JP5085067B2 - Iii族窒化物結晶の結晶品質改善方法 - Google Patents

Iii族窒化物結晶の結晶品質改善方法 Download PDF

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本発明は、III族窒化物結晶の結晶品質を改善する技術、特に、III族窒化物結晶成長用の基板の表面層を構成するIII族窒化物結晶の結晶品質を改善する技術に関する。
III族窒化物結晶は、フォトニックデバイス及び電子デバイスなどの半導体素子を構成する材料として用いられる。こうした半導体素子は、高結晶品質のIII族窒化物結晶を表面に有する基板(III族窒化物結晶基板)の上に、デバイス機能層として作用するIII族窒化物膜が形成されるのが一般的態様である。
係るIII族窒化物結晶基板は、結晶品質や製造コストなどの問題から、所定の単結晶基材の上に、III族窒化物結晶をせいぜい10μm程度に(熱膨張率差に起因したそりの生じない程度に)エピタキシャル形成した、いわゆるエピタキシャル基板として供給される態様が一般的である。その形成方法としては、一般にMOCVD法(有機金属化学的気相成長法)、MBE法(分子線エピタキシ−法)といった薄膜形成方法が用いられる。
デバイス機能層が良好な結晶品質を有するには、その下地基板として供されるIII族窒化物結晶基板を構成するIII族窒化物結晶の結晶品質や表面の平坦性が、良好であることが必要である。ここで、表面の平坦性が良好であるとは、例えばピットが存在しないことや、表面粗さが小さいこと(好ましくは原子レベルでフラットであること)などを意味する。
さらに、良好なデバイス特性の実現のためには、III族窒化物結晶基板からデバイス機能層にまで伝搬する転位を、できるだけ抑制することが必要となる。特に、エピタキシャル基板を用いたデバイスにおいては、基材とIII族窒化物結晶との格子定数差(格子ミスマッチ)に起因して転位が両者の界面にて発生し、デバイス機能層であるIII族窒化物膜に貫通し、そのほとんどが表面にまで伝搬してしまうので、これを抑制する必要がある。係る転位が低減されることで、例えば、発光デバイスであれば発光効率の向上を、受光デバイスであれば暗電流の低減を見込むことができる。さらには、電子デバイスであれば移動度の向上を見込むことができる。
これらに関連して、エピタキシャル基板を高温熱処理することにより、表面平坦性の向上を図る技術が公知である(例えば、特許文献1参照)。
一方、GaNの自立基板に対する熱処理や、サファイア基板上へのGaN層の形成途中の熱処理によって、GaNの転位を低減する技術も公知である。
欧州特許出願公開1614775号明細書 特開2003−277195号公報
特許文献1に開示の方法は、エピタキシャル基板の表面層を構成するIII族窒化物結晶における転位の低減や、ピットの解消などといったミクロなレベル(一般的なAFMで観測可能範囲)での表面平坦性の改善という点では一定の効果を奏するものの、十分な転位の低減を実現すべく熱処理時間を長くすると、エピタキシャル基板の表面により長周期的な凹凸(いわゆるステップバンチング、以下、単にバンチングとも称する)が生じてしまうことが、本発明の発明者によって確認されている。
また、特許文献2において具体的に転位低減の効果が示されているのはGaNのみであり、AlNやAlリッチなAlGaNについての具体的な効果までは開示されてはいない。そもそも、特許文献2に開示の技術は、GaN層の表面平坦性の改善を何ら意図してはいない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、エピタキシャル基板などのIII族窒化物結晶基板を構成するIII族窒化物結晶における結晶品質の改善を実現する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、III族窒化物結晶基板を構成するIII族窒化物結晶の結晶品質改善方法であって、酸素元素含有ガスが添加されてなる窒素元素含有ガスを雰囲気ガスとして1500℃以上の加熱温度でIII族窒化物結晶を加熱する加熱工程を有し、前記加熱工程を実行する際には、窒素元素含有ガスの雰囲気下で所定の酸化物を併せて加熱して前記所定の酸化物を熱分解させることにより前記酸素元素含有ガスが添加されてなる前記雰囲気ガスを得る、ことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の結晶品質改善方法であって、前記酸素元素含有ガスと前記窒素元素含有ガスとを混合することにより前記雰囲気ガスを得る、ことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の結晶品質改善方法であって、前記酸素元素含有ガスとして水蒸気ガスを用いる、ことを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の結晶品質改善方法であって、前記III族窒化物結晶基板が、単結晶基材の上にIII族窒化物結晶がエピタキシャル形成されてなるエピタキシャル基板である、ことを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の結晶品質改善方法であって、前記III族窒化物結晶基板が、III族窒化物単結晶の自立基板である、ことを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の結晶品質改善方法であって、前記III族窒化物結晶の主面の結晶方位が、実質的に(0001)面である、ことを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の結晶品質改善方法であって、前記III族窒化物結晶の全III族元素におけるAlの割合が80モル%以上である、ことを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項に記載の結晶品質改善方法であって、前記III族窒化物結晶がAlNである、ことを特徴とする。
また、請求項9の発明は、単結晶基材の上にIII族窒化物結晶が5μm以下の厚みでエピタキシャル形成されてなるエピタキシャル基板におけるIII族窒化物結晶の結晶品質改善方法であって、酸素元素含有ガスが添加されてなる窒素元素含有ガスを雰囲気ガスとして1600℃以上の加熱温度で前記III族窒化物結晶を前記単結晶基材ともども加熱する加熱工程を有する、ことを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項9に記載の結晶品質改善方法であって、前記III族窒化物結晶の厚みが0.5μm以下であることを特徴とする。
請求項1ないし請求項10の発明によれば、III族窒化物結晶層を所定の単結晶基材の上にエピタキシャル形成してなるエピタキシャル基板や、III族窒化物単結晶からなる自立基板などのIII族窒化物結晶基板の表面の平坦性を良好に維持しつつ、III族窒化物結晶基板を構成するIII族窒化物結晶の結晶品質の改善を実現することができる。
<概要>
III族窒化物半導体材料を用いた半導体素子は、その機能層である半導体素子層を、III族窒化物結晶を表面層として有するエピタキシャル基板などのIII族窒化物結晶基板の上にエピタキシャル形成させることによって得られるが、その結晶品質を向上させるためには、III族窒化物結晶基板を構成するIII族窒化物結晶を高品質化させることが有効である。以下に説明する、本発明の実施の形態に係る結晶品質改善方法は、係るIII族窒化物結晶の高品質化を実現するための方法である。
具体的にいえば、本発明による結晶品質改善方法は、III族窒化物結晶基板を構成するIII族窒化物結晶中の転位密度を低減することにより、貫通して残存する転位密度を低減できるという効果を有する。加えて、III族窒化物結晶基板表面のピット等の発生による表面平坦性劣化を抑制することにより、III族窒化物結晶基板と半導体素子層の界面での転位の再発生を抑制することができる。なお、半導体素子の形成に用いるにあたって、III族窒化物結晶基板の表面粗さは、原子ステップが明瞭に観察される程度の平坦性が実現される程度が望ましく、具体的には、AFMにより計測された5μm□の表面粗さ(ra)は5Å以下であることが望ましい。あるいは、AFMにより計測された5μm□の範囲において、ピットの個数が1個以下であることが望ましい。
<第1の実施の形態>
<エピタキシャル基板>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る結晶品質改善方法の適用対象であるIII族窒化物結晶を上部層2として含む、エピタキシャル基板10の断面模式図である。なお、図示の都合上、図1の図面における各層の厚みの比率および縦横の比率は、実際の比率を反映したものではない。
上部層2は、該III族窒化物結晶とは異なる組成の単結晶材料からなる基材1の上に形成されてなる。上部層2は、例えばMOCVD法、MBE法、HVPE法(ハイドライドを用いた気相エピタキシャル成長法)、スパッタ法などの公知の成膜手法によって形成された、III族窒化物結晶からなるエピタキシャル膜である。MOCVD法には、PALE法(パルス原子層エピタキシ法;Pulsed Atomic Layer Epitaxy)、プラズマアシスト法やレーザーアシスト法などが併用できる。MBE法に関しても、同様の技術を併用可能である。MOCVD法あるいはMBE法といった成長方法は、製造条件を高精度に制御することができるので、高品質な結晶を成長させることに適している。一方、HVPE法は、原料を一時に多量に供給できるため、短時間で厚膜を成長させることに適している。上部層2を形成する際に、これらの方法を組み合わせて形成することも可能である。
上部層2は、一般的には1×109/cm2程度ないしはそれ以上の転位を含んでいる。III族窒化物結晶においては、らせん転位および刃状転位という二種類の転位が存在しうるが、上部層2においては刃状転位が主に存在する。III族窒化物結晶とは、BxAlyGazIn1-x-y-zN(x,y,z≧0)の組成で表され、ウルツ鉱構造あるいは閃亜鉛鉱構造を有する結晶をいう。上部層2の厚みは、特に限定されるものではなく、最終的に利用されるデバイス構造あるいは使用形態に最適な膜厚を選択する。例えば、数nm〜数mm程度の膜厚が想定される。エピタキシャル基板として用いる場合には、製造コストの観点から、膜厚が薄い方が好ましく、5μm以下が現実的に用いられる膜厚である。また、上部層2の組成は、平均組成を示しており、必ずしも組成を全て均一である必要はなく、例えば、傾斜組成にしたり、異なる組成の応力緩和層を挿入したりすることも可能である。
また、上部層2内には、上部層2を形成する際に不可避的に含まれてしまうH、C、O、Si、遷移金属等の不純物が存在する場合もあるし、導電率制御のために意図的に導入される、Si、Ge、Be、Mg、Zn、Cdといった不純物を含むこともできる。
基材1は、その上に形成する上部層2の組成や構造、あるいはさらにその上に形成される層を含む各層の形成手法に応じて適宜に選択される。例えば、SiC(炭化ケイ素)やサファイアなどの基板を用いる。あるいは、各種単結晶材料を適宜選択でき、酸化物材料、AlN、AlGaNといった各種III−V族化合物等も用いることができる。このうち、(0001)面を主面とするIII族窒化物結晶を上部層2として得る場合には、例えば(0001)面SiCあるいは(11−20)面及び(0001)面サファイアを基材1として用いることができる。また、(11−20)面を主面とするIII族窒化物結晶を上部層2として得る場合には、例えば(11−20)面SiCあるいは(10−12)面サファイアを基材1として用いることができる。基材1の厚みには特段の材質上の制限はないが、取り扱いの便宜上、数百μm〜数mmの厚みのものが好適である。
<熱処理>
本実施の形態においては、係るエピタキシャル基板10を、所定の処理装置によって少なくとも1500℃以上に、好ましくは1600℃以上、さらに好ましくは1700℃以上に加熱する熱処理を行うことによって、上部層2を構成するIII族窒化物結晶の結晶品質の改善が実現される。図1のように上部層2がエピタキシャル膜として形成されている場合、係る熱処理は、特に転位の低減や表面におけるピットの解消に対して有効である。例えば、転位密度は、おおよそ1/2以下にまで減少する。特に、刃状転位を効果的に合体消失させることができる。転位の低減の効果は温度が高ければ高いほど効果的であるため、温度の上限は特に限定されるものではないが、AlNの昇華点は超えないことが望ましい。
詳細に言えば、上部層2の膜厚がある程度大きい場合、例えば0.5μm程度ないしはそれ以上の場合は、1250℃以上に加熱すれば微小なピットの解消は実現できる。ただし、1500℃以下の温度範囲では、表面粗さはむしろ悪化する場合もあり、表面平坦性の改善という観点からは不十分である。良好な結晶表面を得るには、1500℃以上の温度で加熱を行うことが必要である。
一方、上部層2の膜厚が0.005μm程度ないしそれ以上で、0.5μm以下の場合、例えば0.2μm程度の場合には、ピットの解消と表面粗さの改善のいずれについても、実現のためには、1600℃以上における熱処理が必要である。このように、膜厚が薄い場合、III族窒化物結晶からなるエピタキシャル膜を上部層2として形成する際に、上部層2と基材1の格子ミスマッチによる三次元核の形成に伴う表面平坦性の大幅な悪化が引き起こされているため、熱処理の温度を1600℃以上と高くすることにより、物質移動の効果をより促進する必要があると考えられる。もちろん、0.5μm以上の膜厚を持つ上部層2においてもこの効果は存在し、より効果的にピットの解消が可能となるため、0.5μm以上の膜厚を持つ上部層2の場合において1600℃以上における熱処理を行うことを排除するものではない。
また、一般に、MOCVD法などで上部層2を形成する際の基板自体の温度が1250℃以下であることから、それ以上の温度、つまりは1250℃以上で加熱を行うことで、少なくとも転位の低減という効果は得られる。MOCVD法などの成膜手法は、一般に非平衡反応によって成膜を行う手法であるので、基材1上にエピタキシャル膜には、熱平衡状態において存在する数よりも多くの結晶欠陥(転位など)が、いわば凍結されたような状態で存在していると考えられるが、1250℃以上に加熱することで、熱平衡状態に近づき、転位が低減されるものと推察される。ただし、これは、MOCVD法による形成温度を1250℃以下に限定するものではなく、それ以上の温度で形成するものであっても良い。Alを主成分とするIII族窒化物、特にAlNの場合、MOCVD法による形成温度を1250℃以上に高くすることが想定される。もちろん、1250℃以上の基板温度で成膜した場合においても、該基板温度以上の温度で加熱処理を行うことにより、本実施の形態に係る結晶品質改善の効果は得られる。
エピタキシャル基板10への熱処理は、窒素元素含有ガスを主成分とし、これに酸素元素含有ガスを添加した雰囲気で行うのが好適である。窒素元素含有ガスを主成分とするのは、III族窒化物の分解を防ぐためである。窒素元素含有ガスとしては、例えば、窒素ガス、アンモニアガスを用いることができる。特に、高純度の窒素ガスを用いることが好ましい。また、雰囲気中への酸素元素含有ガスの添加を行うのは、エピタキシャル基板10の表面におけるバンチングの発生の抑制に効果があるからである。係る酸素元素含有ガスの添加は、窒素元素含有ガスへの水分(水蒸気ガス)添加、COxガス添加、NOxガス添加、あるいはO2ガス添加などによって行うことができる。例えば、窒素元素含有ガスに対してそれらの添加成分を混合した混合ガスを熱処理炉内に供給する態様が好適である。ただし、熱処理炉にカーボン部材が用いられている場合には、O2ガス添加は該部材の劣化を引き起こす可能性が相当に高いので留意が必要である。安全性の面からは、水分添加が最も好適である。ただし、水分ガス添加の場合でも、カーボン部材との反応の可能性があるので、必要に応じて、バリアガス(図示せず)を供給する、あるいは、基板にガスを吹き付ける等の態様によってガス流を最適化することがより望ましい。
なお、熱処理の際に活性なガスを供給することは、エピタキシャル基板の汚染、変質等を引き起こすおそれがあることから、従来からの当業者の技術常識の立場に立てば、避けるべきと判断される態様である。よって、当業者は、通常の創作の範囲内において、酸化による劣化が懸念されるような、酸化作用のガスを添加した雰囲気でのエピタキシャル基板の熱処理を行うことはない、と考えられる。すなわち、本実施の形態に係る、酸素元素含有ガス添加した雰囲気下での高温加熱という態様は、係る当業者による通常の創作の範囲を超えたものに他ならない。
また、当該ガス雰囲気とすることにより、加熱処理による転位低減の効果が、1700℃以上の高温において飽和することなく、さらに転位低減の効果を促進することができる。
図2は、係る熱処理に用いる熱処理炉の一例としての熱処理炉100を示す図である。熱処理炉100は、カーボン製の炉体101の中に、図示しない治具によって1または複数のエピタキシャル基板10を保持可能とされてなる(図2では4つのエピタキシャル基板10が保持されている場合を例示)。また、窒素ガス供給源102から供給される窒素ガスと、水蒸気ガス供給源103から供給される水蒸気ガスとを、ミキシングバルブなどの混合器104において所定の比率で混合することで得られる混合ガスを、供給管105を通じて炉体101の内部へと供給するようになっている。また、炉体101には排気口106が設けられてなる。なお、炉体101の内部は、図示しない加熱手段によって加熱されるようになっている。例えば、抵抗加熱法、RF加熱法、ランプ加熱法などを用いることができる。
混合ガスを供給しつつ炉体101の内部を加熱することで、酸素元素含有ガスとしての水蒸気ガスが添加された窒素元素含有ガスの雰囲気下でエピタキシャル基板10が熱処理されることになる。上述の温度条件で加熱を行うことにより、エピタキシャル基板10の上部層2の表面の平坦性を良好に維持しつつ、より具体的には、バンチングを発生させることなく原子レベルの平坦性を確保しつつ、該上部層2を構成するIII族窒化物結晶の結晶品質の改善を実現することができる。
なお、熱処理時の圧力条件に関しては、減圧から加圧までどの圧力で行っても結晶品質が改善されることが、確認されている。
本実施の形態に係るこのような加熱処理による結晶品質の改善は、III族窒化物が全III族元素におけるAlの割合が80モル%以上である場合に特に有効であり、なかでもAlNの場合に有効である。III族窒化物がAlNの場合、組成揺らぎ等のばらつきの問題が無いので、品質管理上はこの場合が最も望ましいが、全III族元素におけるAlの割合が80モル%以上であれば、AlNの場合と同じ温度の加熱処理において、同様の結晶品質の改善効果が確認され、加熱処理前の上部層2の品質もAlNの場合とほぼ同程度の品質が得られる。全III族元素におけるAlの割合が80%未満の場合、AlNの場合と同じ温度で加熱処理を行うと、他のIII族元素、例えばGa成分の蒸発によるピットの発生が問題となり、表面平坦性が損なわれる場合がある。
ところで、III族窒化物結晶のエピタキシャル膜による上部層2の形成そのものを、本実施の形態に係る熱処理と同程度の高温下で行うことで結晶欠陥の抑制を図ろうとする場合、エピタキシャル成長の条件を好適に維持しつつ係る結晶欠陥の抑制を行うことになるため、その条件設定や成膜制御は一般に難しくなる。これに対して、本実施の形態においては、いったんIII族窒化物結晶のエピタキシャル膜を何らかの方法で作製した上で、これを作成温度(成膜温度)よりも高温に加熱することから、成膜自体の条件設定や制御に対して、特段の制限が要求されることがなく、品質の良いIII族窒化物結晶を得ることができる、というメリットがある。
以上、説明したように、本実施の形態においては、こうした酸素元素含有ガスを含む雰囲気で熱処理を行うことにより、エピタキシャル基板10の上部層2の表面の平坦性を良好に維持しつつ、該上部層2を構成するIII族窒化物結晶の結晶品質の改善を実現することができる。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態においては、熱処理炉における熱処理の雰囲気を、窒素元素含有ガスに酸素元素含有ガスを添加することで実現しているが、熱処理雰囲気の形成態様はこれに限られるものではない。
例えば、熱処理炉内、例えば、エピタキシャル基板10の近接する部分や直下や直上に酸化物結晶を載置しておくか、あるいは熱処理炉の炉体や炉材を酸化物結晶で形成しておき、上述のような窒素元素含有ガスを供給して熱処理をするようにしてもよい。この場合、熱処理の際の加熱によって酸化物結晶の熱分解が生じることで、熱処理炉内に酸素元素含有ガスが放出されるので、結果的に、上述した酸素元素含有ガスが添加された雰囲気と同様の雰囲気が、熱処理中の熱処理炉内に実現される。これにより、同様のバンチング抑制効果を得ることができる。
図3は、係る態様での熱処理に用いる熱処理炉の一例としての熱処理炉200を示す図である。なお、熱処理炉200の構成要素であって、第1の実施の形態に係る熱処理炉100の構成要素と同一の作用効果を奏するものは、図3において同一の符号を付してその説明を省略する。熱処理炉200は、カーボン製の炉体101の内部に酸化物製のさや207を備え、該さや207の内部に図示しない治具によって1または複数のエピタキシャル基板10を保持可能とされてなる(図3では4つのエピタキシャル基板10が保持されている場合を例示)。さや207の素材となる酸化物としては、エピタキシャル基板10に含まれる元素と酸素元素からなるアルミナやサファイアなどが好適である。あるいは、MgO、BeO、CaO、SiO2などを用いる態様であってもよい。
また、熱処理炉200では、窒素ガス供給源102から供給される窒素ガスを直接に供給管105を通じて炉体101の内部へと供給するようになっている。なお、さや207には開口208および209が設けられており、供給管105を通じて供給される窒素ガスがさや207にも出入りするようになっている。熱処理炉200においても、炉体101の内部は、図示しない加熱手段によって加熱されるようになっている。
窒素ガスを供給しつつ炉体101の内部を加熱することで、さや207の内部には、さや207を形成する酸化物が分解することによって生成した酸素元素含有ガスが添加された窒素元素含有ガス雰囲気が形成される。すなわち、係る雰囲気下でエピタキシャル基板10が熱処理されることになる。第1の実施の形態にて示したのと同様の温度条件で加熱を行うことにより、エピタキシャル基板10の上部層2の表面の平坦性を良好に維持しつつ、より具体的には、バンチングを発生させることなく原子レベルの平坦性を確保しつつ、該上部層2を構成するIII族窒化物結晶の結晶品質の改善を実現することができる。
<第3の実施の形態>
<自立基板>
上述の第1および第2の実施の形態においては、結晶品質の改善の対象がエピタキシャル基板である場合について説明をしているが、本発明の適用対象となるIII族窒化物結晶基板はエピタキシャル基板には限られない。III族窒化物単結晶のみからなる基板(いわゆる自立基板)についても、第1および第2の実施の形態と同様の熱処理によってその結晶品質を改善することができる。
係る自立基板は、例えば、上述の基材1と同様の単結晶基材の上に、HVPE法などを用いて、上述の上部層2と同様の組成を有するIII族窒化物結晶の単結晶厚膜を数十〜数百μm程度の厚みに形成した後、単結晶基材を剥離することによって得ることができる。
このようにして得られたIII族窒化物単結晶の自立基板に対して、第1および第2の実施の形態と同様に酸素元素含有ガスが添加された窒素元素ガス雰囲気下で、1500℃以上、好ましくは1600℃以上の加熱温度で加熱する熱処理を施すと、自立基板の表面の平坦性を良好に維持しつつ、より具体的には、バンチングを発生させることなく原子レベルの平坦性を確保しつつ、該自立基板を構成するIII族窒化物結晶の結晶品質の改善を実現することができる。
(実施例1)
本実施例においては、III族窒化物結晶基板として、(0001)面サファイア単結晶が基材1であり、MOCVD法によって、1200℃で、上部層2として(0001)面AlN層を膜厚1μmで形成してなる4つのエピタキシャル基板10を用意した。本AlN層と基材の間には、基材窒化層が挿入されている。AlN層の結晶性を評価したところ、X線ロッキングカ−ブの(0002)面の半値幅が70秒、(10−12)面の半値幅が1100秒であった。転位密度は、2×1010/cm2であった。なお、X線ロッキングカーブ測定は、オープンスリットを用い、ωスキャン法により行い、(0002)面を用いた場合は、AlNのc軸方向からの結晶ゆらぎの傾き成分を、(10−12)面を用いた場合は、AlNのc軸を中心とした結晶揺らぎの主に回転成分を測定するものである。図4に、エピタキシャル基板10のAFM(原子間力顕微鏡)像を示す。AFMにより計測された5μm□の表面粗さ(ra)は1.5Åであった。図4のAFM像においては、原子レベルのステップが観察されている。また、該AFM像においては確認されないが、図示しない範囲では、上部層2の表面に多くのピットが確認された。
次に、得られたエピタキシャル基板10のうちの3つを、図2の熱処理炉100と同様のカーボン炉の反応室(炉体101に対応)の所定位置に配置して、1気圧に保持しつつ酸素元素含有ガスとして水蒸気ガスを0.1wt%添加した窒素ガスを供給し、加熱温度を1650℃として熱処理を行った。熱処理は、それぞれの基板ごとに、10分、20分、および30分という異なる時間で行った。残り1つのエピタキシャル基板10については、加熱温度1750℃、加熱時間10分で、同様の熱処理を行った。
上記の熱処理の後、それぞれのエピタキシャル基板10のAlN層の表面粗さおよび結晶品質を評価した。図5は、その結果を一覧にして示す図である。なお、図5には、比較のため、熱処理前の評価結果についても併記している。図5に示すように、熱処理後のAlN層においては、X線ロッキングカ−ブの(0002)面の半値幅が1650℃の熱処理で45秒にまで、1750℃の熱処理で40秒にまで小さくなった。また、(10−12)面の半値幅は熱処理時間が長くなるにつれて小さくなり、1650℃、30分の熱処理では350秒となった。さらに、1750℃、10分の熱処理では300秒となった。すなわち、熱処理によって結晶性の向上が実現されることが確認された。また、転位密度も、熱処理時間が長くなるほどあるいは熱処理温度を上げるほど小さくなり、1750℃10分の熱処理では7×108/cm2にまで減少した。これらの結果から、本実施例の熱処理が、エピタキシャル基板10において上部層2を構成するIII族窒化物結晶の結晶性の向上や転位の低減などといった結晶品質の改善に、効果があることが確認された。
図6に30分熱処理後のエピタキシャル基板10のAFM像を示す。AFMにより計測された5μm□の表面粗さ(ra)は、熱処理時間が長くなるほど熱処理前よりわずかに大きくなった。しかしながら、図6に示すようにAFM像においては原子レベルのステップが明瞭に観察されていること、また、図示しない範囲も含めてピットは確認されなかったことから、熱処理後のエピタキシャル基板10においては、原子レベルの平坦性が確保されているといえる。
すなわち、本実施例に係る熱処理によって、エピタキシャル基板10の表面層を形成するIII族窒化物結晶層について、原子レベルの表面平坦性を維持しつつその結晶品質を改善できることが確認された。
(比較例1)
実施例1と同様のエピタキシャル基板を用意し、熱処理を、窒素ガスのみの雰囲気で行った以外は、実施例1と同様の熱処理を行い、AlN層の表面粗さおよび結晶品質を評価した。図7は、その結果を一覧にして示す図である。図7に示すように、1650℃の熱処理後のAlN層においては、転位密度は実施例1と同様に減少し、30分の熱処理では2×109/cm2となった。また、X線ロッキングカ−ブの(10−12)面の半値幅は熱処理時間が長くなるにつれて小さくなり、30分の熱処理では450秒となった。ただし、(0002)面の半値幅は100秒〜150秒という熱処理前よりもやや大きな値となった。これらの結果より、酸素元素含有ガスを含まない雰囲気での熱処理についても、一定程度の結晶品質の改善効果があることが確認される。また、熱処理時間が長いほど、効果は大きいことも確認される。1750℃の場合においても、1650℃と同様の結晶品質の改善効果が確認される。
その一方で、本比較例においては、ピットは消滅するものの、熱処理時間が長くなると表面粗さが劣化することが確認された。特に、1650℃で30分熱処理後のエピタキシャル基板の表面においては、AFMで測定困難な程度に大きな、ミクロンオーダーの凹凸周期を有するバンチングが発生していることが確認された。図8に、係るエピタキシャル基板においてバンチングが生じている箇所のAFM像を示す。また、図9には、同じエピタキシャル基板のバンチングが生じていない箇所のAFM像を示すが、当該箇所においては、原子ステップの乱れが生じていることが確認された。当該箇所における表面粗さについても、熱処理前に比して大きい6Åであった。また、1750℃、30分の熱処理の結果は1650℃での結果とほとんど変わらないことから、加熱温度が高いことの効果は得られてはいないといえる。むしろ、(0002)面の半値幅が大きくなっていることから、1750℃での加熱では結晶品質の劣化が生じることが確認された。
なお、熱処理前後のエピタキシャル基板についてSIMS測定を行うことにより、O、Si、C各成分のAlN層内の膜厚方向の分布の熱処理による変化を確認したところ、表面側にSi、C成分の混入があることが確認されたが、O成分の混入は確認されなかった。
以上の結果より、本比較例に係る熱処理を行うことで、エピタキシャル基板10の表面層を形成するIII族窒化物結晶層について、一定程度の結晶品質の改善効果を得ることは可能であるが、熱処理時間を長くすると表面に原子ステップの乱れやバンチングが生じるため、表面平坦性を維持したままの結晶品質な十分な改善は難しいといえる。
(実施例1と比較例1との対比)
実施例1と比較例1との熱処理条件の相違は、雰囲気ガスが酸素元素含有ガスである水蒸気ガスを含んでいるか否かである。すなわち実施例1および比較例1の結果を併せ考えると、窒素元素含有ガスに酸素元素含有ガスを添加した雰囲気で熱処理を行うことが、原子レベルの表面平坦性を確保しつつ結晶品質の改善を実現するうえで効果があるといえる。特に、温度が高い領域(>1700℃)で、結晶性の改善の効果が高いといえる。
(実施例2)
本実施例においては、(0001)面AlN単結晶を基材とし、該基材の上に、HVPE法によって、AlN単結晶層を膜厚100μmで形成した。なお、基材のAlN単結晶は昇華法で作製されたもので、吸収端が350nm程度でそれ以下の波長の紫外域では不透明である。一方、該基材の上にHVPE法で作製したAlN単結晶層は、吸収端が200nm程度で当該波長まで透明である。研削によって基材を剥離することによって、III族窒化物結晶基板としての吸収端が200nmとなるAlN単結晶の自立基板を用意した。
AlN単結晶の結晶性を評価したところ、X線ロッキングカ−ブの(0002)面の半値幅が70秒、(10−12)面の半値幅が150秒であった。転位密度は、8×107/cm2であった。係るAlN単結晶の表面(剥離面と対向する面)の表面粗さは6Åであり、AFM像においては、該表面に多くのピットが確認された。
係るAlN単結晶について、実施例1と同様の雰囲気および温度で、30分の熱処理を行った。熱処理後のAlN単結晶の表面のAFM像においては、明瞭な原子ステップが確認された。また、ピットは確認されなかった。また、結晶性の向上や転位の低減も確認された。
(比較例2)
本比較例においては、実施例2と同様のAlN単結晶を用意し、比較例1と同様の雰囲気および温度で、30分の熱処理を行った。熱処理後のAlN単結晶の表面においては、ピットは消滅しているものの、バンチングが生じていることが確認された。
(実施例2と比較例2の対比)
実施例2と比較例2との熱処理条件の相違も、雰囲気ガスが酸素元素含有ガスである水蒸気ガスを含んでいるか否かである。すなわち、対象が自立基板であっても、窒素元素含有ガスに酸素元素含有ガスを添加した雰囲気で熱処理を行うことが、原子レベルの表面平坦性を確保しつつ結晶品質の改善を実現するうえで効果があるといえる。
(実施例3)
実施例1と同様のエピタキシャル基板を用意し、図3の熱処理炉200において、カーボン製の反応室の中で、サファイア製のさや207の内部の所定位置に該エピタキシャル基板を配置して、1気圧に保持しつつ窒素ガスを供給し、実施例1と同様の加熱温度、時間で熱処理を行った。
本実施例においても、熱処理後のエピタキシャル基板においては、図5と同様の良好な表面平坦性の確保と上部層を構成するIII族窒化物結晶の結晶品質の改善とが実現された。また、熱処理前後のエピタキシャル基板についてSIMS測定を行うことにより、O、Si、C各成分のAlN層内の膜厚方向の分布の熱処理による変化を確認したところ、AlN層表面からO成分の吸収がみられる一方で、Si、C成分の混入が抑制されていることが確認された。
(比較例3)
実施例1と同様のエピタキシャル基板を用意し、サファイア製のさやに代えてSiC製のさやを用いた他は、実施例3と同様に熱処理を行った。
本比較例においては、図7と同様の熱処理後のエピタキシャル基板の表面にバンチングが確認された。
(実施例3と比較例3の対比)
実施例3と比較例3との熱処理条件の相違は、雰囲気ガスへの酸素元素含有ガスの供給源となる部材の有無、つまりは、さやが酸化物であるサファイア製であるか酸化物ではないSiC製であるかの相違である。この結果は、熱処理の際に酸化物を併せて加熱することにより、窒素元素含有ガスに酸素元素含有ガスを添加した雰囲気での加熱が実現され、結果として、原子レベルの表面平坦性を確保しつつ結晶品質の改善を実現することができることを示すものである。
(実施例3と比較例1の対比)
上述の実施例3と比較例3との対比結果により、サファイア製さやを用いた場合でも酸素元素含有ガス雰囲気が実現できることが確認されているので、実施例3と比較例1との熱処理条件の相違は、雰囲気ガスが酸素元素含有ガスを含んでいるか否かということになる。両者のSIMS分析の結果より、酸素元素含有ガスを含む雰囲気ガスのもとで熱処理を行うことで、AlN層の表面側から酸素の吸収が生じる一方で、SiやCなどの不純物の混入が抑制されることが確認された。
エピタキシャル基板10の断面模式図である。 熱処理炉100を示す図である。 熱処理炉200を示す図である。 熱処理前のエピタキシャル基板10のAFM像を示す図である。 実施例1の熱処理後のエピタキシャル基板10のAlN層の表面粗さおよび結晶品質の評価結果を一覧にして示す図である。 実施例1の1650℃、30分熱処理後のエピタキシャル基板10のAFM像を示す図である。 比較例1の熱処理後のエピタキシャル基板のAlN層の表面粗さおよび結晶品質の評価結果を一覧にして示す図である。 比較例1の1650℃、30分熱処理後のエピタキシャル基板においてバンチングが生じている箇所のAFM像を示す図である。 比較例1の1650℃、30分熱処理後のエピタキシャル基板においてバンチングが生じていない箇所のAFM像を示す図である。
符号の説明
1 基材
2 上部層
10 エピタキシャル基板
100、200 熱処理炉
102 窒素ガス供給源
103 水蒸気ガス供給源
104 混合器
105 供給管
106 排気口
207 さや
208、209 (さやの)開口

Claims (10)

  1. III族窒化物結晶基板を構成するIII族窒化物結晶の結晶品質改善方法であって、
    酸素元素含有ガスが添加されてなる窒素元素含有ガスを雰囲気ガスとして1500℃以上の加熱温度でIII族窒化物結晶を加熱する加熱工程を有し、
    前記加熱工程を実行する際には、窒素元素含有ガスの雰囲気下で所定の酸化物を併せて加熱して前記所定の酸化物を熱分解させることにより前記酸素元素含有ガスが添加されてなる前記雰囲気ガスを得る、
    ことを特徴とするIII族窒化物結晶の結晶品質改善方法。
  2. 請求項1に記載の結晶品質改善方法であって、
    前記酸素元素含有ガスと前記窒素元素含有ガスとを混合することにより前記雰囲気ガスを得る、
    ことを特徴とするIII族窒化物結晶の結晶品質改善方法。
  3. 請求項2に記載の結晶品質改善方法であって、
    前記酸素元素含有ガスとして水蒸気ガスを用いる、
    ことを特徴とするIII族窒化物結晶の結晶品質改善方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の結晶品質改善方法であって、
    前記III族窒化物結晶基板が、単結晶基材の上にIII族窒化物結晶がエピタキシャル形成されてなるエピタキシャル基板である、
    ことを特徴とするIII族窒化物結晶の結晶品質改善方法。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載の結晶品質改善方法であって、
    前記III族窒化物結晶基板が、III族窒化物単結晶の自立基板である、
    ことを特徴とするIII族窒化物結晶の結晶品質改善方法。
  6. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載の結晶品質改善方法であって、
    前記III族窒化物結晶の主面の結晶方位が、実質的に(0001)面である、
    ことを特徴とするIII族窒化物結晶の結晶品質改善方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の結晶品質改善方法であって、
    前記III族窒化物結晶の全III族元素におけるAlの割合が80モル%以上である、
    ことを特徴とするIII族窒化物結晶の結晶品質改善方法。
  8. 請求項に記載の結晶品質改善方法であって、
    前記III族窒化物結晶がAlNである、
    ことを特徴とするIII族窒化物結晶の結晶品質改善方法。
  9. 単結晶基材の上にIII族窒化物結晶が5μm以下の厚みでエピタキシャル形成されてなるエピタキシャル基板におけるIII族窒化物結晶の結晶品質改善方法であって、
    酸素元素含有ガスが添加されてなる窒素元素含有ガスを雰囲気ガスとして1600℃以上の加熱温度で前記III族窒化物結晶を前記単結晶基材ともども加熱する加熱工程を有する、
    ことを特徴とするIII族窒化物結晶の結晶品質改善方法。
  10. 請求項9に記載の結晶品質改善方法であって、
    前記III族窒化物結晶の厚みが0.5μm以下であることを特徴とするIII族窒化物結晶の結晶品質改善方法。
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