JP5047571B2 - ポリアミド延伸フィルム - Google Patents
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メタキシリレンジアミンに由来する構成単位が上記範囲内であることにより所定のガスバリア性を保持することが可能となる。メタキシリレンジアミンに由来する構成単位は、90モル%以上であるのが好ましく、100モル%であるのが更に好ましい。メタキシリレンジアミン以外のジアミンとして、パラキシリレンジアミン、オルソキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、オルソフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン等を使用することができる。
前記の脂環族ジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸が好ましく、そのアルキルエステルとしては、ジメチルエステルやジエチルエステル等が好ましい。
また、上記の成分以外に3官能のアルコールやトリカルボン酸又はそのエステルを少量共重合させてもよく、更に、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸又はそのジアルキルエステルも共重合成分として使用できる。
溶融混練反応法よる場合は、前記の各成分を所定の配合比にて均一に混合した後に溶融混練すればよい。混合には、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等が使用され、溶融混練には、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、一軸又は多軸混練押出機などが使用される。
溶融混練は、樹脂が熱劣化しないように、下限が好ましくは100℃、より好ましくは120℃、更に好ましくは150℃、上限が好ましくは300℃、より好ましくは280℃、更に好ましくは250℃の範囲で行う。
グラフト量(重量%)=100×(C÷3×98)/{(A×148÷4)+(B×72÷4)+(C÷3×98)}
(但し、式中のAは7.8〜8.4ppmの積分値、Bは1.2〜2.2ppmの積分値、Cは2.4〜2.9ppmの積分値である。)
H1-NMR測定に使用する機器としては、日本電子社製「GSX−400」を用いることができる。
本発明のポリアミド延伸フィルムは、例えば、混合樹脂(Z)を押し出してフィルム状(原反フィルム)に成形した後、延伸して得られる。混合樹脂(Z)を押し出す際には、ポリアミド樹脂(X)と変性ポリエステル系エラストマー(Y)をドライブレンドして使用してもよいし、あらかじめ、単軸、あるいは二軸押出機を用いて溶融混練したものを用いる事もできる。脂肪族ポリアミド(X*)からなる延伸層を任意に積層する場合、混合樹脂(Z)と脂肪族ポリアミド(X*)を共押し出しして多層フィルム(原反フィルム)を得、これを延伸してもよい。あるいは、別々に得た混合樹脂(Z)からなる延伸フィルムと脂肪族ポリアミド(X*)からなる延伸フィルムを熱圧着、接着剤などにより積層してもよい。混合樹脂(Z)を任意に脂肪族ポリアミド(X*)と共に押し出して原反フィルムを得るには、通常のTダイ法、円筒ダイ法(インフレーション法)等の製膜法を用いることができる。
延伸の倍率は、MD方向もしくはTD方向の少なくとも一方向に、下限が、好ましくは2、より好ましくは2.5、更に好ましくは3、上限が、好ましくは5、より好ましくは4.5、更に好ましくは4である。延伸の倍率を上記上限以下とすることにより良好なガスバリア性を確保しやすい。延伸倍率が上記下限以上であると延伸効果が現れやすく、バリア性や機械物性も良好になりやすい。
混合樹脂(Z)を使用してフィルムを延伸する際の温度は、下限が、好ましくは50℃、より好ましくは90℃、上限が好ましくは120℃、より好ましくは110℃であるのがよい。延伸温度が前記範囲内とすることにより、延伸不良や白化を防止することができる。延伸時の温度が下限以上であると冷延伸とならず、延伸ムラが起こりにくい。また、上限以下であると、加熱による結晶化が起こりにくく、破断や透明性悪化が生じにくい。
多層ガスバリア性フィルムの製造法としては、単層または多層ポリアミド延伸フィルムに、ポリオレフィン、ポリエステル、接着性樹脂等から得られた延伸または無延伸熱可塑性樹脂フィルムを熱プレス、接着剤などにより積層する方法がある。該接着剤としては、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤などが挙げられる。
尚、上記多層フィルムの押出温度、及び延伸温度は、前記単層または多層ポリアミド延伸フィルム製造の押出温度、及び延伸温度を参考にして適宜好ましい条件を選択することができる。
なお、本実施例及び比較例において、以下に示す測定法及び評価法を採用した。
測定は、ASTM D1003に準じて行った。
使用した測定機器は、日本電色工業(株)製、差・濁度測定器(型式:COH−300A)である。
測定は、ASTM D3985に準じて行った。
使用した測定機器は、モダンコントロールズ社製、酸素透過率測定装置(型式:OX−TRAN 10/50A)であり、測定条件は、23℃、相対湿度60%である。
測定は、ASTM D781に準じて行った。
使用した測定機器は、東測精密工業(株)製、フィルムインパクト試験機(型式:ITF−60)であり、測定条件は、23℃、相対湿度50%である。
使用した測定機器は、理学工業(株)製、ゲルボーフレックステスターであり、測定条件は、23℃、相対湿度50%である。所定回数の屈曲を行い、ピンホールテスターでピンホールの個数を数えた。
あらかじめ、ナイロンMXD6(ポリアミド樹脂(X)に相当。三菱ガス化学(株)製、商品名:MXナイロン6007。ジアミンに由来する構成単位はメタキシリレンジアミン由来で、ジカルボン酸に由来する構成単位は炭素数6のアジピン酸由来。)95重量部と、変性ポリエステル系エラストマー(三菱化学(株)製、商品名:プリマロイ−AP IF138。数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールを65重量部含有するポリエステルエラストマーと、無水マレイン酸を0.5重量部、及び、ラジカル発生剤として0.05重量部を温度230℃で反応させたもの。JIS硬度35。変性率0.34。)5重量部を、ドライブレンドし、混合樹脂を作製した。これをシリンダー径が30mmの二軸押出機((株)プラスチック工学研究所製、PTM30)から260〜270℃で押し出して、Tダイ−冷却ロール法により厚み300μmの原反フィルムを作製した。得られたフィルムを、(株)東洋精機製作所製の二軸延伸装置(テンター法)を用いて、延伸温度100℃でTD及びMD方向に、それぞれ、4倍に二軸延伸してポリアミド延伸フィルム(厚みは15μm)を得た。表1に得られたポリアミド延伸フィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
参考例1で得られた延伸フィルムを表基材フィルムとし、またLLDPEフィルム(出光石油化学(株)製、商品名:ユニラックス LS722C、厚さ50μm)をシーラントフィルムとして、また接着剤としてポリウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製、ポリエステル系樹脂の主材AD−817とポリイソシアネートの硬化剤CAT−RT86)を用いて、両者をドライラミネートして多層ガスバリア性フィルムを得た。表2に得られた多層ガスバリア性フィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
シリンダー径が45mmの押出機から直鎖状低密度ポリエチレン(C層を構成する。三井化学(株)製、商品名:ウルトゼックス2022L)、シリンダー径が40mmの押出機から接着性ポリエチレン(B層を形成する。三井化学(株)製、商品名:アドマーNF300)及びシリンダー径が30mmの押出機から、参考例1と同様にして得た混合樹脂(A層を構成)をそれぞれ、200〜210℃、190〜200℃、260〜270℃で押出し、層構成がC層/B層/A層/B層/C層の順になるようにフィードブロックを介して多層溶融状態を形成させ、円筒ダイ−水冷インフレーション法により、多層フィルムを作製した。得られた多層フィルムを、チューブラー法で延伸温度100℃にて同時二軸延伸し(縦×横=3×4倍)、更に熱固定を行って多層ガスバリア性フィルムを得た。表3に作製した多層ガスバリア性フィルムの層構成、厚さとフィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
あらかじめ、バリア層用の樹脂として、ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、商品名MXナイロン6011、N−MXD6と略記する)97重量部と、変性ポリエステル系エラストマー(プリマロイ−AP IF138)3重量部を、ドライブレンドし、混合樹脂を作製した。この混合樹脂(V層を形成)と、ナイロン6(宇部興産(株)社製、ウベナイロン1022FDX04)(W層を形成)を、65mmφ押出機3台を使用して別々に255℃で溶融させ、Tダイ内で積層させて3層構造(W/V/W)の積層フィルムとして押出し、30℃のキャストロールにピニング装置を用いて密着急冷し、W/V/W=50/50/50μmの多層フィルムを得た。得られた多層フィルムを、ロール式延伸機にて低速側の加熱ロール温度85℃、縦軸方向に3倍延伸し、ついでこのフィルムの端部をテンタークリップで保持し、テンターオーブン内で、100〜120℃の条件下で、横軸方向に3.3倍に延伸した後、215℃で10秒間の熱固定処理を行った。延伸条件、および得られた多層延伸フィルムの評価結果を表4に示した。
ナイロンMXD6のみを用いた以外は参考例1と同様にして延伸フィルムを作製した。表1に得られた延伸フィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、商品名:MXナイロン6007)70重量部と、変性ポリエステル系エラストマー(三菱化学(株)製、プリマロイ−AP IF138)30重量部をドライブレンドしたものを用いた以外は参考例1と同様にして延伸フィルムを作製した。表1に得られた延伸フィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
変性ポリエステル系エラストマー(三菱化学(株)製、プリマロイ−AP IF138)の代わりに、スチレン系エラストマー(旭化成工業(株)製、商品名:タフテックM1943)を用いた以外は参考例1と同様にして延伸フィルムを作製した。表1に得られた延伸フィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
比較例1で得られた延伸フィルムを表基材フィルムとした以外は参考例2と同様にしてラミネートフィルムを得た。表2に得られたラミネートフィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
ガスバリア層用の樹脂として、ナイロンMXD6のみを用いた以外は参考例3と同様にして多層延伸フィルムを作製した。表3に作製した多層延伸フィルムの層構成、厚さとフィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
延伸しなかったこと以外は参考例1と同様にしてポリアミドフィルムを得た。表1に得られたポリアミドフィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
ポリエステル系エラストマーを添加しなかった以外は実施例4と同様にしてポリアミドフィルムを得た。表4に得られたポリアミドフィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
Claims (7)
- ポリアミド樹脂(X)80〜99重量%と変性ポリエステル系エラストマー(Y)20〜1重量%とを含む混合樹脂(Z)からなるガスバリア性延伸層を少なくとも1層含み、かつ該ガスバリア性延伸層の両面に脂肪族ポリアミド樹脂からなる延伸層を有する多層ポリアミド延伸フィルムであって、該ポリアミド樹脂(X)は、70モル%以上がメタキシリレンジアミン単位であるジアミン構成単位と70モル%以上が炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボン酸単位であるジカルボン酸構成単位からなり、該変性ポリエステル系エラストマー(Y)がエチレン性不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリエステル系エラストマーである、多層ポリアミド延伸フィルム。
- 炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボン酸がアジピン酸である、請求項1に記載の多層ポリアミド延伸フィルム。
- 前記混合樹脂(Z)と脂肪族ポリアミド樹脂とを溶融共押し出しして多層フィルムを得、該多層フィルムを延伸して得られる、請求項1又は2に記載の多層ポリアミド延伸フィルム。
- 前記脂肪族ポリアミド樹脂がナイロン6である、請求項1〜3のいずれかに記載の多層ポリアミド延伸フィルム。
- 外層側から、ナイロン6からなる延伸層/混合樹脂(Z)からなるガスバリア性延伸層/ナイロン6からなる延伸層の順で積層され、各層の厚みが5μm/5μm/5μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の多層ポリアミド延伸フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の多層ポリアミド延伸フィルムおよび延伸または無延伸熱可塑性樹脂フィルムからなるガスバリア性多層フィルム。
- 多層ポリアミド延伸フィルムと延伸または無延伸熱可塑性樹脂フィルムを積層して得られる、請求項6に記載のガスバリア性多層フィルム。
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