JP7314794B2 - 多層フィルムおよびその包装体 - Google Patents
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Description
なお、「X~Y」(X、Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含するものである。
本発明の多層フィルム(以下、「本発明のフィルム」と称することがある)は、脂肪族ポリアミド系樹脂(a1)とポリエステル系エラストマー(a2)とを含むA層と、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物(b1)とスチレン系エラストマー(b2)とを含むB層とを少なくとも有し、A層、B層、A層の順で積層されたポリアミド系樹脂多層フィルムである。
(脂肪族ポリアミド系樹脂(a1))
本発明に用いる脂肪族ポリアミド系樹脂(a1)としては、下記環状ラクタムの開環重合物が好ましく使用できる。具体的には、アセトラクタム(ポリアミド2)、プロピオラクタム(ポリアミド3)、ブチロラクタム(ポリアミド4)、バレロラクタム(ポリアミド5)、カプロラクタム(ポリアミド6)、エナントラクタム(ポリアミド7)、カプリロラクタム(ポリアミド8)、ペラルゴラクタム(ポリアミド9)、カプリノラクタム(ポリアミド10)、ラウロラクタム(ポリアミド12)等である。
また、下記アミノカルボン酸の重縮合物も好適に使用できる。具体的には、アミノプロピオン酸(ポリアミド3)、アミノブチル酸(ポリアミド4)、アミノバレリアン酸(ポリアミド5)、アミノカプロン酸(ポリアミド6)、アミノエナント酸(ポリアミド7)、アミノカプリル酸(ポリアミド8)、アミノペラルゴン酸(ポリアミド9)、アミノカプリン酸(ポリアミド10)、アミノラウリン酸(ポリアミド12)等である。
これらの脂肪族ポリアミド系樹脂の中でも、耐熱性、成形性、吸水性、機械強度のバランスに優れることから、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド6,66が好ましく、安価に入手できることからポリアミド6が特に好ましい。
本発明で使用するポリエステル系エラストマー(a2)としては、飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましく、特にポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーであることが好ましい。例えば、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとしてポリアルキレンエーテルグリコールや脂肪族ポリエステルからなるものが好ましい例として挙げられる。特に、ソフトセグメントとしてポリアルキレンエーテルグリコールを使用したポリエステルポリエーテルブロック共重合体が好ましい。
前記の脂環族ジカルボン酸は、シクロヘキサンジカルボン酸が好ましく、そのアルキルエステルは、ジメチルエステルやジエチルエステル等が好ましい。
また、上記の成分以外に3官能のアルコールやトリカルボン酸又はそのエステルを少量共重合させてもよく、更に、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸又はそのジアルキルエステルも共重合成分として使用できる。
中でも、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレンエーテルグリコール共重合体が、脂肪族ポリアミド系樹脂との相溶性に優れ、また近傍の平均屈折率を示すことから、ポリマーブレンドした際にもフィルムの透明性を阻害することなく、耐屈曲ピンホール性を付与できることから、特に好ましい。
中でも、不飽和カルボン酸および/またはその無水物で変性させた変性ポリエステル系エラストマーが好ましい。例えば、無水マレイン酸等のα、β-エチレン性不飽和カルボン酸および/またはその無水物でグラフト変性したポリエステル系エラストマーが挙げられる。
分散形態は、延伸倍率にもよるが(a2)粒子の水平方向の最大直径が1μm以下であることが好ましく、0.8μm以下がより好ましい。水平方向の最大直径とは、フィルムを垂直に切断し、断面染色TEM法で倍率1万倍で観察した場合に観察される分散粒子の最大直径を意味する。1μm以下の粒子が多数分散することにより、フィルムの透明性と機械強度が共に良好となる。
A層は、上記した成分(a1)および成分(a2)を主成分とし、それ以外に、本発明のフィルムの特性を損なわない範囲で、芳香族ポリアミド系樹脂等の他の成分を含んでもよい。
ここで主成分とは、それを含む層を基準(100質量%)として、該成分を50質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上含むことをいう。
(エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物(b1))
本発明に使用されるエチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物(b1)(EVOH)は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体をアルカリ触媒等によってケン化することによって得られる共重合体である。エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物中のエチレン含有率は、特に限定されるものではないが、フィルム製膜安定性の観点から、一般に20モル%以上が好ましく、より好ましくは24モル%以上である。一方、エチレン含有率の上限はガスバリア性の観点から、48モル%以下が好ましく、38モル%以下がより好ましく、30モル%以下が更に好ましい。またエチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物(b1)のケン化度は、96%以上が好ましく、98モル%以上がより好ましい。本発明のフィルムにおいて、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物(b1)中のエチレン含有量、およびケン化度が上記範囲であることにより、製膜性とガスバリア性のバランスに優れたものとなる。そのため、脂肪族ポリアミド系樹脂と共押出や、二軸延伸などの成形加工が可能となる。
スチレン系エラストマー(b2)は、分子中に少なくとも1個のスチレンブロックと、少なくとも1個の共役ジエンブロックまたはイソブチレンブロックを有していればよく、その構造は特に限定されない。例えば、直鎖状のABA型トリブロック構造、AB型ジブロック構造や、2以上に枝分かれした分岐鎖状または星型のいずれの分子鎖形態を有していてもよい。中でも、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物(b1)との海/島相間の密着性や、他層との密着性の観点から、直鎖状のABA型トリブロック構造、AB型ジブロック構造、およびその混合物が好ましく使用できる。
スチレンブロックとイソブチレンブロックとの共重合体の具体例としては、スチレン-イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBS)などが挙げられ、熱安定性に優れ好ましい。
分散形態は、(b2)粒子の水平方向の最大直径が2μm以下であることが好ましく、1μm以下がより好ましく、0.5μm以下が更に好ましい。最大直径とは、フィルムを垂直に切断し、断面染色TEM法で倍率1万倍で観察した場合に観察される分散粒子の最大直径を意味する。最大直径2μm以下で分散していることにより、柔軟性や耐衝撃性の乏しいエチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物(b1)を主成分とするB層の柔軟性や耐衝撃性、耐屈曲ピンホール性等の機械強度を大幅に向上させ、また透明性も兼ね備えることができる。
本フィルムは、A層の脂肪族ポリアミド系樹脂(a1)におけるポリエステル系エラストマー(a2)の分散と、B層のエチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物(b1)におけるスチレン系エラストマー(b2)の分散が相まって、透明性を有した状態で柔軟性を向上させると共に、屈曲による局所的な応力集中に対する耐屈曲ピンホール性を増大させ、低温下の過酷な環境においても良好な所物性を発現させ得るものである。
B層は、上記した成分(b1)および成分(b2)を主成分とし、それ以外に、本発明のフィルムの特性を損なわない範囲で、汎用樹脂、添加剤などの他の成分を含んでいてもよい。
主成分の定義、添加剤などは、A層と同様である。
本フィルムは、脂肪族ポリアミド系樹脂(a1)とポリエステル系エラストマー(a2)を含むA層とエチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物(b1)とスチレン系エラストマー(b2)を含有するB層の少なくとも2層を有し、A層、B層、A層の順で積層されていればよく、他の層を有しても良い。例えば、ポリエステル系エラストマーを含まない脂肪族ポリアミド系樹脂層(C層)を配することも可能である。
また、各層の間に更に接着層やその他の層を設けたものであってもよい。
A層、B層、C層の各層厚は、特に限定されるものではないが、それぞれ1~15μmが好ましい。より好ましくは2~10μm、更に好ましくは3~8μmである。A層、B層、C層がそれぞれ複数ある場合は、1層ごとに異なる層厚であってもよいし、同じ層厚であってもよい。
また本フィルムの総厚は、特に限定されるものではないが、例えば加工性、実用性を考慮した場合、下限値は10μm以上であることが好ましく、12μm以上がより好ましい。上限値としては50μm以下であることが好ましく、30μm以下がより好ましい。本フィルムの総厚が上記範囲内であれば、フィルムの剛性は十分であり、耐屈曲ピンホール性、耐衝撃性などの機械特性にも優れ、さらにはガスバリア性にも優れたフィルムとなる。
本フィルムは、種々の方法で製造可能であるが、例えば、以下の方法により製造することが好ましい。
脂肪族ポリアミド系樹脂(a1)及びエチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物(b1)は、いずれも吸湿性が大きく、吸湿したものを使用すると原料を熱溶融し押出す際に水蒸気やオリゴマーが発生しフィルム化を阻害する。そのため、原材料の準備において、事前に乾燥して水分含有率を0.1質量%以下とするのが好ましい。また、フィルムの性質に影響を与えない範囲において、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、安定剤、染料、顔料、無機質微粒子などの各種添加剤を適宜用いることが出来る。
熱固定温度が上記範囲内にあれば、熱固定が十分に行われ、ラミネート強度が維持される。またフィルムに十分な耐衝撃性、耐屈曲ピンホール性が得られ、破断やフィルム表面の白化などのトラブルがない優れたフィルムが得られる。
(酸素ガスバリア性)
本フィルムは、23℃、相対湿度50%の条件下での酸素透過率が2.0cc/m2/24h/atm以下であることが好ましく、1.5cc/m2/24h/atm以下であることがより好ましく、1.0cc/m2/24h/atm以下であることが更に好ましく、より低い値であることが望まれる。酸素透過率が2.0cc/m2/24h/atm以下であれば、包装用フィルムとして、内容物の変質を防止し、新鮮に保つのに十分な酸素ガスバリア性を維持することができるため好ましい。
本フィルムは、ゲルボフレックステスターを用い、23℃相対湿度50%下で3000回、5℃相対湿度50%下で500回、5℃相対湿度50%下で3000回、-25℃相対湿度50%下で1000回の各条件で屈曲試験を行い、発生したピンホール数を計測した。各条件で3回試験しその平均値を算出した。ピンホール数は、何れの条件においても4.0個/481cm2未満が好ましく、2.0個/481cm2未満がより好ましく、1.0個/481cm2未満がさらに好ましく、少ないほど好ましく、低温でのピンホール数が少ないことが望ましい。4.0個/481cm2未満であれば、食品包装フィルムとして運搬している際の屈曲や、フィルム同士の衝突によるピンホールが発生しにくく、ガスバリア性の低下による内容物の酸化劣化を抑えることができる。
本発明のフィルムは、JIS K7136に基づき測定される全光線透過率、拡散透過率によって計算される全ヘーズの値が20%以下であることが好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下が更に好ましく、7.0%以下が特に好ましく、小さい値であるほどが好ましい。全ヘーズの値が係る範囲であれば、本フィルムは透明性に優れ、意匠性や、包装フィルムとして用いた際に内容物の視認性が良好である。
本フィルムは、95℃5分間の熱水収縮率が縦方向、横方向(MD方向、TD方向)ともに0.1%以上15%以下であることが好ましい。下限は0.3%以上がより好ましく、0.5%以上が更に好ましい。上限は10%以下がより好ましく、5%以下が更に好ましい。127℃5分間の熱水収縮率が縦方向、横方向(MD方向、TD方向)ともに1%以上30%以下であることが好ましい。下限は3%以上がより好ましく、5%以上が更に好ましい。上限は25%以下がより好ましく、23%以下が更に好ましい。
熱水収縮率が上記範囲未満の場合は、熱固定温度が高すぎる可能性があり、二軸延伸フィルムの耐衝撃性、耐屈曲ピンホール性が低下し易い。また、熱水収縮率が上記範囲を超える場合は、熱固定が不十分である可能性があり、印刷、ラミネート、製袋加工などの後加工で施される熱で収縮を起こし、印刷時のずれやラミネート時のしわ、製袋品の歪みの原因となる。
熱水収縮率は高い方が、低温耐ピンポール性には有利であるが、フィルム機械強度や上述の後加工性は不十分となりやすい。本発明では、低い熱水収縮率でも、十分なフィルム機械強度が得られることが得られる効果がある。
本フィルムは機械強度に優れるものであり、JIS K7127:1999に基づき測定される試験速度200mm/min、-10℃、23℃条件での引張破断応力が、縦方向、横方向(MD方向、TD方向)とも100~400MPaの範囲であることが好ましく、下限は150MPa以上がより好ましく、200MPa以上が更に好ましい。係る範囲の引張破断応力のフィルムであれば、内容物を包装した際に、フィルムの剛性を維持しつつ、屈曲によるピンホールや破断が生じにくい。
また、JIS K7127:1999に基づき測定される試験速度200mm/min、-10℃、23℃条件での引張破断伸びが、縦方向、横方向(MD方向、TD方向)の何れかが80%以上300%以下が好ましく、下限は100%以上がより好ましく、150%以上が更に好ましい。また、縦方向、横方向(MD方向、TD方向)の両方が係る範囲であるとフィルムが強靭性に優れ、特に好ましい。
本フィルムは耐衝撃性に優れるものであり、ASTM D3763に基づき測定される-10℃、23℃条件でのハイドロショット高速試験機による破壊エネルギーが0.3J以上であることが好ましく、0.5J以上がより好ましい。係る範囲の破壊エネルギーを有するフィルムであれば、内容物を包装し、例えば輸送の際に生じる衝撃によっても、破断やピンホールが生じにくい。
酸素ガスバリア性は、JIS K-7126 B法に準拠して23℃、50%RHでの酸素透過率(単位:cc/m2/24h/atm)を測定した。
20cm×28cmの大きさに切断したフィルムを、以下の示す所定の温度、相対湿度50%の条件下に、24時間以上静置して調温湿し、MIL-B-131Cの規格に準拠した理学工業社製ゲルボフレックステスターNo.901型を使用して、次のように屈曲テストを繰り返し、481cm2当たりのピンホール数を計測した。フィルムを長さ20cm円周28cmの円筒状にし、当該巻架した円筒状フィルムの一端を上記テスターの円盤状固定ヘッドの外周に、他端を上記テスター円盤状可動ヘッドの外周にそれぞれ固定した。固定ヘッドと可動ヘッドとは17.5cm隔てて対向している。
温度、湿度、屈曲試験回数は、次の4条件で行った。(i)23℃相対湿度50%、3000回、(ii)5℃相対湿度50%、500回、(iii)5℃相対湿度50%、3000回、(iv)-25℃相対湿度50%、1000回。
透明性は、JIS K7136に準拠してヘーズ(単位:%)を測定して評価した。
フィルムの両端部および中央の三点から、縦方向120mm×横方向120mmに切り出し、このサンプルの縦横方向(MD方向およびTD方向)にそれぞれ100mm超の基準線を三本引いた。このサンプルを23℃相対湿度50%雰囲気下に24時間静置して基準線を測長した。測長した熱処理前の長さをFとする。このサンプルを95℃の熱水中に5分間浸した後、あるいは、127℃5分間のオートクレーブ試験後に取り出した。更に、23℃相対湿度50%雰囲気下に30分静置した後、前記の基準線を測長し、熱処理後の長さをGとする。以下の式を使用して、縦方向、横方向の三本の熱水収縮率(単位:%)の平均値を算出した。
(式) (F-G)/F×100 (%)
JIS K7127:1999に基づき、試験速度200mm/minでの縦方向、横方向(MD方向、TD方向)への引張破断応力(単位:MPa)、引張破断伸び(単位:%)を-10℃と23℃の条件下で測定した。
ASTM D3763に基づき測定されるハイドロショット高速試験機による破壊エネルギー(単位:J)を-10℃と23℃の雰囲気下で測定した。
フィルムを垂直に切断し、A層、B層について、断面染色TEM法、倍率1万倍で視野角4×4μmを3箇所ずつそれぞれ観察し、観察された分散粒子の水平方向の最大直径(単位:μm)を計測した。また、分散粒子のフィルム厚み方向の長さ(短径)に対するフィルム水平方向の長さ(長径)のアスペクト比(長径/短径)を計測した。
(脂肪族ポリアミド系樹脂(N))
N1:ポリアミド6(相対粘度(96%硫酸)3.34)
V1:EVOH(エチレン含有量25モル%、ケン化度99%以上)
V2:EVOH(エチレン含有量32モル%、ケン化度99%以上)
E1:ポリエステル系エラストマー、イソフタル酸含有ポリブチレンテレフタレート-ポリテトラメチレンエーテルグリコール共重合体(ポリテトラメチレンエーテルグリコール比率44質量%)
E2:ポリエステル系エラストマー、無水マレイン酸変性-ポリブチレンテレフタレート-ポリテトラメチレンエーテルグリコール共重合体(ポリテトラメチレンエーテルグリコール比率76質量%、酸変性比率0.3質量%)
E3:ポリアミド系エラストマー、ポリアミド12-ポリテトラメチレンエーテルグリコール共重合体(ポリテトラメチレンエーテルグリコール比率70質量%)
E4ポリアミド系エラストマー、ポリアミド12-ポリテトラメチレンエーテルグリコール共重合体(ポリテトラメチレンエーテルグリコール比率50質量%)
E5ポリオレフィン系エラストマー、無水マレイン酸変性-エチレン-ブテン1-4-メチルペンテン共重合体
E6:スチレン系エラストマー、SIBS(スチレン含有量20質量%、数平均分子量50000、屈折率1.528)
E7:スチレン系エラストマー、SIBS(スチレン含有量28質量%、数平均分子量70000、屈折率1.533)
E8:スチレン系エラストマー、SEBS(スチレン含有量20質量%、数平均分子量90000)
E9:スチレン系エラストマー、アミン変性SEBS(スチレン含有量30質量%)
上記略号で示す樹脂をφ40mm単軸押出機により配合して温度250℃で押出し、50μm厚の単層無延伸フィルムを作製し、評価結果を表1に示した。
原材料を表2に示す質量比で配合したA層の樹脂組成物をφ40mm単軸押出機に投入し、またB層の樹脂組成物をφ32mm単軸押出機に投入し、両押出機により溶融させた樹脂を分配ブロックで分割かつ共押出Tダイ内で多層化させ、A層/B層/A層の3層構成の溶融フィルムを押出し、30℃の冷却ロール上で急冷して未延伸多層フィルムを作製した。
次いで、得られた未延伸多層フィルムを55℃条件のロール式縦延伸機にて縦方向に3倍延伸し、更に120℃条件のテンター式横延伸機にて横方向に3.5倍延伸した。引き続き、得られた二軸延伸フィルムを220℃条件で熱固定した後、5%の横弛緩を行った。その後、室温まで冷却し、クリップの把持部に相当する両端部分はトリミングし、トリミング後の製品フィルムをロール状に巻き取り、A層/B層/A層の各層厚が5.5μm/4.0μm/5.5μm、総厚15.0μmの二軸延伸多層フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
実施例1において、A層とB層の樹脂組成物をそれぞれφ65mm単軸押出機に投入した他は同様にして未延伸多層フィルムを作製した。
次いで、得られた未延伸多層フィルムを60℃の条件のロール式延伸機にて縦方向2.7倍延伸し、次いで、100℃条件のテンター式横延伸機にて横方向に3.4倍延伸した。引き続き、得られた二軸延伸フィルムを215℃条件で熱固定を行った。その後、室温まで冷却し、クリップの把持部に相当する両端部分はトリミングし、トリミング後のフィルムをロール状に巻き取り、A層/B層/A層の各層厚が5.5μm/4.0μm/5.5μm、総厚15.0μmの二軸延伸多層フィルムを得た。評価結果を表2に示す。
なかでも、実施例3は、耐屈曲ピンホール試験が-25℃相対湿度50%1000回の過酷条件においてもピンホール数が僅か1.0個/481cm2であり、酸素ガスバリア性、透明性も兼ね備える大変優れたフィルムであった。
実施例3のA層中のエラストマー分散粒子の水平方向の最大直径は1μm以下、アスペクト比2以上、B層中のエラストマー分散粒子の水平方向の最大直径は2μm以下であった。図1に本発明の3層構成の場合の多層フィルムの断面(A層10、B層20)の模式図を示す。
一方で、比較例1~7に示す多層フィルムは、透明性、耐屈曲ピンホール性、または、引張破断伸びの何れかにおいて劣っていた。具体的には、比較例1は耐ピンホール性が悪く、比較例2は引張特性が悪く、比較例3、5は耐ピンホール性が不十分であり、比較例4は透明性と耐ピンホール性が特に悪く、比較例6~7は透明性が悪く、加えて比較例7は引張特性も悪かった。
原材料を表3に示す質量比で配合したA層又はC層の樹脂組成物をφ65mmの押出機に投入し、A層の樹脂組成物をφ50mmの押出機に投入し、B層の樹脂組成物をφ50mmの押出機に投入し、それぞれ溶融させた樹脂組成物を分配ブロックで分配かつ共押出Tダイ内で多層化させ、(A層又はC層)/A層/B層/A層/(A層又はC層)の5層構成の溶融フィルムを押出し、30℃の冷却ロールの上で急冷して未延伸多層フィルムを作成した。
次いで、得られた未延伸多層フィルムを50℃条件のロール式縦延伸機を用いて縦方向に3倍延伸し、更に120℃条件のテンター式横延伸機にて横方向に3.5倍延伸した。引き続き、得られた二軸延伸フィルムを210℃条件で熱固定を行った。その後、室温まで冷却し、クリップに把持部に相当する両端部はトリミングし、トリミング後のフィルムをロール状に巻き取り、(A層又はC層)/A層/B層/A層/(A層又はC層)の各層厚が3.5/2.0/4.0/2.0/3.5μm、総厚15.0μmの二軸延伸多層フィルムを得た。評価結果を表3に示す。
比較例8は、低温耐ピンホール性が不十分であった。
B層:20
a1:脂肪族ポリアミド系樹脂
a2:ポリエステル系エラストマー
b1:エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物
b2:スチレン系エラストマー
Claims (7)
- 脂肪族ポリアミド系樹脂(a1)とポリエステル系エラストマー(a2)を含むA層とエチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物(b1)とスチレン系エラストマー(b2)を含むB層とを有し、A層、B層、A層の順で積層された多層フィルムであって、
前記A層におけるポリエステル系エラストマー(a2)の分散粒子の水平方向の最大直径が1μm以下であり、前記B層におけるスチレン系エラストマー(b2)の分散粒子の水平方向の最大直径が2μm以下である、多層フィルム。 - 前記ポリエステル系エラストマー(a2)が酸変性物である請求項1に記載の多層フィルム。
- 前記スチレン系エラストマー(b2)が、スチレンブロックと共役ジエンブロックからなる共重合体、当該共重合体の水素添加物、およびスチレンブロックとイソブチレンブロックからなる共重合体からなる群から選ばれる1種以上である請求項1または2に記載の多層フィルム。
- 前記スチレン系エラストマー(b2)を構成するスチレンモノマー組成比が50質量%未満である請求項1~3の何れかに記載の多層フィルム。
- 95℃5分間の熱水収縮率が、フィルムの縦方向、横方向とも0.1%以上15%以下である請求項1~4の何れかに記載の多層フィルム。
- 5℃相対湿度50%、屈曲500回のゲルボフレックス試験条件においてピンホール数が4.0個/481cm2未満である請求項1~5の何れかに記載の多層フィルム。
- 請求項1~6の何れかの多層フィルムを用いた包装体。
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