JP2008019736A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の制御装置において、機関始動時の失火を抑制しつつ、始動開始から始動完了までの時間をより適正なものとする技術を提供する。
【解決手段】複数の気筒を有する圧縮着火式内燃機関の制御装置であって、気筒毎に備えられるグロープラグと、各気筒の燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、失火している気筒ではグロープラグの温度を上昇させ、着火している気筒ではグロープラグの温度を下降させるグロープラグ温度制御手段と、を備え、着火している気筒において、内燃機関の始動が完了するまでに要する時間が長いほど、前記グロープラグの温度をより下降させる。
【選択図】図8
【解決手段】複数の気筒を有する圧縮着火式内燃機関の制御装置であって、気筒毎に備えられるグロープラグと、各気筒の燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、失火している気筒ではグロープラグの温度を上昇させ、着火している気筒ではグロープラグの温度を下降させるグロープラグ温度制御手段と、を備え、着火している気筒において、内燃機関の始動が完了するまでに要する時間が長いほど、前記グロープラグの温度をより下降させる。
【選択図】図8
Description
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の冷間始動時には、気筒壁面の温度が低いために、気筒内での燃焼状態が不安定となり失火することがある。そのため、気筒内の温度を上昇させるグロープラグを備えることがある。
そして、内燃機関の始動時に気筒内の温度を必要十分な値まで上昇させるように、該グロープラグの温度を変更する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、失火した気筒に備わるグロープラグの温度を上昇させることにより、該失火した気筒における着火性を向上させる技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2004−232503号公報
特開昭63−75361号公報
特開平10−89206号公報
特開平2−30960号公報
しかし、グロープラグの温度を上昇させることにより失火は抑制されるが、必要以上に温度を上昇させると、着火時期が進角しすぎてしてしまう。そして、着火時期が進角しすぎると機関発生トルクが低下するので、内燃機関の始動が完了するまでの時間が長くなってしまう。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の制御装置において、機関始動時の失火を抑制しつつ、始動開始から始動完了までの時間をより適正なものとする技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の制御装置は、
複数の気筒を有する圧縮着火式内燃機関の制御装置であって、
気筒毎に備えられるグロープラグと、
各気筒の燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、
失火している気筒ではグロープラグの温度を上昇させ、着火している気筒ではグロープラグの温度を下降させるグロープラグ温度制御手段と、
を備え、
着火している気筒において、内燃機関の始動が完了するまでに要する時間が長いほど、前記グロープラグの温度をより下降させることを特徴とする。
複数の気筒を有する圧縮着火式内燃機関の制御装置であって、
気筒毎に備えられるグロープラグと、
各気筒の燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、
失火している気筒ではグロープラグの温度を上昇させ、着火している気筒ではグロープラグの温度を下降させるグロープラグ温度制御手段と、
を備え、
着火している気筒において、内燃機関の始動が完了するまでに要する時間が長いほど、前記グロープラグの温度をより下降させることを特徴とする。
ここで、燃焼状態検出手段は、各気筒の燃焼状態を夫々検出する。これは、推定であってもよい。そして、燃焼状態検出手段は、気筒内における燃焼が正常に行われているか(すなわち着火しているか)、若しくは失火しているか検出する。なお、失火とは、混合気に着火しなかった場合、混合気に着火した後で火炎伝播が行われずに消炎した場合、火炎伝播が行われたが混合気が多く残った状態で火炎が消えた場合を含むことができる。また、気筒内に供給された混合気のうち許容される割合以上の混合気が燃焼しないまま残留している場合に失火しているとしてもよい。さらに、燃焼状態の悪化している場合に失火し
ているとしてもよい。
ているとしてもよい。
失火している気筒では、該気筒内の温度が着火に必要となる温度まで上昇していないと考えられる。この場合、グロープラグの温度を上昇させることにより、
失火を抑制できる。
失火を抑制できる。
また、着火している気筒では、該気筒内の温度が着火に必要となる温度まで上昇していると考えられる。しかし、必要以上にグロープラグの温度が高い場合には、内燃機関の始動開始から始動完了までの時間がより長くなる。つまり、グロープラグの温度が高いほど内燃機関の始動が完了するまでに要する時間が長くなる。ここで、「内燃機関の始動が完了するまで」とは、例えば、内燃機関が回転を始めてから、回転数が所定の値(例えばアイドル時の回転数)に達するまでとしてもよい。
また、失火回数が多いほどグロープラグの温度は低く、着火回数が多いほどグロープラグの温度は高い。このように、内燃機関の始動が完了するまでに要する時間と、着火または失火の回数と、はグロープラグの温度と相関関係にある。そして、着火している気筒では、グロープラグの温度が高くなるほど内燃機関の始動が完了するまでに要する時間が長くなる。つまり、着火している気筒では、グロープラグの温度を下降させることにより、内燃機関の始動が完了するまでの時間を短くすることができる。また、温度の下降によりグロープラグの耐久性を向上させることができる。さらにはグロープラグの消費電力を低減させることができる。
また、本発明においては、着火している気筒において、着火可能な最低温度まで前記グロープラグの温度を下降させることができる。ここで、着火しているからといって、単にグロープラグの温度を下降させると、着火に必要となる温度よりも低くなるおそれがある。これに対し、着火可能な最低温度までグロープラグの温度を下降させることで、失火を抑制しつつグロープラグの温度を可及的に低くすることができる。
さらに、本発明においては、内燃機関の始動が完了するまでの燃焼状態に応じて前記グロープラグの温度の補正値を算出し、該グロープラグの温度を補正することができる。
グロープラグには熱容量があるため、その温度を変更しようとしても直ぐには変化せず、徐々に変化する。したがって、失火したときにグロープラグの温度を上昇させようとしても、直ぐには目標の温度まで上昇しない。瞬間的にグロープラグへ高い電圧を印加することで温度上昇率を高めることができるが、これにも限度がある。
これに対し、内燃機関の始動完了後に該グロープラグの温度を補正すれば、その後のグロープラグの温度を適正化することができる。なお、「その後」とは、内燃機関の始動完了後にそのまま内燃機関が運転される場合や、内燃機関が次回始動される場合を含む。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、機関始動時の失火を抑制しつつ、始動開始から始動完了までの時間をより適正なものとすることができる。
以下、本発明に係る内燃機関の制御装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関1の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1
は、4つの気筒2を有する水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。
は、4つの気筒2を有する水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。
内燃機関1の各気筒2には、各気筒2内に燃料を噴射する燃料噴射弁3が備えられている。さらに、内燃機関1の各気筒2には、各気筒2内の温度を上昇させるグロープラグ4が備えられている。
また、内燃機関1には、該内燃機関の回転数に応じた信号を出力するクランクポジションセンサ5が備えられている。
そして、内燃機関1には該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU6が併設されている。このECU6は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
ECU6には燃料噴射弁3およびグロープラグ4が電気配線を介して接続され、ECU10により燃料噴射弁3の開閉時期およびグロープラグ4の温度が気筒毎に制御される。
また、ECU6には、クランクポジションセンサ5が電気的に接続されており、該クランクポジションセンサ5の出力信号に基づいて、ECU6は、内燃機関1の回転数を算出する。
そして、ECU6は、圧縮上死点および圧縮上死点後90°CA(クランクアングル)での瞬時機関回転数に基づいて各気筒2の燃焼状態を判定する。ここで、ある気筒における圧縮上死点での瞬時機関回転数をωaとし、圧縮上死点後90°CAでの瞬時機関回転数をωbとすると、ある気筒における発生トルクは、ωb2−ωa2に比例する。そして、ある気筒における機関発生トルクが低いときには、この気筒で失火していると考えられる。そこで、失火しているとすることのできるωb2−ωa2の値を予め所定値として定めておけば、ある気筒においてωb2−ωa2の絶対値が所定値以下となった場合に、この気筒で失火が生じていると判定することができる。
例えば、図2は、本実施例におけるクランク角度と機関回転数の関係を表した図である。ωa1およびωb1は、一番気筒における圧縮上死点での瞬時機関回転数および圧縮上死点後90°CAでの瞬時機関回転数を示しており、ωa3およびωb3は、三番気筒における圧縮上死点での瞬時機関回転数および圧縮上死点後90°CAでの瞬時機関回転数を示している。
一番気筒においては、ωb12−ωa12が比較的大きく燃焼状態は良好である、すなわち失火していないと判定することができる。一方、三番気筒においては、ωb32−ωa32が比較的小さく、失火していると判定することができる。本実施例においては、このようにして、着火および失火を判定するECU6が、本発明における燃焼状態検出手段に相当する。
なお、気筒2内の圧力を検出する圧力センサを各気筒2に取り付けて、該圧力センサにより得られる所定クランクアングル時の圧力が閾値よりも高い場合に着火していると判定し、閾値以下の場合に失火していると判定してもよい。
ここで、図3は、グロープラグ4の温度と、機関発生トルクおよび着火時期との関係を示した図である。一般に、グロープラグ4の温度が低くなると、失火し易くなる。そして、着火しにくくなることにより着火時期が遅れる。しかし、発生トルクは大きくなる傾向にある。
一方、グロープラグの温度が高くなると着火し易くなるが、そのために着火時期が早くなるため、発生トルクが低下する。
次に、図4は、グロープラグ4の温度が最適値よりも高い場合の機関回転数および気筒内温度の推移を示したタイムチャートであり、図5は、グロープラグ4の温度が最適値よりも低い場合の機関回転数および気筒内温度の推移を示したタイムチャートである。
グロープラグの温度が最適値よりも高い場合には、気筒2内温度が高いので燃料に着火しやすくなる(以下、着火性が高くなるともいう。)ため、燃料の着火時期が早くなる。これにより、実際の着火時期が最適な着火時期から外れるため、機関発生トルクが小さくなる。そのため、機関回転数の上昇には時間がかかるようになり、内燃機関1の始動完了とされる機関回転数に達するまでにより多くの時間が必要となる。
一方、グロープラグの温度が最適値よりも低い場合には、気筒2内温度が低いために着火性は低くなり、また着火したとしても気筒2内温度は上昇しにくいので、気筒2内温度の上昇度合いがより小さくなる。そのため、失火しやすくなるが発生トルクは大きくなる。これにより、機関回転数の上昇度合いが大きくなり、始動完了とされる機関回転数に達するまでの時間がより短くなる。
そして、本実施例では、失火している気筒2のグロープラグ4の温度を上昇させ、このときに失火していない気筒2のグロープラグ4の温度は変化させずにそのまま維持する。すなわち、失火している気筒に限りグロープラグ4の温度を上昇させる。
このようにすることで、失火している気筒2では、次サイクルにおいて気筒2内の温度が上昇するので着火性が向上し、該次サイクルにおいて再度失火することが抑制される。一方、失火していない気筒2では、次サイクルにおいて気筒2内の温度は現状のまま維持されるので、発生トルクの低下が抑制され、内燃機関1の始動完了までの時間が必要以上に長くなることが抑制される。
なお、本実施例においては、全気筒で少なくとも1サイクル以上失火しなかった場合に、全気筒2のグロープラグ4の温度を下降させてもよい。換言すると、グロープラグ4の温度を上昇させるのは、全気筒2で少なくとも1サイクル以上失火しなかった場合に限ってもよい。
すなわち、他の気筒2で失火しているにもかかわらず、失火していない気筒2でグロープラグ4の温度を下降させると、失火していない気筒2でも着火性が低下して失火するおそれがある。また、失火している気筒2でも、グロープラグ4の温度が上昇されるものの、次のサイクルにおいても失火する可能性がある。そのため、何れの気筒2においても失火してしまうと、機関回転数が急激に落ち込むおそれがある。
これに対し、全気筒2で少なくとも1サイクル以上失火しなかった場合には、もともと失火している気筒2がないだけに、全気筒2においてグロープラグ4の温度を下降させたとしても次サイクルにおいて何れかの気筒2で燃料が着火することが期待でき、機関回転数の急激な落ち込みを抑制できる。また、全気筒2で着火している場合には、全気筒2で着火性に問題がないと判断できるので、グロープラグ4の温度を下降させることができ、この温度の下降により内燃機関1の始動完了までの時間を短縮することができる。
以上説明したグロープラグ4の温度制御のフローについて説明する。図6は、本実施例におけるグロープラグ4の温度制御のフローを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定のクランクアングル毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、ECU6は、全気筒2が着火しているか否か判定する。各気筒2が着火しているか否かは、前述のように機関回転数(すなわちクランクポジションセンサ5の出力信号)に基づいて判定することができる。
ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS104へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS102へ進む。
ステップS102では、ECU6は、失火している気筒2のグロープラグ4の温度を所定温度上昇させる。このときの所定温度は、予め設定しておきECU6に記憶させておく。
ステップS103では、ECU6は、着火している気筒2のグロープラグ4の温度を現状のまま維持する。
ステップS104では、ECU6は、全気筒2のグロープラグの温度を所定温度下降させる。すなわち、全気筒2で着火しているので、グロープラグ4の温度を下降させる。このときの所定温度とは、着火性の低下による失火を誘引しない程度の値とし、予め実験等により求めてECU6に記憶させておく。
このようにして、全気筒2で少なくとも1サイクル以上失火しなかった場合に限り、全気筒2のグロープラグ4の温度を下降させることができる。また、失火している気筒では、グロープラグ4の温度を上昇させて着火性を向上させることにより、燃焼状態を改善することができる。
これらにより、機関発生トルクを適正な値とすることができるので、内燃機関1の始動完了までの時間を適正な値とすることができる。また、グロープラグ4の製造ばらつき等により各気筒2のグロープラグ4で性能差があったとしても、気筒2内温度を適正化することができるので、内燃機関1の始動性を向上させることができる。さらに、グロープラグ4の温度を適正な値まで下降させることができるので、グロープラグ4の耐久性を向上させることができ、また消費電力を低減させることができる。
実施例1では、失火が検出された場合には、ECU6はグロープラグ4の温度を上昇させようとして直ぐに印加電圧を上昇させている。しかし、グロープラグ4の性能によっては、該グロープラグ4に印加する電圧を変化させてから、温度が上昇するまでに時間がかかる。そのため、失火を検出したときにグロープラグ4の温度を上昇させようとしても、直ぐには上昇しない。これに対し、印加電圧を瞬間的に上昇させることも考えられるが、電線の耐久性の低下を招くために、あまり上昇させることができない。
そこで、本実施例においては、内燃機関1の始動完了までの失火回数または着火回数に基づいて、グロープラグ4へ印加する電圧の補正値を算出する。この補正値は直ぐには反映させずに、内燃機関1の始動後または内燃機関1の次回始動時において補正値を反映させる。つまり、内燃機関1の始動が完了するまでは、グロープラグ4の温度を変更しない。その他、ハードウェアについては、実施例1と共通なので説明を省略する。
図7は、本実施例に係る失火回数とグロープラグ4の補正値との関係を示した図である。なお、補正値は気筒2毎に求められる。この補正値を、グロープラグ4の基本となる印加電圧(以下、基本印加電圧という。)に乗じることにより、印加電圧の指令値が求められる。なお、基本印加電圧は、予めECU6に記憶されている。
すなわち、補正値が1の場合は補正が行われない。また、補正値が1よりも小さいときには、印加電圧が現状よりも小さくされることにより、グロープラグ4の温度が下降される。一方、補正値が1よりも大きいときには、印加電圧が現状よりも大きくされることにより、グロープラグ4の温度が上昇される。本実施例においては、このようにして、グロープラグ4の温度を制御するECU6が、本発明におけるグロープラグ温度制御手段に相当する。
そして、本実施例では、内燃機関1の始動完了までに失火が無かったときには、補正値が0より小さくなるようにしている。また、内燃機関1の始動完了までに1回失火があった場合には、補正値が1よりも大きくなるようにしている。つまり、失火回数0から1の間で補正値が1となっている。
このように補正値を設定することで、内燃機関1の始動完了までに失火が無かった場合にはその後グロープラグ4の温度が下降され、失火が1回でもある場合にはその後グロープラグ4の温度が上昇される。
これにより、失火が1回でも発生していた場合には、グロープラグ4の温度上昇により失火が抑制される。そして、失火回数が多いほどグロープラグ4の温度上昇が大きくなるため、失火回数に応じてグロープラグ4の温度を調節することができる。
一方、失火が発生していない場合にはグロープラグ4の温度が高すぎるおそれがあるが、このときにグロープラグ4の温度が下降されるので、グロープラグ4の温度が過度に高くなることが抑制される。これにより、グロープラグ4の耐久性の向上および電力消費量の低減を図ることができる。また、グロープラグ4の温度低下により着火時期が遅れるため、機関発生トルクを上昇させることができるので、始動完了までの時間を短縮することができる。
実施例2では、失火が検出されない気筒2において、グロープラグ4の温度を下降させている。しかし、失火はしていないがグロープラグ4の温度が低い場合には、補正によりグロープラグ4の温度を下降させると、その後に失火するおそれがある。
つまり、グロープラグ4の温度が高すぎて着火時期が進角している場合には、グロープラグ4の温度を下降させることにより、内燃機関1の始動完了までの時間を短縮することができる。しかし、グロープラグ4の温度がそれほど高くない場合にグロープラグ4の温度を下降させると、着火に必要となる温度が得られずに失火するおそれがある。
そこで、本実施例では、内燃機関1の始動完了までに要した時間(以下、始動時間ともいう。)をも考慮して補正値を決定する。つまり、始動時間に基づいて、グロープラグ4の温度を間接的に検出し、該グロープラグ4の温度を補正する。その他、ハードウェアについては、実施例1および2と共通なので説明を省略する。
図8は、本実施例に係る失火回数とグロープラグ4の補正値との関係を示した図である。なお、補正値は気筒2毎に求められる。この補正値を、基本印加電圧に乗じることにより、印加電圧の指令値が求められる。
ここで、始動時間が長いほど補正値は小さくされる。そして、失火しない範囲で始動時間を目標値に近づける。つまり、失火が検出されず且つ始動時間が目標値よりも長い場合には、始動時間が長いほど補正値を小さくする。すなわち、始動時間が長いほどグロープ
ラグ4の温度を低くする。
ラグ4の温度を低くする。
一方、失火が1回でも検出された場合には、補正値を1よりも大きくするのは実施例2と同じであるが、その場合であっても始動時間が長いほど補正値を小さくする。すなわち、失火が検出された場合には、失火回数が多いほど、また始動時間が短いほど補正値が大きくされる。
また、失火が検出されずに始動時間が目標値と同じ場合には補正値を1とする。すなわち、グロープラグ4の温度は変化させない。
このようにすることで、失火が発生していた場合にはグロープラグ4の温度上昇により失火が抑制される。そして、失火回数が多いほどグロープラグ4の温度が低いということになるため、該グロープラグ4の温度上昇が大きくされる。また、始動時間が短いほどグロープラグ4の温度が低いということになるため、該グロープラグ4の温度上昇の度合いが大きくされる。これらにより、失火回数および始動時間に応じてグロープラグ4の温度を調節することができる。
一方、失火が発生していない場合にはグロープラグ4の温度が高すぎるおそれがあるが、このときにはグロープラグ4の温度が下降されるので、該グロープラグ4の温度が過度に高くなることが抑制される。これにより、電力消費量を低減することができる。また、始動時間に応じてグロープラグ4の温度を調節しているため、該グロープラグ4の温度が過度に下降されることが抑制されるので、失火を抑制することができる。さらに、始動時間を目標値に近づけることができる。
以上説明したように、本実施例によれば失火回数と始動完了までの時間とに応じて各気筒2のグロープラグ4の温度を最低値とすることで、機関始動時の失火を抑制しつつ、始動開始から始動完了までの時間をより適正なものとすることができる。
1 内燃機関
2 気筒
3 燃料噴射弁
4 グロープラグ
5 クランクポジションセンサ
6 ECU
2 気筒
3 燃料噴射弁
4 グロープラグ
5 クランクポジションセンサ
6 ECU
Claims (3)
- 複数の気筒を有する圧縮着火式内燃機関の制御装置であって、
気筒毎に備えられるグロープラグと、
各気筒の燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、
失火している気筒ではグロープラグの温度を上昇させ、着火している気筒ではグロープラグの温度を下降させるグロープラグ温度制御手段と、
を備え、
着火している気筒において、内燃機関の始動が完了するまでに要する時間が長いほど、前記グロープラグの温度をより下降させることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 着火している気筒において、着火可能な最低温度まで前記グロープラグの温度を下降させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 内燃機関の始動が完了するまでの燃焼状態に応じて前記グロープラグの温度の補正値を算出し、該グロープラグの温度を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006190278A JP2008019736A (ja) | 2006-07-11 | 2006-07-11 | 内燃機関の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006190278A JP2008019736A (ja) | 2006-07-11 | 2006-07-11 | 内燃機関の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008019736A true JP2008019736A (ja) | 2008-01-31 |
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ID=39075890
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006190278A Withdrawn JP2008019736A (ja) | 2006-07-11 | 2006-07-11 | 内燃機関の制御装置 |
Country Status (1)
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2006
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20091006 |