JPH1179595A - エレベータの地震時管制運転装置 - Google Patents

エレベータの地震時管制運転装置

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JPH1179595A
JPH1179595A JP24390997A JP24390997A JPH1179595A JP H1179595 A JPH1179595 A JP H1179595A JP 24390997 A JP24390997 A JP 24390997A JP 24390997 A JP24390997 A JP 24390997A JP H1179595 A JPH1179595 A JP H1179595A
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elevator
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earthquake
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JP24390997A
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Tomoyuki Hamada
朋之 浜田
Takaya Tanabata
高也 七夕
Takeyoshi Ando
武喜 安藤
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Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】地震発生時に地震感知器により運転を停止した
エレベータを安全且つ効率的に復帰させる。 【解決手段】地震時管制運転制御装置に設定する検出レ
ベルを、エレベータの行程高さ、型式、納入年、ビルの
構造、ビルが建てられている地盤の種別などから区分し
た各区分毎に被害の発生状況に応じてエレベータ毎に決
定する検出レベル決定処理手段101によって、実情に
適合するように決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータの地震
時の安全装置に関するものであり、特に地震発生時に地
震感知器が作動して運転を停止したエレベータを安全且
つ効率的に復帰させるようにしたエレベータの地震時管
制運転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータの地震時の安全装置として
は、地震感知器を使用した地震時管制運転制御装置が用
いられている。地震感知器が設定された検出レベル以上
の揺れを感知すると、エレベータの運行を停止し、その
旨がエレベータの保守会社に連絡される。保守会社は、
この連絡を受けると保守員を派遣して点検を行い、異常
がなければエレベータの運行を再開する復旧作業を行
う。
【0003】この地震感知器の感度(検出レベル)とし
ては、エレベータが安全に運行できなくなる揺れの強さ
として、設計値や経験的知識に基づいて決められた値に
ある程度の安全率を見込んだレベルが設けられている。
一般的には、建築基準やエレベータの種類によって画一
的に決められている。しかしながら、比較的高頻度で発
生する中小規模の地震では、地震感知器が作動しても、
エレベータには点検修理を必要とするような障害が発生
していないことが多い。このために、例えば特開平6−
227770号公報には、地震感知器に第1の検出レベ
ルと、それより強い揺れに応動する第2の検出レベルを
設定し、地震による揺れの強さが第1の検出レベルに達
すると、先ず、エレベータを停止させ、揺れの強さが第
2の検出レベルを超えない場合には、保守員を派遣しな
い形で何らかの自動点検動作を実施し、この自動点検動
作で異常が認められなければ、自動的に運転を再開する
地震時管制運転制御装置が開示されている。
【0004】ここで、自動点検動作の内容としては、エ
レベータの乗りかごを最上階から最下階まで通常運転よ
りもゆっくりとした低速運転で一往復させ、その間に各
種の異常検出器により異常が検出されなければ正常状態
にあると判定するものである。異常検出器の構成として
は、例えば、エレベータ機械室、昇降路内のガイドレー
ル支持ブラケット、乗りかご屋根部に設置されて異常音
や異常振動を検出するもの、巻き上げ機の駆動装置に設
置されて該巻き上げ機に異常なトルクが加わることによ
り発生する異常電流を検出するもの、あるいは、調速器
プーリに設置された速度検出器により乗りかごの移動速
度の変動を検出するものなどがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の地震
時管制運転制御装置では、揺れの強さが第2の検出レベ
ルに達していない状態でエレベータに何らかの障害が発
生していた場合には、自動点検動作時にエレベータの機
器を損傷する危険がある。例えば、釣り合いおもりがガ
イドレールからはずれていた場合には、この自動点検動
作中に釣り合いおもりが乗りかごなど他の機器と干渉す
る危険があるが、これは干渉が起こるまで異常検出器に
より検出することができない。また、各種の異常検出器
を設けたとしても、それら異常検出器では検出できない
障害が発生している場合も考えられる。このような場合
には、障害が発生しているにもかかわらず復旧(運行を
再開)させてしまう危険性がある。
【0006】このようなことを回避するために、更に多
くの異常検出器を設けることは、日常的には使用されな
い地震時管制運転制御装置のコストを上げることにな
り、購入者に多大の負担を強いることになる。
【0007】また、このような事態を防ぐために第2の
検出レベルを低く設定すると、障害が起こらないような
地震においても揺れの強さが第2の検出レベルを越える
ことが多くなり、保守員による点検復旧作業を軽減する
メリットが減少してしまう。
【0008】本発明の目的は、これらの問題を解決する
ことにあり、地震発生により停止したエレベータの保守
員による点検復旧作業の負担を軽減し、且つエレベータ
を安全に復旧させることができ、更に、安価なエレベー
タの地震時管制運転装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、検出レベルを
建築基準やエレベータの種類によって画一的に決めるの
ではなく、各エレベータが設置された設置状態に応じて
検出レベルを決めることにより、各エレベータの実情に
適合した検出レベルとして、保守員による不必要な点検
・復旧作業の労力を軽減し、しかも、自動復帰を行う際
の自動点検動作において、機器の損傷を起こす可能性を
低減し、更に、点検動作では検出できない障害が発生し
た状態で自動復帰させてしまう危険性も低減するもので
ある。
【0010】また、このような検出レベルを決定するた
めの情報(データ)は、日常的なエレベータの保守管理
業務あるいは地震発生時の点検・復帰作業で蓄積される
データを活用することにより、新たな多量のデータ作成
作業を不要にする。
【0011】具体的には、地震感知器を備え、この地震
感知器が検出した揺れの強さと検出レベルの関係に応じ
てエレベータの運行を停止し、停止した後の自動復帰ま
たは運行休止制御を実施するエレベータの地震時管制運
転装置において、エレベータの構造、型式、納入年、エ
レベータが設置されているビルの構造及び該ビルが建て
られている地盤の種別の幾つかの組み合わせによってエ
レベータの設置状態を区分し、この設置状態区分毎の被
害の発生状況に応じて前記検出レベルをエレベータ毎に
決定する検出レベル決定処理手段と、前記検出レベル決
定処理手段により決定した検出レベルを基準にして前記
自動復帰あるいは運行休止制御を実行する制御装置を備
えたことを特徴とする。
【0012】前記検出レベル決定処理手段は、エレベー
タの運行を停止するための基準とする第1の検出レベル
と、自動復帰または保守員による点検作業を選択するた
めの基準とする第2の検出レベルを決定する。第1の検
出レベルは、この第1の検出レベルの揺れに応動するよ
うに第1の地震感知器に設定し、前記第2の検出レベル
は、この第2の検出レベルの揺れに応動するように第2
の地震感知器に設定し、前記制御装置は、これらの地震
感知器からの検出信号に応じて前記自動復帰あるいは運
行休止制御を実行するようにする。
【0013】または、前記制御装置に、前記検出レベル
決定処理手段により決定された検出レベルデータをオン
ラインまたはオフラインで該制御装置のメモリに設定す
る手段を設け、この制御装置は、地震感知器から入力さ
れる揺れに応じた検出信号のレベルを前記検出レベルデ
ータと比較して前記自動復帰あるいは運行休止制御を実
行するようにする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面を参照し
て説明する。
【0015】図1は、本発明になるエレベータの地震時
管制運転装置における検出レベル決定装置の一実施形態
を示すブロック図である。図2は、地震時管制運転制御
装置を含むエレベータを設置したビルの断面図である。
図3は、地震時管制運転制御装置の一実施形態を示す機
能ブロック図である。図4は、地震時管制運転制御装置
の一実施形態を示すブロック図である。図5は、地震時
管制運転制御装置が地震時に実行する管制制御処理のフ
ローチャートである。図6は、検出レベル決定処理に用
いる各種データの構成を示す図である。図7は、検出レ
ベル決定処理手段が実行する検出レベル決定処理のフロ
ーチャートである。図8は、検出レベル決定処理手段が
検出レベル決定処理において作成する統合データの構成
を示す図である。図9は、検出レベル決定処理手段が検
出レベル決定処理において作成する被害発生率計算デー
タの構成を示す図である。図10は、検出レベル決定処
理手段が検出レベル決定処理において作成する被害発生
率曲線図である。
【0016】図2において、1はエレベータの乗りか
ご、2は乗りかご1を吊り上げる主ロープ、3は乗りか
ご1の重量を補償する釣り合いおもり、4は乗りかご1
の異常な降下(落下)を防止する調速器11に乗りかご
1の落下速度を伝えるための調速器ロープ、5は主ロー
プ2を巻き上げる巻き上げ機、6は巻き上げ機5の動作
及びエレベータ全般の動作を制御する制御盤、7は地震
時管制運転制御を実施する地震時管制運転制御装置、8
は地震の揺れを検出する地震感知器、9は巻き上げ機に
異常なトルクが働くことによって流れる過電流を検出す
る過電流検出器、10は調速器ローププーリ12に取り
付けられ、乗りかご1の移動速度を検出する速度検出器
である。
【0017】ここで、地震時管制運転制御装置7は、例
えば図4に示すように、マイクロプロセッサ701と、
その動作手順やデータなどを記憶した記憶装置702
と、そして地震感知器8,過電流検出器9,速度検出器
10等の出力信号の読み取り及び制御盤6への操作信号
の出力と制御盤6からのエレベータの状態を示す状態信
号の読み取りを行う信号入出力インタフェース装置70
3及び該信号入出力インタフェース装置703に接続さ
れた手動操作盤704と通信装置705などにより構成
する。
【0018】図3において、71は地震時管制運転動作
を制御する制御手段、72は地震感知器の第1及び第2
の感知レベルデータであり、これらは、主として、前記
記憶装置702に記憶させた制御プログラムやデータと
マイクロプロセッサ701によって実現する。
【0019】次に、図5を用いて地震時管制運転制御装
置7が地震時に実行する管制制御処理を説明する。図
は、複数階床に渡ってエレベータが停止しない急行ゾー
ンのない一般的なエレベータに関する例である。
【0020】地震時管制運転制御装置7は、地震感知器
8から入力される検出信号の加速度を読み込む(ステッ
プS501)。そして加速度の強さを判別し、第1の検
出レベルを超えていない場合には通常運転を継続する
(ステップS502)。加速度の強さが第1の検出レベ
ルを超えている場合には対応を要する地震発生と判断
し、以下の乗客避難制御を実行する。
【0021】まず、エレベータが走行中であれば最寄り
階に停止し(ステップS503,S504)、扉を開い
てアナウンスなどにより乗客を避難誘導する(ステップ
S505)。次に、ステップS501で読み込んだ加速
度の強さを判別し(ステップS506)、その強さが第
2の検出レベルを超えている場合には運転休止状態と
し、保守作業員による点検・復旧作業を待つこととする
(ステップS507)。
【0022】ステップS501で読み込んだ加速度の強
さが第2の検出レベルを超えていない場合には、一定時
間経過後に自動点検制御を実施する(ステップS50
8)。この点検制御では、例えばエレベータの乗りかご
を最上階から最下階まで通常運転よりもゆっくりとした
低速運転で一往復し、その間、各種の異常検出器から入
力される検出信号を監視して異常が検出されなければ正
常と判定する。異常検出器の手段としては、例えば過電
流検出器9及び速度検出器10であり、過電流検出器9
からの検出信号に基づく異常トルクの検出、速度検出器
10からの検出信号に基づく乗りかごの移動速度の異常
な変動の検出などを行う。以上の点検動作により異常が
検出されなければ、地震時管制運転制御処理を解除し、
通常運転制御に復帰する(ステップS509,S51
0)。この点検制御において異常が検出された場合は運
転休止状態とし、保守作業員による点検・復旧作業を待
つこととする(ステップS7)。
【0023】次に、地震時管制運転制御装置7における
第1,第2の検出レベルデータ72を決定する検出レベ
ル決定装置について図1及び図6〜図10を用いて説明
する。この検出レベル決定装置は、例えばコンピュータ
システムなどにより構成される情報処理装置である。こ
の検出レベル決定装置は、例えば多数のエレベータを保
守管理する保守会社に設置し、そこで以下に説明する情
報の収集とそれを用いたエレベータ毎の検出レベルの決
定を行い、そのデータを各エレベータの地震時管制運転
制御装置7にオフラインあるいはオンラインでセット
(設定または変更)する装置である。
【0024】図1において、101は感知レベル決定処
理手段、102はビル・エレベータデータ、103はエ
レベータの被害事例データ、104は地震データ、10
5は地盤データ、110はコンピュータ間で通信を行う
コンピュータネットワーク装置、111はデータ入力端
末装置、112は携帯端末装置、113は携帯端末の情
報を取り込むインタフェース装置、114は保守管理デ
ータベースである。
【0025】なお、この実施形態においては、検出レベ
ルを決定するために考慮するデータ項目として、エレベ
ータの行程高さ(エレベータが最下階から最上階まで移
動する高低差)、エレベータが設置されているビルの構
造及び該ビルが建てられている地盤の種別を使用するも
のとするが、必要に応じて他の項目、例えばエレベータ
の型式(定員あるいは一般用、住宅用、寝台用などの用
途)、エレベータの構造(使用ガイドレールのタイプ、
調速器ロープの位置など)、あるいは納入年などを用い
ても良い。
【0026】ビル・エレベータデータ102は、図6に
参照符号102で示すように、個々のエレベータを表す
管理番号102aに対応する形でエレベータの行程高
さ、エレベータの型式、納入年、エレベータが設置され
ているビルの構造、所在住所などのデータを記入したも
のである。このデータは、例えば該当する情報がエレベ
ータの保守会社が所有する保守管理データベース114
などにある場合にはそこから電子的に入力する。
【0027】エレベータの被害事例データ103は、図
6に参照符号103で示すように、発生した地震を区別
する地震番号103aとその地震においてエレベータに
生じた障害内容をエレベータ管理番号に対応させて記入
したものである。このデータは、地震が発生した際に復
旧作業員が現場を点検した記録をもとに作成する。即
ち、復旧作業員が携帯端末装置112を現場に携行し、
障害の発生状況等についての記録をこの携帯端末装置1
12に入力する場合は、この携帯端末装置112からイ
ンタフェース装置113を介して電子的に入力する。非
電子的に記録を報告する場合には、操作員によりデータ
入力端末装置111により手操作で入力する。
【0028】地震データ104は、図6に参照符号10
4で示すように、発生した地震を区別する地震番号10
4aと、その地震における地表最大加速度の分布データ
からなる。このデータは、例えば地震発生時に公的観測
機関より発表される震源位置、マグニチュード、各観測
点における地表最大加速度の観測値あるいはエレベータ
が設置されているビルの1階部分に地震計が設置されて
いる場合にはその観測値等を収集し、補間手段106に
より計算することで作成する。データの収集に際して
は、データがコンピュータネットワークや電話回線によ
り電子的に配信されるものであればコンピュータネット
ワーク装置110によりその情報を直接入力したり、非
電子的に公表されるものであれば操作員によりデータ入
力端末装置111により手操作で入力する。
【0029】地盤データ105は、図6に参照符号10
5で示すように、例えば耐震設計上の地盤種別とその分
布データからなる。このデータは、例えば公的調査機関
による地盤の調査結果あるいはエレベータ設置ビルの建
設時の調査データを収集し、それらのデータを耐震設計
上の例えば3種類の地盤種別に分類し、その分布を補間
手段107により計算することで作成する。データの収
集に際しては電子化されているものはそのデータを、電
子化されていないものについては操作員によりデータ入
力端末装置111により手操作で入力する。
【0030】これらのデータのうち、ビル・エレベータ
データ102と地盤データ105は、一度作成してしま
えばその修正はほとんど必要のないものであるが、地震
データ104と被害事例データ103は地震が起こるた
びに作成し、蓄積するものである。また、ビル・エレベ
ータデータ102は、エレベータの保守会社が日常的な
保守・管理業務において使用する保守管理データベース
等から容易に生成可能なものである。更に、被害事例デ
ータ103は、地震発生時に保守員が点検復帰作業を行
う際に容易に収集可能なデータである。
【0031】次に、検出レベル決定処理手段101が実
行する決定処理を図7を用いて説明する。まず、ビル・
エレベータデータ102と被害事例データ103,地震
データ104,地盤データ105より、管理番号102
a及び地震番号103a毎に検出レベル決定に必要なデ
ータを1つにまとめて図8に示すような統合データ80
1を作成する(ステップS701)。統合データ801
において、エレベータ行程高さ801cとビル構造80
1dについては、管理番号801bに対応するデータを
ビル・エレベータデータ102から探し出して記入す
る。地表最大加速度801fについては、まず、ビル・
エレベータデータ102により各エレベータの所在住所
を求め、その住所から地図上での位置を割り出す。そし
て、地震データ104の対応する地震番号の最大加速度
の分布データより対応する位置の加速度値を読みとり、
その値を記入する。地盤種別801eについても同様に
所在住所から割り出した地図上での位置に対応する地盤
データ105の地盤種別を読み取って記入する。被害の
有無801gについては、被害事例データ103におい
て対応する管理番号及び地震番号のものでエレベータの
通常運転を実施する上で問題となる障害の記載があった
ものについては被害「有り」とし、障害の記載が無かっ
たものについては被害「無」しとする。
【0032】次に、統合データ801に基づいて図9に
示すような被害発生率計算データ901を作成する(ス
テップS702)。まず、エレベータの行程高さを、例
えば15m未満、15m以上30m未満、30m以上4
5m未満、45m以上60m未満、60m以上といった
高さレンジ901aに区切る。また、加速度について
も、例えば50gal未満、50gal以上100ga
l未満、100gal以上150gal未満といった加
速度レンジ901dに区切る。このエレベータ行程高さ
のレンジ901aと、ビルの構造901b、地盤種別9
01c、加速度レンジ901dの総ての組み合わせにつ
いて、該当するエレベータの数とその内で被害有りとな
っているエレベータの数を統合データ801から集計
し、被害発生率計算データ901の被害台数901e及
び全台数901fの欄に記入する。
【0033】以上の処理により得られた被害発生率計算
データ901において、エレベータ行程高さのレンジ9
01aとビルの構造901b、地盤の種別901cの組
み合わせの1つ1つをエレベータの設置状態区分と呼ぶ
ことにする。
【0034】次に、検出レベル決定処理手段101は、
前述したような被害発生率計算データ901に基づいて
第1及び第2の検出レベルを決定する(ステップS70
3)。まず、被害発生率計算データ901をもとにし
て、図10に示すような被害発生率曲線を各エレベータ
の設置状態区分毎に作成する。図10において、ある加
速度レンジに対して対応する被害台数901eを全台数
901fで割った値をプロットしたものが点201であ
り、これらの点を滑らかな曲線で近似したものが被害発
生率曲線202である。そして、この曲線202が横軸
と交わる点203の加速度値をこの設置状態区分のエレ
ベータに対する被害発生レベルと呼ぶことにする。任意
のエレベータに対する第2の検出レベルは、そのエレベ
ータが属するエレベータ設置状態区分に対して求められ
た被害発生レベルにそのエレベータの地震感知器8が設
置されている階床までの高さに対応した応答倍率を乗
じ、ある程度の安全率を見込んだ値を減じた値に決定す
る。また、第1の検出レベルは、このようにして求めた
第2の検出レベルに対してある程度の安全率を見込んで
小さくした値に決定する。
【0035】以上の説明においては、地震時管制運転制
御装置7で用いる地震感知器8が出力する検出信号(計
測量)は加速度とし、検出レベル決定処理手段101に
おいては、最大加速度と被害発生率の関係を用いたが、
これに限定されるものではない。例えば、地震感知器8
として、SI値(Spectrum Intensity value)あるいは
気象庁計測震度階などを出力することができるものを用
い、これらの計測量を用いてもよい。この場合、地震デ
ータ104としては、それらの計測量に対応するものを
用意し、検出レベル決定処理手段101においては、こ
れらの計測量と被害発生率の関係を用いればよい。
【0036】また、以上の説明において地震データ10
4としては、地表最大加速度を用いたが、エレベータに
設置されている地震感知器8で計測した最大加速度を地
震データ104として収集できるようにし、地震感知器
8の設置場所における最大加速度を用いてもよい。この
場合には、検出レベルの決定においては、被害発生レベ
ル203にそのエレベータの地震感知器8が設置されて
いる階床までの高さに対応した応答倍率を乗じる必要は
ない。
【0037】更にまた、地震感知器8の設置場所をビル
の1階部分とするならば、検出レベルの決定において
は、被害発生レベル203にそのエレベータの地震感知
器8が設置されている階床までの高さに対応した応答倍
率を乗じる必要はない。
【0038】このようにして決定した第1及び第2の検
出レベルのデータ72は、地震時管制運転制御装置7に
おける手動操作盤704によってメモリ702にオフラ
インでセットし、あるいは通信装置705を介してオン
ラインでセットする。この第1及び第2の検出レベルデ
ータ72が書き換えられない場合には、そのメモリを交
換するようにする。
【0039】地震感知器8が機械式のものであって、そ
の検出レベル(作動レベル)が機械式に設定されている
地震感知器の場合には、地震時管制運転制御装置7は、
地震感知器8から入力される検出信号に応じた制御処理
を実行する。第1の検出レベルを超えて作動したことを
示す検出信号を入力すると、まず、エレベータが走行中
であれば最寄り階に停止し、扉を開いてアナウンスなど
により乗客を避難誘導する。更に、第2の検出レベルを
超えていることを示す検出信号が入力された場合には運
転休止状態とし、保守作業員による点検・復旧作業を待
つ。第2の検出レベルを超えたことを示す検出信号が入
力されない場合には、一定時間経過後に自動点検制御を
実施する。この点検制御において異常が検出された場合
は運転休止状態とし、保守作業員による点検・復旧作業
を待つ。
【0040】そして、このような機械式の地震感知器8
の場合には、検出レベルのセットは、この地震感知器8
の作動レベル(検出レベル)を錘の位置調整やバネ力調
整などによって変えるようにして行う。
【0041】
【発明の効果】本発明における検出レベル決定処理で
は、地震発生時のエレベータの障害発生の実情に適合し
た検出レベルに決定することができるので、保守員によ
る不必要な点検・復旧作業の労力を軽減することができ
る。しかも、自動復帰を行う際の自動点検動作におい
て、機器の損傷を起こす可能性を低減することができ
る。更に、点検動作では検出できない障害が発生した状
態で自動復帰させてしまう危険性も低減することができ
る。
【0042】また、本発明による検出レベル決定処理手
段によれば、日常的なエレベータの保守管理業務あるい
は地震発生時の点検・復帰作業で蓄積されるデータを活
用するので、新たに多量のデータ作成作業を行う必要が
ないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるエレベータの地震と来管制運転装
置における検出レベル決定装置の一実施携帯を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明になる地震時管制運転制御装置を含むエ
レベータを設置したビルの断面図である。
【図3】本発明になる地震時管制運転制御装置の機能ブ
ロック図である。
【図4】本発明になる地震時管制運転制御装置のブロッ
ク図である。
【図5】本発明になる地震時管制運転制御装置が地震時
に実行する管制制御処理のフローチャートである。
【図6】検出レベル決定処理に用いる各種データの構成
を示す図である。
【図7】本発明になる検出レベル決定処理手段が実行す
る検出レベル決定処理のフローチャートである。
【図8】本発明になる検出レベル決定処理手段が検出レ
ベル決定処理において作成する統合データの構成を示す
図である。
【図9】本発明になる検出レベル決定処理手段が検出レ
ベル決定処理において作成する被害発生率計算データの
構成を示す図である。
【図10】本発明になる検出レベル決定処理手段が検出
レベル決定処理において作成する被害発生率曲線図であ
る。
【符号の説明】
101…検出レベル決定処理手段、102…ビル・エレ
ベータデータ、103…被害事例データ、104…地震
データ、105…地盤データ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 武喜 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地震感知器を備え、この地震感知器が検出
    した揺れの強さと検出レベルの関係に応じてエレベータ
    の運行を停止し、停止した後の自動復帰または運行休止
    制御を実施するエレベータの地震時管制運転装置におい
    て、 エレベータの構造、型式、納入年、エレベータが設置さ
    れているビルの構造及び該ビルが建てられている地盤の
    種別の幾つかの組み合わせによってエレベータの設置状
    態を区分し、この設置状態区分毎の被害の発生状況に応
    じて前記検出レベルをエレベータ毎に決定する検出レベ
    ル決定処理手段と、前記検出レベル決定処理手段により
    決定した検出レベルを基準にして前記自動復帰あるいは
    運行休止制御を実行する制御装置を備えたことを特徴と
    するエレベータの地震時管制運転装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記検出レベル決定処
    理手段は、エレベータの運行を停止するための基準とす
    る第1の検出レベルと、自動復帰または保守員による点
    検作業を選択するための基準とする第2の検出レベルを
    決定するようにしたことを特徴とするエレベータの地震
    時管制運転装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記地震感知器は、第
    1の検出レベルの揺れに応動する第1の地震感知器と、
    第2の検出レベルの揺れに応動する第2の地震感知器を
    備えたことを特徴とするエレベータの地震時管制運転装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1または2において、前記制御装置
    は、検出レベル決定処理手段により決定された検出レベ
    ルデータを設定するメモリを備えたことを特徴とするエ
    レベータの地震時管制運転装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記制御装置は、検出
    レベル決定処理手段により決定された検出レベルデータ
    をオンラインまたはオフラインで前記メモリに設定する
    手段を備えたことを特徴とするエレベータの地震時管制
    運転装置。
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