JP5047571B2 - ポリアミド延伸フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ボイル処理やレトルト処理の可能な柔軟性、耐衝撃性、耐ピンホール性、透明性に優れたガスバリア性ポリアミド延伸フィルムに関する。
ガスバリア性を有する包装材料としては、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアミド等をガスバリア層に利用した多層フィルムが使用されている。ポリアミドの中でも、メタキシリレンジアミンと炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボン酸を重縮合して得られるメタキシリレン基含有ポリアミドは、他のガスバリア性樹脂に対して、ボイル処理やレトルト処理を行った場合、ガスバリア性の低下が少なく、また、ガスバリア性の回復も速いという特徴を有している。特に、炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボン酸としてアジピン酸を用いたポリメタキシリレンアジパミド(以下ナイロンMXD6ということがある)は、この特徴を生かして最近包装分野での利用が進んでいる。
ナイロンMXD6は、無延伸状態では耐衝撃性、柔軟性、耐ピンホール性が低いという欠点がある一方、延伸することにより、耐衝撃性、柔軟性、耐ピンホール性がある程度改善できる。しかし、ナイロンMXD6単独では充分な改良は不可能であり、更なる改善が要望されている。ナイロンMXD6にポリオレフィンを添加する方法(特許文献1参照)、変性ポリオレフィンを添加する方法(特許文献2〜3参照)、アイオノマーを添加する方法(特許文献4〜6参照)、ポリアミドエラストマーを添加する方法(特許文献7〜8参照)、スチレン−ブタジエン共重合体を添加する方法(特許文献9参照)がそれぞれ提案されている。また、ナイロンMXD6に変性ポリエステルエラストマーを添加したものが、柔軟性、耐薬品性、耐油性、成形性などに優れ、自動車、電機部品等の分野に用いることができるとの提案もある(特許文献10参照)。
しかしながら、前述の各方法では、いずれも充分な耐衝撃性、柔軟性、耐ピンホール性を得られるものではなく、さらにエラストマーを添加するとガスバリア性、透明性が低下するという問題点もあった。特に前記特許文献9によるスチレン−ブタジエン共重合体を添加し用いた場合、更なる耐衝撃性の改善が望まれているのが現状である。
特開平5−77373号公報 特許第3021854号公報 特許第3021851号公報 特開平5−193081号公報 特開平7−117198号公報 特開平7−276591号公報 特開平8−224844号公報 特開平8−165427号公報 特開2000−169603号公報 国際公開第90/09409号パンフレット
本発明の目的は、実用レベルの透明性を確保しながら更に柔軟性、耐衝撃性、耐ピンホール性を大幅に改善し、ガスバリア性も殆ど低下しないガスバリア性ポリアミド延伸フィルムを提供することである。
本発明者らは、メタキシリレン基含有ポリアミドフィルムの耐衝撃性の改善について、各種樹脂とのブレンドについて検討した。その結果、エチレン性不飽和カルボン酸でグラフト変性した変性ポリエステル系エラストマーとメタキシリレン基含有ポリアミドとを含むブレンドから得られた延伸フィルムは、実用レベルの透明性を確保しながら更に柔軟性、耐衝撃性、耐ピンホール性が大幅に改善され、ガスバリア性も殆ど低下せず、ガスバリア層として有用であることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリアミド樹脂(X)80〜99重量%と変性ポリエステル系エラストマー(Y)20〜1重量%とを含む混合樹脂(Z)からなる延伸層を少なくとも1層含み、該ポリアミド樹脂(X)は、70モル%以上がメタキシリレンジアミン単位であるジアミン構成単位と70モル%以上が炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボン酸単位であるジカルボン酸構成単位からなり、該変性ポリエステル系エラストマー(Y)はエチレン性不飽和カルボン酸でグラフト変性されていることを特徴とするポリアミド延伸フィルムに関する。
本発明のポリアミド延伸フィルムは、ポリアミド樹脂(X)と変性ポリエステル系エラストマー(Y)からなる混合樹脂(Z)により形成されたガスバリア層を少なくとも1層有するので、透明性、耐衝撃性、耐ピンホール性、ガスバリア性が優れており、しかも、ボイル処理或いはレトルト処理が可能なことから、食品、医薬、工業薬品、化粧品類、インキ等の包装材料として好適に用いることが出来る。本発明のポリアミド延伸フィルムは、特に透明性に優れるため、内容部可視性に優れ、特に食品包装として好適に用いることができる。
本発明で使用するポリアミド樹脂(X)は、ジアミンに由来する構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンに由来するものであり、かつジカルボン酸に由来する構成単位の70モル%以上が炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボン酸に由来するものである。ポリアミド樹脂(X)は、例えば、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを使用し、これらを重縮合して得られる。
メタキシリレンジアミンに由来する構成単位が上記範囲内であることにより所定のガスバリア性を保持することが可能となる。メタキシリレンジアミンに由来する構成単位は、90モル%以上であるのが好ましく、100モル%であるのが更に好ましい。メタキシリレンジアミン以外のジアミンとして、パラキシリレンジアミン、オルソキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、オルソフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン等を使用することができる。
又、炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位が70モル%以上であることによりポリアミド樹脂(X)の実用的な物性を得ることが可能となる。炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボン酸単位の割合は70モル%以上であるのが好ましく、100モル%であるのが更に好ましい。炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボン酸として、アジピン酸、セバシン酸等を挙げることができる。これらのジカルボン酸は、単独でも2種以上混合しても使用可能である。これらのなかでもポリアミド樹脂(X)のガスバリア性の観点から、ジカルボン酸成分としてアジピン酸を使用することが特に望ましい。炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸として芳香族カルボン酸等を用いることができ、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸等を例示することができる。
本発明で使用する変性ポリエステル系エラストマー(Y)は、エチレン性不飽和カルボン酸(その無水物も含む)、好ましくはα,β−エチレン性不飽和カルボン酸(その無水物も含む)でグラフト変性したポリエステル系エラストマーであり、エチレン性不飽和カルボン酸をポリエステル系エラストマーにグラフト重合させることにより得られる。
本発明で使用するポリエステル系エラストマーは、飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましく、特にポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましい。例えば、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとしてポリアルキレンエーテルグリコールや脂肪族ポリエステルからなるものが好ましい。特に、ソフトセグメントとしてポリアルキレンエーテルグリコールを使用したポリエステルポリエーテルブロック共重合体が好ましい。ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントの含有量は、生成するブロック共重合体に対して、下限が好ましくは5重量%、より好ましくは30重量%、更に好ましくは50重量%、上限が好ましくは90重量%、より好ましくは80重量%、更に好ましくは77重量%である。ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントの含有量が上記上限以下であると硬度及び機械強度の点で好ましく、上記下限以上であると柔軟性及び耐衝撃性の点で好ましい。ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントの含有量は核磁気共鳴スペクトル法(NMR)を使用し、その水素原子の化学シフトとその含有量に基づいて算出することができる。
ポリエステルポリエーテルブロック共重合体としては、(i)炭素原子数2〜12の脂肪族ジオール及び/又は脂環族ジオールと、(ii)芳香族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸又はそのアルキルエステル、及び(iii)ポリアルキレンエーテルグリコールとを原料とし、エステル化反応又はエステル交換反応により得られたオリゴマーを重縮合させたものが好ましい。
上記の炭素原子数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジオールとしては、ポリエステルの原料、特にポリエステル系エラストマーの原料として一般に用いられるものが使用できる。その具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらの中では、1,4−ブタンジオール又はエチレングリコールが好ましく、特に1,4−ブタンジオールが好ましい。これらのジオールは2種以上を併用してもよい。
前記の芳香族ジカルボン酸としては、ポリエステルの原料、特にポリエステル系エラストマーの原料として一般的に用いられているものが使用できる。その具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。これらの中では、テレフタル酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく、特にテレフタル酸が好ましい。これらの芳香族ジカルボン酸は2種以上を併用してもよい。前記の芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとしては、上記の芳香族ジカルボン酸のジメチルエステルやジエチルエステル等が使用される。中でも、ジメチルテレフタレート及び2,6−ジメチルナフタレンジカルボキシレートが好ましい。
前記の脂環族ジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸が好ましく、そのアルキルエステルとしては、ジメチルエステルやジエチルエステル等が好ましい。
また、上記の成分以外に3官能のアルコールやトリカルボン酸又はそのエステルを少量共重合させてもよく、更に、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸又はそのジアルキルエステルも共重合成分として使用できる。
前記のポリアルキレンエーテルグリコールとしては、数平均分子量が、下限が好ましくは400、より好ましくは500、更に好ましくは600、上限が好ましくは6,000、より好ましくは4,000、更に好ましくは3,000のものが使用される。数平均分子量が上記下限以上であると共重合体のブロック性の点で好ましく、上記上限以下であると系内での相分離が起こり難くポリマー物性が発現しやすい。なお、ここで、数平均分子量とはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定されたものを言う。GPCのキャリブレーションには、英国POLYMER LABORATORIES社のPOLYTETRAHYDROFURANキャリブレーションキットを使用すればよい。
上記のポリアルキレンエーテルグリコールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(1,3−プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンエーテル)グリコール等が挙げられる。上述の様なポリエステル系エラストマーの市販品としては、三菱化学株式会社製「プリマロイ」、東洋紡績株式会社製「ペルプレン」、東レ・デュポン株式会社製「ハイトレル」等が挙げられる。
本発明で使用するエチレン性不飽和カルボン酸(その無水物も含む)としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和カルボン酸;(2−オクテン−1−イル)コハク酸無水物、(2−ドデセン−1−イル)無水物コハク酸、(2−オクタデセン−1−イル)コハク酸無水物、マレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、ブロモマレイン酸無水物、ジクロロマレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、endo−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸無水物が挙げられる。このうち、反応性が高いので、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸およびその無水物が好ましく、該無水物がより好ましい。
上記のエチレン性不飽和カルボン酸(その無水物も含む)は、変性すべきポリエステル系エラストマーや変性条件に応じて適宜選択することができ、また、二種以上を併用してもよい。このエチレン性不飽和カルボン酸は有機溶剤などに溶解して使用することもできる。
本発明においてポリエステル系エラストマーの変性反応は、ポリエステル系エラストマーに変性剤としてのエチレン性不飽和カルボン酸を反応させることによって行われる。変性に際してはラジカル発生剤を使用するのが好ましい。この変性反応においては、ポリエステル系エラストマーにエチレン性不飽和カルボン酸やその無水物が付加するグラフト反応が主として起こるが、分解反応も起こる。その結果、変性ポリエステル系エラストマーは、分子量が低下して溶融粘度が低くなる。また、上記の変性反応においては、通常、他の反応として、エステル交換反応なども起こるものと考えられ、得られる反応生成物は、一般的には、未反応原料などを含むが、変性ポリエステル系エラストマー単独であるのが好ましい。反応生成物が組成物の場合、変性ポリエステル系エラストマーの含有率は、10重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。
本発明で使用するラジカル発生剤としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルへキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ターシャリーブチルオキシ)ヘキサン、3,5,5−トリメチルへキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジブチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、過酸化カリウム、過酸化水素などの有機及び無機の過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(イソブチルアミド)ジハライド、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、アゾジ−t−ブタン等のアゾ化合物、ジクミル等の炭素ラジカル発生剤などが挙げられる。
上記のラジカル発生剤は、変性反応に使用するポリエステル系エラストマーの種類、エチレン性不飽和カルボン酸の種類及び変性条件に応じて適宜選択することが出来、また、二種以上を併用してもよい。ラジカル発生剤は有機溶剤などに溶解して使用することもできる。
変性ポリエステル系エラストマーを得るための変性反応としては、溶融混練反応法、溶液反応法、懸濁分散反応など公知の種々の反応方法を使用することができるが、通常は安価であることから溶融混練反応法が好ましい。
溶融混練反応法よる場合は、前記の各成分を所定の配合比にて均一に混合した後に溶融混練すればよい。混合には、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等が使用され、溶融混練には、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、一軸又は多軸混練押出機などが使用される。
溶融混練は、樹脂が熱劣化しないように、下限が好ましくは100℃、より好ましくは120℃、更に好ましくは150℃、上限が好ましくは300℃、より好ましくは280℃、更に好ましくは250℃の範囲で行う。
エチレン性不飽和カルボン酸(その無水物も含む)の配合量は、ポリエステル系エラストマー100重量部に対し、下限が好ましくは0.01重量部、より好ましくは0.05重量部、更に好ましくは0.1重量部、上限が好ましくは30重量部、より好ましくは5重量部、更に好ましくは1重量部である。エチレン性不飽和カルボン酸の配合量が上記下限以上であると十分な変性が出来やすく、上記上限以下であると経済的に好ましい。
ラジカル発生剤の配合量は、ポリエステル系エラストマー100重量部に対し、下限が好ましくは0.001重量部、より好ましくは0.005重量部、更に好ましくは0.010重量部、上限が好ましくは3重量部、より好ましくは0.5重量部、更に好ましくは0.2重量部、特に好ましくは0.1重量部である。ラジカル発生剤の配合量が上記下限以上であると十分な変性が起きやすく、上記上限以下であると変性時の低分子量化(粘度低下)による材料強度の低下が起こり難い。
上記のようにして得られる変性ポリエステル系エラストマー含有反応物のJIS−D硬度(JIS−K6253に従い、デュロメータ タイプDによる硬度)は、下限が通常10、好ましくは15、更に好ましくは20、上限が好ましくは80、より好ましくは70、更に好ましくは60である。JIS−D硬度が上記下限以上であると機械強度の点で好ましく、上記上限以下であると柔軟性及び耐衝撃性の点で好ましい。
また、変性ポリエステル系エラストマーの変性率(グラフト量)は、H-NMR測定により得られるスペクトルから、下記の式に従って求めることができる。
グラフト量(重量%)=100×(C÷3×98)/{(A×148÷4)+(B×72÷4)+(C÷3×98)}
(但し、式中のAは7.8〜8.4ppmの積分値、Bは1.2〜2.2ppmの積分値、Cは2.4〜2.9ppmの積分値である。)
-NMR測定に使用する機器としては、日本電子社製「GSX−400」を用いることができる。
上記のようにして求めた本発明の変性ポリエステル系エラストマーの変性率(グラフト量)は、下限が好ましくは0.01重量%、より好ましくは0.03重量%、更に好ましくは0.05重量%、上限が好ましくは10重量%、より好ましくは7重量%、更に好ましくは5重量%である。グラフト量が上記下限以上であるとポリアミドとの親和性が高くなる点で好ましく、上記上限以下であると変性時の分子劣化による強度低下が小さくなりやすい。
本発明における変性ポリエステル系エラストマーには、天然ゴム、合成ゴム(例えばポリイソプレンゴム)などのゴム成分およびプロセスオイル等の軟化剤を共存させてもよい。軟化剤はゴム成分の可塑化促進や得られる熱可塑性樹脂組成物の流動性を向上させる等の目的で添加される。これらはパラフィン系、ナフテン系、芳香族系のいずれであってもかまわない。なお本発明の主旨を逸脱しない範囲において、変性ポリエステル系エラストマーは、ゴム成分および軟化剤に加えて他の樹脂やゴム、フィラー、添加剤等を含んでもよい。フィラーとしては炭酸カルシウム、タルク、シリカ、カオリン、クレー、ケイソウ土、珪酸カルシウム、雲母、アスベスト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素繊維、ガラス繊維、ガラス球、硫化モリブデン、グラファイト、シラスバルーン等を挙げることができる。また添加剤としては耐熱安定剤、耐候安定剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、核剤、滑剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤等である。耐熱安定剤としてはフェノール系、リン系、硫黄系等の公知のものが使用可能である。また耐候安定剤としてはヒンダードアミン系、トリアゾール系等の公知のものが使用可能である。着色剤としてはカーボンブラック、チタンホワイト、亜鉛華、べんがら、アゾ化合物、ニトロソ化合物、フタロシアニン化合物等が挙げられる。帯電防止剤、難燃剤、核剤、滑剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤等についてもいずれも公知のものが使用可能である。
本発明における混合樹脂(Z)は、ポリアミド樹脂(X)/変性ポリエステル系エラストマー(Y)を、以下の割合(重量%)(ポリアミド樹脂(X)と変性ポリエステル系エラストマー(Y)の合計は100である)で混合して得られる。(X)/(Y)(重量基準)は、下限が好ましくは80/20、より好ましくは90/10、更に好ましくは92.5/7.5、特に好ましくは95/5、上限が好ましくは99/1、より好ましくは98/2、更に好ましくは97.5/2.5、特に好ましくは97/3がよい。(X)/(Y)が上記上限以下であると耐衝撃性の点で好ましく、上記下限以上であるとガスバリア性及び透明性、及び延伸で破れにくい点で好ましい。
混合樹脂(Z)には、フィルムの柔軟性や耐衝撃性を更に改善するため、必要に応じてポリアミド樹脂(X)以外の脂肪族ポリアミド(X)を添加することもできる。脂肪族ポリアミド(X)としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6−66等を用いることが出来、非晶性ナイロンを用いることも出来る。脂肪族ポリアミド(X)の配合量としては、ポリアミド樹脂(X)/脂肪族ポリアミド(X)が、50/50〜99/1(重量基準)の範囲(ポリアミド樹脂(X)と脂肪族ポリアミド(X)の合計は100である)とするのが、良好なガスバリア性を維持することができ、また柔軟性を改善することができやすい点で好ましい。
また、混合樹脂(Z)には、必要に応じて、帯電防止剤、滑材、耐ブロッキング剤、安定剤、染料、顔料等を加えることができる。帯電防止剤や滑材等の添加剤の配合量は、添加剤の種類にもよるが、一般的には0.1〜5(重量%)の範囲で、混合樹脂(Z)に添加することにより、その効果が得られやすい。この他、混合樹脂(Z)には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の成分が含まれていてもよい。混合樹脂(Z)に、上記以外の成分が含まれている場合、通常ポリアミド樹脂(X)と変性ポリエステル系エラストマー(Y)の合計量が、混合樹脂(Z)の好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上である。
本発明のポリアミド延伸フィルムは、混合樹脂(Z)からなる延伸層を少なくとも1層含み、任意に、混合樹脂(Z)からなる延伸層の片面または両面に脂肪族ポリアミド(X)からなる延伸層を含む多層ポリアミド延伸フィルムであってもよい。
本発明のポリアミド延伸フィルムは、例えば、混合樹脂(Z)を押し出してフィルム状(原反フィルム)に成形した後、延伸して得られる。混合樹脂(Z)を押し出す際には、ポリアミド樹脂(X)と変性ポリエステル系エラストマー(Y)をドライブレンドして使用してもよいし、あらかじめ、単軸、あるいは二軸押出機を用いて溶融混練したものを用いる事もできる。脂肪族ポリアミド(X)からなる延伸層を任意に積層する場合、混合樹脂(Z)と脂肪族ポリアミド(X)を共押し出しして多層フィルム(原反フィルム)を得、これを延伸してもよい。あるいは、別々に得た混合樹脂(Z)からなる延伸フィルムと脂肪族ポリアミド(X)からなる延伸フィルムを熱圧着、接着剤などにより積層してもよい。混合樹脂(Z)を任意に脂肪族ポリアミド(X)と共に押し出して原反フィルムを得るには、通常のTダイ法、円筒ダイ法(インフレーション法)等の製膜法を用いることができる。
延伸フィルム(混合樹脂(Z)からなる樹脂層)の厚み範囲は、下限が、好ましくは5μm、より好ましくは10μm、更に好ましくは12μm、上限が、好ましくは50μm、より好ましくは40μm、更に好ましくは30μmである。延伸フィルム(混合樹脂(Z)からなる樹脂層)の厚みが上記範囲内であると、包装材として用いる場合、特に食品用途に用いる場合のバリア層として好ましい。多層ポリアミド延伸フィルムの場合、脂肪族ポリアミド(X)からなる延伸層の厚みは、通常、10〜100μmであることが多い。
また、本発明のポリアミド延伸フィルムのうち、好ましいものは以下の物性を有する。ガスバリア性は、酸素透過率として0(ml/(m・day・MPa))であるのが最も好ましいが、酸素透過率の上限が好ましくは200(ml/(m・day・MPa))、より好ましくは100(ml/(m・day・MPa))、更に好ましくは70(ml/(m・day・MPa))であるのがよい。透明性は、くもり価が0%/15μmであるのが最も好ましいが、くもり価の上限が好ましくは8%/15μm、より好ましくは6%/15μm、更に好ましくは5%/15μm、特に好ましくは4%/15μmであるのがよい。柔軟性は、耐ピンホール性試験のピンホール数が0個/500回屈曲であるのが最も好ましいが、耐ピンホール性試験のピンホール数の上限が好ましくは5個/500回屈曲、より好ましくは3個/500回屈曲、更に好ましくは1個/500回屈曲であるのがよい。耐衝撃性は、高い方が好ましいが、衝撃穴あけ強度で下限が好ましくは8(kg−cm)、より好ましくは10(kg−cm)、更に好ましくは15(kg−cm)であるのがよい。尚、各々の測定方法は後述する。
混合樹脂(Z)および脂肪族ポリアミド(X)の溶融押出しは、好ましくは250〜290℃、より好ましくは250〜270℃で行うのが良い。押出し温度が上記上限以下であると、分解やゲル発生、着色、発泡が起こりにくい点で好ましい。延伸方法としては、一軸延伸、同時二軸延伸法あるいは逐次二軸延伸法等を用いることが出来る。このうち、配向が均一になりやすいことから、二軸延伸が好ましい。
延伸の倍率は、MD方向もしくはTD方向の少なくとも一方向に、下限が、好ましくは2、より好ましくは2.5、更に好ましくは3、上限が、好ましくは5、より好ましくは4.5、更に好ましくは4である。延伸の倍率を上記上限以下とすることにより良好なガスバリア性を確保しやすい。延伸倍率が上記下限以上であると延伸効果が現れやすく、バリア性や機械物性も良好になりやすい。
混合樹脂(Z)を使用してフィルムを延伸する際の温度は、下限が、好ましくは50℃、より好ましくは90℃、上限が好ましくは120℃、より好ましくは110℃であるのがよい。延伸温度が前記範囲内とすることにより、延伸不良や白化を防止することができる。延伸時の温度が下限以上であると冷延伸とならず、延伸ムラが起こりにくい。また、上限以下であると、加熱による結晶化が起こりにくく、破断や透明性悪化が生じにくい。
本発明で得られるポリアミド延伸フィルムは、単層でも充分な耐衝撃性、柔軟性を有しているが、更に脂肪族ポリアミド(X)フィルムを積層させて多層構成とすることで、一層耐衝撃性、柔軟性、耐ピンホール性等を改善された多層フィルムを得ることが出来る。例えば、外層にナイロン6を用いて内層を混合樹脂(Z)として積層された延伸フィルム(ナイロン6/混合樹脂(Z)/ナイロン6)は優れたガスバリア性と柔軟性、及び透明性を有する為、食品等の包材用途に適している。
実際の使用に際しては、本発明のポリアミド延伸フィルムは多層ガスバリア性フィルムのガスバリア層として用いられるのが一般的である。
多層ガスバリア性フィルムの製造法としては、単層または多層ポリアミド延伸フィルムに、ポリオレフィン、ポリエステル、接着性樹脂等から得られた延伸または無延伸熱可塑性樹脂フィルムを熱プレス、接着剤などにより積層する方法がある。該接着剤としては、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤などが挙げられる。
また、混合樹脂(Z)、脂肪族ポリアミド(X)、接着性樹脂、熱可塑性樹脂を、それぞれ溶融して押し出して得た多層フィルム(原反フィルム)を延伸して、多層ガスバリア性フィルムを得ることも出来る。この場合も、原反フィルムは、共押出Tダイ法、共押出円筒ダイ法(インフレーション法)等の製膜法により得ることができる。延伸方法としては、一軸延伸、同時2軸延伸法あるいは逐次二軸延伸法等を用いることが出来る。このうち、配向が均一になりやすいことから、二軸延伸が好ましい。好ましい延伸倍率は、MD方向もしくはTD方向の少なくとも一方向に、下限が、好ましくは2、好ましくは2.5、より好ましくは3、上限が、好ましくは5、好ましくは4.5、より好ましくは4である。延伸の倍率を上記範囲上限以下とすることにより良好なガスバリア性を確保しやすい。延伸倍率が上記下限以上であると延伸効果が発現しやすく、バリア性や機械物性が向上しやすい。
尚、上記多層フィルムの押出温度、及び延伸温度は、前記単層または多層ポリアミド延伸フィルム製造の押出温度、及び延伸温度を参考にして適宜好ましい条件を選択することができる。
単層または多層ポリアミド延伸フィルムおよび多層ガスバリア性フィルム中に、ポリアミド樹脂(X)が含まれていることは、示差走査熱量法(DSC法)による融点解析及び赤外分光光度計による解析により確認可能である。また、変性ポリエステル系エラストマー(Y)が含まれていることは、IR等により判断できる。
多層ガスバリア性フィルムとしては、単層または多層ポリアミド延伸フィルムからなる層(A)、接着性樹脂層(B)および熱可塑性樹脂層(C)が、(A)/(B)/(C)の順で積層された3種3層フィルムや、(C)/(B)/(A)/(B)/(C)の順で積層された3種5層フィルムの構成が一般的であるが、例えば(A)/(B)/(A)/(B)/(C)のようなその他の構成も可能である。層(B)の厚さは1〜20μmが好ましく、層(C)の厚さは10〜50μmが好ましい。
熱可塑性樹脂層(C)に使用する樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、これらの共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体や変性ポリオレフィン樹脂及びこれらの混合物等を用いることが出来るがこれらの中でも低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、及びポリプロピレンが望ましい。
接着性樹脂層(B)の樹脂としては、無水マレイン酸グラフト変性したエチレン−酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン及びポリプロピレンの各々の無水マレイン酸グラフト変性した物、又はこれらを主体とする組成物等を使用することが出来る。
本発明において、単層または多層ポリアミド延伸フィルムおよび多層ガスバリア性フィルムの製造時に発生したバリや不良品などを、粉砕あるいは単軸や二軸押出機などでペレット状に再加工した後再利用してもよい。本発明の効果を損なわない限り、最終用途に応じて、再生材料は単独層として、あるいは、ポリアミド延伸フィルムおよび多層ガスバリア性フィルムを構成する任意の1又は2以上の層に混合することができる。
本発明により得られるポリアミド延伸フィルム(単層あるいは多層)および多層ガスバリア性フィルムは、ボイル処理あるいはレトルト処理を行っても、ガスバリア性の低下が少なく、また回復も速いので、加工肉食品、ボイル物食品、レトルト食品等の食品用包装材料、その他各種の包装材料として使用できる。
包装材料の開口部は、ヒートシールにより密封してもよいし、或いはクリップ等の金属により結索してもよく、特に制限はない。チューブ状フィルムの場合には、所定寸法にカットして、必要ならば一開口部をヒートシールや結索してそのまま使用すればいい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
なお、本実施例及び比較例において、以下に示す測定法及び評価法を採用した。
(1)くもり価
測定は、ASTM D1003に準じて行った。
使用した測定機器は、日本電色工業(株)製、差・濁度測定器(型式:COH−300A)である。
(2)酸素透過率
測定は、ASTM D3985に準じて行った。
使用した測定機器は、モダンコントロールズ社製、酸素透過率測定装置(型式:OX−TRAN 10/50A)であり、測定条件は、23℃、相対湿度60%である。
(3)衝撃穴あけ強度
測定は、ASTM D781に準じて行った。
使用した測定機器は、東測精密工業(株)製、フィルムインパクト試験機(型式:ITF−60)であり、測定条件は、23℃、相対湿度50%である。
(4)柔軟性試験(耐ピンホール性試験)
使用した測定機器は、理学工業(株)製、ゲルボーフレックステスターであり、測定条件は、23℃、相対湿度50%である。所定回数の屈曲を行い、ピンホールテスターでピンホールの個数を数えた。
参考例1>
あらかじめ、ナイロンMXD6(ポリアミド樹脂(X)に相当。三菱ガス化学(株)製、商品名:MXナイロン6007。ジアミンに由来する構成単位はメタキシリレンジアミン由来で、ジカルボン酸に由来する構成単位は炭素数6のアジピン酸由来。)95重量部と、変性ポリエステル系エラストマー(三菱化学(株)製、商品名:プリマロイ−AP IF138。数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコールを65重量部含有するポリエステルエラストマーと、無水マレイン酸を0.5重量部、及び、ラジカル発生剤として0.05重量部を温度230℃で反応させたもの。JIS硬度35。変性率0.34。)5重量部を、ドライブレンドし、混合樹脂を作製した。これをシリンダー径が30mmの二軸押出機((株)プラスチック工学研究所製、PTM30)から260〜270℃で押し出して、Tダイ−冷却ロール法により厚み300μmの原反フィルムを作製した。得られたフィルムを、(株)東洋精機製作所製の二軸延伸装置(テンター法)を用いて、延伸温度100℃でTD及びMD方向に、それぞれ、4倍に二軸延伸してポリアミド延伸フィルム(厚みは15μm)を得た。表1に得られたポリアミド延伸フィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
参考例2>
参考例1で得られた延伸フィルムを表基材フィルムとし、またLLDPEフィルム(出光石油化学(株)製、商品名:ユニラックス LS722C、厚さ50μm)をシーラントフィルムとして、また接着剤としてポリウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製、ポリエステル系樹脂の主材AD−817とポリイソシアネートの硬化剤CAT−RT86)を用いて、両者をドライラミネートして多層ガスバリア性フィルムを得た。表2に得られた多層ガスバリア性フィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
参考例3>
シリンダー径が45mmの押出機から直鎖状低密度ポリエチレン(C層を構成する。三井化学(株)製、商品名:ウルトゼックス2022L)、シリンダー径が40mmの押出機から接着性ポリエチレン(B層を形成する。三井化学(株)製、商品名:アドマーNF300)及びシリンダー径が30mmの押出機から、参考例1と同様にして得た混合樹脂(A層を構成)をそれぞれ、200〜210℃、190〜200℃、260〜270℃で押出し、層構成がC層/B層/A層/B層/C層の順になるようにフィードブロックを介して多層溶融状態を形成させ、円筒ダイ−水冷インフレーション法により、多層フィルムを作製した。得られた多層フィルムを、チューブラー法で延伸温度100℃にて同時二軸延伸し(縦×横=3×4倍)、更に熱固定を行って多層ガスバリア性フィルムを得た。表3に作製した多層ガスバリア性フィルムの層構成、厚さとフィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
<実施例4>
あらかじめ、バリア層用の樹脂として、ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、商品名MXナイロン6011、N−MXD6と略記する)97重量部と、変性ポリエステル系エラストマー(プリマロイ−AP IF138)3重量部を、ドライブレンドし、混合樹脂を作製した。この混合樹脂(V層を形成)と、ナイロン6(宇部興産(株)社製、ウベナイロン1022FDX04)(W層を形成)を、65mmφ押出機3台を使用して別々に255℃で溶融させ、Tダイ内で積層させて3層構造(W/V/W)の積層フィルムとして押出し、30℃のキャストロールにピニング装置を用いて密着急冷し、W/V/W=50/50/50μmの多層フィルムを得た。得られた多層フィルムを、ロール式延伸機にて低速側の加熱ロール温度85℃、縦軸方向に3倍延伸し、ついでこのフィルムの端部をテンタークリップで保持し、テンターオーブン内で、100〜120℃の条件下で、横軸方向に3.3倍に延伸した後、215℃で10秒間の熱固定処理を行った。延伸条件、および得られた多層延伸フィルムの評価結果を表4に示した。
<比較例1>
ナイロンMXD6のみを用いた以外は参考例1と同様にして延伸フィルムを作製した。表1に得られた延伸フィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
<比較例2>
ナイロンMXD6(三菱ガス化学(株)製、商品名:MXナイロン6007)70重量部と、変性ポリエステル系エラストマー(三菱化学(株)製、プリマロイ−AP IF138)30重量部をドライブレンドしたものを用いた以外は参考例1と同様にして延伸フィルムを作製した。表1に得られた延伸フィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
<比較例3>
変性ポリエステル系エラストマー(三菱化学(株)製、プリマロイ−AP IF138)の代わりに、スチレン系エラストマー(旭化成工業(株)製、商品名:タフテックM1943)を用いた以外は参考例1と同様にして延伸フィルムを作製した。表1に得られた延伸フィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
<比較例4>
比較例1で得られた延伸フィルムを表基材フィルムとした以外は参考例2と同様にしてラミネートフィルムを得た。表2に得られたラミネートフィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
<比較例5>
ガスバリア層用の樹脂として、ナイロンMXD6のみを用いた以外は参考例3と同様にして多層延伸フィルムを作製した。表3に作製した多層延伸フィルムの層構成、厚さとフィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
<比較例6>
延伸しなかったこと以外は参考例1と同様にしてポリアミドフィルムを得た。表1に得られたポリアミドフィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
<比較例7>
ポリエステル系エラストマーを添加しなかった以外は実施例4と同様にしてポリアミドフィルムを得た。表4に得られたポリアミドフィルムの透明性(くもり価)、衝撃穴あけ強度、耐ピンホール性、酸素透過率測定結果を示した。
Figure 0005047571
Figure 0005047571
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Claims (7)

  1. ポリアミド樹脂(X)80〜99重量%と変性ポリエステル系エラストマー(Y)20〜1重量%とを含む混合樹脂(Z)からなるガスバリア性延伸層を少なくとも1層含み、かつ該ガスバリア性延伸層の両面に脂肪族ポリアミド樹脂からなる延伸層を有する多層ポリアミド延伸フィルムであって、該ポリアミド樹脂(X)は、70モル%以上がメタキシリレンジアミン単位であるジアミン構成単位と70モル%以上が炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボン酸単位であるジカルボン酸構成単位からなり、該変性ポリエステル系エラストマー(Y)がエチレン性不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリエステル系エラストマーである、多層ポリアミド延伸フィルム。
  2. 炭素数6〜12のα,ω−脂肪族ジカルボン酸がアジピン酸である請求項1に記載の多層ポリアミド延伸フィルム。
  3. 前記混合樹脂(Z)と脂肪族ポリアミド樹脂を溶融共押し出しして多層フィルムを得、該多層フィルムを延伸して得られる請求項1又は2に記載の多層ポリアミド延伸フィルム。
  4. 前記脂肪族ポリアミド樹脂がナイロン6である、請求項1〜3のいずれかに記載の多層ポリアミド延伸フィルム。
  5. 外層側から、ナイロン6からなる延伸層/混合樹脂(Z)からなるガスバリア性延伸層/ナイロン6からなる延伸層の順で積層され、各層の厚みが5μm/5μm/5μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の多層ポリアミド延伸フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の多層ポリアミド延伸フィルムおよび延伸または無延伸熱可塑性樹脂フィルムからなるガスバリア性多層フィルム。
  7. 多層ポリアミド延伸フィルムと延伸または無延伸熱可塑性樹脂フィルムを積層して得られる請求項に記載のガスバリア性多層フィルム。
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