JP2004116420A - エンジンの点火時期制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジンのノッキングを検出するノッキング検出手段と、ノッキング検出手段の検出信号に基づいて、エンジンの点火時期をエンジンの燃料が高オクタン価燃料のときに適した進角点火時期と燃料が低オクタン価燃料のときに適した遅角点火時期との間で最適な適正点火時期に補正する点火時期補正手段と、を備えたエンジンの点火時期制御装置であって、燃料が給油されたことを検出する燃料給油検出手段と、燃料給油検出手段により燃料の給油が検出されたとき(S1)、点火時期を遅角点火時期付近の給油初期点火時期に設定(S2)した後に、点火時期補正手段により点火時期を適正点火時期に補正(S3)する点火時期設定手段と、を備えるよう構成する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノッキングの検出信号に応じて点火時期を補正するエンジンの点火時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エンジンにおいて、過度に生ずるおそれのあるノッキング(ノック)は、エンジンの出力低下及びオーバーヒート等の原因となったり乗員に不快感を与えるおそれがあることから好ましくない。一方、ノックが生ずる直前のエンジン状態となるように点火時期を進角させると、エンジン出力の効率化を図ることができるため好ましい。よって、エンジンの点火時期をノックが生ずる直前の状態まで進角制御させるノック制御の技術が開発されている。
【0003】
ここで、ノックは、温度・湿度の変化に伴うエンジン燃焼状態の変化のほか、燃料の劣化等に伴う燃料性状の変化によっても発生状況が異なるため、前記ノック制御では、上記エンジン燃焼状態の変化や燃料性状の変化が起こった場合でも、ノックが発生しない範囲でエンジン出力を効率よく発生できるようなノック発生直前の状態となるように、ノック検出手段の出力信号に基づいてエンジン点火時期のフィードバック制御が行われる。
【0004】
具体的には、前記ノック制御は、ノックが検出されたときにはノックの発生を抑制するように点火時期を遅角側に変更する一方、ノックが検出されなかったときはノックが生じ得る直前の状態になるように点火時期を進角側に補正を行うものである(例えば、特許文献1参照)。
同文献には、低オクタン価燃料用の要求進角値を基本点火時期とし、ノックが生じた場合には点火時期を遅角側に補正する一方、ノックが生じないときには、点火時期を所定量ずつ強制的に進角側に補正し、この進角側の補正量が所定値を超えた場合には、使用燃料が高オクタン価燃料であることを判定するとともに、補正量の学習を開始し、この進角側に学習された補正量を次回の補正量の初期値として設定している。これにより、低オクタン価燃料の場合のみならず、高オクタン価燃料の場合にも実際のオクタン価に対応した点火時期を設定することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−82242号公報(段落番号0004〜0007、図5等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記文献に記載の技術では、高オクタン価燃料に対応した点火時期が設定されている場合に、燃料の給油により高オクタン価燃料から低オクタン価燃料に入れ替えられ、燃料性状が急激に大きく変化したときは、ノック制御により高オクタン価に対応した点火時期から低オクタン価に対応した点火時期に補正されるまでの間、ノックが頻繁に発生し乗員に不快感を与えるおそれがあるといった問題があった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、ノック制御において燃料性状の急激な変化に対応させることができるエンジンの点火時期制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、請求項1記載の本発明のエンジンの点火時期制御装置は、エンジンのノッキングを検出するノッキング検出手段と、前記ノッキング検出手段の検出信号に基づいて、前記エンジンの点火時期を前記エンジンの燃料が高オクタン価燃料のときに適した進角点火時期と前前記燃料が低オクタン価燃料のときに適した遅角点火時期との間で最適な適正点火時期に補正する点火時期補正手段と、を備えたエンジンの点火時期制御装置において、前記燃料が給油されたことを検出する燃料給油検出手段と、前記燃料給油検出手段により燃料の給油が検出されたとき、前記点火時期を前記遅角点火時期付近の給油初期点火時期に設定した後に、前記点火時期補正手段により点火時期を前記適正点火時期に補正する点火時期設定手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
したがって、燃料の給油に伴い燃料性状が急激に変わったとしても、点火時期が、前記遅角点火時期付近の給油初期点火時期に常に設定されるので、ノッキングの発生を防止することができる。
また、請求項2記載の発明では、前記点火時期設定手段により前記給油初期点火時期が設定されたとき、前記点火時期補正手段による補正ゲインを大きくする補正ゲイン変更手段とを備えたことを特徴としている。これにより、点火時期が給油初期点火時期に設定された後に高オクタン価燃料が給油された場合であっても、ノック学習値が速やかに進角側に移ることから、エンジンの出力を迅速に向上させることが可能になる。
【0010】
なお、前記補正ゲイン変更手段は、より具体的には、ノック学習の更新量を増加させることや、ノック学習の周期(サイクルタイム)を短くし、更新回数を増加させることが考えられる。
さらに、請求項3記載の発明では、前記点火時期補正手段は、前記ノッキング検出手段により所定時間内に検出されるノッキングの回数が所定回数以上のとき前記点火時期を所定量遅角させるとともに、前記ノッキング検出手段前記所定時間内に検出されるノッキングの回数が所定回数よりも小さいとき前記点火時期を所定量進角させることにより、エンジンの点火時期を前記適正点火時期に補正することを特徴としている。これにより、比較的簡単な手段により点火時期を補正することが可能である。
【0011】
また、請求項4記載の発明では、エンジンのノッキングを検出するノッキング検出手段と、前記ノッキング検出手段の検出信号に基づいて、前記エンジンの点火時期を前記エンジンの燃料が高オクタン価燃料のときに適した進角点火時期と前記燃料が低オクタン価燃料のときに適した遅角点火時期とのいずれかに補正する点火時期補正手段と、を備えたエンジンの点火時期制御装置において、前記燃料が検出されたことを検出する燃料給油検出手段と、前記燃料給油検出手段により燃料の給油が検出されたとき、前記点火時期を前記遅角点火時期に設定した後に、前記点火時期補正手段により点火時期を前記適正点火時期に補正する点火時期設定手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
これにより、点火時期が、高オクタン価燃料に対する進角側の点火時期と低オクタン価燃料に対する遅角側の点火時期との二パターンであっても、燃料の給油に伴い燃料性状が急激に変わったときには、ノッキングの発生を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係るエンジンの点火時期制御装置に適用されるエンジンシステム構成図が示されており、以下図1に基づき本発明に係る点火時期制御装置の構成を説明する。
【0014】
エンジン1は、図示しない燃焼室内に燃料を直接噴射する火花点火式の筒内噴射エンジンとして構成される。すなわち、燃焼室内には、インジェクタや点火プラグ(ともに図示せず)が臨んで配設されているとともに、吸気通路2及び排気通路3が接続されている。なお、点火プラグには点火コイルが接続されている。吸気通路2には、上流側から順にエアクリーナ6及びスロットル弁7が設けられており、さらに下流にはサージタンク2aが設けられている。
【0015】
外部からの空気は、エアクリーナ6を通過し、スロットル弁7、サージタンク2a及び吸気通路2を経て燃焼室内に流入する。この際、吸入空気量がエアフローセンサ11で検出される。また、スロットルポジションセンサ(TPS)12が設けられており、TPS12では、スロットル弁7の開度(スロットル開度)が検出される。
【0016】
なお、スロットル弁7は、図示しないアクセルペダルに対して電気的に接続された、いわゆるドライブワイヤ式のスロットル弁(ETV)であり、ドライバのアクセル踏み込み量以外にもエンジン運転状態に応じてその開度が変更される。また、入出力装置、メモリ(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、CPU等を備えたECU(電子コントロールユニット)20が設けられており、ECU20により、点火時期制御を含めたエンジン1の総合的な制御が行われる。
【0017】
ECU20の入力側には、上述したエアフローセンサ11、TPS12のほか、クランク角信号に基づきエンジン回転速度Neを検出するクランク角センサ13、エンジン1のノッキングをシリンダブロックの振動に基づき検出するノック検出手段としてのノックセンサ14、燃料タンク(図示せず)に連通する給油口の開閉を検出する給油口スイッチ21、ドライバのアクセル踏み込み量から要求トルクを検出するアクセル開度センサ(図示せず)等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。そして、これら各センサ出力からエンジン1の運転状態を得て、吸入空気量、燃料噴射量、並びに点火時期等のエンジン1の主要な操作量が最適に演算される。一方、ECU20の出力側には、上述のインジェクタや点火プラグのほか、図示しない各種出力デバイス類が接続されており、ECU20内で演算された燃料噴射量が開弁パルス信号に変換されてインジェクタに送られ、また、演算された点火時期に基づいて点火プラグ駆動信号が点火コイルに送られる。
【0018】
すなわち、インジェクタから噴射された燃料は、吸気通路2からの空気と混合されて燃焼室内にて混合気を形成し、該混合気は、所定の点火時期で点火プラグから発生される火花により爆発し、その燃焼圧によってエンジン1が駆動される。なお、爆発後の排気は、排気通路3を経て排気浄化用触媒コンバータ(図示せず)側に送られる。
【0019】
ところで、エンジン1は、少なくとも理論空燃比よりも希薄な空燃比領域で運転を行うリーン運転モードと、理論空燃比近傍で運転を行うストイキオフィードバック燃焼運転モード(ストイキオ運転モード)とを有しており、これらの運転モードが切り換え可能に構成されている。つまり、当該エンジン1では、上述した種々のセンサ等からの入力データに基づいてECU20で運転モードの切り換え制御や各種の制御が行われる。
【0020】
ここで、本実施形態では、上記給油口スイッチ21のON・OFF信号がECU20に送られる。この給油口スイッチ21は、燃料の給油が行われたことを検出する給油検出手段として機能するものであって、給油口スイッチ21により給油口が開いたことが検出されると、ECU20において燃料が給油されたと判定される。なお、給油検出手段による給油の検出は、上記の如く給油口スイッチ21による検出のほか、燃料レベルゲージの値が第一所定値以下の値から該第一所定値よりも大きい第二所定値以上の値となったときに燃料が供給されたと判断する手段、又は燃料タンクの重量が第一所定重量以下の状態から該第一所定重量よりも大きい第二所定重量以上の状態となったときに燃料が供給されたと判断する手段であっても良い。
【0021】
また、ECU20にはエンジン1の点火時期を適正点火時期に補正し設定する機能が設けられている。具体的には、ECU20は点火時期設定手段201を備え、この点火時期設定手段201は、後述するように、給油口スイッチ21がオンになったときには、点火時期を遅角側の給油初期点火時期に設定する給油初期点火時期設定手段と、給油初期点火時期設定手段からの出力信号に基づいて点火時期の補正量を変更する補正ゲイン変更手段と、補正ゲイン変更手段からの出力信号に基づいて点火時期を補正する点火時期補正手段と、を備えている。
【0022】
この点火時期補正手段は、ノックが所定期間以内に所定回数以上検出されたときには、直前のノック学習値を所定量遅角側に位置させて更新し、ノックの検出が所定期間以内に所定回数よりも少なかったときには、直前のノック学習値を所定量進角側に位置させて更新し、このノック学習値の更新に連動させて点火時期を遅角側又は進角側に補正する。
【0023】
これにより、エンジン1の燃料が高オクタン価燃料のときに適した進角点火時期と、エンジン1の燃料が低オクタン価燃料のときに適した遅角点火時期との間で、エンジン1の燃焼状態や燃料性状に応じて最適な適正点火時期となるようにエンジン点火時期が補正されるため、温度・湿度の変化に伴うエンジン燃焼状態の変化や、燃料の劣化等に伴う燃料性状の変化が起こっても、ノッキングの発生を防止した上でエンジン1の出力を向上させることができる。
【0024】
ここで、点火時期設定手段201は、給油初期点火時期設定手段であるノック学習初期値設定手段を備えている。該ノック学習初期値設定手段は、給油口スイッチ21により給油が検出されたときには、ノック学習値を、エンジン燃料が低オクタン価燃料のときに最も適した点火時期である遅角点火時期付近のノック学習初期値に設定する。そして、ノック学習値がノック学習初期値に設定されることにより、エンジン点火時期が前記遅角点火時期付近の給油初期点火時期に設定される。このようにするのは、高オクタン価燃料又は低オクタン価燃料のいずれが給油される場合であっても給油後のエンジン1の点火時期が低オクタン価燃料に最も適した遅角点火時期付近に設定されていれば、少なくとも給油直後にノックが頻発することは防止できるからである。
【0025】
本実施形態では、点火時期補正手段により補正できる範囲内で最も遅角させた最遅角側点火時期に相当する値を給油初期点火時期として設定しているため、ノックの発生はより確実に防止することができる。
なお、給油初期点火時期は、必ずしも前記最遅角側点火時期に設定される必要はなく、低オクタン価燃料に最も適した遅角点火時期付近であり、給油により低オクタン価燃料が導入された場合でもノックの頻発を防止し得る点火時期であれば良い。そして、ノック学習値をノック学習初期値に設定した後においても、上記通常時のノック学習と同様に、ノックセンサ14による出力信号に基づいてノック学習値が適宜算出・更新され、点火時期が遅角側又は進角側に補正される。
【0026】
ただし、点火時期設定手段201は、補正ゲイン変更手段である学習ゲイン変更手段を備えており、該学習ゲイン変更手段は、給油口スイッチ21により給油が検出されたときには、ノック学習値の学習ゲインを増加するように構成されている。つまり、給油の検出がなされた後のノック学習では、通常時のノック学習の学習ゲインよりも増加された学習ゲインにてノック学習を行い、点火時期を補正するようにしている。これは、給油された燃料が高オクタン価燃料であったとき、ノック学習値を一旦ノック学習初期値に設定した場合でも、高オクタン価燃料に対応した最適なノック学習値をすばやく得るようにするためである。本実施形態では、学習ゲイン変更手段は、ノック学習の更新量ΔKを大きくしてノック学習値の学習ゲインの増加を行っている。
【0027】
図2を参照すると、点火時期制御装置におけるノック学習制御のフローチャートが示されており、以下、上記のように構成された点火時期制御装置の本発明に係る作用について説明する。
図2のステップS1では、ECU20にて給油口スイッチ21がOFFからONに変化しているか否かを判別する。給油口スイッチ21がOFFからONに変化している場合、すなわちYESのときにはステップS2に進む。一方、NOのときには後述するステップS3へ進み、この場合には通常のノック学習を行う。
【0028】
ステップS2では、点火時期設定手段201のノック学習初期値設定手段にて、ノック学習値を点火時期補正手段により補正できる範囲内で最も遅角させた点火時期に相当するノック学習初期値に設定し、ステップS3に進む。
そして、ステップS3ではノックセンサ14の出力に基づいてノック学習を行う。この場合には、ノック学習値がノック学習初期値に設定されているので、点火時期設定手段201の学習ゲイン変更手段による増加された学習ゲインに基づいてノック学習を行う。
【0029】
図3を参照すると、点火時期制御装置においてノック学習制御を行った場合のタイムチャートが示されているが、同図に示すように、まず、給油口スイッチ21がOFFからONに変化すると、ECU20で給油が行われたと判定され、前回高オクタン価燃料に対応した学習値に設定されていたとしても、ノック学習値は、点火時期補正手段により補正できる範囲内で最も遅角させた点火時期に相当する値であるノック学習初期値に設定される。
【0030】
そして、その後、エンジンスタート(図示せず)とともにノック学習が開始されると、所定時間t毎にノック学習値が更新量をΔKとして更新される。
ここで、所定時間tとは、ノック学習周期として予め定められるもので、本実施形態では給油前と給油後とで同一の値が使用されている。なお、所定時間tを短くし、ノック学習の判断が頻繁に行われるようにすることによっても学習ゲインを増加させることができ、学習ゲイン変更手段は前記所定時間t又は学習値の更新量ΔKの少なくとも一方を増大させる構成とすれば良い。
【0031】
本実施形態においては今回給油された燃料が低オクタン価燃料であったことから、ノック学習が開始されてノック学習値を進角側に2回更新した時点でノックが検出され、3回目のノック学習周期においてノック学習値が遅角側に更新されている。そして、4回目及び5回目のノック学習周期においてノック学習値を2回進角側に更新した時点でさらにノックが検出され、6回目のノック学習周期においてノック学習値が遅角側に更新されている。なお、本実施形態では、1学習周期における遅角側の更新量と1学習周期における進角側の更新量とは同じ量とされているが、必ずしも同じ量に設定する必要はない。
【0032】
そして、ノック学習値が進みノック学習値が収束したと判断されたとき、学習ゲインは給油前の値に戻され、通常のノック制御が行われる。
上記のように、ノック学習値が更新されると、それに連動してECU20から点火コイルに対して点火プラグ駆動信号が送信され、実際の点火時期もノック学習値の変更に応じて変更され、燃料性状に適した適正点火時期に設定される。
【0033】
このように、本発明では、点火時期制御装置には、ノックセンサ14の出力信号に基づいてノック学習値を算出し、該ノック学習値に応じて点火時期を適正点火時期に補正し設定する点火時期設定手段201を備え、該点火時期設定手段201は、給油が検出されると、常に、点火時期を低オクタン価燃料のときに適した遅角点火時期付近の給油初期点火時期に対応するノック学習初期値に設定するノック学習初期値設定手段を備えているので、例えば、前回の給油が高オクタン価燃料であって、今回の給油が低オクタン価燃料であるように、給油によって燃料性状が急激に変化してもノッキングの頻発を防止することができ、乗員に不快感や違和感を与えることを防止することができる。
【0034】
さらに、点火時期設定手段201は、給油口スイッチ21により給油が検出されたときには、ノック学習値の学習ゲインを増加させる学習ゲイン変更手段を備えているので、ノック学習値がノック学習初期値に設定されたときに、高オクタン価燃料が給油された場合であっても、ノック学習値を速やかに進角側の方向に移行させ、エンジン1の出力の迅速な向上を図ることができる。
【0035】
また、点火時期設定手段201の点火時期補正手段は、ノックが所定期間以内に所定回数以上検出されたときには、ノック学習値を所定量遅角側に位置させ、ノックが所定期間以内に所定回数よりも少なかったときには、ノック学習値を所定量進角側に位置させることにより、点火時期を適正点火時期に補正していることから、現有の構成のみでノック学習値の更新を行い、比較的簡単な手段により点火時期を補正することができる。
【0036】
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、点火時期の補正については、所定期間以内におけるノックの積算値が所定値以下のときには、点火時期を所定量進角させ、ノックの積算値が所定値よりも大きくなったときには、所定量遅角させる如くの複数パターンの点火時期を設定するようにしているが、このほか、所定期間以内におけるノックの積算値が所定値以下のときには、高オクタン価燃料に適した進角側の点火時期に設定し、ノックの積算値が所定値よりも大きくなったときには、低オクタン価燃料に適した遅角側の点火時期に設定する如くの二パターンの点火時期を設定するようにしても良い。すなわち、この場合には、低オクタン価燃料に適した遅角側の点火時期が上記の給油初期点火時期に相当し、給油検出時には、点火時期設定手段201がこの遅角側の点火時期を設定する。
【0037】
なお、上記実施形態では、ノックセンサ14の出力信号に基づいてノック学習値を算出して前回のノック学習値を今回のノック学習値に更新させた後に、該今回のノック学習値に応じて点火時期を補正する構成としたが、これに限定されるものではなく、ノックセンサ14の出力信号に基づいて直接的に点火時期を所定量進角又は遅角させることにより、エンジンの点火時期を適正点火時期に補正し設定するような構成としても良い。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、請求項1記載の本発明のエンジンの点火時期制御装置によれば、燃料の給油に伴い燃料性状が急激に変わったとしても、点火時期が、遅角点火時期付近の給油初期点火時期に常に設定されるので、ノッキングの発生を防止することができ、乗員の不快感を低減させることができる。
【0039】
また、請求項2記載の発明によれば、点火時期が給油初期点火時期に設定された後に高オクタン価燃料が給油された場合であっても、ノック学習値が速やかに進角側に移ることから、エンジンの出力を迅速に向上させることができる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、比較的簡単な手段により点火時期を補正することができる。
【0040】
また、請求項4記載の発明によれば、高オクタン価燃料に対する進角側の点火時期と低オクタン価燃料に対する遅角側の点火時期との二パターンの点火時期を有する場合であっても、燃料の給油に伴って燃料性状が急激に変わったときには点火時期を遅角側の点火時期に設定しているので、ノッキングの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエンジンの点火時期制御装置に適用されるエンジンシステム構成図である。
【図2】図1のエンジンの点火時期制御装置におけるノック学習制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】図1のエンジンの点火時期制御装置においてノック学習制御を行った場合のタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
14 ノックセンサ(ノック検出手段)
20 ECU(電子コントロールユニット)
21 給油口スイッチ(給油検出手段)
201 点火時期設定手段
Claims (4)
- エンジンのノッキングを検出するノッキング検出手段と、
前記ノッキング検出手段の検出信号に基づいて、前記エンジンの点火時期を前記エンジンの燃料が高オクタン価燃料のときに適した進角点火時期と前記燃料が低オクタン価燃料のときに適した遅角点火時期との間で最適な適正点火時期に補正する点火時期補正手段と、を備えたエンジンの点火時期制御装置において、
前記燃料が給油されたことを検出する燃料給油検出手段と、
前記燃料給油検出手段により燃料の給油が検出されたとき、前記点火時期を前記遅角点火時期付近の給油初期点火時期に設定した後に、前記点火時期補正手段により点火時期を前記適正点火時期に補正する点火時期設定手段と、を備えたことを特徴とするエンジンの点火時期制御装置。 - 前記点火時期設定手段により前記給油初期点火時期が設定されたとき、前記点火時期補正手段による補正ゲインを大きくする補正ゲイン変更手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの点火時期制御装置。
- 前記点火時期補正手段は、前記ノッキング検出手段により所定時間内に検出されるノッキングの回数が所定回数以上のとき前記点火時期を所定量遅角させるとともに、前記ノッキング検出手段前記所定時間内に検出されるノッキングの回数が所定回数よりも小さいとき前記点火時期を所定量進角させることにより、エンジンの点火時期を前記適正点火時期に補正することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンの点火時期制御装置。
- エンジンのノッキングを検出するノッキング検出手段と、
前記ノッキング検出手段の検出信号に基づいて、前記エンジンの点火時期を前記エンジンの燃料が高オクタン価燃料のときに適した進角点火時期と前記燃料が低オクタン価燃料のときに適した遅角点火時期とのいずれかに補正する点火時期補正手段と、を備えたエンジンの点火時期制御装置において、
前記燃料が検出されたことを検出する燃料給油検出手段と、
前記燃料給油検出手段により燃料の給油が検出されたとき、前記点火時期を前記遅角点火時期に設定した後に、前記点火時期補正手段により点火時期を前記適正点火時期に補正する点火時期設定手段と、を備えたことを特徴とするエンジンの点火時期制御装置。
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