JP5082803B2 - エレベータの制御装置及び制御方法、並びに既設エレベータの改修方法 - Google Patents

エレベータの制御装置及び制御方法、並びに既設エレベータの改修方法 Download PDF

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Description

この発明は、地震時管制運転を実施した後、エレベータの運転を再開させるために診断運転を実施するエレベータの制御装置及び制御方法、並びに、地震時管制運転後に診断運転を実施する既設エレベータを改修する改修方法に関するものである。
地震時管制運転の機能を備えたエレベータでは、地震感知器によって地震の揺れが感知されると、その地震の規模(建築物の過速度等)に応じて、最寄り階停止等の救出運転が行われる。また、最近では、地震時管制運転後にエレベータの運転を再開させるため、所定の条件下で診断運転を実施し、かかる診断運転において何ら異常が検出されなかった場合に、エレベータを自動で復旧させる機能を備えたものも実現されている。
一方、エレベータでは、機器類の異常を早期に発見するため、エレベータの乗り心地を改善するためといった種々の目的で、定期的に点検運転が実施されている。
例えば、従来技術として、エレベータのかごの騒音及び振動のデータを同時に計測及び解析することにより、異常発見時に、その異常発生位置を容易に特定できるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
また、他の従来技術として、かごを実際に最上階から最下階に移動させて信号パターンを取得し、この信号パターンに基づいて、点検運転で異常を判定するための判定基準パターンを更新するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−92049号公報 特開2007−168937号公報
地震時管制運転後に診断運転を実施するエレベータでは、診断運転において異常が検出されると、診断運転が中止されて、エレベータ保守員等の点検が行われるまで運転休止になってしまう。このため、診断運転で誤検出が発生すると運転再開までに長時間を要してしまい、エレベータ所有者や利用者に対して多大な迷惑を掛けてしまう。
また、診断運転では、エレベータ巻上機の電流値(トルク値)等をモニタし、この測定値と所定の基準値とを比較することによって異常の有無を判定している。そして、この巻上機の電流値等は、ガイドレールの給油状態、ガイドシューの摩耗状態、巻上機のベアリング不良といった様々な要因によって変動することが分かっている。このため、地震時管制運転後の診断運転において、地震の揺れによって機器類の損傷やロープ類の引っ掛かり等が生じていないにも関わらず、上記変動が原因となって異常が検出されてしまう恐れがあった。
なお、特許文献1及び2に記載のものは、定期的な点検運転に関するものであり、かかる内容から診断運転における上記課題を解決することはできなかった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、地震時管制運転後の診断運転において、地震の揺れとは無関係な要因によって異常が検出されて診断運転が中止されることを確実に防止でき、地震発生後、早期に運転を再開させることができるエレベータの制御装置及び制御方法を提供することである。
この発明に係るエレベータの制御装置は、地震時管制運転後、エレベータの運転を再開させるために地震時診断運転を実施するエレベータの制御装置であって、エレベータの運行状態に関する測定を行うデータ計測部と、エレベータの異常判定を行う際の基準となる異常基準値が記憶された記憶部と、地震時診断運転において、データ計測部による測定値が、異常基準値を基準として設定された第1検出範囲から外れた場合に異常有りを判定し、地震後の運転再開を中止させる判定部と、地震時診断運転の運転内容に基づいてその運転内容が設定された通常時診断運転を、地震の発生とは無関係に所定の条件下実施する診断運転制御部と、を備え、判定部は、通常時診断運転において、データ計測部による測定値が、第1検出範囲に基づいて設定された第2検出範囲から外れた場合に、記憶部内の異常基準値を更新し、第2検出範囲から外れなかった場合に、記憶部内の異常基準値の更新を行わないものである。
この発明に係るエレベータの制御方法は、エレベータの運行状態に関する測定を行うデータ計測部と、エレベータの異常判定を行う際の基準となる異常基準値が記憶された記憶部と、地震時管制運転後、エレベータの運転を復帰させるために実施される地震時診断運転において、データ計測部による測定値が、異常基準値を基準として設定された第1検出範囲から外れた場合に異常有りを判定し、地震後の運転再開を中止させる判定部と、を備えたエレベータの制御方法であって、地震時診断運転の運転内容に基づいてその運転内容が設定された通常時診断運転を、地震の発生とは無関係に所定の条件下実施するステップと、通常時診断運転において、データ計測部による測定値が、第1検出範囲に基づいて設定された第2検出範囲から外れた場合に、記憶部内の異常基準値を更新し、第2検出範囲から外れなかった場合に、記憶部内の異常基準値の更新を行わないステップと、を備えたものである。
この発明に係る既設エレベータの改修方法は、エレベータの運行状態に関する測定を行うデータ計測部と、エレベータの異常判定を行う際の基準となる異常基準値が記憶された記憶部と、地震時管制運転後、エレベータの運転を再開させるために実施される地震時診断運転において、データ計測部による測定値が、異常基準値を基準として設定された第1検出範囲から外れた場合に異常有りを判定し、地震後の運転再開を中止させる判定部と、を備えた既設エレベータに、地震時診断運転の運転内容に基づいてその運転内容が設定された通常時診断運転を、地震の発生とは無関係に所定の条件下実施する診断運転制御部を新たに付加し、通常時診断運転において、データ計測部による測定値が、第1検出範囲に基づいて設定された第2検出範囲から外れた場合に、記憶部内の異常基準値を更新させ、第2検出範囲から外れなかった場合に、記憶部内の異常基準値の更新を行わせない機能を、判定部に付加するものである。
この発明によれば、地震時管制運転後の診断運転において、地震の揺れとは無関係な要因によって異常が検出されて診断運転が中止されることを確実に防止でき、地震発生後、早期に運転を再開させることができるようになる。
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における制御装置を含むエレベータ全体の構成図、図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置を示す構成図である。このエレベータは、所定規模の地震が検出されると、かご内の乗客をかご外に脱出させる地震時管制運転を行う機能を有している。また、このエレベータには、地震発生後にエレベータを通常運転に復帰させるための診断運転を行う機能も有している。上記診断運転は、地震時管制運転によってエレベータが休止した後、所定(例えば、検出した地震の規模、かご内の乗客の有無等)の条件が成立することによって開始され、例えば、微速、低速、定格速の3段階の速度でかごを走行させながら、各種機器類の異常検出を行う。
図1及び図2において、1はエレベータの昇降路、2は昇降路1内を昇降するかご、3はかご2とは昇降路1内を互いに逆方向に昇降する釣合い重り、4aはかご2と釣合い重り3とを釣瓶式に懸架する主ロープ、5は主ロープ4aの一部が巻き掛けられた駆動綱車を有する巻上機、6は巻上機5の制御等、エレベータの運行制御全体を司る制御盤、4bはこの制御盤6とかご2との間に接続された制御ケーブル、7は地震の揺れ(建築物の加速度等)を感知する地震感知器である。
8はエレベータを監視する外部の監視センターであり、制御盤6は、公衆回線網9を介してこの監視センター8に接続されている。また、10はエレベータ保守員等が携帯する保守ツールである。保守ツール10は、例えばパソコン等で構成され、制御盤6に接続されることにより、制御盤6との間で各種情報の送受信を行う。
上記制御盤6には、運転制御部11、データ計測部12、診断運転制御部13、診断運転判定部14、診断運転結果記憶部15、通報装置16、学習運転制御部17、学習運転結果記憶部18が備えられている。運転制御部11は、通常運転、地震時管制運転、診断運転(地震時診断運転及び通常時診断運転)、後述の学習運転等といった各種運転を制御する機能を有する。
なお、上記地震時診断運転とは、地震が発生して地震時管制運転が実施された後、エレベータの運転を再開させるために実施される診断運転のことをいう。即ち、地震時診断運転とは、従来から実施されている診断運転を意味する。一方、通常時診断運転とは、この発明の特徴を構成するものであり、地震の発生とは無関係に所定の条件下(例えば、定期的に)実施される診断運転のことをいう。通常時診断運転の詳細については後述するが、その運転内容は、地震時診断運転の運転内容に基づいて設定される。以下においては、一例として、通常時診断運転の運転内容が地震時診断運転の運転内容と同じ場合について説明する。また、以下においては、地震時診断運転と通常時診断運転とを区別する必要がない場合のみ、単に診断運転という。
データ計測部12は、運転制御部11等からの信号に基づいて、エレベータの運行状態に関する各種測定を行う機能を有する。診断運転時に異常検出を行うための各種データも、このデータ計測部12によって測定される。例えば、データ計測部12は、かご2の荷重や、かご2の速度、かご2の走行時の音響(走行音)、巻上機5の電流値(トルク値)等を、各種秤やセンサからの信号に基づいて測定する。
診断運転制御部13は、診断運転を制御する機能を有する。具体的に、診断運転制御部13は、地震時管制運転によってエレベータが休止した後、所定(例えば、感知された地震の規模、かご2内の乗客の有無等)の条件が成立すると、地震時診断運転を実施する。また、診断運転制御部13は、地震の発生とは無関係に所定の条件(例えば、所定のスケジュール時間となり、かご2内の乗客及び呼びがない等)が成立すると、通常時診断運転を実施するため、運転制御部11に対して動作指令を出力する。
診断運転判定部14は、診断運転時に、データ計測部12による測定値と所定の異常基準値(異常基準パターン)とに基づいて、エレベータ(の各種機器類)の異常の有無を判定する機能を有する。この診断運転判定部14による判定結果は、診断運転結果記憶部15に記憶される。
また、通報装置16は、外部の監視センター8との間で情報の送受信を行う機能を有している。例えば、診断運転時に、診断運転判定部14によって何らかの異常が検出されると、その異常に応じた通報が、通報装置16を介して監視センター8に対して行われる。
学習運転制御部17は、所定の条件下実施される学習運転を制御する機能を有する。ここで、学習運転とは、エレベータの異常判定を行う際の基準となる異常基準値を取得及び記憶するための運転のことをいう。即ち、この学習運転によって取得された巻上機5の電流値(トルク値)等が、上記異常基準値(異常基準パターン)として学習運転結果記憶部18に記憶される。
次に、図3に基づいて、地震時診断運転における診断運転判定部14の動作について説明する。図3は地震時診断運転での異常判定方法を説明するための図である。図3に示す異常基準値は、学習運転結果記憶部18に予め記憶されている。また、診断運転判定部14には、図3に示すように、地震時診断運転において異常判定を行うための異常検出レベルが予め設定されている。したがって、診断運転判定部14は、地震時診断運転において、データ計測部12による巻上機電流値等の測定値が、異常基準値から上下に張られた上記異常検出レベルを超えた場合に異常有りを判定し、地震後の運転再開を中止させる。なお、図3に示す異常基準値から上下に張られた異常検出レベルの範囲が、特許請求の範囲における第1検出範囲を構成する。
しかし、上述したように、巻上機5の電流値等は常時一定の値を示すものではなく、ガイドレールの給油状態といった種々の要因によって変動する。そこで、この発明に係るエレベータの制御装置では、地震時診断運転とは別に、通常時診断運転を例えば定期的に実施することにより、この通常時診断運転での診断結果に基づいて、上記変動に起因する課題を解決する。以下に、そのための具体的な動作や機能等について具体的に説明する。
図4は通常時診断運転での異常判定方法を説明するための図である。図4に示す異常基準値は、図3に示す異常基準値と同じものである。即ち、この異常基準値は、学習運転結果記憶部18に予め記憶されている。上述の通り、通常時診断運転の運転内容は、地震時診断運転の運転内容に基づいて設定される。このため、異常判定の基準となる異常基準値は、同じものが用いられる。
診断運転判定部14には、図4に示すように、通常時診断運転において異常判定を行うための異常検出レベルが、2段階に設定されている。即ち、診断運転判定部14には、異常検出レベル小と、この異常検出レベル小よりも大きな異常検出レベル大とが設定されている。したがって、診断運転判定部14は、通常時診断運転において、データ計測部12による測定値が、異常基準値から上下に張られた上記異常検出レベル小及び大を超えた場合に、それぞれ異常有りを判定し、エレベータに対してその判定結果に基づく所定の動作を実施させる。
具体的に、診断運転判定部14は、データ計測部12による測定値が、図4に示す結果A乃至Cの何れに該当するかを判定する。上記結果Aは、データ計測部12による測定値が、異常基準値から上下に張られた異常検出レベル小を超えない場合を示している。同様に、結果Bは、測定値が、異常基準値から上下に張られた異常検出レベル小を超え、異常検出レベル大を超えない場合を、結果Cは、測定値が、異常基準値から上下に張られた異常検出レベル大を超える場合を示している。
ここで、異常検出レベル大は、地震時診断運転で異常判定を行うための異常検出レベルに基づき設定され、例えば、この異常検出レベルと同じ値(レベル)が設定される。なお、異常検出レベル小及び大は異常基準値の上下で同じように設定されるため、図4はその上側のみを示している。したがって、特許請求の範囲における第2検出範囲は、異常基準値から上下に張られた異常検出レベル大の範囲で構成され、第3検出範囲は、異常基準値から上下に張られた異常検出レベル小の範囲で構成される。また、異常検出レベル小は異常検出レベル大よりも値が小さいため、第3検出範囲は当然に第2検出範囲よりも狭い範囲となる。
次に、通常時診断運転時の動作を具体的に説明する。図5はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置の動作を示すフローチャートである。制御盤6では、エレベータの通常運転時、診断運転制御部13によって、通常時診断運転の開始条件が成立したか否かを常時判定している(S101、S102)。そして、例えば、保守ツール10によって設定された予約時間となり、且つかご2内の乗客無しの信号が入力されることによって上記開始条件が成立すると、診断運転制御部13から動作指令が出力されて、地震の発生とは無関係に通常時診断運転が開始される(S103)。
通常時診断運転では、診断運転判定部14により、上述したような異常判定が行われる。具体的に、診断運転判定部14は、データ計測部12による測定値が、図4に示す結果A乃至Cの何れに該当するかを判定する(S104)。
そして、通常時診断運転時、診断運転判定部14によって何ら異常有りが判定されなかった場合、即ちデータ計測部12による測定値が結果Aの範囲から外れなかった場合には、通報装置16から監視センター8に対して診断運転良好の旨が通報される(S105)。かかる場合には、そのまま通常運転に復帰され(S106)、通常時診断運転は終了する。
一方、通常時診断運転において何らかの異常が検出された場合には(S104のYES)、次に、その異常のレベルが判定される(S107)。ここで、通常時診断運転において検出された異常が、異常検出レベル小を超え異常検出レベル大を超えないものである場合、即ち、データ計測部12による測定値の一部が結果Bの範囲に存在するが、結果Cの範囲には存在しない場合(S108)、通報装置16から監視センター8に対して診断運転異常[小]が通報される(S109)。その後、エレベータは通常運転に復帰され(S106)、通常時診断運転は終了する。
以下に、通常時診断運転において異常検出レベル小を設定した意味について説明する。図6は通常時診断運転で設定される異常検出レベル小の機能を説明するための図である。異常検出レベル小は、地震時診断運転での異常検出レベルを基準に設定された異常検出レベル大とは異なり、運転時の軽微な異常(変調)も検出できるように設定されたものである。したがって、通常時診断運転において異常検出レベル小が検出された場合であっても、そのままエレベータの運転を継続させて、その後に特に問題が生じるものではない。
しかし、データ計測部12による測定値が異常検出レベル小を超えたということは、現在のエレベータ状態が、学習運転結果記憶部18内に異常基準値を記憶した際のエレベータ状態とは、既にずれているということを意味する。したがって、この状態のまま仮に地震が発生して地震時診断運転が行われると、図6に示すように、異常無しと判定する範囲が適正に設定されていないことになる。即ち、図6に示すように、測定値が異常基準値の上方にずれていたとすると、異常無しと判定される上側の範囲が非常に狭くなり、誤検出の可能性が高くなってしまう。また、異常無しと判定される下側の範囲が非常に広くなり、地震の揺れによってロープ類の引っ掛かり等が発生した場合に、異常の検出が遅れて2次被害を拡大させてしまう。
このような理由から、通常時診断運転において、異常検出レベル大よりも小さいレベルである異常検出レベル小を設定しておき、異常検出レベル小を超える異常が検出された場合には、外部の監視センター8に対して通報を行うように構成する。そして、監視センター8では、診断運転異常[小]が通報されると、当該エレベータに対して専門技術者等を派遣し、注油や部品交換等によって異常個所の調整を行わせる。なお、専門技術者による調整が行われることにより、図6に示すような測定値と異常基準値との誤差は解消され、測定値が異常基準値に近づくことになる。したがって、通常時診断運転において異常検出レベル小が検出されても、異常基準値の更新を特に実施する必要はない。
一方、通常時診断運転において検出された異常が、異常検出レベル大を超えるものである場合(S107のYES)、即ち、データ計測部12による測定値の一部が図4の結果Cの範囲に存在する場合には、学習運転結果記憶部18に記憶されている異常基準値の更新が行われる(S110)。また、異常検出レベル大を超える異常が検出された場合には、通報装置16から監視センター8に対して診断運転異常[大]が通報される(S111)。その後、エレベータが通常運転に復帰され(S106)、通常時診断運転は終了する。
以下に、通常診断運転において異常検出レベル大を設定した意味について説明する。図7は通常時診断運転で設定される異常検出レベル大の機能を説明するための図である。異常検出レベル大は、上述の通り、地震時診断運転で異常判定を行うための異常検出レベルに基づいて設定されている。なお、地震時診断運転では、地震の揺れによってロープ類等の引っ掛かりが生じた場合に、各種機器類に損傷が生じる前にエレベータを停止させる必要がある。このため、地震時診断運転における異常検出レベル自体は、実際に各種機器類に損傷が生じるレベルよりもはるかに小さいレベルに設定されている。したがって、通常時診断運転の時に、上記異常検出レベルと同程度の異常検出レベル大が検出された場合であっても、そのままエレベータを通常運転に復帰させて、その後に通常運転において緊急を要するような問題が生じることはない。
しかし、データ計測部12による測定値が異常検出レベル大を超えたということは、この状態のまま仮に地震が発生して地震時診断運転が行われると、地震の揺れによる異常の発生の有無に関係なく、地震時診断運転開始直後に異常が検出され、診断運転が中止(通常運転への復帰が不能)になるということを意味する。したがって、このような事態が発生することを防止するため、かかる場合に、学習運転結果記憶部18に記憶されている異常基準値を更新するように構成する。この異常基準値の更新に際しては、S110において、更新のための運転(異常基準値更新のための学習運転)を実施しても良いし、通常時診断運転で測定された測定値に基づいて更新を行っても良い。図7は、異常基準値の更新前と更新後の状態を示したものである。
なお、通常時診断運転において異常検出レベル大を超える異常が検出された場合であっても、異常基準値の更新が終了した後、エレベータは通常運転に復帰される。そして、監視センター8では、診断運転異常[大]が通報されることにより、当該エレベータに対して専門技術者等を派遣し、関連箇所の点検や調整、手入れを行わせる。
この発明の実施の形態1によれば、地震時管制運転後の診断運転において、地震の揺れとは無関係な要因によって異常が検出されることを確実に防止でき、地震発生後、早期に運転を再開させることができるようになる。
なお、実施の形態1においては、巻上機5の電流値に基づいてエレベータの異常判定を行う場合について主に言及したが、診断運転においてはかご内荷重や走行音等の他の項目も当然に測定されており、種々の測定値に基づいて異常判定が実施されている。
また、通常時診断運転の運転内容は、地震時診断運転の運転内容と全く同じであることが機能上及び構成上からも望ましいが、地震時診断運転の運転内容の一部を省略する等、この発明の内容を逸脱しない範囲で変更しても構わない。同様に、異常検出レベル大は、地震時診断運転における異常検出レベルと全く同じ値(レベル)であることが機能上及び構成上からも望ましいが、測定誤差等を考慮して、多少異なる値(レベル)に設定しても構わない。
例えば、過去に実際に地震が発生した際に、地震時診断運転において、異常事象(ロープ類の引っ掛かり等)が発生していないにも関わらず診断運転判定部14によって異常有りが判定されたことがあるエレベータや、地震時診断運転時における誤検出によってエレベータが長期間運転休止状態に陥るといった事態を強く懸念するような顧客のエレベータに対しては、上記異常検出レベル大を、地震時診断運転における異常検出レベルよりも10%程度小さな値に設定し、第2検出範囲を第1検出範囲よりも狭い範囲としても良い。
また、上記構成のエレベータ制御装置は、新規エレベータへの適用は当然のこと、既に地震時管制運転及び地震時診断運転の機能が搭載された既設エレベータに適用させても、上記効果を奏することが可能である。即ち、データ計測部12、異常基準値が記憶された記憶部(学習運転結果記憶部18)、地震時診断運転機能を有する判定部(診断運転判定部14)を既に備えた既設エレベータに対して、通常時診断運転に関する診断運転制御部13の機能と診断運転判定部14の機能とを新たに付加すれば良い。このような簡単な改修によって上記各効果を奏することができるようになる。
この発明の実施の形態1における制御装置を含むエレベータ全体の構成図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置を示す構成図である。 地震時診断運転での異常判定方法を説明するための図である。 通常時診断運転での異常判定方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータの制御装置の動作を示すフローチャートである。 通常時診断運転で設定される異常検出レベル小の機能を説明するための図である。 通常時診断運転で設定される異常検出レベル大の機能を説明するための図である。
符号の説明
1 昇降路、 2 かご、 3 釣合い重り、 4a 主ロープ、
4b 制御ケーブル、 5 巻上機、 6 制御盤、 7 地震感知器、
8 監視センター、 9 公衆回線網、 10 保守ツール、 11 運転制御部、
12 データ計測部、 13 診断運転制御部、 14 診断運転判定部、
15 診断運転結果記憶部、 16 通報装置、 17 学習運転制御部、
18 学習運転結果記憶部

Claims (10)

  1. 地震時管制運転後、エレベータの運転を再開させるために地震時診断運転を実施するエレベータの制御装置であって、
    エレベータの運行状態に関する測定を行うデータ計測部と、
    エレベータの異常判定を行う際の基準となる異常基準値が記憶された記憶部と、
    地震時診断運転において、前記データ計測部による測定値が、前記異常基準値を基準として設定された第1検出範囲から外れた場合に異常有りを判定し、地震後の運転再開を中止させる判定部と、
    地震時診断運転の運転内容に基づいてその運転内容が設定された通常時診断運転を、地震の発生とは無関係に所定の条件下実施する診断運転制御部と、
    を備え、
    前記判定部は、通常時診断運転において、前記データ計測部による測定値が、前記第1検出範囲に基づいて設定された第2検出範囲から外れた場合に、前記記憶部内の異常基準値を更新し、前記第2検出範囲から外れなかった場合に、前記記憶部内の異常基準値の更新を行わないことを特徴とするエレベータの制御装置。
  2. 前記判定部は、通常時診断運転において、前記データ計測部による測定値が前記第2検出範囲から外れた場合に、異常基準値を取得するための学習運転を新たに実施し且つ外部に通報するとともに、エレベータを通常運転に復帰させることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの制御装置。
  3. 前記判定部は、通常時診断運転において、前記データ計測部による測定値が、前記第2検出範囲よりも狭い範囲の第3検出範囲から外れた場合に、異常基準値を更新することなく外部に通報し、エレベータを通常運転に復帰させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータの制御装置。
  4. エレベータの運行状態に関する測定を行うデータ計測部と、
    エレベータの異常判定を行う際の基準となる異常基準値が記憶された記憶部と、
    地震時管制運転後、エレベータの運転を復帰させるために実施される地震時診断運転において、前記データ計測部による測定値が、前記異常基準値を基準として設定された第1検出範囲から外れた場合に異常有りを判定し、地震後の運転再開を中止させる判定部と、
    を備えたエレベータの制御方法であって、
    地震時診断運転の運転内容に基づいてその運転内容が設定された通常時診断運転を、地震の発生とは無関係に所定の条件下実施するステップと、
    通常時診断運転において、前記データ計測部による測定値が、前記第1検出範囲に基づいて設定された第2検出範囲から外れた場合に、前記記憶部内の異常基準値を更新し、前記第2検出範囲から外れなかった場合に、前記記憶部内の異常基準値の更新を行わないステップと、
    を備えたことを特徴とするエレベータの制御方法。
  5. 通常時診断運転において、前記データ計測部による測定値が前記第2検出範囲から外れた場合に、異常基準値を取得するための学習運転を新たに実施し且つ外部に通報するとともに、エレベータを通常運転に復帰させることを特徴とする請求項4に記載のエレベータの制御方法。
  6. 通常時診断運転において、前記データ計測部による測定値が、前記第2検出範囲よりも狭い範囲の第3検出範囲から外れた場合に、異常基準値を更新することなく外部に通報し、エレベータを通常運転に復帰させるステップと、
    を更に備えたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のエレベータの制御方法。
  7. 通常時診断運転は、地震時診断運転の運転内容と同じ運転内容が設定され、
    前記第2検出範囲は、前記第1検出範囲と同じ範囲が設定された
    ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のエレベータの制御装置又は制御方法。
  8. エレベータの運行状態に関する測定を行うデータ計測部と、
    エレベータの異常判定を行う際の基準となる異常基準値が記憶された記憶部と、
    地震時管制運転後、エレベータの運転を再開させるために実施される地震時診断運転において、前記データ計測部による測定値が、前記異常基準値を基準として設定された第1検出範囲から外れた場合に異常有りを判定し、地震後の運転再開を中止させる判定部と、
    を備えた既設エレベータに、
    地震時診断運転の運転内容に基づいてその運転内容が設定された通常時診断運転を、地震の発生とは無関係に所定の条件下実施する診断運転制御部を新たに付加し、
    通常時診断運転において、前記データ計測部による測定値が、前記第1検出範囲に基づいて設定された第2検出範囲から外れた場合に、前記記憶部内の異常基準値を更新させ、前記第2検出範囲から外れなかった場合に、前記記憶部内の異常基準値の更新を行わせない機能を、前記判定部に付加する
    ことを特徴とする既設エレベータの改修方法。
  9. 通常時診断運転において、前記データ計測部による測定値が前記第2検出範囲から外れた場合に、異常基準値を取得するための学習運転を新たに実施し且つ外部に通報するとともに、エレベータを通常運転に復帰させる機能を、前記判定部に付加することを特徴とする請求項8に記載の既設エレベータの改修方法。
  10. 通常時診断運転において、前記データ計測部による測定値が、前記第2検出範囲よりも狭い範囲の第3検出範囲から外れた場合に、異常基準値を更新することなく外部に通報し、エレベータを通常運転に復帰させる機能を、前記判定部に付加することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の既設エレベータの改修方法。
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