JP2008156078A - エレベータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震の発生などによりエレベータが停止した際に、モータのトルクの異常を正確に検出し、運転の安全性を確保した上で自動復旧する。
【解決手段】乗りかご8を所定の速度で診断運転し、その間にモータ5に対して出力されるトルク指令値をトルク指令検出部12にて検出する。異常検出閾値設定部13にてゼロ速度時のトルクを基準にして所定のバンド幅を加減算した値を異常検出の閾値として設定する。そして、トルク異常判定部11にて定常走行時のトルクを監視し、異常検出閾値設定部13によって設定された閾値に基づいて異常の有無を判定する。トルク異常が検出された場合には、診断走行指令部10を通じて診断運転を中止して乗りかご8を強制停止する。これにより、モータ5のトルクの異常を正確に検出し、運転の安全性を確保した上で自動復旧することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば地震によって停止したエレベータを自動復旧する際に診断運転を行うエレベータの制御装置に関する。
近年、建物の高層化などに伴い、エレベータは縦の交通手段として不可欠なものとなっている。また、その一方で、地震が発生した場合でのエレベータの安全性の問題が指摘されている。
通常、エレベータでは、地震が発生すると、管制運転により乗りかごを速やかに最寄階に停止させ、そこで乗客を降車させている。ところが、地震によってエレベータの運転が一旦停止すると、その後、特に運転に支障のない状況であっても、保守員が安全を確認するまで復旧されない。
そこで、地震の発生によりエレベータの運転が停止した場合に、エレベータの安全性を自動的に確認し、復旧させるニーズが高まっている。
従来、地震時の自動復旧のオペレーションとしては、例えば特許文献1に開示されているものがある。この特許文献1では、エレベータを低速運転で最上階から最下階までを一往復させることにより、その運転中に昇降路内の機器類の異常音や異常振動を検出し、異常なしであれば、通常運転に復帰させることが開示されている。
特開平6−227770号公報
しかしながら、上記特許文献1のように機器類の異常音や異常振動を検出する方法では、何らかの原因でモータのトルクに異常が生じていた場合にそれを検出できず、そのまま運転を継続して、所謂二次災害を引き起こしてしまうなどの問題がある。
そこで、本発明は、地震の発生などによりエレベータが停止した際に、モータのトルクの異常を正確に検出し、運転の安全性を確保した上で自動復旧することのできるエレベータの制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一観点に係るエレベータの制御装置は、乗りかごを駆動するためのモータと、上記乗りかごを所定の速度で診断運転し、その間に上記モータに対して出力されるトルク指令値を検出するトルク指令検出手段と、上記乗りかごのゼロ速度時に上記トルク指令検出手段によって検出されるトルクを基準にして所定のバンド幅を加減算した値を異常検出の閾値として設定する閾値設定手段と、上記乗りかごの定常走行時に上記トルク指令検出手段によって検出されるトルクを監視し、上記閾値設定手段によって設定された閾値に基づいて異常の有無を判定する異常判定手段と、この異常判定手段によってトルクの異常が検出された場合に上記診断運転を中止して上記乗りかごを強制停止する診断走行指令手段とを具備して構成される。
本発明の他の観点に係るエレベータの制御装置は、乗りかごを駆動するためのモータと、上記乗りかごを所定の速度で診断運転し、その間に上記モータに対して出力されるトルク指令値を検出するトルク指令検出手段と、上記乗りかごのゼロ速度時に上記トルク指令検出手段によって検出されるトルクを基準にして所定のバンド幅を加減算した値を異常トルクに対するリミット値として設定するトルクリミッタ設定手段と、上記乗りかごの定常走行時以外では通常運転用に予め設定されたリミット値を用いて異常トルクをリミットし、上記乗りかごの定常走行時に上記トルクリミッタ設定手段によって設定されたリミット値に切り替えて異常トルクをリミットするリミッタ手段とを具備して構成される。
本発明によれば、地震の発生などによりエレベータが停止した際に、モータのトルクの異常を正確に検出し、運転の安全性を確保した上で自動復旧することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成例を示すブロック図である。図中の100は運転制御部であり、エレベータ全体の運転制御を行う。また、101は地震感知器であり、地震の揺れを検出する。
このエレベータは、モータ5、シーブ7、ロープ7a、乗りかご8、カンウタウエイト9などから構成される。なお、詳しい機構については本発明とは直接関係しないため、その説明を省略するものとする。
乗りかご8は、利用者を乗せて建物の各階床間を移動するものであり、ロープ7aの一端が連結されている。ロープ7aはシーブ7に巻き掛けられ、その他端にカウンタウェイト9が連結されている。これにより、モータ5の駆動に伴い、乗りかご8はロープ7aを介してカンウタウエイト9とは反対の方向につるべ式に移動する。
また、このエレベータには、上記乗りかご8の移動速度を制御する構成要素として、速度指令部1、速度制御部2、電流制御部3、電流検出器4、速度検出部6が備えられている。
速度指令部1は、運転制御部100の制御の下で、所定の走行パターンに従った速度指令値を出力する。速度検出部6は、モータ5の回転速度を検出する。速度制御部2は、速度指令部1からの速度指令値と速度検出部6が検出した速度値との偏差を求め、この偏差がなくなるようにモータ5のトルク指令値を出力する。
電流制御部3は、速度制御部2から出力されたトルク指令値に基づいて、モータ5に供給する電流値を決定する。電流検出器4は、モータ5への供給電流値を検出して電流制御部3にフィードバックする。電流制御部3では、この電流検出器4によって検出された電流値が目標値となるようにモータ5へ供給する電流をコントロールする。
モータ5は、例えば三相交流モータからなり、電流制御部3から供給される3相の電流によって駆動される。このモータ5の駆動により、シーブ7およびロープ7aを介して乗りかご8が昇降路内を昇降動作する。
このような速度制御系の構成において、本実施形態では、さらに、診断走行指令部10、トルク異常判定部11、トルク指令検出部12、異常検出閾値設定部13、閾値バンド幅設定部14が備えられている。
トルク指令検出部12は、速度制御部2が出力するトルク指令値を検出する。閾値バンド幅設定部14は、トルク異常を検出するための閾値のバンド幅を設定する。異常検出閾値設定部13は、乗りかご8のゼロ速度時にトルク指令検出部12によって検出されるトルクを基準にして、閾値バンド幅設定部14にて設定されたバンド幅を加減算した値を異常検出の閾値として設定する。
トルク異常判定部11は、乗りかご8の定常走行時にトルク指令検出部12によって検出されるトルクを監視し、異常検出閾値設定部13によって設定された閾値に基づいて異常の有無を判定する。
診断走行指令部10は、トルク異常判定部11の判定結果に基づいて診断運転時の走行を制御し、トルクの異常が検出された場合には診断運転を中止して乗りかご8を強制停止する指令を速度指令部1に出力する。
このような構成において、エレベータの通常運転中に地震感知器101によって所定レベル以上の地震が検出されると、運転制御部100は、通常運転から管制運転に切り換えて乗りかご8を最寄階で停止させ、そこで乗客を降車させる。
ここで、運転制御部100は、エレベータ停止後の自動復旧のオペレーションとして、診断運転を実行する。「診断運転」とは、点検運転などとも呼ばれ、例えば乗りかご8を所定の速度で一往復させて、その間に機器類の異常などを点検するための特殊な運転である。本実施形態では、この診断運転中にモータ5のトルクの変化を監視し、その異常を検出することを含んでいる。
以下に、このトルク異常の検出方法について詳しく説明する。
図2は第1の実施形態におけるかご速度とトルク指令との関係を説明するための図であり、図2(a)はかご速度の走行パターン、同図(b)はトルク指令に対する異常検出の閾値を示している。
トルクの異常検出は、乗りかご8が定常走行しているときに出力されるトルク指令と閾値とを比較することで行う。「定常走行」とは、乗りかご8が加速後に一定の速度で走行している状態を言う。この定常走行中には、基本的にトルクを使用しないため、後述するゼロ速度時のトルク(これを荷重補償トルクと呼ぶ)を基準にして閾値を設定することにより、トルク異常を正確に検出することができる。なお、定常走行以外の期間(加速中や減速中)では、トルクが大きく変動しているため、トルク異常を正確に検出することは難しい。
すなわち、定常走行中のトルクは、加減速時のように変動がなく、主に乗りかご8とカンウタウエイト9のアンバランスを補償する荷重補償トルクに依存する。この荷重補償トルクを乗りかご8に設置された図示せぬ荷重センサの信号から計算することも可能であるが、地震時などには荷重センサの故障が考えられるため、信頼性に問題がある。
そこで、診断運転が開始された際に、まず、速度指令部1にてゼロ速度指令を出力し、そのときに速度制御部2から出力されるトルクを検出する。ゼロ速度指令が出力された状態で、図示せぬモータ5のブレーキだけが開いている。このとき、速度制御によって乗りかご8のゼロ速度を保とうとするトルクが発生する。このトルクは、乗りかご8を停止させるためだけに出力されているトルクであり、荷重補償トルク(TmWeight)に相当する。
このようにして得られる荷重補償トルク(TmWeight)に、閾値バンド幅設定部14にて設定されるバンド幅(TmBAND)を加減算することで、トルク異常を判定するための上下の閾値を設定する。なお、上記バンド幅(TmBAND)は、予め実験を繰り返すことにより最適な値に設定される。
ここで、上側の閾値をTMER_U、下側の閾値をTMER_Lとすると、以下の式(1),(2)で表せる。
TMER_U=TmWeight+TmBAND …(1)
TMER_L=TmWeight−TmBAND …(2)
図2に示すように、診断運転時において、乗りかご8が定常走行しているときに得られるトルクが上側の閾値(TMER_U)あるいは下側の閾値(TMER_L)を超えた場合にトルク異常と判定する。トルク異常の場合には、診断運転が直ちに中止され、乗りかご8が強制停止される。
次に、第1の実施形態の動作を説明する。
図3は第1の実施形態におけるエレベータ制御装置による診断運転時の動作を示すフローチャートである。なお、診断運転時には、乗りかご8に乗客は乗っていないものとする。
運転制御部100によって診断運転に切り換えられると、まず、速度指令部2からゼロ速度指令が出力される(ステップA11)。このとき、トルク指令検出部12にて、速度制御部2から出力されるトルク指令が荷重補償トルク(TmWeight)として検出される(ステップA12)。
ここで、異常検出閾値設定部13では、乗りかご8のゼロ速度時に得られた荷重補償トルク(TmWeight)に、閾値バンド幅設定部14によって設定された異常検出閾値のバンド幅(TmBAND)を加減算することにより、上側の閾値(TMER_U)と下側の閾値(TMER_L)を設定する(ステップA13)。
その後、乗りかご8が診断運転の速度パターンに従って走行を開始し、定格速度に達した時点で、トルク異常判定部11によってトルク異常の判定が開始される。この判定は、定常走行中にトルク指令検出部12にて検出されるトルク(Tm)と、異常検出閾値設定部13にて設定された異常検出の閾値(TMER_U,TMER_L)とを比較することで行なわれる(ステップA15)。
定常走行中のトルク(Tm)が閾値(TMER_U,TMER_L)の範囲内であれば(ステップA15のNo)、正常と判定される(ステップA16)。これにより、乗りかご8はそのまま診断運転の速度パターンに従って減速停止する(ステップA17)。一方、定常走行中のトルク(Tm)が閾値(TMER_U,TMER_L)を超えていれば(ステップA15のYes)、異常と判定される(ステップA18)。異常と判定されると、診断走行指令部10によって診断運転が直ちに中止され、乗りかご8が強制停止される(ステップA19)。
このようにして、乗りかご8を例えば最下階から最上階までを所定の速度で一往復させ、その間にトルクの異常が検出されなければ、通常運転に移行する。なお、その間にトルク以外の異常が検出された場合には通常運転に移行せずに、診断運転を中止することになる。
一方、トルクの異常が検出された場合には、その時点で診断運転を中止すると共に、運転制御部100から通信ネットワークを介して図示せぬ監視センタに対して、その旨を発報する。監視センタでは、その発報を受けて、保守員を現場に派遣するなどして対処する。
以上のように第1の実施形態によれば、診断運転を行う場合に走行開始時(ゼロ速度時)の荷重補償トルクを基準にして閾値を設定し、定常走行時のトルクと比較することで、トルクの異常を正確に検出することができる。したがって、例えば地震によってガイドレールが変形するなどして走行に異常を来しているような場合に、その異常を走行中のトルクの変化から早期に発見して診断運転を中止でき、結果として二次被害の発生を防ぐことができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、速度制御系で一般的に設置されているトルクリミッタを通常運転用と診断運転用とで切り換えることを特徴としている。
図4は本発明の第2の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成例を示すブロック図である。なお、図4において、上記第1の実施形態における図1の構成と同じ部分には同一符号を付して、その説明を省略するものとする。
第2の実施形態では、図1の構成に加え、通常運転用トルクリミッタ設定部15、診断運転用トルクリミッタ設定部16、リミッタバンド幅設定部17、トルクリミッタ18を備える。
通常運転用トルクリミッタ設定部15は、通常運転時に使用するトルクリミッタ18の値を設定する。このリミット値は、診断運転用に比べて十分に余裕のある値に設定される。リミットバンド幅設定部17は、診断運転用トルクリミッタ設定部16のリミットバンド幅を設定する。診断運転用トルクリミッタ設定部16は、診断運転時に使用するトルクリミッタ18の値を設定する。このリミット値は、トルク指令検出部12によって検出されるゼロ速度時の荷重補償トルクを基準にして、リミットバンド幅設定部17にて設定されるバンド幅を加減算することで設定される。
トルクリミッタ18は、速度制御部2の後段に設けられ、速度制御部2から出力されるトルク指令値がリミット値を超える場合に異常トルクをリミット値までリニットする。本実施形態では、このトルクリミッタ18のリミット値を通常運転用と診断運転用とで切り換える構成としている。
図5は第2の実施形態におけるかご速度とトルク指令との関係を説明するための図であり、図5(a)はかご速度の走行パターン、同図(b)はトルク指令に対するリミット値を示している。
エレベータ停止後の診断運転中に、例えば乗りかご8の昇降路機器との衝突やロープ7aの絡まりなどが発生すると、モータ5の負荷が増えるため、速度制御によりトルクの出力値が急激に上がり、さらに機器の損傷などを招く可能性がある。そこで、定常走行時にトルクリミッタ18の値を通常運転時よりも下げておくことで、トルク指令がそのリミット値を超えないように制限する。
図中の一点鎖線が通常運転時のリミット値(TMLMT0_U,TMLMT0_L)である。通常運転時には乗りかご8の定常走行に関係なく、走行中は常に同じ値であるのに対し、診断運転時には定常走行のときにリミット値が低く抑えられる。これは、定常走行時にはトルクの変動がないので、その異常を正確に検出できるからである。
次に、診断運転時に使用するリミット値の設定方法について説明する。
上記第1の実施形態と同様、ゼロ速度時のトルク指令(TmWeight)を基準にし、リミッタバンド幅設定部17にて設定されるリミット値のバンド幅(LMTBAND)を加算もしくは減算することで、診断運転時に用いる上下のリミット値を設定する。なお、上記バンド幅(LMTBAND)は、予め実験を繰り返すことにより最適な値に設定される。
ここで、上側のリミット値をTMLMT_U、下側のリミット値をTMLMT_Lとすると、以下の式(3),(4)で表せる。
TMLMT_U=TmWeight+LMTBAND …(3)
TMLMT_L=TmWeight−LMTBAND …(4)
図5に示すように、診断運転時において、乗りかご8が定常走行しているときに得られるトルクが上側のリミット値(TMLMT_U)あるいは下側のリミット値(TMLMT_L)を超えた場合にトルクリミッタ18が作動し、それ以上のトルク出力が抑えられる。
次に、第2の実施形態の動作を説明する。
図6は第2の実施形態におけるエレベータ制御装置による診断運転時の動作を示すフローチャートである。なお、診断運転時には、乗りかご8に乗客は乗っていないものとする。
運転制御部100によって診断運転に切り換えられると、まず、速度指令部2からゼロ速度指令が出力される(ステップB11)。このとき、トルク指令検出部12にて、速度制御部2から出力されるトルク指令が荷重補償トルク(TmWeight)として検出される(ステップB12)。また、乗りかご8の走行開始時には、トルクリミッタ18のリミット値は通常運転用に切り替えられている。
ここで、診断運転用トルクリミッタ設定部16では、ゼロ速度時に得られた荷重補償トルク(TmWeight)に、リミッタバンド幅設定部17によって設定されたリミット値のバンド幅(LMTBAND)を加減算することにより、上側のリミット値(TMLMT_U)と、下側のリミット値(TMLMT_L)を設定する(ステップB13)。
その後、乗りかご8が診断運転の速度パターンに従って走行を開始し、定格速度に達した時点で、速度指令部1からの指示によりトルクリミッタ18のリミット値が診断運転用に切り替えられる(ステップB14)。これにより、乗りかご8の定常走行時において、上記リミット値(TMLMT_U,TMLMT_L)を超えるようなトルク指令が出力されると、異常なトルクがリミットされる。
また、乗りかご8が減速を開始すると、トルクリミッタ18のリミット値が通常運転用に切り替えられる(ステップB15)。
以上のように第2の実施形態によれば、診断運転中に乗りかごが昇降路機器と衝突したりロープの絡まりが発生したとしても、モータ負荷増加による異常なトルク上昇をリミットし、さらなる機器破損を抑えることができる
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、上記第1の実施形態における異常検出閾値や上記第2の実施形態における診断運転用トルクリミット値を設定する際に、吊り下げロープの重さによって変動するトルク(これをロープ自重トルクと呼ぶ)を考慮することを特徴としている。
図7は本発明の第3の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成例を示すブロック図である。なお、図7において、上記第2の実施形態における図4の構成と同じ部分には同一符号を付して、その説明を省略するものとする。
第3の実施形態では、図4の構成に加え、かご位置検出部19、ロープ補償トルク設定部20を備える。
かご位置検出部19は、乗りかご8の位置を検出する。その検出方法としては、例えばモータ5の駆動に伴い、乗りかご8の走行に同期してパルス信号を出力する図示せぬエンコーダを用いるなどの方法がある。
ロープ補償トルク設定部20は、かご位置検出部19によって得られるかご位置情報に基づいて、ロープ自重トルクの変動率分を計算し、異常検出閾値設定部13と診断運転用トルクリミッタ設定部16にそれぞれ出力する。
図8は第3の実施形態におけるかご速度とトルク指令との関係を説明するための図であり、図8(a)はかご速度の走行パターン、同図(b)はトルク指令に対する異常検出の閾値、同図(c)はトルク指令に対するリミット値を示している。なお、図8(b)は上記第1の実施形態に対応し、図8(c)は上記第2の実施形態に対応している。
コンペンレスエレベータでは、乗りかご8の走行中にある一定の傾きを持ちながらトルクが変動することが分かっている。コンペンレスエレベータとは、乗りかご8にコンペンロープ(コンペンセーティング・ロープの略)が取り付けられていないエレベータのことである。コンペンロープは、乗りかご8を吊り下げているロープ7aの重さのアンバランスを解消するためのロープである。
すなわち、乗りかご8が最上階にあるときと、最下階にあるときでは、吊り下げ用のロープ7aの長さが乗りかご8側とカンウタウエイト9側で違ってくる。このときのアンバランスを解消するために、乗りかご8の下部とカンウタウエイト9の下部にコンペンロープをぶら下げて繋ぐようにしている。したがって、このようなコンペンロープを持たないエレベータでは、乗りかご8の位置によってロープ7aの荷重が変わるので、モータ5の駆動に必要なトルクも変動することになる。
この場合、上記第1の実施形態や上記第2の実施形態の構成では、走行中に、エレベータ機器の干渉、接触によってトルク変動が起きなくても、トルク指令値が異常検出閾値設定部13による異常検出閾値や診断運転用トルクリミッタ設定部16によるリミット値に引っ掛る可能性が考えられる。
ここで問題となっているトルクの変動は、主にかご位置によって変動するロープ自重を補償しようとするロープ自重補償トルクである。このロープ自重補償トルクをTmCMP、比例定数をGc、かご位置検出部19にて検出されるかご位置をPOS[m]、昇降路の中間位置をMID_POS[m]と表すと、下記の式(5)に示すような一次関数式で表せる。
TmCMP=Gc×(POS−MID_POS) …(5)
この計算処理をロープ自重補償トルク設定部20にて行い、その結果を異常検出閾値設定部13と診断運転用閾値設定部16に出力する。異常検出閾値設定部13では、このロープ自重補償トルク(TmCMP)を加味して、下記の式(6),(7)に従って異常検出閾値(TMER_U,TMER_L)を計算する。
TMER_U=TmWeight+TmBAND+TmCMP …(6)
TMER_L=TmWeight−TmBAND+TmCMP …(7)
また、診断運転用トルクリミッタ設定部16でも同様に、上記ロープ自重補償トルク(TmCMP)を加味して、下記の式(8),(9)に従って診断運転用のトルクリミット値(TMLMT_U,TMLMT_L)を計算する。
TMLMT_U=TmWeight+LMTBAND+TmCMP …(8)
TMLMT_L=TmWeight−LMTBAND+TmCMP …(9)
これにより、図8(b),(c)に示すように、異常検出閾値(TMER_U,TMER_L)、診断運転用トルクリミット値(TMLMT_U,TMLMT_L)がそれぞれロープ自重補償トルク(TmCMP)の変動に合わせて設定される。
なお、以後の動きについては、上記第1および第2の実施形態で説明した通りであるため、ここではその説明を省略する。
以上のように第3の実施形態によれば、かご位置に応じたロープ自重補償トルクを加味して、異常検出閾値や診断運転用トルクリミット値を設定することで、トルクの異常をより正確に検出して、信頼性の高い診断運転を行うことができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態では、診断運転を高速モードと低速モードに分けて行う場合を想定したものである。すなわち、診断運転を行う場合に、まず、低速モードで診断運転を行い、安全が確認された場合に、続いて高速モードで診断運転を行うのが一般的である。低速モードでは、通常運転時の走行速度よりも低い速度に設定されるのに対し、高速モードでは、通常運転時の走行速度と同じ速度に設定される。
このように、2段階で診断運転を行うのは、低速モードだけの運転では実際に通常運転に移行したときの安全性を確保できないことと、最初から高速モードで運転すると、昇降路内に何らかの異常が発生していた場合に、乗りかごが高速で機器に衝突するなどして二次災害を誘発する可能性があるためである。
第4の実施形態では、このような2段階の診断運転を行う場合を前提として、上記第1の実施形態における異常検出閾値のバンド幅と、上記第2の実施形態における診断運転用トルクリミット値のバンド幅をそれぞれ設定することを特徴とする。
図9は本発明の第4の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成例を示すブロック図である。なお、図9において、上記第3の実施形態における図7の構成と同じ部分には同一符号を付して、その説明を省略するものとする。
第4の実施形態では、図7の構成に加え、高速用バンド幅設定部(A)21、低速用バンド幅設定部(A)22、高速用バンド幅設定部(B)23、低速用バンド幅設定部(B)24を備える。
高速用バンド幅設定部(A)21は、高速診断運転用のトルクリミット値のバンド幅を設定する。これに対し、低速用バンド幅設定部(A)22は、低速診断運転用のトルクリミット値のバンド幅を設定する。リミッタバンド幅設定部17は、高速診断運転時に高速用バンド幅設定部(A)21を選択し、低速診断運転時に低速用バンド幅設定部(A)22を選択する。
高速用バンド幅設定部(B)23は、高速診断運転用の異常検出閾値のバンド幅を設定する。これに対し、低速用バンド幅設定部(B)24は、低速診断運転用の異常検出閾値のバンド幅を設定する。閾値バンド幅設定部14は、高速診断運転時に高速用バンド幅設定部(B)23を選択し、低速診断運転時に低速用バンド幅設定部(B)24を選択する。
このような構成において、エレベータの診断運転は、まず、低速にて診断を行い、安全を確認した後に定格速度に近い高速度にて診断するのが一般的な考え方である。そうした2段階の診断運転を行う場合に、トルクの変動も速度に応じて変わってくる。そこで、高速用、低速用のトルクリミット値と異常検出閾値を切替えて設定することで、速度に見合った診断運転が可能となる。
この様子を図10および図11に示す。
図10は第4の実施形態における低速診断運転時のかご速度とトルク指令との関係を説明するための図であり、図10(a)はかご速度の走行パターン、同図(b)はトルク指令に対する異常検出の閾値、同図(c)はトルク指令に対するリミット値を示している。なお、図10(b)は上記第1の実施形態に対応し、図10(c)は上記第2の実施形態に対応している。
図11は第4の実施形態における高速診断運転時のかご速度とトルク指令との関係を説明するための図であり、図11(a)はかご速度の走行パターン、同図(b)はトルク指令に対する異常検出の閾値、同図(c)はトルク指令に対するリミット値を示している。なお、図11(b)は上記第1の実施形態に対応し、図11(c)は上記第2の実施形態に対応している。
低速診断運転時には乗りかご8の走行速度が遅いので、そのときのトルクリミット値は高速診断運転時よりも低く設定される。ここで、上側のトルクリミット値をTMLMT_U、下側のトルクリミット値をTMLMT_Lとすると、下記の式(10)〜(13)で表せる。
低速診断運転時
TMLMT_U=TmWeight+LMTBAND_L+TmCMP …(10)
TMLMT_L=TmWeight−LMTBAND_L+TmCMP …(11)
高速診断運転時
TMLMT_U=TmWeight+LMTBAND_H+TmCMP …(12)
TMLMT_L=TmWeight−LMTBAND_H+TmCMP …(13)
なお、LMTBAND_Lは低速用バンド幅設定部(A)22によって設定されるトルクリミット値のバンド幅、LMTBAND_Hは高速用バンド幅設定部(A)21によって設定されるトルクリミット値のバンド幅であり、それぞれ予め実験を繰り返すことで、最適な値に設定される。
また、異常検出閾値についても同様である。上側の異常検出閾値をTMER_U、下側の異常検出閾値をTMER_Lとすると、下記の式(14)〜(17)で表せる。
低速診断運転時
TMER_U=TmWeight+TmBAND_L+TmCMP …(14)
TMER_L=TmWeight−TmBAND_L+TmCMP …(15)
高速診断運転時
TMER_U=TmWeight+TmBAND_H+TmCMP …(16)
TMER_L=TmWeight−TmBAND_H+TmCMP …(17)
なお、TmBAND_Lは低速用バンド幅設定部(B)24によって設定される異常検出閾値のバンド幅、TmBAND_Hは高速用バンド幅設定部(B)23によって設定される異常検出閾値のバンド幅であり、それぞれ予め実験を繰り返すことで、最適な値に設定される。
なお、以後の動きについては、上記第1乃至第3の実施形態で説明した通りであるため、ここではその説明を省略する。
以上のように第4の実施形態によれば、診断運転を行う速度に応じて異常検出閾値、トルクリミッタを切り替えることで、トルクの異常をより正確に検出して、信頼性の高い診断運転を行うことができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
第5の実施形態では、乗りかごの走行方向に応じて、上記第1の実施形態における異常検出閾値のバンド幅と、上記第2の実施形態における診断運転用トルクリミット値のバンド幅をそれぞれ設定することを特徴とする。
図12は本発明の第5の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成例を示すブロック図である。なお、図12において、上記第4の実施形態における図9の構成と同じ部分には同一符号を付して、その説明を省略するものとする。
第5の実施形態では、図9の構成に加え、UP用バンド幅設定部(A)25、DN用バンド幅設定部(A)26、UP用バンド幅設定部(B)27、DN用バンド幅設定部(B)28を備える。なお、「UP」は上昇、「DN」は下降を意味する。
UP用バンド幅設定部(A)25は、UPで診断運転する際のトルクリミット値のバンド幅を設定する。これに対し、DN用バンド幅設定部(A)26は、DNで診断運転する際のトルクリミット値のバンド幅を設定する。リミッタバンド幅設定部17は、UP走行のときにUP用バンド幅設定部(A)25を選択し、DN走行のときにDN用バンド幅設定部(A)26を選択する。
UP用バンド幅設定部(B)27は、UPで診断運転する際の異常検出閾値のバンド幅を設定する。これに対し、DN用バンド幅設定部(B)28は、DNで診断運転する際の異常検出閾値のバンド幅を設定する。閾値バンド幅設定部14は、UP走行のときにUP用バンド幅設定部(B)27を選択し、DN走行のときにDN用バンド幅設定部(B)28を選択する。
このような構成において、乗りかご8がUP方向に走行するときとDN方向に走行するときで、それぞれ別の方向に走行ロスが発生する。ゆえに、診断運転を行う方向に応じてトルクリミット値と異常検出閾値を切替えて設定することで、より正確な診断運転が可能となる。
この様子を図13および図14に示す。
図13は第5の実施形態におけるUP診断運転時のかご速度とトルク指令との関係を説明するための図であり、図13(a)はかご速度の走行パターン、同図(b)はトルク指令に対する異常検出の閾値、同図(c)はトルク指令に対するリミット値を示している。なお、図13(b)は上記第1の実施形態に対応し、図13(c)は上記第2の実施形態に対応している。
図14は第5の実施形態におけるDN診断運転時のかご速度とトルク指令との関係を説明するための図であり、図14(a)はかご速度の走行パターン、同図(b)はトルク指令に対する異常検出の閾値、同図(c)はトルク指令に対するリミット値を示している。なお、図14(b)は上記第1の実施形態に対応し、図14(c)は上記第2の実施形態に対応している。
上述したように、乗りかご8がUP方向に走行するときとDN方向に走行するときでは、それぞれ別の方向に走行ロスが発生する。そこで、UP方向の診断運転とDN方向の診断運転とでトルクリミット値を切替える。ここで、上側のトルクリミット値をTMLMT_U、下側のトルクリミット値をTMLMT_Lとすると、下記の式(18)〜(21)で表せる。
UP診断運転時
TMLMT_U=TmWeight+LMTBAND_P1+TmCMP…(18)
TMLMT_L=TmWeight−LMTBAND_M1+TmCMP…(19)
DN診断運転時
TMLMT_U=TmWeight+LMTBAND_M2+TMCMP…(20)
TMLMT_L=TmWeight−LMTBAND_P2+TmCMP…(21)
なお、LMTBAND_P1,LMTBAND_M1はUP用バンド幅設定部(A)25によって設定されるトルクリミット値のバンド幅、LMTBAND_M2,LMTBAND_P2はDN用バンド幅設定部(A)26によって設定されるトルクリミット値のバンド幅であり、それぞれ予め実験を繰り返すことで、最適な値に設定される。
また、異常検出閾値についても同様である。上側の異常検出閾値をTMER_U、下側の異常検出閾値をTMER_Lとすると、下記の式(22)〜(25)で表せる。
UP診断運転時
TMER_U=TmWeight+TmBAND_P1+TmCMP …(22)
TMER_L=TmWeight−TmBAND_M1+TmCMP …(23)
DN診断運転時
TMER_U=TmWeight+TmBAND_M2+TmCMP …(24)
TMER_L=TmWeight−TmBAND_P2+TmCMP …(25)
なお、TmBAND_P1,TmBAND_M1はUP用バンド幅設定部(B)27によって設定される異常検出閾値のバンド幅、TmBAND_M2,TmBAND_P2はDN用バンド幅設定部(B)28によって設定されるトルクリミット値のバンド幅であり、それぞれ予め実験を繰り返すことで、最適な値に設定される。
以上のように第5の実施形態によれば、診断運転の方向に応じて異常検出閾値、トルクリミッタを切替えることで、走行ロスを考慮したバンド幅設定が可能となり、より正確な診断運転が可能となる。
なお、上記各実施形態では、地震によってエレベータが停止した場合での診断運転を想定して説明したが、地震に限らず、強風などによってエレベータが停止した場合でも同様に適用可能である。
また、保守管理のために定期的に実行される診断運転に対して適用可能であり、その運転中にトルクの異常を検出した場合には、運転を中止することで事故を未然に防ぐことができる。
要するに、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の形態を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
図1は本発明の第1の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成例を示すブロック図である。 図2は第1の実施形態におけるかご速度とトルク指令との関係を説明するための図である。 図3は第1の実施形態におけるエレベータ制御装置による診断運転時の動作を示すフローチャートである。 図4は本発明の第2の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成例を示すブロック図である。 図5は第2の実施形態におけるかご速度とトルク指令との関係を説明するための図である。 図6は第2の実施形態におけるエレベータ制御装置による診断運転時の動作を示すフローチャートである。 図7は本発明の第3の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成例を示すブロック図である。 図8は第3の実施形態におけるかご速度とトルク指令との関係を説明するための図である。 図9は本発明の第4の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成例を示すブロック図である。 図10は第4の実施形態における低速診断運転時のかご速度とトルク指令との関係を説明するための図である。 図11は第4の実施形態における高速診断運転時のかご速度とトルク指令との関係を説明するための図である。 図12は本発明の第5の実施形態に係るエレベータの制御装置の構成例を示すブロック図である。 図13は第5の実施形態におけるUP診断運転時のかご速度とトルク指令との関係を説明するための図である。 図14は第5の実施形態におけるDN診断運転時のかご速度とトルク指令との関係を説明するための図である。
符号の説明
1…速度指令部、2…速度制御部、3…電流制御部、4…電流検出器、5…モータ、6…速度検出部、7…シーブ、7a…ロープ、8…乗りかご、9…カンウタウエイト、10…診断走行指令部、11…トルク異常判定部、12…トルク指令検出部、13…異常検出閾値設定部、14…閾値バンド幅設定部、15…通常運転用トルクリミッタ設定部、16…診断運転用トルクリミッタ設定部、17…リミッタバンド幅設定部、18…トルクリミッタ、19…かご位置検出部、20…ロープ補償トルク設定部、21…高速用バンド幅設定部(A)、22…低速用バンド幅設定部(A)、23…高速用バンド幅設定部(B)、24…低速用バンド幅設定部(B)、25…UP用バンド幅設定部(A)、26…DN用バンド幅設定部(A)、27…UP用バンド幅設定部(B)、28…DN用バンド幅設定部(B)。

Claims (9)

  1. 乗りかごを駆動するためのモータと、
    上記乗りかごを所定の速度で診断運転し、その間に上記モータに対して出力されるトルク指令値を検出するトルク指令検出手段と、
    上記乗りかごのゼロ速度時に上記トルク指令検出手段によって検出されるトルクを基準にして所定のバンド幅を加減算した値を異常検出の閾値として設定する閾値設定手段と、
    上記乗りかごの定常走行時に上記トルク指令検出手段によって検出されるトルクを監視し、上記閾値設定手段によって設定された閾値に基づいて異常の有無を判定する異常判定手段と、
    この異常判定手段によってトルクの異常が検出された場合に上記診断運転を中止して上記乗りかごを強制停止する診断走行指令手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータの制御装置。
  2. 乗りかごを駆動するためのモータと、
    上記乗りかごを所定の速度で診断運転し、その間に上記モータに対して出力されるトルク指令値を検出するトルク指令検出手段と、
    上記乗りかごのゼロ速度時に上記トルク指令検出手段によって検出されるトルクを基準にして所定のバンド幅を加減算した値を異常トルクに対するリミット値として設定するトルクリミッタ設定手段と、
    上記乗りかごの定常走行時以外では通常運転用に予め設定されたリミット値を用いて異常トルクをリミットし、上記乗りかごの定常走行時に上記トルクリミッタ設定手段によって設定されたリミット値に切り替えて異常トルクをリミットするリミッタ手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータの制御装置。
  3. 上記乗りかごのゼロ速度時に上記トルク指令検出手段によって検出されるトルクを基準にして所定のバンド幅を加減算した値をリミット値として設定するトルクリミッタ設定手段と、
    上記乗りかごの定常走行時以外では通常運転用に予め設定されたリミット値を用いて異常トルクを検出し、上記乗りかごの定常走行時に上記トルクリミッタ設定手段によって設定されたリミット値に切り替えて異常トルクを検出するリミッタ手段と
    をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
  4. 上記乗りかごの位置を検出するかご位置検出手段と、
    このかご位置検出手段によって検出されたかご位置情報に基づいてロープ自重を補償するためのロープ補償トルクを設定するロープ補償トルク設定手段とをさらに備え、
    上記閾値設定手段は、
    上記ロープ補償トルク設定手段によって設定されたロープ補償トルクを加味して異常検出の閾値を設定することを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
  5. 上記乗りかごの位置を検出するかご位置検出手段と、
    このかご位置検出手段によって検出されたかご位置情報に基づいてロープ自重を補償するためのロープ補償トルクを設定するロープ補償トルク設定手段とをさらに備え、
    上記トルクリミッタ設定手段は、
    上記ロープ補償トルク設定手段によって設定されたロープ補償トルクを加味して異常トルクに対するリミット値を設定することを特徴とする請求項2記載のエレベータの制御装置。
  6. 上記診断運転を行う速度に応じて閾値のバンド幅を設定するバンド幅設定手段をさらに備え、
    上記閾値設定手段は、
    上記乗りかごのゼロ速度時のトルクに上記バンド幅設定手段によって設定されたバンド幅を加減算した値を異常検出の閾値として設定することを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
  7. 上記診断運転を行う速度に応じてリミット値のバンド幅を設定するバンド幅設定手段をさらに備え、
    上記トルクリミッタ設定手段は、
    上記乗りかごのゼロ速度時のトルクに上記バンド幅設定手段によって設定されたバンド幅を加減算した値を異常トルクに対するリミット値として設定することを特徴とする請求項2記載のエレベータの制御装置。
  8. 上記乗りかごの走行方向に応じて閾値のバンド幅を設定するバンド幅設定手段をさらに備え、
    上記閾値設定手段は、
    上記乗りかごのゼロ速度時のトルクに上記バンド幅設定手段によって設定されたバンド幅を加減算した値を異常検出の閾値として設定することを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
  9. 上記乗りかごの走行方向に応じてリミット値のバンド幅を設定するバンド幅設定手段をさらに備え、
    上記トルクリミッタ設定手段は、
    上記乗りかごのゼロ速度時のトルクに上記バンド幅設定手段によって設定されたバンド幅を加減算した値を異常トルクに対するリミット値として設定することを特徴とする請求項2記載のエレベータの制御装置。
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