JP2005307844A - 2サイクル内燃機関用点火制御方法及び点火制御装置 - Google Patents

2サイクル内燃機関用点火制御方法及び点火制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005307844A
JP2005307844A JP2004125174A JP2004125174A JP2005307844A JP 2005307844 A JP2005307844 A JP 2005307844A JP 2004125174 A JP2004125174 A JP 2004125174A JP 2004125174 A JP2004125174 A JP 2004125174A JP 2005307844 A JP2005307844 A JP 2005307844A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal combustion
combustion engine
exhaust pipe
ignition timing
detonation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004125174A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumio Watanabe
純生 渡邊
Tokiaki Endo
常昭 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mahle Electric Drive Systems Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kokusan Denki Co Ltd filed Critical Kokusan Denki Co Ltd
Priority to JP2004125174A priority Critical patent/JP2005307844A/ja
Priority to US11/110,474 priority patent/US7191760B2/en
Publication of JP2005307844A publication Critical patent/JP2005307844A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P5/00Advancing or retarding ignition; Control therefor
    • F02P5/04Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions
    • F02P5/145Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions using electrical means
    • F02P5/15Digital data processing
    • F02P5/152Digital data processing dependent on pinking
    • F02P5/1526Digital data processing dependent on pinking with means for taking into account incorrect functioning of the pinking sensor or of the electrical means
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D35/00Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for
    • F02D35/02Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for on interior conditions
    • F02D35/027Controlling engines, dependent on conditions exterior or interior to engines, not otherwise provided for on interior conditions using knock sensors
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P5/00Advancing or retarding ignition; Control therefor
    • F02P5/04Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions
    • F02P5/145Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions using electrical means
    • F02P5/15Digital data processing
    • F02P5/152Digital data processing dependent on pinking
    • F02P5/1523Digital data processing dependent on pinking with particular laws of return to advance, e.g. step by step, differing from the laws of retard
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/20Output circuits, e.g. for controlling currents in command coils
    • F02D2041/202Output circuits, e.g. for controlling currents in command coils characterised by the control of the circuit
    • F02D2041/2048Output circuits, e.g. for controlling currents in command coils characterised by the control of the circuit said control involving a limitation, e.g. applying current or voltage limits
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Abstract

【課題】デトネーションを抑制するために点火時期を遅角させる制御を行う際に排気管温度が異常上昇するのを防ぐことができる2サイクル内燃機関用点火制御装置を提供する。【解決手段】内燃機関の排気管温度が許容上限値に達するときの内燃機関の遅角側の限界点火時期である遅角側許容限界点火時期と内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度との間の関係を与えるマップを記憶したマップ記憶手段2Gと、内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度に対してマップ2Gを検索することにより遅角側許容限界点火時期を演算する許容限界点火時期演算手段2Hと、内燃機関の点火時期が遅角側許容限界点火時期よりも更に遅れたときに内燃機関の点火動作を停止させる点火動作停止制御手段205とを設けた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、2サイクル内燃機関のデトネーションを抑制するために点火時期を制御する2サイクル内燃機関用点火制御方法及び該点火制御方法を実施するために用いる点火制御装置に関するものである。
2サイクル内燃機関においては、デトネーション(異常燃焼)が発生したときに点火時期を定常運転時の点火時期よりも遅角させることによりデトネーションの発生を抑制し、デトネーションが発生しなくなったときに点火時期を定常時の時期に戻すようにしている。
2サイクル内燃機関のシリンダ内の混合気が点火プラグにより着火された後、火炎が伝搬していく過程で既燃焼ガスが周囲の未燃焼ガスを圧縮して未燃焼ガスの圧力を過度に上昇させると、その圧力上昇と火炎からの放射熱とにより未燃焼ガスの温度が上昇して、未燃焼ガスが自己発火し、シリンダ内で爆発的な異常燃焼が生じることが知られている。この現象はデトネーション(またはノッキング)と呼ばれ、機関を損傷する原因になる。この現象は、点火時期の進角量が大きい場合や、混合気の空燃比がリーン側にずれていて燃料の気化潜熱によるピストンの冷却効果が弱い場合に起るため、点火時期を遅角させたり、空燃比をリッチ側に制御したりすることにより抑制することができるが、一般には、空燃比のばらつきを考慮して、定常運転時の点火時期を遅角側に設定している。ところが、2サイクル内燃機関においては、デトネーションが発生する直前の状態か、または多少デトネーションが発生している状態で最も大きな出力が得られるため、点火時期を遅角側に設定したのでは、機関から高い性能を引出すことができない。
そこで、二輪車やスノーモービル等に用いる高性能の2サイクル内燃機関では、デトネーションが発生する直前の状態または多少デトネーションが発生する状態で機関が運転されるように点火時期を設定して、デトネーション抑制制御を行うことにより機関の保護を図るようにしている。デトネーション抑制制御では、デトネーションが検出されたときに点火時期を遅角させて図示平均有効圧力(IMEP)を下げることによりデトネーションの発生を抑制し、デトネーションの発生が止まったときに点火時期を進角させる制御を行わせる。このような制御を行えば、機関の出力を犠牲にすることなく、デトネーションの発生を抑制して、機関から高い性能を引出すことができる。デトネーションの発生を抑制するために、デトネーション発生時に点火時期を遅角させる制御を行う点火制御方法は、例えば、特許文献1に示されている。
特開平6−108955号公報
2サイクル内燃機関では、排気管の形状を工夫することにより、排気圧力波を排気管内で反射させて、掃気行程で吹き抜けた未燃焼ガスを、反射した圧力波によってシリンダ側に押し返すことにより、シリンダへの充填効率を向上させている。排気圧力波は、排気管内を音速により伝搬するため、反射した排気圧力波によりシリンダ内への充填効率を向上させる効果(以下排気管効果という。)は、排気管温度変化による音速の変化の影響を受ける。
2サイクル内燃機関への燃料供給量は、排気管温度が想定した範囲にあって、排気管効果が充填効率の向上に有効に働いていることを前提にして決められている。そのため、排気管温度が想定した範囲から外れて上昇した場合には、吹き抜けた大量の未燃焼ガスが排気管内に残留し、この未燃焼ガスが排気管中で燃焼する。排気管内で未燃焼ガスが燃焼して排気管温度が上昇すると、排気管効果が喪失して排気管内に残留する未燃焼ガスが増加するため、排気管温度はますま上昇する。このように、2サイクル内燃機関においては、排気管内で未燃焼ガスが燃焼することにより、排気管温度が想定した温度範囲よりも上昇すると、排気管温度上昇に正帰還がかかり、排気管の温度が異常上昇するおそれがある。
一般に2サイクル内燃機関においては、点火時期を遅角させた際に排気温度が上昇する。従って、デトネーションを抑制するために、デトネーション発生時に点火時期を遅角させるデトネーション抑制制御を行うようにした2サイクル内燃機関においては、デトネーション抑制制御が継続的に行われたり、短い時間間隔で繰り返し行われたりすると、排気管が過熱され、火災などの事故が発生したり、排気管の寿命が短くなったりするおそれがあった。
従って本発明の目的は、デトネーション抑制制御を行った際に排気管が過熱された状態になるのを防ぐことができるようにした2サイクル内燃機関用点火制御方法及びこの点火制御方法を実施するために用いる点火制御装置を提供することにある。
本発明は、2サイクル内燃機関でデトネーションが発生するのを抑制するために、デトネーション発生時に内燃機関の点火時期を遅角させるデトネーション抑制制御を行う2サイクル内燃機関用点火制御方法に適用される。
本発明者は、排気管効果が充電効率にほとんど影響を与えない状態で機関が運転されているときには、デトネーション抑制のために点火時期を遅角させても、排気管温度が想定された範囲を超えることはなく、排気管温度が異常上昇することはないが、排気管効果が充填効率の向上に大きく寄与する状態で機関が運転されているときには、デトネーション抑制のために点火時期を遅角させると、その遅角量が許容範囲を超えたときに、排気管温度が異常上昇して許容上限値を超える現象が起こること、及び排気管温度が充填効率の向上に大きく寄与する運転状況(点火時期を遅角させると排気管温度が許容上限値を超えるおそれがある運転状況)は、機関のスロットルバルブ開度と回転速度とから判別することができることを見出した。
そこで本発明においては、デトネーション抑制制御を行っているときに、内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度から、内燃機関が、点火時期を遅角させると排気管温度が許容上限値を超えるおそれがある運転状態にあるか否かを推定し、排気管温度が許容上限値を超える運転状態にあると推定されたときに内燃機関の点火動作を停止させるようにした。
上記のような制御を行わせると、デトネーション発生時に点火時期を遅角させるデトネーション抑制制御を行っているときに機関の排気管温度が異常上昇するおそれが生じたときに、点火動作を停止させて排気管温度を低下させることができるため、排気管温度が異常上昇して火災などの事故が発生したり、排気管の寿命が短くなったりするおそれを無くすことができる。
本発明の好ましい態様では、内燃機関の排気管温度が許容上限値に達するときの内燃機関の遅角側の点火時期を遅角側許容限界点火時期として、内燃機関のスロットルバルブ開度と回転速度とこの遅角側許容限界点火時期との間の関係を与えるマップを用意しておく。そして、デトネーション抑制制御を行っているときに、内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度に対してマップを検索することにより遅角側許容限界点火時期を演算する許容限界点火時期演算過程を行い、デトネーション抑制制御において点火時期が遅角側許容限界点火時期よりも更に遅角したときに内燃機関の点火動作を停止させる。
上記の点火制御方法を実施するために用いる2サイクル内燃機関用点火制御装置は、デトネーションが発生するのを抑制するために、デトネーション発生時に内燃機関の点火時期を遅角させる制御を行うデトネーション抑制制御手段を備えている。
本発明においては、このデトネーション抑制制御手段が、内燃機関の排気管温度が許容上限値に達するときの内燃機関の遅角側の限界点火時期を遅角側許容限界点火時期として、内燃機関のスロットルバルブ開度と回転速度と遅角側許容限界点火時期との間の関係を与えるマップを記憶したマップ記憶手段と、内燃機関のスロットルバルブ開度を検出するスロットルバルブ開度検出手段と、内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、スロットルバルブ開度検出手段が検出したスロットルバルブ開度及び回転速度検出手段が検出した回転速度に対してマップを検索することにより遅角側許容限界点火時期を演算する許容限界点火時期演算手段と、内燃機関の点火時期が遅角側許容限界点火時期よりも更に遅れたときに内燃機関の点火動作を停止させる点火動作停止制御手段とを備えている。
前述のように、機関の運転状態が、点火時期を遅角させた場合に排気管効果が喪失して、排気管温度が異常上昇する現象が起り得る状態にあるか否かは、機関のスロットルバルブ開度及び回転速度から推定することができる。また内燃機関が、点火時期の遅角により排気管温度の異常上昇を招くおそれがある運転状態にあるときの遅角側の許容限界点火時期は、排気管効果が充填効率の向上に与える影響の度合いにより決まる。排気管効果が充填効率の向上に影響を与えない状態で機関が運転されているときには、点火時期の遅角量を或程度多くしても排気管温度の異常上昇は起きないが、排気管効果が充填効率の向上に大きな影響を与える状態で機関が運転されているときには、点火時期の遅角量を多くすると、排気管温度の異常上昇が起きやすい。
従って、排気管温度を異常上昇させることなく機関を運転するために超えてはならない遅角側の許容限界点火時期は、機関のスロットルバルブ開度と回転速度とから推定することができる。スロットルバルブ開度及び回転速度と遅角側許容限界点火時期との間の関係は実験により求めることができ、その実験に基づいて機関のスロットルバルブ開度及び回転速度と遅角側許容限界点火時期との間の関係を与える3次元マップを作成することができる。このようなマップを作成しておけば、スロットルバルブ開度及び回転速度に対して該マップを検索することにより、遅角側許容限界点火時期を求めることができるため、デトネーション抑制制御において排気管温度が異常上昇するのを防ぐための制御を容易に行うことができる。
2サイクル内燃機関において、排気管効果を喪失させずに機関を運転するために保持しておく必要がある排気管温度の許容範囲の上限値は、機関のスロットルバルブ開度及び回転速度と相関関係を有する。従って、実験を行うことにより、機関のスロットルバルブ開度及び回転速度と排気管効果を維持するために必要な排気管温度の許容上限値との関係を求めることができる。この関係から、スロットルバルブ開度及び回転速度と排気管温度の許容上限値との間の関係を与える3次元マップを作成することができ、機関の各スロットルバルブ開度及び回転速度に対してこのマップを検索することにより、排気管温度の許容上限値を演算することができる。内燃機関の排気管温度が上記許容上限値を超えているときに、デトネーションを抑制するために点火時期を遅角させる制御を行わせると、排気管温度が更に上昇することにより排気管効果が喪失して、排気管温度が異常上昇する事態が生じる。
そこで本発明の他の好ましい態様では、内燃機関の排気管の温度を検出する手段を設けるとともに、排気管温度を異常上昇させることなく点火時期を遅角させる制御を行うことが許容される排気管温度範囲の上限値を排気管温度の許容上限値として、内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度と排気管温度の許容上限値との間の関係を与えるマップを用意しておく。そして、デトネーション抑制制御を行っているときに内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度に対してマップを検索することにより排気管温度の許容上限値を演算する許容上限温度演算過程を行い、排気管温度検出手段により検出された排気管の温度が許容上限温度演算過程で演算された排気管温度の許容上限値を超えているときに内燃機関の点火動作を停止させる。
上記のような制御を行わせると、デトネーション抑制制御において排気管温度が異常上昇するおそれがある状態になったときに、点火動作を停止させて排気管温度を低下させることができるため、デトネーション抑制制御を行った際に排気管温度が異常上昇するのを防ぐことができる。
上記の点火制御方法を実施するために用いる2サイクル内燃機関用点火制御装置においては、デトネーション抑制制御手段が、内燃機関の排気管の温度を検出する排気管温度検出手段と、内燃機関のスロットルバルブ開度を検出するスロットルバルブ開度検出手段と、内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、排気管温度を異常上昇させることなく点火時期を遅角させる制御を行うことが許容される排気管温度範囲の上限値を排気管温度の許容上限値として、内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度と排気管温度の許容上限値との間の関係を与えるマップを記憶したマップ記憶手段と、スロットルバルブ開度検出手段が検出した内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度検出手段が検出した回転速度に対してマップを検索することにより内燃機関の排気管温度の許容上限値を演算する許容上限温度演算手段と、排気管温度検出手段により検出された排気管温度が許容上限温度演算手段により演算された許容上限値を超えているときに内燃機関の点火動作を停止させる点火動作停止制御手段とを備えている。
以上のように、本発明によれば、デトネーション発生時に点火時期を遅角させるデトネーション抑制制御を行っているときに、内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度から、内燃機関が、点火時期を遅角させると排気管温度が許容上限値を超えるおそれがある運転状態にあるか否かを推定し、排気管温度が許容上限値を超える運転状態にあると推定されたときに内燃機関の点火動作を停止させて、排気管温度を低下させるようにしたので、デトネーション発生時に排気管温度が異常上昇して火災などの事故が発生したり、排気管の寿命が短くなったりするおそれを無くすことができる。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態で用いるハードウェアの構成を概略的に示したもので、同図において1は2サイクル内燃機関、2は内燃機関1を制御する電子コントロールユニット(ECU)である。内燃機関1には、座形燃焼圧センサ(GPS)やノックセンサ等からなるデトネーションセンサ101と、機関のクランク軸の回転角度位置が所定の位置に一致したときにパルス信号を出力するパルサ(パルス信号発生器)102と、スロットルセンサ103と、点火コイル104とが取り付けられている。パルサ102は、機関と同期回転するロータに設けられたリラクタの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出して、機関の特定のシリンダ内のピストンが上死点に達するクランク角位置(上死点位置という。)に対して十分に進角した位置に設定された基準クランク角位置と、機関の始動時及び低速時に点火動作を行わせる位置として適したクランク角位置(上死点位置よりも僅かに進んだクランク角位置)とで極性が異なる基準パルス及び低速時点火時期検出用パルスを発生する。
またコントロールユニット2には、マイクロプロセッサ201と、デトネーションセンサ101の出力からデトネーションを検出するために適した周波数帯域の信号を抽出するデトネーション検出回路202と、点火回路203とが設けられ、デトネーション検出回路201の出力、信号発生器102の出力及びスロットルセンサ103の出力がマイクロプロセッサ201に入力されている。マイクロプロセッサ201は、所定のプログラムを実行することにより、図3に示す各種の手段を構成する。
マイクロプロセッサに所定のプログラムを実行させることにより構成される各種の手段を説明すると、回転速度検出手段2Aは、パルサ102が出力するパルスの発生間隔から機関の回転速度を検出する手段で、この手段は、パルサ102が予め定めたクランク角位置で発生するパルスの発生間隔をタイマにより計測して、回転速度検出用時間データを求め、この時間データ(クランク軸が一定の角度を回転するのに要する時間)から機関の回転速度を検出する一連の処理を行うように構成される。
スロットルバルブ開度検出手段2Bは、機関のスロットルバルブの開度を検出する手段で、スロットルバルブ開度に比例した電気信号を出力するスロットルセンサ103の出力のA/D変換値を求めて、該A/D変換値からスロットルバルブ開度を検出する。
定常時点火時期演算手段2Cは、回転速度検出手段2Aにより検出された回転速度に対して機関の定常時(デトネーションが発生していないとき)の点火時期を演算する手段である。機関の定常時の点火時期の演算は、例えば、回転速度と点火時期との間の関係を与える点火時期演算用マップを用いて行われる。機関の点火時期は、パルサ102が基準パルスを発生する基準位置から点火時期に相当するクランク角位置(点火位置)まで機関が回転する間に点火タイマに計測させる時間データ(点火時期計測用時間データ)の形で演算される。
なお図示の例では回転速度に対して定常時の点火時期を演算しているが、回転速度と、他の制御条件(例えばスロットルバルブ開度)とに対して点火時期を演算したり、回転速度に対して演算した点火時期を他の制御条件に応じて補正したりすることにより、定常時の点火時期を演算する場合もある。
定常時点火処理手段2Dは、定常時点火時期演算手段2Cにより演算された点火時期を検出して点火指令を発生する処理を行う手段である。この演算手段は、パルサ102が基準パルスを発生したときに点火時期演算手段2Cにより演算された点火時期計測用時間データをマイクロプロセッサに設けられた点火タイマにセットしてその計測を開始させる処理と、点火タイマがセットされた点火時期計測用時間データの計測を完了したときに点火回路203に点火指令を与える処理とを行うように構成される。
デトネーション判定手段2Eは、デトネーション検出回路202の出力からデトネーションが発生しているか否かを判定するための処理を行う手段で、この判定手段は、デトネーション検出回路202から得られるデトネーション検出信号のレベルを設定値と比較して、デトネーション検出信号のレベルが設定値以上であるときにデトネーションが発生していると判定し、デトネーション検出信号のレベルが設定値未満のときにデトネーションが発生していないと判定する。
デトネーション抑制用点火時期決定手段2Fは、デトネーション判定手段2Eによりデトネーションが発生していると判定されたときに、デトネーションを抑制するために、定常運転時の点火時期よりも遅角させられた点火時期をデトネーション抑制用点火時期として決定する手段である。デトネーション抑制用点火時期は、例えば、デトネーション検出回路から得られるデトネーション検出信号のレベルに応じて、定常時の点火時期を補正することにより演算される。
マップ記憶手段2Gは、内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度と遅角側許容限界点火時期との間の関係を与える遅角側許容限界点火時期演算用マップを記憶した手段で、機関の排気管温度が許容上限値(排気管効果を喪失させずに機関を運転するために保持する必要がある排気管温度範囲の上限値)に達するときの内燃機関の遅角側の点火時期を遅角側許容限界点火時期として、該遅角側許容限界点火時期と内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度との間の関係を与えるマップを記憶したROMまたはEEPROMにより構成される。
前述のように、排気管温度を異常上昇させることなく機関を運転するために超えてはならない遅角側の限界点火時期である許容限界点火時期は、機関のスロットルバルブ開度と回転速度とから推定することができる。スロットルバルブ開度及び回転速度と遅角側許容限界点火時期との間の関係は実験により求めることができ、その実験に基づいて機関のスロットルバルブ開度及び回転速度と遅角側許容限界点火時期との間の関係を与える3次元マップを作成することができる。
なお遅角側許容限界点火時期演算用マップを記憶したマップ記憶手段2Gの外に、機関の定常時の点火時期を演算する際に用いる点火時期演算用マップ等の他のマップを記憶したマップ記憶手段が設けられているが、遅角側許容限界点火時期演算用マップを記憶したマップ記憶手段2G以外のマップ記憶手段の図示は省略されている。
許容限界点火時期演算手段2Hは、マップ記憶手段2Gに記憶された遅角側許容限界点火時期演算用マップを内燃機関の回転速度及びスロットルバルブ開度に対して検索して、遅角側許容限界点火時期を演算する手段である。
点火時期判定手段2Iは、デトネーション抑制用点火時期演算手段2Fにより演算されたデトネーション抑制用点火時期が、遅角側許容限界点火時期よりも更に遅れているか否かを判定する手段である。
デトネーション時点火処理手段2Jは、デトネーション抑制用点火時期演算手段2Fにより演算されたデトネーション抑制用点火時期が、遅角側許容限界点火時期よりも遅れていないと点火時期判定手段2Iにより判定されたときに、デトネーション抑制用点火時期で点火指令を発生するための処理を行う手段である。この点火処理手段は、パルサ102が基準パルスを発生したときにデトネーション抑制用点火時期演算手段2Fにより演算された点火時期計測用時間データをマイクロプロセッサに設けられた点火タイマにセットしてその計測を開始させる処理と、点火タイマがセットされた点火時期計測用時間データの計測を完了したときに点火回路203に点火指令を与える処理とを行うように構成される。
点火動作停止手段2Kは、デトネーション抑制用点火時期演算手段2Fにより演算されたデトネーション抑制用点火時期が、許容限界点火時期演算手段2Hにより演算された遅角側許容限界点火時期よりも更に遅れていると判定されたときに機関の点火動作を停止させるための処理を行う手段である。この点火動作停止手段は例えば、デトネーション抑制用点火時期が、遅角側許容限界点火時期よりも遅れていると判定されたときに点火回路203に点火指令が与えられるのを禁止するための処理を行うように構成される。
この例では、点火時期判定手段2Iと、点火動作停止手段2Kとにより、内燃機関の点火時期が遅角側許容限界点火時期よりも更に遅れたときに内燃機関の点火動作を停止させる点火動作停止制御手段205が構成されている。
図1に示されたECU2内に設けられた点火回路203は、周知のコンデンサ放電式の点火回路や、電流遮断式の点火回路からなっていて、内燃機関の点火時期にマイクロプロセッサ201から点火指令が与えられたときに点火コイル104の一次電流を急激に変化させるように制御して、点火コイル104の二次コイルに点火用の高電圧を誘起させる。この点火用高電圧は内燃機関1のシリンダに取り付けられた点火プラグに印加されるため、該点火プラグで火花放電が生じて機関が点火される。
内燃機関1には更に吸気管内などに燃料を噴射するインジェクタや、各種の電装品に電力を供給する発電機等が取り付けられ、これらを制御するための各種の手段が設けられているが、これらの図示は省略されている。
本発明においては、デトネーション発生時に点火時期を遅角させるデトネーション抑制制御を行っているときに、内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度から、内燃機関1の運転状態が、点火時期を遅角させると排気管温度が許容上限値を超えるおそれがある状態にあるか否かを推定して、排気管温度が許容上限値を超えるおそれがある運転状態にあると推定されたときに内燃機関の点火動作を停止させる制御を行う。
排気管温度の許容上限値は、排気管温度の異常上昇を招くことなく機関を運転するために超えてはならない排気管温度である。点火時期が遅角することにより排気管温度が許容上限値を超えると、排気管効果による充填効率の向上が抑えられて、排気管内に残留する未燃焼ガスの量が増え、該未燃焼ガスが燃焼することにより排気管内の温度が更に上昇する。この排気管内温度の上昇により排気管効果が喪失し、排気管内の温度が飛躍的に上昇する。従って、排気管温度が許容上限値を超えることは避ける必要があり、そのため、本発明においては、排気管温度検出手段により検出された排気管の温度が許容上限値を超えているときに内燃機関の点火動作を停止させて排気管温度を低下させる。排気管内温度の許容上限値は、実験的に決定する。
本実施形態では、内燃機関の排気管温度が許容上限値に達するときの内燃機関の遅角側の点火時期を遅角側許容限界点火時期として求める。この遅角側許容限界点火時期は、内燃機関の運転状況により変わる。機関の運転状況は、内燃機関のスロットルバルブの開度と回転速度とから把握することができる。従って、本発明においては、内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度と遅角側許容限界点火時期との間の関係を予め実験により求めて、この実験結果に基づいて遅角側許容限界点火時期演算用マップを用意しておく。そして、デトネーション抑制制御を行っているときに、内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度に対して上記マップを検索することにより遅角側許容限界点火時期を演算する許容限界点火時期演算過程を行い、デトネーション抑制制御において点火時期が遅角側許容限界点火時期よりも更に遅角したときに内燃機関の点火動作を停止させる。内燃機関の点火動作を停止すると、排気管内の温度が低下するため、排気管効果が回復する。排気管効果が回復することによりデトネーション抑制制御が正常に行われるようになり、デトネーションが消滅した時点で定常時の点火時期に点火が行われる状態に復帰する。
本実施形態において、デトネーション抑制制御を行うためにマイクロプロセッサ201に実行させるプログラムのアルゴリズムを概略的に示したフローチャートを図5に示した。図5に示したタスクは、微小時間間隔で実行されるタスクで、このタスクが開始されると、先ずステップ1で現在のクランク角位置が、デトネーションの検出を行うクランク角位置であるか否かを判定する。デトネーションの検出を行うクランク角位置であるかの否かの判定は、現在のクランク角位置がデトネーションが発生しやすいクランク角範囲にあるか否かを判定することにより行う。2サイクル内燃機関において、デトネーションが発生し易いクランク角範囲(点火動作が行われるクランク角位置から一定の角度範囲)は決まっているため、点火時期に相当するクランク角位置から一定の角度に相当する時間を計測する計時動作をタイマに行わせて、該タイマが計時動作を行っている間に図5のタスクが開始されたか否かを判定することにより、現在のクランク角位置がデトネーションの検出を行うクランク角位置であるか否かを判定することができる。
ステップ1において、現在のクランク角位置がデトネーションの検出を行うクランク角位置ではないと判定されたときには、以後何もしないで他のタスクに移行する。ステップ1において現在のクランク角位置がデトネーションの検出を行うクランク角位置であると判定されたときには、ステップ2に進んでデトネーション検出回路202からデトネーション検出信号のレベルを読み込み、ステップ3で読み込んだデトネーション検出信号のレベルが設定値以上であるか否かを判定する。この判定の結果、デトネーション検出信号のレベルが設定値以上でないときには以後何もしないでこのタスクを終了する。
ステップ3でデトネーション検出信号のレベルが設定値以上であると判定されたときにデトネーションが発生したと判定して、ステップ4でデトネーション抑制用点火時期を演算する。次いでステップ5でスロットルバルブ開度と回転速度とから遅角側許容限界点火時期を演算する許容限界点火時期演算過程を行い、ステップ6で、現在の点火時期が演算された遅角側許容限界点火時期より遅角しているか否かを判定する。その結果、現在の点火時期が演算された遅角側許容限界点火時期より遅角していないと判定されたときには、ステップ7に進んでデトネーションを抑制するために、点火時期を遅角させるデトネーション抑制用点火時期遅角制御を行う。この制御では、ステップ4で演算された点火時期を計測するための計時データを点火タイマにセットしてその計時動作を開始させ、点火タイマが計時動作を終了したときに点火回路に点火指令を与える。ステップ6において、現在の点火時期が演算された遅角側許容限界点火時期より遅角していると判定されたときには、ステップ8に進んで点火動作を停止するための処理を行う。
上記のように、排気管温度を異常上昇させることなく機関を運転するために超えてはならない遅角側の許容限界点火時期を機関のスロットルバルブ開度及び回転速度に対して求めて、デトネーション抑制制御を行う際に点火時期が遅角側許容限界点火時期よりも更に遅れる状態になったときに点火動作を停止させるようにすると、デトネーション抑制制御時に点火時期が遅れすぎて排気管温度が過度に上昇するのを防ぐことができ、排気管温度の上昇により火災が生じたり、排気管の寿命が短くなったりするのを防ぐことができる。
図5に示したアルゴリズムによる場合には、ステップ3によりデトネーション判定手段2Eが構成され、ステップ4によりデトネーション抑制用点火時期演算手段2Fが構成される。またステップ5により許容限界点火時期演算手段2Hが構成され、ステップ6により点火時期判定手段2Iが構成される。またステップ7によりデトネーション時点火処理手段2Jが構成され、ステップ8により点火動作停止手段2Kが構成される。
2サイクル内燃機関において、排気管効果を喪失させずに機関を運転するために保持しておく必要がある排気管温度の許容範囲の上限値は、機関のスロットルバルブ開度及び回転速度と相関関係を有する。この関係から、スロットルバルブ開度及び回転速度と排気管温度の許容上限値との間の関係を与える3次元マップを作成することができ、機関の各スロットルバルブ開度及び回転速度に対してこのマップを検索することにより、排気管温度の許容上限値を演算することができる。
本発明の第2の実施形態では、図2に示したように、内燃機関の排気管の温度を検出する排気温度センサ(排気管温度検出手段)205を設けるとともに、内燃機関のスロットルバルブ開度と回転速度と、排気管温度の許容上限値との間の関係を与えるマップを用意しておく。デトネーション抑制制御を行っているときに内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度に対してこのマップを検索することにより排気管温度の許容上限値を演算する許容上限温度演算過程を行い、排気管温度検出手段により検出された排気管の温度が許容上限温度演算過程で演算された排気管温度の許容上限値を超えているときに内燃機関の点火動作を停止させる。排気管温度の許容上限値は、排気管温度を異常上昇させることなく点火時期を遅角させる制御を行うことが許容される排気管温度範囲の上限値に設定される。
本発明の第2の実施形態では、図4に示したように、デトネーション抑制制御手段が、内燃機関の排気管の温度を検出する排気管温度センサ(排気管温度検出手段)105と、スロットルバルブ開度及び機関の回転速度と機関の排気管温度の許容上限値との間の関係を与えるマップを記憶したマップ記憶手段2Lと、スロットルバルブ開度検出手段2Bが検出した内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度検出手段2Aが検出した回転速度に対してマップを検索することにより内燃機関の排気管温度の許容上限値を演算する許容上限温度演算手段2Mと、排気管温度センサにより検出された排気管温度が許容上限温度演算手段2Mにより演算された許容上限値を超えているか否か判定する排気管温度判定手段2Nと、この判定手段により、排気管温度が許容上限値を超えていないと判定されたときにデトネーション抑制用点火時期演算手段2Fにより演算された点火時期に点火動作を行わせるための処理を行うデトネーション時点火処理手段2Jと、排気管温度センサにより検出された排気管温度が許容上限温度演算手段2Mにより演算された許容上限値を超えているときに内燃機関の点火動作を停止させる点火動作停止制御手段2Kとを備えている。その他の点は図1及び図3に示した実施形態と同様である。
本発明の第2の実施形態において、デトネーション抑制制御を行うためにマイクロプロセッサ201に微小時間間隔で実行させるプログラムのアルゴリズムを概略的に示したフローチャートを図6に示した。図6に示したタスクが開始されると、先ずステップ1で現在のクランク角位置が、デトネーションの検出を行うクランク角位置であるか否かを判定する。ステップ1において、現在のクランク角位置がデトネーションの検出を行うクランク角位置ではないと判定されたときには、以後何もしないで他のタスクに移行する。ステップ1において現在のクランク角位置がデトネーションの検出を行うクランク角位置であると判定されたときには、ステップ2に進んでデトネーション検出回路202からデトネーション検出信号のレベルを読み込み、ステップ3で読み込んだデトネーション検出信号のレベルが設定値以上であるか否かを判定する。この判定の結果、デトネーション検出信号のレベルが設定値以上でないときには以後何もしないでこのタスクを終了する。
ステップ3でデトネーション検出信号のレベルが設定値以上であると判定されたときにデトネーションが発生したと判定して、ステップ4でデトネーション抑制用点火時期を演算する。次いでステップ5でスロットルバルブ開度と回転速度とから排気管の許容上限値を演算する許容上限温度演算過程を行い、ステップ6で、現在の排気管温度が許容上限値を超えているか否かを判定する。その結果、現在の排気管温度が許容上限値以下であると判定されたときには、ステップ7に進んでデトネーションを抑制するために、点火時期を遅角させるデトネーション抑制用点火時期遅角制御を行う。ステップ6において、現在の排気管温度が許容上限値を超えていると判定されたときには、ステップ8に進んで点火動作を停止するための処理を行う。
上記のように、排気管温度を異常上昇させることなく点火時期を遅角させる制御を行うことが許容される排気管温度範囲の上限値を排気管温度の許容上限値として、内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度に対して求めて、排気管温度センサにより検出された排気管の温度が許容上限値を超えているときに内燃機関の点火動作を停止させるようすると、デトネーション抑制制御を行っている際に、点火時期を遅角させると排気管温度が異常上昇するおそれがある状態になったときに、点火動作を停止させて排気管温度を低下させることができるため、排気管温度を過度に上昇させることなく、デトネーション抑制制御を行わせることができる。
図6に示したアルゴリズムによる場合には、ステップ3によりデトネーション判定手段2Eが構成され、ステップ4によりデトネーション抑制用点火時期演算手段2Fが構成される。またステップ5により許容上限温度演算手段2Mが構成され、ステップ6により排気管温度判定手段2Nが構成される。またステップ7によりデトネーション時点火処理手段2Jが構成され、ステップ8により点火動作停止手段2Kが構成される。
本発明の第1の実施形態の制御装置のハードウエアの構成を概略的に示した構成図である。 本発明の第2の実施形態の制御装置のハードウェアの構成を概略的に示した構成図である。 本発明の第1の実施形態の制御装置のマイクロプロセッサにより構成される各種の手段を含む全体的な構成を示したブロック図である。 本発明の第2の実施形態の制御装置のマイクロプロセッサにより構成される各種の手段を含む全体的な構成を示したブロック図である。 本発明の第1の実施形態において、デトネーション抑制制御を行うためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムのアルゴリズムを示したフローチャートである。 本発明の第2の実施形態において、デトネーション抑制制御を行うためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムのアルゴリズムを示したフローチャートである。
符号の説明
1 2サイクル内燃機関
101 デトネーションセンサ
102 パルサ
103 スロットルセンサ
104 点火コイル
2 ECU
201 マイクロプロセッサ
202 デトネーション検出回路
203 点火回路
205 点火動作停止制御手段
2A 回転速度検出手段
2E デトネーション判定手段
2F デトネーション抑制用点火時期演算手段
2G マップ記憶手段
2H 許容限界点火時期演算手段
2I 点火時期判定手段
2J デトネーション時点火処理手段
2K 点火動作停止手段
2L マップ記憶手段
2M 許容上限温度演算手段
2N 排気管温度判定手段
2K 点火動作停止処理手段

Claims (5)

  1. 2サイクル内燃機関でデトネーションが発生するのを抑制するために、デトネーション発生時に前記内燃機関の点火時期を遅角させるデトネーション抑制制御を行う2サイクル内燃機関用点火制御方法であって、
    前記デトネーション抑制制御を行っているときに、前記内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度から、前記内燃機関が点火時期を遅角させると排気管温度が許容上限値を超えるおそれがある運転状態にあるか否かを推定し、排気管温度が許容上限値を超えるおそれがある運転状態にあると推定されたときに内燃機関の点火動作を停止させること、
    を特徴とする2サイクル内燃機関用点火制御方法。
  2. 2サイクル内燃機関でデトネーションが発生するのを抑制するために、デトネーション発生時に前記内燃機関の点火時期を遅角させるデトネーション抑制制御を行う2サイクル内燃機関用点火制御方法であって、
    前記内燃機関の排気管温度が許容上限値に達するときの前記内燃機関の遅角側の点火時期を遅角側許容限界点火時期として、前記内燃機関のスロットルバルブ開度と回転速度と前記遅角側許容限界点火時期との間の関係を与えるマップを用意しておき、前記デトネーション抑制制御を行っているときに、前記内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度に対して前記マップを検索することにより前記遅角側許容限界点火時期を演算する許容限界点火時期演算過程を行い、前記デトネーション抑制制御において点火時期が前記遅角側許容限界点火時期よりも更に遅角したときに前記内燃機関の点火動作を停止させること、
    を特徴とする2サイクル内燃機関用点火制御方法。
  3. 2サイクル内燃機関でデトネーションが発生するのを抑制するために、デトネーション発生時に前記内燃機関の点火時期を遅角させるデトネーション抑制制御を行う2サイクル内燃機関用点火制御方法であって、
    前記内燃機関の排気管の温度を検出する排気管温度検出手段を設けるとともに、排気管温度を異常上昇させることなく点火時期を遅角させる制御を行うことが許容される排気管温度範囲の上限値を排気管温度の許容上限値として、前記内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度と前記排気管温度の許容上限値との間の関係を与えるマップを用意しておき、前記デトネーション抑制制御を行っているときに前記内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度に対して前記マップを検索することにより前記排気管温度の許容上限値を演算する許容上限温度演算過程を行い、前記排気管温度検出手段により検出された排気管の温度が前記許容上限温度演算過程で演算された排気管温度の許容上限値を超えているときに前記内燃機関の点火動作を停止させること、
    を特徴とする2サイクル内燃機関用点火制御方法。
  4. 2サイクル内燃機関でデトネーションが発生するのを抑制するために、デトネーション発生時に前記内燃機関の点火時期を遅角させる制御を行うデトネーション抑制制御手段を備えた2サイクル内燃機関用点火制御装置であって、
    前記デトネーション抑制制御手段は、
    前記内燃機関の排気管温度が許容上限値に達するときの前記内燃機関の遅角側の限界点火時期を遅角側許容限界点火時期として、前記内燃機関のスロットルバルブ開度と回転速度と前記遅角側許容限界点火時期との間の関係を与えるマップを記憶したマップ記憶手段と、
    前記内燃機関のスロットルバルブ開度を検出するスロットルバルブ開度検出手段と、
    前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記スロットルバルブ開度検出手段が検出したスロットルバルブ開度及び前記回転速度検出手段が検出した回転速度に対して前記マップを検索することにより前記遅角側許容限界点火時期を演算する許容限界点火時期演算手段と、
    前記内燃機関の点火時期が前記遅角側許容限界点火時期よりも更に遅れたときに前記内燃機関の点火動作を停止させる点火動作停止制御手段と、
    を備えてなる2サイクル内燃機関用点火制御装置。
  5. 2サイクル内燃機関でデトネーションが発生するのを抑制するために、デトネーション発生時に前記内燃機関の点火時期を遅角させる制御を行うデトネーション抑制制御手段を備えた2サイクル内燃機関用点火制御装置であって、
    前記デトネーション抑制制御手段は、
    前記内燃機関の排気管の温度を検出する排気管温度検出手段と、
    前記内燃機関のスロットルバルブ開度を検出するスロットルバルブ開度検出手段と、
    前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記内燃機関の排気管温度を異常上昇させることなく点火時期を遅角させる制御を行うことが許容される排気管温度範囲の上限値を排気管温度の許容上限値として、前記内燃機関のスロットルバルブ開度及び回転速度と前記排気管温度の許容上限値との間の関係を与えるマップを記憶したマップ記憶手段と、
    前記スロットルバルブ開度検出手段が検出した内燃機関のスロットルバルブ開度及び前記回転速度検出手段が検出した回転速度に対して前記マップを検索することにより前記内燃機関の排気管温度の許容上限値を演算する許容上限温度演算手段と、
    前記排気管温度検出手段により検出された排気管温度が前記許容上限温度演算手段により演算された許容上限値を超えているときに前記内燃機関の点火動作を停止させる点火動作停止制御手段と、
    を備えてなる2サイクル内燃機関用点火制御装置。
JP2004125174A 2004-04-21 2004-04-21 2サイクル内燃機関用点火制御方法及び点火制御装置 Pending JP2005307844A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004125174A JP2005307844A (ja) 2004-04-21 2004-04-21 2サイクル内燃機関用点火制御方法及び点火制御装置
US11/110,474 US7191760B2 (en) 2004-04-21 2005-04-20 Ignition control method and ignition control device for two-cycle internal combustion engine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004125174A JP2005307844A (ja) 2004-04-21 2004-04-21 2サイクル内燃機関用点火制御方法及び点火制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005307844A true JP2005307844A (ja) 2005-11-04

Family

ID=35135183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004125174A Pending JP2005307844A (ja) 2004-04-21 2004-04-21 2サイクル内燃機関用点火制御方法及び点火制御装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7191760B2 (ja)
JP (1) JP2005307844A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006144691A (ja) * 2004-11-22 2006-06-08 Kokusan Denki Co Ltd エンジン用制御装置
WO2010036994A1 (en) * 2008-09-26 2010-04-01 Voisin Robert D Powering an internal combustion engine
DE102009008960B4 (de) * 2009-02-13 2012-02-02 Mwm Gmbh Verfahren zur Regelung eines Verbrennungsmotors
DE102014108865A1 (de) * 2014-06-25 2015-12-31 Valeo Schalter Und Sensoren Gmbh Verfahren zum Betreiben eines Kraftfahrzeugs und Kraftfahrzeug

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5813127A (ja) * 1981-07-18 1983-01-25 Nippon Soken Inc 過給機付き内燃機関のノツキング制御装置
JPS58200076A (ja) * 1982-05-14 1983-11-21 Mitsubishi Electric Corp 内燃機関の点火時期制御装置
JPH06108955A (ja) 1992-09-28 1994-04-19 Yamaha Motor Co Ltd 多気筒エンジンのノッキング制御装置
JP2000009007A (ja) * 1998-06-25 2000-01-11 Keihin Corp 内燃エンジンの点火時期制御装置
DE19902209A1 (de) * 1999-01-21 2000-07-27 Bosch Gmbh Robert Vorrichtung zum Unterdrücken von Motorklopfen einer Brennkraftmaschine
US6371082B1 (en) * 1999-12-01 2002-04-16 Arctic Cat, Inc. Two-cycle engine with exhaust temperature-controlled ignition timing
FR2811029B1 (fr) * 2000-06-29 2003-01-24 Siemens Automotive Sa Procede de protection en temperature pour tubulure d'echappement de moteur d'automobile
JP3789804B2 (ja) * 2001-10-30 2006-06-28 本田技研工業株式会社 ターボ過給機付エンジンの点火制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20050235956A1 (en) 2005-10-27
US7191760B2 (en) 2007-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004245173A (ja) ノッキング指標値算出装置
JP2013189923A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6381726B1 (ja) 内燃機関の異常燃焼検出装置
JP4096942B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP6274188B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
US7191760B2 (en) Ignition control method and ignition control device for two-cycle internal combustion engine
KR20180062043A (ko) 실화에 따른 촉매 손상 방지 방법
JP2019148185A (ja) 内燃機関の制御装置、内燃機関の制御方法
EP3626957A1 (en) Knock detection method and knock detection device
JP2010025039A (ja) 燃焼異常状態判別装置
JPH02136566A (ja) 内燃エンジンの異常燃焼検知装置及び燃焼制御装置
JP2007332916A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
KR101554785B1 (ko) 점화시기 제어 장치 및 방법
JP4911135B2 (ja) 自着火燃焼検出装置
JP4799663B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2826592B2 (ja) 火花点火内燃機関の燃焼制御装置
JP6328293B1 (ja) 内燃機関の制御装置及び制御方法
JP2615919B2 (ja) 火花点火内燃機関の燃焼判定方法
JP2002364446A (ja) 内燃機関用ノッキング検出装置
JP4772729B2 (ja) 内燃機関の点火制御装置
JP2830013B2 (ja) 内燃エンジンのノック制御方法
JP5652579B1 (ja) 内燃機関の制御装置および制御方法
JP2004245172A (ja) エンジンの点火時期制御装置
CN115750109A (zh) 发动机的早燃抑制方法、装置、介质及设备
JPS6156421B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081209

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090318