JP6922519B2 - 樹脂組成物、成形品、繊維およびフィルム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、ポリアミド樹脂に、アジピン酸系可塑剤を配合することが記載されている。
<1>ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、かつ、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂100質量部に対し、ポリエチレンアジペートを1〜10質量部含む、樹脂組成物。
<2>前記ポリエチレンアジペートが、環状化合物を含む、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上が、メタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミンから選択される少なくとも1種に由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上がセバシン酸およびアジピン酸から選択される少なくとも1種に由来する、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<5>前記ポリアミド樹脂を91〜99質量%と、ポリエチレンアジペートを9〜1質量%含む、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6><1>〜<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成される成形品。
<7><1>〜<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成される繊維。
<8>前記繊維が2m以上の長さを有し、かつ、前記繊維を1m毎にカットした時の最も重い繊維と最も軽い繊維の質量の差が、前記各繊維の平均質量の1.3%以下である、<7>に記載の繊維。
<9><1>〜<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成されるフィルム。
<10>フィルム厚みの最も厚い箇所と最も薄い箇所の差が10.0%以下である、<9>に記載のフィルム。
さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物は溶融粘度を低くすることができる。
本発明で用いるポリアミド樹脂は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、かつ、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂(以下、「XD系ポリアミド」ということがある)である。
上記キシリレンジアミンは、メタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミンから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明におけるキシリレンジアミンの実施形態の一例は、30〜100モル%のメタキシリレンジアミンと、70〜0モル%のパラキシリレンジアミンからなる形態であり、50〜100モル%のメタキシリレンジアミンと、50〜0モル%のパラキシリレンジアミンからなることが好ましい。
ジアミン成分として、キシリレンジアミン以外のジアミンを用いる場合、ジアミン由来の構成単位の50モル%以下であり、30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜25モル%、特に好ましくは5〜20モル%の割合で用いる。
数平均分子量(Mn)=2,000,000/([COOH]+[NH2])
また、ポリアミド樹脂のガラス転移点は、50〜100℃が好ましく、55〜100℃がより好ましく、特に好ましくは60〜100℃である。この範囲であると、得られる成形品の耐熱性がより良好となる傾向にある。
なお、融点とは、DSC(示差走査熱量測定)法により観測される昇温時の吸熱ピークのピークトップの温度である。また、ガラス転移点とは、試料を一度加熱溶融させ熱履歴による結晶性への影響をなくした後、再度昇温して測定されるガラス転移点をいう。測定には、例えば、島津製作所社(SHIMADZU CORPORATION)製「DSC−60」を用い、試料量は約5mgとし、雰囲気ガスとしては窒素を30mL/分で流し、昇温速度は10℃/分の条件で室温から予想される融点以上の温度まで加熱し溶融させた際に観測される吸熱ピークのピークトップの温度から融点を求めることができる。次いで、溶融したポリアミド樹脂を、ドライアイスで急冷し、10℃/分の速度で融点以上の温度まで再度昇温し、ガラス転移点を求めることができる。
XD系ポリアミドは1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ポリエチレンアジペートを含む。ポリエチレンアジペートは、アジピン酸とエチレングリコールから合成される化合物である。このような化合物をXD系ポリアミドに配合することにより、耐熱性、延伸性、含浸性などに優れた樹脂組成物が得られる。さらに、本発明の樹脂組成物を成形した後の成形品から、ポリエチレンアジペートがブリードアウトしないというメリットもある。
また、本発明で用いるポリエチレンアジペートは、重量平均分子量がポリスチレン換算で1000〜16000であることが好ましく、2000〜12000であることがより好ましく、3000〜8000であることがさらに好ましい。
本発明におけるポリエチレンアジペートの数平均分子量および重量平均分子量は後述する実施例の記載に従って測定される。
環状化合物の割合は、ポリエチレンアジペートの全量の1〜60質量%であることが好ましく、2〜50質量%であることがより好ましく、3〜45質量%であることがさらに好ましい。
環状化合物は、エチレンアジペートが2〜7つから構成される環状化合物を含むことが好ましい。
環状化合物は、下記式において、左側の*と右側の*が結合した化合物が例示される。nは任意の数であり、2〜10が好ましい。本発明の樹脂組成物は、nが2〜7である環状化合物を少なくとも含むことが好ましく、nが2〜6である環状化合物を少なくとも含むことがより好ましい。
本発明の樹脂組成物の一実施形態として、XDポリアミドを91〜99質量%と、ポリエチレンアジペートを9〜1質量%(好ましくは4〜2質量%)を含む樹脂組成物が例示される。
本発明の樹脂組成物は、上記ポリアミド樹脂およびポリエチレンアジペート以外の他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、上記ポリアミド樹脂以外のポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂、ポリエチレンアジペート以外の可塑剤、充填剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤、耐衝撃改良剤、滑剤、着色剤、導電性添加剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。これらの添加剤は、それぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
本発明の実施形態の一例として、ポリエチレンアジペート以外のポリエステル系樹脂を実質的に含まない構成とすることが例示される。実質的に含まないとは、本発明の樹脂組成物に含まれるポリアミド樹脂の合計量100質量部に対し、5質量部未満であることをいい、3質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましく、0.1質量部以上であることがさらに好ましく、0.01質量部以下であることが一層好ましい。
本発明の樹脂組成物の溶融粘度は、見かけのせん断速度122sec-1、測定温度を280℃、ポリアミド樹脂の水分率0.06質量%以下の条件で測定したとき、130〜399Pa・sであることが好ましく、130〜300Pa・sであることがより好ましく、130〜270Pa・sであることがさらに好ましい。溶融粘度は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
本発明の樹脂組成物の熱質量5%減少温度は、278℃以上であることが好ましく、280℃以上であることがよりこのましく、290℃以上、300℃以上、310℃以上であってもよい。上限値は特に定めるものではないが、例えば、400℃以下、380℃以下とすることもできる。熱質量5%減少温度は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に定めるものではなく、公知の熱可塑性樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。具体的には、各成分を、タンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸押出機、二軸押出機、ニーダーなどで溶融混練することによって樹脂組成物を製造することができる。
さらに、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによって樹脂組成物を製造することもできる。
本発明の成形品は、本発明の樹脂組成物から形成される。
本発明の樹脂組成物を形成される成形品としては、フィルム、シート、薄肉成形品、中空成形品、繊維、ホース、チューブ等を含む各種成形品に用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、また、射出成形、ブロー成形、押出成形、圧縮成形、延伸、真空成形、内圧成形、引き裂き成形などの公知の成形方法によって、成形することができる。
本発明の繊維は、本発明の樹脂組成物から形成される。
本発明の繊維は、上記本発明の樹脂組成物から形成され、短繊維であっても、連続繊維であってもよい。ここで、短繊維とは、50mm以下の繊維をいい、連続繊維とは、50mmを超える繊維をいう。本発明では、連続熱可塑性樹脂繊維が好ましい。連続熱可塑性樹脂繊維の平均繊維長に特に制限はないが、成形加工性を良好にする観点から、1〜100,000mの範囲であることが好ましく、より好ましくは100〜10,000m、さらに好ましくは1,000〜5,000mである。
本発明の繊維は、その表面を処理剤で処理することも好ましい。これらの詳細は、WO2016/159340号パンフレットの段落0064〜0065の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
その他、繊維の詳細について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でWO2017/010389号パンフレットに記載の内容を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の繊維の好ましい実施形態として、2m以上の長さを有し、かつ、前記繊維を1m毎にカットした時の最も重い繊維と最も軽い繊維の質量の差(繊維の質量の差)が、前記各繊維の平均質量の1.3%以下(好ましくは1.2%以下、より好ましくは1.1%以下、さらに好ましくは1.0%以下、特には0.9以下、より特には0.8以下)である繊維が例示される。前記値の下限値は、0%が理想であるが、0.5%以上であっても、性能要求を満たすものである。
繊維の質量の差は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
本発明のフィルムは、本発明の樹脂組成物から形成される。
本発明のフィルムの厚さは、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、4μm以上とすることもでき、特には、20μm以上とすることもできる。また、本発明のフィルムの厚さは、1mm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、300μm以下であることがさらに好ましい。
本発明のフィルムの長さは、特に定めるものではないが、例えば、ロールトゥロールで連続生産する場合は、通常、10m以上であろう。
その他、フィルムの詳細について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でWO2017/010390号パンフレットに記載の内容を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の樹脂組成物は、強化繊維を配合して繊維強化樹脂組成物とすることができる。強化繊維としては、炭素繊維およびガラス繊維が例示される。繊維強化樹脂組成物としては、本発明の樹脂組成物と強化繊維を溶融混練してなるペレット、本発明の樹脂組成物を強化繊維に含浸させたプリプレグ、繊維成分として、本発明の樹脂組成物を含む連続熱可塑性樹脂繊維と連続強化繊維を含む混繊糸、組み紐または撚り紐、本発明の樹脂組成物を含む連続熱可塑性樹脂繊維と連続強化繊維を用いた織物または編み物、ならびに、本発明の樹脂組成物を含む熱可塑性樹脂繊維と強化繊維から構成される不織布などが例示される。
本発明の樹脂組成物は、溶融粘度が低いため、強化繊維への含浸率を高くでき、繊維強化樹脂組成物として好ましく用いられる。特に、プリプレグに好ましく用いられる。
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、セバシン酸(伊藤製油(株)製、TAグレード)10kg(49.4mol)および酢酸ナトリウム/次亜リン酸ナトリウム・一水和物(モル比=1/1.5)11.66gを仕込み、十分に窒素置換した後、さらに少量の窒素気流下で系内を撹搾しながら170℃まで加熱溶融した。
メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンのモル比が70/30である混合キシリレンジアミン6.647kg(メタキシリレンジアミン34.16mol、パラキシリレンジアミン14.64mol、三菱ガス化学社製)を、溶融したセバシン酸に撹拌下で滴下し、生成する縮合水を系外に排出しながら、内温を連続的に2.5時間かけて240℃まで昇温した。
滴下終了後、内温を上昇させ、250℃に達した時点で反応容器内を減圧にし、さらに内温を上昇させて255℃で20分間、溶融重縮合反応を継続した。その後、系内を窒素で加圧し、得られた重合物をストランドダイから取り出して、これをペレット化することにより、ポリアミド樹脂MP10を得た。
上記MP10−1の合成例において、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンのモル比を60/40に変更した他は同様に合成して得た。
ジメチルアジペート280.49g(1.611mol)、とエチレングリコール100.00g(1.611mol)を混合し、激しく撹拌しながら100℃に加熱した。テトライソプロピルオルソチタネートを1.4g加え、窒素雰囲気下で150℃まで昇温して、24時間、メタノールを留去しながらエステル交換反応を行った。次いで、0.1kPa以下になるまで徐々に減圧しながら180℃まで昇温し、ほとんどのメタノールが留去するよう、さらに24時間反応させた。減圧しながら室温まで冷却し、クロロホルム溶液に溶解し、撹拌したメタノールに少量ずつ滴加して、PEAを沈殿させた。PEAを回収し、60℃で乾燥させた。
得たPEAをLS−MS(XevoG2−S Tof)分析した。精密質量の解析から、四量体、六量体、八量体などの直線状化合物および環状化合物を含むことを確認した。四量体における直鎖状化合物と環状化合物のスペクトル強度比は13:18であった。
ポリエチレンアジペートの数平均分子量および重量平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて行った。具体的には、Agilent technology PL−GPC 50plus/PL−AS−R.Tを用い、カラムは「PL−gel 5μm Mixed−E 7.5mm I.D.300mm×2」を用い、溶媒はChloroformを用い、試料濃度は5mg/mLを用い、流速は1mL/分とし、温度は40℃とし、注入量は100μLとし、標準試料はアジレント社製EasiVial PS−L(ポリスチレン)を用いた。
得られたEPAの数平均分子量は3500、重量平均分子量は7500であった。
MP10−1:上記合成例で得られた樹脂
MP10−2:上記合成例で得られた樹脂
MXD6:三菱ガス化学社製「ポリアミドMXD6#6011」
PEA:上記合成例で得られたポリエチレンアジペート
N−ブチルベンゼンスルホンアミド(BBSA) 第八化学製
<樹脂組成物のコンパウンド>
後述する表1に示す組成となるように(表中の各成分の量は質量部である)、各成分をそれぞれ秤量してブレンドし、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)の根本から投入し、溶融し、樹脂組成物ペレットを得た。押出機の設定温度は、280℃にて実施した。
溶融粘度は、見かけのせん断速度122sec-1、測定温度を280℃、予熱時間を6分、ポリアミド樹脂の水分率0.06質量%以下の条件で測定した。
具体的には、(株)東洋精機(Toyoseiki Seisaku−sho,Ltd.)製のキャピログラフ(Capillograph)D−1を使用し、ダイ:1mmφ×10mm長さの条件で測定した。
熱質量減少率の測定はJIS K7120に準じて行った。TG/DTA同時測定装置を用い、ポリアミド樹脂を3mg、TG/DTA同時測定装置の測定パンに仕込み、窒素雰囲気下にて昇温速度10℃/分で400℃まで昇温した。質量が200℃時を起点として5%減少した時点の温度(℃)を測定した。
熱質量減少率測定装置としては、島津製作所社製「DTG−60」を用いた。
上述の製造方法で得られた樹脂組成物ペレットを120℃で4時間乾燥させた後、直径30mmのスクリューを有する単軸押出機にて溶融押出しし、500mm幅のTダイを介して押出成形し、表面に凹凸状シボを設けたステンレス製の対ロールにより、ロール温度70℃、ロール圧0.4MPaで加圧し、フィルム表面にシボを有するフィルムを成形した。
JIS K−7161:1994およびK−7127:1999に準拠して、上記で得た約100μm厚みのフィルムを10mm×100mmに切り出して試験片とした。(株)東洋精機製作所製ストログラフを用いて、測定温度23℃、湿度50%RH(相対湿度)、チャック間距離50mm、引張速度50mm/分の条件で引張試験を実施し、引張弾性率(GPa)および引張強さ(MPa)をそれぞれ求めた。
上記で得られた樹脂組成物ペレットを30mmφのスクリューを有する単軸押出機にて溶融押出しし、48穴のダイからストランド状に押出し、ロールにて巻き取りながら延伸し、回巻体に巻き取った熱可塑性樹脂繊維束を得た。溶融温度は、熱可塑性樹脂の融点+50℃とした。長さは、10mであった。得られた繊維の繊度は、167dtexであった。
上記で得られた繊維を1m毎にカットし、それぞれの質量を測定した。各繊維の質量のうち、最も重い繊維と最も軽い繊維の質量の差が、各繊維の平均質量の何%であるかを算出した。
上記で得られた樹脂組成物ペレットを、厚み100μm、130mm幅に押し出し、フィルムを得た。押出機の設定温度は、280℃にて実施した。
上記で得られた厚さ100μmのフィルムについて、幅方向に等間隔に5点厚みを測定した。その内、最も大きい値と最も小さい値の差を算出した。この値の、5点の平均厚みに対する割合を、フィルムの厚みの差(%)とした。
(最大厚み)―(最小厚み)/(厚み平均)×100 (%)
フィルムの厚み測定にはマイクロメータ(ミツトヨ製、デジマチック標準外側マイクロメータ)を用いた。
上記で得られたフィルムと炭素繊維(三菱ケミカル社製、TR3110M、目付200g/m2、1枚当たりの厚さ1mm)とを前記順に合計17枚交互に積層し、200mmの長さにカットし、プレス成形機(大竹機械工業社製、380角65トンプレス成形機)の、下金型(サイズ:200×200(mm))に設置した。上金型をはめて、圧力3MPa、280℃、3分間加熱プレスしたのちに加圧のまま100℃以下まで冷却し、長繊維強化複合材料を得た。
得られた長繊維強化複合材料の厚さは、2mmであった。長繊維強化複合材料中の長繊維の体積率は45%だった。
上記で得られた長繊維強化複合材料をエポキシ樹脂で包埋し、前記包埋した材料の長手方向の断面を研磨し、断面図を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500(コントローラー部)/VK−9510(測定部)(キーエンス製)を使用して撮影した。得られた断面写真に対し、長繊維のポリアミド樹脂が溶融し含浸した領域を、画像解析ソフトImageJを用いて選択し、その面積を測定した。含浸率は、(撮影断面におけるポリアミド樹脂が長繊維に含浸している領域)/(撮影断面積)×100(単位%)として示した。
上記で得られた長繊維強化複合材料から、2mm(厚さ)×10cm×2cmの試験片を切り出し、JIS K7171に準じて曲げ弾性率を求めた。なお、装置は東洋精機株式会社製ストログラフを使用し、測定温度を23℃、測定湿度を50%RHとして測定した。単位はGPaで示した。
上記で得られた長繊維強化複合材料から、2mm(厚さ)×10cm×2cmの試験片を切り出し、JIS K7171に準じて曲げ強度を測定した。なお、装置は東洋精機株式会社製ストログラフを使用し、測定温度を23℃、測定湿度を50%相対湿度(RH)として測定した。単位はMPaで示した。
実施例1において、表1に示す通り変更し、他は同様に行った。
Claims (10)
- ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、かつ、ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂100質量部に対し、ポリエチレンアジペートを1〜10質量部含む、樹脂組成物。
- 前記ポリエチレンアジペートが、環状化合物を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上が、メタキシリレンジアミンおよびパラキシリレンジアミンから選択される少なくとも1種に由来し、
前記ジカルボン酸由来の構成単位の70モル%以上がセバシン酸およびアジピン酸から選択される少なくとも1種に由来する、請求項1または2に記載の樹脂組成物。 - 前記ポリアミド樹脂を91〜99質量%と、ポリエチレンアジペートを9〜1質量%含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成される成形品。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成される繊維。
- 前記繊維が2m以上の長さを有し、かつ、前記繊維を1m毎にカットした時の最も重い繊維と最も軽い繊維の質量の差が、前記各繊維の平均質量の1.3%以下である、請求項7に記載の繊維。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成されるフィルム。
- 下記式で示される、フィルムの平均厚みに対する、フィルムの厚みの最も厚い箇所と最も薄い箇所の差が10.0%以下である、請求項9に記載のフィルム。
{[(最大厚み)―(最小厚み)]/(厚み平均)}×100(%)
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