JP5071780B2 - ステッピングモータ駆動装置、用紙処理装置、及び画像処理装置 - Google Patents

ステッピングモータ駆動装置、用紙処理装置、及び画像処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、用紙処理装置等に搭載されるステッピングモータの駆動方式に関する。
ステッピングモータを駆動するに当たって、脱調を防ぐためにモータ駆動前にモータと相信号の位相を一致させること、いわゆる「位相合わせ」が必要となる。位相合わせの方法は従来いくつか提案されている。
装置の電源投入時に、ステッピングモータを一定時間励磁する方法が提案されている(例えば、特許文献1 参照。)。この提案では、位相が再度ずれた可能性がある時に再び一定時間の励磁を行っている。
ステッピングモータの駆動を、主パルスと、無通電前の停止位置に復帰する無通電後の初動の少なくとも1パルスとする提案がある(例えば、特許文献2 参照。)。
しかしながら、モータ駆動直前に「位相合わせ」を行うと、本駆動のモータ起動時間が遅れ、高速処理が要求される場合間に合わなくなる。なお、ここでいう「位相合わせ」とは、ステッピングモータを若干ではあるが駆動させて位相のずれを修正することを意味しており、広い意味では「位相合わせ」もモータ駆動にあたる。そのため、ここでは、ステッピングモータを本来の目的のために駆動することを、上記のように本駆動と呼んで区別する。
電源ON時やカバー閉時に「位相合わせ」を行うと上記不具合が解消できるが、一定時間の励磁だけでは位相が一致しない(位相がずれたままローターが動かない)場合がある。
特開2001−292597号公報 特開2001−346399号公報
本発明は、ステッピングモータの位相合わせに伴う上記のような不具合を解消することを目的とする。さらに、そのような対策を講じても、使用条件によっては新たに発生する不具合が避けられない場合、そのような様々な不具合を解消することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、ステップ信号の駆動パルスに応じてステッピングモータを駆動して停止後無通電とするステッピングモータ駆動装置において、位相ずれが生じた可能性のあるタイミングで、モータに所定時間通電後、更に1パルス以上の駆動パルスを与え、最後のパルスは所定時間継続する相信号を与えることによって、ローターと相信号の位相を一致させる位相合わせ駆動を行い、該位相合わせ駆動を行った後、同パルス数の逆転駆動を行い、相信号を位相合わせ駆動開始時の状態に戻すものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のステッピングモータ駆動装置において、前記逆転の駆動方向は本駆動の方向と同じ方向に行うものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のステッピングモータ駆動装置を少なくとも1つ備えたものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の用紙処理装置において、該用紙処理装置の電源が投入されたとき、前記位相合わせを行うものである。
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の用紙処理装置において、上流機から用紙を受け入れる時に前記位相合わせを行うものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の用紙処理装置において、上流機から用紙を受け入れる時にステッピングモータが停止中であるときのみ前記位相合わせを行うものである。
請求項7に記載の発明は、請求項3ないし6のいずれか1つに記載の用紙処理装置において、全ての動作を禁止する動作禁止モードを有し、該動作禁止モードが解除されたときに前記位相合わせを行うものである。
請求項8に記載の発明は、請求項3ないし7のいずれか1つに記載の用紙処理装置において、ジャム処理等で装置の内部を操作するための開閉ドアを有し、該開閉ドアが開から閉に変化したときに前記位相合わせを行うものである。
請求項9に記載の発明は、請求項3ないし8のいずれか1つに記載の用紙処理装置において、用紙処理を行っていない装置停止状態のときは、一定時間おきに前記位相合わせを行うものである。
請求項10に記載の発明は、請求項3ないし9のいずれか1つに記載の用紙処理装置において、該装置内に残紙が無い場合のみ前記位相合わせを行うものである。
請求項11に記載の発明は、請求項3ないし10のいずれか1つに記載の用紙処理装置において、該装置内の各機構に異常が無い場合のみ前記位相合わせを行うものである。
請求項12に記載の発明は、請求項3ないし11のいずれか1つに記載の用紙処理装置を備えたものである。
本発明によれば、ステッピングモータの本駆動に支障が生じない位相合わせが行える。
図1は本発明の実施の形態に係るシート後処理装置の全体構成図である。
同図において符号1は入口ローラ、2は搬送ローラ、9、10は搬送ローラ、11はステイプル排紙ローラ、15、16、17は分岐爪、44はガイド部材、100はパンチユニット、201は上トレイ、202はシフトトレイ、203は下トレイ、301は入口センサ、A、B、C、D、Hはシート搬送路、Eはシート収容部、F、Gは処理トレイをそれぞれ示す。その他の符号はそれぞれの説明図に応じて説明する。
シート後処理装置は画像形成装置に取付けられた事を想定し以下に説明をする。
このシート後処理装置は、画像形成装置の側部に取り付けられており、画像形成装置より排出されたシートはシート後処理装置に導かれる。前記シートは、1枚のシートに後処理を施す後処理手段(実施例では穿孔手段としてパンチユニット)を有する搬送路Aを通り、上トレイ201へ導く搬送路B、シフトトレイ202へ導く搬送路C、整合およびステイプル綴じ等を行う処理トレイFへ導く搬送路Dへ、分岐爪15および分岐爪16によって振り分けられるように構成される。
処理トレイFで整合およびステイプル等を施されたシートは、偏向手段であるガイド部材44により、シフトトレイ202へ導く搬送路C、折り等を施す処理トレイGへ振り分けられるように構成され、処理トレイGで折り等を施されたシートは搬送路Hを通り下トレイ203へ導かれる。
また、搬送路D内に分岐爪17が配置されており図示してない低荷重バネにより同図の状態に保持されており、シート後端がこれを通過した後、搬送ローラ9、10、ステイプル排紙ローラ11の内、少なくともいずれかの搬送ローラを逆転する事で後端をシート収容部Eへ導き滞留させ、次シートと重ね合せて搬送する事が可能なように構成されている。この動作を繰返すことで2枚以上のシートを重ね合せて搬送する事も可能である。
搬送路B、搬送路C、搬送路Dの上流で各々に対し共通な搬送路Aは、画像形成装置から受入れるシートを検出する入口センサ301、その下流に入口ローラ1、パンチユニット100、搬送ローラ2、分岐爪15、分岐爪16を順次配置されている。分岐爪15、分岐爪16は図示してないバネにより図1の状態に保持されており、図示しないソレノイドをONする事により、分岐爪15は上方に、分岐爪16は下方に、各々回動する事で、搬送路B、搬送路C、搬送路Dへシートを振り分ける。
搬送路Bへシートを導く場合は、分岐爪15は同図の状態で前記ソレノイドはOFF、 搬送路Cへシートを導く場合は、図1の状態から前記ソレノイドをONする事により、分岐爪15は上方に、分岐爪16は下方に、回動した状態となり、
搬送路Dへシートを導く場合は、分岐爪16は同図の状態で前記ソレノイドはOFF、分岐爪15は同図の状態から前記ソレノイドをONする事により、上方に回動した状態となる。
図2はシート積載装置の昇降機構を示す図である。
同図において、符号6はシフト排紙ローラ、13は戻しコロ、21は駆動軸、22は従動軸、23はタイミングベルト、24は側板、25はウォームギヤ、30は紙面検知レバー、32はエンドフェンス、168はトレイ昇降モータ、333はリミットスイッチ、334は満杯検知センサ、335は下限センサをそれぞれ示す。
シフト排紙ローラ6から排出されたシートと接して前記シートの後端を図示しないエンドフェンス32に突き当てて揃えるため、戻しコロ13はスポンジ製のコロになっている。この戻しコロ13は、シフト排紙ローラ6の回転力で回転するようになっている。戻しコロ近傍にはトレイ上昇リミットスイッチ333が設けられており、シフトトレイ202が上昇して戻しコロ13を押し上げると前記トレイ上昇リミットスイッチ333がオンしてトレイ昇降モータ168が停止する。これによりシフトトレイ202のオーバーランが防止される。
戻しコロ13の近傍には、図1に示すように、シフトトレイ202の紙面位置を検知する紙面位置検知手段としての紙面検知センサ330が設けられている。
紙面検知センサ330は、図2に示す紙面検知レバー30と、紙面検知センサ(ステイプル用)330aと紙面検知センサ(ノンステイプル用)330bとで構成されている(図1には表示していない)。紙面検知レバー30はその軸部を中心に回動可能に設けられておりシフトトレイ202に積載されたシートの後端上面に接触する接触部30aと扇形の遮蔽部30bを有している。上方に位置する紙面検知センサ(ステイプル用)330aは主にステイプル排紙制御に用いられ、紙面検知センサ(ノンステイプル用)330bは主にシフト排紙制御に用いられる。本実施形態では、遮蔽部30bによって遮られたときに紙面検知センサ(ステイプル用)330a紙面検知センサ(ノンステイプル用)330bがオンするようになっている。
したがって、シフトトレイ202が上昇して紙面検知レバー30の接触部30aが上方に回動すると、紙面検知センサ(ステイプル用)330aがオフし、更に回動すると紙面検知センサ(ノンステイプル用)330bがオンする。シートの積載量が所定の高さに達したことが紙面検知センサ(ステイプル用)330aと紙面検知センサ(ノンステイプル用)330bによって検知されると、シフトトレイ202は所定量下降される。これにより、シフトトレイ202の紙面位置は略一定に保たれる。
シフトトレイ202の昇降機構を詳細説明する。
図2に示すようにシフトトレイ202は駆動軸21を駆動ユニットにより駆動されることにより昇降する。駆動軸21と従動軸22との間にはタイミングプーリを介してタイミングベルト23がテンションをもって掛けられている。このタイミングベルト23にシフトトレイ202を支持する側板24が固定されており、かかる構成によってシフトトレイ202を含むユニットが昇降可能に吊り下げられている。
シフトトレイ202を上下方向に移動させる駆動源としての正逆転可能なトレイ昇降モータ168で発生した動力がウォームギヤ25を介して駆動軸21に固定されたギヤ列の最終ギヤに伝達されるようになっている。途中ウォームギヤ25を介しているため、シフトトレイ202を一定位置に保持する事が出来、シフトトレイ202の不意の落下事故等を防止する事が出来るようになっている。
シフトトレイ202の側板24には、遮蔽板24aが一体に形成されており、下方には積載シートの満載を検出する満杯検知センサ334と下限位置を検出する下限センサ335が配置されており遮蔽板24aによって満杯検知センサ334と下限センサ335とがオン・オフされるようになっている。満杯検知センサ334と下限センサ335はフォトセンサであり、遮蔽板24aによって遮られたときにオンするようになっている。なお、同図において、シフト排紙ローラ6は省略している。
図3はシート積載装置のシフト機構を示す図である。
同図において符号31はシフトカム、169はシフトモータ、336はシフトセンサをそれぞれ示す。
シフトトレイ202の揺動機構は同図に示すように、シフトモータ169を駆動源にしてシフトカム31を回転させる。そのシフトカム31には回転軸中心から一定量離れた位置にピンが立っておりそのピンと、シフトトレイ202上の積載紙の後端をガイドしシート排紙方向と直交方向に勘合されているエンドフェンス32の長穴部と勘合しており、シフトカム31の回転により前記ピンと勘合しているエンドフェンスはシート排紙方向と直交方向に移動しそれに伴いシフトトレイ202も移動する。前記シフトトレイ202は手前と奥の2つの位置で停止しその停止位置はシフトセンサ336により検出されシフトモータ169のON、OFFにより成される。
図4は開閉ガイド板の動作を説明するための図である。
同図において符号33は開閉ガイド板、167は排紙ガイド板開閉モータ、331は排紙ガイド板開閉センサをそれぞれ示す。
シフト排紙ローラ6は、駆動ローラ6aと従動ローラ6bを有し、図1および図4に示すように、従動ローラ6bはシート排出方向上流側を支持され上下方向に回動自在設けられた開閉ガイド板33の自由端部に回転自在に支持されている。従動ローラは6b自重または付勢力により駆動ローラ6aに当接しシートは両ローラ間に挟持されて排出される。綴じ処理されたシート束が排出される時は、開閉ガイド板33が上方に回動され、所定のタイミングで戻されるようになっており、このタイミングはシフト排紙センサ303(図1)の検知信号に基づいて決定さる。その停止位置は排紙ガイド板開閉センサ331の検知信号に基づいて決定され、排紙ガイド板開閉モータ167により駆動される。
図5はステイプル処理を説明するための図である。
同図において符号11はステイプル排紙ローラ、12は叩きコロ、52は放出ベルト、53はジョガーフェンス、158はジョガーモータ、170は叩きSOL、S1は端面綴じステイプラをそれぞれ示す。
同図に示すように、ステイプル排紙ローラ11により処理トレイFへ導かれたシートは、順次積載される。この場合、シートごとに叩きコロ12で縦方向(シート搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス53にて横方向(シート搬送方向と直交するシート幅方向)の整合が行われる。ジョブの切れ目、すなわち、シート束の最終紙から次のシート束先頭紙までの間で、制御手段350(図示せず:後述図25参照)からのステイプル信号により端面綴じステイプラS1が駆動され、綴じ処理が行われる。綴じ処理が行われたシート束は、放出爪52aを有する放出ベルト52(図1)によりシフト排紙ローラ6へ送られ、受取り位置にセットされているシフトトレイ202に排出される。
同図に示すように、叩きコロ12は支点12aを中心に叩きSOL170によって振り子運動を与えられ、処理トレイFへ送り込まれたシートに間欠的に作用してシートを後端フェンス51に突き当てる。なお、叩きコロ12は反時計回りに回転する。
ジョガーフェンス53は、正逆転可能なジョガーモータ158によりタイミングベルトを介して駆動され、シート幅方向に往復移動する。(本発明ではジョガーモータ53a、53bは各々独立なジョガーモータで駆動される。詳細は後述。)
図6は放出ベルトの動作を説明するための図である。
同図において符号311は放出ベルトHPセンサを示す。
図7はステイプル処理トレイFの平面部を示す図である。
同図において符号56は放出ローラを示す。
放出爪52aは、図6に示すように、放出ベルトHPセンサ311によりそのホームポジションを検知されるようになっており、この放出ベルトHPセンサ311は放出ベルト52に設けられた放出爪52aによりオン・オフする。この放出ベルト52の外周上には対向する位置に2つの放出爪52a、52a’が配置されており、処理トレイFに収容されたシート束を交互に移動搬送する。また必要に応じて放出ベルト52を逆回転し、これからシート束を移動するように待機している放出爪52aと対向側の放出爪52a’の背面で、処理トレイFに収容されたシート束の搬送方向先端を揃えても良い。
同図に示すように、放出ベルト52は、駆動軸52bおよびプーリ52cを介して放出モータ157により駆動される。図7に示すように、駆動軸52bと同軸に、放出ベルト52を中心として左右対称に放出ローラ56が配置固定されており、放出ローラ56の周速は放出ベルト52の周速より速くなるように設定されている。なお、図6においては、煩雑さを避けるため放出ローラ56を省略している。
図8はステイプラの移動機構を説明するための図である。
同図において符号159はステイプラ移動モータ、312はステイプラ移動HPセンサをそれぞれ示す。
端面綴じステイプラS1は、同図に示すように、正逆転可能なステイプラ移動モータ159によりタイミングベルトを介して駆動され、シート端部の所定位置を綴じるためにシート幅方向に移動する。その移動範囲の一側端には、端面綴じステイプラS1のホームポジションを検出するステイプラ移動HPセンサ312が設けられており、シート幅方向の綴じ位置は、前記ホームポジションからの端面綴じステイプラS1移動量により制御される。
次に処理トレイFに積載されたシート束の後端部の膨らみを押える機構について図9以下を用いて説明する。
図9は後端押さえ機構を説明するための図である。
同図において符号110は後端押さえレバー、305はステイプル排紙センサをそれぞれ示す。
処理トレイFに排出されたシートは、上述のようにシートごとに叩きコロ12で縦方向(シート搬送方向)の整合が行われるが、処理トレイに積載されたシート後端がカールしていたり、コシが弱かったりするとシート自身の重量によって後端が座屈し膨らむ傾向にある。さらに、その積載枚数が増えることによって、後端フェンス51内の次のシートが入る隙間が小さくなり、縦方向の揃えが悪くなる傾向にある。
シート後端の膨らみを少なくしてシートを入りやすくするのが、ここで説明する後端押え機構である。
図10ないし13は後端押さえレバーの作用を説明するための図である。
各図において符号111はホームセンサ、112は後端押えレバーモータ、113はプーリ、114はタイミングベルト、115はスプリングをそれぞれ示す。
図10に示すように処理トレイFに積載されたシート後端を押える後端押えレバー110a、110b、110cは機械手前、中央、奥に各々配置されている。ここでは、手前の後端押えレバー110aの機構について説明する。まず、後端押えレバー110aはタイミングベルト114aに固定されており、タイミングベルト114aは後端押えレバーモータ112aとプーリ113aを介しているため、後端押えレバーモータ112aの回転に合わせて動作する。また、後端押えレバー110aの凸形状部がホームセンサ111aを遮蔽することでホームポジションを検出している。後端押えレバー110aのホームポジションはステイプラS1が図8のような矢印方向(シート端部を綴じるためにシート幅方向)に移動する範囲において、ステイプラS1と干渉しない位置になっている。シート後端を押える方向、すなわち図9の矢印方向に動作させる量は、後端押えレバーモータ112への入力パルス数で決められており、後端押えレバー110aの先端がシート束に接触してシート束後端の膨らみを押える位置まで動作する。積載されているシート束の厚さの変化には、スプリング115aの伸縮動作にて吸収し、対応するような構成となっている。
後端押えレバー110b、110cの動作も、上記後端押えレバー110aと同様である。
次に各綴じモードにおける後端押えレバー110a、110b、110cの動作を説明する。図11が手前綴じ、図12が2箇所綴じ、図13が奥綴じのときのステイプラS1の待機位置になる。各待機位置で、後端押えレバーが作動した時にステイプラS1と干渉しないようにしなければならない。手前綴じの時には、後端押えレバー110b、110c、2箇所綴じの時には、後端押えレバー110a、110b、110c、奥綴じの時には、後端押えレバー110a、110bが作動できる。図11から図13が各綴じモードにおける後端押えレバーの作動位置である。
この作動タイミングは、排出されたシートが後端フェンス51内に積載されてジョガーフェンス53によってシート幅方向の揃えがされてから、次のシートが叩きコロ12によって整合されるまでの間に行われる。
次にシート束偏向手段としての構成を図14以下を用いて説明する。
図14は処理部Fからシート束を送り出す動作を説明するための図である。
同図において符号36はコロ、37は駆動軸、38はタイミングベルト、39はアーム、40はカム、41はカムの回転軸、42は従動ローラ、43は弾性材をそれぞれ示す。
図15は搬送手段の相異なる構成例を示す図である。
図1、図14のように端綴じ処理部Fから中綴じ処理部Gへ、また端綴じ処理部Fからシフトトレイ202へシート束を送る搬送路、およびシート束を搬送する搬送手段は、シート束に搬送力を与える搬送手段35、シート束をターンさせる放出ローラ56、シート束のターン部のガイドを行うガイド部材44とで構成されている。各々の詳細な構成を説明すると、図14のように搬送手段35のコロ36は駆動軸37の駆動をタイミングベルト38によって伝達される構成となっており、コロ36と駆動軸37はアーム39によって連結支持され、駆動軸37を回転支点として移動できる構成となっている。搬送手段35のコロ36の回転移動はカム40によって行われ、カム40は回転軸41を中心に回転し、駆動はモータM1より伝達される。この搬送手段35の構成は図15(a)、(b)の両方の構成が考えられる。搬送手段35を回転移動させるカム40のホームポジション位置はセンサS1で検知され、ホームポジションからの回転角度は図14にセンサを増設して制御しても良いし、モータM1のパルス制御で調整しても良い。搬送手段35のコロ36の対向する位置には従動ローラ42を配置し、従動ローラ42とコロ35とでシート束を挟み、弾性材43によって加圧し搬送力を与えている。またシート束の紙厚が厚くなるほど搬送力、つまり加圧力が必要になるため、図15(a)、(b)に示すような構成にしても良いし、図15(c)のような構成として、搬送部材35のコロ36を弾性材43を介してカム40にて押し付ける構成にし、加圧力はカム40の押し付け角度で調整しても良い。
図16は搬送手段のさらなる変形例を説明するための図である。
同図において符号45はガイド部材の回動支点、46はガイド板、161は束分岐駆動モータをそれぞれ示す。
同図(a)のようにこの搬送手段35のコロ36と対向するローラを従動ローラの代わりに放出ローラ56としても良く、このときローラ36と放出ローラ56とのニップ位置は、束の搬送軌跡線D1と放出ローラ56の同心円C1とが接する接点位置近傍とする。端綴じ処理部Fから中綴じ処理部Gへシート束を搬送する搬送路は、放出ローラ56と放出ローラ56の対向する側のガイド部材44とで構成され、ガイド部材44は支点45を中心に回動し、その駆動は束分岐駆動モータ161から伝達される。またガイド部材44のホームポジション位置はセンサS2にて検知される。また端綴じ処理部Fから積載手段であるシフトトレイ202へシート束を搬送する搬送路は、同図(b)のようにガイド部材44が支点45を中心に回動した状態で、ガイド部材44とガイド板46とで搬送路を形成する。
本構成の基本動作を図17ないし20を用いて以下に説明する。
図17は整合されたシート束を送り出す直前を示す図である。
ここで端綴じ処理部Fから中綴じ処理部Gへシート束を送る場合、同図のように端綴じ処理部Fで整合されたシート束の後端を放出爪52aで押し上げ、搬送手段35のコロ36と対向する従動ローラ42とでシート束を挟み搬送力を与える。このときシート束先端が搬送手段35のコロ36にぶつからないような位置で待機している。
図18はシート束の厚みとコロの位置関係を説明するための図である。
同図において符号47はガイドを示す。
同図(a)のように、シート束が端綴じ処理部Fにて整合時に積載される面、もしくは放放出爪52aで押し上げられる時にシート束がガイドされる面とコロ36との距離L1は、端綴じ処理部Fから中綴じ処理部Gへ送るシート束の最大紙厚L2よりも広くし、シート束先端とコロ36との衝突を回避する。ここで端綴じ処理部Fにおいて整合するシート枚数や、紙種によってシート束の厚みが変わるため、コロ36がシート束の先端との衝突を回避する必要最小限の位置も変わる。そこで上記紙枚数、紙種の情報によって退避位置を変動させれば、退避位置から搬送力を与える位置までの移動時間も必要最小限にでき、生産性に有利に働くこととなる。この枚数、紙種の情報は本体からのjob情報でも良いし、シート後処理処理装置内のセンサで得ても良い。しかし端綴じ処理部Fで整合したシート束に想定外の大きなカールが発生している場合、そのシート束を放出爪52aで押し上げられる時にシート先端とコロ36とが接触してしまう場合も考えられるため、同図(b)のようにコロ36直前にガイド47を設けシート先端とコロとの接触角度が小さくなるような構成にしておく必要がある。このガイドは固定部材でも弾性部材でも同様の効果を得ることが出来る。
図19は用紙束を中綴じ用トレイに送り出す過程を示す図である。
図20は用紙束を排紙トレイに送り出す過程を示す図である。
次に、図19のようにシート先端が通過してからシート表面に搬送手段35のコロ36を接触させ、搬送力を与える。このときガイド部材44と放出ローラ56とでターン部のガイドを形成しており、シート束を下流の中綴じ処理部Gへと搬送する。
端綴じ処理部Fからシフトトレイ202へシート束を送る場合、図20のようにガイド部材44を回動させ、ガイド部材44とガイド板46とでシフトトレイ202へつながる搬送路を形成する。そして端綴じ処理部Fで整合されたシート束の後端を放出爪52aで押し上げ、シフトトレイ202へと搬送する。
なお本発明では放出ローラ56はモータによって駆動される駆動ローラでも駆動しないでシート束の搬送に追従する従動ローラとしても良い。
図21は折りプレートの移動機構を説明するための図である。同図(a)は折りプレートの退避位置(ホームポジション)、同図(b)は作動位置(押し込み位置)をそれぞれ示す。
折りプレート74は前後側板に立てられた各2本の軸に長穴部74aが勘合することで支持され、その軸部74bとリンクアーム76の長穴部76bは勘合されており、リンクアーム76が支点76aを中心に揺動することで折りプレート74は同図中を左右に往復移動する。このリンクアーム76の長穴部76cと折りプレート駆動カム75のピン75bは勘合されており、折りプレート駆動カム75の回転運動によりリンクアーム76が揺動する。
折りプレート駆動カム75は折りプレート駆動モータ166により同図中の矢印方向に回転する。その停止位置は半月形状の遮蔽部75a両端部を折りプレートHPセンサ325により検知することで決定される。
同図(a)において、折りプレート74は処理トレイGのシート束収容領域から完全に退避したホームポジション位置にある。この位置から、折りプレート駆動カム75を矢印方向に回転させると折りプレート74は矢印方向に移動し、処理トレイGのシート束収容領域に突出する。
同図(b)において、折りプレート74は処理トレイGのシート束中央を折りローラ81のニップに押し込む位置にある。この位置から、折りプレート駆動カム75を矢印方向に回転させると折りプレート74は矢印方向に移動し、処理トレイGのシート束収容領域から退避する。
本構成例では、後処理モードに応じて下記の排出形態をとる。
[1].ノンステイプルモードa:搬送路A、搬送路Bを通り上トレイ201へ排出される。
[2].ノンステイプルモードb:搬送路A、搬送路Cを通りシフトトレイ202へ排出される。
[3].ソート、スタックモード:搬送路A、搬送路Cを通りシフトトレイ202へ排出される。その際、シフトトレイ202が、部の区切れ毎に排紙方向と直交方向に揺動する事で排出されるシートは仕分けられる。
[4].ステイプルモード:搬送路A、搬送路Dを経て処理トレイFで整合および綴じを施され、搬送路Cを通りシフトトレイ202へ排出される。
[5].中綴じ製本モード:搬送路A、搬送路Dを経て処理トレイFで整合および中央綴じを施され、更に処理トレイGで中央折りを施され、搬送路Hを通り下トレイ203へ排出される。
[1].ノンステイプルモードaの動作を以下に説明する。
搬送路Aから分岐爪15で振り分けられたシートは、搬送路Bに導かれ搬送ローラ3と上排紙ローラ4によって上トレイ201へ排出される。また上排紙ローラ4の近傍に配置されシートの排出を検出する上排紙センサ302によって排紙の状態を監視する。
[2].ノンステイプルモードbの動作を以下に説明する。
搬送路Aから分岐爪15、分岐爪16で振り分けられたシートは、搬送路Cに導かれ搬送ローラ5、シフト排紙ローラ6によってシフトトレイ202へ排出される。
またシフト排紙ローラ6の近傍に配置されシートの排出を検出するシフト排紙センサ303によって排紙の状態を監視する。
[3].ソート、スタックモードの動作を以下に説明する。
上記[2].ノンステイプルモードb時と同様の搬送排紙を行う。
その際、シフトトレイ202が、部の区切れ毎に排紙方向と直交方向に揺動する事で排出されるシートは仕分けられる。
[4].ステイプルモードの動作を以下に説明する。
搬送路Aから分岐爪15、分岐爪16で振り分けられたシートは、搬送路Dに導かれ、搬送ローラ7、搬送ローラ9、搬送ローラ10、ステイプル排紙ローラ11により処理トレイFに排出される。処理トレイFでは、排紙ローラ11により順次排出されるシートを整合し、所定枚数に達すると端面綴じステイプラS1により綴じ処理を行う。その後、綴じられたシート束は放出爪52aにより下流へ搬送され、シフト排紙ローラ6によりシフトトレイ202へ排出される。またシフト排紙ローラ6の近傍に配置され、シートの排出を検出するシフト排紙センサ303によって排紙の状態を監視する。
ステイプルモード時の処理トレイFの動作について説明する。
ステイプルモードが選択されると、図5に示すように、ジョガーフェンス53はホームポジションより移動し、処理トレイFに排出されるシート幅より片側7mm離れた待機位置で待機する。シートがステイプル排紙ローラ11によって搬送され、シート後端がステイプル排紙センサ305を通過すると、ジョガーフェンス53が待機位置から5mm内側に移動して停止する。
また、ステイプル排紙センサ305はシート後端通過時点にそれを検知し、その信号がCPU360に入力される(後述図25参照)。CPU360ではこの信号の受信時点からステイプル排紙ローラ11を駆動する図示しないステイプル搬送モータ155からの発信パルス数をカウントし、所定パルス発信後に叩きSOL170をオンさせる。叩きコロ12は、叩きSOL170のオン・オフにより振り子運動をし、オン時にはシートを叩いて下方向に戻し、後端フェンス51に突き当てて紙揃えを行う。このとき、処理トレイFに収容されるシートが入口センサ301あるいはステイプル排紙センサ305を通過するたびにその信号がCPU360に入力され、シート枚数がカウントされる。
叩きSOL170がオフされて所定時間経過後、ジョガーフェンス53は、ジョガーモータ158によってさらに2.6mm内側に移動して一旦停止し、横揃えが終了する。ジョガーフェンス53はその後7.6mm外側に移動して待機位置に戻り、次のシートを待つ。この動作を最終頁まで行う。その後、再び7mm内側に移動して停止し、シート束の両側端を押えてステイプル動作に備える。その後、所定時間後に図示しないステイプルモータにより端面綴じステイプラS1が作動し、綴じ処理が行われる。このとき2ヶ所以上の綴じが指定されていれば、1ヶ所の綴じ処理が終了した後、ステイプル移動モータ159が駆動され、端面綴じステイプラS1がシート後端に沿って適正位置まで移動され、2ヶ所目の綴じ処理が行なわれる。また、3ヶ所目以降が指定されている場合は、これを繰返す。
綴じ処理が終了すると、放出モータ157が駆動され、放出ベルト52が駆動される。このとき、排紙モータも駆動され、放出爪52aにより持ち上げられたシート束を受入れるべくシフト排紙ローラ6が回転し始める。このとき、ジョガーフェンス53はシートサイズおよび綴じ枚数により異なるように制御される。例えば、綴じ枚数が設定枚数より少ない、あるいは設定サイズより小さい場合には、ジョガーフェンス53によりシート束を押えながら放出爪52aによりシート束後端を引っかけ搬送する。
そして、紙有無センサ310あるいは放出ベルトHPセンサ311による検知から所定パルス後に、ジョガーフェンス53を2mm退避させ、ジョガーフェンス53によるシートへの拘束を解除する。この所定パルスは、放出爪52aがシート後端と接触してからジョガーフェンス53の先端を抜ける間で設定されている。
また、綴じ枚数が設定枚数より多い、あるいは設定サイズより大きい場合には、予めジョガーフェンス53を2mm退避させ、放出を行う。いずれの場合もシート束がジョガーフェンス53を抜けきると、ジョガーフェンス53は、更に5mm外側に移動して待機位置に復帰し、次のシートに備える。なお、シートに対するジョガーフェンス53の距離により拘束力を調整することも可能である。
[5].中綴じ製本モードの動作を以下に説明する。
図22は用紙束の整合から送り出しの工程を説明するための図である。同図(a)は処理トレイFとGを示す図、同図(b)は用紙束整合終了状態、同図(c)は送り出し開始状態、同図(d)は送り出し中の状態をそれぞれ示す。
同図において符号54は分岐ガイド板、55は可動ガイド、57は加圧コロをそれぞれ示す。
搬送路Aから分岐爪15、分岐爪16で振り分けられたシートは、搬送路Dに導かれ、搬送ローラ7、搬送ローラ9、搬送ローラ10、ステイプル排紙ローラ11により処理トレイFに排出される。処理トレイFでは、[4]ステイプルモード時と同様に排紙ローラ11により順次排出されるシートを整合し、ステイプルする直前までは同様の動作をする(同図(b)参照)。
シート束が処理トレイFで仮整合された後、同図(d)に示すように、シート束先端部は放出ローラ56と加圧コロ57により挟持され、分岐ガイド板54と可動ガイド55とが回動することで処理トレイGへ導かれる経路を通過するべく、再度放出爪52aと放出ローラ56により下流へ搬送される。この放出ローラ56は放出ベルト52の駆動軸に設けられており放出ベルト52と同期して駆動される。
図23は処理トレイGにおける用紙束の動きを説明するための図である。同図(a)はシート束が処理トレイGに全部入りきった状態、同図(b)は中綴じ位置にある状態、同図(c)は中折り位置にある状態をそれぞれ示す。
同図において符号71は束搬送ローラ上、72は束搬送ローラ下、73は可動後端フェンス、74は折りプレート、250は中綴じジョガーフェンス、251は後端叩き爪、326は後端叩き爪HPセンサをそれぞれ示す。
その後、シート束は、放出ローラ56をシート束後端が通過するまで、放出爪52aによって運ばれ、さらに同図(a)の位置まで束搬送ローラ上71と束搬送ローラ下72によって搬送される。その時、各シート束の搬送方向のサイズに応じて可動後端フェンス73の停止位置が異なって待機している。待機している可動後端フェンス73にシート束先端が当接してスタックされた時、同図(b)のように束搬送ローラ下72の圧が解除され、後端叩き爪251によりシート束の後端を叩いて搬送方向の最終的な揃えを行う。これは、処理トレイFで仮整合されたシート束が可動後端フェンス73にスタックされるまでにシート束にズレが発生している可能性があるため、最終的な揃えを後端叩き爪251で行う必要がある。
そして、その直後に中綴じ上ジョガーフェンス250aと中綴じ下ジョガーフェンス250bによって幅方向の最終的な揃えが行われ、その中央を中綴じステイプラS2により綴じ処理する。
ここで、可動後端フェンス73は可動後端フェンスHPセンサ322からのパルス制御により位置決めされていて、後端叩き爪251は後端叩き爪HPセンサ326からのパルス制御により位置決めされている。
同図(c)に示すように、中綴じされたシート束は束搬送ローラ下72の加圧が解除されたまま、可動後端フェンス73の移動に伴って上方に運ばれる。
図24は中折りの工程を説明するための図である。同図(a)は中折り開始状態、同図(b)は中折り終了状態をそれぞれ示す。
同図において符号81は折りローラ、82は第2の折りローラ、83は下排紙ローラ、323は折り部通過センサをそれぞれ示す。
その後、同図(a)に示すように、綴じられた針部近傍は略直角方向に折りプレート74により押され、その対向する折りローラ81のニップへと導かれる。予め回転していた折りローラ81はそのシート束を加圧搬送することで、シート束中央に折りを施す。
ここで、中綴じされたシート束は折り処理のために上方に移動するため、可動後端フェンス73の移動のみで確実にシート束を搬送することができる。仮に折り処理のために下方に移動させようとすると可動後端フェンス73の移動のみでは確実性に乏しくなり、搬送ローラ等の別の手段を要することになり、構成的にも複雑になる。
同図(b)に示すように、折りを施されたシート束は第2の折りローラ82により折りぐせを強化され、下排紙ローラ83により下トレイ203へ排出される。このとき、シート束後端が折り部通過センサ323に検知されると、折りプレート74、可動後端フェンス73はホームポジションに復帰し、束搬送ローラ下72の加圧は復帰され、次のシートに備える。また、次のジョブが同シートサイズ同枚数であれば、可動後端フェンス73は再び図23(a)の位置に移動して待機しても良い。
図25は制御手段を説明するための図である。
同図において符号350は制御手段、360はCPU、370はI/Oインターフェースをそれぞれ示す。
制御手段350は、図14に示すように、CPU360、I/Oインターフェース370等を有するマイクロコンピュータであり、図示しない画像形成装置本体のコントロールパネルの各スイッチ等、および紙面検知センサ330等の各センサからの信号がI/Oインターフェース370を介してCPU360へ入力される。CPU360は、入力された信号に基づいて、シフトトレイ202用のトレイ昇降モータ168、開閉ガイド板を開閉する排紙ガイド板開閉モータ167、シフトトレイ202を移動するシフトモータ169、叩きコロ12を駆動する叩きコロモータ156、叩きSOL170等の各ソレノイド、各搬送ローラを駆動する搬送モータ、各排紙ローラを駆動する排紙モータ、放出ベルト52を駆動する放出モータ157、端面綴じステイプラS1を移動するステイプラ移動モータ159、端面綴じステイプラS1を斜めに回転する斜めモータ160、ジョガーフェンス53を移動するジョガーモータ158、ガイド部材44を回動する束分岐駆動モータ161、その束を搬送する搬送ローラを駆動する束搬送モータ162、可動後端フェンス73を移動する後端フェンス移動モータ163、折りプレート74を移動する折りプレート駆動モータ166、折りローラ81を駆動する折りローラ駆動モータ164等の駆動を制御する。ステイプル排紙ローラを駆動する図示しないステイプル搬送モータ155のパルス信号はCPU360に入力されてカウントされ、このカウントに応じて叩きSOL170およびジョガーモータ158が制御される。
以上説明した各種モータのうち、トレイ昇降モータ168は大きなトルクが必要なため、通常DCモータを用いるが、その他のモータはどれもステッピングモータを適用することができる。
次に、図26ないし28を用いてステッピングモータの問題点を説明する。
図26はステッピングモータの原理を説明するためのモデル図である。同図(a)〜(d)は励磁とローターの位置関係を示す図である。
同図において符号1001はステーター、1002はローター、N、Sは磁極をそれぞれ示す。
図27は駆動タイミングチャートである。
図28は位相が合っていない場合のローターの位置関係を説明するための図である。
図26に示したモデルの場合は、2相励磁パターンで90度ずつ回転することになる。実際に装置に使用されるモータは1パターン当りのモータ駆動角度はもっと小さいが、原理は同じである為、このモデルにて説明する。同図(a)〜(d)に示すそれぞれの励磁パターンでは、各図に示すような位置でローター1002が安定して位置する。モータ駆動前の「位相合わせ」でも同様に、励磁パターンによってローターが安定して停止する位置が決定する。したがって、通常はある励磁パターンで一定時間の励磁を行えば同図に示す規定の位置にローター1002は移動し、ローター1002の「位相合わせ」を行う事ができる。
しかしながら図28に示すように、ある励磁パターンで励磁を行った場合でも図26(a)〜(d)に示す位置にローター1002が移動しない場合がある。図28は図26(a)と同じ励磁パターンだがローター位置が180度回転している。この状態はローター1002とステーター1001の磁気極性が反発している状態なので、本来はこの位置でローター1002が停止することはない。しかし、この位置から180度回転する為には、まずどちらかの方向に回転を始めなければならないが、丁度180度反対方向に位置している場合は、どちらの回転方向にも磁気による力が働かず、結果的に釣り合った状態になる。この状態から少しでもどちらかに回転した状態に移動すれば回転した方向に力が働くことになり、180度回転した安定状態、図26(a)に移動する。
図29はローターが逆位置にある場合のタイミングチャートである。
上述したように、ある励磁パターンにおいて一定時間の励磁を行っただけでは「位相合わせ」が出来ない場合が稀にある。この状態からステッピングモータの駆動を開始すると、ローター1002が相信号の位相に追従できずに、同図に示すように脱調が発生する可能性がある。
図30は本発明の第1の実施例を示すタイミングチャートである。
図31は本発明のモータ駆動手順を示すフローチャートである。
本実施例では、一定時間の励磁で「位相合わせ」が出来ない場合でも1パルス以上の駆動パルスを与え、最後のパルスはその相信号で所定時間励磁する。
これにより、確実に「位相合わせ」が行える。この「位相合わせ」を位相ずれが生じた可能性のあるタイミングで行える。モータ駆動の直前に少なくとも1パルスの位相を進め、ローター1002の位置合わせと振動が収まる時間励磁すれば不具合は発生しない。振動が収まる時間は、使用するモータの負荷やイナーシャによって異なるが、典型的な例では数十ms程度である。
ただし、モータ起動時間が遅れるので高速処理が要求される場合、間に合わなくなる可能性もある。
実施例1の「位相合わせ」で回転させた方向と反対方向に駆動を行うと、駆動のバックラッシュによって負荷変動が発生する場合がある。本駆動が高速駆動の場合、負荷変動が発生するとモータが脱調しやすい。
本実施例では、実施例1において、位相合わせ駆動方向と、次に本駆動を行う駆動方向を同じ方向とする。例えば、実施例1の位相合わせにて、図26(a)→(b)の1パルス駆動を行ったとすると、次の本駆動は(b)→(c)→(d)→(a)の順に行う。本駆動を上記と逆方向に駆動したいのであれば、実施例1の位置合わせは、図26(a)→(d)の順とし(1パルス駆動の場合)、次の本駆動は(d)→(c)→(b)→(a)の順に行う。
実施例1の「位相合わせ」ではモータの駆動を行うので、位相合わせ前の位置から直接次の本駆動を行いたい場合は不具合となる。例えば、位相合わせ前の位置がホームポジション位置の場合、位相合わせによってホームポジションから駆動パルス分ずれてしまう。
本実施例では、実施例1において、位相合わせ駆動を行った後に、同パルス数の逆転駆動を行い、相信号を位相合わせ駆動開始時の状態に戻す。例えば、図26(a)→(b)→(a)のパルス駆動を行うと、確実に「位相合わせ」を行い且つ、相信号を位相合わせ駆動開始時の状態に戻す事が出来る。
実施例2で説明したように、「位相合わせ」で回転させた方向と反対方向に駆動を行うと、駆動のバックラッシュにて負荷変動が発生する場合がある。本駆動が高速駆動の場合、負荷変動が発生するとモータが脱調しやすい。
本実施例では、実施例3において、位相合わせ駆動方向(逆転駆動を行った方向)と、次に本駆動を行う駆動方向を同じ方向とする。例えば、上記位相合わせにて、図26(a)→(b)→(a)の駆動を行ったとすると、次の本駆動は(a)→(d)→(c)→(b)の順に行う。本駆動を上記と逆方向に駆動したいのであれば、実施例3の位置合わせは、図26(a)→(d)→(a)の順とし、次の本駆動は(a)→(b)→(c)→(d)の順に行う。
本実施例は、実施例1〜4の特徴を有する用紙処理装置である。用紙処理装置として、例えば画像形成装置に取り付けられる後処理装置があり、後処理装置の一例を前述した。一般に、後処理装置はステッピングモータを数多く使用しており、また、高速処理が要求される為、本発明による効果が大きい。本発明では少なくとも1個のステッピングモータ駆動装置を用いるものとする。
図32は実施例6のフローチャートである。
モータ本駆動直前に「位相合わせ」を行うと本駆動のモータ起動時間が遅れ、高速処理が要求される場合、間に合わなくなるので、位相がずれた可能性がある時に事前に「位相合わせ」を行う。電源ON時は、相信号の位置が初期値となり位相がずれている可能性が大きい。位相がずれていた場合は、早めに位相合わせを行わないと高速処理と脱調防止を両立できなくなる。
本実施例では、用紙処理装置の電源ON時に前記「位相合わせ」を行う。
図33は実施例7のフローチャートである。
モータ本駆動直前に「位相合わせ」を行うと本駆動のモータ起動時間が遅れ、高速処理が要求される場合間に合わなくなるので、位相がずれた可能性がある時に事前に「位相合わせ」を行う。全ての動作を禁止する「動作禁止モード」時にはカバーの開閉が行われる等で位相がずれる可能性があってもモータを動作させることができない。したがって、「動作禁止モード」解除時には位相がずれている可能性がある。位相がずれていた場合は、早めに位相合わせを行わないと高速処理と脱調防止を両立できなくなる。
本実施例は、全ての動作を禁止する「動作禁止モード」を持ち、「動作禁止モード」が解除された時に前記「位相合わせ」を行う。
図34は実施例8のフローチャートである。
モータ本駆動直前に「位相合わせ」を行うと本駆動のモータ起動時間が遅れ、高速処理が要求される場合間に合わなくなるので、位相がずれた可能性がある時に事前に「位相合わせ」を行う。ジャム処理等で装置の内部を操作する為の開閉ドアが開かれた時には、ジャム処理等で位相がずれる可能性がある。位相がずれていた場合は、早めに位相合わせを行わないと高速処理と脱調防止を両立できなくなる。
本発明は、ジャム処理等で装置の内部を操作する為の開閉ドアを有し、ドアの開閉を検出する手段を有し、開閉ドアが開から閉に変化した時に前記「位相合わせ」を行う。
図35は実施例9のフローチャートである。
モータ本駆動直前に「位相合わせ」を行うと本駆動のモータ起動時間が遅れ、高速処理が要求される場合間に合わなくなるので、位相がずれた可能性がある時に事前に「位相合わせ」を行う。位相がずれる可能性が高いタイミングとして、実施例6〜8に示す場合を示したが、特にこのようなタイミングでなく装置が停止状態であったとしても時間とともに位相がずれる場合も考えられる。例えば、
・装置の振動によるモータ回転に伴う相ずれ
・タイミングベルト、バネ張力等によるモータ回転に伴う相ずれ
等がある。特に外的トリガが検出出来ない場合に上記理由による位相ずれが生じる場合には実施例6〜8では問題は解決できない。
本実施例は、用紙処理を行っていない装置停止状態の時は、一定時間置きに前記「位相合わせ」を行う。一定時間としては、装置の利用者の平均的な停止時間を統計的に処理して求めることができる。利用者の状況に関係なく定めるとすれば、例えば10分置きに「位相合わせ」を行うように設定しても良い。
図36は実施例10のフローチャートである。
機内に用紙が残っている事を検出した場合は、その後用紙が取り除かれた時に再び「位相合わせ」を行う必要があるので、用紙残り中は「位相合わせ」を行わない。また、各機構異常を検出している状態では用紙処理動作の開始が不可能であるので、「位相合わせ」を行わない。
本実施例では、残紙が無い場合のみに前記「位相合わせ」を行う。
図37は実施例11のフローチャートである。
機内に用紙が残っている事を検出した場合は、その後用紙が取り除かれた時に再び「位相合わせ」を行う必要があるので、用紙残り中は「位相合わせ」を行わない。また、各機構異常を検出している状態では用紙処理動作の開始が不可能であるので、「位相合わせ」を行わない。
本実施例では、各機構異常が無い場合のみに前記「位相合わせ」を行う。
図38は実施例12のフローチャートである。
モータ本駆動直前に「位相合わせ」を行うと本駆動のモータ起動時間が遅れ、高速処理が要求される場合間に合わなくなるので、位相がずれた可能性がある時に事前に「位相合わせ」を行う。実施例9に示したような理由により位相ずれがいつ発生するかわからない機構の場合は、なるべくモータ本駆動に近いタイミングで「位相合わせ」を行うことが望ましく、「位相合わせ」とモータ駆動の時間が長いと位相ずれを起こす可能性が高い。
本実施例は、上流機から用紙を受け入れる時に前記「位相合わせ」を行う。
図39は実施例13のフローチャートである。
実施例12では、上流機から用紙を受け取る時に「位相合わせ」を行う。この時、「位相合わせ」を行おうとするモータは、以前に受け入れた用紙処理のために駆動中である可能性もある。駆動中である場合は「位相合わせ」を行う必要はなく、また「位相合わせ」を行うと用紙処理動作に不具合が発生する。
本実施例は、上流機から用紙を受け入れる時に当該モータが停止中である時のみ前記「位相合わせ」を行う。
本発明においては前記実施例6から実施例13までの任意の2以上を組み合わせたタイミングにおいて「位相合わせ」を行うことができる。
本発明は各実施例に示したような「位相合わせ」を行うことができる用紙処理装置である。また、これら用紙処理装置を備えた画像処理システムである。
本発明の実施の形態に係るシート後処理装置の全体構成図である。 シート積載装置の昇降機構を示す図である。 シート積載装置のシフト機構を示す図である。 開閉ガイド板の動作を説明するための図である。 ステイプル処理を説明するための図である。 放出ベルトの動作を説明するための図である。 ステイプル処理トレイFの平面部を示す図である。 ステイプラの移動機構を説明するための図である。 後端押さえ機構を説明するための図である。 後端押さえレバーの作用を説明するための図である。 後端押さえレバーの作用を説明するための図である。 後端押さえレバーの作用を説明するための図である。 後端押さえレバーの作用を説明するための図である。 処理部Fからシート束を送り出す動作を説明するための図である。 搬送手段の相異なる構成例を示す図である。 搬送手段のさらなる変形例を説明するための図である。 整合されたシート束を送り出す直前を示す図である。 シート束の厚みとコロの位置関係を説明するための図である。 用紙束を中綴じ用トレイに送り出す過程を示す図である。 用紙束を排紙トレイに送り出す過程を示す図である。 折りプレートの移動機構を説明するための図である。 用紙束の整合から送り出しの工程を説明するための図である。 処理トレイGにおける用紙束の動きを説明するための図である。 中折りの工程を説明するための図である。 制御手段を説明するための図である。 ステッピングモータの原理を説明するためのモデル図である。 駆動タイミングチャートである。 位相があっていない場合のローターの位置関係を説明するための図である。 ローターが逆位置にある場合のタイミングチャートである。 本発明の第1の実施例を示すタイミングチャートである。 本発明のモータ駆動手順を示すフローチャートである。 実施例6のフローチャートである。 実施例7のフローチャートである。 実施例8のフローチャートである。 実施例9のフローチャートである。 実施例10のフローチャートである。 実施例11のフローチャートである。 実施例12のフローチャートである。 実施例13のフローチャートである。
符号の説明
15 分岐爪
16 分岐爪
17 分岐爪
51 後端フェンス
52 放出ベルト
73 可動後端フェンス
74 折りプレート
1001 ステーター
1002 ローター
S1 端面綴じステイプラ

Claims (12)

  1. ステップ信号の駆動パルスに応じてステッピングモータを駆動して停止後無通電とするステッピングモータ駆動装置において、位相ずれが生じた可能性のあるタイミングで、モータに所定時間通電後、更に1パルス以上の駆動パルスを与え、最後のパルスは所定時間継続する相信号を与えることによって、ローターと相信号の位相を一致させる位相合わせ駆動を行い、該位相合わせ駆動を行った後、同パルス数の逆転駆動を行い、相信号を位相合わせ駆動開始時の状態に戻すことを特徴とするステッピングモータ駆動装置。
  2. 請求項1に記載のステッピングモータ駆動装置において、前記逆転の駆動方向は本駆動の方向と同じ方向に行うことを特徴とするステッピングモータ駆動装置。
  3. 請求項1または2に記載のステッピングモータ駆動装置を少なくとも1つ備えたことを特徴とする用紙処理装置。
  4. 請求項3記載の用紙処理装置において、該用紙処理装置の電源が投入されたとき、前記位相合わせを行うことを特徴とする用紙処理装置。
  5. 請求項3または4に記載の用紙処理装置において、上流機から用紙を受け入れる時に前記位相合わせを行うことを特徴とする用紙処理装置。
  6. 請求項5に記載の用紙処理装置において、上流機から用紙を受け入れる時にステッピングモータが停止中であるときのみ前記位相合わせを行うことを特徴とする用紙処理装置。
  7. 請求項3ないし6のいずれか1つに記載の用紙処理装置において、全ての動作を禁止する動作禁止モードを有し、該動作禁止モードが解除されたときに前記位相合わせを行うことを特徴とする用紙処理装置。
  8. 請求項3ないし7のいずれか1つに記載の用紙処理装置において、ジャム処理等で装置の内部を操作するための開閉ドアを有し、該開閉ドアが開から閉に変化したときに前記位相合わせを行うことを特徴とする用紙処理装置。
  9. 請求項3ないし8のいずれか1つに記載の用紙処理装置において、用紙処理を行っていない装置停止状態のときは、一定時間おきに前記位相合わせを行うことを特徴とする用紙処理装置。
  10. 請求項3ないし9のいずれか1つに記載の用紙処理装置において、該装置内に残紙が無い場合のみ前記位相合わせを行うことを特徴とする用紙処理装置。
  11. 請求項3ないし10のいずれか1つに記載の用紙処理装置において、該装置内の各機構に異常が無い場合のみ前記位相合わせを行うことを特徴とする用紙処理装置。
  12. 請求項3ないし11のいずれか1つに記載の用紙処理装置を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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