JP2018145291A - 延伸成形体および延伸成形体の製造方法 - Google Patents

延伸成形体および延伸成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 引張弾性率が高く、酸素バリア性に優れた延伸成形体および延伸成形体の製造方法を開示すること。【解決手段】 (ガラス転移温度+融点)/2の温度で測定した半結晶化時間が15〜300秒であるポリアミド樹脂100質量部に対し、セラミック系ウィスカーを5〜25質量部含むポリアミド樹脂組成物から形成される延伸成形体。前記延伸成形体の製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、延伸成形体および延伸成形体の製造方法に関する。
従来から、ポリアミド樹脂に無機フィラーを配合することが行われている。
例えば、特許文献1には、(A)ナイロン6およびナイロン6,6樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリアミド樹脂、(B)ポリアミド樹脂を構成するジアミン成分および/またはジカルボン酸成分が芳香族環を有する化合物である芳香族ポリアミド樹脂、(C)α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン樹脂および(D)アスペクト比が10以上100以下のセラミック系ウィスカーを含有する繊維強化ポリアミド系樹脂組成物が開示されている。
特開平07−188550号公報
上記特許文献1には、ポリアミド樹脂に無機フィラーを配合すると、吸湿性が低く、機械的強度が優れ、表面平滑性が良好なポリアミド樹脂組成物が得られることが記載されている。しかしながら、機械的強度、特に、引張弾性率が十分とは言えない。また、電子機器部品の筐体や、食品や医薬品の包装に用いられるポリアミド樹脂には、酸素バリア性も求められる。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするもであって、引張弾性率が高く、酸素バリア性に優れた成形体および成形体の製造方法を提供することを目的とする。
かかる課題のもと、本発明者が検討を行った結果、半結晶化時間が比較的長いポリアミド樹脂に、セラミック系ウィスカーを配合したポリアミド樹脂組成物を延伸することにより、引張弾性率が高く、酸素バリア性に優れた成形体が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは、<2>〜<15>により、上記課題は解決された。
<1>(ガラス転移温度+融点)/2の温度で測定した半結晶化時間が15〜300秒であるポリアミド樹脂100質量部に対し、セラミック系ウィスカーを5〜25質量部含むポリアミド樹脂組成物から形成される延伸成形体。
<2>前記ポリアミド樹脂が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が、炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する、<1>に記載の延伸成形体。
<3>前記キシリレンジアミンが、30〜100モル%のメタキシリレンジアミンと0〜70モル%のパラキシリレンジアミンからなる、<2>に記載の延伸成形体。
<4>前記ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が、セバシン酸およびアジピン酸の少なくとも1種に由来する、<2>または<3>に記載の延伸成形体。
<5>前記延伸成形体中のリン原子濃度が0.1〜10質量ppmである、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の延伸成形体。
<6>前記セラミック系ウィスカーのアスペクト比が10〜100である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の延伸成形体。
<7>前記セラミック系ウィスカーの数平均繊維長が5〜20μmである、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の延伸成形体。
<8>前記ポリアミド樹脂組成物の90質量%以上が、(ガラス転移温度+融点)/2の温度で測定した半結晶化時間が15〜300秒であるポリアミド樹脂とセラミック系ウィスカーとによって構成される、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の延伸成形体。
<9>前記延伸成形体が延伸フィルムである、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の延伸成形体。
<10>前記延伸フィルムの厚さが、1〜100μmである、<9>に記載の延伸成形体。
<11>JIS K 7127に従い、試験片の幅10mm、チャック間距離100mm、引張速度100mm/分の条件で測定したときの引張弾性率が5GPa以上である、<9>または<10>に記載の延伸成形体。
<12>23℃、相対湿度60%における酸素透過係数が0.045(cc・mm)/(m2・day・atm)以下である、<1>〜<11>のいずれか1つに記載の延伸成形体。
<13>(ガラス転移温度+融点)/2の温度で測定した半結晶化時間が15〜300秒であるポリアミド樹脂100質量部に対し、セラミック系ウィスカーを5〜25質量部含むポリアミド樹脂組成物を延伸することを含む、延伸成形体の製造方法。
<14>前記延伸成形体がフィルムである、<13>に記載の延伸成形体の製造方法。
<15>前記延伸成形体を最終延伸倍率が3倍以上となるように延伸することを含む、<14>に記載の延伸成形体の製造方法。
本発明により、引張弾性率が高く、酸素バリア性に優れた延伸成形体および延伸成形体の製造方法を提供可能になった。
本発明の延伸フィルムを製造する工程の一例を示す概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明の延伸成形体は、(ガラス転移温度+融点)/2の温度で測定した半結晶化時間が15〜300秒であるポリアミド樹脂100質量部に対し、セラミック系ウィスカーを5〜25質量部含むポリアミド樹脂組成物から形成されることを特徴とする。このような構成とすることにより、引張弾性率が高く、酸素バリア性に優れた延伸成形体が得られる。
一般的に、熱可塑性樹脂に無機フィラーを配合すると、延伸が困難になることが知られている。しかしながら、本発明では、熱可塑性樹脂として、半結晶化が比較的ゆっくり進行するポリアミド樹脂を用い、かつ、無機フィラーとしてセラミック系ウィスカーを少量配合することにより、無機フィラーを配合した熱可塑性樹脂であるにも関わらず、延伸に成功したものである。そして、驚くべきことに、このような構成とすることにより、引張弾性率が顕著に向上し、かつ、酸素バリア性も向上したものである。この理由は、半結晶化時間が比較的長いポリアミド樹脂にセラミック系ウィスカーを用いることにより、無機フィラーを配合したポリアミド樹脂組成物の半結晶化速度が過度に速くなることを抑制しつつ、セラミック系ウィスカーが細くて短い繊維のため、無機フィラーの平均表面積が小さくなってポリアミド樹脂と無機フィラーの界面の剥離が起こりにくくなり、延伸が可能になったと推測される。また、セラミック系ウィスカーはアスペクト比が高いため、延伸時に配向方向が調整され、引張弾性率が顕著に向上し、かつ、酸素バリア性も向上したものと推測される。
<(ガラス転移温度+融点)/2の温度で測定した半結晶化時間が15〜300秒であるポリアミド樹脂>
本発明では、(ガラス転移温度+融点)/2の温度で測定した半結晶化時間が15〜300秒であるポリアミド樹脂(以下、「特定ポリアミド樹脂」ということがある)を用いる。前記半結晶化時間が15秒未満の場合、結晶化が早く進行してしまい、ポリアミド樹脂の延伸が困難になる。また、半結晶化時間が300秒を超えると、熱固定等に時間がかかり、生産性の観点から現実的ではない。
前記半結晶化時間の下限値は、20秒以上が好ましく、25秒以上がより好ましく、28秒以上がさらに好ましい。前記半結晶化時間の上限値は、生産効率向上の観点から、250秒以下が好ましく、さらには、200秒以下、100秒以下、75秒以下、50秒以下であってもよい。
半結晶化時間は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
特定ポリアミド樹脂は、上記半結晶化時間を満たすポリアミド樹脂であれば特に定めるものではないが、分子内に芳香環を含むポリアミド樹脂が好ましく、半芳香族ポリアミド樹脂がより好ましい。ここで、半芳香族ポリアミド樹脂とは、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、ジアミン由来の構成単位およびジカルボン酸由来の構成単位の合計構成単位の30〜70モル%が芳香環を含む構成単位であることをいい、ジアミン由来の構成単位およびジカルボン酸由来の構成単位の合計構成単位の40〜60モル%が芳香環を含む構成単位であることが好ましい。このような半芳香族ポリアミド樹脂を用いることにより、得られる延伸成形体の機械的強度をより高くすることができる。
半芳香族ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6T、ポリアミド9T、および、詳細を後述するXD系ポリアミド樹脂が例示され、XD系ポリアミド樹脂が好ましい。
本発明で用いることができるXD系ポリアミド樹脂は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が、炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来するポリアミド樹脂が好ましい。
XD系ポリアミド樹脂は、ジアミン由来の構成単位の好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、一層好ましくは95モル%以上、より一層好ましくは99モル%以上がキシリレンジアミンの少なくとも1種に由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、一層好ましくは95モル%以上、より一層好ましくは99モル%以上が、炭素原子数が4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸の少なくとも1種に由来する。
XD系ポリアミド樹脂の原料ジアミン成分として用いることができるキシリレンジアミンは、30〜100モル%のメタキシリレンジアミンと0〜70モル%のパラキシリレンジアミンからなることが好ましく、40〜100モル%のメタキシリレンジアミンと0〜60モル%のパラキシリレンジアミンからなることがより好ましく、70〜100モル%のメタキシリレンジアミンと0〜30モル%のパラキシリレンジアミンからなることがさらに好ましい。
XD系ポリアミド樹脂の原料ジアミン成分として用いることができるキシリレンジアミン以外のジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
ジアミン成分として、キシリレンジアミン以外のジアミンを用いる場合は、ジアミン由来の構成単位の30モル%以下であり、好ましくは1〜25モル%、より好ましくは5〜20モル%の割合で用いる。
XD系ポリアミド樹脂の原料ジカルボン酸成分として用いる炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸は、炭素原子数6〜16のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸が好ましく、炭素原子数6〜10のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸がさらに好ましい。炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示でき、1種または2種以上を混合して使用できる。これらの中でも、XD系ポリアミド樹脂の融点が成形加工するのに適切な範囲となることから、アジピン酸およびセバシン酸の少なくとも1種が好ましく、アジピン酸が特に好ましい。
上記炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸化合物、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸といった異性体等のナフタレンジカルボン酸等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
ジカルボン酸成分として、炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸を用いる場合は、成形加工性、バリア性の点から、テレフタル酸および/またはイソフタル酸を用いることが好ましい。テレフタル酸および/またはイソフタル酸の割合は、合計で、好ましくはジカルボン酸由来の構成単位の30モル%以下であり、より好ましくは1〜30モル%、特に好ましくは5〜20モル%の範囲である。
尚、本発明における、「ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され」とは、XD系ポリアミド樹脂を構成するアミド結合が主としてジカルボン酸とジアミンの結合によって形成されていることをいう。また、XD系ポリアミド樹脂は、ジカルボン酸由来の構成単位と、ジアミン由来の構成単位以外に、末端基等の他の部位を含む。さらに、ジカルボン酸とジアミンの結合に由来しないアミド結合を有する繰り返し単位や微量の不純物等が含まれる場合もあるであろう。具体的には、XD系ポリアミド樹脂は、ジアミン成分、ジカルボン酸成分以外にも、ポリアミド樹脂を構成する成分として、本発明の効果を損なわない範囲でε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類も共重合成分として使用できる。本発明では、XD系ポリアミド樹脂の、好ましくは90質量%以上が、より好ましくは95質量%以上が、ジアミン由来の構成単位またはジカルボン酸由来の構成単位である。
本発明で用いる特定ポリアミド樹脂は、リン原子濃度が0.1〜10質量ppmであることが好ましく、1〜8質量ppmであることがより好ましい。このような範囲とすることにより、フィルムの黄色化防止とポリマーフィルター目詰まり抑制による連続生産性の向上が両立され、本発明の効果がより効果的に発揮される。
尚、本発明で用いる延伸フィルムは、リン原子濃度が上記範囲であることが好ましいが、かかるリン原子は、通常、ポリアミド樹脂に由来する。
本発明で用いる特定ポリアミド樹脂は、数平均分子量(Mn)が6,000〜30,000であることが好ましく、より好ましくは8,000〜28,000であり、さらに好ましくは9,000〜26,000である。このような範囲であると、成形加工性がより良好となる。
なお、ここでいう数平均分子量(Mn)とは、ポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度[NH2](μ当量/g)と末端カルボキシル基濃度[COOH](μ当量/g)から、次式で算出される。
数平均分子量(Mn)=2,000,000/([COOH]+[NH2])
本発明で用いる特定ポリアミド樹脂は、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn))が、好ましくは1.8〜3.1である。分子量分布は、より好ましくは1.9〜3.0、さらに好ましくは2.0〜2.9である。分子量分布をこのような範囲とすることにより、機械特性に優れた延伸体が得られやすい傾向にある。
特定ポリアミド樹脂の分子量分布は、例えば、重合時に使用する開始剤や触媒の種類、量および反応温度、圧力、時間等の重合反応条件などを適宜選択することにより調整できる。また、異なる重合条件によって得られた平均分子量の異なる複数種の特定ポリアミド樹脂を混合したり、重合後の特定ポリアミド樹脂を分別沈殿させることにより調整することもできる。
分子量分布は、GPC測定により求めることができ、具体的には、装置として東ソー社製「HLC−8320GPC」、カラムとして、東ソー社製「TSK gel Super HM−H」2本を使用し、溶離液トリフルオロ酢酸ナトリウム濃度10mmol/Lのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、樹脂濃度0.02質量%、カラム温度40℃、流速0.3mL/分、屈折率検出器(RI)の条件で測定し、標準ポリメチルメタクリレート換算の値として求めることができる。また、検量線は6水準のPMMAをHFIPに溶解させて測定し作成する。
特定ポリアミド樹脂の製造方法は、特開2014−173196号公報の段落0052〜0053の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明においては、特定ポリアミド樹脂の融点(Tm)は、下限値が、150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましく、210℃以上であることが一層好ましく、220℃以上であってもよい。特定ポリアミド樹脂の融点の上限値は、350℃以下であることが好ましく、300℃以下であることがより好ましく、250℃以下であることがさらに好ましい。
また、特定ポリアミド樹脂のガラス転移温度(Tg)は、下限値が、50℃以上であることが好ましく、55℃以上であることがより好ましく、60℃以上であってもよく、さらには、70℃以上、80℃以上であってもよい。一方、特定ポリアミド樹脂のガラス転移温度の上限値は、100℃以下であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましい。この範囲であると、耐熱性がより良好になる傾向にある。
ポリアミド樹脂の融点およびガラス転移温度は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
ポリアミド樹脂組成物中の特定ポリアミド樹脂の含有量は、下限値が、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることがさらに好ましい。ポリアミド樹脂組成物中における特定ポリアミド樹脂の量は、上限値が95質量%以下であることが好ましい。
特定ポリアミド樹脂は、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
上記ポリアミド樹脂組成物は、特定ポリアミド樹脂以外のポリアミド樹脂を含んでいてもよい。このような他のポリアミド樹脂としては、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミド6I)、ポリアミド66/6T、ポリアミド9MT、ポリアミド6I/6T等が挙げられる。この中でも、他のポリアミド樹脂を含む場合、ポリアミド6およびポリアミド66の少なくとも1種が好ましい。
上記ポリアミド樹脂組成物における、他のポリアミド樹脂の含有量は、配合する場合、特定ポリアミド樹脂100質量部に対し、5〜50質量部が好ましく、5〜40質量部がより好ましい。
しかしながら、上記ポリアミド樹脂組成物は、他のポリアミド樹脂を実質的に含まない方が好ましい。実質的に含まないとは、上記ポリアミド樹脂組成物において、他のポリアミド樹脂の含有量が、特定ポリアミド樹脂の3質量%以下であることをいい、好ましくは、1質量%以下である。このような構成とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。
<セラミック系ウィスカー>
上記ポリアミド樹脂組成物は、セラミック系ウィスカーを含む。セラミック系ウィスカーは、金属や非金属を問わず、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物などの無機化合物の、繊維状または針状の短い結晶である。
具体的には、セラミック系ウィスカーの原料として、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、塩基性硫酸マグネシウム、二ホウ化チタン、グラファイト、硫酸カルシウム、α−アルミナ、クリソタイル、ワラストナイト、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムが挙げられる。本発明では、チタン酸カリウムウィスカーおよびホウ酸アルミニウムウィスカーが好ましい。
本発明で用いるセラミック系ウィスカーは、公知の表面処理(例えば、金属酸化物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機酸、ポリオール、シリコーン等の表面処理剤による表面処理等)が施されたものであってもよい。このような表面処理を施すことにより、上記ポリアミド樹脂組成物における他の成分との相溶性や分散性を向上させることが可能になる。
セラミック系ウィスカーは、アスペクト比が10〜100であることが好ましく、10〜70であることがより好ましく、10〜40であることがさらに好ましく、15〜40が一層好ましい。このような範囲とすることにより、得られる成形品の外観をより向上させることができる。
セラミック系ウィスカーは、数平均繊維長の下限値が、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。前記数平均繊維長の上限値は、20μm以下であることが好ましく、18μm以下であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、得られる成形品の外観をより向上させることができる。
セラミック系ウィスカーは、数平均繊維径の下限値が0.1μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることがより好ましい。また、前記数平均繊維径の上限値は、10μm以下であることが好ましく、5.0μm以下であることがより好ましく、3.0μm以下であることがさらに好ましく、1.5μm以下であることが一層好ましく、1.0μm以下であることがより一層好ましい。このような範囲とすることにより、得られる成形品の外観をより向上させることができる。
セラミック系ウィスカーの数平均繊維長および数平均繊維径は、アルコール等の溶剤に分散させた状態での電子顕微鏡による観察によって測定することができる。通常は、100本の平均値を取る。
セラミック系ウィスカーは、モース硬度が2.5〜10.0であることが好ましく、2.5〜8.0であることがより好ましい。
セラミック系ウィスカーは、比重が、2.0〜4.0であることが好ましく、2.2〜3.8であることがより好ましく、2.5〜3.8であることがさらに好ましい。このような範囲のセラミック系ウィスカーを用いることにより、延伸成形体中の体積比率が小さくなり、延伸成形体中の特定ポリアミド樹脂の体積を多くでき、延伸成形体の外観がより向上する傾向にある。
セラミック系ウィスカーの市販品としては、例えば、商品名「パナテトラWZ−0501」、「パナテトラWZ−0501L」、「パナテトラWZ−0511」、「パナテトラWZ−0511L」、「パナテトラWZ−0531」、「パナテトラWZ−05E1」、「パナテトラWZ−05F1」(以上、酸化亜鉛セラミック系ウィスカー、(株)アムテック製);商品名「FTL−100」、「FTL−110」、「FTL−200」、「FTL−300」(以上、酸化チタンセラミック系ウィスカー、石原産業(株)製);商品名「TOFIX−P」(酸化チタンセラミック系ウィスカー、東邦チタニウム(株)製);商品名:「ティスモD−101」(チタン酸カリウムウィスカー、大塚化学(株)製);商品名「アルボレックスYS3」(ホウ酸アルミニウムウィスカー、(四国化成工業(株)製))等の市販品を使用することもできる。
上記ポリアミド樹脂組成物におけるセラミック系ウィスカーの含有量の下限は、特定ポリアミド樹脂100質量部に対し、5質量部以上であり、6質量部以上が好ましい。前記含有量の上限は、特定ポリアミド樹脂100質量部に対し、25質量部以下であり、20質量部以下が好ましく、19質量部以下がより好ましく、18質量部以下がさらに好ましく、さらには10質量部以下、8質量部以下とすることもできる。
上記ポリアミド樹脂組成物に含まれるセラミック系ウィスカーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。2種以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、上記ポリアミド樹脂組成物は、セラミック系ウィスカー以外の無機フィラーを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。本発明では、上記ポリアミド樹脂組成物は、セラミック系ウィスカー以外の無機フィラーの配合量が、セラミック系ウィスカーの配合量の10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される。
<他の成分>
上記ポリアミド樹脂組成物には、さらに、本発明の目的・効果を損なわない範囲で、ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂、酸化防止剤、熱安定剤等の安定剤、耐加水分解性改良剤、耐候安定剤、艶消剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、分散剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤、着色剤、離型剤等の添加剤等を加えることができる。これらの詳細は、特許第4894982号公報の段落0130〜0155の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド等が例示される。また、上記ポリアミド樹脂組成物では、ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂を実質的に含まない構成であってもよい。実質的に含まないとは、例えば、上記ポリアミド樹脂組成物において、ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂の含有量が、ポリアミド樹脂の含有量の5質量%以下であることをいう。
特に、本発明では、上記ポリアミド樹脂組成物は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上が、(ガラス転移温度+融点)/2の温度で測定した半結晶化時間が15〜300秒であるポリアミド樹脂とセラミック系ウィスカーとによって構成される。
<延伸成形体および延伸成形体の製造方法>
本発明の成形体は、延伸成形体である。本発明における延伸とは、ポリアミド樹脂組成物を特定ポリアミド樹脂の融点以下の温度で機械的に引き延ばす操作をいう。ポリアミド樹脂組成物が特定ポリアミド樹脂を2種以上含む場合、前記融点以下の温度とは、ポリアミド樹脂組成物に含まれる、最も融点が高い特定ポリアミド樹脂の融点以下の温度で引き延ばす操作をいう。
本発明の延伸成形体は、上記ポリアミド樹脂組成物から形成される。本発明の延伸成形体は、単層フィルムや単層ボトル等のように本発明の延伸成形体のみからなっていてもよいし、多層フィルムの一層や多層ボトルの一層のように、他の構造体の一部に組み込まれていてもよい。
本発明の延伸成形体の製造方法は、(ガラス転移温度+融点)/2の温度で測定した半結晶化時間が15〜300秒であるポリアミド樹脂100質量部に対し、セラミック系ウィスカーを5〜25質量部含むポリアミド樹脂組成物を延伸することを含む。このような構成とすることにより、機械的強度が高く、酸素バリア性に優れた延伸成形体が得られる。
以下、延伸成形体およびその製造方法の実施形態について述べる。本発明における延伸成形体およびその製造方法がこれらの実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
<<延伸フィルムおよびその製造方法>>
本発明の延伸成形体の第一の実施形態は、延伸フィルムである。延伸フィルムとすることにより、そのまま、または、さらに二次加工して、各種用途に利用することが可能になる。
延伸フィルムは、単層フィルムであってもよいし、他のフィルムとの多層フィルムであってもよい。
本発明の延伸フィルムの最終MD(Machine direction)延伸倍率および最終TD(Transverse Direction)延伸倍率は、それぞれ独立に、1.5倍以上が好ましく、2.5倍以上がより好ましい。最終MD延伸倍率および最終TD延伸倍率の上限については、特に定めるものではないが、例えば、5.0倍以下でも実用レベルである。
本発明の延伸フィルムの最終延伸倍率は、3.0倍以上が好ましく、5.0倍以上がより好ましく、6.0倍以上がさらに好ましい。最終延伸倍率の上限については、特に定めるものではないが、例えば、12.0倍以下でも実用レベルである。
ここで、最終延伸倍率とは、総合延伸倍率と緩和率に基づき、最終的に得られる延伸フィルムの、延伸前と比較した延伸倍率を意味し、2軸延伸の場合、最終MD延伸倍率と、最終TD延伸倍率の積をいう。最終MD延伸倍率は、MD延伸倍率とMD緩和率に基づき、最終的に得られる延伸フィルムの、延伸前と比較したMD方向の延伸倍率を意味し、最終TD延伸倍率は、TD延伸倍率とTD緩和率に基づき、最終的に得られる延伸フィルムの、延伸前と比較したTD方向の延伸倍率を意味し、以下の式から算出される値である。
最終MD延伸倍率=(MD延伸倍率−1)x{(100−MD緩和率)/100}+1
最終TD延伸倍率=(TD延伸倍率−1)x{(100−TD緩和率)/100}+1
本発明の延伸フィルムは、JIS K 7127に従い、試験片の幅10mm、チャック間距離100mm、引張速度100mm/分の条件で測定したときの引張弾性率を5GPa以上とすることができ、さらには、5.5GPa以上とすることもでる。引張弾性率の上限値については、特に定めるものではないが、例えば、7.0GPa以下とすることができる。ここでの引張弾性率の詳細な条件は、後述する実施例の記載に従う。
本発明の延伸フィルムの厚さは、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、さらには、4μm以上、15μm以上、20μm以上であってもよい。また、本発明の延伸フィルムの厚さは、100μm以下であることが好ましく、90μm以下であることがより好ましく、80μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。
本発明の延伸フィルムの長さは、特に定めるものではないが、例えば、ロールトゥロールで連続生産する場合は、通常、10m以上であろう。
本発明の延伸フィルムのリン原子濃度は、0.1〜10質量ppmであることが好ましく、1〜8質量ppmであることがより好ましい。このような範囲とすることにより、フィルムの黄色化を効果的に抑制でき、また、ポリマーフィルター目詰まりを効果的に抑制でき、連続生産性をより向上させることができる。
本発明の延伸フィルムの23℃、相対湿度(RH)60%RHにおける酸素透過係数は、0.045cc・mm/(m2・day・atm)以下とすることができる。下限値については、0cc・mm/(m2・day・atm)が好ましいが、0.002cc・mm/(m2・day・atm)程度でも十分実用レベルである。
本発明における酸素透過係数の測定方法は、後述する実施例に記載の方法に従う。
本発明の延伸フィルムは、単層延伸フィルムとして、そのまま用いてもよいが、延伸されたポリプロピレン樹脂フィルムを有する多層フィルムとして有益に用いられる。
本発明の延伸フィルムは、自動車等輸送機部品、一般機械部品、精密機械部品、電子・電気機器部品、OA機器部品、建材・住設関連部品、医療装置、レジャースポーツ用品、遊戯具、医療品、食品包装用フィルム等の日用品、防衛および航空宇宙製品等に広く用いられる。
次に、図1に従って、本発明の延伸フィルムの製造方法の詳細を説明する。本発明はこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明の延伸フィルムの製造方法では、まず、(ガラス転移温度+融点)/2の温度で測定した半結晶化時間が15〜300秒であるポリアミド樹脂100質量部に対し、セラミック系ウィスカーを5〜17質量部含むポリアミド樹脂組成物が溶融混練した状態で、Tダイ11からキャスティングロール12に押し出される。押出時の押出温度は、ポリアミド樹脂組成物が溶融している限り特に定めるものではない。溶融押出されたポリアミド樹脂組成物からなるポリアミド樹脂フィルムの厚さは、用途や延伸倍率にもよるが、一例として、延伸後の延伸フィルムの1〜20倍の厚さであることが好ましく、2〜15倍の厚さであることがより好ましい。
本発明の延伸フィルムの製造方法では、ポリアミド樹脂フィルムは、延伸される。図1では、延伸・緩和ゾーン13において、延伸を行っている。
延伸は、1方向のみに行ってもよいし(1軸延伸)、直交する2方向に行ってもよく(2軸延伸)、2軸延伸が好ましい。ポリアミド樹脂フィルムの搬送方向またはポリアミド樹脂フィルムの幅方向の1方向(より好ましくは、MD)、または、MDおよびTDの2方向に延伸することが好ましい。2軸延伸の場合、2方向の延伸は同時に行ってもよいし、逐次に行ってもよい。
MD延伸は、周速速度の異なるロール間を、ポリアミド樹脂フィルムを通過させて、延伸することができる。この場合、ポリアミド樹脂フィルムが後に通過する方が、周速速度が速くなるように設定される。また、テンターを用いて延伸することもできる。一方、TD延伸は、テンターを用いて延伸することができる。また、バッチ式の二軸延伸機を用いてもよい。
ポリアミド樹脂フィルムを2軸延伸する場合の延伸倍率は、それぞれの方向に、1.5倍以上延伸することが好ましい。2軸延伸する場合の、各延伸倍率の上限値は特に定めるものではないが、それぞれ、例えば、8.0倍以下とすることができる。
本発明における総合延伸倍率は、2.0倍以上であることが好ましく、2.5倍以上であることがより好ましく、3.0倍以上であることがさらに好ましい。総合延伸倍率の上限については、特に定めるものではないが、例えば、15.0倍以下とすることもできる。ここで、総合延伸倍率とは、延伸前のフィルムに対する、延伸した量の割合であり、下記式で表される値である。
総合延伸倍率=MD延伸倍率xTD延伸倍率
延伸は、常温で行ってもよいが、加熱条件下で行うことが好ましい。加熱は、加熱ゾーン中を、ポリアミド樹脂フィルムを通過させながら、延伸を行うことが好ましい。延伸は、それぞれ、特定ポリアミド樹脂の融点−200℃〜融点未満で行うことが好ましく、特定ポリアミド樹脂の融点−150℃〜融点−100℃で行うことがより好ましく、特定ポリアミド樹脂の融点−145℃〜融点−110℃で行うことがさらに好ましい。
尚、特定ポリアミド樹脂を2種以上含む場合、最も融点の低い特定ポリアミド樹脂の融点を基準に、延伸時の特定ポリアミド樹脂の温度を設定するとよい。また、特定ポリアミド樹脂が融点を2つ以上有する場合についても、最も低い融点を基準に温度を設定するとよい。
また、本発明の延伸フィルムを、延伸フィルムと他の樹脂フィルムを含む多層フィルムとして用いる場合、上記ポリアミド樹脂組成物からなるポリアミド樹脂フィルムと他のフィルムを共押出しし、同時に延伸することが好ましい。
本発明の延伸フィルムの製造方法では、延伸後、熱固定および緩和を行うことが好ましい(図1の13)。緩和は、熱固定の工程中に行われることが好ましい。熱固定時間は、5秒〜5分が好ましく、10秒〜1分がより好ましい。緩和は、熱固定の工程中に行う場合、例えば、熱固定時間30秒の場合、熱固定開始後、15〜16秒から緩和を開始することができる。
熱固定は、特定ポリアミド樹脂の融点−70℃〜融点未満で行うことが好ましく、特定ポリアミド樹脂の融点−50℃〜融点−5℃で行うことがより好ましく、特定ポリアミド樹脂の融点−40℃〜融点−10℃で行うことがさらに好ましい。
緩和は、例えば、延伸方向と逆方向にチャック間距離を戻すことによって行うことが好ましい。
上記工程を得て得られる延伸フィルムは、通常、ロール等に巻き取られ保存される(図1の14の工程)。さらに、延伸フィルムは、切断して各種用途に用いられる。
本発明の製造方法で得られる延伸フィルムの最終延伸倍率は、上述の延伸フィルムの最終延伸倍率となるように延伸量および緩和量を調整することが好ましい。
<<延伸容器およびその製造方法>>
本発明の延伸成形体の第二の実施形態は、延伸容器である。延伸容器は、単層容器であってもよいし、本発明の延伸成形体と他の層を有する多層容器であってもよい。
延伸容器としては、医療用の多層容器(バイアル、シリンジ、アンプルなど)や食品用の多層容器(飲料用ボトル、レトルトパックなどの食品用袋)などが例示される。
延伸容器は、例えば、プリフォームに空気を吹き込み、二軸延伸ブローにより成形することが好ましい。多層容器とする場合は、2つ以上の射出シリンダーを有する射出成形機を使用して、上記ポリアミド樹脂組成物と、他の層を構成する熱可塑性樹脂組成物とを、それぞれの射出シリンダーから金型ホットランナーを通して金型キャビティー内に射出してプリフォームを得て、前記プリフォームを二軸延伸ブロー成形することにより得られる。
延伸容器の詳細は、特開2015−214344号公報、特に、段落0041〜0047の記載、特開2014−172222号公報の段落0124〜0143の記載、特開2016−169027号公報の段落0085〜0120の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
原材料
<ポリアミド樹脂MXD6の合成>
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、アジピン酸8.9kgを入れ、さらに、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.3gおよび酢酸ナトリウム0.1gを加え、反応缶内で0.1MPaAにおいて170℃にて加熱し溶融した後、内容物を撹拌しながら、メタキシリレンジアミン8.3kgを2時間かけて徐々に滴下し、温度を250℃まで上昇させた。温度上昇後、1時間かけて圧力を0.08MPaAまで緩やかに低下させ、0.5時間保持した。反応終了後、内容物をストランド状に取り出し、ペレタイザーにてペレット化して、15kgのペレットを得た。得られたペレットを熱媒加熱の外套を有するタンブラー(回転式の真空槽)に仕込み、減圧状態(0.5〜10Torr)において200℃で1時間加熱を続けることで、得られたペレットの固相重合を行い、ポリアミド樹脂(MXD6)を得た。
<ポリアミド樹脂MP10の合成例>
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、セバシン酸(伊藤製油(株)製、TAグレード)10kgを入れ、さらに、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.2gおよび酢酸ナトリウム0.1gを加え、反応缶内で0.1MPaAにおいて170℃にて加熱し溶融した後、内容物を撹拌しながら、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンのモル比が70/30である混合キシリレンジアミン6.7kgを2時間かけて徐々に滴下し、温度を250℃まで上昇させた。温度上昇後、1時間かけて圧力を0.08MPaAまで緩やかに低下させ、0.5時間保持した。反応終了後、内容物をストランド状に取り出し、ペレタイザーにてペレット化することにより、ポリアミド樹脂(MP10)を得た。
<その他のポリアミド樹脂>
PA6:UBEナイロン 1024B(宇部興産株式会社製)
<融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg)の測定>
上記ポリアミド樹脂について、熱流束示差走査熱量測定法に基づいて、10℃/分の昇温速度で25℃から予想される融点以上の温度まで昇温し、吸熱ピークのトップの温度を融点とした。次いで、溶融したポリアミド樹脂を、ドライアイスで急冷し、10℃/分の速度で融点以上の温度まで再度昇温し、ガラス転移温度を求めた。測定装置は、島津製作所社(SHIMADZU CORPORATION)製「DSC−60」を用いた。
<半結晶化時間>
ポリアミド樹脂の半結晶化時間は、脱偏光光度法により、ポリアミド樹脂の融点よりも15℃以上高い温度で試料を溶融して、測定した。具体的には、ポリマー結晶化速度測定装置(コタキ製作所製、形式:MK701)を使用し、以下の条件で測定した。
試料溶融温度:260℃
試料溶融時間:3分
結晶化油浴温度:(ガラス転移温度+融点)/2(単位:℃)
結果を下記表1に示す。
Figure 2018145291
<無機フィラー>
<<セラミック系ウィスカー>>
チタン酸カリウムウィスカー:大塚化学(株)製、ティスモD−101、アスペクト比35、数平均繊維長14μm、数平均繊維径0.4μm、モース硬度4.0、比重3.5
ホウ酸アルミニウムウィスカー:四国化成工業(株)製、アルボレックスYS3、アスペクト比21、数平均繊維長17μm、数平均繊維径0.8μm、モース硬度7.0、比重2.9
<<その他の無機フィラー>>
ガラス繊維:日本電気硝子(株)製、ECS03T−24、アスペクト比250、数平均繊維長3mm、数平均繊維径12μm、モース硬度6.0、比重2.6
実施例1
<延伸フィルムの製造方法>
押出機を使用して、表2に示すポリアミド樹脂100質量部をホッパーから供給し、表2に示す無機フィラーを、表2に示す割合(単位:質量部)で押出機の途中から供給して、混練押出してペレット化した。得られたペレットを減圧状態(0.5〜10Torr)において150℃で5時間加熱を続けて真空乾燥した。得られたポリアミド樹脂組成物のペレットを、ダイから溶融押出した。具体的には、各成分を溶融混練したポリアミド樹脂組成物を、表2に示す延伸前厚みで、130mm幅に押し出し、90mm角にカットした。その後、二軸延伸装置(テンター法、EX105S、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、表2に示す延伸倍率となるように、MD方向およびTD方向にそれぞれ延伸を行った後、表2に示す熱工程温度で熱固定しながら、表2に示す緩和率となるように緩和して延伸フィルムを得た。
得られたフィルムについて、以下の通り、各種特性の評価を行った。結果を下記表2に示す。
<フィルムの融点の測定>
上記ポリアミド樹脂の融点と同様に測定した。
<フィルムのリン原子濃度の測定>
フィルム0.5gを秤量し、濃硫酸を20mL加え、ヒーター上で湿式分解した。冷却後、過酸化水素5mLを加え、ヒーター上で加熱し、全量が2〜3mLになるまで濃縮した。再び冷却し、純水で500mLとした。得られたサンプルのリン原子濃度を、Thermo Jarrell Ash社製、IRIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により、波長213.618nmにて定量し、フィルムのリン原子濃度を測定した。
<フィルムの引張弾性率、引張強度および引張破壊点伸び>
JIS K 7127に従い、試験片の幅10mm、チャック間距離100mm、引張速度100mm/分の条件で測定した。測定に際し、フィルムのMD方向に引張り試験を行った。
<フィルムの酸素透過係数>
フィルムの酸素透過係数は、酸素透過率測定装置(MOCON社製、型式:OX−TRAN2/21)を使用し、ASTM D3985に準じて、23℃、相対湿度60%の雰囲気下にて測定した。測定値が低いほど酸素バリア性が良好であることを示す。
<引張弾性率の向上率>
セラミック系ウィスカーを配合しない未延伸フィルムに対する、延伸フィルムの引張弾性率の向上率を算出した。
引張弾性率の向上率=[(延伸フィルムの引張弾性率−セラミック系ウィスカーを配合しない未延伸フィルムの引張弾性率)/セラミック系ウィスカーを配合しない未延伸フィルムの引張弾性率]×100 (単位:%)
前記セラミック系ウィスカーを配合しない未延伸フィルムの組成は、前記延伸フィルムからセラミック系ウィスカーを除いた組成に相当する。
<酸素透過係数の低下率>
セラミック系ウィスカーを配合しない未延伸フィルムに対する、延伸フィルムの酸素透過係数の低下率を算出した。
酸素透過係数の低下率=[(セラミック系ウィスカーを配合しない未延伸フィルムの酸素透過係数−延伸フィルムの酸素透過係数)/セラミック系ウィスカーを配合しない未延伸フィルムの酸素透過係数]×100 (単位:%)
前記セラミック系ウィスカーを配合しない未延伸フィルムの組成は、前記延伸フィルムからセラミック系ウィスカーを除いた組成に相当する。
酸素透過係数の低下率が高いほど、バリア性が高く維持されていると言える。
<フィルムの外観>
得られたフィルムの外観を以下の通り目視で評価した。
A:凸凹が見られない。
B:僅かに凸凹が見られる。
C:凸凹が見られる。
<実施例2〜5、比較例1〜14>
実施例1において、表2〜4に示す通り、原料および製造条件を変更し、他は同様に行った。なお、延伸できなかった比較例あるいは延伸していない比較例については、未延伸のポリアミド樹脂フィルムについて、各種評価を行った。
結果を下記表に示す。
Figure 2018145291
上記結果から明らかなとおり、本発明の延伸成形体(延伸フィルム)は、引張弾性率の向上率が高く、酸素透過係数の低下率が高かった。さらに、本発明の延伸成形体は、外観に優れるものであった。すなわち、引張弾性率が高く、酸素バリア性に優れていた。
これに対し、比較例1では、実施例1とほぼ同じ厚さであるが、セラミック系ウィスカーを配合しないことにより、延伸時にしわが発生してしまった。また、比較例1よりもフィルム厚さを厚くした比較例2では、延伸はできたが、引張弾性率の向上率が低くなり、酸素透過係数の低下率も低くなった。また、比較例6〜9から明らかなとおり、延伸をしない場合、セラミック系ウィスカーを配合しても、配合しなくても、引張弾性率が低く、酸素透過係数は高かった。
すなわち、セラミック系ウィスカーを配合することによって、延伸がしやすくなり、さらに、延伸したことによって、引張弾性率の向上率が高くなり、酸素透過係数の低下率も高くすることが可能になった。一般的に無機フィラーを配合するとフィルムの延伸は難しくなることが知られており、セラミック系ウィスカーを配合して延伸できたこと自体が驚くべきことである。
また、実施例4の結果から明らかなとおり、セラミック系ウィスカーの種類に関係なく本発明の効果が達成されることが分かった。
一方、無機フィラーとして、セラミック系ウィスカーの代わりにガラス繊維を配合した場合(比較例3)、延伸時に破断してしまった。
さらに、セラミック系ウィスカーを配合しても、配合量が本発明の範囲外である場合(比較例4、比較例5)、引張弾性率が低く、酸素透過係数は高かった。
Figure 2018145291
上記結果から明らかなとおり、ポリアミド樹脂の種類を変えても、上記半結晶化時間が15〜300秒であるポリアミド樹脂を用いれば、同様の効果を奏することが確認された。
Figure 2018145291
上記結果から明らかなとおり、半結晶化時間が15秒未満であるポリアミド樹脂以外のポリアミド樹脂を用いた場合、ウィスカーを配合すると、延伸できなかった(比較例12)。ウィスカーを配合しない場合(比較例13)、延伸はできたが、延伸しない場合(比較例14)よりも、酸素透過係数が低くかった。
実施例B
<プリフォーム成形>
2本の射出シリンダーを有する射出成形機(住友重機械工業株式会社製、型式DU130CI)、および、2個取りの金型(Kortec社製、型式)を使用して、下記の条件により、層(X)を構成する材料を射出シリンダーから射出し、次いで層(Y)を構成する材料を別の射出シリンダーから、層(X)を構成する樹脂と同時に射出し、次に層(X)を構成する樹脂を必要量射出してキャビティーを満たすことにより、(X)/(Y)/(X)の3層構成の多層プリフォーム(25.0g)を得た。プリフォームの形状は、全長95mm、外径22mm、肉厚4.0mmであった。なお、層(X)を構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂(日本ユニペット(株)製、製品名:「BK−2180」、以下、「PET」とも略する。)を使用した。層(Y)を構成する樹脂としては、表5に記載の組成を有するポリアミド樹脂組成物を使用した。
(プリフォームの成形条件)
層(X)用の射出シリンダー温度:285℃
層(Y)用の射出シリンダー温度:265℃
射出金型内樹脂流路温度 :285℃
金型冷却水温度 :15℃
サイクルタイム :40秒
<ボトル成形>
上記で得られたプリフォームをブロー成形装置(EFB1000ET、フロンティア社製)により二軸延伸ブロー成形しボトルを得た。ボトルの全長は223mm、外径は65mm、内容積は500mLであり、底部はペタロイド形状である。胴部にディンプルは設けなかった。2軸延伸ブロー成形条件は以下に示したとおりである。
プリフォーム加熱温度:103℃
延伸ロッド用圧力:0.7MPa
一次ブロー圧力:1.1MPa
二次ブロー圧力:2.5MPa
一次ブロー遅延時間:0.30秒
一次ブロー時間:0.30秒
二次ブロー時間:2.0秒
ブロー排気時間:0.6秒
金型温度:30℃
得られた多層ボトルについて、酸素透過係数および酸素透過係数の低下率、炭酸ガスのシェルフライフおよび炭酸ガスシェルフライフの向上率を測定した。
<酸素透過係数>
23℃、多層ボトルの内部の相対湿度100%、多層ボトルの外部の相対湿度50%における多層容器の酸素透過係数率(OTR)を、ASTM D3985に準じて、酸素透過率測定装置(MOCON社製、製品名:「OX−TRAN(登録商標) 2/61」)を使用して測定した。測定値が低いほど、酸素バリア性が良好であることを示す。
<酸素透過係数の低下率>
セラミック系ウィスカーを配合しない多層ボトル(後述する比較例Bの多層ボトル)に対する、セラミック系ウィスカーを配合した多層ボトル(実施例Bの多層ボトル)の酸素透過係数の低下率を算出した。
酸素透過係数の低下率=[(比較例Bの多層ボトルの酸素透過係数−実施例Bの多層ボトルの酸素透過係数)/比較例Bの多層ボトルの酸素透過係数]×100 (単位:%)
<炭酸ガスのシェルフライフ>
多層ボトルに4.2GVの炭酸水を500mL充填し、キャップを閉めた後、23℃、相対湿度50%の環境で7日間保存した。続いて、23℃、多層ボトルの内部の相対湿度100%、多層ボトルの外部の相対湿度50%における多層容器の炭酸ガスロス率20%のシェルフライフを、炭酸ガス透過率測定装置(MOCON社製、製品名:「PERMATRAN−C Model10」(登録商標))を使用して測定した。測定したシェルフライフが長いほど、炭酸ガスバリア性が良好であることを示す。
<炭酸ガスのシェルフライフの向上率>
セラミック系ウィスカーを配合しない多層ボトル(後述する比較例Bの多層ボトル)に対する、セラミック系ウィスカーを配合した多層ボトル(実施例Bの多層ボトル)の炭酸ガスのシェルフライフの向上率を算出した。
炭酸ガスのシェルフライフの向上率=[(実施例Bの多層ボトルの炭酸ガスのシェルフライフ−比較例Bの多層ボトルの炭酸ガスのシェルフライフ)/比較例Bの多層ボトルの炭酸ガスのシェルフライフ]×100 (単位:%)
比較例B
実施例Bにおいて、表5に示す通り、原料および製造条件を変更し、他は同様に行った。結果を下記表に示す。
Figure 2018145291
上記結果から明らかなとおり、本発明の延伸成形体(多層ボトル)は、酸素透過係数の低下率が高く、かつ、炭酸ガスのシェルフライフ向上率も高かった。
11 Tダイ
12 キャスティングロール
13 延伸・緩和ゾーン
14 巻き取り工程

Claims (15)

  1. (ガラス転移温度+融点)/2の温度で測定した半結晶化時間が15〜300秒であるポリアミド樹脂100質量部に対し、セラミック系ウィスカーを5〜25質量部含むポリアミド樹脂組成物から形成される延伸成形体。
  2. 前記ポリアミド樹脂が、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が、炭素原子数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する、請求項1に記載の延伸成形体。
  3. 前記キシリレンジアミンが、30〜100モル%のメタキシリレンジアミンと0〜70モル%のパラキシリレンジアミンからなる、請求項2に記載の延伸成形体。
  4. 前記ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上が、セバシン酸およびアジピン酸の少なくとも1種に由来する、請求項2または3に記載の延伸成形体。
  5. 前記延伸成形体中のリン原子濃度が0.1〜10質量ppmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の延伸成形体。
  6. 前記セラミック系ウィスカーのアスペクト比が10〜100である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の延伸成形体。
  7. 前記セラミック系ウィスカーの数平均繊維長が5〜20μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の延伸成形体。
  8. 前記ポリアミド樹脂組成物の90質量%以上が、(ガラス転移温度+融点)/2の温度で測定した半結晶化時間が15〜300秒であるポリアミド樹脂とセラミック系ウィスカーとによって構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の延伸成形体。
  9. 前記延伸成形体が延伸フィルムである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の延伸成形体。
  10. 前記延伸フィルムの厚さが、1〜100μmである、請求項9に記載の延伸成形体。
  11. JIS K 7127に従い、試験片の幅10mm、チャック間距離100mm、引張速度100mm/分の条件で測定したときの引張弾性率が5GPa以上である、請求項9または10に記載の延伸成形体。
  12. 23℃、相対湿度60%における酸素透過係数が0.045(cc・mm)/(m2・day・atm)以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の延伸成形体。
  13. (ガラス転移温度+融点)/2の温度で測定した半結晶化時間が15〜300秒であるポリアミド樹脂100質量部に対し、セラミック系ウィスカーを5〜25質量部含むポリアミド樹脂組成物を延伸することを含む、延伸成形体の製造方法。
  14. 前記延伸成形体がフィルムである、請求項13に記載の延伸成形体の製造方法。
  15. 前記延伸成形体を最終延伸倍率が3倍以上となるように延伸することを含む、請求項14に記載の延伸成形体の製造方法。
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