(1) 遊技媒体(遊技球)が入賞可能な入賞装置(第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、第4通常入賞口39、第1始動口15a、第2始動口15b)が設けられた遊技領域(遊技領域7)に遊技媒体を発射することにより遊技が行なわれる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記入賞装置への遊技媒体の入賞を検出する入賞検出手段(第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b)と、
所定の単位期間(図24の入賞数判定時間)中における遊技媒体の入賞数を示す期間入賞数(図23の入賞数カウンタの値)に基づいて前記入賞装置への入賞に関する異常を判定するために設定される異常判定値(第1,第2入賞数異常判定値)を変更するときに操作される異常判定値変更操作手段(図4の異常監視設定スイッチ57、図5および図6の入賞数異常判定値スイッチ572)と、
遊技の進行を制御する遊技制御用プロセッサ(CPU56)を含む遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)とを備え、
該遊技制御手段は、前記入賞装置への入賞の状況を監視する監視手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図22のS21の入賞数監視処理)を含み、
該監視手段は、
前記異常判定値が記憶される異常判定値記憶手段(RAM55)と、
前記単位期間中における前記入賞検出手段による入賞の検出に基づいて、前記期間入賞数を算出する入賞数算出手段(図23のS42〜S45,S48、図24のS52)と、
該入賞数算出手段により算出された前記期間入賞数と、前記異常判定値記憶手段に記憶されている前記異常判定値とを比較することに基づいて、前記入賞装置への入賞に関する異常が生じたか否かを判定する異常判定手段(図24のS52〜S55)と、
該異常判定手段により異常が生じたと判定されたときに、異常が生じた旨を示す異常信号(第1入賞数異常信号、第2入賞数異常信号)を遊技機外部に出力する異常信号出力手段(図24のS57a,S57b,情報出力回路53)と、
前記異常判定値変更操作手段による操作に応じて、前記異常判定手段で用いられる前記異常判定値記憶手段に記憶されている前記異常判定値を変更する異常判定値変更手段(図18のS304,S305)とをさらに含み、
前記異常判定手段は、前記入賞数算出手段により算出された前記期間入賞数が遊技媒体が発射されていないと判断される所定の期間入賞数となった前記単位期間を除く前記単位期間を対象として、前記入賞数算出手段により算出された前記期間入賞数が前記異常判定値と所定の関係になった前記単位期間が、所定回数(図23および図45の入賞数異常決定回数)以上続いたという入賞状況判定条件が成立したときに、前記入賞装置への入賞に関する異常が生じたと判定する(図24のS55、図33のS55、図46のS655)。
このような構成によれば、単位期間中における入賞装置への遊技媒体の入賞数を示す期間入賞数が算出され、その算出された期間入賞数と、入賞装置への入賞に関する異常を判定するために設定される異常判定値とを比較することに基づいて、入賞装置への入賞に関する異常が生じたか否かが判定され、異常が生じたと判定されたときに、異常が生じた旨を示す異常信号が遊技機外部に出力される。これにより、入賞装置への入賞に関する異常が生じたときに、そのような異常が生じたということを遊技機の外部において得られる情報により確認することができるようになる。そして、異常判定値変更操作手段による操作に応じて、このような異常が生じたか否かの判定に用いられる異常判定値が変更される。これにより、遊技機において、異常判定値の設定を変更することができるようになり、入賞装置への入賞に関する異常をより厳密に管理することができる。たとえば、遊技機の機種に応じた異常判定値の設定変更、および、遊技場における遊技機の設置状況に応じた異常判定値の設定変更をすることができる等、異常判定値を柔軟に設定できることにより、入賞装置への入賞に関する異常をより厳密に管理することができるようになる。また、入賞数算出手段により算出された期間入賞数が遊技媒体が発射されていないと判断される所定の期間入賞数となった単位期間を除く単位期間を対象として、入賞数算出手段により算出された期間入賞数が異常判定値と所定の関係になった単位期間が、所定回数以上続いたという入賞状況判定条件が成立したときに、入賞装置への入賞に関する異常が生じたと判定される。これにより、入賞装置への入賞数が一時的に増加した状態が、入賞装置への入賞に関する異常として判定されてしまうのを防ぐことができ、さらに、不正行為者が意図的に遊技媒体の発射を止めて、不正行為による異常判定を回避するのを防ぐことができる。
(2) 遊技媒体(遊技球)が入賞可能な入賞装置(第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、第4通常入賞口39、第1始動口15a、第2始動口15b)が設けられた遊技領域(遊技領域7)に遊技媒体を発射することにより遊技が行なわれる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
遊技を演出する演出装置(変動表示装置9、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、スピーカ27)と、
前記入賞装置への遊技媒体の入賞を検出する入賞検出手段(第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b)と、
所定の単位期間(図23の入賞数判定時間)中における遊技媒体の入賞数を示す期間入賞数(図23の入賞数カウンタの値)に基づいて前記入賞装置への入賞に関する異常を判定するために設定される異常判定値(入賞数異常判定値)を変更するときに操作される異常判定値変更操作手段(図4の異常監視設定スイッチ57、図5および図6の入賞数異常判定値スイッチ572)と、
遊技の進行を制御する遊技制御用プロセッサ(CPU56)を含み、前記演出装置を制御するための制御信号(演出制御コマンド)を出力する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
該遊技制御手段から出力された制御信号に基づいて前記演出装置を制御する演出制御用プロセッサ(CPU86)を含む演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ800)とを備え、
前記遊技制御手段は、前記入賞装置への入賞の状況を監視する監視手段(図22のS21の入賞数監視処理)を含み、
該監視手段は、
前記異常判定値が記憶される異常判定値記憶手段(RAM55)と、
前記単位期間中における前記入賞検出手段による入賞の検出に基づいて、前記期間入賞数を算出する入賞数算出手段(図23のS42〜S45,S48、図33のS52)と、
該入賞数算出手段により算出された前記期間入賞数と、前記異常判定値記憶手段に記憶されている前記異常判定値とを比較することに基づいて、前記入賞装置への入賞に関する異常が生じたか否かを判定する異常判定手段(図33のS52〜S55)と、
該異常判定手段により異常が生じたと判定されたときに、前記演出制御手段に出力する制御信号として、異常が生じた旨を示す異常信号(第1入賞数異常コマンド、第2入賞数異常コマンド)を出力する異常信号出力手段(図33のS57c,S57d,図19のS108)と、
前記異常判定値変更操作手段による操作に応じて、前記異常判定手段で用いられる前記異常判定値記憶手段に記憶されている前記異常判定値を変更する異常判定値変更手段(図18のS304,S305)とをさらに含み、
前記異常判定手段は、前記入賞数算出手段により算出された前記期間入賞数が遊技媒体が発射されていないと判断される所定の期間入賞数となった前記単位期間を除く前記単位期間を対象として、前記入賞数算出手段により算出された前記期間入賞数が前記異常判定値と所定の関係になった前記単位期間が、所定回数(図23および図45の入賞数異常決定回数)以上続いたという入賞状況判定条件が成立したときに、前記入賞装置への入賞に関する異常が生じたと判定する(図24のS55、図33のS55、図46のS655)。
このような構成によれば、単位期間中における入賞装置への遊技媒体の入賞数を示す期間入賞数が算出され、その算出された期間入賞数と、入賞装置への入賞に関する異常を判定するために設定される異常判定値とを比較することに基づいて、入賞装置への入賞に関する異常が生じたか否かが判定され、異常が生じたと判定されたときに、異常が生じた旨を示す異常信号が演出制御手段に出力する制御信号として出力される。これにより、入賞装置への入賞に関する異常が生じたときに、そのような異常が生じたということを演出制御手段を通じて得られる情報により遊技機において確認することが可能となり、そのような異常を早期発見することができるようになる。そして、異常判定値変更操作手段による操作に応じて、このような異常が生じたか否かの判定に用いられる異常判定値が変更される。これにより、遊技機において、異常判定値の設定を変更することができるようになり、入賞装置への入賞に関する異常をより厳密に管理することができる。たとえば、遊技機の機種に応じた異常判定値の設定変更、および、遊技場における遊技機の設置状況に応じた異常判定値の設定変更をすることができる等、異常判定値を柔軟に設定できることにより、入賞装置への入賞に関する異常をより厳密に管理することができるようになる。また、入賞数算出手段により算出された入賞数算出手段により算出された期間入賞数が遊技媒体が発射されていないと判断される所定の期間入賞数となった単位期間を除く単位期間を対象として、入賞数算出手段により算出された期間入賞数が異常判定値と所定の関係になった単位期間が、所定回数以上続いたという入賞状況判定条件が成立したときに、入賞装置への入賞に関する異常が生じたと判定される。これにより、入賞装置への入賞数が一時的に増加した状態が、入賞装置への入賞に関する異常として判定されてしまうのを防ぐことができ、さらに、不正行為者が意図的に遊技媒体の発射を止めて、不正行為による異常判定を回避するのを防ぐことができる。
(5) 遊技媒体(遊技球)が入賞可能な入賞装置(第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、第4通常入賞口39、第1始動口15a、第2始動口15b)が設けられた遊技領域(遊技領域7)に遊技媒体を発射することにより遊技が行なわれる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
遊技を演出する演出装置(変動表示装置9、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、スピーカ27)と、
前記入賞装置への遊技媒体の入賞を検出する入賞検出手段(第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b)と、
所定の単位期間(図23の入賞数判定時間)中における遊技媒体の入賞数を示す期間入賞数(図23の入賞数カウンタの値)に基づいて前記入賞装置への入賞に関する異常を判定するために設定される異常判定値(第1,第2入賞数異常判定値)を変更するときに操作される異常判定値変更操作手段(図38の異常監視設定スイッチ57、図5および図6の入賞数異常判定値スイッチ572)と、
遊技の進行を制御する遊技制御用プロセッサ(CPU56)を含み、前記演出装置を制御するための制御信号(演出制御コマンド)を出力する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
該遊技制御手段から出力された制御信号に基づいて前記演出装置を制御する演出制御用プロセッサ(CPU86)を含む演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ800)とを備え、
前記遊技制御手段は、
出力する制御信号として、前記入賞検出手段による入賞の検出に基づいて、当該入賞が検出された旨を示す入賞検出制御信号(通常入賞検出コマンド、始動入賞検出コマンド)を出力する入賞検出制御信号出力手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図42のS701〜S704、図41のS107a,S108)をさらに含み、
前記演出制御手段は、前記入賞装置への入賞の状況を監視する監視手段(演出制御用マイクロコンピュータ800、図44のS601の入賞数監視演出処理)を含み、
該監視手段は、
前記異常判定値が記憶される異常判定値記憶手段(図38のRAM85)と、
前記単位期間中における前記入賞検出制御信号が示す前記入賞検出手段による入賞の検出に基づいて、前記期間入賞数を算出する入賞数算出手段(図45のS632〜S635,S646、図46のS652)と、
該入賞数算出手段により算出された前記期間入賞数と、前記異常判定値記憶手段に記憶されている前記異常判定値とを比較することに基づいて、前記入賞装置への入賞に関する異常が生じたか否かを判定する異常判定手段(図46のS652〜S655)と、
該異常判定手段により異常が生じたと判定されたときに、前記演出装置を制御することにより前記入賞装置への入賞に関する異常が生じた旨を報知する異常報知手段(図46のS657a,S657b)と、
前記異常判定値変更操作手段による操作に応じて、前記異常判定手段で用いられる前記異常判定値記憶手段に記憶された前記異常判定値を変更する異常判定値変更手段(図43のS201a、図18のS304,S305)とをさらに含み、
前記異常判定手段は、前記入賞数算出手段により算出された前記期間入賞数が遊技媒体が発射されていないと判断される所定の期間入賞数となった前記単位期間を除く前記単位期間を対象として、前記入賞数算出手段により算出された前記期間入賞数が前記異常判定値と所定の関係になった前記単位期間が、所定回数(図23および図45の入賞数異常決定回数)以上続いたという入賞状況判定条件が成立したときに、前記入賞装置への入賞に関する異常が生じたと判定する(図24のS55、図33のS55、図46のS655)。
このような構成によれば、演出制御手段においては、遊技制御手段からの入賞検出制御信号が示す入賞の検出に基づいて、単位期間中における遊技媒体の入賞数を示す期間入賞数が算出され、その算出された期間入賞数と、入賞装置への入賞に関する異常を判定するために設定される異常判定値とを比較することに基づいて、入賞装置への入賞に関する異常が生じたか否かが判定され、異常が生じたと判定されたときに、演出制御手段で演出装置を制御することにより、入賞装置への入賞に関する異常が生じた旨が報知されるので、演出装置を用いた演出により入賞装置への入賞に関する異常が生じた旨が報知される。これにより、そのような異常が生じたということを演出装置から得られる情報により遊技機において確認することが可能となり、そのような異常をより一層早期発見することができるようになる。そして、異常判定値変更操作手段による操作に応じて、このような異常が生じたか否かの判定に用いられる異常判定値が変更される。これにより、遊技機において、異常判定値の設定を変更することができるようになり、入賞装置への入賞に関する異常をより厳密に管理することができる。たとえば、遊技機の機種に応じた異常判定値の設定変更、および、遊技場における遊技機の設置状況に応じた異常判定値の設定変更をすることができる等、異常判定値を柔軟に設定できることにより、入賞装置への入賞に関する異常をより厳密に管理することができるようになる。また、入賞数算出手段により算出された期間入賞数が遊技媒体が発射されていないと判断される所定の期間入賞数となった単位期間を除く単位期間を対象として、入賞数算出手段により算出された期間入賞数が異常判定値と所定の関係になった単位期間が、所定回数以上続いたという入賞状況判定条件が成立したときに、入賞装置への入賞に関する異常が生じたと判定される。これにより、入賞装置への入賞数が一時的に増加した状態が、入賞装置への入賞に関する異常として判定されてしまうのを防ぐことができ、さらに、不正行為者が意図的に遊技媒体の発射を止めて、不正行為による異常判定を回避するのを防ぐことができる。
(6) 前記異常報知手段は、前記異常判定手段により異常が生じたと判定されたときに、予め定められた複数種類の報知態様(図36、図46の第1入賞数異常報知演出、第2入賞数異常報知演出)のうちから選択した報知態様により前記報知をする(図36のS222,S224、図46のS657a,S657b)。
このような構成によれば、異常が生じたと判定されたときに、予め定められた複数種類の報知態様のうちから選択した報知態様により報知が行なわれるので、報知のバリエーションが豊富になり、たとえば、異常の種類に応じて報知態様を変更することが可能となる。
(7) 前記演出装置は、前記入賞装置に遊技媒体が入賞したことに基づいて始動条件が成立し、各々が識別可能な複数種類の識別情報(飾り図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示装置(変動表示装置9)を含み、
前記異常報知手段は、前記異常判定手段により異常が生じたと判定されたときには、前記変動表示装置により前記識別情報の変動表示が開始された後も前記報知を継続する(第3実施形態の図37、図36のS221〜S224、図29のS401〜S403)。
このような構成によれば、異常が生じたと判定されたときには、変動表示装置により識別情報の変動表示が開始された後も報知が継続される。このような継続した報知が行なわれることにより、入賞装置への入賞に関する異常が生じたときに、そのような異常を早期発見することができるようになる。
(8) 前記入賞数算出手段による前記期間入賞数の算出に用いられる前記単位期間を変更するときに操作される単位期間変更操作手段(図4および図38の異常監視設定スイッチ57、図5および図6の入賞数判定時間スイッチ573)をさらに備え、
前記監視手段は、
前記異常判定手段で用いられる前記単位期間の値を記憶する単位期間値記憶手段(図4のRAM55、図38のRAM85)と、
前記単位期間変更操作手段により前記単位期間(図23および図45の入賞数判定時間)を変更する操作がされたときに、当該操作に応じて、前記異常判定手段で用いられる前記単位期間値記憶手段に記憶されている前記単位期間を変更する単位期間変更手段(図18のS306,S307、図43のS201a)とさらに含む。
このような構成によれば、単位期間変更操作手段による操作に応じて、期間入賞数を算出するために用いる単位期間の値が変更される。これにより、遊技機において、期間入賞数の算出に用いる単位期間を変更することができるようになり、入賞装置への入賞に関する異常をより一層厳密に管理することができる。
このような構成によれば、判定条件変更操作手段による操作に応じて、入賞装置への入賞に関する異常を判定するために用いられる入賞状況判定条件が変更される。これにより、遊技機において、入賞状況判定条件を変更することができるようになり、入賞装置への入賞に関する異常をより一層厳密に管理することができる。
このような構成によれば、遊技機の電源投入時にのみ、異常判定値変更操作手段に基づいて異常判定値が変更されるので、不正行為者により異常判定値が不正に変更されるのを防止することができる。
このような構成によれば、遊技機の電源投入時にのみ、単位期間変更操作手段による操作に基づいて単位期間が変更されるので、不正行為者により単位期間が不正に変更されるのを防止することができる。
このような構成によれば、遊技機の電源投入時にのみ、判定条件変更操作手段に基づいて入賞状況判定条件が変更されるので、不正行為者により入賞状況判定条件が不正に変更されるのを防止することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体が入賞可能な入賞装置が設けられた遊技領域に遊技媒体を発射することにより遊技が行なわれる遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には遊技媒体としての遊技球(打球)を貯留する打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。また、変動表示装置9の上部には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。変動表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行なう。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ800(図4参照)によって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果が変動表示装置9と比べて見づらいため、遊技者は主として変動表示装置9の方に注目する。
特別図柄表示器8は、たとえば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に当りの種類を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、変動表示装置9は、液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行なう。
なお、本実施の形態においては、変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9は、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、変動表示装置9は、回転ドラム式表示装置等の機械式の表示装置であってもよい。
変動表示装置9の下方には、遊技球を受入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13,13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常に遊技球の進入(受入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13,13が設けられているため、可動片13,13が閉状態であるときに遊技球の進入(受入れ)が不可能な状態となり、可動片13,13が開状態であるときに遊技球の進入(受入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
なお、始動入賞装置15は、可動片13,13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであってもよく、可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであってもよい。
始動入賞装置15の可動片13,13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13,13が開状態となることにより、遊技球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13,13が閉状態となることにより、遊技球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
変動表示装置9の下部には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出された後カウントスイッチ23で検出され、他方の領域に入った遊技球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13,13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、遊技球を受入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29への遊技球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30への遊技球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。第3通常入賞口33への遊技球の入賞は、第3入賞口スイッチ33aによって検出される。第4通常入賞口39への遊技球の入賞は、第4入賞口スイッチ39aによって検出される。なお、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、遊技球を受入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28c等の各種発光手段は、後述するランプドライバ基板35によって点灯制御(ランプ制御)される。また、スピーカ27からの音発生制御(音制御)は、後述する音声出力基板70によって行なわれる。
カードユニット50には、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、および、カード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠が設けられている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、たとえば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。なお、V入賞領域を設けずに、各ラウンドにおいて無条件で継続権が発生するように制御してもよい。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じた遊技球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13,13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、たとえば1分間等の単位時間における遊技球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。たとえば、単位時間における遊技球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、前述の異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左,中,右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の変動表示領域のうち左,右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
この実施の形態の場合は、大当りとして、通常大当りおよび確変大当りというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。図3は、パチンコ遊技機1を裏面から見た背面図である。
図3に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、ランプドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91Aが設けられている。電源基板910は、大部分が主基板31と重なっているが、主基板31に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分がある。この露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行なうことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
主基板31には、後述するような入賞数およびベースに関する異常監視を行なうときの各種データの設定を行なうために用いられる各種スイッチよりなる異常監視設定スイッチ57が設けられている。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としての遊技球や球貸し要求に基づく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示せず)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、ランプドライバ基板35、音声出力基板70、インタフェース基板66、中継基板77、および、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ560と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a、全入賞計数スイッチ34、および、異常監視設定スイッチ57からの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58と、始動入賞装置15の可動片13,13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21Aを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって各種の情報信号をホール管理コンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。情報出力回路53から出力された情報信号は、情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。
情報出力回路53から出力される情報信号としては、大当り1情報信号、大当り2情報信号、大当り3情報信号、高確率情報信号、時短情報信号、第1始動情報信号、第2始動情報信号、第1入賞数異常信号、第2入賞数異常信号、第1ベース異常信号、第2ベース異常信号、および、始動口入賞異常信号が含まれる。
大当り1情報信号、大当り2情報信号および大当り3情報信号のそれぞれは、確変大当り、非確変大当り等の大当りの種類を特定した大当りの発生を示す信号である。高確率情報信号は、確率変動が生じたことを示す信号である。時短情報信号は、時短状態が生じたことを示す信号である。第1始動情報信号は、第1始動口15aへの入賞により特別図柄および飾り図柄の変動表示開始に利用される遊技球が検出されたことを示す信号である。第2始動情報信号は、第2始動口15bへの入賞により特別図柄および飾り図柄の変動表示開始に利用される遊技球が検出されたことを示す信号である。
第1入賞数異常信号は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、入賞数異常状態または第1入賞数異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。第2入賞数異常信号は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値よりも大きい第2入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、入賞数異常状態または第2入賞数異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。
第1ベース異常信号は、前述の異常監視対象入賞口を対象として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中でのこれら入賞口への入賞数に基づく賞球数の合計値(以下、ベースという)が第1のベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、ベース異常状態または第1ベース異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。第2ベース異常信号は、前述の異常監視対象入賞口を対象として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中でのこれら入賞口への入賞数に基づく賞球数の合計値(ベース)が第1のベース異常判定値よりも大きい第2のベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、ベース異常状態または第2ベース異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。
始動口入賞異常信号は、第2始動口15bを対象として、可動片13,13が閉状態であるときに遊技球が入賞したことに基づく異常状態が生じたときに、そのような異常状態が生じた旨を示す信号である。
なお、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a、および、全入賞計数スイッチ34等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行なう第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、および、第4入賞口スイッチ39aへの遊技球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。
なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(たとえばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。また、V入賞領域に入賞した遊技球が、V入賞スイッチ22で検出されるとともにカウントスイッチ23でも検出される。よって、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。また、V入賞領域に入賞した遊技球はV入賞スイッチ22のみで検出されるようにし、大入賞口に入賞した遊技球数は、V入賞スイッチ22による検出数とカウントスイッチ23による検出数との和になるようにしてもよい。また、V入賞領域を設けず、最終ラウンド以外のラウンドでは、常に継続権が発生するようにしてもよい。また、V入賞領域を設け、1ラウンド目は無条件(V入賞領域への入賞によらず)継続権が発生し、2ラウンド目以降においてV入賞領域への入賞により継続権が発生するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行なうプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート506を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54およびI/Oポート506は、外付けであっても内蔵されていてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ560で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、256)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。なお、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いてもよい。
乱数回路は、ユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能により、乱数回路は、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路が更新する数値データの初期値を設定する機能を有しており、たとえば、RAM55の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路が更新する数値データの初期値として設定する。これにより、乱数回路が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。また、初期値を設定するときに、IDナンバを用いた所定の演算を行なうことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバを見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができる。そのため、無線信号を用いた取込み信号をパチンコ遊技機1に対して発生させるなどの行為によって、大当り状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことをより確実に防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を2の7乗(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラ502は、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ560をシステムリセットする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路を搭載する。第1の乱数回路は、12ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路は、12ビットで発生できる範囲(すなわち、1から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、第2の乱数回路は、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路は、16ビットで発生できる範囲(すなわち、1から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。2つの乱数回路は、予め選択されたどちらか一方の回路が乱数の発生に用いられる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つの乱数回路を内蔵してもよく、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施の形態では、12ビット乱数回路および16ビット乱数回路を包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路と16ビット乱数回路とのうちいずれかを指す場合に、乱数回路という。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、払出制御基板37を経由して、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力ドライバ回路58に入力される。電源断信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力ドライバ回路58に入力される。クリア信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートに入力される。
また、クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
また、異常監視設定スイッチ57を構成する複数のスイッチのそれぞれは、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常監視設定スイッチ57を構成する複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの設定状態を示す設定検出信号を受ける。
主基板31と演出制御基板80との間には、演出制御コマンドを送信するための8本の信号線と、ストローブ信号を送信するための演出制御INT信号の信号線とが設けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での表示制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ800等の電気部品制御手段が搭載されている。
演出制御用マイクロコンピュータ800は、表示制御用のプログラム等を記憶するROM84と、ワークメモリとして使用されるRAM85と、プログラムにしたがって表示制御動作を行なうプロセッサであるCPU86と、I/Oポート87とを含む。この演出制御用マイクロコンピュータ800は、演出制御コマンドに応じて、変動表示装置9の変動表示等の各種表示の演出に関する制御と、賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cの制御(ランプ制御)と、スピーカ27を用いた遊技音発生制御(音制御)とを含む各種演出に関する制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ800では、演出制御INT信号により示された取込みタイミングで、演出制御コマンドを受信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ800では、受信した演出制御コマンドが示す演出に対応して行なうべき表示制御、音制御およびランプ制御をするために、変動表示装置9の表示制御を行なうとともに、スピーカ27の駆動信号および各種ランプの駆動信号を出力する。このような構成においては、演出制御コマンドに基づいて演出制御が行なわれるときに、演出制御用マイクロコンピュータ800により、変動表示装置9の表示制御に合せて、音制御およびランプ制御が行なわれる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータにおいて、演出制御コマンドに基づいて変動表示装置9の表示制御を行なうとともに、その表示制御内容に対応する音制御およびランプ制御を行なうことにより、変動表示装置9の表示制御の演出に合せた(同期した)音制御およびランプ制御が行なわれるのである。
演出制御基板80には、演出制御用マイクロコンピュータ800の他に、VDP、キャラクタROM、および、VRAM(図示省略)が搭載されている。VDPは、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有する処理装置であり、変動表示装置9の表示制御を行なう。CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って、VDPに、表示制御用のコマンドに応じた画像表示をするための制御データを送信する。そして、そのように送信された制御データに従った画像表示をするために、VDPがキャラクタROMから必要なデータを読出す。キャラクタROMは、変動表示装置9に表示する画像データを予め格納しておくためのものである。
VDPは、CPU86とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAMをマッピングしている。VDPは、キャラクタROMの画像データに従って、変動表示装置9に表示するための画像データを生成し、VDPはVRAMに画像データを展開する。VRAMはVDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。VRAMに展開された画像データは、変動表示装置9に出力される。
演出制御用マイクロコンピュータ800は、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力することにより、スピーカ27から効果音等の音声を出力させる制御を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータ800は、ランプドライバ基板35に各種発光手段の駆動信号を出力することにより、前述のような発光手段の制御を行なう。これにより、変動表示装置9での演出表示に対応して(同期して)、音の制御および発光制御が行なわれる。
なお、演出制御コマンドを送信するための信号線としては、前述の8本というようなパラレル信号線を用いる構成に代えて、1本の信号線、すなわち、シリアル信号線を用いる構成を採用してもよい。シリアル信号線を用いる場合には、演出制御コマンドをシリアルデータとし、そのシリアルデータの送信前にローレベル信号のスタートビットを送信し、そのシリアルデータの送信後にハイレベル信号のストップビットを送信する。このようなスタートビットとストップビットとにより演出制御コマンドの取込みタイミングが示されるので、演出制御用マイクロコンピュータ800では、スタートビットとストップビットとの間に送信されたシリアルデータを演出制御コマンドとして受信する。
図5は、異常監視設定スイッチ57の平面図である。異常監視設定スイッチ57は、入賞数監視選択スイッチ571、入賞数異常判定値スイッチ572、入賞数判定時間スイッチ573、入賞数異常決定回数スイッチ574、ベース監視選択スイッチ575、ベース異常判定値スイッチ576、ベース判定時間スイッチ577、および、ベース異常決定回数スイッチ578という複数のスイッチよりなるスイッチ集合体である。
入賞数異常監視選択スイッチ571は、2つの接点が設けられたスライドスイッチにより構成され、操作部571aをスライド操作することによって、有効と無効とに設定された2点の接点位置のいずれかに操作部571aを位置させることにより、いずれか1つの接点を閉じて、入賞数監視状態を有効と無効とのどちらかの状態に選択する設定を行なうことができるスイッチである。
入賞数異常判定値スイッチ572は、3つの接点が設けられたスライドスイッチにより構成され、操作部572aをスライド操作することによって、高レベルと中レベルと低レベルとに設定された3点の接点位置のいずれかに操作部572aを位置させることにより、いずれか1つの接点を閉じて、入賞数異常判定値を高,中,低という3つのレベルのうちいずれかのレベルに選択する設定を行なうことができるスイッチである。ここで、入賞数異常判定値とは、ある期間内において各監視対象入賞口への入賞数が異常に多い異常状態と判定するときに用いられる異常判定基準値をいい、第1入賞数異常判定値と、それよりも大きい値に設定設定された第2入賞数異常判定値とを含む。
入賞数判定時間スイッチ573は、3つの接点が設けられたスライドスイッチにより構成され、操作部573aをスライド操作することによって、高レベルと中レベルと低レベルとに設定された3点の接点位置のいずれかに操作部573aを位置させることにより、いずれか1つの接点を閉じて、入賞数判定時間を高,中,低という3つのレベルのうちいずれかのレベルに選択する設定を行なうことができるスイッチである。ここで、入賞数判定時間とは、入賞数異常判定値を用いて異常状態であるか否かを判定する単位時間を示す期間をいう。
入賞数異常決定回数スイッチ574は、3つの接点が設けられたスライドスイッチにより構成され、操作部574aをスライド操作することによって、高レベルと中レベルと低レベルとに設定された3点の接点位置のいずれかに操作部574aを位置させることにより、いずれか1つの接点を閉じて、入賞数異常決定回数を高,中,低という3つのレベルのうちいずれかのレベルに選択する設定を行なうことができるスイッチである。ここで、入賞数異常決定回数とは、入賞数異常判定値を用いた判定により異常状態であると判定された回数が何回になったときに入賞数に異常が生じたと決定する回数をいう。
ベース異常監視選択スイッチ575は、2つの接点が設けられたスライドスイッチにより構成され、操作部575aをスライド操作することによって、有効と無効とに設定された2点の接点位置のいずれかに操作部575aを位置させることにより、いずれか1つの接点を閉じて、ベース異常監視状態を有効と無効とのどちらかの状態に選択する設定を行なうことができるスイッチである。
ベース異常判定値スイッチ576は、3つの接点が設けられたスライドスイッチにより構成され、操作部576aをスライド操作することによって、高レベルと中レベルと低レベルとに設定された3点の接点位置のいずれかに操作部576aを位置させることにより、いずれか1つの接点を閉じて、ベース異常判定値を高,中,低という3つのレベルのうちいずれかのレベルに選択する設定を行なうことができるスイッチである。ここで、ベース異常判定値とは、ある期間内において監視対象入賞口へ遊技球が入賞したことに基づくベースが異常に多い異常状態と判定するときに用いられる異常判定基準値をいい、第1ベース異常判定値と、それより大きい値に設定設定された第2ベース異常判定値とを含む。
ベース判定時間スイッチ577は、3つの接点が設けられたスライドスイッチにより構成され、操作部577aをスライド操作することによって、高レベルと中レベルと低レベルとに設定された3点の接点位置のいずれかに操作部577aを位置させることにより、いずれか1つの接点を閉じて、ベース判定時間を高,中,低という3つのレベルのうちいずれかのレベルに選択する設定を行なうことができるスイッチである。ここで、ベース判定時間とは、ベース異常判定値を用いて異常状態であるか否かを判定する単位時間を示す期間をいう。
ベース異常決定回数スイッチ578は、3つの接点が設けられたスライドスイッチにより構成され、操作部578aをスライド操作することによって、高レベルと中レベルと低レベルとに設定された3点の接点位置のいずれかに操作部578aを位置させることにより、いずれか1つの接点を閉じて、ベース異常決定回数を高,中,低という3つのレベルのうちいずれかのレベルに選択する設定を行なうことができるスイッチである。ここで、ベース異常決定回数とは、ベース異常判定値を用いた判定により異常状態であると判定された回数が何回になったときにベースに異常が生じたと決定する回数をいう。
このように、入賞数異常判定値スイッチ572、入賞数判定時間スイッチ573、入賞数異常決定回数スイッチ574、ベース異常判定値スイッチ576、ベース判定時間スイッチ577、および、ベース異常決定回数スイッチ578のそれぞれについては、設定データを、複数のレベルのうちいずれかレベルに設定することが可能であるので、入賞数およびベースに関する異常監視を行なうときの条件の種類を、各スイッチによる設定の組合せに基づいて、より豊富にすることができる。
図6は、異常監視設定スイッチ57の詳細な接続関係を示すブロック図である。異常監視設定スイッチ57は、入賞数監視選択スイッチ571、入賞数異常判定値スイッチ572、入賞数判定時間スイッチ573、入賞数異常決定回数スイッチ574、ベース異常監視選択スイッチ575、ベース異常判定値スイッチ576、ベース判定時間スイッチ577、および、ベース異常決定回数スイッチ578を含み、各スイッチの設定状態を示す設定検出信号が各スイッチから出力される。これら設定検出信号のそれぞれは、入力ドライバ58を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、入賞数の異常監視に関する各種設定値を認識することができるとともに、ベースの異常監視に関する各種設定値を認識することができる。
図7は、入賞数異常監視状態およびベース異常監視状態に関して異常監視設定スイッチ57により設定される異常監視設定値について高,中,低の各レベルと、具体的数値データとの関係を表形式で示す図である。
入賞数異常判定値スイッチ572により設定される入賞数異常判定値は、高レベルに設定されたときに、第1入賞数異常判定値が2個となり、第2入賞数異常判定値が7個となる。また、入賞数異常判定値は、中レベルに設定されたときに、第1入賞数異常判定値が4個となり、第2入賞数異常判定値が9個となる。また、入賞数異常判定値は、低レベルに設定されたときに、第1入賞数異常判定値が7個となり、第2入賞数異常判定値が11個となる。このように、入賞数異常判定値スイッチ572でレベルを設定することにより、第1入賞数異常判定値および第2入賞数異常判定値の両方の具体的数値データが設定されることとなる。
また、入賞数判定時間スイッチ573により設定される入賞数判定時間は、高レベルに設定されたときに5分、中レベルに設定されたときに3分、低レベルに設定されたときに1分となる。また、入賞数異常決定回数スイッチ574により設定される入賞数異常決定回数は、高レベルに設定されたときに1回、中レベルに設定されたときに2回、低レベルに設定されたときに3回となる。
ベース異常判定値スイッチ576により設定されるベース異常判定値は、高レベルに設定されたときに、第1ベース異常判定値が40個となり、第2ベース異常判定値が80個となる。また、ベース異常判定値は、中レベルに設定されたときに、第1ベース異常判定値が50個となり、第2ベース異常判定値が100個となる。また、ベース異常判定値は、低レベルに設定されたときに、第1ベース異常判定値が60個となり、第2ベース異常判定値が120個となる。このように、ベース異常判定値スイッチ576でレベルを設定することにより、第1ベース異常判定値および第2ベース異常判定値の両方の具体的数値データが設定されることとなる。
また、ベース判定時間スイッチ577により設定される入賞数判定時間は、高レベルに設定されたときに5分、中レベルに設定されたときに3分、低レベルに設定されたときに1分となる。また、ベース異常決定回数スイッチ578により設定される入賞数異常決定回数は、高レベルに設定されたときに1回、中レベルに設定されたときに2回、低レベルに設定されたときに3回となる。
次に、入賞数およびベースに関する異常監視を行なう対象となる入賞口および検出スイッチについて説明する。図8は、入賞数およびベースに関する異常監視を行なう対象となる入賞口および検出スイッチを表形式で示す図である。
入賞数およびベースに関する異常監視を行なう対象となる入賞口は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39である。これら入賞口への入賞を検出する検出スイッチは、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39aである。入賞数に関する異常監視は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39の各々の入賞数を監視することにより行なわれる。また、ベースに関する異常監視は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39への入賞に基づく賞球数の合計値を監視することにより行なわれる。これら入賞口についての1個の入賞球あたり払出される賞球数は、図に示すように、第1始動口15aおよび第2始動口15bのそれぞれについては3個に設定されており、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれについては10個に設定されている。なお、入賞球について払出される賞球数の設定は、パチンコ遊技機1の機種に応じて異なり、第1始動口15aについての賞球数と第2始動口15bについての賞球数とが異なるように設定されてもよい。また、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれの賞球数については、必ずしも一致しなくてもよい。また、これらすべての入賞口についての賞球数が同じ賞球数となるようにしてもよい。
なお、この実施形態においては、入賞数監視選択スイッチ571を設けた例を示した。しかし、これに限らず、入賞数監視選択スイッチ571は、設けなくてもよい。また、この実施形態においては、ベース監視選択スイッチ575を設けた例を示した。しかし、これに限らず、ベース監視選択スイッチ575は、設けなくてもよい。
次に、この実施の形態のパチンコ遊技機1での制御に用いられる乱数を発生させるために数値データを更新する数値更新手段としてのランダムカウンタについて説明する。図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が遊技制御に用いる乱数を発生させるために用いるランダムカウンタを説明するための図である。図9には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R6が示されている。
前述したように、大当りとするか否かの判定(大当り判定)は、ハードウェア回路である乱数回路により発生される乱数値であるR1を用いて行なわれるが、大当り判定以外の各種制御に用いられる乱数値であるR2〜R6は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するソフトウェアにより更新される数値を用いて生成される。R1は、「0」〜「256」の間で更新される。
R2は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、通常大当りおよび確変大当りのうちのどの種類の大当りにするかという大当り種類の決定と、大当り図柄の決定とを行なうために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R2は、「0」からその上限である「4」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR2は、2msec毎に1ずつ加算更新されることとなる。
第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bにより有効な始動入賞(保留記憶数が上限数に達していない状態での始動入賞)が検出されると、それに応じて、前述のR1およびR2のそれぞれが抽出されて保留記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、R1については、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶されたR1の抽出値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、変動表示の表示結果を大当り表示結果として大当りを発生させることが決定され、前述した大当り遊技状態の制御が行なわれる。一致しない場合には、変動表示の表示結果を大当りとしない(はずれ表示結果となる)ことが決定され、遊技状態が変化しない。確変状態以外の低確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確変状態である高確率状態においては、大当り判定値が複数個の数値(この場合、大当り判定値は、大当り判定に偏りが生じなくするために、数値順番が隣接した数値とならないように設定される)に設定されることにより、低確率状態の場合よりも大当りの発生確率が向上する。
R2の値は、たとえば、次のように大当りの種類および大当り図柄の種類に割振られて対応付けられている。R2の値が「0」のときには、通常大当りとすることおよび特別図柄の大当り図柄を「1」とすることが決定される。R2の値が「1」のときには、確変大当りとすることおよび特別図柄の大当り図柄を「3」とすることが決定される。R2の値が「2」のときには、通常大当りとすることおよび特別図柄の大当り図柄を「5」とすることが決定される。R2の値が「3」のときには、確変大当りとすること、および、特別図柄の大当り図柄を「7」とすることが決定される。R2の値が「4」のときには、通常大当りとすること、および、特別図柄の大当り図柄を「9」とすることが決定される。したがって、R2の抽出値に応じて、通常大当りおよび確変大当りのいずれかが選択決定されるとともに、特別図柄の大当り図柄も選択決定されることとなる。このようなR2の値と決定される大当り遊技状態の種類および大当り図柄の種類との関係を示すデータは、ROM54に記憶されている。
R3は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させないとする判定がされたとき、すなわち、はずれとすることが事前決定されたときに、どの種類のはずれ図柄を特別図柄表示器8に表示させるかをランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R3は、「0」からカウントアップしてその上限である「4」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込み処理余り時間に1ずつ加算更新される。R3の値は、特別図柄のはずれ図柄(「0」の図柄および「2,4,6,8」の偶数の図柄)のそれぞれに割振られて対応付けられている。R3は、特別図柄の変動表示を開始する前の予め定められたタイミングで抽出され、抽選されたR3の値に対応する特別図柄がはずれ図柄として決定される。
ここで、R3等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、ある割込み処理について、割込み処理が実行された後に、その割込み処理の次回の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
R4は、特別図柄表示器8および変動表示装置9の変動表示のパターンである変動パターンをランダムに選択決定する(変動パターン決定という)ために用いられる乱数を発生するための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R4は、「0」からカウントアップしてその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msecごとおよび割込処理余り時間に1ずつ加算更新される。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングでR4から抽出されたカウンタの値により、予め定められたカウント値と変動パターンとの関係に基づいて、予め定められた複数種類の変動パターンの中から、変動表示に用いる変動パターンが選択決定される。各変動パターンには、変動表示時間(変動表示を開始してから表示結果が導出表示されるまでの時間であり、変動時間ともいう)が予め定められており、変動パターンを選択決定することにより、変動表示時間が選択決定されることとなる。このようなR4のカウント値と複数種類の変動パターンとの関係を定めたデータは、ROM54に格納されている変動パターンデータテーブルに設定されている。
R5は、変動表示装置9について、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させないとする判定がされたとき、すなわち、はずれとする判定がされたときに、変動表示中に前述したリーチ表示態様を形成する(以下、リーチはずれという)か、リーチ表示態様を形成しない(以下、非リーチはずれという)か、のいずれにするかをランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるためのリーチ判定用の数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R5は、「0」からカウントアップしてその上限である「39」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込み処理余り時間に1ずつ加算更新される。変動パターンを決定する前の段階で、R5の値が抽出され、抽出されたR5の値が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致しない場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
R6は、普通図柄表示器10の変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R6は、「0」等の初期値からカウントアップしてその上限である「11」までカウントアップし、再度「0」等の初期値からカウントアップし直すように構成されており、2msecごとに1ずつ加算更新される。ゲートスイッチ32aにより有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR6の乱数が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれない。
図10は、演出制御用マイクロコンピュータ800が演出制御に用いる各種ランダムカウンタの一例を説明するための図である。図10には、ランダムカウンタの一例として、演出内容決定用のランダムカウンタRV、および、飾り図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタRU−1〜RU−3が示されている。
RU−1〜RU−3は、変動表示装置9について、飾り図柄の停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための飾り図柄停止図柄決定用の数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。RU−1は、左図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−2は、中図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−3は、右図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−1〜RU−3のそれぞれについては、RU−1が33msecごと、RU−2がRU−1の桁上げごと、RU−3がRU−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
飾り図柄は、たとえば、0〜9の10個の図柄よりなり、たとえば、0,1,2・・・7,8,9というような予め定められた図柄の配列順序に従って変動(更新)表示されていく。予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルにおいて、複数種類の飾り図柄のそれぞれには飾り図柄停止図柄決定用の数値データが対応付けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ560により、大当り判定(R1による判定)で大当りとしないとする判定がされたことによりはずれとすることが決定された場合であってリーチ判定によりリーチ状態としないことが判定された場合には、所定のタイミングでRU−1〜RU−3のそれぞれから抽出された乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の飾り図柄の変動表示結果となる停止図柄として決定される。はずれとする場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、このような非リーチはずれとする場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれの図柄となるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、はずれとする場合であってリーチ判定によりリーチ状態とすることが判定された場合には、前述したタイミングで抽出された乱数のうち、RU−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各飾り図柄の停止図柄として決定され、RU−2から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560による大当り判定で大当りとする判定がされた場合であって、大当り種類・大当り図柄決定(R2による決定)で通常大当りとすることが決定された場合には、所定のタイミングでRU−1から抽出された乱数に基づいて、左,中,右の各飾り図柄の変動表示結果が、ゾロ目となる大当り図柄の組合せとしてランダムに決定される。
具体的に、通常大当りに対応する大当り図柄の組合せは、0または偶数の飾り図柄のうちいずれかの図柄のゾロ目とされる。RU−1の値と通常大当り図柄との関係については、ROM54における通常大当り図柄決定用データテーブルに記憶されている。通常大当りとすることが決定された場合には、通常大当り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1から抽出された乱数に対応する0または偶数の飾り図柄のいずれかが通常大当り図柄として選択され、その図柄のゾロ目が左,中,右図柄による通常大当り表示結果として決定される。また、確変大当りに対応する大当り図柄の組合せは、奇数の飾り図柄のうちいずれかの図柄のゾロ目とされる。RU−1の値と確変大当り図柄との関係については、ROM54における確変大当り図柄決定用データテーブルに記憶されている。確変大当りとすることが決定された場合には、確変大当り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1から抽出された乱数に対応する奇数の飾り図柄のいずれかが確変大当り図柄として選択され、その図柄のゾロ目が左,中,右図柄による確変大当り表示結果として決定される。
RVは、変動表示装置9で行なわれる各種演出の内容をランダムに決定するために用いられる乱数を発生させる演出内容決定用の数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。RVは、「0」からカウントアップしてその上限である「256」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、33msecごとに1ずつ加算更新される。所定タイミングでRVから抽出されたカウンタの値により、予め定められたカウンタの値と演出内容との関係に基づいて、演出内容が選択決定される。
次に、演出制御コマンドの代表例を説明する。図11は、演出制御コマンドの一例を表形式で示す図である。
演出制御コマンドには、たとえば、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を示す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
コマンド80XXH、81XXH、82XXHは、特別図柄および飾り図柄の変動表示を開始するときに送信される変動表示パターンコマンドである。なお、XXHは、16進数であることを示しており、演出制御コマンドによる指令内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動表示パターンコマンドでは、特別図柄および飾り図柄の変動パターンに応じてコマンドなるEXTデータが設定される。また、特別図柄の保留記憶数等に基づいて決定される変動表示時間に応じて、異なるMODEデータ「80H」、「81H」、「82H」のいずれかが設定される。たとえば、保留記憶数等が「0」または「1」のときには「80H」が設定されることにより、通常時の変動表示パターンが指令される。保留記憶数等が「2」のときには「81H」が設定されることにより、後述する短縮1時の変動表示パターンが指令される。が設定され、保留記憶数等が「3」または「4」のときには「82H」が設定されることにより、後述する短縮2時の変動表示パターンが指令される。
コマンド8CXXHは、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果を示す表示結果コマンドであり、EXTデータの設定により、はずれ、確変大当り、または、通常大当り(非確変大当り)のいずれの表示結果であるかが示される。
コマンド95XXHは、変動表示装置9において飾り図柄の背景となる背景画像の種類を指定する背景指定コマンドであり、EXTデータの設定により、確変状態における背景画像、および、通常状態(非確変状態)における背景画像等の各種の背景画像が指定される。
コマンド9FXXHは、変動表示装置9において変動表示が所定時間行なわれないとき等の表示条件が成立したときに、デモンストレーション画像の表示(以下、デモ表示という)を指示するデモ表示コマンドである。
コマンドA0XXHは、確変大当りおよび通常大当り(非確変大当り)等の大当りとなったときに、大当り遊技状態が開始することを示す大当り開始コマンドであり、EXTデータの設定により、大当りの種類が示される。
コマンドA3XXHは、確変大当りおよび通常大当り(非確変大当り)等の大当りとなったときに、大当り遊技状態が終了することを示す大当り終了コマンドであり、EXTデータの設定により、大当りの種類が示される。
コマンドC0XXHは、変動表示装置9において保留記憶数を表示するために特別図柄の保留記憶数を示す特図保留記憶数コマンドであり、確変大当りおよび通常大当り(非確変大当り)等の大当りとなったときに、EXTデータの設定により、保留記憶数が示される。
図12は、遊技場におけるパチンコ遊技機1とホール管理コンピュータ200との接続態様を示すブロック図である。
ホール管理コンピュータ200は、遊技場内全体を管理対象として、パチンコ遊技機1における遊技情報等の各種情報を管理する。遊技場内にはパチンコ遊技機1等の遊技機が複数台並べて配置されている遊技機設置島(図示省略)が複数設けられている。ホール管理コンピュータ200は、複数の遊技機設置島のそれぞれに配置されたすべてのパチンコ遊技機1と通信回線L1を介して接続されており、各パチンコ遊技機1における各種情報は、ホール管理コンピュータ200からの要求に応じて、または、定期的に、ホール管理コンピュータ200に送られる。図示を省略するが、各遊技機設置島には、各遊技機設置島に配置されたパチンコ遊技機1を対象として遊技情報等の各種情報を管理する島管理コンピュータが設けられており、各パチンコ遊技機1における各種情報は、その島管理コンピュータを介してホール管理コンピュータ200に送られる。このように送られてくる各種情報に基づいて、ホール管理コンピュータ200では、遊技場内のすべてのパチンコ遊技機1を対象として遊技情報等の各種情報を管理する。たとえば、ホール管理コンピュータ200では、各パチンコ遊技機1の遊技情報を所定期間にわたり記憶し、各種情報についての管理を行なう。
ホール管理コンピュータ200には、CPU、ROMおよびRAMを含む制御回路であり、ホール管理コンピュータ200の全体を制御する制御部201と、ホール管理コンピュータ200で処理される所定の情報を記憶するための記憶部202と、ホール管理コンピュータ200で処理された所定の情報を表示するための表示部203と、ホール管理コンピュータ200に所定の情報を入力するための入力部204とが設けられている。
制御部201のCPUは、ROMまたは記憶部に記憶された情報処理用のプログラムを読出すとともに、RAMを作業領域として用いて情報処理用のプログラムを実行することにより、ホール管理コンピュータ200を動作させる各種情報処を実行する。CPUが実行する情報処理には、後述するような遊技球の入賞数の異常を報知する処理が含まれる。
入力部204は、キーボードやマウスであり、ホール管理コンピュータ200(制御部201)に必要な情報を入力することができる。表示部203は、液晶表示装置またはCRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイであり、ホール管理コンピュータ200で管理される情報等の各種の情報を表示することができる。記憶部202は、ハードディスクドライブ(HDD,Hard Disk Drive)等の磁気ディスク記憶装置であり、制御部201に接続されている。記憶部202としては、磁気ディスク記憶装置に代えて、光磁気ディスク記憶装置や、光ディスク等を用いることもできる。
次に、図8に監視対象として示される各通常入賞口および各始動口への入賞数を監視する入賞数監視処理と、その入賞数監視処理により入賞数に異常があると判定されたときに行なわれる入賞数異常報知処理とについて説明する。
図13は、入賞数監視処理および入賞数異常報知処理を説明するための制御タイミングを示すタイミングチャートである。図13においては、各入賞検出信号、各入賞数カウンタ値、第1入賞数異常信号、第2入賞数異常信号、第1入賞数異常報知状態、および、第2入賞数異常報知状態が時間経過にしたがって示されている。
各入賞検出信号は、監視対象の入賞口としての各通常入賞口(第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39)、および、各始動口(第1始動口15a、第2始動口15b)についての各入賞検出信号(第1通常入賞口スイッチ29a、第2通常入賞口スイッチ30a、第3通常入賞口スイッチ33a、第4通常入賞口スイッチ39a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bの各々から出力される入賞検出信号)の代表例である。
各入賞数カウンタ値は、前述した監視対象の入賞口としての各通常入賞口(第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39)、および、各始動口(第1始動口15a、第2始動口15b)についての入賞数を個別に計数する入賞数カウンタの計数値である各入賞数カウンタの値の代表例である。
第1入賞数異常信号は、所定周期の時間(たとえば、1分)に設定された入賞数判定時間内での各入賞数カウンタの計数値が、予め定められた第1入賞数異常判定値(たとえば、4個)以上となったときにオン状態となり、入賞数がそのような異常状態となったことを示す信号である。ここで、第1入賞数異常判定値は、監視対象の入賞口のそれぞれにおいて、入賞数に関して異常が生じたと判定するための基準値であり、そのような異常が生じたと判定できる入賞数に設定されている。
第2入賞数異常信号は、前述の入賞数判定時間内での各入賞数カウンタの計数値が、予め定められた第1入賞数異常判定値(たとえば、4個)以上となり、かつ、予め定められた第2入賞数異常判定値(たとえば、9個)以上となったときにオン状態となり、入賞数がそのような異常状態となったことを示す信号である。ここで、第2入賞数異常判定値は、監視対象の入賞口のそれぞれにおいて、入賞数に関する異常状態が、入賞数が極めて多い高レベルの異常状態と、その高レベルよりもレベルが低い低レベルの異常状態とのどちらに該当するかを判定するための基準値であり、そのようなレベル分けができる入賞数に設定されている。
第1入賞数異常信号および第2入賞数異常信号は、情報出力回路53からパチンコ遊技機1の外部に出力され、ホール管理コンピュータ200へ送信される。ホール管理コンピュータ200では、第1入賞数異常信号および第2入賞数異常信号のそれぞれを受信したときに、制御部201により、表示部203において、それぞれについて予め定められた報知態様で、入賞数に異常が生じた旨を報知させる処理が行なわれる。
第1入賞数異常報知は、第1のレベルでの入賞数異常が発生した旨を示すために行なわれる報知である。第1入賞数異常信号が受信されたときに、ホール管理コンピュータ200では、制御部201により、表示部203において第1入賞数異常報知を示す表示を実行させる処理が行なわれる。第2入賞数異常報知は、第1のレベルよりも高い第2のレベルでの入賞数異常が発生した旨を示すために行なわれる報知である。第2入賞数異常信号が受信されたときに、ホール管理コンピュータ200では、制御部201により、表示部203において第2入賞数異常報知を示す表示を実行させる処理が行なわれる。
図13においては、各通常入賞口(第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39)、および、各始動口(第1始動口15a、第2始動口15b)のうち、ある入賞口について、第1回目の入賞数判定時間中に2個の入賞があり、第2回目の入賞数判定時間中に1個の入賞があり、第3回目の入賞数判定時間中に4個の入賞があり、第4回目の入賞数判定時間中に9個の入賞があった例が示されている。
図13の例では、第1入賞数異常判定値が4個に設定され、第2入賞数異常判定値が9個に設定されている。第3回目の入賞数判定時間中には、入賞数カウンタ値が4個となり、第1入賞数異常判定値に達したことに基づいて、第3回目の入賞数判定時間終了時において、第1入賞数異常信号が情報出力回路53を介して情報端子基板36からパチンコ遊技機1の外部に送信される。ホール管理コンピュータ200では、その第1入賞数異常信号を受信したことに基づき、表示部203において第1入賞数異常報知を所定時間に亘り実行させる制御が行なわれる。そして、第4回目の入賞数判定時間中には、入賞数カウンタ値が9個となり、第2入賞数異常判定値に達したことに基づいて、第4回目の入賞数判定時間終了時において、第2入賞数異常信号が情報出力回路53を介して情報端子基板36からパチンコ遊技機1の外部に送信される。ホール管理コンピュータ200では、その第2入賞数異常信号を受信したことに基づき、表示部203において第2入賞数異常報知を所定時間に亘り実行させる制御が行なわれる。
次に、図8に監視対象として示される各通常入賞口および各始動口への入賞に基づいて払出される賞球数の合計値としてのベースを監視するベース監視処理と、そのベース監視処理により入賞数に異常があると判定されたときに行なわれるベース異常報知処理とについて説明する。
図14は、ベース監視処理およびベース異常報知処理を説明するための制御タイミングを示すタイミングチャートである。図14においては、全通常入賞口賞球個数信号、全始動口賞球個数信号、ベースカウンタ値、第1ベース異常信号、第2ベース異常信号、第1ベース異常報知状態、および、第2ベース異常報知状態が時間経過にしたがって示されている。
全通常入賞口賞球個数信号としては、監視対象の入賞口としての通常入賞口(第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39)のすべてについての賞球個数信号が示される。全始動口賞球個数信号としては、監視対象の入賞口としての始動賞口(第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b)のすべてについての賞球個数信号が示される。
ベースカウンタ値は、前述した監視対象の入賞口としてのすべての通常入賞口(第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39)、および、監視対象の入賞口としてのすべての始動口(第1始動口15a、第2始動口15b)についての賞球個数の合計値を計数するベースカウンタの値である。
第1ベース異常信号は、所定周期の時間(たとえば、1分)に設定されたベース判定時間内でのベースカウンタの計数値が、予め定められた第1ベース異常判定値(たとえば、50個)以上となったときにオン状態となり、賞球数がそのような異常状態となったことを示す信号である。ここで、第1ベース異常判定値は、監視対象の入賞口としてのすべての通常入賞口、および、すべての始動口に関してベースに異常が生じたと判定するための基準値であり、そのような異常が生じたと判定できる入賞数に設定されている。
第2ベース異常信号は、前述のベース判定時間内でのベースカウンタの計数値が、予め定められた第1ベース異常判定値(たとえば、50個)以上となり、かつ、予め定められた第2ベース異常判定値(たとえば、100個)以上となったときにオン状態となり、入賞数がそのような異常状態となったことを示す信号である。ここで、第2ベース異常判定値は、ベースに関する異常状態が、ベース値が極めて多い高レベルの異常状態と、その高レベルよりもレベルが低い低レベルの異常状態とのどちらに該当するかを判定するための基準値であり、そのようなレベル分けができるベース値に設定されている。
第1ベース異常信号および第2ベース異常信号は、情報出力回路53からパチンコ遊技機1の外部に出力され、ホール管理コンピュータ200へ送信される。ホール管理コンピュータ200では、第1ベース異常信号および第2ベース異常信号のそれぞれを受信したときに、制御部201により、表示部203において、それぞれについて予め定められた報知態様で、ベースに異常が生じた旨を報知させる処理が行なわれる。
第1ベース異常報知は、第1のレベルでのベース異常が発生した旨を示すために行なわれる報知である。第1ベース異常信号が受信されたときに、ホール管理コンピュータ200では、制御部201により、表示部203において第1ベース異常報知を示す表示を所定時間に亘り実行させる処理が行なわれる。第2ベース異常報知は、第1のレベルよりも高い第2のレベルでのベース異常が発生した旨を示すために行なわれる報知である。第2ベース異常信号が受信されたときに、ホール管理コンピュータ200では、制御部201により、表示部203において第2ベース異常報知を示す表示を所定時間に亘り実行させる処理が行なわれる。
図14においては、各通常入賞口(第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39)、および、各始動口(第1始動口15a、第2始動口15b)において、第1回目のベース判定時間中に全通常入賞口に2個の入賞および全始動口に4個の入賞があり、第2回目のベース判定時間中に全通常入賞口に2個の入賞および全始動口に6個の入賞があり、第3回目のベース判定時間中に全通常入賞口に4個の入賞および全始動口に6個の入賞があり、第4回目のベース判定時間中に全通常入賞口に9個の入賞および全始動口に6個の入賞があった例が示されている。
図14の例では、第1ベース異常判定値が50個に設定され、第2ベース異常判定値が100個に設定されている。第3回目のベース判定時間中には、ベースカウンタ値が58個となり、第1ベース異常判定値以上となったことに基づいて、第3回目のベース判定時間終了時において、第1ベース異常信号が情報出力回路53を介して情報端子基板36からパチンコ遊技機1の外部に送信される。ホール管理コンピュータ200では、その第1ベース異常信号を受信したことに基づき、表示部203において第1ベース異常報知を所定時間に亘り実行させる制御が行なわれる。そして、第4回目のベース判定時間中には、ベースカウンタ値が108個となり、第2ベース異常判定値以上となったことに基づいて、第4回目のベース判定時間終了時において、第2ベース異常信号が情報出力回路53を介して情報端子基板36からパチンコ遊技機1の外部に送信される。ホール管理コンピュータ200では、その第2ベース異常信号を受信したことに基づき、表示部203において第2ベース異常報知を所定時間に亘り実行させる制御が行なわれる。
このパチンコ遊技機1においては、始動入賞装置15において可動片13,13が閉状態のときに第2始動口15bに入賞した遊技球を監視することに基づいて、第2始動口15bへの始動入賞の異常状態を検出する始動入賞監視処理が行なわれる。
図15は、始動入賞監視処理の制御動作を示すタイミングチャートである。図15においては、第2入賞口可動片(可動片13,13)の開閉状態、始動口エラー検出禁止フラグの状態、第2始動口15aの入賞検出信号(第2始動口スイッチ14bから出力される入賞検出信号)、始動口異常信号、および、始動口異常報知状態が時間経過にしたがって示されている。
図15においては、可動片13,13が閉状態であり、始動口エラー検出禁止フラグがセットされていない状態において、第2始動口スイッチ14bにより10個の入賞が検出された例が示されている。
第2始動口可動片開閉状態としては、第2始動口15bへの遊技球の進入を制限する可動片13,13の開閉状態が示される。始動口エラー検出禁止フラグは、可動片13,13が閉状態のときにおいて第2始動口15bに入賞した遊技球に基づいて入賞の異常状態を検出するエラー検出を禁止する期間であるエラー検出禁止期間であることを示すフラグである。始動口エラー検出禁止フラグは、可動片13,13が閉状態になったときから所定期間(たとえば、1秒間)に亘りオン状態にセットされる。この場合の所定期間は、可動片13,13が開状態から閉状態になる直前に第2始動口15bへ入賞可能な内部空間に進入した遊技球が第2始動口15bへ進入する平均的な時間に所定の余裕時間を加えた時間に設定される。これにより、明らかに可動片13,13が閉状態になっているときに第2始動口15bへ進入した遊技球のみが入賞の異常状態を検出する対象となる。
このように、可動片13,13が閉状態のときにおいて第2始動口15bに入賞した遊技球に基づいて入賞の異常状態を検出するエラー検出を禁止するエラー検出禁止期間が設けられていることにより、可動片13,13が開状態から閉状態になる直前に第2始動口15bへ入賞可能な内部空間に進入した遊技球が異常な入賞球として誤検出されるのを防ぐことができる。
第2始動口入賞検出信号は、第2始動口スイッチ14bにより遊技球が検出されたときにオン状態となる第2始動口スイッチ14bの検出信号である。始動口異常信号は、始動口エラー検出禁止フラグがセットされていない状態で第2始動口スイッチ14bにより検出された遊技球の入賞数の積算値が予め定められた始動口エラー判定値以上となったときにオン状態となり、第2始動口15bへの遊技球の入賞状態がそのような異常状態となったことを示す信号である。ここで、始動口エラー判定値は、可動片13,13が閉状態において遊技球が第2始動口15bへ進入したというような第2始動口15bのエラー状態が生じたことを判定するための基準値であり、予め定められた始動口エラー判定期間において、そのような第2始動口15bへの遊技球の入賞状態に異常が生じたと判定できる入賞数に設定されている。始動口エラー判定期間は、大当り遊技状態が1回発生するまでの期間に設定されている。たとえば、大当り遊技状態が1回発生するまでの期間とは、電源投入時から1回目の大当り遊技状態の発生時までの期間と、1回目の大当り遊技状態の終了以後における各大当り遊技状態の終了時から次の大当り遊技状態の発生時までの期間とのそれぞれをいう。したがって、このような始動口エラーを判定するために用いる第2始動口15bの入賞数の検出数(始動口エラー検出禁止フラグがセットされていない状態で第2始動口スイッチ14bにより検出された遊技球数)は、このような始動口エラー判定期間中における積算値である。
始動口異常信号は、始動入賞監視処理により第2始動口15bにおける始動入賞の異常状態が検出されたことを示す信号であり、パチンコ遊技機1から外部に出力され、ホール管理コンピュータ200により受信される。ホール管理コンピュータ200では、始動口異常信号を受信したときに、制御部201により、表示部203において、予め定められた報知態様で、第2始動口15bへの遊技球の入賞状態に異常が生じた旨を報知させる処理が行なわれる。
始動口異常報知は、始動入賞監視処理により第2始動口15bにおける始動入賞の異常が発生した旨を示すために行なわれる報知である。始動口異常信号が受信されたときに、ホール管理コンピュータ200では、制御部201により、表示部203において始動口異常報知を示す表示を実行させる処理が行なわれる。
始動入賞監視処理により第2始動口15bにおける始動入賞の異常状態と判定する個数である始動口エラー判定値は、たとえば、10個に設定されている。図15においては、可動片13,13が閉状態となっているときにおいて、エラー検出禁止期間経過後に第2始動口15bに10個の遊技球の入賞があった例が示されている。可動片13,13が閉状態となっているときにおいて、エラー検出禁止期間経過後における第2始動口15bへの入賞数が始動口エラー判定値に達すると、始動口異常信号がオン状態となり、ホール管理コンピュータ200において所定期間に亘り始動口異常報知が実行される。
がオン状態始動口エラー判定値は、
次に、パチンコ遊技機1の制御処理について説明する。図16および図17は、パチンコ遊技機1に対して電源投入が行なわれることにより電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。なお、S2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードとなるように設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行なう(S4)。S4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次に、入力ポート1のビット0の状態によって電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する(S5)。パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに、+5V電源などの各種電源の出力電圧は徐々に規定値に達するのであるが、S5の処理によって、すなわち、電源断信号が出力されていない(ハイレベルになっている)ことを確認することにより遊技制御用マイクロコンピュータ560は電源電圧が安定したことを確認することができる。
電源断信号がオン状態である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定期間(たとえば、0.1秒)の遅延時間の後に(S80)、再度、電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する。電源断信号がオフ状態になっている場合には、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S6)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、クリア信号のチェック処理に移行し、クリアスイッチオンフラグがセットされているか否か確認する(S7)。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。たとえば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(たとえば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
クリアスイッチオンフラグがセットされていない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S8)。電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような電力供給停止時処理が行なわれていたことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給停止時処理が行なわれた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行なわれていないことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行なわれていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、S8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行なわれたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S9)。クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。S9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(S10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態とを電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S93)、S15に移行する。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S13)、その内容にしたがってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(S14)。初期化コマンドとして、変動表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。ここで、サブ基板とは、主基板31からのコマンド等の制御信号に応じて制御を行なう回路が形成された基板(たとえば、演出制御基板80等)をいう。
以上のように、遊技店員等は、クリアスイッチをオン状態してクリア信号が出力される状態にしながらパチンコ遊技機1に対する電力供給を開始する(たとえば電源スイッチをオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行なうことができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前述した各乱数回路を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S15)。具体的には、前述したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバを用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路が更新する数値データの初期値として設定する。この場合、CPU56は、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、前述した各乱数回路にR1の値を更新させるための設定を行なう。さらに、前述したユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能のそれぞれの設定が、S15により行なわれる。
次に、異常監視設定スイッチ57の操作状態に基づいて、入賞数およびベースに関する異常監視を行なうときの各種データをRAM55に設定する(記憶する)異常監視設定処理を実行する(S15a)。異常監視設定処理の内容については、図18を用いて後述する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定時間(たとえば2msec)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(S16)。すなわち、初期値としてたとえば2msecに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msecごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、表示用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(S17)、表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(S19)。なお、表示用乱数とは、特別図柄および飾り図柄の変動表示の制御のために用いる所定の乱数(R3〜R5)であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。具体的に、表示用乱数更新処理では、前述のR3〜R5の値が更新される。なお、本実施形態において、2msec毎の割込処理が実行された後次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、S18の表示用乱数更新処理が繰返し行なわれることとなる。
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、S15aの異常監視設定処理について説明する。図18は、メイン処理における異常監視設定処理(S15a)を示すフローチャートである。
まず、入賞数監視選択スイッチ571からの設定検出信号に基づいて、入賞数監視状態の有効,無効の設定状態を確認する(S301)。そして、入賞数監視選択スイッチ571の設定に応じて、有効と無効とのいずれかを示す入賞数監視選択データをRAM55に記憶させる(S302)。そして、S302で記憶された入賞数監視選択データに基づいて、入賞数監視状態が有効となっているか否かを判断する(S303)。
S303により入賞数監視状態が有効となっていないと判断されたときは、後述するS311に進む。これにより、入賞数監視状態が無効となっているときには、入賞数異常判定値、入賞数判定時間、および、入賞数異常決定回数を設定するためのS304〜S309が行なわれない。一方、S303により入賞数監視状態が有効となっていると判断されたときは、S304〜S309が行なわれることにより、入賞数異常判定値、入賞数判定時間、および、入賞数異常決定回数を設定する。なお、S303により入賞数監視状態が有効となっていないと判断されたときであっても、S304〜S309を実行するようにしてもよい。
S304では、入賞数異常判定値スイッチ572からの設定検出信号に基づいて、入賞数異常判定値の設定状態を確認する(S304)。そして、確認された入賞数異常判定値の設定状態に応じた入賞数異常判定値データをRAM55に記憶させる(S305)。たとえば、図5のように入賞数異常判定値が中レベルに設定されているときには、第1入賞数異常判定値を4個、第2入賞数異常判定値を9個とした入賞数異常判定値データを記憶させる。
次に、入賞数判定時間スイッチ573からの設定検出信号に基づいて、入賞数判定時間の設定状態を確認する(S306)。そして、確認された入賞数判定時間の設定状態に応じた入賞数判定時間データをRAM55に記憶させる(S307)。たとえば、図5のように入賞数判定時間が低レベルに設定されているときには、入賞数判定時間を1分とした入賞数判定時間データを記憶させる。
次に、入賞数異常決定回数スイッチ574からの設定検出信号に基づいて、入賞数異常決定回数の設定状態を確認する(S308)。そして、確認された入賞数異常決定回数の設定状態に応じた入賞数異常決定回数データをRAM55に記憶させる(S309)。たとえば、図5のように入賞数異常決定回数が高レベルに設定されているときには、入賞数異常決定回数を1回とした入賞数異常決定回数を記憶させる。
次に、S311では、ベース異常監視選択スイッチ575からの設定検出信号に基づいて、ベース監視状態の有効,無効の設定状態を確認する(S311)。そして、ベース異常監視選択スイッチ575の設定に応じて、有効と無効とのいずれかを示すベース監視選択データをRAM55に記憶させる(S312)。そして、S312で記憶されたベース監視選択データに基づいて、ベース監視状態が有効となっているか否かを判断する(S313)。
S313によりベース監視状態が有効となっていないと判断されたときは、リターンする。これにより、ベース監視状態が無効となっているときには、ベース異常判定値、ベース判定時間、および、ベース異常決定回数を設定するためのS314〜S319が行なわれない。一方、S313によりベース監視状態が有効となっていると判断されたときは、S314〜S319が行なわれることにより、ベース異常判定値、ベース判定時間、および、ベース異常決定回数を設定する。なお、S313によりベース監視状態が有効となっていないと判断されたときであっても、S314〜S319を実行するようにしてもよい。
S314では、ベース異常判定値スイッチ576からの設定検出信号に基づいて、ベース異常判定値の設定状態を確認する(S314)。そして、確認されたベース異常判定値の設定状態に応じたベース異常判定値データをRAM55に記憶させる(S315)。たとえば、図5のようにベース異常判定値が中レベルに設定されているときには、第1ベース異常判定値を50個、第2ベース異常判定値を100個としたベース異常判定値データを記憶させる。
次に、ベース判定時間スイッチ577からの設定検出信号に基づいて、ベース判定時間の設定状態を確認する(S316)。そして、確認されたベース判定時間の設定状態に応じたベース判定時間データをRAM55に記憶させる(S317)。たとえば、図5のようにベース判定時間が低レベルに設定されているときには、ベース判定時間を1分としたベース判定時間データを記憶させる。
次に、ベース異常決定回数スイッチ578からの設定検出信号に基づいて、ベース異常決定回数の設定状態を確認する(S318)。そして、確認されたベース異常決定回数の設定状態に応じたベース異常決定回数データをRAM55に記憶させる(S319)。たとえば、図5のようにベース異常決定回数が高レベルに設定されているときには、ベース異常決定回数を1回としたベース異常決定回数を記憶させる。
このような異常監視設定処理が行なわれることにより、パチンコ遊技機1の電源投入時においてのみ、異常監視設定スイッチ57の操作状態に基づいて、入賞数およびベースに関する異常監視を行なうときの各種データがRAM55に設定される。これにより、パチンコ遊技機1において電源投入時の処理が実行された後は、異常監視設定スイッチ57が操作されても、入賞数およびベースに関する異常監視を行なうときの各種データが変更できないようにすることができる。
異常監視設定スイッチ57により、前述したような入賞数およびベースに関する異常監視を行なうときの各種データの設定を変更するときには、たとえば、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている状態、すなわち、パチンコ遊技機1に電力が供給されていない状態で、異常監視設定スイッチ57に含まれる各種スイッチを操作する。そうすれば、その後のパチンコ遊技機1の電源投入時において、異常監視設定処理が実行されたときに、各種データの設定が変更されることとなる。
次に、遊技制御処理について説明する。図19は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、図17のS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理を実行する。このタイマ割込処理は、たとえば2msec毎に1回実行される。
タイマ割込処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(S101)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S102)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。各スイッチタイマは、各タイマの値が所定値以上となったとき、すなわち、各スイッチが所定時間継続してオン状態となったときに、各スイッチが正常にオン状態となったと判断するために用いられる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、S15の乱数回路設定処理において所定の最終値までカウント値が更新されたときに初期値を更新する旨の設定がされているかを確認し、乱数回路に入力する初期値を更新する処理を行なう(初期値更新処理:S103)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御に用いる乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(乱数更新処理:S104)。具体的に、S104における乱数更新処理では、前述のR2〜R6の値が更新される。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行なう(S105)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8および特別可変入賞球装置20等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行なう(S106)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常監視処理を行なう(S107)。異常監視処理では、前述したような入賞数監視処理、ベース監視処理、および、始動入賞監視処理が行なわれる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動に同期する飾り図柄に関するコマンドを含む各種演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(飾り図柄コマンド制御処理:S108)。なお、飾り図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(変動表示期間)が同じであることを意味する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、たとえばホール管理コンピュータに供給される前述の各種情報信号等の各種情報(データ)を出力する情報出力処理を行なう(S109)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、および、第4入賞口スイッチ39a等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S110)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、および、第4入賞口スイッチ39a等がオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球個数信号等の払出指令信号を出力する。1個の入賞球に対して払出す賞球数のデータが、RAM55に予め記憶されており、賞球処理においては、そのような賞球数のデータに基づいて、入賞検出があった入賞口に対応する賞球個数が決定される。入賞口払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ(図示省略)は、賞球個数を示す賞球個数信号の受信に応じて球払出装置97を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数の増減をチェックし、始動入賞があって保留記憶数が増加した場合、および、変動表示が開始されて保留記憶数が減少した場合などの、保留記憶数が変化した場合に、保留記憶数を特定可能な保留記憶数コマンドを送信する記憶処理を実行する(S111)。また、パチンコ遊技機1の制御状態をパチンコ遊技機1外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S112)。さらに、所定の条件が成立したときに出力回路59に各種ソレノイドについての駆動指令を行なうソレノイド出力処理(S113)を実行する。始動入賞装置15、特別可変入賞球装置20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切換えたりするために、出力回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。
次に、特別図柄表示制御処理が行なわれる(S114)。特別図柄表示制御処理では、特別図柄表示器8の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。また、普通図柄表示制御処理が行なわれる(S115)。普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示器10の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。その後、割込許可状態に設定する(S116)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(たとえば2msごと)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はフラグがセットされたことに基づいてメイン処理において実行されるようにしてもよい。また、S102〜S116の処理(S109およびS112を除く)が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込処理を実行した回数をカウントする処理を実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込処理を実行するごとに、タイマ割込処理を実行した回数を示す割込回数カウンタをカウントアップする。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、S113においてソレノイド出力処理を完了すると、タイマ割込処理を実行した回数を示す割込回数カウンタの値を1加算する。この割込回数カウンタは、たとえば、乱数回路から乱数値を読出す条件が成立したか否かを判断するために用いられる。
また、たとえば、タイマ割込処理では、遊技制御処理のうちスイッチ処理(S102)、飾り図柄コマンド制御処理(S108)、および、割込回数カウント処理(前述したタイマ割込処理を実行した回数をカウントする処理)のみを実行するようにし、遊技制御処理のうちの他の処理をメイン処理において実行するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、メイン処理におけるS17からS19までのループ処理において、遊技制御処理のうち、S103からS107、および、S110からS116(S112を除く)の処理を実行する(前述の割込回数カウント処理は含まない)。
また、CPU56は、タイマ割込処理において、前述のように割込回数をカウントした後に、タイマ割込回数が所定回数(たとえば、3回)に達したことを検出すると、乱数回路から乱数値を読出す条件が成立したと判断し、乱数値の読出し条件が成立した旨を示す乱数読出フラグをセットする。CPU56は、メイン処理において、特別図柄プロセス処理(S105)における後述の始動口スイッチ通過処理(S132)の実行の際に、乱数読出フラグがセットされているか否かを判断し、乱数読出フラグがセットされていると判断すると、乱数回路に出力制御信号を出力し、更新されているR1の値を読出す。そして、CPU56は、メイン処理において、特別図柄プロセス処理(S105)における後述の特別図柄通常処理(S140)の実行の際に、読出した乱数値に基づいて大当りとするか否かを決定することとなる。これは、同じ値の乱数値を続けて読出さないために行なう。
次に、メイン処理における特別図柄プロセス処理(S105)を説明する。図20は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動口15aまたは第2始動口15bに入賞する始動入賞が発生していたら(S131)、始動口スイッチ通過処理(S132)を行なった後に、内部状態に応じて、S140〜S147のうちのいずれかの処理を行なう。
S132の始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bがオンしたとき(具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bのそれぞれに対応して設けられているスイッチタイマの値が所定値以上になったと判定されたとき)に、RAM55の保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、前述した乱数読出フラグがセットされているか否かの判定を行ない、セットされていれば、保留記憶数を示す保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、乱数回路からR1の数値データ、大当り種類・大当り図柄決定用のランダムカウンタR2からR2の数値データをそれぞれ抽出し、それらを保留記憶バッファの抽出順番に対応する(保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。ここで乱数回路からのR1の数値データの抽出は、乱数回路に出力制御信号を入力し、乱数回路で更新された乱数値として記憶されているR1の数値データを読出すことにより行なわれる。このように第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bがオンし、かつ、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、数値データを抽出する条件が成立し、変動表示を実行するための条件、すなわち、変動表示の始動条件が成立することとなる。
特別図柄通常処理(S140):特別図柄の変動表示を実行開始できる状態(たとえば、特別図柄表示器8において図柄の変動がなされておらず、特別図柄表示器8における前回の図柄変動が終了してから所定期間が経過しており、かつ、大当り遊技中でもない状態)になるのを待つ。特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、変動表示の実行条件(開始条件)が成立し、特別図柄についての保留記憶カウンタのカウント値を確認することにより保留記憶数を確認する。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄表示器8の変動表示の結果、大当りとするか否かを判定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、特別図柄プロセスフラグをS141に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(S141):大当りとなるときには、前述の大当り種類・大当り図柄決定用のR2の抽出値に基づいて大当りの種類および大当り図柄を決定する。はずれとなるときには、前述のはずれ図柄決定用のR3の抽出値に基づいてはずれ図柄を決定する。そして、導出表示する飾り図柄の情報を指定する表示結果コマンドがセットされる。ここでセットされた表示結果コマンドは、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。そして、特別図柄プロセスフラグをS142に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(S142):大当り判定およびリーチ判定等の所定の判定結果に基づいて、変動パターンデータテーブルを選択するともに、変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値を抽出し、R4の値に応じて変動パターンデータテーブルに設定された複数種類の変動パターンの中から、実行する変動パターンを選択決定することにより、特別図柄表示器8および変動表示装置9での変動表示の変動パターンを選択決定する。
また、選択決定された変動パターンに基づいて、特別図柄表示器8での変動表示について、変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、特別図柄の変動表示を開始させるための駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図19のS114において出力される。また、飾り図柄の変動表示時間の長さの情報を含む変動パターンを指令するコマンドである変動表示パターンコマンドがセットされる。ここでセットされた変動表示パターンコマンドは、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。そして、特別図柄プロセスフラグをS143に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(S143):変動パターン設定処理で選択決定された変動パターンでの変動表示時間が経過(S142でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、特別図柄プロセスフラグをS144に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(S144):特別図柄表示器8および変動表示装置9のそれぞれにおいて変動表示される図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄を停止する駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図19のS114において出力される。そして、飾り図柄を停止させるための図柄停止コマンドがセットされる。ここでセットされた図柄停止コマンドは、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。そして、大当りフラグがセットされている場合には、特別図柄プロセスフラグをS145に移行するように更新する。そうでない場合には、特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
大入賞口開放前処理(S145):特別図柄プロセスタイマに大入賞口開放中処理の実行時間を設定する等、大当り遊技状態の制御に関するデータを設定し、特別図柄プロセスフラグをS146に移行するように更新する。より具体的に、S145では、大当り遊技状態における継続可能なラウンド回数の上限値の設定、大入賞口の開放時間の上限値の設定、および、各ラウンド間のインターバル期間の設定等の大当り遊技状態の制御に必要となるデータの設定を行なう。また、大当り開始コマンドを演出制御基板80に送信するための処理を行なう。
大入賞口開放中処理(S146):大当り遊技状態中の各ラウンドの開始条件の成立を確認して大入賞口を開放する各ラウンドの開始時処理を行なうとともに、ラウンド開始コマンド等の各ラウンドについての表示を行なうための演出制御コマンドを演出制御基板80に送信するための処理を行なう。そして、各ラウンド中は、大入賞口への入賞個数の管理等のラウンド中処理を行なう。その後、大当り遊技状態中の各ラウンドの終了条件の成立を確認し、終了条件が成立したら、大当り遊技状態の継続条件の成立を確認する処理を行なうとともに、ラウンド終了コマンドを演出制御基板80に送信するための処理を行なう。そして、継続条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、次のラウンドに移行させる。また、大当り遊技状態の継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合、すなわち、大当り遊技状態が終了するときには、前述したエンディング表示コマンドを送信するための処理を行なう。そして、特別図柄プロセスフラグをS147に移行するように更新する。
大当り終了処理(S147):大当り遊技状態が終了するときの表示制御として、前述のようなエンディング表示を演出制御用マイクロコンピュータ800にさせるための制御を行なう。また、特別図柄停止図柄設定処理により確変状態とすることが決定されたときには、前述したような確変フラグをセットする処理が行なわれる。そして、特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S140)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄通常処理において、以下のような処理を行なう。
まず、保留記憶カウンタの値を確認し、保留記憶数が「0」であるか否かを判別する(S31)。なお、特別図柄通常処理は、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合に実行される。保留記憶数が0であれば、リターンする。
一方、保留記憶数が0でなければ、保留記憶数が、所定数(たとえば、「3」)以上であるか否かを判断する(S31a)。保留記憶数が、所定数以上ではないと判断されたときは、後述するS32に進む。一方、保留記憶数が、所定数以上であると判断されたときは、時短フラグがセットされているか否かを判断する(S31b)。時短フラグがセットされていないと判断したときは、保留記憶数が多くなったときに特別図柄の変動表示時間を短縮する制御として行なわれる記憶変動短縮制御を行なうために用いられるフラグである記憶変動短縮フラグをセットし(S31c)、後述するS32に進む。一方、時短フラグがセットされていると判断したときは、時短状態であるので、記憶変動短縮制御を行なわないように、そのままS32に進む。このように記憶変動短縮フラグがセットされたときには、S142の変動パターン設定処理において、変動表示時間が短縮された変動パターンが、そのときの保留記憶数に応じて選択される(たとえば、保留記憶数が2個のときは前述の短縮1の変動パターンが選択され、保留記憶数が3個または4個のときは前述の短縮2の変動パターンが選択される)。これにより、時短状態ではない状態において、保留記憶数が所定数以上となったときには、特別図柄の変動表示時間が短縮されることにより、保留記憶数が早期に消化できるようにすることができる。
S32では、RAM55の保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保留記憶バッファに格納されている各乱数(数値データ)を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(S32)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S33)。すなわち、RAM55の保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数が抽出された順番を特定することができる。
次に、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数値(R1の抽出データ)を読出し(S34)、大当り判定処理を実行する(S35)。大当り判定処理においては、次のような処理を行なう。まず、確変フラグがセットされているか否かを判別する。確変フラグがセットされているとき(確変状態となるときに、図20の大当り終了処理(S147)において確変フラグがセットされる)には、大当り判定に用いる大当り判定値に確変時大当り判定値として予め定められている複数の値を設定し、確変フラグがセットされていないときには、大当り判定に用いる大当り判定値に非確変時大当り判定値として予め定められている1つの値を設定する。そして、S34で読出した大当り判定用乱数値と大当り判定値とを比較し、大当り判定用乱数と大当り判定値とが一致するときに大当りとする決定を行ない、これらが一致しないときに大当りとせず、はずれとする決定を行なう。
大当り判定処理の結果、大当りとすることに決定した場合には(S36においてY)、大当りフラグをセットする(S37)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理(S141)に対応した値に更新し(S38)、リターンする。
図22は、タイマ割込処理における異常監視処理(S107)を示すフローチャートである。異常監視処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前述したような入賞数監視処理(S21)、ベース監視処理(S22)、および、始動入賞監視処理(S23)を順次実行する。入賞数監視処理の内容については、図23および図24を用いて後述する。ベース監視処理の内容については、図25および図26を用いて後述する。
図23は、異常監視処理における入賞数監視処理(S21)を示すフローチャートである。入賞数監視処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、以下のような処理を行なう。
まず、前述の異常監視設定処理によりRAM55に記憶された入賞数監視選択データを読出して取得する(S40)。そして、取得した入賞数監視選択データに基づいて、入賞数監視状態を有効とする選択がされているか否かを判断する(S41)。S41により入賞数監視状態を有効とする選択がされていないと判断されたとき、すなわち、入賞数監視状態を無効とする選択がされているときには、リターンする。これにより、入賞数監視選択スイッチ571により入賞数監視状態を無効とする選択がされているときには、後述するS42〜S49による入賞数を監視するための実質的な処理が行なわれない。
一方、S41により入賞数監視状態を有効とする選択がされていると判断されたときは、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、および、第4入賞口スイッチ39aのそれぞれの状態に基づいて、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれについて、入賞が検出されたか否かを判断する(S42)。
S42により入賞が検出されていないと判断されたときは、後述するS44に進む。一方、S42により入賞が検出されたと判断されたときは、入賞があった通常入賞口に対応して設けられた入賞数カウンタを+1更新し(S43)、S44に進む。ここで、入賞数カウンタは、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれに対応して設けられ、対応する通常入賞口への入賞数を個別に計数する計数手段であり、計数値がRAM55に記憶される。
S44では、第1始動口スイッチ14aおよび第2始動口スイッチ14bのそれぞれの状態に基づいて、第1始動口15aおよび第2始動口15bのそれぞれについて、始動入賞が検出されたか否かを判断する(S44)。
S44により始動入賞が検出されていないと判断されたときは、後述するS46に進む。一方、S44により始動入賞が検出されたと判断されたときは、入賞があった始動口に対応して設けられた入賞数カウンタを+1更新し(S45)、S46に進む。
S46では、入賞数監視期間タイマの値を+1更新する(S46)。ここで、入賞数監視期間タイマとは、入賞数異常判定値を用いて異常状態であるか否かを判定する単位時間を計時するタイマであり、計時値がRAM85に記憶される。入賞数監視期間タイマは、入賞数判定時間スイッチ573により設定された単位時間が計時されるごとに初期値(0)にリセットされる。次に、前述の異常監視設定処理によりRAM55に記憶された入賞数判定時間のデータを読出して取得する(S47)。そして、入賞数監視期間タイマの計時値が、取得した入賞数判定時間のデータと一致するか否かを判断する(S48)。
S48により入賞数監視期間タイマの計時値が入賞数判定時間のデータと一致していないと判断されたときは、リターンする。一方、S48により入賞数監視期間タイマの計時値が入賞数判定時間のデータと一致したと判断されたときは、入賞数監視期間タイマを初期値(0)にリセットする(S48a)。これにより、入賞数監視期間タイマは、入賞数判定時間スイッチ573により設定された単位時間が計時されるごとにリセットされる。そして、入賞数に異常が生じたか否かを判定する入賞数異常判定処理(S49)を実行した後、リターンする。入賞数異常判定処理の内容については、図24を用いて説明する。
図24は、入賞数監視処理における入賞数異常判定処理(S49)を示すフローチャートである。入賞数異常判定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、以下のような処理を行なう。
まず、前述の異常監視設定処理によりRAM55に記憶された第1入賞数異常判定値のデータと、第2入賞数異常判定値のデータとを読出して取得する(S51)。そして、図8において監視対象として示す各通常入賞口および各始動口のそれぞれに対応する入賞数カウンタの値を、取得した第1入賞数異常判定値のデータに基づく第1入賞数異常判定値と比較する(S52)。
そして、図8において監視対象として示す各通常入賞口および各始動口のそれぞれに対応する入賞数異常回数カウンタのうち、S52での比較において入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となった入賞口に対応する入賞数異常回数カウンタについては+1更新し、S52での比較において入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値未満となった入賞口に対応する入賞数異常決定回数カウンタについては初期値(0)にリセットする(S53)。ここで、入賞数異常回数カウンタとは、入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となった回数を計数するカウンタであり、計数値がRAM55に記憶される。
次に、前述の異常監視設定処理によりRAM55に記憶された入賞数異常決定回数のデータを読出して取得する(S54)。そして、各通常入賞口および各始動口のそれぞれに対応する入賞数異常回数カウンタのうち、カウント値が、取得した入賞数異常決定回数のデータと一致した入賞数異常回数カウンタがあるか否かを判断する(S55)。
S55においては、カウント値が、取得した入賞数異常決定回数のデータと一致した入賞数異常回数カウンタがあるか否かが判断されるが、S53において、入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となった入賞口に対応する入賞数異常回数カウンタについては+1更新され、S52での比較において入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値未満となった入賞口に対応する入賞数異常決定回数カウンタについては初期値にリセットされる。入賞数異常決定回数カウンタの値は、入賞数カウンタの値が連続して第1入賞数異常判定値以上となるときには、設定された入賞数異常決定回数となるまで加算更新される。これにより、入賞数異常決定回数が1回に設定されているときには、1回だけ入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となった入賞口があると、第1または第2の入賞数異常信号が出力されることとなる。また、入賞数異常決定回数が複数回に設定されているときには、設定された複数回連続して入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となった入賞口があると、第1または第2の入賞数異常信号が出力されることとなる。
S55によりカウント値が入賞数異常決定回数のデータと一致した入賞数異常回数カウンタがないと判断されたときは、後述するS59に進む。一方、S55によりカウント値が入賞数異常決定回数のデータと一致した入賞数異常回数カウンタがあると判断されたときは、カウント値が入賞数異常決定回数のデータと一致した入賞数異常回数カウンタについてカウント値の最大値が第2入賞数異常判定値以上となったものがあるか否かを判断する(S56)。
S56により第2入賞数異常判定値以上となったものがないと判断されたときは、第1入賞数異常信号をセットし(S57a)、後述するS58に進む。これにより、ここでセットされた第1入賞数異常信号が、図19のS109において情報出力回路53から情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。一方、S56により第2入賞数異常判定値以上となったものがあると判断されたときは、第2入賞数異常信号をセットし(S57b)、S58に進む。これにより、ここでセットされた第2入賞数異常信号が、図19のS109において情報出力回路53から情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。
S58では、すべての入賞数異常回数カウンタをリセットし、S59に進む。S59では、すべての入賞数カウンタをリセットする。その後、リターンする。これにより、S55によりカウント値が入賞数異常決定回数のデータと一致した入賞数異常回数カウンタがあると判断されたときは、S58が実行されることにより、すべての入賞数異常回数カウンタがリセットされるので、少なくとも1つのカウント値が入賞数異常決定回数のデータと一致するごとに入賞数異常回数カウンタがリセットされることとなる。
図25は、異常監視処理におけるベース監視処理(S22)を示すフローチャートである。ベース監視処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、以下のような処理を行なう。
まず、前述の異常監視設定処理によりRAM55に記憶されたベース監視選択データを読出して取得する(S60)。そして、取得したベース監視選択データに基づいて、ベース異常監視状態を有効とする選択がされているか否かを判断する(S61)。S61によりベース異常監視状態を有効とする選択がされていないと判断されたとき、すなわち、ベース異常監視状態を無効とする選択がされているときには、リターンする。これにより、ベース異常監視選択スイッチ575によりベース異常監視状態を無効とする選択がされているときには、後述するS62〜S68によるベースを監視するための実質的な処理が行なわれない。
一方、S61によりベース異常監視状態を有効とする選択がされていると判断されたときは、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、および、第4入賞口スイッチ39aのそれぞれの状態に基づいて、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、第4通常入賞口39、第1始動口スイッチ14a、および、第2始動口スイッチ14bのそれぞれについて、入賞が検出されたか否かを判断する(S62)。
S62により入賞が検出されていないと判断されたときは、後述するS64に進む。一方、S62により入賞が検出されたと判断されたときは、入賞が検出された入賞口に対して払出される予め定められた賞球数の値(前述のようにRAM55に各入賞口に対する賞球数のデータが記憶されている)をベースカウンタの値に加算することによりベースカウンタを更新し(S63)、S64に進む。ここで、ベースカウンタは、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39への入賞に応じて払出される賞球数の合計値を計数する計数手段であり、計数値がRAM85に記憶される。
S64では、ベース監視期間タイマの値を+1更新する(S64)。ここで、ベース監視期間タイマとは、ベース異常判定値を用いて異常状態であるか否かを判定する単位時間を計時するタイマであり、計時値がRAM55に記憶される。ベース監視期間タイマは、ベース判定時間スイッチ577により設定された単位時間が計時されるごとに初期値(0)にリセットされる。次に、前述の異常監視設定処理によりRAM55に記憶されたベース判定時間のデータを読出して取得する(S65)。そして、ベース監視期間タイマの計時値が、取得したベース判定時間のデータと一致するか否かを判断する(S66)。
S66によりベース監視期間タイマの計時値がベース判定時間のデータと一致していないと判断されたときは、リターンする。一方、S66によりベース監視期間タイマの計時値がベース判定時間のデータと一致したと判断されたときは、ベース監視期間タイマを初期値(0)にリセットする(S67)。これにより、ベース監視期間タイマは、ベース判定時間スイッチ577により設定された単位時間が計時されるごとにリセットされる。そして、ベースに異常が生じたか否かを判定するベース異常判定処理(S68)を実行した後、リターンする。ベース異常判定処理の内容については、図26を用いて説明する。
図26は、ベース監視処理におけるベース異常判定処理(S68)を示すフローチャートである。ベース異常判定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、以下のような処理を行なう。
まず、前述の異常監視設定処理によりRAM55に記憶された第1ベース異常判定値のデータと、第2ベース異常判定値のデータとを読出して取得する(S81)。そして、前述したベースカウンタの値を、取得した第1ベース異常判定値のデータに基づく第1ベース異常判定値と比較する(S82)。
そして、S82での比較においてベースカウンタの値が第1ベース異常判定値以上となったか否かを判断する(S83)。ベースカウンタの値が第1ベース異常判定値以上となったと判断されたときは、ベース異常回数カウンタの値を+1更新し(S84)、S86に進む。一方、ベースカウンタの値が第1ベース異常判定値未満となったと判断されたときは、ベース異常回数カウンタの値を初期値(0)にリセットし(S85)、S86に進む。ここで、ベース異常回数カウンタとは、ベースカウンタの値が第1ベース異常判定値以上となった回数を計数するカウンタであり、計数値がRAM55に記憶される。
S86では、次に、前述の異常監視設定処理によりRAM55に記憶されたベース異常決定回数のデータを読出して取得する(S86)。そして、ベース異常回数カウンタの値が、取得したベース異常決定回数のデータと一致するか否かを判断する(S87)。
S87においては、ベース異常回数カウンタの値が、取得したベース異常決定回数のデータと一致しか否かが判断されるが、S85において、ベースカウンタの値が第1ベース異常判定値以上となったときにベース異常回数カウンタが+1更新され、S84において、ベースカウンタの値が第1入賞数異常判定値未満となったときにベース異常回数カウンタが初期値にリセットされる。ベース異常決定回数カウンタの値は、ベースカウンタの値が連続して第1ベース異常判定値以上となるときには、設定されたベース異常決定回数となるまで加算更新される。これにより、ベース異常決定回数が1回に設定されているときには、1回だけベースカウンタの値が第1ベース異常判定値以上となった入賞口があると、第1または第2のベース異常信号が出力されることとなる。また、ベース異常決定回数が複数回に設定されているときには、設定された複数回連続してベースカウンタの値が第1ベース異常判定値以上となると、第1または第2の入賞数異常信号が出力されることとなる。
S87によりベース異常回数カウンタの値がベース異常決定回数のデータと一致していないと判断されたときは、後述するS91に進む。一方、S87によりベース異常回数カウンタの値がベース異常決定回数のデータと一致したと判断されたときは、ベースカウンタの値が、取得した第2ベース異常判定値以上となったか否かを判断する(S88)。
S88により第2ベース異常判定値以上となっていないと判断されたときは、第1ベース異常信号をセットし(S89a)、後述するS90に進む。これにより、ここでセットされた第1ベース異常信号が、図19のS109において、情報出力回路53から情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。一方、S88により第2ベース異常判定値以上となったと判断されたときは、第2ベース異常信号をセットし(S89b)、S90に進む。これにより、ここでセットされた第2ベース異常信号が、図19のS109において、情報出力回路53から情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。
S90では、ベース異常回数カウンタをリセットし、S91に進む。S91では、ベースカウンタをリセットする。その後、リターンする。これにより、S87によりカウント値がベース異常決定回数のデータと一致したと判断されたときは、S90が実行されることにより、ベース異常回数カウンタがリセットされるので、ベース異常回数カウンタの値がベース異常決定回数のデータと一致するごとにベース異常回数カウンタがリセットされることとなる。
図27は、異常監視処理における始動入賞監視処理(S23)を示すフローチャートである。始動入賞監視処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、以下のような処理を行なう。
まず、前述の始動口エラー禁止フラグがセットされているか否かを判断する(S151)。S151により始動口エラー禁止フラグがセットされていると判断されたときは、後述するS155に進む。一方、S151により始動口エラー禁止フラグがセットされていないと判断されたときは、第2始動口15bにおいて可動片13,13が開放開始時であるか否かを判断する(S152)。
S152により開放開始時ではないと判断されたときは、後述するS158に進む。一方、S152により開放開始時であると判断されたときは、異常判定禁止時間タイマをセットする(S153)。ここで、異常判定禁止時間タイマとは、前述したエラー検出禁止期間を計時するタイマであり、S153により予め定められた時間(たとえば、1秒間)に相当するカウント数にセットされた後、0になるまでダウンカウントされていく。そして、前述の始動口エラー検出禁止フラグをセットし(S154)、後述するS160に進む。
また、前述のS151により始動口エラー禁止フラグがセットされていると判断されてS155に進んだときは、異常判定禁止時間タイマの値を−1更新する(S155)。これにより、始動入賞監視処理が実行されるごとに異常判定禁止時間タイマによる計時が行なわれることとなる。そして、異常判定禁止時間タイマの値が0になって異常判定禁止時間タイマがタイムアップしたか否かを判断する(S156)。S156によりタイムアップしていないと判断されたときは、後述するS160へ進む。一方、S156によりタイムアップしたと判断されたときは、始動口エラー禁止フラグをリセットし(S157)、後述するS160へ進む。これにより、可動片13,13が開放状態となってからエラー検出禁止期間が経過するまでは、始動口エラー禁止フラグがセットされることに基づいて、S151およびS152を経てS158〜S161によって行なわれる第2始動口15bの異常状態監視に関する処理に進まなくなるので、可動片13,13が閉状態のときにおいて第2始動口15bに入賞した遊技球に基づいて入賞の異常状態を検出するエラー検出が禁止される。
また、前述したS152により開放開始時ではないと判断されてS158に進んだときは、第2始動口スイッチ14bの検出信号に基づいて、第2始動口15bへの始動入賞が検出されたか否かを判断する(S158)。S158により始動入賞が検出されていないと判断されたときは、後述するS160に進む。一方、一方、S158により始動入賞が検出されたと判断されたときは、始動口エラー数カウンタの値を+1更新し(S159)、S160に進む。ここで、始動口エラー数カウンタとは、可動片13,13が閉状態のときにおいて第2始動口15bに入賞した遊技球の個数(始動口エラー数)を計数するカウンタであり、計数値がRAM55に記憶される。
S160に進んだときは、始動口エラー数カウンタの値が予め定められた始動口エラー判定値(たとえば、10個)以上となっているか否かを判断する(S160)。S160により始動口エラー数カウンタの値が始動口エラー判定値以上となっていないと判断されたときは、リターンする。一方、S160により始動口エラー数カウンタの値が始動口エラー判定値以上となっていると判断されたときは、始動口入賞異常信号をセットする処理が行なわれ、リターンする。これにより、始動口入賞異常信号が、情報出力回路53から情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力され、ホール管理コンピュータ200へ送信される。ホール管理コンピュータ200では、始動口入賞異常信号を受信したときに、制御部201により、表示部203において、予め定められた報知態様で、第2始動口15bへの入賞に異常が生じた旨を報知させる処理が行なわれる。
このように出力される始動口入賞異常信号は、大当り遊技状態が発生したときに、S145の大入賞口開放前処理においてオフ状態にリセットされる。なお、始動口入賞異常信号をリセットする条件としては、パチンコ遊技機1の電源投入時(RAM55の記憶データをすべてリセットして起動するコールドスタート時と、RAM55の記憶データをリセットせずに起動するホットスタート時との一方または両方であってもよい)等のパチンコ遊技機1の動作の区切りとなるような条件であればどのような条件を用いてもよい。また、前述した始動口エラー数カウンタの値は、始動口入賞異常信号をオフ状態にするタイミングに合せて、大当り遊技状態が発生したときに初期値(0)にリセットされる。なお、前述のように、始動口入賞異常信号をリセットする条件として、パチンコ遊技機1の電源投入時(RAM55の記憶データをすべてリセットして起動するコールドスタート時と、RAM55の記憶データをリセットせずに起動するホットスタート時との一方または両方であってもよい)等のパチンコ遊技機1の動作の区切りとなるその他の条件とするときには、始動口エラー数カウンタの値のリセットは、そのように始動口入賞異常信号をオフ状態にするタイミングと同じタイミングで行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ800の動作を説明する。図28は、演出制御用マイクロコンピュータ800が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S201)。初期化処理が終了すると、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの監視を行なう(S202)。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグの値として「1」をセットする。S202において、タイマ割込フラグの値として「1」がセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの値をクリアし(S203)、以下の演出制御処理を実行する。
タイマ割込は、たとえば33msecごとに発生する。すなわち、演出制御処理は、たとえば33msecごとに起動される。また、この実施の形態におけるタイマ割込処理では、タイマ割込フラグの値として「1」をセットする処理のみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理においては、まず、電源断信号が出力されたか否かを監視する電源断処理を実行する(S204)。次に、受信した演出制御コマンドを解析するコマンド解析処理を実行する(S205)。コマンド解析処理においては、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否かを判断し、受信コマンドがあるときには、受信コマンドを読出し、受信した演出制御コマンドの種類を示すフラグをセットする等、受信した演出制御コマンドを特定する処理が行なわれる。コマンド受信バッファから読出されたコマンドのデータは、コマンド受信バッファにおいて消去される。
次いで、演出制御プロセス処理を行なう(S206)。演出制御プロセス処理の内容については、図29を用いて後述する。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して変動表示装置9の表示制御、各種ランプの発光制御、および、スピーカ27による音の制御を含む演出制御を実行する。
次に、所定のランダムカウンタを更新する乱数更新処理を実行する(S207)。乱数更新処理においては、たとえば、飾り図柄のはずれ図柄決定用のランダムカウンタRU−1〜RU−3、および、演出内容決定用のランダムカウンタRV等の各種ランダムカウンタが更新される。その後、S202のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。主基板31からの演出制御用のINT信号は、演出制御用マイクロコンピュータ800の割込端子に入力されている。たとえば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ800においてINT割込が発生する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ800は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した演出制御コマンドデータを、RAM85に設けられたコマンド受信バッファに格納する。
次に、図28のS206による演出制御プロセス処理について説明する。図29は、演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてS400〜S406のうちのいずれかの処理を実行する。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動表示パターンコマンド受信待ち処理(S400):変動表示パターンコマンドを受信したか否かを確認し、変動表示パターンコマンドが受信されたことを確認したときには、演出制御プロセスフラグの値をS401に応じた値に更新する。
図柄変動開始処理(S401):飾り図柄の変動表示について、はずれ図柄の組合せ、および、大当り遊技前の変動表示結果としての大当り図柄の組合せ等の変動表示における飾り図柄の表示結果を決定するとともに、再抽選表示を行なうときには再抽選表示の表示結果を決定する。そして、変動表示パターンコマンドに基づいて、画像表示可能な変動パターンとして複数予め定められている飾り図柄の変動パターンから、実際に変動表示装置9での変動表示に使用する変動パターンを決定する。また、決定した変動パターンに応じて変動表示時間を設定し、変動表示装置9における飾り図柄(左,中,右図柄)の変動表示を開始させる。そして、このような表示に対応して、各種ランプの発光制御、および、スピーカ27による音の制御が行なわれる。その後、演出制御プロセスフラグの値をS402に応じた値に更新する。
図柄変動中処理(S402):変動表示装置9での変動表示の変動パターンを構成する各変動状態(変動速度等)の切替えタイミングを制御するとともに、設定された変動時間の終了を監視する。そして、設定された変動時間が終了したときに、たとえば、飾り図柄の左,中,右図柄を仮停止させ、表示結果が確定せずに図柄が揺れている揺れ変動状態とする制御を行なう。そして、このような表示に対応して、各種ランプの発光制御、および、スピーカ27による音の制御が行なわれる。その後、演出制御プロセスフラグの値をS403に応じた値に更新する。
図柄停止待ち処理(S403):変動パターンに対応する変動表示時間が経過して飾り図柄の全図柄停止を指示する図柄停止コマンドを受信していたら、変動表示装置9での飾り図柄の変動表示を停止(たとえば、前述の揺れ変動状態を停止)し、変動表示結果としての停止図柄を導出表示する制御を行なう。そして、このような表示に対応して、各種ランプの発光制御、および、スピーカ27による音の制御が行なわれる。その後、変動表示装置9での飾り図柄の停止図柄が大当り表示結果となるときは、演出制御プロセスフラグの値をS404に応じた値に更新し、変動表示装置9での飾り図柄の停止図柄がはずれ表示結果となるときは、演出制御プロセスフラグの値をS400に応じた値に更新する。
大当り表示処理(S404):変動表示装置9での飾り図柄の変動表示の終了後、大当り遊技状態となるときに、大当り開始時における表示を行なう。そして、このような表示に対応して、各種ランプの発光制御、および、スピーカ27による音の制御が行なわれる。その後、演出制御プロセスフラグの値をS405に応じた値に更新する。
大当り遊技中処理(S405):大当り遊技状態中における演出を行なう表示である大当り遊技中演出の表示をする制御を行なう。たとえば、大当り遊技状態における各ラウンド中の各種演出、および、各ラウンド間のインターバル期間中の各種演出等の大当り遊技状態中における演出をするための表示が実行される。そして、このような表示に対応して、各種ランプの発光制御、および、スピーカ27による音の制御が行なわれる。大当り遊技中処理が終了すると、演出制御プロセスフラグの値をS406に応じた値に更新する。
大当り遊技終了処理(S406):大当り遊技状態を終了させるときの演出としてのエンディング表示を行なう。そして、このような表示に対応して、各種ランプの発光制御、および、スピーカ27による音の制御が行なわれる。その後、演出制御プロセスフラグの値をS400に応じた値に更新する。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、前述した入賞数異常判定処理およびベース異常判定処理において異常状態が生じたときに、異常が生じた旨を示す異常信号をパチンコ遊技機1の外部に出力する代わりに、異常が生じた旨を示す演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ800へ向けて出力する例について説明する。第2実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
まず、第2実施形態の場合は、情報出力回路53から出力される情報信号として、第1入賞数異常信号、第2入賞数異常信号、第1ベース異常信号、第2ベース異常信号、および、始動口入賞異常信号が含まれていない。
図30は、第2実施形態による演出制御コマンドの一例を表形式で示す図である。図30が図11と異なるのは、コマンドFF00〜FF04が用いられることである。
コマンドFF00は、入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態が生じたことを示す第1入賞数異常コマンドである。コマンドFF01は、入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第2入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態が生じたことを示す第2入賞数異常コマンドである。コマンドFF02は、ベース監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1ベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態が生じたことを示す第1ベース異常コマンドである。コマンドFF03は、ベース監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第2ベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態が生じたことを示す第2ベース異常コマンドである。コマンドFF04は、始動入賞監視処理において、可動片13,13が閉状態であるときに遊技球が第2始動口15bに入賞したことに基づく異常状態が生じたことを示す始動入賞異常コマンドである。
次に、第2実施形態による監視対象の入賞口への入賞数を監視する入賞数監視処理と、その入賞数監視処理により入賞数に異常があると判定されたときに行なわれる入賞数異常報知演出処理とについて説明する。
図31は、第2実施形態による入賞数監視処理および入賞数異常報知演出処理を説明するための制御タイミングを示すタイミングチャートである。図31においては、各入賞検出信号、各入賞数カウンタ値、第1入賞数異常コマンド、第2入賞数異常コマンド、第1入賞数異常報知演出状態、および、第2入賞数異常報知演出状態が時間経過にしたがって示されている。図31については、前述した図13と異なる部分を説明する。
第1入賞数異常コマンドは、所定周期の時間(たとえば、1分)に設定された入賞数判定時間内での各入賞数カウンタの計数値が、予め定められた第1入賞数異常判定値(たとえば、4個)以上となったときに、前述の第1入賞数異常信号の代わりに出力される(オン状態となる)演出制御コマンドである。第2入賞数異常コマンドは、入賞数判定時間内での各入賞数カウンタの計数値が、予め定められた第2入賞数異常判定値(たとえば、9個)以上となったときに、前述の第1入賞数異常信号の代わりに出力される(オン状態となる)演出制御コマンドである。
第1入賞数異常コマンドおよび第2入賞数異常コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ800へ送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800では、第1入賞数異常コマンドおよび第2入賞数異常コマンドのそれぞれを受信したときに、予め定められた報知態様で入賞数に異常が生じた旨を報知させる処理が行なわれる。
第1入賞数異常コマンドが受信されたときに、演出制御用マイクロコンピュータ800では、装飾ランプ25を予め定められた態様(第1入賞数異常状態である旨を特定可能な態様)で点灯させることにより、第1入賞数異常報知演出を実行させる処理が行なわれる。第2入賞数異常コマンドが受信されたときに、演出制御用マイクロコンピュータ800では、装飾ランプ25を予め定められた態様(第2入賞数異常状態である旨を特定可能な態様)で点灯させるとともに、予め定められた報知音をスピーカ27から出力させることにより、第2入賞数異常報知演出を実行させる処理が行なわれる。
なお、このような入賞数に関する異常報知演出を行なうときに用いるランプとしては、装飾ランプ25以外のランプを用いてもよい。また、異常報知演出を行なうときに用いる音は、音声により異常が生じた旨を直接的に示すようにしてもよく、また、所定の効果音により異常が生じた旨を間接的に示すようにしてもよい。また、このような異常報知演出を行なうときには、変動表示装置9において、所定のメッセージ等の画像を表示することにより第1入賞数異常報知演出および第2入賞数異常報知演出を行なうようにしてもよい。その場合において、画像による第1入賞数異常報知演出および第2入賞数異常報知演出のそれぞれは、所定のランプを用いた異常報知演出、および、所定の音を用いた異常報知演出のそれぞれと組合せて行なうようにしてもよく、画像のみに異常報知演出として行なうようにしてもよい。
図32は、第2実施形態によるベース監視処理およびベース異常報知演出処理を説明するための制御タイミングを示すタイミングチャートである。図32においては、全通常入賞口賞球個数信号、全始動口賞球個数信号、ベースカウンタ値、第1ベース異常コマンド、第2ベース異常コマンド、第1ベース異常報知演出状態、および、第2ベース異常報知演出状態が時間経過にしたがって示されている。図32については、前述した図14と異なる部分を説明する。
第1ベース異常コマンドは、所定周期の時間(たとえば、1分)に設定されたベース判定時間内でのベースカウンタの計数値が、予め定められた第1ベース異常判定値以上となったときに、前述の第1ベース異常信号の代わりに出力される(オン状態となる)演出制御コマンドである。第2ベース異常コマンドは、ベース判定時間内でのベースカウンタの計数値が、予め定められた第2ベース異常判定値以上となったときに、前述の第1ベース異常信号の代わりに出力される(オン状態となる)演出制御コマンドである。
第1ベース異常コマンドおよび第2ベース異常コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ800へ送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800では、第1ベース異常コマンドおよび第2ベース異常コマンドのそれぞれを受信したときに、予め定められた報知態様でベースに異常が生じた旨を報知させる処理が行なわれる。
第1ベース異常コマンドが受信されたときに、演出制御用マイクロコンピュータ800では、装飾ランプ25を予め定められた態様(第1ベース異常状態である旨を特定可能な態様)で点灯させることにより、第1ベース異常報知演出を実行させる処理が行なわれる。第2ベース異常コマンドが受信されたときに、演出制御用マイクロコンピュータ800では、装飾ランプ25を予め定められた態様(第2ベース異常状態である旨を特定可能な態様)で点灯させるとともに、予め定められた報知音をスピーカ27から出力させることにより、第2入賞数異常報知演出を実行させる処理が行なわれる。
なお、このようなベースに関する異常報知演出を行なうときに用いるランプとしては、装飾ランプ25以外のランプを用いてもよい。また、異常報知演出を行なうときに用いる音は、音声により異常が生じた旨を直接的に示すようにしてもよく、また、所定の効果音により異常が生じた旨を間接的に示すようにしてもよい。また、このような異常報知演出を行なうときには、変動表示装置9において、所定のメッセージ等の画像を表示することにより第1ベース異常報知演出および第2ベース異常報知演出を行なうようにしてもよい。その場合において、画像による第1ベース異常報知演出および第2ベース異常報知演出のそれぞれは、所定のランプを用いた異常報知演出、および、所定の音を用いた異常報知演出のそれぞれと組合せて行なうようにしてもよく、画像のみを異常報知演出として行なうようにしてもよい。
図33は、第2実施形態による入賞数異常判定処理を示すフローチャートである。図33に関しては、図24の入賞数異常判定処理との共通部分に、同一のステップ番号を付与し、重複した説明を繰返さない。
図33の入賞数異常判定処理が図24と異なるのは、図24のS57aの代わりにS57cが用いられ、図24のS57bの代わりにS57dが用いられることである。
S56により第2入賞数異常判定値以上となったものがないと判断されたときは、第1入賞数異常コマンドをセットし(S57c)、S58に進む。これにより、ここでセットされた第1入賞数異常コマンドが、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。一方、S56により第2入賞数異常判定値以上となったものがあると判断されたときは、第2入賞数異常コマンドをセットし(S57d)、S58に進む。これにより、ここでセットされた第2入賞数異常コマンドが、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。
図34は、第2実施形態によるベース異常判定処理を示すフローチャートである。図34に関しては、図26のベース異常判定処理との共通部分に、同一のステップ番号を付与し、重複した説明を繰返さない。
図34のベース異常判定処理が図26と異なるのは、図26のS89aの代わりにS89cが用いられ、図26のS89bの代わりにS89dが用いられることである。
S88より第2ベース異常判定値以上となっていないと判断されたときは、第1ベース異常コマンドをセットし(S89c)、後述するS90に進む。これにより、ここでセットされた第1ベース異常コマンドが、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。一方、S88により第2ベース異常判定値以上となったと判断されたときは、第2ベース異常コマンドをセットし(S89d)、S90に進む。これにより、ここでセットされた第2ベース異常コマンドが、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。
また、図示を省略するが、第2実施形態の場合、図27に示す始動入賞監視処理においては、S161の代わりに、演出制御コマンドとして、始動入賞異常コマンドを送信する処理が行なわれる。
図35は、第2実施形態による演出制御メイン処理を示すフローチャートである。図35に関しては、図28の演出制御メイン処理との共通部分に、同一のステップ番号を付与し、重複した説明を繰返さない。
図35の演出制御メイン処理が図28と異なるのは、図28のS206とS207との間に異常報知演出処理(S206a)が設けられていることである。異常報知演出処理は、第1入賞数異常コマンド、第2入賞数異常コマンド、第1ベース異常コマンド、第2ベース異常コマンド、および、始動入賞異常コマンドを受信したときに、それぞれのコマンドに応じて、前述したような第1入賞数異常報知演出、第2入賞数異常報知演出、第1ベース異常報知演出、および、第2ベース異常報知演出、および、始動入賞異常報知演出を行なうための処理である。
図36は、第2実施形態による演出制御メイン処理における異常報知演出処理(S206a)を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ800は、異常報知演出処理において、以下のような処理を行なう。
まず、第1入賞数異常コマンドが受信されたか否かを判断する(S221)。S221により受信されていないと判断されたときは、後述するS223に進む。一方、S221により受信されたと判断されたときは、前述のような第1入賞数異常報知演出を実行し(S222)、S223に進む。S223では、第2入賞数異常コマンドが受信されたか否かを判断する(S223)。S223により受信されていないと判断されたときは、後述するS225に進む。一方、S223により受信されたと判断されたときは、前述のような第2入賞数異常報知演出を実行し(S224)、S225に進む。
S225では、第1ベース異常コマンドが受信されたか否かを判断する(S225)。S225により受信されていないと判断されたときは、後述するS227に進む。一方、S225により受信されたと判断されたときは、前述のような第1ベース異常報知演出を実行し(S226)、S227に進む。S227では、第2ベース異常コマンドが受信されたか否かを判断する(S227)。S227により受信されていないと判断されたときは、後述するS229に進む。コマンドリターンする。一方、S227により受信されたと判断されたときは、前述のような第2ベース異常報知演出を実行し(S228)、S229に進む。S229では、始動入賞異常コマンドが受信されたか否かを判断する(S229)。S229により受信されていないと判断されたときは、リターンする。一方、S229により受信されたと判断されたときは、前述のような始動入賞異常報知演出を実行し(S230)、リターンする。
S222による第1入賞数異常報知演出、S224による第2入賞数異常報知演出、S226による第1ベース異常報知演出、S228による第2ベース異常報知演出、および、S230による始動入賞異常報知演出のそれぞれは、所定時間(たとえば、5分間)継続して実行される。これにより、第1入賞数異常報知演出、第2入賞数異常報知演出、第1ベース異常報知演出、第2ベース異常報知演出、および、始動入賞異常報知演出のそれぞれは、飾り図柄91,92,93の変動表示が実行されているときにおいても、予め定められた異常報知時間が経過するまで表示される。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態においては、前述した第2実施形態で行なわれる異常報知演出として、変動表示装置9においてメッセージ等の画像を表示することによる演出を行なう例を説明する。
図37は、第3実施形態による異常報知演出態様を示す変動表示装置9の表示画面図である。図37においては、(a)〜(d)に、時間経過に応じて、異常報知演出の態様が示されている。変動表示装置9においては、たとえば、(a)に示すような態様で飾り図柄91,92,93が表示される。
そして、異常報知演出を行なうときには、(b)に示すように、異常状態の種類を特定して異常状態が発生した旨を示す画像である異常報知メッセージ94が表示される。図37の例では、第1入賞数異常状態が発生した旨が異常報知メッセージ94により示されている。このような異常報知メッセージ94は、(c)、(d)に示すように、飾り図柄91,92,93の変動表示が実行されているときにおいても、予め定められた異常報知時間が経過するまで表示される。
このような図37に示す異常報知演出は、第2実施形態における図36の異常報知演出処理において、次のような処理を行なうことにより実現される。図36のS222において、第1入賞数異常報知演出として、第1入賞数異常状態が発生した旨を示す異常報知メッセージ94を変動表示装置9に表示する演出を行なうようにする。図36のS224において、第2入賞数異常報知演出として、第2入賞数異常状態が発生した旨を示す異常報知メッセージ94を変動表示装置9に表示する演出を行なうようにする。図36のS226において、第1ベース異常報知演出として、第1ベース異常状態が発生した旨を示す異常報知メッセージ94を変動表示装置9に表示する演出を行なうようにする。図36のS228において、第2ベース異常報知演出として、第2ベース異常状態が発生した旨を示す異常報知メッセージ94を変動表示装置9に表示する演出を行なうようにする。図36のS230において、始動入賞異常報知演出として、始動入賞異常状態が発生した旨を示す異常報知メッセージ94を変動表示装置9に表示する演出を行なうようにする。また、このような異常報知メッセージ94を変動表示装置9に表示するときには、通常表示されている飾り図柄91,92,93および背景画像等の画像に、異常報知メッセージ94を示す画像を重畳させて表示することにより実現する。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態においては、第2実施形態に示したような演出制御用マイクロコンピュータ800により前述の異常報知演出を実行させる場合における異常状態であるか否かの判定を演出制御用マイクロコンピュータ800において行なう例について説明する。第4実施形態については、第1実施形態および第2実施形態と異なる部分を主に説明する。
図38は、第4実施形態による主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。図38については、図4と共通する部分に同一の参照番号を付与し、重複した説明を行なわない。
図38の構成が図4と異なるのは、次の点である。異常監視設定スイッチ57が、主基板31に設けられておらず、演出制御基板80に設けられている。演出制御基板80に設けられる異常監視設定スイッチ57の構成は、図5および図6に示すものと同様の構成である。また、情報出力回路53から出力される情報信号として、第1入賞数異常信号、第2入賞数異常信号、第1ベース異常信号、第2ベース異常信号、および、始動口入賞異常信号が含まれていない。なお、第1実施形態のような始動入賞監視処理を実行することにより、始動口入賞異常信号を情報出力回路53から出力するようにしてもよい。
図39は、第4実施形態による入賞数監視処理および入賞数異常報知演出処理を説明するための制御タイミングを示すタイミングチャートである。図39においては、各入賞検出信号、各入賞検出コマンド、各入賞数カウンタ値、第1入賞数異常報知演出状態、および、第2入賞数異常報知演出状態が時間経過にしたがって示されている。図39については、前述した図31と異なる部分を説明する。
第4実施形態においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入賞数の異常状態であるか否かの判定を行なわないので、第1入賞数異常コマンドおよび第2入賞数異常コマンドが送信されない。その代わりに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、各通常入賞口(第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39)、および、各始動口(第1始動口15aおよび第2始動口15b)のそれぞれに入賞があったときに、入賞があった入賞口を示す入賞検出コマンドを演出制御コマンドとして送信する。
第1通常入賞口29への入賞が検出されたときには、入賞検出コマンドとして、第1通常入賞検出コマンドが送信される。第2通常入賞口30への入賞が検出されたときには、入賞検出コマンドとして、第2通常入賞検出コマンドが送信される。第3通常入賞口33への入賞が検出されたときには、入賞検出コマンドとして、第3通常入賞検出コマンドが送信される。第4通常入賞口39への入賞が検出されたときには、入賞検出コマンドとして、第4通常入賞検出コマンドが送信される。第1始動口15aへの入賞が検出されたときには、入賞検出コマンドとして、第1始動入賞検出コマンドが送信される。第2始動口15bへの入賞が検出されたときには、入賞検出コマンドとして、第2始動入賞検出コマンドが送信される。このように送信される入賞検出コマンドを受信することに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ800では、前述した第1〜第3実施形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560と同様に、各通常入賞口および各始動口に対応して入賞数カウンタを設け、各入賞数カウンタの値に基づいて、各通常入賞口および各始動口における入賞数を把握することができる。
各通常入賞口および各始動口について、入賞検出信号がオン状態になると、それに応じて、入賞が検出された入賞口に対応する入賞検出コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800では、受信した入賞検出コマンドに基づいて、受信した入賞検出コマンドが示す各通常入賞口および各始動口に対応する入賞数カウンタを+1更新する。
そして、所定周期の時間(たとえば、1分)に設定された入賞数判定時間内での各入賞数カウンタの計数値が、予め定められた第1入賞数異常判定値(たとえば、4個)以上となったときに、演出制御用マイクロコンピュータ800により、第2実施形態に示したような第1入賞数異常報知演出を実行させる処理が行なわれる。また、入賞数判定時間内での各入賞数カウンタの計数値が、予め定められた第2入賞数異常判定値(たとえば、9個)以上となったときに、演出制御用マイクロコンピュータ800により、第2実施形態に示したような第2入賞数異常報知演出を実行させる処理が行なわれる。
図40は、第4実施形態によるベース監視処理およびベース異常報知演出処理を説明するための制御タイミングを示すタイミングチャートである。図40においては、全通常入賞口賞球個数信号、全始動口賞球個数信号、全通常入賞口入賞検出コマンド(第1通常入賞検出コマンド〜第4通常入賞検出コマンドのすべて)、第1,第2始動口入賞検出コマンド(第1始動入賞検出コマンド、第2始動入賞検出コマンドの両方のコマンド)、ベースカウンタ値、第1ベース異常報知演出状態、および、第2ベース異常報知演出状態が時間経過にしたがって示されている。図40については、前述した図32と異なる部分を説明する。
第4実施形態においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560がベースに関する異常状態であるか否かの判定を行なわないので、第1ベース異常コマンドおよび第2ベース異常コマンドが送信されない。
前述のように、各通常入賞口および各始動口への入賞が検出されたときには、入賞検出コマンドが送信されるので、このように送信される入賞検出コマンドを受信することに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ800では、遊技制御用マイクロコンピュータ560と同様に、すべての通常入賞口および始動口についての賞球個数の合計値を計数するベースカウンタを設け、そのベースカウンタの値に基づいて、すべての通常入賞口および始動口への入賞に基づく賞球個数の合計値を把握することができる。
演出制御用マイクロコンピュータ800では、遊技制御用マイクロコンピュータ560と同様に、各通常入賞口および各始動口の賞球数のデータが予めROM85に記憶されており、そのデータを用いて、受信した入賞検出コマンドに基づいて、ベースカウンタを加算更新する。
そして、所定周期の時間(たとえば、1分)に設定されたベース判定時間内でのベースカウンタの計数値が、予め定められた第1ベース異常判定値(たとえば、50個)以上となったときに、演出制御用マイクロコンピュータ800により、第2実施形態に示したような第1ベース異常報知演出を実行させる処理が行なわれる。また、ベース判定時間内でのベースカウンタの計数値が、予め定められた第2ベース異常判定値(たとえば、100個)以上となったときに、演出制御用マイクロコンピュータ800により、第2実施形態に示したような第2ベース異常報知演出を実行させる処理が行なわれる。
図41は、第4実施形態によるタイマ割込処理を示すフローチャートである。図41に関しては、図19のタイマ割込処理との共通部分に、同一のステップ番号を付与し、重複した説明を繰返さない。
図41のタイマ割込処理が図19と異なるのは、図19のS107の代わりに入賞情報生成処理(S107a)が設けられていることである。入賞情報生成処理は、各通常入賞口および各始動口への入賞があったときに、入賞に応じた入賞検出コマンドを生成する処理である。
図42は、第4実施形態による入賞情報生成処理(S107a)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞情報生成処理において、以下のような処理を行なう。
まず、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、および、第4入賞口スイッチ39aのそれぞれの状態に基づいて、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれについて、入賞が検出されたか否かを判断する(S701)。
S701により入賞が検出されていないと判断されたときは、後述するS703に進む。一方、S701により入賞が検出されたと判断されたときは、入賞が検出された通常入賞口に対応する入賞検出コマンド(入賞が検出された通常入賞口を特定可能なコマンド)として、通常入賞検出コマンドをセットし(S702)、S703に進む。ここでセットされた通常入賞検出コマンドは、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。
S703では、第1始動口スイッチ14aおよび第2始動口スイッチ14bのそれぞれの状態に基づいて、第1始動口15aおよび第2始動口15bのそれぞれについて、始動入賞が検出されたか否かを判断する(S703)。
S703により始動入賞が検出されていないと判断されたときは、リターンする。一方、S703により始動入賞が検出されたと判断されたときは、入賞検出コマンドとして、始動入賞が検出された始動口に対応する始動入賞検出コマンド(入賞が検出された始動口を特定可能なコマンド)をセットし(S704)、リターンする。ここでセットされた始動入賞検出コマンドは、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。
図43は、第4実施形態による演出制御メイン処理を示すフローチャートである。図43に関しては、図35の演出制御メイン処理との共通部分に、同一のステップ番号を付与し、重複した説明を繰返さない。
図43の演出制御メイン処理が図35と異なるのは、次の点である。S201とS202との間に、異常監視設定処理(S201a)が設けられている。この異常監視設定処理は、図18に示す異常監視設定処理と同様の処理を行なうことにより、異常監視設定スイッチ57の操作状態に基づいて、入賞数およびベースに関する異常監視を行なうときの各種データをRAM85に設定する(記憶する)処理を行なう。また、異常報知演出処理(S206a)の代わりに、異常監視演出処理(S206b)が設けられている。異常監視演出処理は、入賞検出コマンドに基づいて各通常入賞口および各始動口の入賞数を監視するとともに、入賞数に異常状態が生じたときに入賞数異常報知演出を行なう入賞数監視演出処理と、入賞検出コマンドに基づいてすべての通常入賞口および始動口の賞球数の合計値としてのベースを監視するとともに、ベースに異常状態が生じたときにベース異常報知演出を行なうベース監視演出処理とを実行する処理である。
図44は、第4実施形態による異常監視演出処理(S206b)を示すフローチャートである。異常監視演出処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前述したような入賞数監視演出処理(S601)と、ベース監視演出処理(S602)とを順次実行する。入賞数監視演出処理の内容については、図45および図46を用いて後述する。ベース監視演出処理の内容については、図47および図48を用いて後述する。
図45は、第4実施形態による異常監視演出処理における入賞数監視演出処理(S601)を示すフローチャートである。入賞数監視演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、以下のような処理を行なう。
まず、前述のS201aの異常監視設定処理によりRAM85に記憶された入賞数監視選択データを読出して取得する(S630)。そして、取得した入賞数監視選択データに基づいて、入賞数監視状態を有効とする選択がされているか否かを判断する(S631)。S631により入賞数監視状態を有効とする選択がされていないと判断されたとき、すなわち、入賞数監視状態を無効とする選択がされているときには、リターンする。これにより、入賞数監視選択スイッチ571により入賞数監視状態を無効とする選択がされているときには、後述するS632〜S639による入賞数を監視するための実質的な処理が行なわれない。
一方、S631により入賞数監視状態を有効とする選択がされていると判断されたときは、前述した入賞検出コマンドに基づいて、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれについて、入賞が検出されたか否かを判断する(S632)。
S632により入賞が検出されていないと判断されたときは、後述するS634に進む。一方、S632により入賞が検出されたと判断されたときは、入賞があった通常入賞口に対応して設けられた入賞数カウンタを+1更新し(S633)、S634に進む。ここで、入賞数カウンタは、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれに対応して設けられ、対応する通常入賞口への入賞数を計数する計数手段であり、計数値はRAM85に記憶される。
S634では、前述した入賞検出コマンドに基づいて、第1始動口15aおよび第2始動口15bのそれぞれについて、始動入賞が検出されたか否かを判断する(S634)。
S634により始動入賞が検出されていないと判断されたときは、後述するS636に進む。一方、S634により始動入賞が検出されたと判断されたときは、入賞があった始動口に対応して設けられた入賞数カウンタを+1更新し(S635)、S636に進む。
S636では、入賞数監視期間タイマの値を+1更新する(S636)。ここで、入賞数監視期間タイマとは、入賞数異常判定値を用いて異常状態であるか否かを判定する単位時間を計時するタイマであり、計時値がRAM85に記憶される。入賞数監視期間タイマは、入賞数判定時間スイッチ573により設定された単位時間が計時されるごとに初期値(0)にリセットされる。次に、前述の異常監視設定処理によりRAM85に記憶された入賞数判定時間のデータを読出して取得する(S637)。そして、入賞数監視期間タイマの計時値が、取得した入賞数判定時間のデータと一致するか否かを判断する(S638)。
S638により入賞数監視期間タイマの計時値が入賞数判定時間のデータと一致していないと判断されたときは、リターンする。一方、S638により入賞数監視期間タイマの計時値が入賞数判定時間のデータと一致したと判断されたときは、入賞数監視期間タイマを初期値(0)にリセットする(S638a)。これにより、入賞数監視期間タイマは、入賞数判定時間スイッチ573により設定された単位時間が計時されるごとにリセットされる。そして、入賞数に異常が生じたか否かを判定する入賞数異常判定演出処理(S639)を実行した後、リターンする。入賞数異常判定演出処理の内容については、図46を用いて後述する。
図46は、入賞数監視演出処理における入賞数異常判定演出処理(S639)を示すフローチャートである。入賞数異常判定演出処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、以下のような処理を行なう。
まず、前述の異常監視設定処理によりRAM85に記憶された第1入賞数異常判定値のデータと、第2入賞数異常判定値のデータとを読出して取得する(S651)。そして、図8において監視対象として示す各通常入賞口および各始動口のそれぞれに対応する入賞数カウンタの値を、取得した第1入賞数異常判定値のデータに基づく第1入賞数異常判定値と比較する(S652)。
そして、図8において監視対象として示す各通常入賞口および各始動口のそれぞれに対応する入賞数異常回数カウンタのうち、S652での比較において入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となった入賞口に対応する入賞数異常回数カウンタについては+1更新し、S652での比較において入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値未満となった入賞口に対応する入賞数異常決定回数カウンタについては初期値(0)にリセットする(S653)。ここで、入賞数異常回数カウンタとは、入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となった回数を計数するカウンタであり、計数値がRAM85に記憶される。
次に、前述の異常監視設定処理によりRAM85に記憶された入賞数異常決定回数のデータを読出して取得する(S654)。そして、各通常入賞口および各始動口のそれぞれに対応する入賞数異常回数カウンタのうち、カウント値が、取得した入賞数異常決定回数のデータと一致した入賞数異常回数カウンタがあるか否かを判断する(S655)。
S655によりカウント値が入賞数異常決定回数のデータと一致した入賞数異常回数カウンタがないと判断されたときは、後述するS659に進む。一方、S655によりカウント値が入賞数異常決定回数のデータと一致した入賞数異常回数カウンタがあると判断されたときは、カウント値が入賞数異常決定回数のデータと一致した入賞数異常回数カウンタについてカウント値の最大値が第2入賞数異常判定値以上となったものがあるか否かを判断する(S656)。
S656により第2入賞数異常判定値以上となったものがないと判断されたときは、前述のような第1入賞数異常報知演出を実行し(S657a)、後述するS658に進む。一方、S656により第2入賞数異常判定値以上となったものがあると判断されたときは、前述のような第2入賞数異常報知演出を実行し(S657b)、S658に進む。
S658では、すべての入賞数異常回数カウンタをリセットし、S659に進む。S659では、すべての入賞数カウンタをリセットする。その後、リターンする。これにより、S655によりカウント値が入賞数異常決定回数のデータと一致した入賞数異常回数カウンタがあると判断されたときは、S658が実行されることにより、すべての入賞数異常回数カウンタがリセットされるので、少なくとも1つのカウント値が入賞数異常決定回数のデータと一致するごとに入賞数異常回数カウンタがリセットされることとなる。
図47は、異常監視処理におけるベース監視処理(S22)を示すフローチャートである。ベース監視処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、以下のような処理を行なう。
まず、前述の異常監視設定処理によりRAM85に記憶されたベース監視選択データを読出して取得する(S660)。そして、取得したベース監視選択データに基づいて、ベース異常監視状態を有効とする選択がされているか否かを判断する(S661)。S661によりベース異常監視状態を有効とする選択がされていないと判断されたとき、すなわち、ベース異常監視状態を無効とする選択がされているときには、リターンする。これにより、ベース異常監視選択スイッチ575によりベース異常監視状態を無効とする選択がされているときには、後述するS662〜S668によるベースを監視するための実質的な処理が行なわれない。
一方、S661によりベース異常監視状態を有効とする選択がされていると判断されたときは、前述した入賞検出コマンドに基づいて、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、第4通常入賞口39、第1始動口スイッチ14a、および、第2始動口スイッチ14bのそれぞれについて、入賞が検出されたか否かを判断する(S662)。
S662により入賞が検出されていないと判断されたときは、後述するS664に進む。一方、S662により入賞が検出されたと判断されたときは、入賞が検出された入賞口に対して払出される予め定められた賞球数の値(RAM85に各入賞口に対する賞球数のデータが予め記憶されている)をベースカウンタの値に加算することによりベースカウンタを更新し(S663)、S664に進む。ここで、ベースカウンタは、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39への入賞に応じて払出される賞球数の合計値を計数する計数手段であり、計数値がRAM85に記憶される。
S664では、ベース監視期間タイマの値を+1更新する(S664)。ここで、ベース監視期間タイマとは、ベース異常判定値を用いて異常状態であるか否かを判定する単位時間を計時するタイマであり、計時値がRAM85に記憶される。ベース監視期間タイマは、ベース判定時間スイッチ577により設定された単位時間が計時されるごとに初期値(0)にリセットされる。次に、前述の異常監視設定処理によりRAM85に記憶されたベース判定時間のデータを読出して取得する(S665)。そして、ベース監視期間タイマの計時値が、取得したベース判定時間のデータと一致するか否かを判断する(S666)。
S666によりベース監視期間タイマの計時値がベース判定時間のデータと一致していないと判断されたときは、リターンする。一方、S666によりベース監視期間タイマの計時値がベース判定時間のデータと一致したと判断されたときは、ベース監視期間タイマを初期値(0)にリセットする(S667)。これにより、ベース監視期間タイマは、ベース判定時間スイッチ577により設定された単位時間が計時されるごとにリセットされる。そして、ベースに異常が生じたか否かを判定するベース異常判定演出処理(S668)を実行した後、リターンする。ベース異常判定演出処理の内容については、図48を用いて説明する。
図48は、ベース監視演出処理におけるベース異常判定演出処理(S668)を示すフローチャートである。ベース異常判定演出処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、以下のような処理を行なう。
まず、前述の異常監視設定処理によりRAM85に記憶された第1ベース異常判定値のデータと、第2ベース異常判定値のデータとを読出して取得する(S681)。そして、ベースカウンタの値を、取得した第1ベース異常判定値のデータに基づく第1ベース異常判定値と比較する(S682)。
そして、S682での比較においてベースカウンタの値が第1ベース異常判定値以上となったか否かを判断する(S683)。ベースカウンタの値が第1ベース異常判定値以上となったと判断されたときは、ベース異常回数カウンタの値を+1更新し(S684)、S686に進む。一方、ベースカウンタの値が第1ベース異常判定値未満となったと判断されたときは、ベース異常回数カウンタの値を初期値(0)にリセットし(S685)、S686に進む。ここで、ベース異常回数カウンタとは、ベースカウンタの値が第1ベース異常判定値以上となった回数を計数するカウンタであり、計数値がRAM85に記憶される。
S686では、次に、前述の異常監視設定処理によりRAM85に記憶されたベース異常決定回数のデータを読出して取得する(S686)。そして、ベース異常回数カウンタの値が、取得したベース異常決定回数のデータと一致するか否かを判断する(S687)。
S687によりベース異常回数カウンタの値がベース異常決定回数のデータと一致していないと判断されたときは、後述するS91に進む。一方、S687によりベース異常回数カウンタの値がベース異常決定回数のデータと一致したと判断されたときは、ベースカウンタの値が、取得した第2ベース異常判定値以上となったか否かを判断する(S688)。
S688により第2ベース異常判定値以上となっていないと判断されたときは、第1ベース異常信号をセットし(S689a)、後述するS690に進む。これにより、第1ベース異常信号が、情報出力回路53から情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。一方、S688により第2ベース異常判定値以上となったと判断されたときは、第2ベース異常信号をセットし(S689b)、S690に進む。これにより、第2ベース異常信号が、情報出力回路53から情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。
S690では、ベース異常回数カウンタをリセットし、S691に進む。S691では、ベースカウンタをリセットする。その後、リターンする。これにより、S687によりカウント値がベース異常決定回数のデータと一致したと判断されたときは、S690が実行されることにより、ベース異常回数カウンタがリセットされるので、ベース異常回数カウンタの値がベース異常決定回数のデータと一致するごとにベース異常回数カウンタがリセットされることとなる。
〔第5実施形態〕
次に、第5実施形態を説明する。第5実施形態においては、第1実施形態のように、入賞数異常状態であると判断されたときに、入賞数異常信号(第1入賞数異常信号または第2入賞数異常信号)を出力する構成において、入賞数異常信号を出力する条件として、所定の頻度で入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となったという条件を用いる例を説明する。第5実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
図49は、第5実施形態による入賞数異常判定処理を示すフローチャートである。この入賞数異常判定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、以下のような処理を行なう。
まず、判定回数カウンタの値を+1更新する(S50)。ここで、判定回数カウンタは、入賞数異常判定処理を実行した回数、すなわち、入賞数の異常判定を実行した回数を計数するカウンタであって、計数値がRAM55に記憶される。そして、前述したS51およびS52が行なわれる。
次に、図8において監視対象として示す各通常入賞口および各始動口のそれぞれに対応する入賞数異常回数カウンタのうち、S52での比較において入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となった入賞口に対応する入賞数異常回数カウンタについて+1更新する(S53a)。そして、判定回数カウンタの値が、予め定められた異常頻度判定回数値(たとえば、5回)と一致したか否かを判断する(S53b)。ここで、異常頻度判定回数値としては、固定的に定められたデータを用いてもよく、スイッチにより複数のデータから選択されるデータを用いてもよい。
S53bにより判定回数カウンタの値が異常頻度判定回数値と一致していないと判断されたときは、後述するS59に進む。一方、S53bにより判定回数カウンタの値が異常頻度判定回数値と一致したと判断されたときは、前述の異常監視設定処理によりRAM55に記憶された入賞数異常決定回数のデータを、読出して取得する(S54)。なお、入賞数異常決定回数のデータとしては、入賞数異常決定回数スイッチ574に限らず、異常頻度判定回数値設定専用として設けられたスイッチにより選択される異常頻度判定回数のデータを用いてもよい。
次に、各通常入賞口および各始動口のそれぞれに対応する入賞数異常回数カウンタのうち、カウント値が、取得した入賞数異常決定回数のデータと一致した入賞数異常回数カウンタがあるか否かを判断することにより、カウント値が入賞数異常決定回数以上の頻度の入賞数異常回数カウンタがあるか否かを判断する(55a)。つまり、S55aでは、異常頻度判定回数値が5回であるときに、入賞数異常決定回数が3回に設定されていると、5回のうち3回という頻度で、カウント値が入賞数異常決定回数以上となった入賞数異常回数カウンタがあるか否かが判断される。
S55aによりカウント値が入賞数異常決定回数以上の頻度の入賞数異常回数カウンタがないと判断されたときは、後述するS58に進む。一方、S55aによりカウント値が入賞数異常決定回数以上の頻度の入賞数異常回数カウンタがあると判断されたときは、カウント値が入賞数異常決定回数以上の頻度となった入賞数異常回数カウンタについてカウント値の最大値が第2入賞数異常判定値以上となったものがあるか否かを判断する(S56)。
S56より第2入賞数異常判定値以上となったものがないと判断されたときは、第1入賞数異常信号をセットし(S57a)、後述するS58に進む。これにより、ここでセットされた第1入賞数異常信号が、図19のS109において情報出力回路53から情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。一方、S56より第2入賞数異常判定値以上となったものがあると判断されたときは、第2入賞数異常信号をセットし(S57b)、S58に進む。これにより、ここでセットされた第2入賞数異常信号が、図19のS109において情報出力回路53から情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。
S58では、すべての入賞数異常回数カウンタをリセットする。そして、判定回数カウンタの値をリセットし(S58a)、S59に進む。S59では、すべての入賞数カウンタをリセットし(S59)、リターンする。これにより、S53bによりカウント値が入賞数異常決定回数のデータと一致した入賞数異常回数カウンタがあると判断されたときは、S58が実行されることにより、すべての入賞数異常回数カウンタがリセットされるので、少なくとも1つのカウント値が入賞数異常決定回数のデータと一致するごとに入賞数異常回数カウンタがリセットされることとなる。これにより、S53bにより判定回数カウンタの値が異常頻度判定回数値と一致していないと判断されたとき、および、S53bにより判定回数カウンタの値が異常頻度判定回数値と一致したと判断されたときの両方において、すべての入賞数異常回数カウンタがリセットされることとなる。
なお、第1実施形態のベース異常判定処理において、ベース数異常信号を出力する条件として、所定の頻度でベースカウンタの値が第1ベース異常判定値以上となったという条件を用いるようにしてもよい。
〔第6実施形態〕
次に、第6実施形態を説明する。第6実施形態においては、第2実施形態のように、入賞数異常状態であると判断されたときに、入賞数異常コマンド(第1入賞数異常コマンドまたは第2入賞数異常コマンド)を出力する構成において、入賞数異常コマンドを出力する条件として、所定の頻度で入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となったという条件を用いる例を説明する。第6実施形態については、第5実施形態と異なる部分を主に説明する。
図50は、第6実施形態による入賞数異常判定処理を示すフローチャートである。図50に関しては、図49の入賞数異常判定処理との共通部分に、同一のステップ番号を付与し、重複した説明を繰返さない。
図50の入賞数異常判定処理が図49と異なるのは、図49のS57aの代わりにS57cが用いられ、図49のS57bの代わりにS57dが用いられることである。
S56により第2入賞数異常判定値以上となったものがないと判断されたときは、第1入賞数異常コマンドをセットし(S57c)、S58に進む。これにより、ここでセットされた第1入賞数異常コマンドが、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。一方、S56により第2入賞数異常判定値以上となったものがあると判断されたときは、第2入賞数異常コマンドをセットし(S57b)、S58に進む。これにより、ここでセットされた第2入賞数異常コマンドが、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。
このような処理を行なうことにより、入賞数異常状態であると判断されたときに、入賞数異常コマンド(第1入賞数異常コマンドまたは第2入賞数異常コマンド)を出力する構成において、入賞数異常コマンドを出力する条件として、所定の頻度で入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となったという条件を用いることができる。
なお、第2実施形態のベース異常判定処理において、ベース異常コマンドを出力する条件として、所定の頻度でベースカウンタの値が第1ベース異常判定値以上となったという条件を用いるようにしてもよい。
〔第7実施形態〕
次に、第7実施形態を説明する。第7実施形態においては、第4実施形態のように、演出制御用マイクロコンピュータ800により前述の異常報知演出を実行させる場合における異常状態であるか否かの判定を演出制御用マイクロコンピュータ800において行なう構成において、入賞数異常報知演出を実行する条件として、所定の頻度で入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となったという条件を用いる例を説明する。第7実施形態については、第4実施形態と異なる部分を主に説明する。
図51は、第7実施形態による入賞数異常判定処理を示すフローチャートである。図51に関しては、図46の入賞数異常判定処理との共通部分に、同一のステップ番号を付与し、重複した説明を繰返さない。
まず、図49等の入賞数異常判定処理におけるS50で用いた判定回数カウンタと同様の判定回数カウンタの値を+1更新する(S650)。そして、前述したS651およびS652が行なわれる。次に、S653a〜S656により、図49等の入賞数異常判定処理におけるS53a〜S56と同様の処理を行なう。そして、S656により第2入賞数異常判定値以上となったものがないと判断されたときは、前述のような第1入賞数異常報知演出を実行し(S657a)、後述するS658に進む。一方、S656により第2入賞数異常判定値以上となったものがあると判断されたときは、前述のような第2入賞数異常報知演出を実行し(S657b)、S658に進む。そして、S658〜S659により、図49等の入賞数異常判定処理におけるS58〜S59と同様の処理を行なう。
このような処理を行なうことにより、演出制御用マイクロコンピュータ800により前述の異常報知演出を実行させる場合における異常状態であるか否かの判定を演出制御用マイクロコンピュータ800において行なう構成において、入賞数異常報知演出を実行する条件として、所定の頻度で入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となったという条件を用いる。
なお、第4実施形態のベース異常判定処理において、ベース異常報知演出を実行する条件として、所定の頻度でベースカウンタの値が第1ベース異常判定値以上となったという条件を用いるようにしてもよい。
〔変動表示の変形例〕
次に、変動表示装置9における表示演出の変形例を説明する。以下の説明においては、変動表示装置9の表示画面が円形であり、その左右両側に龍の形状をした一対の可動部材が設けられている構成における表示演出を説明する。図52〜図63は、それぞれの表示演出における表示内容を説明するための説明図である。図64〜図86は、表示演出の具体例を示す説明図である。なお、図52〜図63における表題番号(丸付き数字等)は、図64〜図86における表題番号(丸付き数字等)と対応している。すなわち、図52〜図63における表題番号で特定される表示演出(例えば、図52の「ノーマルリーチ」)の「内容」欄の記載が、図64〜図86における同番号で示される図64の表示演出の説明に相当する。また、図52〜図63におけるNo.の欄の通し番号(例えば、1〜8)は、図64〜図86において付されている通し番号(例えば、1〜8)に対応する。
図52は、「ノーマルリーチ」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。
図53は、「ANY4リーチ(顔が4つ揃うと当り)」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。
図54は、「チャンス目→スーパーリーチ」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。
図55は、「チャンス目→スーパーリーチ2」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。
図56は、「稲光輪リーチ」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。
図57は、「バトルリーチ」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。
図58は、「スライドリーチ」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。
図59は、「キューブリーチ」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。
図60は、「予告パターン(セリフ)」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。
図61は、「予告パターン(旗→ボタン→馬)」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。
図62は、「夢夢チャンス(大当り昇格中)」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。
図63は、「オールアイテム当り」の表示演出における表示内容を説明するための説明図である。
図64は、図52に示された表示内容を有する表示演出である「ノーマルリーチ」における表示演出の具体例を示す説明図である。
図65は、図53に示された表示内容を有する表示演出である「ANY4リーチ(顔が4つ揃うと当り)」における表示演出の具体例を示す説明図である。
図66〜図68は、図54に示された表示内容を有する表示演出である「チャンス目→スーパーリーチ」における表示演出の具体例を示す説明図である。
図69および図70は、図55に示された表示内容を有する表示演出である「チャンス目→スーパーリーチ2」における表示演出の具体例を示す説明図である。
図71および図72は、図56に示された表示内容を有する表示演出である「稲光輪リーチ」における表示演出の具体例を示す説明図である。
図73〜図75は、図57に示された表示内容を有する表示演出である「バトルリーチ」における表示演出の具体例を示す説明図である。
図76および図77は、図58に示された表示内容を有する表示演出である「スライドリーチ」における表示演出の具体例を示す説明図である。
図78〜図80は、図59に示された表示内容を有する表示演出である「キューブリーチ」における表示演出の具体例を示す説明図である。
図81は、図60に示された表示内容を有する表示演出である「予告パターン(セリフ)」における表示演出の具体例を示す説明図である。
図82は、図61に示された表示内容を有する表示演出である「予告パターン(旗→ボタン→馬)」における表示演出の具体例を示す説明図である。
図83〜図85は、図62に示された表示内容を有する表示演出である「夢夢チャンス(大当り昇格中)」における表示演出の具体例を示す説明図である。
図86は、図63に示された表示内容を有する表示演出である「オールアイテム当り」における表示演出の具体例を示す説明図である。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図23のS42〜S45,S48、および、図24のS52に示すように、入賞数判定時間中における監視対象の入賞口への遊技球の入賞数が算出され、その算出された入賞数と、第1,第2入賞数異常判定値とを比較することに基づいて、監視対象の入賞口への入賞に関する異常が生じたか否かが判定され、異常が生じたと判定されたときに、第1入賞数異常信号または第2入賞数異常信号が遊技機外部に出力される。これにより、監視対象の入賞口への入賞に関する異常が生じたときに、そのような異常が生じたということをパチンコ遊技機1の外部において得られる情報によりホール管理コンピュータ200のような装置によって確認することができるようになる。そして、図18のS304,S305に示すように、図5および図6に示す異常監視設定スイッチ57の入賞数異常判定値スイッチ572による操作に応じて、このような異常が生じたか否かの判定に用いられる第1,第2入賞数異常判定値が変更される。これにより、パチンコ遊技機1において、第1,第2入賞数異常判定値の設定を変更することができるようになり、監視対象の入賞口への入賞に関する異常をより厳密に管理することができる。たとえば、パチンコ遊技機1の機種に応じた異常判定値の設定変更、および、遊技場におけるパチンコ遊技機1の設置状況に応じた異常判定値の設定変更をすることができる等、異常判定値を柔軟に設定できることにより、監視対象の入賞口への入賞に関する異常をより厳密に管理することができるようになる。
(2) 図23のS42〜S45,S48、および、図24のS52に示すように、入賞数判定時間中における監視対象の入賞口への遊技球の入賞数が算出され、その算出された入賞数と、第1,第2入賞数異常判定値とを比較することに基づいて、監視対象の入賞口への入賞に関する異常が生じたか否かが判定され、異常が生じたと判定されたときに、第1入賞数異常コマンドまたは第2入賞数異常コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ800に出力される。これにより、監視対象の入賞口への入賞に関する異常が生じたときに、たとえば、第2実施形態および第3実施形態に示したような第1入賞数異常報知演出または第2入賞数異常報知演出が実行される等、そのような異常が生じたということを演出制御用マイクロコンピュータ800を通じて得られる情報によりパチンコ遊技機1において確認することが可能となり、そのような異常を早期発見することができるようになる。パチンコ遊技機1の外部において得られる情報によりホール管理コンピュータ200のような装置によって確認することができるようになる。そして、図18のS304,S305に示すように、図5および図6に示す異常監視設定スイッチ57の入賞数異常判定値スイッチ572による操作に応じて、このような異常が生じたか否かの判定に用いられる第1,第2入賞数異常判定値が変更される。これにより、パチンコ遊技機1において、第1,第2入賞数異常判定値の設定を変更することができるようになり、監視対象の入賞口への入賞に関する異常をより厳密に管理することができる。たとえば、パチンコ遊技機1の機種に応じた異常判定値の設定変更、および、遊技場におけるパチンコ遊技機1の設置状況に応じた異常判定値の設定変更をすることができる等、異常判定値を柔軟に設定できることにより、監視対象の入賞口への入賞に関する異常をより厳密に管理することができるようになる。
(3) 図24,図33のS52、図24のS57a、および、図33のS57cに示すように、監視対象の各入賞口への入賞数を検出する入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値に達しているときに、異常が生じたと判定する第1の判定が行なわれて、第1入賞数異常信号および第1入賞数異常コマンドのような第1の異常信号が出力され、図24,図33のS56、図24のS57b、および、図33のS57dに示すように、監視対象の各入賞口への入賞数を検出する入賞数カウンタの値が第2入賞数異常判定値に達しているときに、異常が生じたと判定する第2の判定が行なわれて第2入賞数異常信号、第2入賞数異常コマンドのような第2の異常信号が出力されるので、第1の異常信号と第2の異常信号とにより2段階のレベルに分けて異常が生じた旨が示される。これにより、監視対象の各入賞口への入賞に関する異常をより一層厳密に管理することができる。
(4) 図36のS221〜S224に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力された第1入賞数異常コマンドおよび第2入賞数異常コマンド異常信号のような異常信号に基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ800で装飾ランプ25、スピーカ27、および、変動表示装置9のような演出装置を制御することにより、監視対象の入賞口への入賞に関する異常が生じた旨が報知されるので、このような演出装置を用いた演出により監視対象の入賞口への入賞に関する異常が生じた旨が報知されることとなるため、そのような異常が生じたということをこのような演出装置から得られる情報によりパチンコ遊技機1において確認することが可能となり、そのような異常をより一層早期発見することができるようになる。
(5) 第4実施形態に示すような演出制御用マイクロコンピュータ800において、図45のS632〜S635,S646、および、図46のS652に示すように、入賞数判定時間中における監視対象の入賞口への遊技球の入賞数が算出され、その算出された入賞数と、第1,第2入賞数異常判定値とを比較することに基づいて、監視対象の入賞口への入賞に関する異常が生じたか否かが判定される。そして、異常が生じたと判定されたときに、図46のS657a,S657bに示すように、演出制御用マイクロコンピュータ800によって、装飾ランプ25、スピーカ27、および、変動表示装置9のような演出装置を制御することにより、第1入賞数異常報知演出または第2入賞数異常報知演出が実行され、監視対象の入賞口への入賞に関する異常が生じた旨が報知される。これにより、そのような異常が生じたということを演出装置から得られる情報によりパチンコ遊技機1において確認することが可能となり、そのような異常をより一層早期発見することができるようになる。そして、図43のS201a、図18のS304,S305に示すように、図5および図6に示す異常監視設定スイッチ57の入賞数異常判定値スイッチ572による操作に応じて、このような異常が生じたか否かの判定に用いられる第1,第2入賞数異常判定値が変更される。これにより、パチンコ遊技機1において、第1,第2入賞数異常判定値の設定を変更することができるようになり、監視対象の入賞口への入賞に関する異常をより厳密に管理することができる。たとえば、パチンコ遊技機1の機種に応じた異常判定値の設定変更、および、遊技場におけるパチンコ遊技機1の設置状況に応じた異常判定値の設定変更をすることができる等、異常判定値を柔軟に設定できることにより、監視対象の入賞口への入賞に関する異常をより厳密に管理することができるようになる。
(6) 図36のS222,S224、および、図46のS657a,S657bに示すように、監視対象の入賞口についての異常が生じたと判定されたときに、図36、図46の第1入賞数異常報知演出および第2入賞数異常報知演出のように、予め定められた複数種類の報知態様のうちから選択した報知態様により報知が行なわれるので、報知のバリエーションが豊富になり、たとえば、異常の種類に応じて報知態様を変更することが可能となる。
(7) 第3実施形態の図37、図36のS221〜S224、および、図29のS401〜S403に示すように、監視対象の入賞口についての異常が生じたと判定されたときには、変動表示装置9により識別情報の変動表示が開始された後も報知が継続される。このような継続した報知が行なわれることにより、監視対象の入賞口への入賞に関する異常が生じたときに、そのような異常を早期発見することができるようになる。
(8) 図18のS306,S307、図43のS201aに示すように、図38の異常監視設定スイッチ57における入賞数判定時間スイッチ573による操作に応じて、入賞数判定時間が変更される。これにより、パチンコ遊技機1において、監視対象の入賞口への入賞に関する異常判定に用いる入賞数判定時間を変更することができるようになり、監視対象の入賞口に関する異常をより一層厳密に管理することができる。
(9) 図24のS55、図33のS55、図46のS655に示すように、入賞数カウンタの値が、設定された入賞数異常決定回数以上続いて、第1異常判定値以上になったという入賞状況判定条件が成立したときに、監視対象の入賞口への入賞に関する異常が生じたと判定されるので、監視対象の入賞口への入賞数が一時的に増加した状態が、監視対象の入賞口への入賞に関する異常として判定されてしまうのを防ぐことができる。
(10) 図49のS55a、図50のS55a、図51のS655aに示すように、入賞数カウンタの値が、設定された所定の頻度で、第1異常判定値以上になったという入賞状況判定条件が成立したときに、監視対象の入賞口への入賞に関する異常が生じたと判定されるので、監視対象の入賞口への入賞数が一時的に増加した状態が、監視対象の入賞口への入賞に関する異常として判定されてしまうのを防ぐことができる。
(11) 図18のS308,S309、図43のS201aに示すように、図4および図38の異常監視設定スイッチ57における入賞数異常決定回数スイッチ574による操作に応じて、監視対象の入賞口への入賞に関する異常を判定するために用いられる入賞状況判定条件が変更される。これにより、パチンコ遊技機1において、入賞状況判定条件を変更することができるようになり、監視対象の入賞口への入賞に関する異常をより一層厳密に管理することができる。
(12) 図17のS15a、図18のS304,S305に示すように、パチンコ遊技機1の電源投入時にのみ、入賞数異常判定値スイッチ572に基づいて第1異常判定値および第2異常判定値が変更されるので、不正行為者により異常判定値が不正に変更されるのを防止することができる。
(13) 図17のS15a、図18のS306,S307に示すように、パチンコ遊技機1の電源投入時にのみ、入賞数判定時間スイッチ573に基づいて入賞数判定時間が変更されるので、不正行為者により入賞数判定時間が不正に変更されるのを防止することができる。
(14) 図17のS15a、図18のS308,S309に示すように、パチンコ遊技機1の電源投入時にのみ、入賞数異常決定回数スイッチ574に基づいて入賞数異常決定回数が変更されるので、不正行為者により入賞数異常決定回数が不正に変更されるのを防止することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、変動表示部について、特別図柄表示器8と変動表示装置9とで構成される例を説明した。しかし、これに限らず、変動表示部は、特別図柄を表示する特別図柄表示装置のみで構成されるようにしてもよい。その場合には、変動表示装置9と同様の画像が表示可能な表示装置により特別図柄表示装置を構成し、当該特別図柄表示装置で表示する特別図柄として、前述した飾り図柄と同様の図柄を表示するとともに、前述した背景画像等の飾り図柄以外の各種画像を同様に表示するように制御する。
(2) 演出制御を行なう装置の構成は、前述したようなものに限らず、次のような構成を採用してもよい。表示制御を行なうマイクロコンピュータと、音制御を行なうマイクロコンピュータと、ランプ制御を行なうマイクロコンピュータとを設け、遊技制御用マイクロコンピュータが、これらのマイクロコンピュータのそれぞれに、表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを与え、そのコマンドに応じて各マイクロコンピュータが各制御を個別に実行するような構成を採用してもよい。
(3) 変動表示装置9の表示制御を行なう表示制御用マイクロコンピュータを設けた表示制御基板と、たとえば音制御およびランプ制御を行なう音・ランプ用マイクロコンピュータを設けた音・ランプ制御基板とを設け、主基板31に設けた遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータが受信し、その受信したコマンドに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータが、表示制御を行なうとともに、音・ランプ制御用マイクロコンピュータに音制御およびランプ制御を指令するための音・ランプ制御コマンドを送信し、音・ランプ制御用マイクロコンピュータが、その音・ランプ制御コマンドを受信して音制御およびランプ制御を行なうようにしてもよい。なお、この場合の音・ランプ制御用マイクロコンピュータは、音制御を行なう音制御用マイクロコンピュータ(音制御基板に設ける)と、ランプ制御を行なうランプ制御用マイクロコンピュータ(ランプ制御基板に設ける)とに分けて設け、音制御用マイクロコンピュータには音制御を指令するための音制御コマンドを送信し、ランプ制御を指令するためのランプ制御コマンドを送信するようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、パチンコ遊技機1において、入賞に関する異常監視処理として、入賞数監視処理とベース監視処理との両方を実行する例を示した。しかし、これに限らず、異常監視処理として入賞数監視処理のみを実行するようにしてもよい。また、異常監視処理としてベース監視処理のみを実行するようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、異常監視設定スイッチ57を遊技制御基板31に設ける例と、異常監視設定スイッチ57を演出制御基板31に設ける例とを示した。しかし、これに限らず、異常監視設定スイッチ57は、音声出力基板70またはランプドライバ基板35等のその他の場所に設けるようにしてもよい。また、異常監視設定スイッチ57は、基板以外の場所に設けてもよい。
(6) 入賞数異常信号または入賞数異常コマンドを出力する条件として、入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となることが複数回になったことが条件とされる場合、または、入賞数カウンタの値が第1入賞数異常判定値以上となることが所定の頻度になったことが条件とされる場合においては、遊技球が発射されていないと判断されるときに、入賞数カウンタの計数値を入賞数の異常判定に用いないようにしてもよい。具体的には、入賞数判定時間中において、特定の入賞口(たとえば、第1始動口)への入賞数が所定値(たとえば、0個)となったときに、遊技球が発射されていないと判断して、その計数値を異常判定に用いないようにすればよい。このようにすれば、不正行為者が意図的に遊技球の発射を止めて、不正行為による異常判定を回避するのを防ぐことができる。
(7) ベース異常信号またはベース異常コマンドを出力する条件として、入賞数カウンタの値が第1ベース異常判定値以上となることが複数回になったことが条件とされる場合、または、ベースカウンタの値が第1ベース異常判定値以上となることが所定の頻度になったことが条件とされる場合においては、遊技球が発射されていないと判断されるときに、ベースカウンタの計数値を入賞数の異常判定に用いないようにしてもよい。具体的には、ベース判定時間中において、特定の入賞口(たとえば、第1始動口)への入賞数が所定値(たとえば、0個)となったときに、遊技球が発射されていないと判断して、その計数値を異常判定に用いないようにすればよい。このようにすれば、不正行為者が意図的に遊技球の発射を止めて、不正行為による異常判定を回避するのを防ぐことができる。
(8) 前述した第2実施形態および第3実施形態等に示すように演出制御用マイクロコンピュータ800の制御により異常報知演出を行なうときについては、異常報知演出を所定時間に亘り実行する例を説明した。しかし、これに限らず、前述のような異常報知演出を実行するときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560において所定の異常状態解除条件が成立したときに、異常報知演出終了コマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ800は、その異常報知演出終了コマンドを受信したときに異常報知演出を終了させるようにしてもよい。また、前述のような異常報知演出を実行するときには、パチンコ遊技機1の電源遮断時において、異常報知演出を終了させるようにしてもよい。また、異常監視設定スイッチ57等に、異常報知演出を終了させるための異常報知クリアスイッチを設けておき、その異常報知クリアスイッチが操作されたときに、異常報知演出を終了させるようにしてもよい。
(9) 前述した第2実施形態および第3実施形態等に示すように演出制御用マイクロコンピュータ800の制御により異常報知演出を行なうときについては、前述のように異常状態を複数のレベル(たとえば、前述の第1入賞数異常状態、第2入賞数異常状態、第1ベース異常状態、第2ベース異常状態)に分け、そのレベルごとに、異常報知演出に用いられる音の種類を変更するようにしてもよい。また、そのようなレベルごとに、異常報知演出に用いられるランプ動作の種類を変更するようにしてもよい。また、そのようなレベルごとに、異常報知演出に用いられる音の種類および異常報知演出に用いられるランプ動作の種類を変更するようにしてもよい。
(10) 前述した第2実施形態および第3実施形態等に示すように演出制御用マイクロコンピュータ800の制御により異常報知演出を行なうときについては、前述のように異常状態を複数のレベル(たとえば、前述の第1入賞数異常状態、第2入賞数異常状態、第1ベース異常状態、第2ベース異常状態)に分け、そのレベルごとに、異常報知演出に用いられる音の種類を変更するようにしてもよい。また、そのようなレベルごとに、異常報知演出に用いられるランプ動作の種類を変更するようにしてもよい。また、そのようなレベルごとに、異常報知演出に用いられる音の種類および異常報知演出に用いられるランプ動作の種類を変更するようにしてもよい。
(11) 前述した第2実施形態および第3実施形態等に示すように演出制御用マイクロコンピュータ800の制御により、変動表示装置9における画像表示、スピーカ27からの音、および、ランプの動作を組合せて異常報知演出を行なうときについては、前述のように異常状態を複数のレベル(たとえば、前述の第1入賞数異常状態、第2入賞数異常状態、第1ベース異常状態、第2ベース異常状態)に分け、そのレベルごとに、異常報知演出に用いられる画像表示、音、ランプ動作の組合せを変更するようにしてもよい。たとえば、第1入賞数異常状態または第1ベース異常状態のときには、画像表示およびランプ動作の組合せにより異常報知演出を実行し、第2入賞数異常状態または第2ベース異常状態のときには、画像表示、ランプ動作、音の組合せにより異常報知演出を実行するようにすればよい。
(12) 前述した実施の形態においては、異常監視設定スイッチ57における入賞数およびベースに関する異常監視を行なうときの各種データの設定変更が、パチンコ遊技機1の電源投入時にのみ行なわれる例を示した。しかし、これに限らず、異常監視設定スイッチ57における入賞数およびベースに関する異常監視を行なうときの各種データの設定変更は、パチンコ遊技機1の電源投入時から所定時間(たとえば、10分程度)が経過するまでに限り、各スイッチの操作に基づいて行なわれるようにしてもよい。このようにすれば、入賞数およびベースに関する異常監視を行なうときの各種データの設定変更をより自由に行なうことができる。なお、このような構成を採用するときには、変動表示装置9等の所定の表示装置において異常監視設定スイッチ57の操作案内情報を表示するようにしてもよい。また、このような構成を採用するときには、変動表示装置9等の所定の表示装置において異常監視設定スイッチ57による操作の有効期間を表示するようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(14) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(15) 前述した実施形態においては、特別図柄表示器8で導出表示される大当り図柄(大当り表示結果)の種類により大当りの種類を示す例を説明した。しかし、これに限らず、特別図柄表示器8で導出表示される図柄としては、大当りの種類が特定されない大当り図柄を用いるようにしてもよい。その場合には、特別図柄表示器8で変動表示される特別図柄は、大当りの種類が特定されない大当り図柄と、はずれ図柄とで構成される。
(16) 前述した実施の形態では、飾り図柄の変動表示結果を指示するために用いられるコマンドとして、大当り判定の判定結果、および、大当り種類の選択結果を指定する表示結果コマンドを送信する例を示した。しかし、これに限らず、飾り図柄の変動表示結果を指示するためのコマンドとしては、飾り図柄の表示結果(停止図柄の組合せ)を直接的に指定するコマンドを用いてもよい。その場合に、演出制御用マイクロコンピュータ800は、コマンドにより指定された停止図柄の組合せに基づいて、大当り判定の判定結果、および、大当り種類の選択結果を認識する。
(17) 前述した実施の形態では、入賞数カウンタおよびベースカウンタ等の値監視対象となる数値データが、異常判定値以上となったときに異常であると判定する例を示した。しかし、これに限らず、入賞数カウンタおよびベースカウンタ等の値監視対象となる数値データが、異常判定値を超えたときに異常であると判定するようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態では、たとえば図23および図24に示すように、入賞数異常監視処理において、監視対象となる入賞口ごとに、入賞数カウンタにより入賞数を計数して入賞数の異常判定を行なう例を示した。しかし、これに限らず、監視対象となる入賞口の入賞数の合計値を1つの入賞数カウンタにより計数し、監視対象となる入賞口の入賞数の合計値について設定された第1入賞数異常判定値および第2入賞数異常判定値を用いて入賞数の異常判定を行なうようにしてもよい。これにより、監視対象となる入賞口について、まとめて入賞数の異常判定を行なうことができる。
(19) 前述した実施の形態では、たとえば図8、図23および図24に示すように、入賞数異常監視処理における監視対象となる入賞口として、各通常入賞口(第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39)および各始動口(第1始動口15a、第2始動口15b)を用いる例を示した。しかし、これに限らず、入賞数異常監視処理における監視対象となる入賞口としては、各始動口を用いずに、各通常入賞口のみを用いるようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態では、入賞数異常監視処理およびベース監視処理のそれぞれについて、通常入賞口および始動口のすべてを監視対象として監視を行なう例を示した。しかし、これに限らず、入賞数異常監視処理およびベース監視処理のそれぞれについては、すべての通常入賞口および始動口のうちの一部を監視対象として監視を行なうようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態では、ベース異常判定処理において、ベースカウンタにより単位時間における賞球数の合計値を計数する例を示した。しかし、これに限らず、100球の発射球が検出される間における賞球数の合計値をベースカウンタにより計数し、100球の発射球に関して設定された第1ベース異常判定値および第2ベース異常判定値を用いてベースの異常判定を行なうようにしてもよい。
(22) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
29 第1通常入賞口、30 第2通常入賞口、33 第3通常入賞口33、39 第4通常入賞口39、15a 第1始動口、15b 第2始動口、7 遊技領域、1 パチンコ遊技機、29a,30a,33a,39a 入賞口スイッチ、14a 第1始動口スイッチ、14b 第2始動口スイッチ、57 異常監視設定スイッチ57、572 入賞数異常判定値スイッチ572、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、55,85 RAM、9 変動表示装置9、25 装飾ランプ、28a 天枠ランプ、28b 左枠ランプ、28c 右枠ランプ、27 スピーカ、56,86 CPU、800 演出制御用マイクロコンピュータ、573 入賞数判定時間スイッチ573、574 入賞数異常決定回数スイッチ。