JP2007073975A - Iii族窒化物結晶の品質改善方法、エピタキシャル成長用基板、および半導体素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単結晶の基材1とその主面上にエピタキシャル形成されたIII族窒化物結晶膜からなる上部層2とで構成されたエピタキシャル基板10を、窒素雰囲気下で1650℃以上の温度で加熱処理した。その結果、表面におけるピットが低減し、係る加熱処理がIII族窒化物結晶の表面平坦性の改善に効果があることが確認された。また、III族窒化物結晶内の転位密度が熱処理前の1/2以下となることも確認された。
【選択図】図1
Description
上述の実施の形態においては、上部層2をエピタキシャル膜として形成してなる態様について説明しているが、上部層2は、多結晶膜として形成されてもよい。あるいは、粉末状のIII族窒化物結晶を基材1上に載置することによって形成されてもよい。これらの場合、特に粉末状のIII族窒化物結晶にて上部層2を形成した場合、エピタキシャル膜よりも本質的に結晶品質が悪いだけでなく、結晶欠陥のみならず結晶粒界や空隙なども存在するが、熱処理によって上部層2の結晶品質が改善されるという点では、上述の実施の形態と同様の効果が得られるといえる。むろん、すでに結晶配列が整っているエピタキシャル基板を用いる場合の方が、多結晶粉末を載置する場合や多結晶膜を形成するよりも、短時間で転位密度を低減することができるという点で好適であるのはいうまでもない。
本実施例においては、(0001)面サファイアを基材1とし、MOCVD法によって、1200℃で、上部層2として(0001)面AlN層を膜厚1μmで形成することにより、3つのエピタキシャル基板10を得た。本AlN層と基材の間には、基材窒化層が挿入されている。AlN層の結晶性を評価したところ、X線ロッキングカ−ブの(0002)面の半値幅が70秒、(10−12)面の半値幅が1100秒であった。転位密度は、2×1010/cm2であった。なお、X線ロッキングカーブ測定は、オープンスリットを用い、ωスキャン法により行い、(0002)面を用いた場合は、AlNのc軸方向からの結晶ゆらぎの傾き成分を、(10−12)面を用いた場合は、AlNのc軸を中心とした結晶揺らぎの主に回転成分を測定するものである。図2に、エピタキシャル基板10のAFM(原子間力顕微鏡)像を示す。AFMにより計測された5μm□の表面粗さ(ra)は3Å以下であり、AFM像においては、原子レベルのステップが観察されるものの、表面に多くのピットが観察された。
本実施例においては、(0001)面サファイア基板を基材1とし、MOCVD法によって、1200℃で、上部層2として(0001)面AlN層を膜厚0.2μmで形成することにより、3つのエピタキシャル基板10を得た。本AlN層と基材の間には、基材窒化層が挿入されている。AlN層の結晶性を評価したところ、X線ロッキングカ−ブの(0002)面の半値幅が90秒、(10−12)面の半値幅が2000秒であった。転位密度は、5×1010/cm2であった。図4に、エピタキシャル基板10のAFM像を示す。AFMにより計測された5μm□のAFMにより計測された5μm□の粗さ(ra)が10〜50Åであり、AFM像においては、表面に多くのピットが観察された。
実施例1、2に示すように、1600℃以上における窒素ガス雰囲気中での熱処理により、AlNの転位密度が1/2以下となり、併せてピットが大幅に低減されることが確認され、転位低減、表面平坦化といった結晶品質の改善効果が確認された。また、両実施例とも、顕著なγ−ALON層は確認されなかった。また、膜厚が1.0μm程度と厚い場合は、1500℃以上における熱処理で同様の効果が得られることが確認された。
本実施例においては、(0001)面サファイア基板を基材1とし、MOCVD法によって、上部層2として(0001)面AlN層を膜厚1.0μmで形成することにより、結晶品質の異なる(a)〜(c)の3つのエピタキシャル基板10を得た。AlN層とそれぞれの基材の間には、基材窒化層が挿入されている。また、図示は省略するが、これらのエピタキシャル基板10のAFM像においては、図2と同様に表面に多くのピットが観察された。
本比較例においては、実施例1および2と同様にエピタキシャル基板を用意し、熱処理を行ったが、熱処理温度を1200℃とした。
本比較例においては、実施例1および2と同様にエピタキシャル基板を用意し、熱処理を行ったが、熱処理温度を1450℃とした。
本比較例においては、実施例1および2におけるサファイア基板を用いたエピタキシャル基板を用意し、熱処理を行ったが、熱処理温度を1750℃とした。
比較例1に示すように、熱処理温度が1200℃と低い場合には、転位低減、表面平坦化といった結晶品質の改善効果について、いずれも確認されなかった。
2 エピタキシャル膜
10 エピタキシャル基板
Claims (11)
- 所定の単結晶基材の上に形成されてなるIII族窒化物結晶の品質改善方法であって、
1500℃以上の加熱温度で加熱する加熱工程、
を備えることを特徴とするIII族窒化物結晶の品質改善方法。 - 請求項1に記載のIII族窒化物結晶の品質改善方法であって、
前記加熱温度が1600℃以上であることを特徴とする、III族窒化物結晶の品質改善方法。 - 請求項1または請求項2に記載のIII族窒化物結晶の品質改善方法であって、
前記加熱工程が、窒素元素含有雰囲気にてなされることを特徴とする、
III族窒化物結晶の品質改善方法。 - 請求項3に記載のIII族窒化物結晶の品質改善方法であって、
前記加熱工程が、窒素ガス雰囲気にてなされることを特徴とする、III族窒化物結晶の品質改善方法。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のIII族窒化物結晶の品質改善方法であって、
前記加熱工程においては前記単結晶基材と前記III族窒化物結晶とから反応生成物が生じない、
ことを特徴とするIII族窒化物結晶の品質改善方法。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のIII族窒化物結晶の品質改善方法であって、
前記III族窒化物結晶の主面の結晶方位が、実質的に(0001)面であることを特徴とする、III族窒化物結晶の品質改善方法。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のIII族窒化物結晶の品質改善方法であって、
前記III族窒化物結晶において全III族元素におけるAlの割合が80モル%以上であることを特徴とする、
III族窒化物結晶の品質改善方法。 - 請求項7に記載のIII族窒化物結晶の品質改善方法であって、
前記III族窒化物結晶がAlNであることを特徴とする、
III族窒化物結晶の品質改善方法。 - 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の結晶品質改善方法であって、
前記加熱工程を、前記III族窒化物結晶の形成に用いた装置とは別個の装置で行うことを特徴とする、
III族窒化物結晶の品質改善方法。 - 所定の単結晶基材と、
前記単結晶基材の上にエピタキシャル形成されてなる上部層と、
を備えるエピタキシャル成長用基板であって、
前記上部層が、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のIII族窒化物結晶の品質改善方法によって処理された第1のIII族窒化物結晶からなる、
ことを特徴とするエピタキシャル成長用基板。 - 半導体素子であって、
請求項10に記載のエピタキシャル成長用基板の上に第2のIII族窒化物結晶からなる半導体層が形成されてなり、
前記第2のIII族窒化物結晶の主面内の格子定数が前記第1のIII族窒化物結晶の主面内の格子定数よりも小さくない、
ことを特徴とする半導体素子。
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