JP2023088383A - 樹脂組成物、フィルム、多層フィルム、包装材料、および、フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ペレットやフィルムに成形する際の成形性に優れ、ガスバリア性、透明性および耐ピンホール性に優れた樹脂組成物、ならびに、フィルム、多層フィルム、包装材料、および、フィルムの製造方法の提供。【解決手段】 ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6を含み、ポリアミド樹脂(A)は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の、70.1~88.0モル%が炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、29.9~12.0モル%が炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の質量比率(ポリアミド樹脂(A)/ポリアミド6)が30/70~5/95であり、ポリアミド樹脂(A)の相対粘度が1.5~3.0であり、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の相対粘度比(ポリアミド6/ポリアミド樹脂(A))が、0.8~2.5である樹脂組成物。【選択図】 図1
Description
本発明は、樹脂組成物、フィルム、多層フィルム、包装材料、および、フィルムの製造方法に関する。
ポリアミド樹脂は、その優れた加工性、機械的強度、耐久性、耐熱性、酸素バリア性、耐薬品性等の観点から、各種工業材料として幅広く用いられている。
ポリアミド樹脂としては、古くから、ポリアミド6、ポリアミド66に代表される脂肪族ポリアミド樹脂が用いられている。
一方、高強度かつ高弾性率なポリアミド樹脂として、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから得られるポリアミド樹脂(以下、「MXD6」ということがある)も知られている。
特に、包装材料の分野では、MXD6層とポリアミド6層とを積層してなる多層フィルムが検討されている(特許文献1、2等)。このような多層フィルムにおいては、MXD6層がガスバリア層として機能し、ポリアミド6層が柔軟性を高める層として機能する。
ポリアミド樹脂としては、古くから、ポリアミド6、ポリアミド66に代表される脂肪族ポリアミド樹脂が用いられている。
一方、高強度かつ高弾性率なポリアミド樹脂として、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから得られるポリアミド樹脂(以下、「MXD6」ということがある)も知られている。
特に、包装材料の分野では、MXD6層とポリアミド6層とを積層してなる多層フィルムが検討されている(特許文献1、2等)。このような多層フィルムにおいては、MXD6層がガスバリア層として機能し、ポリアミド6層が柔軟性を高める層として機能する。
ここで、特許文献1および2に記載のように、メタキシリレンジアミンとアジピン酸から合成されるポリアミド樹脂層(MXD6層)とポリアミド6層の多層フィルムとしたとき、ポリアミド6層のガスバリア性が低い点が懸念される。そこで、ポリアミド6層にも、MXD6等のガスバリア性が高いポリアミド樹脂をブレンドすることが考えられた。特許文献3では、ガスバリア性および直線カット性を向上させるべくポリアミド6層に所定のあるリン原子濃度のMXD6を配合している。しかしながら、通常ポリアミド6層にMXD6を配合すると、白化が生じるため、厚みや成形条件によっては得られたペレットまたは成形体の透明性が劣る。また、ポリアミド6層の柔軟性が劣り、耐ピンホール性が劣る傾向にある。さらに、ペレットやフィルムに成形する際の成形性が十分でない場合もある。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、ペレットやフィルムに成形する際の成形性に優れ、ガスバリア性、透明性および耐ピンホール性に優れた樹脂組成物、ならびに、フィルム、多層フィルム、包装材料、および、フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、ペレットやフィルムに成形する際の成形性に優れ、ガスバリア性、透明性および耐ピンホール性に優れた樹脂組成物、ならびに、フィルム、多層フィルム、包装材料、および、フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、ポリアミド6に所定のキシリレンジアミン系ポリアミド樹脂を所定の割合となるように配合することにより、上記課題を解決可能な樹脂組成物が得られることを見出した。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6を含み、前記ポリアミド樹脂(A)は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の、70.1~88.0モル%が炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、29.9~12.0モル%が炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の質量比率(ポリアミド樹脂(A)/ポリアミド6)が30/70~5/95であり、ポリアミド樹脂(A)の相対粘度が1.5~3.0であり、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の相対粘度比(ポリアミド6/ポリアミド樹脂(A))が、0.8~2.5である、樹脂組成物。
<2>ポリアミド樹脂(A)の相対粘度が1.9~3.0である、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の相対粘度比(ポリアミド6/ポリアミド樹脂(A))が、0.8~2.0である、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の質量比率が20/80~5/95である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5><1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成されたフィルム。
<6><5>に記載のフィルムと、酸素バリア層を含む、多層フィルム。
<7><5>に記載のフィルムまたは<6>に記載の多層フィルムを含む包装材料。
<8>ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6をドライブレンドした後、押出機に投入し、フィルム状に押し出すことを含む、<5>に記載のフィルムの製造方法。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6を含み、前記ポリアミド樹脂(A)は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の、70.1~88.0モル%が炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、29.9~12.0モル%が炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の質量比率(ポリアミド樹脂(A)/ポリアミド6)が30/70~5/95であり、ポリアミド樹脂(A)の相対粘度が1.5~3.0であり、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の相対粘度比(ポリアミド6/ポリアミド樹脂(A))が、0.8~2.5である、樹脂組成物。
<2>ポリアミド樹脂(A)の相対粘度が1.9~3.0である、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の相対粘度比(ポリアミド6/ポリアミド樹脂(A))が、0.8~2.0である、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の質量比率が20/80~5/95である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5><1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成されたフィルム。
<6><5>に記載のフィルムと、酸素バリア層を含む、多層フィルム。
<7><5>に記載のフィルムまたは<6>に記載の多層フィルムを含む包装材料。
<8>ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6をドライブレンドした後、押出機に投入し、フィルム状に押し出すことを含む、<5>に記載のフィルムの製造方法。
本発明により、ペレットやフィルムに成形する際の成形性に優れ、ガスバリア性、透明性および耐ピンホール性に優れた樹脂組成物、ならびに、フィルム、多層フィルム、包装材料、および、フィルムの製造方法を提供可能になった。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本明細書における「フィルム」とは、それぞれ、長さと幅に対して、厚さが薄く、概ね、平らな成形体をいい、「シート」も含む趣旨である。また、本明細書における「フィルム」は、単層であっても多層であってもよい。
本明細書で示す規格で説明される測定方法等が年度によって異なる場合、特に述べない限り、2021年1月1日時点における規格に基づくものとする。
なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本明細書における「フィルム」とは、それぞれ、長さと幅に対して、厚さが薄く、概ね、平らな成形体をいい、「シート」も含む趣旨である。また、本明細書における「フィルム」は、単層であっても多層であってもよい。
本明細書で示す規格で説明される測定方法等が年度によって異なる場合、特に述べない限り、2021年1月1日時点における規格に基づくものとする。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6を含み、前記ポリアミド樹脂(A)は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の、70.1~88.0モル%が炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、29.9~12.0モル%が炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の質量比率(ポリアミド樹脂(A)/ポリアミド6)が30/70~5/95であり、ポリアミド樹脂(A)の相対粘度が1.5~3.0であり、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の相対粘度比(ポリアミド6/ポリアミド樹脂(A))が、0.8~2.5であることを特徴とする。
このような構成とすることにより、ペレットやフィルムに成形する際の成形性に優れ、ガスバリア性、透明性および耐ピンホール性に優れた樹脂組成物が得られる。
このような構成とすることにより、ペレットやフィルムに成形する際の成形性に優れ、ガスバリア性、透明性および耐ピンホール性に優れた樹脂組成物が得られる。
ポリアミド6は、柔らかいポリアミド樹脂であるため、加工性を高めるためや、印刷を施すときなどのために、ポリアミド6フィルムには、ある程度の「こし」があった方がよいとされている。この「こし」を発現させつつ、ガスバリア性を高めるために、ポリアミド6に、弾性率の高いMXD6を配合することが考えられた。しかしながら、ポリアミド6にMXD6を配合すると、透明性や耐ピンホール性が低下してしまうことが分かった。特に透明性が低下すると、包材としての外観を損ねてしまう。透明性の低下の原因としては、ポリアミド6とMXD6の屈折率が大きく異なり、さらに、両樹脂の相溶性が低く、フィルム中でポリアミド6のドメインとMXD6のマトリックスに分かれ、MXD6のマトリックスの大きさが150μm以上であることから、ポリアミド6とMXD6の界面で光の乱反射が生じてしまうことが要因と考えられている。
そこで、本発明者は、MXD6等のポリアミド樹脂を炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸で一部変性した上記ポリアミド樹脂(A)を配合することを考えた。ポリアミド6にポリアミド樹脂(A)を配合すると、そのブレンド比や相対粘度に関わらず透明性が維持されることを見出した。炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸で一部変性することにより、SP値が大きく変わり、相溶はしないものの、ポリアミド樹脂(A)のマトリックスサイズが電子顕微鏡で観察できないほど微分散していることが分かった。つまり、マトリックスサイズが可視光の領域よりも小さく、光の散乱が抑制されたであるためである。また、ポリアミド樹脂(A)はポリアミド6に比べて弾性率が高いため、十分にフィルムに「こし」を与えることができる。しかしながら、ポリアミド樹脂(A)はMXD6を用いた場合よりも、ガスバリア性が低下してしまう場合があることが分かった。また、ブレンドする量によっては耐ピンホール性が悪化した。本実施形態では、ポリアミド6に対するポリアミド樹脂(A)の配合量や相対粘度を精密に調整することにより、耐ピンホール性とガスバリア性も向上できたと推測される。
さらに、ポリアミド6とポリアミド樹脂(A)の相対粘度比によっては、ペレットやフィルムへの成形性が困難になることが分かった。本発明においては、ポリアミド6とポリアミド樹脂(A)の相対粘度比を調整することにより、透明性、ガスバリア性および耐ピンホール性を低下させずに、成形性も確保できた。
そこで、本発明者は、MXD6等のポリアミド樹脂を炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸で一部変性した上記ポリアミド樹脂(A)を配合することを考えた。ポリアミド6にポリアミド樹脂(A)を配合すると、そのブレンド比や相対粘度に関わらず透明性が維持されることを見出した。炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸で一部変性することにより、SP値が大きく変わり、相溶はしないものの、ポリアミド樹脂(A)のマトリックスサイズが電子顕微鏡で観察できないほど微分散していることが分かった。つまり、マトリックスサイズが可視光の領域よりも小さく、光の散乱が抑制されたであるためである。また、ポリアミド樹脂(A)はポリアミド6に比べて弾性率が高いため、十分にフィルムに「こし」を与えることができる。しかしながら、ポリアミド樹脂(A)はMXD6を用いた場合よりも、ガスバリア性が低下してしまう場合があることが分かった。また、ブレンドする量によっては耐ピンホール性が悪化した。本実施形態では、ポリアミド6に対するポリアミド樹脂(A)の配合量や相対粘度を精密に調整することにより、耐ピンホール性とガスバリア性も向上できたと推測される。
さらに、ポリアミド6とポリアミド樹脂(A)の相対粘度比によっては、ペレットやフィルムへの成形性が困難になることが分かった。本発明においては、ポリアミド6とポリアミド樹脂(A)の相対粘度比を調整することにより、透明性、ガスバリア性および耐ピンホール性を低下させずに、成形性も確保できた。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6を含む。最初にこれらの樹脂について説明する。
ポリアミド樹脂(A)は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の、70.1~88.0モル%が炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、29.9~12.0モル%が炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する。このようなポリアミド樹脂を用いることにより、得られるフィルムのガスバリア性を向上させることができる。
ポリアミド樹脂(A)においては、ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来する。キシリレンジアミンを用いることにより、ベンゼン環骨格の影響により分子鎖のスタッキングが起こり、樹脂中の自由体積が減少することから、高い酸素バリア性が発現すると推測される。本実施形態におけるポリアミド樹脂におけるジアミン由来の構成単位は、好ましくは75モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは85モル%以上、一層好ましくは90モル%以上、より一層好ましくは95モル%以上、さらに一層好ましくは99モル%以上がキシリレンジアミンに由来する。上限は100モル%であってもよい。
本実施形態において、キシリレンジアミンは、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンが全体の99モル%以上を占めることが好ましい。前記キシリレンジアミンにおけるメタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンのモル比率は、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの合計を100モルとしたときに、10~100/90~0であることが好ましく、30~100/70~0であることがより好ましく、50~100/50~0であることがさらに好ましく、80~100/20~0であることが一層好ましく、90~100/10~0であることがより一層好ましく、95~100/5~0であることがさらに一層好ましい。メタキシリレンジアミンの比率を高くすることにより、融点上昇を抑えることができ、加工時温度を下げられることで、ポリアミド樹脂(A)に由来するコゲ、ゲルの発生をより効果的に抑制できる。
本実施形態において、キシリレンジアミンは、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンが全体の99モル%以上を占めることが好ましい。前記キシリレンジアミンにおけるメタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンのモル比率は、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンの合計を100モルとしたときに、10~100/90~0であることが好ましく、30~100/70~0であることがより好ましく、50~100/50~0であることがさらに好ましく、80~100/20~0であることが一層好ましく、90~100/10~0であることがより一層好ましく、95~100/5~0であることがさらに一層好ましい。メタキシリレンジアミンの比率を高くすることにより、融点上昇を抑えることができ、加工時温度を下げられることで、ポリアミド樹脂(A)に由来するコゲ、ゲルの発生をより効果的に抑制できる。
本実施形態におけるポリアミド樹脂の原料ジアミン成分として用いることができるキシリレンジアミン以外のジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2-メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環式ジアミン、ビス(4-アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン等を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
本実施形態におけるポリアミド樹脂(A)は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、ジカルボン酸由来の構成単位の、70.1~88.0モル%が炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、29.9~12.0モル%が炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する。炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸を用いることにより、アミド結合密度を上げることができ、酸素バリア性に優れるポリアミド樹脂が得られる傾向にある。また、炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸を用いることにより、融点が下がる。融点が下がることで、押出温度を下げることができるため、焦げやゲルの発生を抑制でき、かつ、柔軟性が向上し耐ピンホール性に優れるポリアミド樹脂が得られる傾向にある。
炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、アジピン酸、スベリン酸が挙げられ、アジピン酸が好ましい。
炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸が挙げられ、セバシン酸が好ましい。セバシン酸は植物原料由来のものとすることができ、樹脂のバイオベース度を高めることができる。
炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸が挙げられ、セバシン酸が好ましい。セバシン酸は植物原料由来のものとすることができ、樹脂のバイオベース度を高めることができる。
上記炭素数4~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸化合物、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、1,7-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸といったナフタレンジカルボン酸を例示することができ、1種または2種以上を混合して使用できる。
前記ジカルボン酸由来の構成単位における炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸(好ましくはアジピン酸)の割合は、70.1モル%以上であり、75.0モル%以上であることが好ましく、78.0モル%以上であることがより好ましい。前記下限値以上とすることにより、ガスバリア性がより向上する傾向にある。また、前記炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸の割合は、88.0モル%以下であり、86.0モル%以下であることが好ましく、85.0モル%以下であることがさらに好ましく、84.0モル%以下であることが一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、柔軟性が向上し、耐ピンホール性に優れる傾向にある。
前記ジカルボン酸由来の構成単位における炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸(好ましくはセバシン酸)の割合は、29.9モル%以下であり、25.0モル%以下であることが好ましく、22.0モル%以下であることがより好ましい。前記上限値以下とすることにより、酸素バリア性がより向上する傾向にある。また、前記炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸の割合は、12.0モル%上であることが好ましく、14.0モル%以上であることがより好ましく、15.0モル%以上であることがさらに好ましく、16.0%モル以上であってもよい。前記下限値以上とすることにより、柔軟性が向上し、耐ピンホール性、さらには透明性がより優れる傾向にある。
前記ジカルボン酸由来の構成単位は、炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸(好ましくはアジピン酸)に由来する構成単位と炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸(好ましくはセバシン酸)に由来する構成単位の合計が、ジカルボン酸由来の構成単位全体の好ましくは88モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは91モル%以上、一層好ましくは93モル%以上、より一層好ましくは95モル%以上、さらに一層好ましくは97モル%以上が、特に一層好ましくは99モル%以上を占める。前記合計の上限は100モル%であってもよい。
ポリアミド樹脂(A)においては、炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位、および、炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位は、それぞれ、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
ポリアミド樹脂(A)においては、炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位、および、炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位は、それぞれ、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本実施形態におけるポリアミド樹脂(A)の特に好ましい形態としては、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、ジアミン由来の構成単位の95モル%以上(より好ましくは98モル%以上、さらに好ましくは99.9モル%以上)がメタキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の、80.0~84.0モル%がアジピン酸に由来し、20.0~16.0モル%がセバシン酸に由来し、アジピン酸由来の構成単位とセバシン酸由来の構成単位の合計がジカルボン酸由来の構成単位の95モル%以上(より好ましくは98モル%以上、さらに好ましくは99.9モル%以上)であるポリアミド樹脂である。
なお、本実施形態で用いるポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸由来の構成単位とジアミン由来の構成単位を含むが、ジカルボン酸由来の構成単位およびジアミン由来の構成単位以外の構成単位や、末端基等の他の部位を含みうる。他の構成単位としては、ε-カプロラクタム、バレロラクタム、ラウロラクタム、ウンデカラクタム等のラクタム、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸等由来の構成単位が例示できるが、これらに限定されるものではない。さらに、本実施形態で用いるポリアミド樹脂(A)には、合成に用いた添加剤等の微量成分が含まれる場合もあろう。
本実施形態におけるポリアミド樹脂(A)は、末端基を除く全構成単位の好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上が、さらに好ましくは90質量%以上が、一層好ましくは95質量%以上が、より一層好ましくは98質量%以上が、さらに一層好ましくは99質量%以上がジカルボン酸由来の構成単位およびジアミン由来の構成単位からなる。
本実施形態におけるポリアミド樹脂(A)は、末端基を除く全構成単位の好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上が、さらに好ましくは90質量%以上が、一層好ましくは95質量%以上が、より一層好ましくは98質量%以上が、さらに一層好ましくは99質量%以上がジカルボン酸由来の構成単位およびジアミン由来の構成単位からなる。
本実施形態で用いるポリアミド樹脂(A)は相対粘度が1.5~3.0である。前記下限値以上とすることにより、ポリアミド樹脂(A)の分子量が高くなり、樹脂特有の各種機械物性を効果的に発現させることができる。また、前記上限値以下とすることにより、高い流動性を維持するため、押出温度を高くせずとも良好に押出が可能となり、ペレット成形性に優れ、かつ、過加熱による樹脂劣化を抑制できる傾向にある。
ポリアミド樹脂(A)の相対粘度は、1.9以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましく、2.1以上であることがさらに好ましく、2.3以上、2.6以上であってもよい。また、前記ポリアミド樹脂(A)の相対粘度は2.9以下であることが好ましく、2.8以下であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物が、ポリアミド樹脂(A)を2種以上含む場合、混合物の相対粘度が上記範囲となることが好ましい。
ポリアミド樹脂(A)の相対粘度は、1.9以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましく、2.1以上であることがさらに好ましく、2.3以上、2.6以上であってもよい。また、前記ポリアミド樹脂(A)の相対粘度は2.9以下であることが好ましく、2.8以下であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物が、ポリアミド樹脂(A)を2種以上含む場合、混合物の相対粘度が上記範囲となることが好ましい。
本実施形態で用いられるポリアミド樹脂(A)の融点は、200℃以上であることが好ましく、また、300℃以下であることが好ましい。このようなポリアミド樹脂を用いることにより、ポリアミド6の融点と近くなるため、ポリアミド6とブレンドした際の押出成形温度を両樹脂の適性温度に設定することができる。また、ポリアミドの分解点を下回る温度で押出ができるため、得られるフィルムの機械的強度がより向上する傾向にある。
前記融点は、国際公開第2016/084475号の段落0036の記載に従って測定することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
前記融点は、国際公開第2016/084475号の段落0036の記載に従って測定することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態で用いられるポリアミド樹脂(A)は、数平均分子量(Mn)の下限が、6,000以上であることが好ましく、8,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることがさらに好ましく、15,000以上であることが一層好ましく、20,000以上であることがより一層好ましい。上記Mnの上限は、50,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましく、28,000以下がさらに好ましい。
前記数平均分子量は、国際公開第2016/084475号の段落0029の記載に従って測定することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
前記数平均分子量は、国際公開第2016/084475号の段落0029の記載に従って測定することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態の樹脂組成物におけるポリアミド樹脂(A)の含有量は、樹脂組成物中、5質量%以上であることが好ましく、6質量%以上であることがより好ましく、7質量%以上であることがさらに好ましく、8質量%以上であることが一層好ましく、9質量%以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、得られる樹脂組成物ないしフィルムのガスバリア性やこしがより向上する傾向にある。また、前記ポリアミド樹脂(A)の含有量の上限値は、樹脂組成物中、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましく、20質量%以下であることが一層好ましく、19質量%以下であることがより一層好ましく、15質量%以下であることがさらに一層好ましく、12質量%以下であることが特に一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、得られるフィルムの耐ピンホール性がより向上する傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド6を含む。ポリアミド樹脂を含むことにより、得られる樹脂組成物に柔軟性を与え、樹脂組成物から形成されるフィルムの耐ピンホール性を向上させることができる。
本実施形態で用いるポリアミド6は、カプロラクタムの開環重縮合体であるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の構成単位や末端基等の他の部位を含みうる。他の構成単位としては、バレロラクタム、ラウロラクタム、ウンデカラクタム等のラクタム、アミノカルボン酸、ジアミン、ジカルボン酸等由来の構成単位が例示できるが、これらに限定されるものではない。さらに、本実施形態におけるポリアミド6には、合成に用いた添加剤等の微量成分が含まれる場合もあろう。
本実施形態におけるポリアミド6は、末端基を除く全構成単位の好ましくは70質量%以上が、より好ましくは80質量%以上が、さらに好ましくは90質量%以上が、一層好ましくは95質量%以上が、より一層好ましくは98質量%以上が、さらに一層好ましくは99質量%以上がカプロラクタム由来の構成単位からなる。
本実施形態で用いるポリアミド6は、カプロラクタムの開環重縮合体であるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の構成単位や末端基等の他の部位を含みうる。他の構成単位としては、バレロラクタム、ラウロラクタム、ウンデカラクタム等のラクタム、アミノカルボン酸、ジアミン、ジカルボン酸等由来の構成単位が例示できるが、これらに限定されるものではない。さらに、本実施形態におけるポリアミド6には、合成に用いた添加剤等の微量成分が含まれる場合もあろう。
本実施形態におけるポリアミド6は、末端基を除く全構成単位の好ましくは70質量%以上が、より好ましくは80質量%以上が、さらに好ましくは90質量%以上が、一層好ましくは95質量%以上が、より一層好ましくは98質量%以上が、さらに一層好ましくは99質量%以上がカプロラクタム由来の構成単位からなる。
本実施形態で用いるポリアミド6の相対粘度は、1.5以上であることが好ましく、1.8以上であることがより好ましく、2.4以上であることがさらに好ましく、2.6以上であることが一層好ましく、3.0以上、3.5以上であってもよい。前記下限値以上とすることにより、フィルムの機械物性、特に耐ピンホール性、耐衝撃性、突き刺し強度により優れる傾向にある。また、前記ポリアミド6の相対粘度は、5.0以下であることが好ましく、4.8以下であることがより好ましく、4.2以下、3.7以下であってもよい。前記上限値以下とすることにより、高い流動性を維持し、押出温度を高くせずとも良好に押出が可能であり、加工時の樹脂の劣化やゲル化を抑制できる傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物が、ポリアミド6を2種以上含む場合、混合物の相対粘度が上記範囲となることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物が、ポリアミド6を2種以上含む場合、混合物の相対粘度が上記範囲となることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物におけるポリアミド6の含有量は、樹脂組成物中、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上であることが一層好ましく、81質量%以上であることがより一層好ましく、85質量%以上であることがさらに一層好ましく、88質量%以上であることが特に一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、耐ピンホール性がより向上する傾向にある。また、前記ポリアミド6の含有量の上限値は、樹脂組成物中、95質量%以下であることが好ましく、94質量%以下であることがより好ましく、93質量%以下であることがさらに好ましく、92質量%以下であることが一層好ましく、91質量%以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、得られるフィルムの得られる樹脂組成物ないしフィルムのガスバリア性がより向上する傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド6を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド6を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
次に、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の質量比率(ポリアミド樹脂(A)/ポリアミド6)について説明する。
本実施形態においては、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の質量比率(ポリアミド樹脂(A)/ポリアミド6)が、30/70~5/95であり、19/79~5/95であることが好ましく、15/85~5/95であることがより好ましく、12/88~7/93であることがさらに好ましい。ポリアミド樹脂(A)の比率を多くすることにより、ガスバリア性がより向上する傾向にある。また、ポリアミド6の比率を多くすることにより、耐ピンホール性がより向上する傾向にある。
また、本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の総量が、樹脂組成物の90質量%以上を占めることが好ましく、95質量%以上を占めることがより好ましく、98質量%以上を占めることがさらに好ましく、99質量%以上を占めることが一層好ましい。
本実施形態においては、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の質量比率(ポリアミド樹脂(A)/ポリアミド6)が、30/70~5/95であり、19/79~5/95であることが好ましく、15/85~5/95であることがより好ましく、12/88~7/93であることがさらに好ましい。ポリアミド樹脂(A)の比率を多くすることにより、ガスバリア性がより向上する傾向にある。また、ポリアミド6の比率を多くすることにより、耐ピンホール性がより向上する傾向にある。
また、本実施形態の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の総量が、樹脂組成物の90質量%以上を占めることが好ましく、95質量%以上を占めることがより好ましく、98質量%以上を占めることがさらに好ましく、99質量%以上を占めることが一層好ましい。
本実施形態においては、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の相対粘度比(ポリアミド6/ポリアミド樹脂(A))が、0.8~2.5である。前記範囲内とすることにより、ペレットやフィルムへの成形性がより向上する傾向にある。
前記相対粘度比の下限値は、0.9以上、1.0以上、1.1以上、1.2以上であってもよい。また、前記相対粘度比の上限値は、2.2以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましく、1.8以下であることがさらに好ましく、1.6以下であることが一層好ましく、1.4以下であることがより一層好ましい。
前記相対粘度比の下限値は、0.9以上、1.0以上、1.1以上、1.2以上であってもよい。また、前記相対粘度比の上限値は、2.2以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましく、1.8以下であることがさらに好ましく、1.6以下であることが一層好ましく、1.4以下であることがより一層好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、上記以外の他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、前記ポリアミド樹脂(A)およびポリアミド6以外の他のポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂、酸化反応促進剤、強化材(充填剤)、耐熱安定剤および耐候安定剤等の酸化防止剤(特に耐熱安定剤)、耐衝撃性改良剤、難燃剤、難燃助剤、離型剤、滴下防止剤、艶消剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤、核剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。これらの添加剤は、それぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
他の成分としては、前記ポリアミド樹脂(A)およびポリアミド6以外の他のポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂、酸化反応促進剤、強化材(充填剤)、耐熱安定剤および耐候安定剤等の酸化防止剤(特に耐熱安定剤)、耐衝撃性改良剤、難燃剤、難燃助剤、離型剤、滴下防止剤、艶消剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤、核剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。これらの添加剤は、それぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
本実施形態における樹脂組成物が含みうる他のポリアミド樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂であっても、半芳香族ポリアミド樹脂であってもよい。
脂肪族ポリアミド樹脂としては、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド6/66(ポリアミド6成分およびポリアミド66成分からなる共重合体)、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド410、ポリアミド1010、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド1012、ポリアミド9C(1,9-ノナンジアミンと2-メチル-1,8-オクタンジアミンからなる混合ジアミンと1,4-シクロヘキサンジカルボン酸からなるポリアミド)が例示される。
半芳香族ポリアミド樹脂としては、ポリアミド4T、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド6T/6I、ポリアミド9T、ポリアミド10T、ポリアミド9Nなどが例示される。
脂肪族ポリアミド樹脂としては、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド6/66(ポリアミド6成分およびポリアミド66成分からなる共重合体)、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド410、ポリアミド1010、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド1012、ポリアミド9C(1,9-ノナンジアミンと2-メチル-1,8-オクタンジアミンからなる混合ジアミンと1,4-シクロヘキサンジカルボン酸からなるポリアミド)が例示される。
半芳香族ポリアミド樹脂としては、ポリアミド4T、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド6T/6I、ポリアミド9T、ポリアミド10T、ポリアミド9Nなどが例示される。
本実施形態における樹脂組成物が、他のポリアミド樹脂を含む場合、その含有量は、前記ポリアミド樹脂(A)およびポリアミド6の合計含有量100質量部に対し、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることがさらに好ましく、1質量部以下であることが一層好ましい。本実施形態における樹脂組成物は、他のポリアミド樹脂を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、本実施形態における樹脂組成物は酸化反応促進剤を含んでいてもよい。酸化反応促進剤の詳細は、後述するガスバリア層に含んでいてもよい酸化反応促進剤と同様である。
本実施形態の樹脂組成物は、公知の熱可塑性樹脂組成物の製造方法によって製造できる。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法の一実施形態として、ポリアミド樹脂(A)、ポリアミド6、および必要に応じて配合される他の成分を配合して混練することが好ましい。このような樹脂組成物の一例として、ペレットが挙げられる。このとき、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6をメルトブレンドすることが好ましい。メルトブレンドすることにより、ポリアミド樹脂(A)のポリアミド6への微分散がより効果的に進行する傾向にある。
具体的には、ポリアミド樹脂(A)、ポリアミド6、および必要に応じて配合される他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法の第二の実施形態として、ポリアミド樹脂(A)、ポリアミド6、および必要に応じて配合される他の成分を配合してドライブレンドすることが好ましい。ドライブレンドすることにより、各樹脂の熱履歴を最小限にし、かつ、事前の押出混練工程がないため、相溶化が進行しづらく、フィルムの酸素バリア性、易裂性が改善される。
本実施形態においては、メルトブレンド、ドライブレンドのいずれでもよく、ドライブレンドがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法の一実施形態として、ポリアミド樹脂(A)、ポリアミド6、および必要に応じて配合される他の成分を配合して混練することが好ましい。このような樹脂組成物の一例として、ペレットが挙げられる。このとき、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6をメルトブレンドすることが好ましい。メルトブレンドすることにより、ポリアミド樹脂(A)のポリアミド6への微分散がより効果的に進行する傾向にある。
具体的には、ポリアミド樹脂(A)、ポリアミド6、および必要に応じて配合される他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物の製造方法の第二の実施形態として、ポリアミド樹脂(A)、ポリアミド6、および必要に応じて配合される他の成分を配合してドライブレンドすることが好ましい。ドライブレンドすることにより、各樹脂の熱履歴を最小限にし、かつ、事前の押出混練工程がないため、相溶化が進行しづらく、フィルムの酸素バリア性、易裂性が改善される。
本実施形態においては、メルトブレンド、ドライブレンドのいずれでもよく、ドライブレンドがより好ましい。
次に、本実施形態のフィルムについて説明する。
本実施形態のフィルムは、本実施形態の樹脂組成物から形成されたフィルムである。本実施形態のフィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、延伸フィルムであってもよいが、ガスバリア性を高める観点からは延伸フィルムであることが好ましい。
本実施形態のフィルムは、本実施形態の樹脂組成物から形成されたフィルムである。本実施形態のフィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、延伸フィルムであってもよいが、ガスバリア性を高める観点からは延伸フィルムであることが好ましい。
本実施形態のフィルムの厚さは、用途に応じて適宜選択すればよく、特に制限されないが、ガスバリア性を高める観点からは、下限値は、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることがさらに好ましい。上限値は、300μm以下であることが好ましく、250μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態のフィルムは、透明性に優れていることが好ましい。本実施形態のフィルム(例えば、単層未延伸フィルム)は、例えば、ヘイズを5.0%以下とすることができ、さらには、0.8%以下とすることができる。ヘイズの下限値は、0%が理想であるが、0.01%以上さらには1.0%であっても要求性能を満たすものである。ヘイズは、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
本実施形態のフィルム、特に延伸フィルムは、酸素バリア性に優れていることが好ましい。前記延伸フィルムは、23℃、相対湿度60%の条件下での酸素透過係数(OTR)が、0.45cc・mm/(m2・day・atm)以下であることが好ましい。下限値は0cc・mm/(m2・day・atm)が理想であるが、0.10cc・mm/(m2・day・atm)以上でも十分に要求性能を満たし得る。酸素透過係数(OTR)は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
本実施形態のフィルムの製造方法について説明する。
本実施形態のフィルムは公知の方法によって製造することができる。例えば、本実施形態においては、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6をドライブレンドした後、押出機に投入し、フィルム状に押し出すことを含むことが好ましい。ドライブレンドすることにより、ポリアミド樹脂(A)のポリアミド6への熱履歴を最小限にし、かつ、事前の押出混練工程がないため、相溶化が進行しづらく、フィルムの酸素バリア性、易裂性が改善される。上記方法で得られたフィルムを延伸することで、易裂き性フィルムを得ることができる。延伸方法は1軸延伸でもよく、2軸延伸でもよい。延伸倍率は後述するフィルムの延伸倍率と同様である。
本実施形態のフィルムは公知の方法によって製造することができる。例えば、本実施形態においては、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6をドライブレンドした後、押出機に投入し、フィルム状に押し出すことを含むことが好ましい。ドライブレンドすることにより、ポリアミド樹脂(A)のポリアミド6への熱履歴を最小限にし、かつ、事前の押出混練工程がないため、相溶化が進行しづらく、フィルムの酸素バリア性、易裂性が改善される。上記方法で得られたフィルムを延伸することで、易裂き性フィルムを得ることができる。延伸方法は1軸延伸でもよく、2軸延伸でもよい。延伸倍率は後述するフィルムの延伸倍率と同様である。
以下、本実施形態のフィルムが延伸フィルムである場合を例にとって詳細を説明する。本実施形態の延伸フィルムは、本実施形態の樹脂組成物を溶融混練した状態で、Tダイからキャスティングロールに押し出す。押出時の押出温度は、樹脂組成物が溶融している限り特に定めるものではない。溶融押出された樹脂組成物からなる未延伸フィルムの厚さは、用途や延伸倍率にもよるが、一例として、延伸後の延伸フィルムの2~60倍の厚さであることが好ましく、4~40倍の厚さであることがより好ましく、5~30倍の厚さであることがさらに好ましく、6~28倍の厚さであることが特に好ましい。
延伸は、1方向のみに行ってもよいし(1軸延伸)、直交する2方向に行ってもよく(2軸延伸)、2軸延伸が好ましい。フィルムの搬送方向(Machine direction、「MD」ということがある)またはフィルムの幅方向(Transverse Direction、「TD」ということがある)の1方向(より好ましくは、MD)、または、MDおよびTDの2方向に延伸することが好ましい。2軸延伸の場合、2方向の延伸は同時に行ってもよいし、逐次に行ってもよい。
MD延伸は、周速速度の異なるロール間を、フィルムを通過させて、延伸することができる。この場合、後に通過するロールの方が、周速速度が速くなるように設定される。また、テンターを用いて延伸することもできる。一方、TD延伸は、テンターを用いて延伸することができる。また、バッチ式の二軸延伸機を用いてもよい。
MD延伸は、周速速度の異なるロール間を、フィルムを通過させて、延伸することができる。この場合、後に通過するロールの方が、周速速度が速くなるように設定される。また、テンターを用いて延伸することもできる。一方、TD延伸は、テンターを用いて延伸することができる。また、バッチ式の二軸延伸機を用いてもよい。
フィルムを1軸延伸する場合の延伸倍率(MDあるいはTD延伸倍率)は、2倍以上延伸することが好ましく、3倍以上延伸することがより好ましく、5倍以上延伸することがさらに好ましい。
フィルムを2軸延伸する場合の延伸倍率は、それぞれの方向に、2倍以上延伸することが好ましく、2.25倍以上延伸することがより好ましく、2.45倍以上延伸することがさらに好ましい。1軸または2軸延伸する場合の、各延伸倍率の上限値は特に定めるものではないが、それぞれ、例えば、5倍以下、さらには、4倍以下、特には、3.5倍以下とすることができる。
本実施形態における総合延伸倍率は、4倍以上であることが好ましく、6倍以上であることがより好ましく、6.20倍以上であることがさらに好ましい。総合延伸倍率の上限については、特に定めるものではないが、例えば、25倍以下とでき、さらには16倍以下とすることができ、特には13倍以下とすることもできる。ここで、総合延伸倍率とは、延伸前のフィルムに対する、延伸した量の割合であり、下記式で表される値である。
総合延伸倍率=MD延伸倍率xTD延伸倍率
フィルムを2軸延伸する場合の延伸倍率は、それぞれの方向に、2倍以上延伸することが好ましく、2.25倍以上延伸することがより好ましく、2.45倍以上延伸することがさらに好ましい。1軸または2軸延伸する場合の、各延伸倍率の上限値は特に定めるものではないが、それぞれ、例えば、5倍以下、さらには、4倍以下、特には、3.5倍以下とすることができる。
本実施形態における総合延伸倍率は、4倍以上であることが好ましく、6倍以上であることがより好ましく、6.20倍以上であることがさらに好ましい。総合延伸倍率の上限については、特に定めるものではないが、例えば、25倍以下とでき、さらには16倍以下とすることができ、特には13倍以下とすることもできる。ここで、総合延伸倍率とは、延伸前のフィルムに対する、延伸した量の割合であり、下記式で表される値である。
総合延伸倍率=MD延伸倍率xTD延伸倍率
延伸は、常温で行ってもよいが、加熱条件下で行うことが好ましい。加熱は、加熱ゾーン中を、フィルムを通過させながら、あるいはバッチ式二軸延伸機にて所定温度雰囲気下で加熱しつつ延伸を行うことが好ましい。延伸は、それぞれ、ポリアミド6の融点-150℃~融点未満で行うことが好ましく、ポリアミド6の融点-130℃~融点-60℃で行うことがより好ましく、ポリアミド6の融点-120℃~融点-80℃で行うことがさらに好ましい。
本実施形態の延伸フィルムの製造方法では、延伸後、熱固定および緩和を行うことが好ましい。緩和は、熱固定の工程中に行われることが好ましい。熱固定時間は、5秒~5分が好ましく、10秒~1分がより好ましい。緩和は、熱固定の工程中に行う場合、例えば、熱固定時間30秒の場合、熱固定開始後、15~16秒から緩和を開始することができる。
熱固定は、ポリアミド6の融点-70℃~融点未満で行うことが好ましく、ポリアミド6の融点-60℃~融点-5℃で行うことがより好ましく、ポリアミド6の融点-50℃~融点-10℃で行うことがさらに好ましい。
緩和は、例えば、延伸方向と逆方向にチャック間距離を戻すことによって行うことが好ましい。
緩和率は、フィルムを1軸延伸した場合、延伸方向に0.5~10%であることが好ましく、1~8%であることがより好ましく、1.5~6%であることがさらに好ましい。
緩和率は、フィルムを2軸延伸した場合、それぞれの延伸方向に0.5~10%であることが好ましく、1~8%であることがより好ましく、1.5~6%であることがさらに好ましい。
ここで、緩和率は、1軸延伸の場合、以下の通り計算される。
緩和率(%)=緩和量/延伸量x100
また、2軸延伸の場合、以下の通り計算される。
MD緩和率(%)=MD緩和量/MD延伸量x100
TD緩和率(%)=TD緩和量/TD延伸量x100
熱固定は、ポリアミド6の融点-70℃~融点未満で行うことが好ましく、ポリアミド6の融点-60℃~融点-5℃で行うことがより好ましく、ポリアミド6の融点-50℃~融点-10℃で行うことがさらに好ましい。
緩和は、例えば、延伸方向と逆方向にチャック間距離を戻すことによって行うことが好ましい。
緩和率は、フィルムを1軸延伸した場合、延伸方向に0.5~10%であることが好ましく、1~8%であることがより好ましく、1.5~6%であることがさらに好ましい。
緩和率は、フィルムを2軸延伸した場合、それぞれの延伸方向に0.5~10%であることが好ましく、1~8%であることがより好ましく、1.5~6%であることがさらに好ましい。
ここで、緩和率は、1軸延伸の場合、以下の通り計算される。
緩和率(%)=緩和量/延伸量x100
また、2軸延伸の場合、以下の通り計算される。
MD緩和率(%)=MD緩和量/MD延伸量x100
TD緩和率(%)=TD緩和量/TD延伸量x100
上記工程を得て得られる延伸フィルムは、通常、ロール等に巻き取られ保存される。さらに、延伸フィルムは、切断して各種用途に用いられる。
上述したTダイおよびテンターによる延伸は、例えば国際公開第2017/010390号の段落0049~0053の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、本実施形態の延伸フィルムには、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、特開2012-041527号公報の段落0066~0080、特開2012-061851号公報の段落0063~0079、特開2012-107217号公報の段落0088~0098に記載の条件や技術を適用でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
上述したTダイおよびテンターによる延伸は、例えば国際公開第2017/010390号の段落0049~0053の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、本実施形態の延伸フィルムには、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、特開2012-041527号公報の段落0066~0080、特開2012-061851号公報の段落0063~0079、特開2012-107217号公報の段落0088~0098に記載の条件や技術を適用でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
次に、本実施形態の多層フィルムについて説明する。
本実施形態の多層フィルムは、上述の本実施形態のフィルム(好ましくは単層フィルム)と、他の少なくとも1層(好ましくは酸素バリア層)とからなる多層フィルムである。
他の少なくとも1層としては、ガスバリア層(酸素バリア層、水蒸気バリア層)、ポリオレフィンを含む層、接着層、シーラント層、酸素吸収層、酸素透過層、金属蒸着層、意匠層(紙、樹脂)、保香層、耐油層、水蒸気バリア層、難燃層、絶縁層、易カット層、防曇層が例示される。
本実施形態の多層フィルムは、他の層を1層のみ有していてもよいし、2層以上有していてもよい。他の層の数は、好ましくは1層以上であり、2層以上であってもよく、3層以上であってもよく、また、好ましくは10層以下であり、より好ましくは8層以下であり、5層以下であってもよい。また、同じ性能を有する層を2層以上用いてもよい。
本実施形態の多層フィルムは、上述の本実施形態のフィルム(好ましくは単層フィルム)と、他の少なくとも1層(好ましくは酸素バリア層)とからなる多層フィルムである。
他の少なくとも1層としては、ガスバリア層(酸素バリア層、水蒸気バリア層)、ポリオレフィンを含む層、接着層、シーラント層、酸素吸収層、酸素透過層、金属蒸着層、意匠層(紙、樹脂)、保香層、耐油層、水蒸気バリア層、難燃層、絶縁層、易カット層、防曇層が例示される。
本実施形態の多層フィルムは、他の層を1層のみ有していてもよいし、2層以上有していてもよい。他の層の数は、好ましくは1層以上であり、2層以上であってもよく、3層以上であってもよく、また、好ましくは10層以下であり、より好ましくは8層以下であり、5層以下であってもよい。また、同じ性能を有する層を2層以上用いてもよい。
本実施形態の多層フィルムの一例は、本実施形態のフィルム(「樹脂層(a)」ということがある)と、酸素バリア層を含む多層フィルムである。図1は、本実施形態の多層フィルムの断面模式図であって、1は多層フィルムを、2は本実施形態の樹脂組成物から形成されたフィルム(樹脂層(a))を、3は酸素バリア層を示している。
また、フィルム(樹脂層(a))2と酸素バリア層3が接着層を介していることも好ましい。
また、フィルム(樹脂層(a))2と酸素バリア層3が接着層を介していることも好ましい。
本実施形態の多層フィルムの好ましい層構成を以下に示す。本実施形態がこれらに限定されるものはないことは言うまでもない。
樹脂層(a)/酸素バリア層
樹脂層(a)/酸素バリア層/樹脂層(a)
樹脂層(a)/酸素バリア層/樹脂層(a)/接着層/シーラント層樹脂層(a)
樹脂層(a)/接着層/酸素バリア層/接着層/樹脂層(a)
樹脂層(a)/接着層/酸素バリア層/接着層/樹脂層(a)/接着層/シーラント層樹脂層(a)
樹脂層(a)/接着層/酸素バリア層
樹脂層(a)/酸素バリア層
樹脂層(a)/酸素バリア層/樹脂層(a)
樹脂層(a)/酸素バリア層/樹脂層(a)/接着層/シーラント層樹脂層(a)
樹脂層(a)/接着層/酸素バリア層/接着層/樹脂層(a)
樹脂層(a)/接着層/酸素バリア層/接着層/樹脂層(a)/接着層/シーラント層樹脂層(a)
樹脂層(a)/接着層/酸素バリア層
ガスバリア層は、ガスバリア性を有する層である限り、特に定めるものでは無い。例えば、ガスバリア層は、後述する酸素透過率が0.45cc/m2・atm・day以下であることが好ましく、0.20cc/m2・atm・day以下であることがより好ましく、0.10cc/m2・atm・day以下であることがさらに好ましい。下限値は、0cc/m2・atm・day以上であることが理想であるが、0.0001cc/m2・atm・dayが実際的である。
酸素透過率は、後述する実施例の記載に従って測定される。
酸素透過率は、後述する実施例の記載に従って測定される。
ガスバリア層は、通常、ガスバリア性に優れた樹脂(ガスバリア樹脂)を主成分とする層であることが好ましく、ガスバリア樹脂がガスバリア層の90質量%以上を占めることがより好ましく、ガスバリア樹脂がガスバリア層の95質量%以上を占めることがさらに好ましい。
ガスバリア樹脂としては、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、前記ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂(ポリアミド樹脂(B))、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などが例示される。
本実施形態においては、ガスバリア樹脂は、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂(B)が好ましく、前記ポリアミド樹脂(B)がより好ましい。
ガスバリア樹脂としては、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、前記ジアミン由来の構成単位の50モル%以上がキシリレンジアミンに由来するポリアミド樹脂(ポリアミド樹脂(B))、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などが例示される。
本実施形態においては、ガスバリア樹脂は、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂(B)が好ましく、前記ポリアミド樹脂(B)がより好ましい。
ポリアミド樹脂(B)の第一の実施形態は、ジアミン由来の構成単位の70モル%(好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上)以上がキシリレンジアミン(好ましくはメタキシリレンジアミン)に由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の50モル%以上(好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上)が炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸(好ましくはアジピン酸および/またはセバシン酸、より好ましくはアジピン酸)に由来することである。
ポリアミド樹脂(B)の第二の実施形態は、ジアミン由来の構成単位の70モル%(好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上)以上がキシリレンジアミン(好ましくはメタキシリレンジアミン)に由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の10~90モル%(好ましくは10~60モル%)がイソフタル酸に由来し、ジカルボン酸由来の構成単位の90~10モル%(好ましくは90~40モル%)炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸(好ましくはアジピン酸および/またはセバシン酸、より好ましくはアジピン酸)に由来することである。
本実施形態においては、ポリアミド樹脂(B)は第一の実施形態のポリアミド樹脂を含むことが好ましい。
ガスバリア樹脂としては、上記の他、特開2018-090318号公報の段落0021~0029に記載のポリアミド樹脂、特開2021-080025号公報の段落0030~0042に記載のポリアミド樹脂(X)、再表2020/059748号の段落0010~0027に記載のバリア性樹脂などが例示され、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
ガスバリア樹脂としては、上記の他、特開2018-090318号公報の段落0021~0029に記載のポリアミド樹脂、特開2021-080025号公報の段落0030~0042に記載のポリアミド樹脂(X)、再表2020/059748号の段落0010~0027に記載のバリア性樹脂などが例示され、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態においては、ポリアミド樹脂(B)の相対粘度が、1.9以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましく、2.1以上であることがさらに好ましく、2.3以上、2.5以上であってもよい。また、前記ポリアミド樹脂(B)の相対粘度は3.5以下であることが好ましく、2.8以下であることがより好ましい。本実施形態におけるガスバリア層が、ポリアミド樹脂(B)を2種以上含む場合、混合物の相対粘度が上記範囲となることが好ましい。
本実施形態におけるガスバリア層は、1種または2種以上のガスバリア樹脂のみからなってもよいし、他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、ガスバリア樹脂以外の熱可塑性樹脂(ポリアミド樹脂(B)以外の他のポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂等)、酸化反応促進剤、強化材(充填剤)、耐熱安定剤および耐候安定剤等の酸化防止剤(特に耐熱安定剤)、耐衝撃性改良剤、難燃剤、難燃助剤、離型剤、滴下防止剤、艶消剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤、核剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。これらの添加剤は、それぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
他の成分としては、ガスバリア樹脂以外の熱可塑性樹脂(ポリアミド樹脂(B)以外の他のポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂等)、酸化反応促進剤、強化材(充填剤)、耐熱安定剤および耐候安定剤等の酸化防止剤(特に耐熱安定剤)、耐衝撃性改良剤、難燃剤、難燃助剤、離型剤、滴下防止剤、艶消剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤、核剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。これらの添加剤は、それぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
本実施形態におけるガスバリア層は、酸化反応促進剤を含んでいてもよい。酸化反応促進剤を含むことで、本実施形態におけるガスバリア層の酸素吸収性を高めることができる。
酸化反応促進剤は、酸化反応促進効果を奏するものであればよいが、遷移金属元素を含む化合物が好ましい。遷移金属元素としては、元素周期律表の第VIII族の遷移金属、マンガン、銅および亜鉛から選ばれる少なくとも1種が好ましく、酸素吸収能を効果的に発現させる観点から、コバルト、鉄、マンガン、およびニッケルから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、コバルトがさらに好ましい。
酸化反応促進剤が遷移金属元素を含むものである場合、その含有量は、ガスバリア樹脂中の遷移金属濃度として、好ましくは10質量ppm以上、また、好ましくは1000質量ppm以下である。
成形品中の遷移金属濃度は、公知の方法、例えばICP発光分光分析を用いて測定することができる。
上記酸化反応促進剤は、1種を単独で、および2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上併用する場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
酸化反応促進剤は、酸化反応促進効果を奏するものであればよいが、遷移金属元素を含む化合物が好ましい。遷移金属元素としては、元素周期律表の第VIII族の遷移金属、マンガン、銅および亜鉛から選ばれる少なくとも1種が好ましく、酸素吸収能を効果的に発現させる観点から、コバルト、鉄、マンガン、およびニッケルから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、コバルトがさらに好ましい。
酸化反応促進剤が遷移金属元素を含むものである場合、その含有量は、ガスバリア樹脂中の遷移金属濃度として、好ましくは10質量ppm以上、また、好ましくは1000質量ppm以下である。
成形品中の遷移金属濃度は、公知の方法、例えばICP発光分光分析を用いて測定することができる。
上記酸化反応促進剤は、1種を単独で、および2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上併用する場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
接着層は、本実施形態のフィルムとガスバリア層を接着する層、あるいは、本実施形態のフィルムまたはガスバリア層と他の層を接着する層として用いられる。本実施形態の多層フィルムの一実施形態は、本実施形態のフィルムとガスバリア層とが接着層を介して接着している態様である。
本実施形態で用いる接着剤は、酸変性ポリオレフィンを含むことが好ましい。酸変性ポリオレフィンは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィンが好ましく、無水マレイン酸変性ポリオレフィンがより好ましい。
接着層は、接着剤を80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことが一層好ましい。
接着層の詳細は、特開2012-035504号公報の段落0015および国際公開第2015/083558号の段落0043の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態で用いる接着剤は、酸変性ポリオレフィンを含むことが好ましい。酸変性ポリオレフィンは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィンが好ましく、無水マレイン酸変性ポリオレフィンがより好ましい。
接着層は、接着剤を80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましく、95質量%以上含むことが一層好ましい。
接着層の詳細は、特開2012-035504号公報の段落0015および国際公開第2015/083558号の段落0043の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
多層フィルムの製造方法は、上記本実施形態のフィルムの製造方法において、本実施形態の樹脂組成物と他の層を形成用の組成物を共押出することにより製造でき、他は同様に行って製造することができる。
また、本実施形態の多層フィルムは、多層フィルムにしてから延伸してもよい。多層フィルムにしてから、延伸する場合の延伸倍率等は、単層フィルムを延伸する場合と同様である。
また、多層フィルムについては、上記の他、特開2017-114532号公報の記載、および、特開2016-169291号公報の段落0120~0122の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、本実施形態の多層フィルムは、多層フィルムにしてから延伸してもよい。多層フィルムにしてから、延伸する場合の延伸倍率等は、単層フィルムを延伸する場合と同様である。
また、多層フィルムについては、上記の他、特開2017-114532号公報の記載、および、特開2016-169291号公報の段落0120~0122の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
次に、本実施形態の樹脂組成物、フィルムおよび多層フィルムの用途について説明する。
本実施形態の樹脂組成物、フィルムおよび多層フィルムは、ガスバリア性(特に酸素バリア性)および透明性、さらには耐ピンホール性が求められる用途に広く用いられ、包装材料に好ましく用いられる。すなわち、本実施形態においては、本実施形態のフィルムまたは本実施形態の多層フィルムを含む包装材料が挙げられる。
包装材料は、顧客の購入意欲を高めるために内容物を可視化したい様々な物品を収納、保存することができる。具体的には、包装材料は、ラップ、各種形状のパウチ、容器のふた材、ボトル、カップ、トレイ、および、チューブなどに好ましく利用できる。包装材料の包装対象としては、例えば、水産加工品、畜産加工品、飯類、液体食品、医薬品、試薬、化粧品、バッテリー等が挙げられる。これらの詳細は、特開2011-037199号公報の段落0032~0035の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態の樹脂組成物、フィルムおよび多層フィルムは、ガスバリア性(特に酸素バリア性)および透明性、さらには耐ピンホール性が求められる用途に広く用いられ、包装材料に好ましく用いられる。すなわち、本実施形態においては、本実施形態のフィルムまたは本実施形態の多層フィルムを含む包装材料が挙げられる。
包装材料は、顧客の購入意欲を高めるために内容物を可視化したい様々な物品を収納、保存することができる。具体的には、包装材料は、ラップ、各種形状のパウチ、容器のふた材、ボトル、カップ、トレイ、および、チューブなどに好ましく利用できる。包装材料の包装対象としては、例えば、水産加工品、畜産加工品、飯類、液体食品、医薬品、試薬、化粧品、バッテリー等が挙げられる。これらの詳細は、特開2011-037199号公報の段落0032~0035の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例で用いた測定機器等が廃番等により入手困難な場合、他の同等の性能を有する機器を用いて測定することができる。
なお、本実施例において、AAはアジピン酸を、SAはセバシン酸を意味している。
実施例で用いた測定機器等が廃番等により入手困難な場合、他の同等の性能を有する機器を用いて測定することができる。
なお、本実施例において、AAはアジピン酸を、SAはセバシン酸を意味している。
1.原料
PA6-1:ポリアミド6、宇部興産株式会社製、1024B、相対粘度3.6
PA6-2:ポリアミド6、宇部興産株式会社製、1030B、相対粘度4.0
MXD6:メタキシリレンジアミンとアジピン酸から合成されたポリアミド樹脂、三菱ガス化学株式会社製、S6011、相対粘度2.6
EVOH:三菱ケミカル株式会社製、ソアノールDC3212B、エチレン-ビニルアルコール共重合体
接着剤:無水マレイン酸変性ポリオレフィン、三井化学社製、アドマ-QF551
PA6-1:ポリアミド6、宇部興産株式会社製、1024B、相対粘度3.6
PA6-2:ポリアミド6、宇部興産株式会社製、1030B、相対粘度4.0
MXD6:メタキシリレンジアミンとアジピン酸から合成されたポリアミド樹脂、三菱ガス化学株式会社製、S6011、相対粘度2.6
EVOH:三菱ケミカル株式会社製、ソアノールDC3212B、エチレン-ビニルアルコール共重合体
接着剤:無水マレイン酸変性ポリオレフィン、三井化学社製、アドマ-QF551
MXD610(90/10):メタキシリレンジアミンと、アジピン酸と、セバシン酸から合成されたポリアミド樹脂(アジピン酸とセバシン酸のモル比は90:10)、下記合成例に従って合成した。
<MXD610(90/10)の合成例>
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したアジピン酸10,000g(68mol)、セバシン酸1,538g(7.6mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.33g(NaH2PO2・H2O)(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度換算で5質量ppm)および酢酸ナトリウム0.13gを配合し、十分に窒素置換した後、窒素を内圧0.4MPaまで充填し、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら190℃まで加熱した。
これにメタキシリレンジアミン10,500g(77mol)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温を上昇させ、255℃に達した時点で反応容器内を減圧にし、さらに内温を上昇させて260℃で10分間、溶融重縮合反応を継続した。その後、系内を窒素で加圧し、得られた重合物をストランドダイから取り出して、これをペレット化し、ポリアミドMXD610(90/10)を得た。得られた樹脂は、バッチ式乾燥機で180℃、2時間で乾燥を行い、重合度を上げることで、相対粘度2.8とした。
<MXD610(90/10)の合成例>
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したアジピン酸10,000g(68mol)、セバシン酸1,538g(7.6mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.33g(NaH2PO2・H2O)(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度換算で5質量ppm)および酢酸ナトリウム0.13gを配合し、十分に窒素置換した後、窒素を内圧0.4MPaまで充填し、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら190℃まで加熱した。
これにメタキシリレンジアミン10,500g(77mol)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温を上昇させ、255℃に達した時点で反応容器内を減圧にし、さらに内温を上昇させて260℃で10分間、溶融重縮合反応を継続した。その後、系内を窒素で加圧し、得られた重合物をストランドダイから取り出して、これをペレット化し、ポリアミドMXD610(90/10)を得た。得られた樹脂は、バッチ式乾燥機で180℃、2時間で乾燥を行い、重合度を上げることで、相対粘度2.8とした。
MXD610(84/16):メタキシリレンジアミンと、アジピン酸と、セバシン酸から合成されたポリアミド樹脂(アジピン酸とセバシン酸のモル比は86:14)、下記合成例に従って合成した。
<MXD610(86/14)の合成例>
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したアジピン酸10,000g(68mol)、セバシン酸2,636g(13.1mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.36g(NaH2PO2・H2O)(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度換算で5質量ppm)および酢酸ナトリウム0.14gを配合し、十分に窒素置換した後、窒素を内圧0.4MPaまで充填し、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら190℃まで加熱した。
これにメタキシリレンジアミン11,360g(83mol)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温を上昇させ、255℃に達した時点で反応容器内を減圧にし、さらに内温を上昇させて260℃で10分間、溶融重縮合反応を継続した。その後、系内を窒素で加圧し、得られた重合物をストランドダイから取り出して、これをペレット化し、ポリアミドMXD610(86/14)を得た。
得られた樹脂は、バッチ式乾燥機で180℃、乾燥時間および温度を調整することにより、重合度を調整した。具体的には、乾燥温度140℃、乾燥時間2時間では相対粘度1.6、乾燥温度180℃、乾燥時間1時間では相対粘度2.1、乾燥温度180℃、乾燥時間2時間では相対粘度2.8となるポリアミドMXD610(86/14)が、それぞれ、得られた。
<MXD610(86/14)の合成例>
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したアジピン酸10,000g(68mol)、セバシン酸2,636g(13.1mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.36g(NaH2PO2・H2O)(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度換算で5質量ppm)および酢酸ナトリウム0.14gを配合し、十分に窒素置換した後、窒素を内圧0.4MPaまで充填し、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら190℃まで加熱した。
これにメタキシリレンジアミン11,360g(83mol)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温を上昇させ、255℃に達した時点で反応容器内を減圧にし、さらに内温を上昇させて260℃で10分間、溶融重縮合反応を継続した。その後、系内を窒素で加圧し、得られた重合物をストランドダイから取り出して、これをペレット化し、ポリアミドMXD610(86/14)を得た。
得られた樹脂は、バッチ式乾燥機で180℃、乾燥時間および温度を調整することにより、重合度を調整した。具体的には、乾燥温度140℃、乾燥時間2時間では相対粘度1.6、乾燥温度180℃、乾燥時間1時間では相対粘度2.1、乾燥温度180℃、乾燥時間2時間では相対粘度2.8となるポリアミドMXD610(86/14)が、それぞれ、得られた。
MXD610(80/20):メタキシリレンジアミンと、アジピン酸と、セバシン酸から合成されたポリアミド樹脂(アジピン酸とセバシン酸のモル比は80:20)、下記合成例に従って合成した。
<MXD610(80/20)の合成例>
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したアジピン酸10,000g(68mol)、セバシン酸3,460g(17.1mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.38g(NaH2PO2・H2O)(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度換算で5質量ppm)および酢酸ナトリウム0.15gを配合し、十分に窒素置換した後、窒素を内圧0.4MPaまで充填し、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら190℃まで加熱した。
これにメタキシリレンジアミン11,813g(87mol)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温を上昇させ、255℃に達した時点で反応容器内を減圧にし、さらに内温を上昇させて260℃で10分間、溶融重縮合反応を継続した。その後、系内を窒素で加圧し、得られた重合物をストランドダイから取り出して、これをペレット化し、ポリアミドMXD610(80/20)を得た。得られた樹脂は、バッチ式乾燥機で180℃、2時間で乾燥を行い、重合度を上げることで、相対粘度2.7とした。
<MXD610(80/20)の合成例>
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したアジピン酸10,000g(68mol)、セバシン酸3,460g(17.1mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.38g(NaH2PO2・H2O)(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度換算で5質量ppm)および酢酸ナトリウム0.15gを配合し、十分に窒素置換した後、窒素を内圧0.4MPaまで充填し、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら190℃まで加熱した。
これにメタキシリレンジアミン11,813g(87mol)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温を上昇させ、255℃に達した時点で反応容器内を減圧にし、さらに内温を上昇させて260℃で10分間、溶融重縮合反応を継続した。その後、系内を窒素で加圧し、得られた重合物をストランドダイから取り出して、これをペレット化し、ポリアミドMXD610(80/20)を得た。得られた樹脂は、バッチ式乾燥機で180℃、2時間で乾燥を行い、重合度を上げることで、相対粘度2.7とした。
MXD610(70/30):メタキシリレンジアミンと、アジピン酸と、セバシン酸から合成されたポリアミド樹脂(アジピン酸とセバシン酸のモル比は70:30)、下記合成例に従って合成した。
<MXD610(70/30)の合成例>
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したアジピン酸10,000g(68mol)、セバシン酸5,931g(29.3mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.44g(NaH2PO2・H2O)(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度換算で5質量ppm)および酢酸ナトリウム0.17gを配合し、十分に窒素置換した後、窒素を内圧0.4MPaまで充填し、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら190℃まで加熱した。
これにメタキシリレンジアミン13,500g(99mol)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温を上昇させ、255℃に達した時点で反応容器内を減圧にし、さらに内温を上昇させて260℃で10分間、溶融重縮合反応を継続した。その後、系内を窒素で加圧し、得られた重合物をストランドダイから取り出して、これをペレット化し、ポリアミドMXD610(70/30)を得た。得られた樹脂は、バッチ式乾燥機で180℃、2時間で乾燥を行い、重合度を上げることで、相対粘度2.8とした。
<MXD610(70/30)の合成例>
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したアジピン酸10,000g(68mol)、セバシン酸5,931g(29.3mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.44g(NaH2PO2・H2O)(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度換算で5質量ppm)および酢酸ナトリウム0.17gを配合し、十分に窒素置換した後、窒素を内圧0.4MPaまで充填し、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら190℃まで加熱した。
これにメタキシリレンジアミン13,500g(99mol)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温を上昇させ、255℃に達した時点で反応容器内を減圧にし、さらに内温を上昇させて260℃で10分間、溶融重縮合反応を継続した。その後、系内を窒素で加圧し、得られた重合物をストランドダイから取り出して、これをペレット化し、ポリアミドMXD610(70/30)を得た。得られた樹脂は、バッチ式乾燥機で180℃、2時間で乾燥を行い、重合度を上げることで、相対粘度2.8とした。
<ポリアミド6(相対粘度2.5)の合成例>
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したε-カプロラクタム15,000g(132mol)次亜リン酸ナトリウム一水和物0.33g(NaH2PO2・H2O)(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度換算で5質量ppm)および酢酸ナトリウム0.13gを配合し、十分に窒素置換した後、窒素を内圧0.7MPaまで充填し、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら260℃まで加熱した。260℃まで内温を上げた後、縮合水を系外へ除きながら系内を1時間加熱した。その後、系内を窒素で加圧し、得られた重合物をストランドダイから取り出して、これをペレット化し、ポリアミド6を得た。得られた樹脂は、バッチ式乾燥機で100℃、4時間で乾燥を行い、相対粘度2.5のポリアミド6を得た。
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したε-カプロラクタム15,000g(132mol)次亜リン酸ナトリウム一水和物0.33g(NaH2PO2・H2O)(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度換算で5質量ppm)および酢酸ナトリウム0.13gを配合し、十分に窒素置換した後、窒素を内圧0.7MPaまで充填し、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら260℃まで加熱した。260℃まで内温を上げた後、縮合水を系外へ除きながら系内を1時間加熱した。その後、系内を窒素で加圧し、得られた重合物をストランドダイから取り出して、これをペレット化し、ポリアミド6を得た。得られた樹脂は、バッチ式乾燥機で100℃、4時間で乾燥を行い、相対粘度2.5のポリアミド6を得た。
<ポリアミド6(相対粘度1.9)>
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したε-カプロラクタム15,000g(132mol)次亜リン酸ナトリウム一水和物0.33g(NaH2PO2・H2O)(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度換算で5質量ppm)および酢酸ナトリウム0.13gを配合し、十分に窒素置換した後、窒素を内圧0.7MPaまで充填し、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら260℃まで加熱した。260℃まで内温を上げた後、縮合水を系外へ除きながら系内を40分加熱した。その後、系内を窒素で加圧し、得られた重合物をストランドダイから取り出して、これをペレット化し、ポリアミド6を得た。得られた樹脂は、バッチ式乾燥機で100℃、4時間で乾燥を行い、相対粘度1.9のポリアミド6を得た。
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したε-カプロラクタム15,000g(132mol)次亜リン酸ナトリウム一水和物0.33g(NaH2PO2・H2O)(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度換算で5質量ppm)および酢酸ナトリウム0.13gを配合し、十分に窒素置換した後、窒素を内圧0.7MPaまで充填し、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら260℃まで加熱した。260℃まで内温を上げた後、縮合水を系外へ除きながら系内を40分加熱した。その後、系内を窒素で加圧し、得られた重合物をストランドダイから取り出して、これをペレット化し、ポリアミド6を得た。得られた樹脂は、バッチ式乾燥機で100℃、4時間で乾燥を行い、相対粘度1.9のポリアミド6を得た。
<相対粘度の測定方法>
ポリアミド樹脂の相対粘度は、ポリアミド樹脂1gを96%硫酸100mLに溶解し、粘度計にて25℃で測定した落下時間(t)と、同様に測定した96%硫酸そのものの落下時間(t0)の比であり、次式で計算を行った。
相対粘度=t/t0
粘度計は、キャノンフェンスケ型粘度計を用いた。
ポリアミド樹脂の相対粘度は、ポリアミド樹脂1gを96%硫酸100mLに溶解し、粘度計にて25℃で測定した落下時間(t)と、同様に測定した96%硫酸そのものの落下時間(t0)の比であり、次式で計算を行った。
相対粘度=t/t0
粘度計は、キャノンフェンスケ型粘度計を用いた。
実施例1
<ペレットの製造>
表1に示す組成となるように、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6をそれぞれ秤量し、ドライブレンドした後、2軸押出機(芝浦機械社製、TEM26SX)のスクリュー根元から2軸スクリュー式カセットウェイングフィーダ(クボタ社製、CE-W-1-MP)を用いて投入し、溶融混練し、ストランドを水冷した後に、ペレタイジングによりペレット(以下、「ペレットa」ということがある)を得た。押出機の温度設定は、220~260℃、スクリュー回転数は150回転、樹脂吐出量は80kg/時間とした。それぞれ引取り速度は一定として樹脂ペレットaを得た。
<ペレットの製造>
表1に示す組成となるように、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6をそれぞれ秤量し、ドライブレンドした後、2軸押出機(芝浦機械社製、TEM26SX)のスクリュー根元から2軸スクリュー式カセットウェイングフィーダ(クボタ社製、CE-W-1-MP)を用いて投入し、溶融混練し、ストランドを水冷した後に、ペレタイジングによりペレット(以下、「ペレットa」ということがある)を得た。押出機の温度設定は、220~260℃、スクリュー回転数は150回転、樹脂吐出量は80kg/時間とした。それぞれ引取り速度は一定として樹脂ペレットaを得た。
<ペレット成形性>
ペレットaの成形性につき、以下の通り評価した。
A:ストランドが安定し、ペレット径が安定しており、ペレット30粒で比べた際、最小のペレット直径と最大のペレット直径の差が1mmよりも小さい。
B:上記A以外、例えば、ストランドは安定しているが、ペレット径にばらつきがあり、ペレット30粒で比べた際、最小のペレット直径と最大のペレット直径の差が1mm以上である等。
C:ストランドが安定せず、ペレタイジングが困難。
ペレットaの成形性につき、以下の通り評価した。
A:ストランドが安定し、ペレット径が安定しており、ペレット30粒で比べた際、最小のペレット直径と最大のペレット直径の差が1mmよりも小さい。
B:上記A以外、例えば、ストランドは安定しているが、ペレット径にばらつきがあり、ペレット30粒で比べた際、最小のペレット直径と最大のペレット直径の差が1mm以上である等。
C:ストランドが安定せず、ペレタイジングが困難。
<単層未延伸フィルムの製造>
表1に示す組成となるように、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6をそれぞれ秤量し、ドライブレンドした後、Tダイ付き単軸押出機(プラスチック工学研究所社製、スクリュー径30mm)に供給し、押出温度240℃、流路温度220~260℃にてダイから溶融押出した、温度60℃のキャストロールにて冷却し、幅175mm、厚さ140μmの単層未延伸フィルムを得た。
得られた単層未延伸フィルムについて、成形性および透明性を以下の通り評価した。
表1に示す組成となるように、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6をそれぞれ秤量し、ドライブレンドした後、Tダイ付き単軸押出機(プラスチック工学研究所社製、スクリュー径30mm)に供給し、押出温度240℃、流路温度220~260℃にてダイから溶融押出した、温度60℃のキャストロールにて冷却し、幅175mm、厚さ140μmの単層未延伸フィルムを得た。
得られた単層未延伸フィルムについて、成形性および透明性を以下の通り評価した。
<フィルム成形性>
得られた単層未延伸フィルムの厚さの均一性に基づき以下の通り評価した。また、フィルムを成形できなかった場合は、Cとした。
A:良好なフィルムを成形できる。
B:上記Aおよび下記C以外、例えば、フィルムを形成できるが、得られるフィルムに厚みムラがあり外観も良好ではない等。
C:フィルムを成形できない。
得られた単層未延伸フィルムの厚さの均一性に基づき以下の通り評価した。また、フィルムを成形できなかった場合は、Cとした。
A:良好なフィルムを成形できる。
B:上記Aおよび下記C以外、例えば、フィルムを形成できるが、得られるフィルムに厚みムラがあり外観も良好ではない等。
C:フィルムを成形できない。
<透明性>
得られた単層未延伸フィルムについて、JIS K7105に準じて、5cm×5cmに切り出し、色彩・濁度同時測定器を用いてヘイズ(単位:%)を測定した。
色彩・濁度同時測定器は日本電色工業株式会社製「COH-400」を用いた。
以下の区分に従って評価し、結果を表1に示した。
A:0.8%以下
B:0.8%超5.0%以下
C:5.0%超
得られた単層未延伸フィルムについて、JIS K7105に準じて、5cm×5cmに切り出し、色彩・濁度同時測定器を用いてヘイズ(単位:%)を測定した。
色彩・濁度同時測定器は日本電色工業株式会社製「COH-400」を用いた。
以下の区分に従って評価し、結果を表1に示した。
A:0.8%以下
B:0.8%超5.0%以下
C:5.0%超
<単層延伸フィルムの製造>
得られた単層未延伸フィルムを120mm角にカットした。その後、バッチ式二軸延伸装置(テンター法、EX10-S5、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、100~140℃の大気雰囲気下にて加熱しつつ、延伸倍率をMDに2.5倍、TDに2.5倍、総合延伸倍率が6.25倍となるように、MDおよびTDにそれぞれ延伸を行って、厚さ22μmの単層延伸フィルムを得た。この延伸工程においては、途中にMD緩和率2.5%、TD緩和率2.5%となる緩和操作を設けるようにした。延伸後、熱固定を行った。熱固定温度は170℃、熱固定時間は45秒とし単層延伸フィルムを得た。
得られた単層延伸フィルムについて、酸素バリア性および耐ピンホールを以下の通り評価した。
得られた単層未延伸フィルムを120mm角にカットした。その後、バッチ式二軸延伸装置(テンター法、EX10-S5、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、100~140℃の大気雰囲気下にて加熱しつつ、延伸倍率をMDに2.5倍、TDに2.5倍、総合延伸倍率が6.25倍となるように、MDおよびTDにそれぞれ延伸を行って、厚さ22μmの単層延伸フィルムを得た。この延伸工程においては、途中にMD緩和率2.5%、TD緩和率2.5%となる緩和操作を設けるようにした。延伸後、熱固定を行った。熱固定温度は170℃、熱固定時間は45秒とし単層延伸フィルムを得た。
得られた単層延伸フィルムについて、酸素バリア性および耐ピンホールを以下の通り評価した。
<酸素バリア性>
得られた単層延伸フィルムについて、23℃、相対湿度(RH)60%の雰囲気下、等圧法にて、酸素透過率(OTR、単位:cc/m2・atm・day)を測定した。酸素雰囲気の圧力は1atmとし、測定時間は24時間(1day)とした。
酸素透過率(OTR)は、酸素透過率測定装置(MOCON社製、「OX-TRAN(登録商標) 2/21」)を使用して測定した。
以下の区分に従って評価し、結果を表1に示した。
A:0.45cc/m2・atm・day以下
C:0.45cc/m2・atm・day超
得られた単層延伸フィルムについて、23℃、相対湿度(RH)60%の雰囲気下、等圧法にて、酸素透過率(OTR、単位:cc/m2・atm・day)を測定した。酸素雰囲気の圧力は1atmとし、測定時間は24時間(1day)とした。
酸素透過率(OTR)は、酸素透過率測定装置(MOCON社製、「OX-TRAN(登録商標) 2/21」)を使用して測定した。
以下の区分に従って評価し、結果を表1に示した。
A:0.45cc/m2・atm・day以下
C:0.45cc/m2・atm・day超
<耐ピンホール性>
得られた単層延伸フィルムを25cm角にカットし、耐ピンホール性試験機に取り付け、フィルムに440°ねじれ運動と65mmの直線運動を連続的に40回/分の速度で与え、フィルムを3000回屈折させた。ピンホール検査機を用いて屈曲後のフィルムのピンホール数を測定し、フィルム100cm2あたりのピンホール数を算出した。ここで、フィルム100cm2あたりのピンホール数は以下のように計算される。
ピンホール数(個/100cm2)=総ピンホール数(個)/試験有効面積(cm2)×100
本実施例では、耐ピンホール性試験機としてリガク工業社製ゲルボーフレックステスターを、ピンホール検査機としてフィッシャー社製POROSCOPE DCを用いた。
以下の区分に従って評価し、結果を表1に示した。
A:5個以下
B:6~10個
C:11個以上
得られた単層延伸フィルムを25cm角にカットし、耐ピンホール性試験機に取り付け、フィルムに440°ねじれ運動と65mmの直線運動を連続的に40回/分の速度で与え、フィルムを3000回屈折させた。ピンホール検査機を用いて屈曲後のフィルムのピンホール数を測定し、フィルム100cm2あたりのピンホール数を算出した。ここで、フィルム100cm2あたりのピンホール数は以下のように計算される。
ピンホール数(個/100cm2)=総ピンホール数(個)/試験有効面積(cm2)×100
本実施例では、耐ピンホール性試験機としてリガク工業社製ゲルボーフレックステスターを、ピンホール検査機としてフィッシャー社製POROSCOPE DCを用いた。
以下の区分に従って評価し、結果を表1に示した。
A:5個以下
B:6~10個
C:11個以上
<引張弾性率>
得られた単層延伸フィルムについて、ASTM-D882に準拠して引張弾性率(単位:GPa)の測定を行った。
測定は、23℃、50%相対湿度(RH)の環境下において、上記で得られたフィルムから幅10mm、長さ120mmの短冊状の試験片を作製し、ストログラフV1-C〔(株)東洋精機製作所製〕を用いて、チャック間距離50mm、引張速度50mm/分の条件にて行った。
得られた単層延伸フィルムについて、ASTM-D882に準拠して引張弾性率(単位:GPa)の測定を行った。
測定は、23℃、50%相対湿度(RH)の環境下において、上記で得られたフィルムから幅10mm、長さ120mmの短冊状の試験片を作製し、ストログラフV1-C〔(株)東洋精機製作所製〕を用いて、チャック間距離50mm、引張速度50mm/分の条件にて行った。
実施例2~5、比較例1~6
実施例1において、ポリアミド樹脂(A)の種類および相対粘度、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の配合比率を、表1または表2に記載のとおり変更し、他は同様に行った。
得られたペレットaについて、実施例1と同様に、ペレット成形性を評価した。
得られた単層未延伸フィルムについて、実施例1と同様に、フィルム成形性および透明性を評価した。
得られた単層延伸フィルムについて、実施例1と同様に、酸素バリア性および耐ピンホール性を評価した。
比較例6はフィルムを成形できなかったため、透明性、酸素バリア性、耐ピンホール性を評価しなかった。
実施例1において、ポリアミド樹脂(A)の種類および相対粘度、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の配合比率を、表1または表2に記載のとおり変更し、他は同様に行った。
得られたペレットaについて、実施例1と同様に、ペレット成形性を評価した。
得られた単層未延伸フィルムについて、実施例1と同様に、フィルム成形性および透明性を評価した。
得られた単層延伸フィルムについて、実施例1と同様に、酸素バリア性および耐ピンホール性を評価した。
比較例6はフィルムを成形できなかったため、透明性、酸素バリア性、耐ピンホール性を評価しなかった。
比較例7
<単層未延伸フィルムの製造>
ポリアミド6をTダイ付き単軸押出機(プラスチック工学研究所社製、スクリュー径30mm)に供給し、押出温度240℃、流路温度220~240℃にてダイから溶融押出した。温度60℃のキャストロールにて冷却し、幅175mm、厚さ140μmの単層未延伸フィルムを得た。
得られたフィルムを120mm角にカットした。その後、バッチ式二軸延伸装置(テンター法、EX10-S5、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、140℃の大気雰囲気下にて加熱しつつ、延伸倍率をMDに2.5倍、TDに2.5倍、総合延伸倍率が6.25倍となるように、MDおよびTDにそれぞれ延伸を行って、厚さ22μmの延伸フィルムを得た。この延伸工程においては、途中にMD緩和率2.5%、TD緩和率2.5%となる緩和操作を設けるようにした。延伸後、熱固定を行った。熱固定温度は170℃、熱固定時間は45秒とし単層延伸フィルムを得た。
得られた単層未延伸フィルムについて、実施例1と同様に、成形性および透明性を以下の通り評価した。
得られた単層延伸フィルムについて、実施例1と同様に、酸素バリア性および耐ピンホール性を評価した。
<単層未延伸フィルムの製造>
ポリアミド6をTダイ付き単軸押出機(プラスチック工学研究所社製、スクリュー径30mm)に供給し、押出温度240℃、流路温度220~240℃にてダイから溶融押出した。温度60℃のキャストロールにて冷却し、幅175mm、厚さ140μmの単層未延伸フィルムを得た。
得られたフィルムを120mm角にカットした。その後、バッチ式二軸延伸装置(テンター法、EX10-S5、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、140℃の大気雰囲気下にて加熱しつつ、延伸倍率をMDに2.5倍、TDに2.5倍、総合延伸倍率が6.25倍となるように、MDおよびTDにそれぞれ延伸を行って、厚さ22μmの延伸フィルムを得た。この延伸工程においては、途中にMD緩和率2.5%、TD緩和率2.5%となる緩和操作を設けるようにした。延伸後、熱固定を行った。熱固定温度は170℃、熱固定時間は45秒とし単層延伸フィルムを得た。
得られた単層未延伸フィルムについて、実施例1と同様に、成形性および透明性を以下の通り評価した。
得られた単層延伸フィルムについて、実施例1と同様に、酸素バリア性および耐ピンホール性を評価した。
表1および表2において、AAはアジピン酸を、SAはセバシン酸を意味している。
上記結果から明らかなとおり、本発明の樹脂組成物はペレット成形性に優れていた。また、本発明のフィルムは、成形性に優れ、透明性、酸素バリア性および耐ピンホール性に優れていた。
上記結果から明らかなとおり、本発明の樹脂組成物はペレット成形性に優れていた。また、本発明のフィルムは、成形性に優れ、透明性、酸素バリア性および耐ピンホール性に優れていた。
実施例10
<多層フィルムの製造>
MXD6およびポリアミド6とポリアミド樹脂(A)を表3に示す組成となるように秤量し、それぞれ2台の単軸押出機(プラスチック工学研究所社製、スクリュー径40mm)と、Tダイ付き2種2層の多層構造体を形成する流路を備えた多層フィルム成形機にて、押出温度220~260℃、積層後流路温度260℃で、酸素バリア層(MXD6層)/ペレットaから形成された層(樹脂層(a))からなる多層未延伸フィルムを製造した。各層の厚みは140μmであり、多層未延伸フィルムの総厚みは280μmであった。得られたフィルムを120mm角にカットした。その後、バッチ式二軸延伸装置(テンター法、EX10-S5、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、100~140℃の大気雰囲気下にて加熱しつつ、延伸倍率がMDに2.5倍、TDに2.5倍、総合延伸倍率が6.25倍となるように、MDおよびTDにそれぞれ延伸を行って、厚さ約45μmの延伸フィルムを得た。この延伸工程においては、途中にMD緩和率2.5%、TD緩和率2.5%となる緩和操作を設けるようにした。延伸後、熱固定を行った。熱固定温度は170℃、熱固定時間は45秒とし延伸多層フィルムを得た。
得られた多層未延伸フィルムについて、透明性を以下の通り評価した。また、得られた延伸多層フィルムについて、酸素バリア性を以下の通り評価した。
<多層フィルムの製造>
MXD6およびポリアミド6とポリアミド樹脂(A)を表3に示す組成となるように秤量し、それぞれ2台の単軸押出機(プラスチック工学研究所社製、スクリュー径40mm)と、Tダイ付き2種2層の多層構造体を形成する流路を備えた多層フィルム成形機にて、押出温度220~260℃、積層後流路温度260℃で、酸素バリア層(MXD6層)/ペレットaから形成された層(樹脂層(a))からなる多層未延伸フィルムを製造した。各層の厚みは140μmであり、多層未延伸フィルムの総厚みは280μmであった。得られたフィルムを120mm角にカットした。その後、バッチ式二軸延伸装置(テンター法、EX10-S5、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、100~140℃の大気雰囲気下にて加熱しつつ、延伸倍率がMDに2.5倍、TDに2.5倍、総合延伸倍率が6.25倍となるように、MDおよびTDにそれぞれ延伸を行って、厚さ約45μmの延伸フィルムを得た。この延伸工程においては、途中にMD緩和率2.5%、TD緩和率2.5%となる緩和操作を設けるようにした。延伸後、熱固定を行った。熱固定温度は170℃、熱固定時間は45秒とし延伸多層フィルムを得た。
得られた多層未延伸フィルムについて、透明性を以下の通り評価した。また、得られた延伸多層フィルムについて、酸素バリア性を以下の通り評価した。
<透明性>
得られた多層未延伸フィルムについて、JIS K7105に準じて、5cm×5cmに切り出し、色彩・濁度同時測定器を用いてヘイズ(単位:%)を測定した。
色彩・濁度同時測定器は日本電色工業株式会社製「COH-400」を用いた。
以下の区分に従って評価し、結果を表3に示した。
A:0.8%以下
B:0.8%超1.5%以下
C:1.5%超
得られた多層未延伸フィルムについて、JIS K7105に準じて、5cm×5cmに切り出し、色彩・濁度同時測定器を用いてヘイズ(単位:%)を測定した。
色彩・濁度同時測定器は日本電色工業株式会社製「COH-400」を用いた。
以下の区分に従って評価し、結果を表3に示した。
A:0.8%以下
B:0.8%超1.5%以下
C:1.5%超
<酸素バリア性>
得られた多層延伸フィルムについて、23℃、相対湿度(RH)60%の雰囲気下、等圧法にて、酸素透過率(OTR、単位:cc/m2・atm・day)を測定した。酸素雰囲気の圧力は1atmとし、測定時間は24時間(1day)とした。
酸素透過率(OTR)は、酸素透過率測定装置(MOCON社製、「OX-TRAN(登録商標) 2/21」)を使用して測定した。
以下の区分に従って評価し、結果を表3に示した。
A:0.45cc/m2・atm・day以下
C:0.45cc/m2・atm・day超
得られた多層延伸フィルムについて、23℃、相対湿度(RH)60%の雰囲気下、等圧法にて、酸素透過率(OTR、単位:cc/m2・atm・day)を測定した。酸素雰囲気の圧力は1atmとし、測定時間は24時間(1day)とした。
酸素透過率(OTR)は、酸素透過率測定装置(MOCON社製、「OX-TRAN(登録商標) 2/21」)を使用して測定した。
以下の区分に従って評価し、結果を表3に示した。
A:0.45cc/m2・atm・day以下
C:0.45cc/m2・atm・day超
実施例11~14、比較例10~12
実施例10において、ポリアミド樹脂(A)の種類および相対粘度、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の配合比率を、表3または表4に記載のとおり変更し、他は同様に行った。
なお、実施例14において、酸素バリア層に用いたMXD610は、MXD610(86/14)、相対粘度2.8である。
実施例10において、ポリアミド樹脂(A)の種類および相対粘度、ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の配合比率を、表3または表4に記載のとおり変更し、他は同様に行った。
なお、実施例14において、酸素バリア層に用いたMXD610は、MXD610(86/14)、相対粘度2.8である。
実施例15
EVOH、ポリアミド6とポリアミド樹脂(A)および接着剤を表4に示す組成となるように秤量し、それぞれ3台の単軸押出機(プラスチック工学研究所社製、スクリュー径34mm)と、Tダイ付き3種3層の多層構造体を形成する流路を備えた多層フィルム成形機にて、押出温度240℃、積層後流路温度240℃で、酸素バリア層(EVOH)/接着層/ペレットaから形成された層(樹脂層(a))からなる多層フィルムを製造した。ポリアミド樹脂層(a)およびEVOHの厚みは140μmであり、接着層の厚みは30μmであり、フィルム層の総厚みは310μmであった。得られたフィルムを120mm角にカットした。その後、バッチ式二軸延伸装置(テンター法、EX10-S5、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、100~140℃の大気雰囲気下にて加熱しつつ、延伸倍率がMDに2.5倍、TDに2.5倍、総合延伸倍率が6.25倍となるように、MDおよびTDにそれぞれ延伸を行って、厚さ50μmの延伸フィルムを得た。この延伸工程においては、途中にMD緩和率2.5%、TD緩和率2.5%となる緩和操作を設けるようにした。延伸後、熱固定を行った。熱固定温度は170℃、熱固定時間は45秒とし延伸多層フィルムを得た。
得られた多層未延伸フィルムについて、透明性を以下の通り評価した。また、得られた延伸多層フィルムについて、酸素バリア性を以下の通り評価した。
EVOH、ポリアミド6とポリアミド樹脂(A)および接着剤を表4に示す組成となるように秤量し、それぞれ3台の単軸押出機(プラスチック工学研究所社製、スクリュー径34mm)と、Tダイ付き3種3層の多層構造体を形成する流路を備えた多層フィルム成形機にて、押出温度240℃、積層後流路温度240℃で、酸素バリア層(EVOH)/接着層/ペレットaから形成された層(樹脂層(a))からなる多層フィルムを製造した。ポリアミド樹脂層(a)およびEVOHの厚みは140μmであり、接着層の厚みは30μmであり、フィルム層の総厚みは310μmであった。得られたフィルムを120mm角にカットした。その後、バッチ式二軸延伸装置(テンター法、EX10-S5、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、100~140℃の大気雰囲気下にて加熱しつつ、延伸倍率がMDに2.5倍、TDに2.5倍、総合延伸倍率が6.25倍となるように、MDおよびTDにそれぞれ延伸を行って、厚さ50μmの延伸フィルムを得た。この延伸工程においては、途中にMD緩和率2.5%、TD緩和率2.5%となる緩和操作を設けるようにした。延伸後、熱固定を行った。熱固定温度は170℃、熱固定時間は45秒とし延伸多層フィルムを得た。
得られた多層未延伸フィルムについて、透明性を以下の通り評価した。また、得られた延伸多層フィルムについて、酸素バリア性を以下の通り評価した。
表3および表4において、AAはアジピン酸を、SAはセバシン酸を意味している。
上記結果から明らかなとおり、本実施形態の多層フィルムは、透明性および酸素バリア性に優れていた。そのため、各種包装材料への使用が期待できる。
上記結果から明らかなとおり、本実施形態の多層フィルムは、透明性および酸素バリア性に優れていた。そのため、各種包装材料への使用が期待できる。
1 多層フィルム
2 樹脂組成物から形成されたフィルム
3 酸素バリア層
2 樹脂組成物から形成されたフィルム
3 酸素バリア層
Claims (8)
- ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6を含み、
前記ポリアミド樹脂(A)は、ジアミン由来の構成単位とジカルボン酸由来の構成単位を含み、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の、70.1~88.0モル%が炭素数4~8のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、29.9~12.0モル%が炭素数9~12のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、
ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の質量比率(ポリアミド樹脂(A)/ポリアミド6)が30/70~5/95であり、
ポリアミド樹脂(A)の相対粘度が1.5~3.0であり、
ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の相対粘度比(ポリアミド6/ポリアミド樹脂(A))が、0.8~2.5である、樹脂組成物。 - ポリアミド樹脂(A)の相対粘度が1.9~3.0である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の相対粘度比(ポリアミド6/ポリアミド樹脂(A))が、0.8~2.0である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6の質量比率が20/80~5/95である、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成されたフィルム。
- 請求項5に記載のフィルムと、酸素バリア層を含む、多層フィルム。
- 請求項5に記載のフィルムまたは請求項6に記載の多層フィルムを含む包装材料。
- ポリアミド樹脂(A)とポリアミド6をドライブレンドした後、押出機に投入し、フィルム状に押し出すことを含む、請求項5に記載のフィルムの製造方法。
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