JP5066833B2 - 半導体パッケージの製造方法 - Google Patents
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半導体パッケージの製造においては、半導体チップとリードのボンディングが完了した後、半導体チップ及びリードを成形用金型内部に設置し、溶解した樹脂を注入し、半導体チップ及びリードをモールドで包囲することにより半導体パッケージを作製するのが一般的である。
半導体パッケージ100は、半導体チップ110(図中の点線)の周囲がモールド120により包囲され、そのモールド120間にリード130が挿入されている。
この図では、リード130部分が上金型140、下金型141で挟持された状態の断面図を示している。また、半導体チップ110は、成形用金型内部に設置されており、点線で示されている。
このような空間部150が成形用金型内部に存在すると、成形中に空間部150に溶解した樹脂が流出し、空間部150、即ちリード130間に樹脂バリが形成する場合がある。
上述したように、図13に示す空間部150に溶解した樹脂が流出した結果、リード130間に樹脂バリ160が形成している。このような樹脂バリ160がリード130間に残存すると発塵の要因になり、半導体パッケージとしての生産性が低下する。そのためモールド120の形成後に樹脂バリ160を除去する必要がある。
図15は打ち抜き前の要部断面図である。
先ず、ダレ部132上面にまで樹脂バリ160aが形成したリード130を打ち抜き台170上に設置し、樹脂バリ160上面に打ち抜きパンチ171を設置する。
次に、図16の上方から下方へ向かい、打ち抜きパンチ171をリード130間に貫通させ、樹脂バリ160aを打ち抜く。このとき樹脂バリ160は、打ち抜きパンチ171によって押し出され、図16の下方に向かって除去される。
前工程で樹脂バリ160は除去されたが、ダレ部132上面の樹脂バリ160aの位置は、打ち抜きパンチ171の短手方向の外側に位置するため、打ち抜きパンチ171で樹脂バリ160aの全てを除去することができない。また、高圧プレスで形成された樹脂バリ160aはダレ部132上面に強く密着している。その結果、ダレ部132上面に樹脂バリ160aが付着したまま残存する。
また、本発明では、上記課題を解決するために、リードの打ち抜き形成時に主面にダレ部が形成された前記リードを成形用金型に挟持し、前記成形用金型の内部に溶解した樹脂を流入し、半導体パッケージを形成する半導体パッケージの製造方法において、前記成型用金型と前記ダレ部を含む前記リード、前記リードを連結するダイバに囲まれた空間部に生じる樹脂バリの前記主面の反対側の表面に凹部を形成し、流入した前記樹脂が硬化した後に、前記空間部の前記樹脂バリを、打ち抜きにより前記主面側から前記凹部が形成された側に押圧して歪曲させて前記凹部から裂いて除去することを特徴とする半導体パッケージの製造方法が提供される。
この半導体パッケージの製造方法により、半導体パッケージを形成する半導体パッケージの製造方法において、リードの打ち抜き形成時に主面にダレ部が形成されたリードは成形用金型に挟持され、成形用金型の内部に溶解した樹脂が流入され、成型用金型とダレ部を含むリード、リードを連結するダイバに囲まれた空間部に生じる樹脂バリの主面の反対側の表面に凹部が形成され、流入した樹脂が硬化した後に、空間部の樹脂バリが、打ち抜きにより主面側から凹部が形成された側に押圧されて歪曲して凹部から裂かれて除去される。
また、本発明では、半導体パッケージを形成する半導体パッケージの製造方法において、リードの打ち抜き形成時に主面にダレ部が形成されたリードを成形用金型に挟持し、成形用金型の内部に溶解した樹脂を流入し、成型用金型とダレ部を含むリード、リードを連結するダイバに囲まれた空間部に生じる樹脂バリの主面の反対側の表面に凹部を形成し、流入した樹脂が硬化した後に、空間部の樹脂バリを、打ち抜きにより主面側から凹部が形成された側に押圧して歪曲させて凹部から裂いて除去するようにした。
図1は樹脂バリ除去工程の基本原理を示すフロー図である。
先ず、半導体パッケージを構成する所定の部材を成形用金型に挟持する。この際、リード間に形成される樹脂バリ表面に凹部を形成するため、予め成形用金型に凸状の部分を形成しておく(ステップS0)。樹脂バリ表面に形成される凹部は、反対面に貫通しない。
最初に、半導体パッケージのリード間に樹脂バリが生成される工程から説明する。
先ず、成形用金型の上金型30には、予め凸状の部分である凸部50が形成されている(ステップS0)。
上述したように上金型30には凸部50が設けられており、凸部50を空間部40の上側から空間部40の一部に突出させている。
図3(A)は樹脂バリが生成された半導体パッケージの要部図である。
半導体パッケージ1は、半導体チップ10(図の点線)の上下をモールド60により封止され、モールド60からはリード20が導出されている。リード20は、モールド60内部で半導体チップ10の電極部と電気的に接続されている。
上述したように、図2に示す上金型30、下金型31、リード20及びダイバ21によって取り囲まれる空間部40には、溶解した樹脂が流出する。
図3(B)は樹脂バリが生成されたリード部の断面図である。この図は、図3(A)のB−Bの位置に対応している。
樹脂バリ70は、ダイバ21とモールド60間に生成され、その上面に凹部51が形成されている。この凹部51は、図2に示す上金型30の凸部50に対応して形成されたものである。
次に、この凹部51を形成した樹脂バリ70を半導体パッケージ1から打ち抜きにより取り除く工程について説明する。
図4は打ち抜き前の工程を示す要部断面図である。
リード20部分を打ち抜き台80上に設置し、樹脂バリ70上に、打ち抜きパンチ81を設置する(ステップS4)。
尚、ここでの打ち抜きパンチ81の幅は、凹部51の幅(0.9mm)よりも大きく、リード20間(1.3mm)、ダイバ21−モールド60間(1.0mm)の距離以下であればよい。従って、打ち抜きパンチ81をリード20間に挿入した際の微狭なクリアランス(10〜100μm)は設けない。即ち、図中のAは、打ち抜きパンチ81の幅が凹部51の幅よりも大きく、リード20間、ダイバ21−モールド60間の距離以下であるように調整する。このように、打ち抜きパンチ81の短手方向の幅は、凹部51の開口部より大きく、図2に示す空間部40の平面形状より小さくなるように調整する。
打ち抜きパンチ81を樹脂バリ70に押圧し、樹脂バリ70の打ち抜きを開始する。
ここで、樹脂バリ70には凹部51が形成されている。従って、樹脂バリ70の容積は凹部51が形成されていないときに比べ、凹部51部分の容積だけ減少している。その結果、樹脂バリ70の形状的な剛性は樹脂バリ70に凹部51が形成されていないときに比べ低下している。
図6の上方から下方へ打ち抜きパンチ81をリード20間に挿入し、樹脂バリ70の打ち抜きをする。
打ち抜きパンチ81を貫通させ、樹脂バリ70をリード20から除去する(ステップS5)。ここで、ダレ部22上面の樹脂バリ70aは、樹脂バリ70と共に、一体となってリード20間から除去される。即ち、ダレ部22に付着した樹脂バリ70aは、打ち抜きにより残存することはなく、樹脂バリ70として一体となってリード20間から除去することができる。
このような方法によれば、リード及びダイバのダレ部上面に形成した樹脂バリが打ち抜き後にダレ部上面に残ることはない。その結果、その後のブラシがけ等の2次加工が不要になり、リードの損傷を防止することができる。
即ち、上記の実施例によれば、半導体パッケージの品質、半導体パッケージの製造工程における生産性が向上する。
この図では、一例として凹部52の断面形状をV字状とし、凹部52は、リード20を打ち抜き形成する際に生じるダレ部22の在る面の、リード20間に2条の溝状に形成され状態を示している。そして、樹脂バリ71は、凹部52が形成された側から打ち抜きによって除去される。
また、樹脂バリ上面に形成した凹部は、その上面だけに限らず、その下面に凹部を形成してもよい。その結果、打ち抜く方向によらず、確実に樹脂バリを剥離することができる。
図9は下面に凹部を形成させた樹脂バリの打ち抜き前の工程を示す要部断面図である。
ここで、凹部53は、リード20間の中央に溝状に形成され、リード20を打ち抜き形成する際に生じるダレ部22の在る面とは反対の面に形成されている。
図10は下面に凹部を形成させた樹脂バリの打ち抜き中の工程を示す要部断面図である。
ここで、樹脂バリ72全体が打ち抜きパンチ83による押圧により一旦歪曲する。樹脂バリ72全体が歪曲すると、凹部53に亀裂が生じ、ダレ部22に付着していた樹脂バリ72aがダレ部22から剥離しやすくなる。そして、打ち抜き中にダレ部22に付着していた樹脂バリ72aが樹脂バリ72に向かって引き込まれるように共に移動する。
打ち抜きパンチ83を貫通させ、樹脂バリ72をリード20から除去する。ここで、ダレ部22上面の樹脂バリ72aは、樹脂バリ72と共に、一体となってリード20間から除去される。即ち、ダレ部22に付着した樹脂バリ72aは、打ち抜きにより残存することはなく、樹脂バリ72として一体となってリード20間から除去することができる。
10、110 半導体チップ
20、130 リード
21、131 ダイバ
22、132 ダレ部
30、140 上金型
31、141 下金型
40、150 空間部
50 凸部
51、52、53 凹部
60、120 モールド
70、70a、70b、71、71a、72、72a、160、160a 樹脂バリ
80、170 打ち抜き台
81、82、83、171 打ち抜きパンチ
Claims (10)
- リードの打ち抜き形成時に主面にダレ部が形成された前記リードを成形用金型に挟持し、前記成形用金型の内部に溶解した樹脂を流入し、半導体パッケージを形成する半導体パッケージの製造方法において、
前記成型用金型と前記ダレ部を含む前記リード、前記リードを連結するダイバに囲まれた空間部に生じる樹脂バリの前記主面側の表面に凹部を形成し、
流入した前記樹脂が硬化した後に、前記空間部の前記樹脂バリを、打ち抜きにより前記凹部が形成された側から反対側に押圧して歪曲させて除去することを特徴とする半導体パッケージの製造方法。 - 前記樹脂バリの打ち抜きには、打ち抜きパンチを用い、前記打ち抜きパンチは、前記凹部の開口部より大きく、前記空間部の平面形状より小さいことを特徴とする請求項1記載の半導体パッケージの製造方法。
- 前記凹部は、前記リード間に2条の溝状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体パッケージの製造方法。
- 前記樹脂バリの打ち抜きには、打ち抜きパンチを用い、前記打ち抜きパンチは、前記2条の溝間を押圧することを特徴とする請求項3記載の半導体パッケージの製造方法。
- リードの打ち抜き形成時に主面にダレ部が形成された前記リードを成形用金型に挟持し、前記成形用金型の内部に溶解した樹脂を流入し、半導体パッケージを形成する半導体パッケージの製造方法において、
前記成型用金型と前記ダレ部を含む前記リード、前記リードを連結するダイバに囲まれた空間部に生じる樹脂バリの前記主面の反対側の表面に凹部を形成し、
流入した前記樹脂が硬化した後に、前記空間部の前記樹脂バリを、打ち抜きにより前記主面側から前記凹部が形成された側に押圧して歪曲させて前記凹部から裂いて除去することを特徴とする半導体パッケージの製造方法。 - 前記凹部を、前記リード間の中央に溝状に形成することを特徴とする請求項5記載の半導体パッケージの製造方法。
- 前記樹脂バリの打ち抜きには、打ち抜きパンチを用い、前記打ち抜きパンチは、前記凹部の開口部より大きく、前記空間部の平面形状より小さいことを特徴とする請求項6記載の半導体パッケージの製造方法。
- 前記樹脂バリを打ち抜いた後に前記ダイバを前記リードから除去することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の半導体パッケージの製造方法。
- 前記樹脂の材質が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の半導体パッケージの製造方法。
- 前記樹脂バリに形成される前記凹部の断面形状は、矩形状、半円状、矩形以外の多角状、V字状、U字状であることを特徴とする請求項1、3、5、6のいずれか一項に記載の半導体パッケージの製造方法。
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