が残留する。この気筒内に残っている未燃燃料は失火が発生したサイクルでの圧縮行程中に温度が上昇し、また霧化も進行している。このような未燃燃料は次サイクルにおいて着火しやすい。ここで、失火が発生したからといってパイロット噴射の量を増量したり、パイロット噴射の時期を進角させたりすると、前記着火しやすい未燃燃料によりパイロット噴射による燃料が過剰に燃焼するおそれがある。その点、失火直後の1サイクルのみパイロット噴射の量を減少させ若しくはパイロット噴射の時期を遅角させることにより、パイロット噴射による燃料の過剰燃焼を抑制する
ことができる。また、パイロット噴射の量および時期を失火が発生したサイクルと同じにしても、同様にパイロット噴射による燃料の過剰燃焼を抑制することができる。
本発明においては、気筒毎に機関始動後の着火回数を積算し、この積算値が全気筒の平均値よりも所定値以上少ない気筒では異常が発生していると判定することができる。
ここでグロープラグの温度や圧縮比は各気筒でばらつきが有り、気筒毎に異なる。そのため、着火のしやすさも気筒毎に異なることになり、機関始動後の着火回数が気筒間で異なることもある。しかし、他の気筒よりも着火回数が極端に少ない場合には、何らかの異常が生じているおそれがある。したがって、気筒毎の着火回数と全気筒の着火回数の平均値とを比較することにより、異常が発生している気筒を判別することができる。
本発明においては、異常が発生していると判定された気筒の数が所定数以上の場合には、全気筒のメイン噴射およびパイロット噴射を停止させることができる。
すなわち、異常が発生している気筒が多い場合には機関発生トルクが小さくなるので内燃機関を始動させることができないおそれがある。このようなおそれのある場合には、燃料噴射を停止させて内燃機関の始動させないようにすることができる。
本発明においては、異常が発生していると判定された気筒の数が所定数よりも少ない場合には、異常が発生していると判定された気筒のパイロット噴射量およびパイロット噴射時期を初期値のまま維持し若しくは燃料噴射を停止させ、その他の気筒ではパイロット噴射量およびパイロット噴射時期の制御を行うことができる。
異常が発生している気筒が所定数よりも少ない場合には、内燃機関を始動させることができる。したがって、パイロット噴射およびメイン噴射を引き続き行う。しかし、異常が発生している気筒では燃料に着火しにくくなっているために着火回数が少なくなっていると考えられるため、燃料に着火しやすい状態としておく。ここで、パイロット噴射の量および時期の初期値は、初爆の発生を優先させるために燃料が着火しやすい値とされている。そのため、パイロット噴射の量および時期をこの初期値としておくことにより、異常が発生している気筒において着火回数を増加させることができる。また、未燃燃料の排出を抑制するために、異常が発生している気筒の燃料噴射を停止させてもよい。
一方、異常が発生していない気筒では、引き続きパイロット噴射の量および時期を制御することにより、過剰燃焼および失火の発生を抑制することができる。
本発明においては、内燃機関の始動完了時におけるパイロット噴射量またはパイロット噴射時期に基づいて次回機関始動時のパイロット噴射量の初期値、パイロット噴射時期の初期値、またはパイロット噴射量の変更度合いを気筒毎に決定することができる。
ここで、前記したようにグロープラグの温度や圧縮比は各気筒でばらつきが有り、気筒毎に異なる。そのため、着火のしやすさも気筒毎に異なる。そのため、機関始動完了時におけるパイロット噴射の量や時期が各気筒で異なることがある。そして、機関始動完了時におけるパイロット噴射の量や時期は、機関始動開始から機関始動完了までの間に行われたフィードバック制御により最終的に設定された値となる。この値は、各気筒の着火のしやすさに応じて変わる値である。そして、各気筒における着火のしやすさに応じて気筒毎にパイロット噴射量の初期値、パイロット噴射時期の初期値、およびパイロット噴射量の変更度合いを決定することにより、次回機関始動開始時の直後から適正なパイロット噴射の量および時期を設定することができる。これにより、内燃機関の始動性をより向上させることができる。
本発明においては、失火が発生したサイクルの1サイクル前のパイロット噴射量を下限値として気筒毎に記憶し、パイロット噴射量が該下限値よりも少なくならないようにパイロット噴射量の制御を行うことができる。
パイロット噴射による燃料の過剰燃焼を抑制するためにパイロット噴射量を減少させすぎると、今度は失火が発生する。そして、失火が発生する1サイクル前におけるパイロット噴射量は、失火が発生することなく且つ過剰燃焼を抑制することができるものである。したがって、失火直前の1サイクル前のパイロット噴射量を下限値として記憶しておけば、次回以降の機関始動時にこの下限値よりもパイロット噴射量が少なくならないように制御することができ、これにより失火の発生および過剰燃焼を抑制することができる。
本発明によれば、パイロット噴射による燃料の着火時期を容易に検出することができる。
以下、本発明に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を採用した内燃機関1の概略構成を示す図である。内燃機関1は4つの気筒2を有する4サイクルディーゼル機関である。
内燃機関1の各気筒2には、該気筒2内に燃料を噴射する燃料噴射弁3が夫々備わる。また、内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
ECU10には、アクセルペダル5の開度に応じた信号を出力するアクセル開度センサ6、およびクランクシャフトの回転に応じて信号を出力するクランクポジションセンサ4が電気配線を介して接続されており、これらセンサの出力信号がECU10に入力されるようになっている。アクセル開度センサ6からの出力信号により内燃機関1の負荷を検出することができ、またクランクポジションセンサ4からの出力信号により内燃機関1の回転数を検出することができる。
一方、ECU10には、燃料噴射弁3が電気配線を介して接続され、ECU10はこの燃料噴射弁3に噴射信号を与えることにより燃料を噴射させる。燃料噴射は気筒2毎にパイロット噴射およびメイン噴射の2回行われる。パイロット噴射は、メイン噴射に先立って行われる燃料噴射であり、例えば内燃機関1の始動時においてメイン噴射による燃料の着火性を向上させるために行われる。また、メイン噴射は要求トルクを内燃機関1で発生させるために必要となる燃料を主に噴射するものであり、アクセルペダル5の開度に応じて噴射量が決定される。
ここで、パイロット噴射はその量や時期によってはメイン噴射の着火性を向上させることができなかったり、さらにはメイン噴射の着火性を低下させたりすることがある。またパイロット噴射およびメイン噴射の量や時期の最適値は、内燃機関1の運転状態によって変化する。そこで、本実施例においては、低温始動時においてパイロット噴射の量や時期を適切なものとしてメイン噴射の着火性を向上させることにより、内燃機関1の発生トルクをより大きくする。
<パイロット噴射の過剰燃焼の検出(1)>
内燃機関1の低温始動時には、圧縮上死点よりも後(遅角側)で燃料を燃焼させることにより機関発生トルクが増大するので、この時期にメイン噴射を行うことにより該内燃機関1の始動性を向上させることができる。ただし、圧縮上死点を過ぎると気筒2内の温度が低下するために燃料の着火性が低下するので、気筒2内の温度が最も高くなる圧縮上死点付近で少量のパイロット噴射を行う。そして、このパイロット噴射による燃料を燃焼させる。ここで、図2は、パイロット噴射による燃料が正常に燃焼したときの気筒2内の圧力および燃料噴射弁3への噴射信号の推移を示した図ある。横軸はクランクアングルを示している。また、圧縮上死点をTDCで示している。このパイロット噴射により、気筒2内の温度の低下を抑制することができるので、メイン噴射に着火しやすくすることができる。
一方、図3は、パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼したときの気筒2内の圧力および燃料噴射弁3への噴射信号の推移を図2と同様に示した図ある。内燃機関1の気筒2内の温度は、始動開始時から時間と共に上昇するので、時間と共にパイロット噴射による燃料が燃焼しやすくなる。そのため、内燃機関1の始動開始時から仮にパイロット噴射の量および時期を一定とすると、パイロット噴射が過剰に燃焼するおそれがある。そして、パイロット噴射が過剰に燃焼すると気筒2内の酸素が減少するので、メイン噴射による燃料に着火し難くなる。したがって、トルクの大きくなる圧縮上死点よりも後の時期で燃料を燃焼させることができなくなり機関発生トルクが減少してしまう。
図3に示したようなパイロット噴射による燃料が過剰に燃焼している状態でパイロット噴射の量を減少したり時期を遅角したりすることにより、図2に示したようなパイロット噴射による燃料が正常に燃焼している状態とすることができる。しかし、パイロット噴射による燃料が正常に燃焼している状態で且つ他の原因により発生トルクが低下している場合に、パイロット噴射の量を減少させたり時期を遅角させたりすると、パイロット噴射による燃料の着火性が低下し、これによりメイン噴射による着火性も低下してしまう。そのため、本実施例ではまずパイロット噴射の燃料状態について検出する。
図4は、内燃機関1の瞬時回転数の推移を示した図である。横軸はクランクアングルである。実線はパイロット噴射が正常に燃焼しているとき(以下、パイロット正常燃焼時という。)、破線はパイロット噴射が過剰に燃焼しているとき(以下、パイロット過剰燃焼時という。)を示している。内燃機関1の始動中の瞬時回転数は、圧縮行程において気筒2内の圧力上昇と共に低下し、TDCで最低となる。その後燃料に着火することにより気筒2内の圧力が上昇するので、それに伴い瞬時回転数も上昇する。
そして、パイロット正常燃焼時にはメイン噴射後に瞬時回転数が急激に上昇するが、パイロット過剰燃焼時にはパイロット噴射後のTDC付近で瞬時回転数が急激に上昇する。すなわち、パイロット正常燃焼時には、パイロット噴射による燃料の燃焼量は小さいので、該パイロット噴射による瞬時回転数の変化は少ない。そして、メイン噴射時おいても気筒2内に酸素が残存している。そのため、メイン噴射後に該メイン噴射による燃料が燃焼してトルクが発生するので、メイン噴射後に瞬時回転数が急激に上昇する。
一方、パイロット過剰燃焼時には、パイロット噴射による燃料が過剰燃焼することにより該パイロット噴射直後にトルクが急激に大きくなるので、瞬時回転数がメイン噴射前に急激に大きくなる。そして、パイロット噴射による燃料が過剰燃焼することにより気筒2内の酸素が減少するので、メイン噴射時には気筒2内に酸素があまり残存しない状態となっている。そのため、メイン噴射による燃料があまり燃焼しないので、メイン噴射後に発生するトルクは小さい。そのため、メイン噴射後に瞬時回転数が急激に上昇することはな
い。
このように、パイロット正常燃焼時とパイロット過剰燃焼時とでは、瞬時回転数の推移に差がある。そこで、TDCでの瞬時回転数ωaとメイン噴射時の瞬時回転数ωmとを検出し、これらの差(ωm−ωa)が所定値よりも高いときに過剰燃焼であると判定する。この所定値は、内燃機関1の慣性力等を考慮し、機関回転数に応じて変化させる。例えば、機関回転数が低いほど慣性力が小さいため、差(ωm−ωa)は大きくなるので所定値を大きくする。なお、差(ωm−ωa)に代えて、比(ωm/ωa)に基づいて過剰燃焼を判定してもよい。
図5は、パイロット噴射による燃料の燃焼状態を瞬時回転数の比較により判定するフローを示したフローチャートである。本フローは所定の時間毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、内燃機関1が始動中であるか否か判定される。始動中とは、内燃機関1を始動させるための動作があった後から内燃機関1の始動完了とされる機関回転数に到達するまでの期間である。たとえば、機関回転数が予め設定されているアイドル回転数よりも低い場合には始動中であると判定される。ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS102では、TDCでの瞬時回転数ωaとメイン噴射時の瞬時回転数ωmとが読み込まれる。瞬時回転数は、クランクポジションセンサ4の出力信号から得る。
ステップS103では、差(ωm−ωa)が所定値αよりも高いか否か判定される。所定値αは、パイロット正常燃焼時の差(ωm−ωa)の上限値であり、予め実験等により求めてECU10に記憶させておく。ステップS103で肯定判定がなされた場合にはステップS104へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS105へ進む。
ステップS104では、過剰燃焼フラグがONとされる。過剰燃焼フラグとは、パイロット噴射による燃料が過剰燃焼していると判定されたときにONとされ、パイロット噴射による燃料が正常に燃焼していると判定されたときにOFFとされるフラグである。
ステップS105では、過剰燃焼フラグがOFFとされる。
このようにして、パイロット噴射による燃料が正常に燃焼しているのか、または過剰に燃焼しているのか判定することができる。
<パイロット噴射の過剰燃焼の検出(2)>
パイロット過剰燃焼時には、メイン噴射を行っても該メイン噴射による燃料は燃焼しない。しかし、パイロット噴射による燃料は燃焼しているため、メイン噴射の量を極端に減少させたり、若しくはメイン噴射の時期を極端に遅角させたりしても、さらにはメイン噴射を行わなくても気筒2内では燃料が燃焼している。すなわち、パイロット過剰燃焼時には、完全な失火は起きない。そこで、メイン噴射が着火し得ない量(例えば10mm/st以下)または時期(例えば30°CA ATDC以降)としたときに、失火が検出されないときにはパイロット噴射による燃料が過剰燃焼していると判定することができる。この判定は、例えば機関始動開始から所定時間経過後、または着火回数が所定値を超えても内燃機関1の始動が完了しない場合に行う。着火したか否かは従来の技術により判定することができる。例えば機関回転数の上昇度合いが所定値以上である場合に着火したと判定することができる。
図6は、パイロット噴射による燃料の燃焼状態を失火の有無により判定するフローを示したフローチャートである。本フローは所定の時間毎に繰り返し実行される。
ステップS201では、内燃機関1が始動中であるか否か判定される。前記ステップS101と同様の処理が行われる。ステップS201で肯定判定がなされた場合にはステップS202へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS202では、内燃機関1の始動開始から所定時間経過したか否か判定される。パイロット噴射による燃料の過剰燃焼は気筒2内の温度の上昇に伴って発生するため、過剰燃焼が発生し得る期間に過剰燃焼が発生しているか否か判定する。この所定時間は予め実験等により求めてECU10に記憶させておく。ステップS202で肯定判定がなされた場合にはステップS203へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS203では、メイン噴射時期を過剰燃焼判定用噴射時期βに設定する。過剰燃焼判定用噴射時期βとは、メイン噴射を行っても該メイン噴射による燃料が燃焼しない時期であり、例えば30°CA ATDCとする。
ステップS204では、失火が発生しているか否か判定される。失火しているか否かの判定は、従来からある技術を利用することができる。例えば機関回転数の上昇度合いが所定値よりも小さい場合に失火が発生していると判定することができる。ステップS204で肯定判定がなされた場合にはステップS205へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS206へ進む。
ステップS205では、過剰燃焼フラグがOFFとされる。
ステップS206では、過剰燃焼フラグがONとされる。
このようにしてもパイロット噴射による燃料が過剰燃焼しているか否か判定することができる。
<パイロット噴射の過剰燃焼の検出(3)>
ここで、パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼するのは気筒2内の温度に起因している。すなわち、気筒2内の温度がある程度上昇した場合にパイロット噴射による燃料が過剰に燃焼する。そこで、パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼する温度まで気筒2内の温度が上昇した場合に、パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼していると判定してもよい。ここで、気筒2内の温度を直接検出してもよいが、本実施例では気筒内の温度と始動開始からの着火回数とに比例関係があることに基づいて、該始動開始からの着火回数に基づいて気筒2内の温度を推定する。
すなわち、本実施例では、各気筒2で着火回数をカウントし、この回数が所定回数を超えたときにパイロット噴射による燃料が過剰燃焼していると判定する。さらに、前記<パイロット噴射の過剰燃焼の検出(1)>および<パイロット噴射の過剰燃焼の検出(2)>による判定結果を組み合わせることにより、過剰燃焼の検出精度を向上させる。
図7は、パイロット噴射による燃料の燃焼状態を着火回数により判定するフローを示したフローチャートである。本フローは所定の時間毎に繰り返し実行される。
ステップS301では、内燃機関1が始動中であるか否か判定される。前記ステップS101と同様の処理が行われる。ステップS301で肯定判定がなされた場合にはステッ
プS302へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS302では、第一過剰燃焼フラグがONとなっているか否か判定される。この第一過剰燃焼フラグとは、前記<パイロット噴射の過剰燃焼の検出(1)>による判定で用いられた過剰燃焼フラグである。ステップS302で肯定判定がなされた場合にはステップS303へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS306へ進む。
ステップS303では、第二過剰燃焼フラグがONとなっているか否か判定される。この第二過剰燃焼フラグとは、前記<パイロット噴射の過剰燃焼の検出(2)>による判定で用いられた過剰燃焼フラグである。ステップS303で肯定判定がなされた場合にはステップS304へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS306へ進む。
ステップS304では、着火回数が所定回数aよりも多いか否か判定される。着火回数とは、内燃機関1が始動を開始してから燃料に着火した回数を気筒毎に積算したものである。また、所定回数aは、パイロット噴射による燃料が過剰燃焼しない着火回数の上限値として予め実験等により求めてECU10に記憶させておく。ステップS304で肯定判定がなされた場合にはステップS305へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS306へ進む。
ステップS305では、過剰燃焼フラグがONとされる。
ステップS306では、過剰燃焼フラグがOFFとされる。
このようにしてもパイロット噴射による燃料が過剰燃焼しているか否か判定することができる。そして、複数の方法により過剰燃焼の検出を行っているため、検出精度を向上させることができる。
<パイロット過剰燃焼時のパイロット噴射制御(1)>
パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼していると判定された場合には、パイロット噴射の量および/または時期を変更することにより過剰燃焼が発生していない正常な燃焼へと戻すことができる。たとえば、パイロット噴射の量を減量し、若しくはパイロット噴射の時期を遅角させることにより過剰な燃焼を抑制する。これにより、メイン噴射による燃料がより燃焼するようになるため、機関発生トルクが増加するので内燃機関1の始動性を向上させることができる。ただし、パイロット噴射の量を過剰に減少させたり、またパイロット噴射の時期を過剰に遅角させたりすると、失火が発生するおそれがあるため以下の制御を行う。
すなわち、パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼していると判定された気筒2のみパイロット噴射の量を減少させ、またはパイロット噴射の時期を遅角させる。このときの減少量または遅角量は、予め実験等により最適値を求めておきECU10に記憶させておく。このようにして、パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼している気筒において、その後の過剰燃焼を抑制することができる。また、パイロット噴射による燃料が正常に燃焼している気筒ではパイロット噴射の量および時期が変更されないので、失火の発生が抑制される。
<パイロット過剰燃焼時のパイロット噴射制御(2)>
また、パイロット噴射による燃料の過剰燃焼が全気筒で検出されたときに全気筒のパイロット噴射の量を減量させ、若しくは時期を遅角させてもよい。過剰燃焼が検出された気筒では、この過剰燃焼が検出された直後のサイクルで燃焼状態が不安定となっている。そのため、過剰燃焼が検出された直後にパイロット噴射の量を減量させたり、時期を遅角さ
せたりすると次のサイクルで失火が発生するおそれがある。これに対し、全気筒で過剰燃焼が検出されたときにパイロット噴射の量や時期を変更することにより、最後の気筒でパイロット噴射による燃料の過剰燃焼が検出されるまでの期間で他の気筒の燃焼状態が安定する。これにより、失火の発生が抑制されるので機関発生トルクの減少を抑制することができる。
<パイロット過剰燃焼時のパイロット噴射制御(3)>
一方、始動開始からの各気筒の着火回数若しくは失火回数をカウントし、全気筒の平均着火回数よりも所定回数以上着火回数が少ない気筒で異常が発生していると判定してもよい。ここで、燃料噴射弁3またはグロープラグが故障した場合等のパイロット噴射の量や時期と関係なく失火が発生している場合には、パイロット噴射の量や時期を変えてもメイン噴射による燃料に着火させることができない。また、前記<パイロット過剰燃焼時のパイロット噴射制御(2)>で説明したように、全気筒で過剰燃焼が起こっていると判定されるまでパイロット噴射の量や時期を変更しない場合には、着火しない気筒が存在し続けるため、他の気筒においてもパイロット噴射の量や時期が変更されない。そのため、トルクを向上させることができずに内燃機関の始動性が低下する。
その点、内燃機関1の始動開始からの各気筒の着火回数若しくは失火回数を積算し、全気筒の平均着火回数よりも所定回数以上着火回数が少ない気筒で異常が発生していると判定することができれば、異常が発生していない気筒においてパイロット噴射の量や時期を変更することができる。
図8は、各気筒の着火回数に基づいたパイロット噴射の制御フローを示したフローチャートである。本フローは所定の時間毎に繰り返し実行される。また、本ルーチンは1番気筒について説明するが、他の2番から4番気筒についても同様の処理を行う。
ステップS401では、1番気筒から4番気筒までの着火回数(N1、N2、N3、およびN4)を読み込む。着火回数は、前記ステップS304と同じ処理にて得ることができる。そして、着火回数は、気筒毎に積算されつつECU10に記憶される。
ステップS402では、1番気筒から4番気筒までの着火回数の平均値(以下、平均着火回数NAVEという。)を算出する。
ステップS403では、平均着火回数NAVEと1気筒の着火回数N1との差が異常判定回数差a以下であるか否か判定される。異常判定回数差aは、予め実験等により求めてECU10に記憶させておく。ステップS403で肯定判定がなされた場合にはステップS404へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS404では、#1異常フラグがONとされる。#1異常フラグとは、1番気筒に異常が発生していると判定されたときにONとされ、正常であると判定されたときにOFFとされるフラグである。なお、2番気筒、3番気筒、および4番気筒では、夫々#2異常フラグ、#3異常フラグ、および#4異常フラグが設定される。
ステップS405では、1番気筒の燃料噴射が停止される。これにより、未燃燃料が内燃機関1から排出されることを抑制できる。
<パイロット過剰燃焼時のパイロット噴射制御(4)>
また、前記<パイロット過剰燃焼時のパイロット噴射制御(3)>において、異常が発生していると判定された気筒の数が所定値よりも多い場合には、内燃機関1の始動ができない状態であると判断して全気筒における燃料噴射を停止してもよい。さらに、異常が発
生していると判定された気筒の数が所定値以下の場合には、異常が発生していると判定された気筒におけるパイロット噴射の量や時期は初期値のまま変更せず、正常であると判定された気筒におけるパイロット噴射の量や時期を前記<パイロット過剰燃焼時のパイロット噴射制御(2)>により行う。
ここで、内燃機関1の始動ができる状態であるか否かを判定するのに用いる「所定値」は、内燃機関1の気筒数により決定する。例えば4気筒内燃機関では所定値を1とする。すなわち、4気筒内燃機関では1気筒で異常が発生していると判定されたときには、内燃機関1の始動が可能であるとして内燃機関の始動を継続し、一方、2気筒以上で異常が発生していると判定された場合には、内燃機関1の始動が不可能であるとして燃料噴射を停止させる。
なお、異常が発生していると判定された気筒におけるパイロット噴射の量や時期を初期値で固定するのは、初期値は着火性が一番良くなるような量や時期に予め設定されているため、異常が発生している気筒でも着火する可能性を高めることができるからである。
図9は、異常が発生している気筒が多い場合に内燃機関を停止させる制御のフローを示したフローチャートである。本フローは所定の時間毎に繰り返し実行される。
ステップS501では、内燃機関1が始動中であるか否か判定される。前記ステップS101と同様の処理が行われる。ステップS501で肯定判定がなされた場合にはステップS502へ進み、一方、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS502では、異常フラグが読み込まれる。異常フラグは、前記ステップS404で設定される#1異常フラグ、#2異常フラグ、#3異常フラグ、および#4異常フラグであり、これらの異常フラグのうちでONとなっている数が読み込まれる。
ステップS503では、異常が発生している気筒が2気筒以上あるか否か判定される。すなわち、異常フラグがONとなっている気筒が2つ以上あるか否か判定される。ステップS503で肯定判定がなされた場合にはステップS504へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS506へ進む。
ステップS504では、内燃機関1の異常を示す警告ランプを点灯させる。これにより、運転者等に異常を知らせることができる。
ステップS505では、全気筒の燃料噴射が停止される。これにより内燃機関1が停止されるので、異常が発生している気筒から未燃燃料が排出されることが抑制される。
ステップS506では、異常が発生している気筒の燃料噴射を停止させる。すなわち、異常フラグがONとなっている気筒のみ燃料噴射を停止させ、他の気筒では、前記<パイロット過剰燃焼時のパイロット噴射制御(2)>で説明した処理を行う。これにより、異常が発生している気筒からの未燃燃料の排出を抑制しつつ内燃機関1を始動させることができる。また、異常フラグがONとなっている気筒のパイロット噴射の量や時期を初期値に固定しつつパイロット噴射を行うようにしてもよい。
<失火発生時の制御(1)>
前記<パイロット過剰燃焼時のパイロット噴射制御(1)>および<パイロット過剰燃焼時のパイロット噴射制御(2)>で説明した処理によりパイロット噴射の量や時期を変更すると、パイロット噴射による燃料が燃焼し難くなるため、失火が発生することがある。これに対し、失火が発生した気筒のみパイロット噴射の量を増加させ、およびパイロッ
ト噴射の時期を進角させる。そして、失火が発生していない気筒、すなわち燃料に着火している気筒ではパイロット噴射の量および時期を前サイクルの値と同じにする。
このようにして、失火が発生した気筒の着火性を向上させることができる。そして、失火が発生していない気筒ではパイロット噴射の量や時期が変更されないので、引き続き着火させることができ、またパイロット噴射の量や時期が過剰に変更されることが抑制される。
また、機関始動開始直後のパイロット噴射の量は、始動機関中最大の量とする。これにより、過剰燃焼が起こるおそれもあるが、燃料が初めて燃焼すること(初爆の発生)を優先させて内燃機関の始動性を向上させることができる。
<失火発生時の制御(2)>
失火が発生した直後の気筒には、着火性の高い燃料が残量している。すなわち、前サイクルの圧縮行程において温度が上昇した気筒内に燃料が噴射されることにより燃料の温度も上昇しているので、失火が発生したとしても気筒内の燃料は燃焼しやすい状態となっている。そして、失火が発生した次のサイクルでもこの燃焼しやすい状態の燃料の一部が気筒内に残留している。そのため、前サイクルにおいて失火が発生した場合には、失火が発生しなかった場合と比較して燃料に着火しやすくなる。
そこで、失火が発生した直後の1サイクルのみパイロット噴射の量を減量させ、パイロット噴射の時期を遅角させる。または、パイロット噴射の量および時期を失火が発生したサイクルのときと同じとする。このようにしても、気筒内には着火性の高い燃料が残留しているので失火の発生を抑制することができる。また、失火が発生した直後にパイロット噴射の量を増加させ、またはパイロット噴射の時期を進角させると、パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼するおそれがあるが、パイロット噴射の量の減量、パイロット噴射の時期の遅角、または、パイロット噴射の量および時期を維持することにより過剰燃焼を抑制することができる。
<学習制御(1)>
以上説明した処理を実行しつつ内燃機関1を始動させたとしても、各気筒でグロープラグの温度や実圧縮比にばらつきがあることから、機関始動完了時のパイロット噴射の量、パイロット噴射の時期、および失火若しくは着火の回数は気筒毎に異なることがある。一方、機関始動完了時のパイロット噴射の量、パイロット噴射の時期、および失火若しくは着火の回数に基づいて、失火が発生しやすい気筒、着火しやすい気筒、またはパイロット噴射による燃料が過剰燃焼しやすい気筒を判別することができる。すなわち、機関始動完了時におけるパイロット噴射の量の増加量が多いほど、またパイロット噴射の時期の進角量が大きいほど、さらには失火回数が多いほど失火が発生しやすい気筒であると判定することができる。
これを利用することにより、次回の内燃機関の始動時においてパイロット噴射の量や時期の初期値、および機関始動中におけるパイロット噴射の量の変化量を気筒毎に最適化することができる。例えば、失火の発生回数が少ない気筒では、パイロット噴射の量の初期値を少なくし、さらにパイロット噴射の量を減量させるときには、その減量の度合いを大きくする。また、失火の発生回数が多い気筒では、パイロット噴射の量の初期値を多くし、さらにパイロット噴射の量を減量させるときには、その度合いを小さくする。このようにすることで、次回の機関始動時の始動性を向上させることができ、始動完了までの時間を短縮することができる。
<学習制御(2)>
また、失火が発生した気筒において、失火が発生する1サイクル前のパイロット噴射の量を下限値として記憶しておき、次回以降の機関始動時においてパイロット噴射の量をこの下限値以上とすることにより、失火の発生を抑制することができる。これにより、内燃機関1の始動性を向上させることができる。
ここで、図10は、パイロット噴射の量の学習をしない場合のパイロット噴射の量、着火フラグ、および機関回転数の推移を示したタイムチャートである。また、図11は、パイロット噴射の量の学習をした場合のパイロット噴射の量、着火フラグ、および機関回転数の推移を示したタイムチャートである。1番気筒(#1)から4番気筒(#4)までの状態を夫々示している。図10におけるAおよびBで示される時間のときに1番気筒のパイロット噴射の量が少なくなりすぎて失火が発生している(すなわち、着火フラグがOFFとなっている。)。また、図10におけるCで示される時間のときに2番気筒および3番気筒のパイロット噴射の量が少なくなりすぎて失火が発生している(すなわち、着火フラグがOFFとなっている。)。その結果、図10に示した機関回転数では変動が生じている。
一方、図11においては、夫々の気筒でパイロット噴射の量が低くなりすぎないように下限値が設定されているので、失火が発生しない(すなわち、着火フラグがONとなった後ではOFFとならない。)。図11では、1番気筒の下限値が一番大きく、2番気筒および3番気筒の下限値がそれよりも小さく、4番気筒の下限値が一番小さくなっている。そして、Aで示される時間において1番気筒のパイロット噴射量が下限値となり、Cで示される時間において2番気筒および3番気筒のパイロット噴射量が下限値となっている。このようにして、パイロット噴射の量を下限値以上に維持することにより、機関回転数の変動が少なくなり且つ機関回転数は速やかに上昇している。
このようにして、パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼することを抑制しつつ、失火の発生も抑制することができるので、内燃機関1の始動性をより向上させることができる。
実施例に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を採用した内燃機関の概略構成を示す図である。 パイロット噴射による燃料が正常に燃焼したときの気筒内の圧力および燃料噴射弁への噴射信号の推移を示した図ある。 パイロット噴射による燃料が過剰に燃焼したときの気筒内の圧力および燃料噴射弁への噴射信号の推移を図2と同様に示した図ある。 内燃機関の瞬時回転数の推移を示した図である。 パイロット噴射による燃料の燃焼状態を瞬時回転数の比較により判定するフローを示したフローチャートである。 パイロット噴射による燃料の燃焼状態を失火の有無により判定するフローを示したフローチャートである。 パイロット噴射による燃料の燃焼状態を着火回数により判定するフローを示したフローチャートである。 各気筒の着火回数に基づいたパイロット噴射の制御フローを示したフローチャートである。 異常が発生している気筒が多い場合に内燃機関を停止させる制御のフローを示したフローチャートである。 パイロット噴射の量の学習をしない場合のパイロット噴射の量、着火フラグ、および機関回転数の推移を示したタイムチャートである。 パイロット噴射の量の学習をした場合のパイロット噴射の量、着火フラグ、および機関回転数の推移を示したタイムチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
3 燃料噴射弁
4 クランクポジションセンサ
5 アクセルペダル
6 アクセル開度センサ
10 ECU

Claims (13)

  1. メイン噴射および該メイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を行う低温始動時において、パイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼しているかを機関回転数の変動に基づいて検出することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. メイン噴射時期の瞬時回転数と圧縮上死点時の瞬時回転数とから前記パイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼しているか判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. メイン噴射および該メイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を行う低温始動時において、メイン噴射を行ったとしてもこの燃料に着火し得ない時期に該メイン噴射を行い、そのメイン噴射を行ったサイクルにおいて失火の発生が検出されない場合には、前記パイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼していると判定することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. メイン噴射および該メイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を行う低温始動時において、機関始動後の着火回数に基づいてパイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼していると判定することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. パイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼していると判定された気筒のみパイロット噴射の減量およびパイロット噴射時期の遅角を行うことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. パイロット噴射による燃料が所定量以上燃焼していると全気筒において判定されるまではパイロット噴射の減量およびパイロット噴射時期の遅角を行わないことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. パイロット噴射の減量およびパイロット噴射時期の遅角を行うことにより失火が発生した場合には、失火が発生した気筒のみパイロット噴射の増量およびパイロット噴射時期の進角を行うことを特徴とする請求項5または6に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  8. 失火が発生した直後の1サイクルのみパイロット噴射の量を減少させ若しくはパイロット噴射の時期を遅角させ、または失火直後の1サイクルのみパイロット噴射の量および時期を失火したサイクルと同じとすることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  9. 気筒毎に機関始動後の着火回数を積算し、この積算値が全気筒の平均値よりも所定値以上少ない気筒では異常が発生していると判定することを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  10. 異常が発生していると判定された気筒の数が所定数以上の場合には、全気筒のメイン噴射およびパイロット噴射を停止させることを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  11. 異常が発生していると判定された気筒の数が所定数よりも少ない場合には、異常が発生していると判定された気筒のパイロット噴射量およびパイロット噴射時期を初期値のまま維持し若しくは燃料噴射を停止させ、その他の気筒ではパイロット噴射量およびパイロット噴射時期の制御を行うことを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  12. 内燃機関の始動完了時におけるパイロット噴射量またはパイロット噴射時期に基づいて次回機関始動時のパイロット噴射量の初期値、パイロット噴射時期の初期値、またはパイロット噴射量の変更度合いを気筒毎に決定することを特徴とする請求項1から11の何れかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  13. 失火が発生したサイクルの1サイクル前のパイロット噴射量を下限値として気筒毎に記憶し、パイロット噴射量が該下限値よりも少なくならないようにパイロット噴射量の制御を行うことを特徴とする請求項1から11の何れかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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