JP2007263043A - 内燃機関の燃焼制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の燃料噴射制御システムにおいて、機関始動時の失火を抑制して、始動開始から始動完了までの時間をより適正なものとする。
【解決手段】内燃機関の冷間始動時において、全気筒が着火しているかどうかを判定し(S101)、全気筒が着火していると判定された場合には(S101)、前記内燃機関の各気筒の燃焼によるトルクを検出し(S201)、検出されたトルクに応じた遅角量を算出し(S202)、各気筒における燃料噴射時期を、各気筒毎に遅角させる(S203)。
【選択図】図5

Description

本発明は内燃機関の気筒における燃焼を制御する燃焼制御システムに関する。
内燃機関の冷間始動時には、各気筒の気筒壁面の温度が低いために、気筒内における燃焼状態が不安定となり失火が生じる場合がある。
これに対し、ディーゼルエンジンの始動時において、最初に着火した気筒を検出するとともに、機関回転数および水温に応じて順次着火する気筒への燃料噴射時期および噴射量を変化させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この従来技術によれば、着火順序が正確になり始動性を向上させることができる。
しかし、上記の従来技術においても、内燃機関の各気筒の間で、燃料噴射時期、燃料噴射量またはグロープラグの温度などについてばらつきがあるため、全ての気筒における燃焼状態が必ずしも最適にはなっておらず、機関全体としての始動性が充分に向上しているとはいえなかった。そのため、内燃機関の始動動作が完了するまでに長時間を要する場合があった。
特開平8−296477号公報 特開昭63−154841号公報 特開2002−21610号公報 特開2000−186598号公報 実開昭63−138477号公報
本発明の目的とするところは、内燃機関の燃焼制御システムにおいて、冷間始動時の各気筒における燃焼状態を向上させ、始動動作開始から始動動作の完了までに要する時間をより適正なものとする技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、内燃機関の冷間始動時において、前記内燃機関の各気筒における燃焼状態を検出し、前記燃焼状態との関連が強い制御量を、前記各気筒毎に、燃焼状態が改善される方向に変更することを最大の特徴とする。
より詳しくは、内燃機関の複数の気筒における燃焼状態を各気筒毎に検出する燃焼状態検出手段と、
前記各気筒における燃焼状態と関連する燃焼状態関連制御量を変更する燃焼状態制御手段と、
前記内燃機関の始動動作中において全気筒が着火した場合に、前記燃焼状態検出手段によって検出された前記内燃機関の前記各気筒の燃焼状態に応じて、前記各気筒毎に、前記燃焼状態制御手段によって前記燃焼状態関連制御量を前記各気筒における燃焼状態が改善される方向に変更させる燃焼改善手段と、
を備えることを特徴とする。
すなわち、内燃機関の始動動作中において全気筒で着火した場合に、各気筒の燃焼状態を検出する。そして、検出された燃焼状態に応じて、全気筒における前記燃焼状態関連制御量を一括して変更するのではなく、各気筒について独立に変更させる。そうすれば、着
火後の各気筒における燃料噴射量やグロープラグの温度などのばらつきがあったとしても、全気筒における燃焼状態を改善し、内燃機関の始動性を向上することができる。
また、本発明においては、前記燃焼状態検出手段は、前記内燃機関の前記各気筒における燃焼により発生するトルクに基づいて該各気筒における燃焼状態を検出し、
前記燃焼改善手段は、前記トルクが小さい気筒ほど、前記燃焼状態制御手段による前記燃焼状態関連制御量の変更幅を大きくするようにしてもよい。
ここで、前記内燃機関の始動動作中においては、前記各気筒における燃焼により発生するトルクが大きいほど当該気筒における燃焼の状態が良好であると考えられる。そして、前記内燃機関の全ての気筒におけるトルクが大きいほど、機関全体としての始動性を向上することができる。従って、本発明においては、内燃機関の始動動作中において前記各気筒において発生するトルクを検出し、トルクが小さい気筒については燃焼状態関連制御量の変更幅を大きくし、トルクが大きい気筒については燃焼状態関連制御量の変更幅を小さくする。そうすることにより、全ての気筒において早期に大きなトルクを得ることが可能となる。また、燃焼状態関連制御量を過度に変更させることにより失火が発生することを抑制できる。
上記において、各気筒における燃焼により発生するトルクは、前記内燃機関の出力軸の回転変動から検出することができる。すなわち、前記内燃機関の出力軸の回転数は、各気筒の燃焼タイミングに同期して周期的に変動している。この回転数の変動幅が大きい程、各気筒の燃焼により発生するトルクが大きいと推定することができる。
また、本発明においては、前記燃焼状態関連制御量は、前記内燃機関の気筒における主燃料噴射時期の遅角量及び、前記内燃機関の気筒における主燃料噴射に先立って行われるパイロット噴射の噴射量のうちの少なくとも一であるようにしてもよい。なお、ここにおいて主燃料噴射とは、燃焼のための燃料噴射であることをパイロット噴射に対して特に明確にしたものであり、燃料噴射と略同義である。
ここで、各気筒における燃料噴射時期は、該気筒の燃焼により発生するトルクとの関係が強い。すなわち燃料噴射時期の、圧縮上死点(以下、TDC)からの遅角量が小さすぎると、燃焼圧をピストンの回転運動に変換する際の変換効率が低いため、大きなトルクを得ることが困難となる。一方、燃料噴射時期のTDCからの遅角量が大きすぎると、燃焼時における燃焼室の温度、圧力が低くなり充分な燃焼圧を得ることが困難となる。従って、各気筒において燃料噴射時期の遅角量の最適値が存在する。
また、前記内燃機関の各気筒における主燃料噴射に先立って行われるパイロット噴射の噴射量も、該気筒の燃焼により発生するトルクとの関係が強い。すなわち、パイロット噴射の噴射量を増加させることにより、燃焼時において燃焼室に分散した燃料量を増加させることができ、該気筒の着火性を向上させ、失火によるトルク低下を抑制することができる。一方、パイロット噴射量が多すぎると、騒音やノッキングの原因となる。従って、各気筒においてパイロット噴射量の最適値が存在する。
このように、本発明における前記燃焼状態関連制御量として、該気筒の燃焼により発生するトルクとの関係が強い、主燃料噴射時期の遅角量あるいはパイロット噴射の噴射量を採用することにより、より効率的に各気筒におけるトルクを増加でき、機関全体としての始動性を向上させることができる。
また、本発明においては、前記燃焼状態検出手段は、前記内燃機関の前記各気筒における燃焼により発生するトルクに基づいて該各気筒における燃焼状態を検出し、
前記燃焼状態制御手段による前記燃焼状態関連制御量の変更量の最大値が前記各気筒毎に設定され、
前記燃焼改善手段は、始動動作中における前記トルクが小さい気筒ほど、前記燃焼状態制御手段による前記燃焼状態関連制御量の変更量の最大値の値を大きくするようにしてもよい。
ここで、例えば、前記燃焼状態関連制御量として燃料噴射時期の遅角量を採用した場合について考える。この場合、内燃機関における噴射時期の遅角量を大きくしていくと、ある遅角量までは、当該気筒における燃焼によるトルクを上昇させることができるが、それ以上大きくしていくと、燃焼の際の気筒における温度及び圧力が低下し、失火が生じる可能性が生じる。従って、内燃機関の各気筒においては燃料噴射時期の遅角量の最大値を設定し、燃料噴射時期の遅角量がそれを越えないように制御される。
ところで、各気筒における燃料噴射量やグロープラグの温度などのばらつきによって、着火性が良い気筒とそうでない気筒がある。そして、着火性の良い気筒における着火時期はより進角側であることが考えられ、このような気筒については、燃料噴射時期の遅角量が大きくても比較的失火が生じづらい。そして、このような気筒については、燃料噴射量の遅角量の最大値をより大きくすることによって、より大きなトルクを得ることができる。従って、本発明においては、始動時における前記トルクが小さい気筒ほど着火性が良い気筒であると判断し、燃料噴射時期の遅角量の最大値を大きくすることとした。
そうすれば、各気筒の着火性のばらつきに応じて可及的に燃料噴射時期を遅角させることができ、各気筒において可及的に大きなトルクを得ることができる。その結果、より効率よく始動性を向上させることができる。
また、本発明においては、前記燃焼状態検出手段は、前記内燃機関の前記各気筒における燃焼により発生するトルクに基づいて該各気筒における燃焼状態を検出し、
始動動作中における前記トルクが最も高い気筒を、前記燃焼状態関連制御量を変更しない基準気筒とし、
前記燃焼改善手段は、前記基準気筒以外の気筒における燃焼により発生するトルクが、前記基準気筒における燃焼により発生するトルクと同等になるように、前記基準気筒以外の気筒についての前記燃焼状態関連制御量を変更するようにしてもよい。
ここで、上述したように、始動動作中における発生トルクが既に高い気筒について前記燃焼状態関連制御量を変更する制御を行った場合、内燃機関全体としてのバラツキによっては、変更量が少ない場合でも失火などの不具合が生じる可能性がある。そこで、本発明においては、始動動作中における前記トルクが最も高い気筒を、前記燃焼状態関連制御量を変更しない基準気筒とし、他の気筒における燃焼によるトルクが、前記基準気筒における燃焼によるトルクと同等になるように、他の気筒についての前記燃焼状態関連制御量のみを変更するようにした。
そうすれば、内燃機関における全気筒の燃焼状態が基準気筒と同等になるまでは前記燃焼状態関連制御量が変更されるが、それ以上は変更されないので、燃焼状態関連制御量が過度に変更されて失火などの不具合が生じることをより確実に抑制することができる。
また、本発明においては、内燃機関の複数の気筒における燃焼状態を各気筒毎に検出する燃焼状態検出手段と、
前記各気筒からの排気の背圧を変更する背圧変更手段と、
前記内燃機関の始動動作中において、前記燃焼状態検出手段によって検出された燃焼状態に応じて、前記背圧変更手段によって前記背圧を、前記各気筒における燃焼状態を改善
する方向に変更させる背圧燃焼改善手段と、
を備えるようにしてもよい。
ここで、内燃機関の始動動作中には、排気の背圧を高くすると、高温の燃焼ガスが気筒内に多く残留するために、筒内温度が上昇して着火性が向上する。また、その場合には排気行程における排気の排出抵抗が大きくなるために発生トルクは低下する。逆に排気の背圧を低くすると、着火性は低下し失火しやすくなるが着火した際の発生トルクは向上する。
従って、前記内燃機関の始動動作中において、前記燃焼状態検出手段によって検出された各気筒の燃焼状態に応じて、前記背圧変更手段によって前記各気筒からの排気の背圧を変更すれば、各気筒における着火性と発生トルクのバランスを最適化することができる。
また、本発明においては、前記燃焼状態検出手段は、前記内燃機関の前記各気筒における失火状態を検出し、
前記内燃機関の始動動作中において、前記燃焼状態検出手段によって所定期間内に前記複数の気筒のいずれかにおいて失火状態が検出された場合には、前記背圧燃焼改善手段によって前記背圧を上昇させ、
前記所定期間内に前記複数の気筒のいずれにおいても失火状態が検出されなかった場合には、前記背圧燃焼改善手段によって前記背圧を低下させるようにしてもよい。
そうすれば、内燃機関の始動時において各気筒の燃焼状態が安定している場合には排気の背圧を低くして各気筒の発生トルクを増加させ、失火が発生している場合には排気の背圧を高くすることで各気筒の着火性を向上させることができる。また、リアルタイムの失火状態を検出してその際の状態に応じて最適に排気の背圧を制御することにより、環境条件や部品の製造ばらつきがあっても、始動動作開始から始動動作の完了までに要する期間を可及的に短くすることができる。
なお、ここで所定期間とは、前記内燃機関の始動動作中において、各気筒の燃焼行程が一巡する期間であってもよい。例えば、4気筒の4サイクル内燃機関であり、各気筒のサイクル間の位相が180度ずつずれている場合には、内燃機関の出力軸の2回転分の期間でもよい。
また、本発明においては、前記内燃機関の所定数の気筒における初爆の発生以前は、前記背圧変更手段によって前記背圧を所定の初爆前背圧としてもよい。
ここで、内燃機関の始動動作開始から初爆の発生までの間の期間は、排気の背圧を上げるための制御を行っても着火性が向上せず、逆に機関からの排出ガスの排出抵抗が増加して回転数が低下してしまうおそれがある。従って、内燃機関の始動開始後、所定数の気筒において初爆が発生するまでは背圧を低下させて所定の初爆前背圧とする。ここで所定の初爆前背圧とは可及的に低くした状態の背圧としてもよい。
そうすれば、初爆の発生前に、内燃機関の回転数をより効率よく上昇させることができ、内燃機関の始動性をより向上させることができる。
また、本発明においては、内燃機関の始動動作中において内燃機関の複数の気筒における燃焼状態を各気筒毎に検出する燃焼状態検出手段と、
前記各気筒における燃焼状態と関連する燃焼状態関連制御量を変更する燃焼状態制御手段と、
前記内燃機関の始動動作の完了後において、前記燃焼状態検出手段によって前記内燃機
関の始動動作中に検出された前記各気筒の燃焼状態に応じて、前記燃焼状態制御手段によって前記燃焼状態関連制御量を前記各気筒における燃焼状態が改善される方向に変更させる始動後燃焼改善手段と、
を備えるようにしてもよい。
ここで、内燃機関の始動動作の完了後においては、内燃機関の燃焼状態に応じて、燃焼が安定しており失火が生じづらいが騒音が大きい状態と、燃焼が不安定で失火が生じやすいが騒音は小さい状態とが発生し得る。そして、内燃機関の始動動作の完了後においても、内燃機関の燃焼状態を制御して、騒音と着火性とを適宜バランスさせる必要がある。
しかし、始動動作の完了後においては、内燃機関の運転状態によって回転数やトルクが大きく変化してしまうので、各気筒における燃焼状態を正確に検出することが困難となる。
そこで、本発明においては、比較的燃焼状態が検出し易い始動動作中において各気筒の燃焼状態を検出し、始動動作中における燃焼状態の検出結果に基き、前記各気筒における燃焼状態と関連する燃焼状態関連制御量を補正することとした。これにより、始動動作の完了後における騒音及び着火性をより正確にバランスさせることができ、燃焼状態を安定させることができる。
また、本発明においては、前記燃焼状態関連制御量は、前記内燃機関の気筒における主燃料噴射時期の遅角量及び、前記内燃機関の気筒における主燃料噴射に先立って行われるパイロット噴射の噴射量のうちの少なくとも一であるようにしてもよい。
ここで、例えば、内燃機関の始動動作の完了後において、燃料噴射時期が気筒毎にばらついている状態について考える。内燃機関における燃料噴射時期がTDC付近で行われる状態においては、温度及び圧力が高い状態で着火が生じるため燃焼による圧力変動が大きくなる。従ってこの場合は、着火性は高くなるが騒音は大きくなる。一方、燃料噴射時期が遅角されると、着火時の温度及び圧力が低くなるため着火性及び騒音が低くなる。従って、内燃機関の始動動作の完了後においては、燃料噴射時期を適宜調節することにより、騒音と着火性をバランスさせることができる。
また、例えば、内燃機関の始動動作の完了後において、パイロット噴射の噴射量が気筒毎にばらついている状態について考える。パイロット噴射の噴射量が多い場合は、着火性は高くなるが騒音は大きくなる。一方、パイロット噴射の噴射量が少ない場合は、着火性が低くなる。従って、内燃機関の始動動作の完了後においては、パイロット噴射の噴射量を適宜調節することにより、騒音と着火性をバランスさせることができる。
そこで、本発明においては、比較的燃焼状態が検出し易い始動動作中において各気筒の燃焼状態を検出し、始動動作中における燃焼状態の検出結果に基き、前記内燃機関の気筒における主燃料噴射時期の遅角量及び、前記内燃機関の気筒における主燃料噴射に先立って行われるパイロット噴射の噴射量のうちの少なくとも一を始動動作の完了後に補正することとした。これにより、始動動作の完了後における騒音及び着火性をより正確にバランスさせることができ、燃焼状態を安定させることができる。
また、本発明においては、前記燃焼状態検出手段は、内燃機関の始動動作中において内燃機関の複数の気筒における失火状態を検出し、
前記始動後燃焼改善手段は、前記内燃機関の始動動作の完了後において、前記燃焼状態検出手段によって前記内燃機関の始動動作中に検出された前記各気筒の失火状態の頻度に応じて、前記燃焼状態制御手段によって前記燃焼状態関連制御量を前記各気筒における燃
焼状態が改善される方向に変更させるようにしてもよい。
このように、内燃機関の始動動作中における失火状態を検出し、失火状態の頻度に応じて前記燃焼状態関連制御量を前記各気筒における燃焼状態が改善される方向に変更させるようにすれば、内燃機関の始動動作中における燃焼状態をより容易に検出することが可能となり、より確実に、始動動作の完了後における騒音及び着火性をバランスさせることができ、燃焼状態を安定させることができる。
また、本発明においては、前記始動後燃焼改善手段により前記燃焼状態関連制御量を変更する際の変更幅は、前記内燃機関の始動動作の完了後の経過時間が長くなるほど小さくするようにしてもよい。
ここで、前記内燃機関の始動動作の完了後に時間が経過し燃焼室の温度が上昇すると、各気筒における燃焼状態は安定し失火はしづらくなる。また、前記内燃機関の始動動作中において検出された燃焼状態の影響は時間の経過とともに小さくなる。この場合、前記内燃機関の始動動作中において検出された燃焼状態に基いて前記燃焼状態関連制御量を変更したのでは、始動動作の完了後における騒音及び着火性をバランスさせることが困難となる場合がある。
従って、本発明においては、前記始動後燃焼改善手段により前記燃焼状態関連制御量を変更する際の変更幅は、前記内燃機関の始動動作の完了後の経過時間が長くなるほど小さくするようにしてもよい。
例えば、内燃機関の始動動作の完了後において、各気筒における燃料噴射量を進角補正した場合について考える。この場合は、前記内燃機関の始動動作の完了後の時間経過とともに各気筒における燃焼状態は安定するので進角補正は不要となる。そのままではむしろ騒音が悪化してしまう場合ある。従って時間経過とともに進角量を小さくすれば、過補正による騒音の悪化や、噴射時期急変による失火を抑制することができる。
また、本発明においては、前記始動後燃焼改善手段により前記燃焼状態関連制御量を変更する際の変更幅は、前記内燃機関の始動動作の完了後における前記内燃機関の冷却水温度が高くなるほど小さくするようにしてもよい。
すなわち、上述のように、前記始動後燃焼改善手段により前記燃焼状態関連制御量を変更する際の変更量を、前記内燃機関の始動動作の完了後の経過時間とともに小さくする場合には、始動後の運転状態により燃焼室の温度が変化するために正確な変更が困難となるおそれがある。例えば、アイドル放置のままでは温度が低く、高負荷で運転すると温度が高くなるなどである。従って、本発明においては、内燃機関の始動動作の完了後の経過時間ではなく、内燃機関の冷却水温に応じて前記燃焼状態関連制御量を変更する際の変更幅を変化させるようにしてもよい。
そうすれば、内燃機関の始動動作の完了後の運転状態の影響を受けずに精度よく、過補正による騒音悪化や、噴射時期急変による失火を防止することができる。
さらに、本発明においては、前記始動後燃焼改善手段により前記燃焼状態関連制御量を変更する際の変更幅は、前記内燃機関の始動動作の完了後における前記内燃機関のグロープラグの温度が低くなるほど小さくするようにしてもよい。
ここで内燃機関の始動時の失火にはグロープラグの温度の影響が大きいが、始動後にグロープラグの温度が低下するとその影響は小さくなることが分かっている。従って、グロ
ープラグの温度に応じて前記始動後燃焼改善手段により前記燃焼状態関連制御量を変更する際の変更幅を変化させてもよい。
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することができる。
本発明にあっては、内燃機関の燃焼制御システムにおいて、冷間始動時の各気筒における燃焼状態を向上させ、始動動作開始から始動動作の完了までに要する時間をより適正なものとすることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は4つの気筒2を有するディーゼル機関であり、各々の気筒2には気筒内に燃料を噴射するための燃料噴射弁3が設けられている。
内燃機関1には、吸気枝管8が接続されており、この吸気枝管8の上流側は吸気管9と接続されている。さらに吸気管9は、遠心過給機15のコンプレッサハウジング15aに接続されている。一方、内燃機関1には、排気枝管18が接続され、この排気枝管18は、前記遠心過給機15のタービンハウジング15bと接続されている。また、該タービンハウジング15bは排気管19と接続されている。この排気管19は、下流にて図示しないマフラーに接続されている。また、内燃機関1には、内燃機関1の始動時に出力軸を回転させる始動モータ5、内燃機関1の出力軸の回転数を検出するためのクランクポジションセンサ20、内燃機関1の冷却水温を出力する冷却水温センサ25が備えられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)35が併設されている。このECU35
は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。
ECU35には、エアフローメータ、アクセルポジションセンサなどの他、前述のクランクポジションセンサ20、冷却水温センサ25などのセンサ類が電気配線を介して接続され出力信号がECU35に入力されるようになっている。一方、ECU35には、燃料噴射弁3、始動モータ5などが電気配線を介して接続され、ECU35によって制御されるようになっている。
また、ECU35には、CPU、ROM、RAM等が備えられており、ROMには、内燃機関1の種々の制御を行うためのプログラムや、データを格納したマップが記憶されている。後述する、本発明における始動時燃料噴射制御ルーチンも、ECU35のROMに記憶されているプログラムの一つである。
ここで、極低温下における内燃機関1の始動動作中の燃焼制御について説明する。なお、内燃機関1の始動動作とは、始動モータ5によるクランキングの開始から内燃機関1の自立運転開始まで内燃機関1及び始動モータ5の動作をいう。
内燃機関1における複数の気筒2については、図示しないグロープラグや燃料噴射弁3
などのハード的なばらつきがあるので、同じタイミングで燃料噴射を行ったとしても着火時期は各々異なる。そうすると、内燃機関1の始動動作中に、全ての気筒2において最適な時期に着火しているとは限らず、機関全体としてトルクが最大の状態になっているとは限らない。結果として、最適な始動性が得られているとは限らない。
図2には、内燃機関1の各気筒2における着火時期とトルクとの関係を示す。ここでは、もしTDC付近で着火が生じた場合には、ピストンの移動方向の関係で、燃焼圧がピストンの回転運動に用いられる際の効率が悪く、トルクは低くなる。そして、着火時期が遅くなるにつれてトルクは増加する。しかし、過度に遅くなると、燃焼室における圧力、温度が低下するために燃焼状態が不安定になり失火が生じてしまう。
すなわち、内燃機関1の始動動作中における各気筒2のトルクを検出すれば、その気筒2における着火時期を推定することができ、検出されたトルクに応じて燃料噴射時期を適宜変更することにより各気筒2のトルクを最適化することができる。具体的には、図3に示すように、検出されたトルクが低いほど、その気筒2についての燃料噴射時期の、TDCに対する遅角量を大きくすればよい。
なお、各気筒毎のトルクは、クランクポジションセンサ20の出力から内燃機関1の出力軸の回転変動を検出することによって取得できる。すなわち、各気筒2の燃焼行程に相当するタイミングでの回転変動が大きいほど、その気筒2における燃焼によって発生したトルクは大きいと考えることができるからである。
図4には、内燃機関の始動動作中における燃焼状態の最適化に関する従来のフローチャートを示す。本ルーチンはECU35によって、内燃機関1の始動動作中に所定期間毎に実行される。
本ルーチンが実行されると、まずS101において、内燃機関1における全気筒2が着火しているかどうかが判定される。この判定も、内燃機関1の回転変動から行うことができる。すなわち、ある気筒2で失火が生じている場合には、その気筒2の燃焼行程に相当するタイミングでトルクの落ち込みが観測されるからである。ここでいずれかの気筒2において失火が発生していると判定された場合にはS102に進む。一方、全気筒2において着火されていると判定された場合にはS103に進む。
S102においては、失火したと判定された気筒2における燃料噴射時期を所定角進角させる。一方S103においては、全気筒2における燃料噴射時期を所定角遅角させる。また、S104においては、最大遅角量のガードを実施する。すなわち、S103において全気筒2における燃料噴射時期を所定角遅角させた場合に、過度に遅角されることによって失火する気筒2が発生しないように燃料噴射時期の限界値を定めたものであり、S103の処理によって限界値以上の遅角を行うとされた気筒2に対しては遅角の値を限界値に補正する。
以上のように、内燃機関の始動動作中における従来の燃料噴射時期制御においては、ある気筒2において失火が生じた場合には気筒毎に燃料噴射時期を進角させ、それ以外の場合は全気筒2の燃料噴射時期を一括して遅角制御していた。
これに対し、本実施例における始動時燃料噴射制御ルーチンを図5に示す。本ルーチンにおいては、従来のフローに対して、S103の処理の代わりにS201〜S203の処理が設けられている。
本ルーチンにおいてS101の処理が終了すると、肯定判定された場合にはS201に
進む。S201においては、各気筒2のトルクが取得される。具体的には前述のように、クランクポジションセンサ20の出力から内燃機関1の回転変動を検出し、各気筒2の燃焼行程に相当するタイミングにおける回転変動の大きさからトルクを推定する。S201の処理が終了するとS202に進む。
S202においては、S201において取得した各気筒2のトルクに応じた各気筒2における燃料噴射時期の遅角量を導出する。この際、図3におけるトルクと遅角量との関係に基いたマップから、各気筒2における燃料噴射時期の遅角量を読み出すことによって導出する。S202の処理が終了するとS203に進む。
S203においては、各気筒毎に燃料噴射時期を、S202で導出された遅角量に基づいて遅角させる。S202の処理が終了するとS104に進む。これ以降の処理は図4について説明したとおりである。
以上のように、本実施例においては、内燃機関1の始動動作中において、各気筒2における燃焼によるトルクを各気筒毎に取得し、そのトルクの値に応じて燃料噴射時期を各気筒毎に遅角させ、各気筒2で最大のトルクを得られるべく制御している。従って、内燃機関1における気筒間に、燃料噴射量やグロープラグの温度などのばらつきがあったとしても、機関全体として最大のトルクを得ることができる。その結果、冷間始動時における内燃機関1の始動性を向上させることができる。
また、その際、図3に示したとおり、トルクの小さい気筒2ほど、燃料噴射時期の遅角量を大きくするので、速やかに始動性を向上させることができる。
なお、上記の始動時燃料噴射制御ルーチンのS202において、遅角量を導出する際には、各気筒2が1回の遅角動作で最大トルクが得られるように、燃料噴射時期の遅角量を決定してもよいが、各気筒2が複数回の遅角動作で最大トルクが得られるように燃料噴射時期の遅角量を決定し、複数回の本ルーチンの実行によって各気筒2が複数回の遅角動作で最大トルクが得られるようにしてもよい。後者の制御を行う際にS202で用いられるマップの例を図6に示す。
ここで、各気筒2が1回の遅角動作で最大トルクが得られるように制御を行う場合には、S104の処理における燃料噴射時期の最大遅角量は、マップから読み出された遅角量の値そのものの限界値を意味する。一方、各気筒2が複数回の遅角動作で最大トルクが得られるように制御を行う場合には、S104の処理における燃料噴射時期の最大遅角量は、マップから読み出された各気筒2に対する遅角量の累積値の限界値としてもよい。
ここで、上記のS201の処理を実行するECU35は、本実施例における燃焼状態検出手段を構成する。また、燃料噴射時期の遅角量は本実施例における燃焼状態関連制御量に相当し、上記のS203において各気筒毎に燃料噴射時期を遅角させるECU35は本実施例における燃料状態制御手段に相当する。また、S101〜S203の処理を実行するECU35は本実施例における燃焼改善手段を構成する。
次に、本実施例における始動時燃料噴射制御ルーチンの別の態様について説明する。この態様においては、各気筒2における燃焼によるトルクに応じて、各気筒2に対する燃料噴射時期の遅角量の限界値を変更する。
図7には、本態様における始動時燃料噴射制御ルーチン2について示す。本ルーチンにおける、S101、S102及びS201の処理は、始動時燃料噴射制御ルーチンと同等であるので説明は省略する。本ルーチンにおけるS201の処理が終了すると、S301
の処理が実行される。
S301においては、S201において取得されたトルクに応じて、各気筒2に対する最大遅角量が導出される。ここで、取得されたトルクが低かった気筒2については、着火性が良くもともと進角側で着火しているため、燃料噴射時期を遅角する際の遅角量の限界値を大きくしても失火は発生しづらいと考えられる。従って、このような気筒2については遅角量の限界値(最大遅角量)を大きくしてトルクを可及的に大きくすることにより、内燃機関1の始動性をさらに向上させることができる。本処理においては、この考え方に基づいた各気筒2における燃焼によるトルクと最大遅角量との関係を格納したマップから、各気筒2における燃焼によるトルクに対応する最大遅角量の値が導出される。このマップの基準となるトルクと最大遅角量との関係の例について図8に示す。S301の処理が終了するとS103に進む。
S103においては、従来のルーチンと同様、全気筒2を所定角遅角させる。この処理が終了するとS302に進む。S302においては、S301において導出された各気筒毎の最大遅角量に基いて最大遅角量ガードが行われる。この結果、上述のように、もともとのトルクが高い気筒2については、燃料噴射時期の遅角量の限界値は小さくなる。一方、もともとのトルクが低い気筒2については、燃料噴射時期の遅角量の限界値は大きくなる。
その結果、気筒2間のばらつきによって、各気筒2における燃焼によるトルクがもともと異なっている場合に、最終的には、もともとのトルクが高い気筒2については、燃料噴射時期の遅角量を小さく、もともとのトルクが低い気筒2については、燃料噴射時期の遅角量を大きくすることができる。その結果、各気筒2における燃焼によるトルクを可及的に大きくすることができるとともに、過度の遅角による失火を抑制することができる。
なお、上記における遅角量の限界値(最大遅角量)は、本態様における燃焼状態関連制御量の変更量の最大値に相当する。
次に、本実施例における第3の態様について説明する。本態様は、内燃機関1の気筒2のうちトルクが最も大きい気筒2と、トルクが揃うように他の気筒2の燃料噴射時期を制御する態様である。
ここで、本実施例における前述の態様においては、S104またはS302の処理において最大遅角量ガードを設けることにより、内燃機関1の各気筒2における燃料噴射時期を、失火が生じない範囲で最も遅角側に設定するように制御した。しかし、内燃機関同士の製造ばらつきを考慮すると、この最大遅角量ガードによって定められる燃料噴射時期の遅角量の限界値において、絶対に失火が生じないとは必ずしも言えない場合があった。そこで、本態様においては、失火が生じることなく燃焼状態が安定している気筒2のうちで、トルクが最大である気筒2に、他の気筒2における燃焼によるトルクを揃える制御を行うこととした。そうすれば、より確実に失火の発生を抑制した上で、各気筒2における燃焼によるトルクを可及的に増加させることができ、より確実に始動性を向上させることができる。
図9には、本態様における始動時燃料噴射制御ルーチン3を示す。本ルーチンと図5で示した始動時燃料噴射制御ルーチンとの相違点は、S202の処理の代わりにS402の処理が行なわれる点である。
ここでS402の処理について説明する。S402においては、S201において取得された各気筒2における燃焼によるトルクから、当該トルクが最大である気筒2を判別し
、この気筒2に対しては遅角量が零に設定される。一方、他の気筒2については、それらにおける燃焼によるトルクが上述の最大のトルクに近づくように燃料噴射時期の遅角量が設定される。具体的には、図6に示した、トルクと1回あたりの燃料噴射時期の遅角量との関係のグラフが、図10に示すようにシフトされ、このシフト後のグラフを基礎とするマップから、各気筒2における燃焼によるトルクに対応する1回あたりの遅角量が読み出されて導出されるようにしてもよい。
こうすれば、現に失火が生じることなく稼動している気筒2のトルクに、他の気筒2のトルクを揃えることができ、燃料噴射時期の過度な遅角によって失火が生じることをより確実に抑制することができる。なお上記のS402の処理において、トルクが最大であり遅角量が零に設定された気筒2は、第3の態様において基準気筒に相当する。
次に本発明の実施例2について説明する。本実施例においては、内燃機関の始動動作中において失火が発生している場合には排気の背圧を高く、全気筒2が安定して着火している場合には排気の背圧を低くする例について説明する。なお、本実施例における内燃機関1においては、遠心過給機15のタービンハウジング15b中に、図示しない可変ノズルターボ機構(以下、VNTと略す。)が備えられており排気の背圧を制御することが可能となっている。
ここで内燃機関の極低温下における始動動作について考える。この場合、排気の背圧を高くすると高温の燃焼ガスが筒内に多く残留し、極低温の吸入空気が相対的に減少する。従って、筒内温度が上昇し着火性が向上する。但し、排気行程で燃焼ガスが排出される際の抵抗が大きくなるために発生トルクは低下する。逆に排気の背圧を低くすると着火性は低下し失火し易くなるが、着火した際の発生トルクは向上する。このような排気の背圧と発生トルク及び筒内温度との関係について図11に示す。
また、上記の特性から、極低温下における始動動作中において排気の背圧を高くした場合には、失火は抑制できるもののトルクが少ないために始動動作の完了に時間がかかるという特徴があった。一方、極低温下における始動時において排気の背圧を低くした場合には、始動時間は短縮できるものの失火が生じる可能性が高まるという特徴があった。
従って、本実施例では、極低温下の内燃機関の始動動作中において、失火が発生している場合には排気の背圧を高く、全気筒2が安定して着火している場合には排気の背圧を低くすることとした。
図12(a)、(b)には、極低温下の内燃機関の始動動作中において排気の背圧を高くした場合及び、排気の背圧を低くした場合における筒内温度及び機関回転数の変化を示す。また、図12(c)には、排気の背圧を適正化した場合についての筒内温度及び機関回転数の変化を示す。
図12(a)に示すように、極低温下の内燃機関の始動動作中に排気の背圧を高くした場合には、筒内温度は急峻に上昇し、失火がないために回転数も安定しているが、トルクが小さいため回転数の上昇は遅い。一方図12(b)に示すように、極低温下の内燃機関の始動動作中に排気の背圧を低くした場合には、筒内温度の上昇は遅く、失火が生じるために機関回転数は不安定である。
そして、本実施例においては、図12(c)に示すように、排気の背圧を失火が生じない範囲で可及的に低く制御して適性化することとした。これにより、筒内温度の上昇を促進できるとともに、機関回転数を安定的に早期に上昇させることができる。
図13には、本実施例における始動時燃料噴射制御ルーチン4を示す。本ルーチンが実行されると、S101において全気筒2が着火しているかどうかが判定される。そして全気筒2が着火していない。すなわち失火が発生していると判定された場合には、S501に進む。一方、全気筒2が着火していると判定された場合には、S502に進む。
S501においては、過給機15のVNTが全閉とされ、排気の背圧を上昇させる。これにより、気筒温度の上昇が早期化して着火性が向上する。よって次サイクルにおいては失火を抑制することができる。
S502においては、VNTを所定量開弁させる。そうすることにより排気の背圧を所定圧だけ低下させる。そうすれば、内燃機関全体のトルクを可及的に増加させることができ、始動性を向上させることができる。なお、上記のVNTは、本実施例における背圧変更手段を構成する。また、S101の処理を行うECU35は各気筒毎の失火を検出するという意味で本実施例の燃焼状態検出手段に相当する。さらに、S101、S501及びS502の処理を実施するECU35は本実施例における背圧燃焼改善手段を構成する。
また、S101の処理において全気筒2が着火しているかどうかの判定は、内燃機関1の始動動作中において、4つの気筒2の燃焼行程が一度ずつ連続して実施される期間に亘って各気筒2の失火を検出することによって行われてもよい。
ここで、内燃機関1の始動動作開始以降、内燃機関1のいずれかの気筒2において初爆が発生するまでの期間においては、VNTを閉じて排気の背圧を上昇させても着火性は向上しない。この場合は、むしろ気筒2からのガスの排出抵抗が増加し回転数が低下してしまう。従って、内燃機関1の始動動作の開始後、所定数の気筒2において初爆が発生するまではVNTを全開するような制御にしてもよい。
この場合の始動時燃料噴射制御ルーチン5を図14に示す。本ルーチンでは、まず最初にS601において、所定数の気筒2で初爆が発生しているかどうかが判定される。ここで肯定判定された場合にはS101に進む。また、否定判定された場合にはS602に進む。S602においては、VNTが全開される。S101以降の処理は、図12において説明したものと同等の制御を行う。ここで所定数の気筒2とは内燃機関1の少なくとも1つの気筒2としてもよいし、それ以上の数の気筒2でもよい。
これにより、内燃機関1の所定数の気筒2において初爆が発生するまでは、背圧を低減させて気筒2からのガスの排出抵抗を低減することができる。その結果、初爆までの期間においても効率よく回転数を上昇させることができる。なお、上記のS602の処理においてVNTを全開することで実現される排気の背圧は、本実施例における初爆前背圧に相当する。
次に、本発明における実施例3について説明する。本実施例においては、内燃機関の始動動作中における、各気筒2の着火性に関する情報を用いて、始動動作の完了後に、内燃機関の燃料噴射時期を気筒毎に調節する制御について説明する。
ここで、内燃機関の極低温下の始動動作の完了後における燃料噴射時期(着火時期)と騒音及び着火性との関係を図15に示す。図15に示すとおり、燃料噴射時期が早くTDCに近い場合には、着火時における燃焼室の温度、圧力が高いので、圧力変動が大きくなる。結果として騒音は大きくなり、着火性は良好になる。一方、燃料噴射時期が遅くなると、騒音は緩和されるが着火性は低下する。
従って、内燃機関の極低温下の始動動作の完了後においても、始動動作中と同様に各気筒2における燃焼状態を改善し、騒音と着火性をバランスさせる必要がある。しかし、内燃機関の始動動作の完了後においては、各気筒2の回転変動は、要求される運転状態などによって左右されるため、始動動作中のように正確に各気筒2のトルクを検出することが困難である。
そこで、本実施例においては、始動動作中の失火の発生回数に基いて各気筒2における燃料噴射時期を推定し、始動動作の完了後に気筒毎に燃料噴射時期を進角補正し、失火のし易さと騒音とをバランスさせた位置に補正するようにする。そうすれば、各気筒2の始動動作中における燃料噴射時期を正確に取得することができ、失火の抑制と騒音の抑制とをより正確にバランスさせることができる。
ここで、始動動作の完了後に時間が経過し燃焼室の温度が上昇すると、燃焼が安定するため、上記の進角補正は不要となる。そのままでは、むしろ騒音が悪化する場合がある。従って、燃料噴射時期の補正後、時間の経過とともに進角量を小さくすることで過補正による騒音悪化を抑制し、同時に噴射時期急変による失火を抑制するようにしてもよい。
図16には、本実施例における、始動動作中の失火回数と始動動作の完了後における進角補正量との関係を示す。始動動作中における失火回数が多い気筒2程、始動動作の完了後における進角補正量を大きくするように設定されている。また、始動動作の完了後における経過時間が長いほど、進角補正量は小さくなるようにしている。
図17には、本実施例における始動後燃料噴射制御ルーチンを示す。本ルーチンは内燃機関1の始動動作の完了後に所定期間毎に実行されるルーチンである。
本ルーチンが実行されると、まずS701において、始動動作の完了後の経過時間が取得される。具体的には、内燃機関1が自立回転を開始した際にタイマーONし、タイマーの計測値をECU35に読み込むことによって取得される。S701の処理が終了するとS702に進む。
S702においては、始動動作の完了後の経過時間が所定時間t1以内かどうかが判定される。この所定時間t1とは、始動動作の完了後において、始動動作中からの内燃機関の状態が変化してしまい、始動動作中における失火回数の検出値に基づいた制御を行うことが適当でなくなる閾値としての始動動作の完了後の経過時間であり、予め実験的に求められる。具体的には、S701で取得されたタイマーの指示値tがt1以下かどうかが判定される。ここで否定判定された場合には、始動動作中における失火回数の検出値に基づいた制御を行うことが適当でないと判断され本ルーチンを一旦終了する。一方肯定判定された場合にはS703に進む。
S703においては、各気筒2における始動動作中の失火回数を取得する。これは始動動作の開始時から始動動作の完了(自立運転開始)までの期間において、各気筒2が失火した回数をカウントし、ECU35内のRAMに記憶しておいた失火回数値を読み出すことによって取得する。S703の処理が終了するとS704に進む。
S704においては、進角補正量が導出される。具体的には、S703において取得された各気筒2毎の失火回数に応じた進角補正量を、図16に示したグラフを基礎に作成された、始動動作中の失火回数と始動動作の完了後の進角補正量との関係を格納したマップから、進角補正量の値を読み出すことによって導出される。S704の処理が終了するとS705に進む。
S705においては、S704において導出された各気筒2毎の進角補正量に基づいて各気筒2の進角補正が実施される。S705の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
このように、本実施例においては、始動動作中の失火の発生回数に基いて各気筒2における燃料噴射時期を推定し、始動動作の完了後に気筒毎に燃料噴射時期を進角補正している。従って、各気筒2の始動動作中における燃料噴射時期を正確に取得することができ、始動動作の完了後における進角補正量をより正確に導出することができる。また、燃料噴射時期の進角補正後、経過時間が長いほど、進角補正量を小さくしているので、過補正による騒音悪化を抑制し、同時に噴射時期急変による失火を抑制することができる。なお、上記のS701〜S705の処理を実行するECU35は本実施例における始動後燃焼改善手段に相当する。
次に、本実施例における第2の態様について説明する。ここで、本実施例における最初の態様においては、各気筒2における始動動作中の失火回数から進角補正量を導出する段階で用いるマップは、図16に示したグラフを基礎としていた。すなわち、始動動作の完了後の経過時間が長いほど、進角補正量を小さくするように変化させていた。これは、始動動作の完了後に時間が経過し燃焼室の温度が上昇することにより、燃焼が安定し、燃料噴射時期の進角補正量が短くてもよくなるという推定に基づいている。
しかし、内燃機関の運転状態により燃焼室の温度は変化するため(例えば、アイドル状態放置の場合には燃焼室の温度は低く、高負荷で運転した場合には燃焼室の温度が上昇する。)、必ずしも始動動作の完了後の経過時間が長ければ燃焼室の温度が高いとは限らず、始動動作の完了後の経過時間に基づいたのでは正確な進角補正値を導出することが困難となる場合がある。そこで、本態様においては、各気筒2における始動動作中の失火回数から、始動動作の完了後の進角補正量を導出する段階で用いるマップは、内燃機関1の冷却水温が低いほど進角補正量が大きく、内燃機関1の冷却水温が高いほど進角補正量が小さくなる特性を有するようにしてもよい。
またここで、始動動作中の失火の発生にはグロープラグの温度が大きく影響していることがわかっている。しかし、始動動作の完了後にグロープラグが停止されると、その温度が低下し、失火の発生に対する影響は小さくなる。そこで、本態様においては、各気筒2における始動動作中の失火回数から、始動動作の完了後の進角補正量を導出する段階で用いるマップは、グロープラグの温度が高いほど進角補正量が大きく、グロープラグの温度が低いほど進角補正量が小さくなる特性を有するようにしてもよい。
これらのような制御とすることで、より正確に始動動作の完了後の進角補正量を取得することができる。
図18には、内燃機関1の始動動作の完了後の経過時間、内燃機関1の冷却水温、クロープラグの温度の全ての情報から、各気筒2の進角補正量を導出する場合の始動後燃料噴射制御ルーチン2のフローチャートを示す。なお、以下のフローにおいては、内燃機関1の冷却水温、クロープラグの温度の情報の活用例として、冷却水温については、冷却水温が所定値以下かどうかのみの情報を、クロープラグの温度についてはグロープラグがONしているかどうかのみの情報を用いる例について説明している。
本ルーチンと、図16で示した始動後燃料噴射制御ルーチンとの相違点はS702とS703の処理の間にS801〜S803の処理が挿入されたことである。S801においては、冷却水温センサ25の出力より内燃機関1の冷却水温が取得される。S802にお
いては、取得された内燃機関1の冷却水温が所定水温以下かどうかが判定される。ここで所定水温とは、冷却水温がこれ以上高い場合には、燃焼室の温度が充分に上昇しており、始動動作中における各気筒2の失火回数に基づいて進角補正量を求めても、正確な進角補正量が得られないと判断される閾値としての冷却水温である。
S802において、内燃機関1の冷却水温が所定水温より高いと判定された場合には本ルーチンを一旦終了する。一方、S802において、冷却水温が所定水温以下と判定された場合には、燃焼室の温度が未だ充分に上昇しておらず、始動動作中における各気筒2の失火回数に基づいて進角補正量を求めることにより、正確な進角補正量が得られると判断されるので、S803に進む。
S803においては、グロープラグがONしているかどうかが判定される。ここでグロープラグがOFFしていると判定された場合には、始動動作中における各気筒2の失火回数と、現時点において失火が生じる可能性との相関が弱くなっており、始動動作中における各気筒2の失火回数に基づいて進角補正量を求めても、正確な進角補正量が得られないと判断される。従ってこの場合には本ルーチンを一旦終了する。一方、グロープラグがONしていると判定された場合には、始動動作中における各気筒2の失火回数と、現時点での失火のし易さとの相関が充分に強いと判断される。従って、始動動作中における各気筒2の失火回数に基づいて進角補正量を求めることにより、正確な進角補正量が得られると判断されるので、S703に進む。S703以降の処理は、始動後燃料噴射制御ルーチンと同様であるので説明は省略する。
以上説明したように、本態様においては、内燃機関1の冷却水温、グロープラグのON−OFFによって、始動動作中における各気筒2の失火回数と、現時点において失火が生じる可能性との相関が強いと判断された場合にのみ、始動動作の完了後の経過時間及び始動動作中の失火回数に基づいて各気筒2の燃料噴射時期の進角補正量を導出する。従って、始動動作中における各気筒2の失火回数から、各気筒2の燃料噴射時期の進角補正量を正確に導出できる場合に限って、始動動作の完了後の各気筒2の燃料噴射時期の進角補正量を導出するので、進角補正量を誤導出することにより、内燃機関の騒音の増大や失火の発生を抑制することができる。
なお、上記で説明した実施例においては、内燃機関1がディーゼル機関である場合について説明したが、内燃機関1がディーゼル機関以外、例えばガソリン機関である場合に、上記実施例と同様の制御を適用してもよい。
本発明の実施例1における内燃機関の概略構成を示す図である。 本発明の実施例1における内燃機関における着火時期とトルクとの関係を示すグラフである。 本発明の実施例1の燃料噴射時期の制御おける、トルクと燃料噴射時期の遅角量との関係を示すグラフである。 従来の燃焼状態の最適化に関するフローチャートである。 本発明の実施例1における始動時燃料噴射制御ルーチンを表すフローチャートである。 本発明の実施例1の燃料噴射時期の制御における、トルクと燃料噴射時期の1回あたりの遅角量との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1における始動時燃料噴射制御ルーチン2を表すフローチャートである。 本発明の実施例1に係る第2の態様の燃料噴射時期の制御における、トルクと最大遅角量との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1におけるに始動時燃料噴射制御ルーチン3を表すフローチャートである。 本発明の実施例1に係る第3の態様の燃料噴射時期の制御における、トルクと1回あたりの燃料噴射時期の遅角量との関係を示すグラフである。 本発明の実施例2における排気の背圧とトルク及び筒内温度との関係を示すグラフである。 本発明の実施例2における筒内温度及び機関回転数の変化の、背圧による相違を示すグラフである。 本発明の実施例2における始動時燃料噴射制御ルーチン4を示すフローチャートである。 本発明の実施例2における始動時燃料噴射制御ルーチン5を示すフローチャートである。 本発明の実施例3における内燃機関の極低温下の始動動作の完了後における着火時期(燃料噴射時期)と騒音及び着火性との関係を示すグラフである。 本発明の実施例3における、始動動作中の失火回数と始動動作の完了後における進角補正量との関係を示すグラフである。 本発明の実施例3における始動後燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施例3に係る第2の態様における始動後燃料噴射制御ルーチン2を示すフローチャートである。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・気筒
3・・・燃料噴射弁
5・・・始動モータ
8・・・吸気枝管
9・・・吸気管
15・・・遠心過給機
15a・・・コンプレッサハウジング
15b・・・タービンハウジング
18・・・排気枝管
19・・・排気管
20・・・クランクポジションセンサ
25・・・冷却水温センサ
35・・・ECU

Claims (14)

  1. 内燃機関の複数の気筒における燃焼状態を各気筒毎に検出する燃焼状態検出手段と、
    前記各気筒における燃焼状態と関連する燃焼状態関連制御量を変更する燃焼状態制御手段と、
    前記内燃機関の始動動作中において全気筒が着火した場合に、前記燃焼状態検出手段によって検出された前記内燃機関の前記各気筒の燃焼状態に応じて、前記各気筒毎に、前記燃焼状態制御手段によって前記燃焼状態関連制御量を前記各気筒における燃焼状態が改善される方向に変更させる燃焼改善手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃焼制御システム。
  2. 前記燃焼状態検出手段は、前記内燃機関の前記各気筒における燃焼により発生するトルクに基づいて該各気筒における燃焼状態を検出し、
    前記燃焼改善手段は、前記トルクが小さい気筒ほど、前記燃焼状態制御手段による前記燃焼状態関連制御量の変更幅を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼制御システム。
  3. 前記燃焼状態関連制御量は、前記内燃機関の気筒における主燃料噴射時期の遅角量及び、前記内燃機関の気筒における主燃料噴射に先立って行われるパイロット噴射の噴射量のうちの少なくとも一であることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の燃焼制御システム。
  4. 前記燃焼状態検出手段は、前記内燃機関の前記各気筒における燃焼により発生するトルクに基づいて該各気筒における燃焼状態を検出し、
    前記燃焼状態制御手段による前記燃焼状態関連制御量の変更量の最大値が前記各気筒毎に設定され、
    前記燃焼改善手段は、始動動作中における前記トルクが小さい気筒ほど、前記燃焼状態制御手段による前記燃焼状態関連制御量の変更量の最大値の値を大きくすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の燃焼制御システム。
  5. 前記燃焼状態検出手段は、前記内燃機関の前記各気筒における燃焼により発生するトルクに基づいて該各気筒における燃焼状態を検出し、
    始動動作中における前記トルクが最も高い気筒を、前記燃焼状態関連制御量を変更しない基準気筒とし、
    前記燃焼改善手段は、前記基準気筒以外の気筒における燃焼により発生するトルクが、前記基準気筒における燃焼により発生するトルクと同等になるように、前記基準気筒以外の気筒についての前記燃焼状態関連制御量を変更することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の燃焼制御システム。
  6. 内燃機関の複数の気筒における燃焼状態を各気筒毎に検出する燃焼状態検出手段と、
    前記各気筒からの排気の背圧を変更する背圧変更手段と、
    前記内燃機関の始動動作中において、前記燃焼状態検出手段によって検出された燃焼状態に応じて、前記背圧変更手段によって前記背圧を、前記各気筒における燃焼状態を改善する方向に変更させる背圧燃焼改善手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃焼制御システム。
  7. 前記燃焼状態検出手段は、前記内燃機関の前記各気筒における失火状態を検出し、
    前記内燃機関の始動動作中において、前記燃焼状態検出手段によって所定期間内に前記複数の気筒のいずれかにおいて失火状態が検出された場合には、前記背圧燃焼改善手段によって前記背圧を上昇させ、
    前記所定期間内に前記複数の気筒のいずれにおいても失火状態が検出されなかった場合には、前記背圧燃焼改善手段によって前記背圧を低下させることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の燃焼制御システム。
  8. 前記内燃機関の所定数の気筒における初爆の発生以前は、前記背圧変更手段によって前記背圧を所定の初爆前背圧とすることを特徴とする請求項6または7に記載の内燃機関の燃焼制御システム。
  9. 内燃機関の始動動作中において内燃機関の複数の気筒における燃焼状態を各気筒毎に検出する燃焼状態検出手段と、
    前記各気筒における燃焼状態と関連する燃焼状態関連制御量を変更する燃焼状態制御手段と、
    前記内燃機関の始動動作の完了後において、前記燃焼状態検出手段によって前記内燃機関の始動動作中に検出された前記各気筒の燃焼状態に応じて、前記燃焼状態制御手段によって前記燃焼状態関連制御量を前記各気筒における燃焼状態が改善される方向に変更させる始動後燃焼改善手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃焼制御システム。
  10. 前記燃焼状態関連制御量は、前記内燃機関の気筒における主燃料噴射時期の遅角量及び、前記内燃機関の気筒における主燃料噴射に先立って行われるパイロット噴射の噴射量のうちの少なくとも一であることを特徴とする請求項9に記載の内燃機関の燃焼制御システム。
  11. 前記燃焼状態検出手段は、内燃機関の始動動作中において内燃機関の複数の気筒における失火状態を検出し、
    前記始動後燃焼改善手段は、前記内燃機関の始動動作の完了後において、前記燃焼状態検出手段によって前記内燃機関の始動動作中に検出された前記各気筒の失火状態の頻度に応じて、前記燃焼状態制御手段によって前記燃焼状態関連制御量を前記各気筒における燃焼状態が改善される方向に変更させることを特徴とする請求項9または10に記載の内燃機関の燃焼制御システム。
  12. 前記始動後燃焼改善手段により前記燃焼状態関連制御量を変更する際の変更幅は、前記内燃機関の始動動作の完了後の経過時間が長くなるほど小さくすることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の内燃機関の燃焼制御システム。
  13. 前記始動後燃焼改善手段により前記燃焼状態関連制御量を変更する際の変更幅は、前記内燃機関の始動動作の完了後における前記内燃機関の冷却水温度が高くなるほど小さくすることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の内燃機関の燃焼制御システム。
  14. 前記始動後燃焼改善手段により前記燃焼状態関連制御量を変更する際の変更幅は、前記内燃機関の始動動作の完了後における前記内燃機関のグロープラグの温度が低くなるほど小さくすることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の内燃機関の燃焼制御システム。
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