JP3325448B2 - アコースティック・エミッションを用いた回転機軸受診断装置 - Google Patents

アコースティック・エミッションを用いた回転機軸受診断装置

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JP3325448B2 JP01914096A JP1914096A JP3325448B2 JP 3325448 B2 JP3325448 B2 JP 3325448B2 JP 01914096 A JP01914096 A JP 01914096A JP 1914096 A JP1914096 A JP 1914096A JP 3325448 B2 JP3325448 B2 JP 3325448B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転機の軸受の損
傷の有無を当該軸受を分解することなく診断するアコー
スティック・エミッションを用いた回転機軸受診断装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】回転機の軸受に損傷が生じると回転機の
円滑な回転が阻害され、遂には回転不可能となり、当該
回転機を用いている設備全体を停止しなければならない
事態を生じる。このため、回転機軸受の損傷の有無の診
断は極めて重要であり、多くの設備では当該診断が定期
的に又は任意に行なわれる。この診断には、軸受を分解
してこれを構成する転動体、内輪、外輪等を1つ1つ検
査する手段と軸受を分解しないで診断する手段とがあ
る。後者の手段として、例えば特開昭64−49708
号公報等により良く知られているアコースティック・エ
ミッション(以下、AEと称する。)を用いる手段があ
る。この手段は、回転機の駆動中に軸受から発生する応
力波を検出し、これを解析することにより軸受の損傷の
有無を診断する手段である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記AEを用いた診断
装置においては、検出されたAEデータを予め設定され
た設定値と比較し、設定値を超えたAEデータをチェッ
クする手法が用いられている。ところで、AEデータの
レベルは軸受により異なり、荷重の大きい軸受で発生す
るAEのレベルは大きく、逆に、荷重の小さい軸受で発
生するAEのレベルは小さい。したがって、AEを用い
た軸受の診断においては、診断対象の軸受の荷重を勘案
して上記設定値を設定しておく必要があり、設備内に複
数の軸受がある場合には、各軸受毎に設定値を定めてお
かなければならず、かつ、軸受の検査員は診断対象の軸
受毎にその軸受の上記設定値を確認して設定値を設定し
直さなければならず、いずれも面倒であるばかりでな
く、設定値を誤って設定するおそれもあり、診断対象軸
受の数が多ければ多いほど誤設定のおそれも多い。
【0004】さらに、回転機には、例えばエスカレータ
の回転機のように長時間一定速度で連続運転されるもの
や、例えばエレベータの巻上機のように断続回転するも
のもあるが、従来のAEを用いた軸受診断装置では、連
続運転される回転機の軸受の診断は可能であるが、断続
運転される回転機の軸受の診断はできないという問題が
あった。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術における課
題を解決し、荷重の大小や回転機の回転態様の如何にか
かわらず、どのような軸受に対してもその診断を行なう
ことができるAEを用いた回転機軸受診断装置を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、請求項1の発明は、回転機の回転によりその軸
受から発生するアコースティック・エミッションを検出
する検出器の検出値に基づいて前記軸受の良否を診断す
る回転機軸受診断装置において、前記検出器の検出値の
実効値を求める実効値算出手段と、この実効値算出手段
で得られた実効値に応じて前記検出器の検出値に対する
しきい値を求めるしきい値算出手段と、前記実効値に基
づき前記回転機の定速運転期間における所定期間を演算
しこの期間中にゲート信号を発するコンパレータと、こ
のゲート信号の発信時のみ前記検出値を採取するゲート
回路と、この採取された検出値と前記しきい値とを比較
して当該検出値が前記しきい値を超えたときパルスを出
力する別のコンパレータと、このパルスの数を記憶する
記憶手段と、前記所定期間の合計時間が予め定められた
所定時間に達したとき前記記憶手段に記憶されたパルス
数に基づいて前記軸受の良否を判断する判断手段とを設
けたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態に係る
AEを用いたエレベータの巻上機軸受診断装置のブロッ
ク図、図2はエレベータの巻上機の側面図である。これ
らの図のように、本実施の形態では、断続運転の典型例
であるエレベータの巻上機軸受診断装置を例示して説明
する。最初に、図2を用いてエレベータの巻上機の概略
構成を説明する。図2で20はエレベータの巻上機を示
す。21、22はエレベータの巻上機の軸受、23は巻
上機により駆動されるシーブ、24はシーブ23に巻取
られるロープ、25はロープ24の一端に吊り下げられ
たエレベータの乗りかごである。ロープ24の他端には
カウンタエイトが吊り下げられているが図示されていな
い。なお、1はAEセンサであり、各軸受21、22の
診断時にそれらに図示のように取り付けられ、又は当接
されることになる。
【0008】巻上機20が一方向に回転駆動されると乗
りかご25はロープ24に巻き上げられて上昇し、他方
向に回転駆動されると乗りかご25は下降する。巻上機
20は、エレベータの運行中、乗客の指示に応じて指示
された階床に到達するまで一方向又は他方向に回転し、
指示された階床に到達すると停止するという断続運転を
繰り返す。
【0009】ここで、本実施の形態のAEを用いたエレ
ベータの巻上機軸受診断装置の構成を図1により説明す
る。図1で、1は図2に示すものと同じAEセンサ、2
はAEセンサ1の検出信号を増幅する増幅器、3は増幅
された検出信号を検波する検波回路、4は検出信号の実
効値(1/√2)を演算する実効値回路、5は実効値回
路4で得られた実効値と所定の設定値とを比較するコン
パレータ、6は前記設定値を設定する設定部である。こ
の設定部6に設定する設定値については後述する。
【0010】7は増幅器2で増幅された検出信号のうち
の特定の周波数信号(例えば60〜350 Hz)のみを通す
バイパスフィルタ、8は検波回路、9はコンパレータ5
から出力される高レベル信号の時間だけ開くゲート回
路、10はゲート回路9を通った検出信号と設定値(後
述する)とを比較するコンパレータ、11は当該設定値
を出力するD/A変換器、12はコンパレータ10から
出力される信号を所定のパルス信号に変換する波形整形
回路である。13は検波回路8の出力信号の実効値を演
算する実効値回路、14、15はA/D変換器である。
【0011】16はマイクロコンピュータで構成される
制御部、17は制御部16からの信号をアナログ値に変
換するD/A変換器、18は所要の表示を行なう表示部
である。制御部16は、入出力部161、所要の演算制
御を行なう中央処理ユニット(CPU)162、CPU
162の処理手順が格納されたリードオンリメモリ(R
OM)、演算制御の結果等を格納するランダムアクセス
メモリ(RAM)164、検波回路8の出力信号を格納
する波形メモリ165、および計時を行なうクロック1
66等により構成されている。
【0012】次に、本実施の形態の動作を、図3、図
4、図5および図6を参照して説明する。図3はエレベ
ータにおいて、ある階床から目的階床への運行を説明す
る図である。この図で、横軸には時間、縦軸にはエレベ
ータの速度(巻上機20の回転速度に比例する)がとっ
てある。時刻t1 である階床を出発したエレベータは図
示の線VA で示すように加速され、時刻t2 で一定速度
C となり、目的階床に近付いた時刻t3 で線VD で示
すように減速され、時刻t4 に至って停止する。時刻t
1 〜t4 はほとんどのエレベータの場合1分以内であ
る。このような運転が各階床間の移動毎に繰り返され
る。このエレベータの運転中、巻上機20の各軸受2
1、22で発生するAEは、エレベータの速度の増大に
伴って増加し、減少に伴って減少する。
【0013】図2に示す軸受21の診断を行なう場合、
検査員は当該軸受21にAEセンサ1を当接する。AE
センサ1は軸受21が発する応力波を検出し、これに比
例した電気信号を検出信号として出力する。この検出信
号は増幅器2で増幅され、検波回路3で検波される。こ
の検波されて出力される信号が図4に曲線AE として示
されている。当該図4では、横軸に時間、縦軸に電圧が
とってある。前述のように、検波されたAE信号はエレ
ベータの速度の増減に応じてその電圧レベルを増減す
る。検波回路3から出力された信号は実効値回路4によ
りその実効値が演算され出力される。当該実効値回路4
の出力信号(実効値)が図4に符号EV で示されてい
る。実効値EV はコンパレータ5で、設定部6に設定さ
れた設定値と比較される。
【0014】ここで、設定部6に設定される設定値を図
5を用いて説明する。図5の(a)は図4に示す実効値
V の波形を判り易く直線で示した図、図5の(b)は
コンパレータ5の出力信号の波形図、図5の(c)は診
断対象となるAEの検出信号の取り込み期間(後述す
る)を示す図である。本実施の形態では、エレベータの
加速期間および減速期間、即ち巻上機20の回転速度が
小さい期間はAEの検出信号が小さくノイズが大きく影
響するので、これらの期間の信号は用いず、エレベータ
の定速期間におけるAEの検出信号を用いる。このた
め、設定部6には図5の(a)に示す2つの電圧v1
2 が設定値として設定される。電圧v1 は例えば300
mVに、電圧v2 は例えば200 mVに選定される。
【0015】コンパレータ5は実効値回路4から出力さ
れる実効値信号を最初に設定値v1と比較し、実効値信
号EV が設定値v1 以上になったとき高レベル信号を出
力し、次いで、実効値信号を設定値v2 と比較し、実効
値信号EV が設定値v2 以下となったとき低レベル信号
を出力する。このコンパレータ5の出力信号(ゲート信
号)G1 が図5の(b)に示されている。このゲート信
号G1 は、ゲート回路9および制御部16へ出力され
る。このゲート信号G1 を用いてエレベータの定速期間
の把握の準備がなされる。なお、設定値v1 と設定値v
2 を異なる値としたのは、実際の実効値信号EVは図4
又は図5に示すように連続して増加、減少するものでは
なく、絶えず細かに増減しながら増加、減少してゆくの
で、両者を同一値とすると設定値付近でゲート信号のO
N、OFFが繰り返されて定速期間を把握することがで
きなくなるからである。
【0016】一方、増幅器2から出力される検出信号は
バイパスフィルタ7を通過することにより、ノイズ成分
が除去され、次いで検波回路8により検波される。検波
された検出信号はゲート回路9に入力されるが、上述の
ように、ゲート回路9はゲート信号G1 が高レベルの期
間だけゲートを開いているので、当該期間の検出信号の
み通過してコンパレータ10に入力される。コンパレー
タ10は入力された検出信号とD/A変換器11から出
力されるしきい値信号とを比較して、検出信号が当該し
きい値信号以上のとき信号を出力する。当該しきい値信
号が図4に符号SH で示されている。このしきい値信号
H は、制御部16で実効値信号に所定の数を乗算し又
は所定の数を加算することにより算出され、上記D/A
変換器11を介して出力される。一例として、しきい値
信号SH は実効値信号の2倍の値とされる。制御部16
におけるしきい値SH の作成については後述する。波形
整形回路12はコンパレータ10から1つの信号が出力
される都度、予め定められた大きさおよび幅の1つのパ
ルスを出力し、このパルスは制御部16に入力される。
【0017】さらに、検波回路8で検波された検出信号
は実効値回路13に入力され、この実効値回路13で得
られた実効値がA/D変換器14を経て制御部16に入
力される。一方、検波回路8で検波された検出信号はA
/D変換器15を経て直接制御部16に入力される。
【0018】次に、制御部16の動作を図6に示すフロ
ーチャートを参照して説明する。CPU162は入出力
部161を介してコンパレータ5の信号を取り込み、ゲ
ート信号G1 が高レベル(ゲート開信号)になったか否
か判断する(図6に示す手順S1 )。ゲート信号G1
高レベルになるとCPU162はクロック166を作動
させて計時を開始する(手順S2 )。
【0019】ここで、クロック166による計時につい
て説明する。このクロック166により計時される時間
11、t12(秒)が図5の(c)に示されている。さき
に述べたように、図5の(b)に示すゲート信号G1
は、設定値v1 、v2 により作成されるが、実際の実効
値信号EV からエレベータが定速期間に入った時点又は
定速期間が終了した時点を把握するのは困難である。そ
れ故、図5の(a)に示すように、設定値v1 、v2
は、定速期間に入る直前の実効値又は定速期間が終了し
た直後の実効値と考えられる値に選定されている。した
がって、ゲート信号G1 の高レベル期間の検出信号をそ
のまま取り込むと定速期間以外の期間の検出信号も取り
込むこととなり、ノイズの影響を受けるおそれがある。
【0020】そこで、本実施の形態では図5の(c)に
示すように、ゲート信号G1 の立上りから、確実に定速
期間に入ったとみなされる所定時間t11を計時すること
により定速期間を捉え、所定時間t11から、確実に定速
期間にあると考えられる所定時間t12経過までのゲート
2 を設けることにより、確実にエレベータの定速期間
を捕捉するものである。さらに、ゲートG2 を設けるこ
とにより、定速期間に達する前に又は定速期間に入って
短時間でエレベータの減速がなされる場合の検出信号の
取り込みを排除し、正確な判断に寄与するものである。
【0021】CPU162は所定の時間t11秒が経過し
たか否かを判断し(手順S3 )、経過すると実効値回路
13から出力される実効値をA/D変換器14、入出力
部161を介して取り込み(手順S4 )、取り込んだ実
効値に基づいてしきい値を演算(例えば実効値の2倍)
し(手順S5 )、これを入出力部161およびD/A変
換器11を介してコンパレータ10へ出力する(手順S
6 )。次いでCPU162は波形整形回路12からのパ
ルスが入力されたか否かを判断し(手順S7 )、入力さ
れた場合は、RAM164に格納されている既に入力さ
れているパルス数に「1」を加算し(手順S8 )、(t
11+t12)秒が経過したか否かを(ゲートG2 期間が経
過したか否かを)判断する(手順S9 )。手順S7 の処
理でパルスが入力されないと判断した場合は処理を手順
9 へ移行させる。CPU162は手順S9 の処理でゲ
ートG1 期間が経過していないと判断すると処理を手順
4 へ戻して再び手順S4 〜S9 の処理を繰り返す。
【0022】CPU162は手順S9 でゲートG1 期間
が経過したと判断すると、クロック166をリセットし
(手順S10)、次いでコンパレータ5からの低レベル信
号の出力(ゲートG1 閉)を待つ(手順S11)。低レベ
ル信号の出力があったとき、CPU162は当該データ
採取が所定回数に達したか否か、即ち、ゲートG2 にお
ける検出信号採取の処理が所定回数に達したか否かを判
断する(手順S12)。この判断は、ゲートG2 の延べ時
間が所定時間(エスカレータ等連続運転の回転機軸受の
診断における検出信号の採取時間と同一時間)に達した
か否かを判断することと等しい。検出信号採取処理が所
定回数に達していない場合には、処理を手順S1 へ移行
させて次の巻上機20の駆動を待つ。又、所定回数に達
している場合、CPU162はRAM164に格納され
ているパルス数に基づいて軸受21における損傷の有無
を従来と同様の手法で診断する処理を行なうとともに、
RAM164に格納されているパルス数をリセットする
(手順S13)。なお、上記診断は、RAM164に格納
されているパルス数と予め設定されたパルス数とを比較
し、前者が後者以上のとき損傷のおそれ有りと診断す
る。
【0023】図5に示す波形メモリ165は、検波回路
8で検波された検出信号を取り込んで格納するメモリで
あり、図6に示す処理は波形メモリ165への検出信号
の取り込み処理に適宜割り込んで実行される。波形メモ
リ165に格納された波形データは、CPU162によ
り取り出され、入出力部161およびD/A変換器17
を介して表示部18に表示される。この場合、波形メモ
リ165に格納される波形データの数は、表示部18の
表示領域に表示し得るデータの数に比較してはるかに多
いので、波形メモリ165から取り出される波形データ
は、上記表示領域に適合するように適宜の間隔で間引き
されて取り出され、表示されることとなる。
【0024】なお、上記実施の形態の説明では、固定さ
れた時間間隔t12のゲートG2 を用いる例について説明
したが、これに限ることはなく、ゲートG2 の時間間隔
を固定しない手段を用いることができる。そのために
は、図6に示すフローチャートにおける手順S7 〜S11
の処理を次のような処理とする。即ち、ゲート閉信号の
入力があるまでパルス信号が入力する毎にその時間をR
AM164に記憶し、ゲート閉信号の入力があったと
き、その時点から所定時間遡った時間以前に入力された
パルス数を採用する。そして、時間t11から当該遡った
時間までの時間間隔を演算してRAM164に記憶して
おき、手順S12の処理では、記憶された時間の総計が所
定時間に達したか否かを判断すればよい。この手段によ
り定速期間を充分に活用することができ、診断をより一
層迅速に行なうことができる。
【0025】このように、本実施の形態では、AEセン
サの検出信号から実効値を求め、この実効値に基づいて
検出信号に対するしきい値を作成するようにしたので、
診断対象の軸受の荷重が異なってもそれに伴って設定値
を変更する必要はなく、かつ、ゲートを設けて定速運転
時に検出信号を採取するようにしたので、断続運転され
るエレベータの巻上機の軸受の診断も行なうことができ
る。
【0026】なお、上記実施の形態の説明では、エレベ
ータの巻上機の軸受の診断について説明したが、回転機
の軸受であればどのような軸受にも適用することがで
き、例えばエスカレータのような連続運転する回転機の
軸受の診断にも適用することができる。この場合、図6
に示す手順S11の「ゲート閉信号の入力あり」の判断処
理が除かれるのは明らかである。又、増幅回路、検波回
路、およびバイパスフィルタ以外の機能はマイクロコン
ピュータで遂行することができる。
【0027】さらに、近年、建造物内の各種設備(エレ
ベータ、エスカレータ、屋上水槽等)の保守は保守専門
の会社に委託することが多く、この場合、保守専門の会
社は当該設備について専門知識を有する保守員を、保守
契約をした各建造物に派遣して保守を行なわせることに
なる。そして、保守専門の会社では、保守作業について
の種々の処理を簡素化するため、各保守員に携帯型のコ
ンピュータを携行するシステムが採用されつつある。そ
こで、保守員が保守対象の回転機の軸受を診断する場
合、本実施の形態のうち、マイクロコンピュータで処理
できる構成を上記携帯型のコンピュータに収納すれば、
保守員が軸受診断のために携行するAEセンサ以外のマ
イクロコンピュータを使用しない構成を著しく簡素化す
ることができ、これらを収納するケースの重量と容量を
小型化して保守員の負担を軽減することができる。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、AEセ
ンサの検出信号から実効値を求め、この実効値に基づい
て検出信号に対するしきい値を作成するようにしたの
で、診断対象の軸受の荷重が異なっても、それに伴って
設定値を変更する必要はなく、診断を誤りなく容易に行
なうことができ、かつ、ゲートを設けて回転機の定速運
転時に検出信号を採取するようにしたので、断続運転さ
れる回転機の軸受の診断も正確に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るAEを用いたエレベ
ータの巻上機軸受診断装置のブロック図である。
【図2】エレベータの巻上機の側面図である。
【図3】エレベータの速度を示す図である。
【図4】検出信号、実効値信号およびしきい値信号を示
す図である。
【図5】図1に示す回路に用いられるゲートを説明する
図である。
【図6】図1に示す制御部の動作を説明するフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 AEセンサ 2 増幅器 3、8 検波回路 4、13 実効値回路 5、10 コンパレータ 7 バイパスフィルタ 9 ゲート回路 12 波形整形回路 16 制御部 18 表示部
フロントページの続き (72)発明者 中島 修二 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式 会社 日立エンジニアリングサービス内 (72)発明者 土田 健二 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式 会社 日立エンジニアリングサービス内 (72)発明者 鬼沢 文生 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式 会社 日立エンジニアリングサービス内 (56)参考文献 特開 昭64−49708(JP,A) 特開 昭63−304128(JP,A) 特開 昭57−6324(JP,A) 特開 昭56−24528(JP,A) 特開 昭55−71928(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 13/04 G01H 17/00 G01N 29/14 B66B 5/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転機の回転によりその軸受から発生す
    るアコースティック・エミッションを検出する検出器の
    検出値に基づいて前記軸受の良否を診断する回転機軸受
    診断装置において、 前記検出器の検出値の実効値を求める実効値算出手段
    と、この実効値算出手段で得られた実効値に応じて前記
    検出器の検出値に対するしきい値を求めるしきい値算出
    手段と、前記実効値に基づき前記回転機の定速運転期間
    における所定期間を演算しこの期間中にゲート信号を発
    するコンパレータと、このゲート信号の発信時のみ前記
    検出値を採取するゲート回路と、この採取された検出値
    と前記しきい値とを比較して当該検出値が前記しきい値
    を超えたときパルスを出力する別のコンパレータと、こ
    のパルスの数を記憶する記憶手段と、前記所定期間の合
    計時間が予め定められた所定時間に達したとき前記記憶
    手段に記憶されたパルス数に基づいて前記軸受の良否を
    判断する判断手段とを設けたことを特徴とするアコース
    ティック・エミッションを用いた回転機軸受診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記コンパレータ
    は、前記実効値が前記定速運転期間に入る直前の値に設
    定された第1の設定値と、前記実効値が前記定速運転期
    間が終了した直後の値に設定された第2の設定値との範
    囲内の値であるときに、前記回転機の定速運転期間であ
    るとしてゲート信号を発信することを特徴とするアコー
    スティック・エミッションを用いた回転機軸受診断装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記コンパレータ
    は、前記実効値が、前記第1の設定値以上となった時点
    から確実に定速期間に入ったとみなされる所定時間後か
    ら、前記第2の設定値以下となった時点から確実に定速
    期間にあると考えられる所定時間だけ溯った時点までの
    期間内であるときに、前記回転機の定速運転期間である
    としてゲート信号を発信することを特徴とするアコース
    ティック・エミッションを用いた回転機軸受診断装置。
JP01914096A 1996-02-05 1996-02-05 アコースティック・エミッションを用いた回転機軸受診断装置 Expired - Fee Related JP3325448B2 (ja)

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