(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点灯/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部083Fに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部083Fについて説明する。
主基板11の側においては、CPU103が遊技制御に用いる乱数値として、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5等がカウント可能に制御される。乱数値MR1〜MR5は、CPU103により、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、カウンタとしての乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
CPU103は、第1始動入賞口への始動入賞が検出されたタイミング、および、第2始動入賞口への始動入賞が検出されたタイミングで、特図表示結果判定用の乱数値MR1の数値データをカウンタから抽出し、抽出した数値データに基づいて、大当り判定、小当り判定等の当否判定等(小当り決定時の停止図柄、ハズレ決定時の停止図柄の決定も含む)を行うことが可能である。CPU103は、第1始動入賞口への始動入賞が検出されたタイミング、および、第2始動入賞口への始動入賞が検出されたタイミングで、大当り種別判定用の乱数値MR2の数値データをカウンタから抽出し、抽出した数値データに基づいて、大当りの種別を複数種類の大当り種別から選択決定する大当り種別判定等(大当り種別毎の停止図柄の決定も含む)を行うことが可能である。CPU103は、第1始動入賞口への始動入賞が検出されたタイミング、および、第2始動入賞口への始動入賞が検出されたタイミングで、変動パターン判定用の乱数値MR3をカウンタから抽出し、抽出した乱数値MR3を加工して演出制御用CPU120へ送信することが可能である。
始動入賞が検出されたタイミングで抽出された乱数値MR1、乱数値MR2、および、乱数値MR3は、保留情報(保留データ)としてRAM102に保留記憶される。そして、CPU103では、乱数値MR1による当否判定、および、乱数値MR2による大当り種別判定のそれぞれが、演出制御用CPU120での保留先読み予告演出等の演出の実行のために、始動入賞が検出されたタイミングで実行される。始動入賞が検出されたタイミングでの乱数値MR3による変動パターン判定は、CPU103では実行されず、演出制御用CPU120において、加工された乱数値MR3を復元して実行される。その後、変動表示の開始タイミングにおいては、変動表示を実行するために、このような乱数値MR1、乱数値MR2、および、乱数値MR3の保留情報に基づいて、当否判定等、大当り種別判定等、および、変動パターン判定が実行される。
特徴部083Fについては、遊技制御側(メイン側とも称する)のCPU103が抽出した変動パターン判定用の乱数値MR3の数値データに基づいて、演出制御側(サブ側とも称する)の演出制御用CPU120が可変表示を実行可能である場合において、CPU103が乱数値MR3の数値データを加工した特定コマンドを演出制御用CPU120に出力し、演出制御用CPU120が、受信した特定コマンドから乱数値MR3の数値データを復元し、復元された乱数値MR3の数値データに基づいて可変表示に対応した演出を制御する例を主に説明する。
まず、特徴部083Fの遊技制御により制御される遊技状態を説明する。特徴部083Fでは、大当りとすることが決定されたときに、大当り種別が「非確変」(通常大当り)、「確変」(確変大当り)のいずれかの大当りに選択決定される設定を一例として説明する。
通常大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後において、低確率状態(非確変状態)で所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されるまでの間、時短状態(高ベース状態)となる。このような遊技状態は、低確高ベース状態と呼ばれる。そのような時短状態が終了した後は、低確率状態(非確変状態)で低ベース状態(第2始動入賞口に遊技球が進入しにくくなる制御状態)に制御される。このような遊技状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。パチンコ遊技機1の電源投入時における起動当初の状態は、基本的に低確低ベース状態である。
確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後において、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されるまでの間、高確率状態(確変状態)かつ時短状態(高ベース状態)となる。このような遊技状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。そのような高確高ベース状態が終了した後は、低確低ベース状態に制御される。小当りの場合は、小当り遊技状態の終了前後で遊技状態が変化しない。
図8−1は、演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図8−1に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図8−1に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される飾り図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や飾り図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド96XXHは、パチンコ遊技機1においてエラー(異常)の発生および発生したエラー(異常)の種別を指定するエラー(異常)指定コマンドである。エラー(異常)指定コマンドでは、例えば、各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されることにより、演出制御基板12側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのかを特定することができ、特定したエラー(異常)の発生が、後述するエラー報知処理によって報知される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、画像表示装置5などにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、画像表示装置5などにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC3XXHは、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。
コマンドD0XXHは、新たに設定された設定値を主基板11から演出制御基板12(演出制御用CPU120)に指定するための設定値指定コマンドである。
コマンドE101Hは、パチンコ遊技機1がRAM102の内容をクリアせずに起動したこと(電断復旧したこと、ホットスタートとも言う)を通知するホットスタート通知コマンドである。コマンドE102Hは、パチンコ遊技機1がRAM102の内容をクリアして起動したこと(コールドスタート)を通知するコールドスタート通知コマンドである。コマンドE103Hは、パチンコ遊技機1において設定値の変更操作が開始されたこと(パチンコ遊技機1が設定値変更状態で起動したこと)を通知する設定値変更開始通知コマンドである。コマンドE104Hは、パチンコ遊技機1において設定値の変更操作が終了したことを通知する設定値変更終了通知コマンドである。コマンドE105Hは、パチンコ遊技機1において設定値の確認操作が開始されたこと(パチンコ遊技機1が設定値確認状態で起動したこと)を通知する設定値確認開始通知コマンドである。コマンドE106Hは、パチンコ遊技機1の設定値の確認操作が終了したことを通知する設定値変更終了通知コマンドである。
コマンドD0XXHで説明した設定値、および、コマンドE103H〜E106Hで説明した設定値変更について、以下に、簡単に説明する。
本実施の形態のパチンコ遊技機1は、遊技場側の者(遊技場の店員等)による所定のスイッチ等の操作手段等を用いた設定変更操作により設定値に応じた大当りの当選確率が変わる構成とされている。例えば遊技制御用のCPU103において、設定変更操作に応じてパチンコ遊技機1に設定する大当りの当選確率を変更可能とする設定変更処理が実行される。これにより、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブルを用いることにより、大当りの当選確率を変更可能とする設定変更処理が実行される。設定値は例えば1〜6の6段階(複数段階)からなり、大当りの当選確率が設定値1<設定値2<設定値3<設定値4<設定値5<設定値6の順に当選確率が高くなる。すなわち、設定値として設定値1が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が低く、設定値2〜設定値6の順番で有利度が段階的に高くなる。なお、設定値は、複数段階設けられていればよく、6段階に限定されるものではない。このように大当りの当選確率を変更可能とすることに応じて出球率(単位時間あたりの出球数(賞球数))が変化するため、設定値を変更することは出玉率を変更するとも言える。
例えば、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、電源投入時の設定変更操作による設定値の選択に応じて大当りの当選確率が変わる。6段階の設定値のうち、例えば設定値4、設定値5、設定値6は、大当りの当選確率が高い高設定と呼ばれ、例えば設定値1、設定値2、設定値3は、大当りの当選確率が低い低設定と呼ばれる場合がある。
また、小当りの当選確率については、大当りの当選確率と同様に、設定値1〜設定値6の設定により変更可能としてもよい。また、確変制御が実行されるパチンコ遊技機1では、大当りの当選確率を設定変更する場合に、低確状態での大当りの当選確率と高確率状態での大当りの当選確率との両方が、設定値1〜設定値6の設定により変更可能(例えば両方の大当り当選確率が設定値1<設定値2<設定値3<設定値4<設定値5<設定値6)となるようにしてもよい。
また、大当りの種別の選択確率も、大当りの当選確率と同様に、設定値1〜設定値6の設定により変更可能としてもよい。変動パターン種別の選択確率も、大当りの当選確率と同様に、設定値1〜設定値6の設定により変更可能としてもよい。変動パターンの選択確率も、大当りの当選確率と同様に、設定値1〜設定値6の設定により変更可能としてもよい。
コマンドF0XX、コマンドF1XX、コマンドF2XXおよびコマンドF3XXは、始動入賞時において、変動パターン判定用の乱数値MR3の乱数値情報を通知(送信)する乱数値送信用コマンド1〜4である。乱数値送信用コマンド1〜4は、乱数値MR3の数値データを4分割して送信するために用いられる。コマンドF4XXは、始動入賞時において、変動パターン(可変表示パターン)の振分け状態を指定する変動パターン振分け状態指定コマンド(可変表示パターンの区分を特定可能な区分コマンド)である。
図8−2は、始動入賞判定処理として、図5のS101(以下、フローチャートについて、「ステップS」は「S」という略称で説明する)にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図8−2に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(83FS001)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(83FS001;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(83FS002)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。83FS002にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(83FS002;No)、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(83FS003)。
83FS001にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(83FS001;No)、83FS002にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(83FS002;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(83FS004)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(83FS004;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(83FS005)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。83FS005にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(83FS005;No)、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられ、「第1特図」と「第2特図」とのどちらの始動入賞であるかを区別可能なデータを格納する始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(83FS006)。
83FS003、83FS006の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(83FS007)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(83FS008)。例えば、遊技制御カウンタ設定部に設けられた合計保留記憶数カウンタ(第1特図および第2特図の保留記憶数の合計数を計数するカウンタ)の格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
83FS008の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2および変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(83FS009)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(83FS010)。第1保留記憶部および第2特図保留記憶部のそれぞれでは、最大4つの保留データを記憶可能(4つのデータエントリが設けられている)であり、古いデータから順番に保留番号「1」〜「4」が付与されている。この場合の保留番号「1」の保留データは、最も古いデータであり、新たな可変表示に用いられることとなるデータである。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部に乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
CPU103は、83FS009の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
83FS010の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(83FS011)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すS27のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
83FS011の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(83FS012)。その後、第1保留記憶数通知コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンドのような保留記憶数通知コマンド用に例えばROM101に設けられた保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納すること等により、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(83FS013)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すS27のコマンド制御処理が実行されること等により、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
83FS013の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(83FS014)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(83FS014;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(83FS015)、83FS004の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(83FS014;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(83FS016)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理(図5のS110)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、変動パターン設定処理(図5のS111)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定が行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103が図8−1の83FS012において、入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果としての大当り判定、小当り判定、大当り種別判定等を行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120等により、先読み予告演出を実行するか否かを決定することができる。
図8−3は、本実施の形態における特徴部83Fにおける変動パターン判定用乱数値MR3の変換および復元に関する処理を説明するための図である。特徴部83Fにおいては、CPU103によるメイン側の処理において、変動パターン判定用乱数値MR3の変換処理が実行される。CPU103により変換処理が実行されることにより複数のコマンドが主基板11から演出制御基板12に対して送信される。そして、演出制御用CPU120によるサブ側の処理において、複数のコマンドから乱数値MR3の復元処理が実行される。以下に、これらの処理について具体例を示し説明する。
図8−3に示すように、変動パターン判定用乱数値MR3(0〜65535の範囲)として「60000」が抽出されたとする。このような場合、CPU103によるメイン側の処理において、(60000)Dから(EA60)Hへと10進数の数値を16進数へと変換する。そして、16進数への変換後に(EA60)Hという4桁の数値データとなった乱数値MR3の各桁の値を、複数(4つ)に分けて、乱数値送信用コマンド1〜4として送信する。例えば、(EA60)Hという4桁の数値データとなった乱数値MR3の各桁を、F0−00h、F1−06h、F2−0Ah、F3−0Ehというように加工することにより、複数(4つ)の乱数値送信用コマンド1〜4に分けて、送信する。
複数の乱数値送信用コマンド1〜4を受信したサブ側では、演出制御用CPU120により、下位bit(図8−3の下線部)を取出し、(EA60)Hを(60000)Dと判断する。具体的には、図8−3に示すように、取出した下位bitの数値から0×160+6×161+A×162+E×163=0×1+6×16+10×256+14×4096=60000とし、乱数値送信用コマンド1〜4から乱数値MR3が60000として復元される。このように、乱数値MR3は、複数の乱数値送信用コマンド1〜4を所定の順序で解析することにより復元される。
先読み予告を実行する際に、細かい変動パターンに関する情報の方が変動パターン種別のみの粗い情報よりも多くの種類の先読み予告を実行することが可能となる。しかし、変動パターンを決定するための細かい情報をメイン側で決めてしまうとサブ側よりも容量の少ないメイン側の容量が圧迫され、処理負担が高くなってしまう。そこで、抽出した変動パターン判定用乱数値をメイン側で変換後にサブ側に送信し、サブ側で変動パターン判定用乱数値を復元した後に先読み予告を実行することにより、メイン側の容量の圧迫を軽減することができる。
また、変動パターンコマンドは、変動パターンを特定するための可変表示パターンを特定するためのコマンドである。よって、サブ側で変動パターンコマンドを特定できるようになるため、メイン側の容量の圧迫を軽減することができる。
また、抽出された変動パターン判定用乱数値MR3は、10進数から16進数に変換され、変換された値を複数の乱数値送信用コマンド1〜4に分けられる。そして、複数の乱数値送信用コマンド1〜4が一括で、メイン側からサブ側へと出力される。これにより、サブ側で変動パターンコマンドを特定できるようになるため、メイン側の容量の圧迫を軽減することができる。
図8−4は、入賞時乱数値判定処理として、図8−2の83FS012にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8−4に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、遊技制御フラグ設定部等に設けられた確変フラグ等の状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(83FS021)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定すればよい。
83FS021の処理に続いて、変動パターン振分状態を特定する処理を実行する(83FS022)。変動パターン振分状態とは、以下に説明するような変動パターンの振分を選択する状態をいう。
CPU103が可変表示を実行するときには、複数種類の変動パターンのそれぞれに対応して変動パターン判定用乱数値MR3の数値データが振分けられた変動パターンテーブルを用い、始動入賞時に抽出されて保留データとして記憶され、可変表示開始時に読出されたMR3の数値データに対応する変動パターンが、実行する変動パターンとして選択決定される。
変動パターンテーブルについては、可変表示結果および保留記憶数等の所定のテーブル選択条件に基づいてデータ内容(選択可能な変動パターンの種類および変動パターンの選択の割振り等)が異なる複数のテーブルがRAM102に記憶される態様で設けられている。例えば変動パターンテーブルとしては、大当り決定時かつ確変決定時に用いる確変大当り時テーブル、大当り決定時かつ非確変決定時に用いる非確変大当り時テーブル、ハズレ決定時かつ保留記憶数少数時(例えば特図1または特図2の保留データが1〜3個)に用いる保留少数ハズレ時テーブル、ハズレ決定時かつ保留記憶数多数時(例えば特図1または特図2の保留データが4個)に用いる保留多数ハズレ時テーブル、ハズレ決定時に保留記憶数少数に関係なく用いる基本ハズレ時テーブル、および、小当り決定時に用いる小当り時テーブルが含まれている。
このような変動パターンテーブルは、大当り確率の状態、ベースの状態、および、時短制御の進行状態等の遊技状態に応じて、複数のカテゴリ(区分)に分類されてRAM102に記憶されている。例えば、変動パターンテーブルのカテゴリとしては、第1低確低ベースカテゴリ、第2低確低ベースカテゴリ、第1低確高ベースカテゴリ、第2低確高ベースカテゴリ、第1高確高ベースカテゴリ、および、第2高項確高ベースカテゴリが設けられている。
第1低確低ベースカテゴリは、低確低ベース状態が継続している期間中(大当りが発生すると初期化される期間)に実行された可変表示回数が所定回数(例えば200回)未満のときに用いられる変動パターンテーブルのカテゴリである。第2低確低ベースカテゴリは、低確低ベース状態が継続している期間中(大当りが発生すると初期化される期間)に実行された可変表示回数が所定回数(例えば200回)以上のときに用いられる変動パターンテーブルのカテゴリである。
第1低確高ベースカテゴリは、低確高ベース状態(非確変大当り後の時短状態)が所定回数(例えば50回)未満のときに用いられる変動パターンテーブルのカテゴリである。第2低確高ベースカテゴリは、低確高ベース状態(非確変大当り後の時短状態)が所定回数(例えば50回)以上のときに用いられる変動パターンテーブルのカテゴリである。
第1高確高ベースカテゴリは、高確高ベース状態(確変大当り後の確変状態および時短状態)が所定回数(例えば50回)未満のときに用いられる変動パターンテーブルのカテゴリである。第2高確高ベースカテゴリは、高確高ベース状態(確変大当り後の確変状態および時短状態)が所定回数(例えば50回)以上のときに用いられる変動パターンテーブルのカテゴリである。
特徴部083Fでは、前述の各種変動パターンテーブルについて、低ベース状態(非時短状態)と高ベース状態(時短状態)とで選択可能なテーブルとして設定されたテーブルが異なる例を説明する。なお、低ベース状態(非時短状態)と高ベース状態(時短状態)とで選択可能なテーブルとして設定されたテーブルが同じであってもよい。
第1低確低ベースカテゴリ、および、第2低確低ベースカテゴリのそれぞれは、確変大当り時テーブル、非確変大当り時テーブル、保留少数ハズレ時テーブル、および、小当り時テーブルよるなるテーブルの組合せにより構成され、遊技状態に応じて、変動パターンの決定に用いられるテーブルが選択される。
第1低確高ベースカテゴリ、第2低確高ベースカテゴリ、第1高確高ベースカテゴリ、および、第2高確高ベースカテゴリのそれぞれは、確変大当り時テーブル、非確変大当り時テーブル、基本ハズレ時テーブル、および、小当り時テーブルよりなるテーブルの組合せにより構成され、遊技状態に応じて、変動パターンの決定に用いられるテーブルが選択される。
以上に説明したように、可変表示を実行するときの変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルは、遊技状態に応じたカテゴリ別に設けられている。したがって、可変表示を実行するときに変動パターンを選択決定するためには、可変表示を実行するときの遊技状態に基づいて、前述のように分類(区分)された遊技状態に応じた変動パターンテーブルのカテゴリを特定する。そして、特定したカテゴリに対応して記憶されている複数の変動パターンテーブルのうちから、大当り判定結果、大当り種別判定結果、小当り判定結果、および、保留記憶数を含む遊技状態に応じた変動パターンテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルを用い、保留データから読出した変動パターン判定用乱数値MR3の数値データに基づいて、可変表示に用いる変動パターンを決定する。
83FS022では、変動パターン振分状態を特定する処理として、83FS021で特定された現在の遊技状態に含まれており、変動パターンテーブルのカテゴリを特定するために用いる遊技状態のデータに基づいて、変動パターンテーブルのカテゴリを特定する処理が行われる。
次に、83FS022で特定した変動パターン振分状態としての変動パターンテーブルのカテゴリを指定するために、変動パターン振分け状態指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(83FS023)。始動入賞時において、変動パターン振分け状態指定コマンドを受信することにより、演出制御用CPU120では、始動入賞時において、当該始動入賞に対応する保留データに含まれる変動パターン判定用乱数値MR3のカテゴリを認識することができる。
次に、第1特図表示結果決定テーブルまたは第2特図表示結果決定テーブルを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(83FS024)。第1特図表示結果決定テーブルは、第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブルは、第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブルおよび第2特図表示結果決定テーブルのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、乱数値MR1と比較される数値(判定値)の範囲が、「大当り」、「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブルおよび第2特図表示結果決定テーブルのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるときに、通常状態(低確率状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変状態では、通常状態であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
図8−2の83FS009で抽出された乱数値MR1を示す数値データが大当りの判定の範囲内(大当り判定範囲内)であるか否かを判定する(83FS025)。これにより、保留データに基づく可変表示に基づいて「大当り」とするか否かが判定される。
83FS025にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(83FS025;No)、図8−2の83FS009で抽出された乱数値MR1を示す数値データが小当りの判定の範囲内(小当り判定範囲内)であるか否かを判定する(83FS026)。これにより、保留データに基づく可変表示に基づいて「小当り」とするか否かが判定される。
83FS026にて乱数値MR1が小当り判定範囲内でない場合には(83FS026;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(83FS027)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「00H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。図柄指定コマンドは、始動入賞時において、大当り判定および小当り判定のような当否判定による判定結果に基づいて、大当り、小当り、ハズレのような当否判定の判定結果に加え、大当り種別の判定結果を示すことが可能なコマンドである。
83FS026にて乱数値MR1が小当り判定範囲内である場合には(83FS026;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(83FS006)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
83FS025にて大当りである場合には(83FS025;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(83FS028)。このとき、CPU103は、始動入賞時の保留データ記憶時において「第1特図」と「第2特図」とのどちらの始動入賞であるかを区別可能なデータである始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブルを構成するテーブルデータから変動特図に対応する大当り種別決定用テーブルデータを選択する。大当り種別決定用テーブルは、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき大当り種別を「非確変」、「確変」のような複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルであり、「第1特図」に対応するテーブルデータと「第2特図」に対応するテーブルデータとが設けられており、「始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(可変表示をする特図)に対応して、いずれかのデータテーブルが選択されて、大当り種別判定のために用いられる。
次に、83FS028の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(83FS029)。一例として、83FS028にて大当り種別が「確変」の大当りに決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「01H」とし、大当り種別が「非確変」の大当りに決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「02H」とすればよい。
83FS027、83FS030、83FS029の処理のいずれかを実行した後には、83FS009で抽出した保留データから乱数値MR3を示す数値データを読出し、図8−3で説明したように、当該MR3の数値データを10進数から16進数に変換し、変換後の16進数の数値データの各桁の値を複数の乱数値送信用コマンド1〜4に分ける処理(数値データを加工する処理)をする(83FS031)。そして、83FS031で分けた乱数値送信用コマンド1〜4を、一括して演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(83FS032)。これにより、MR3の数値データから加工された乱数値送信用コマンド1〜4が図4のS27のコマンド制御処理により送信される。
図8−5は、先読み変動パターンコマンド解析処理として、図6のS75で実行される処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、先読み演出に関する特定条件が成立したときに、先読み変動パターンコマンド解析処理において、CPU103が図8−4の83FS032により送信した乱数値送信用コマンド1〜4を解析する処理をする。
先読み変動パターンコマンド解析処理を実行する先読み演出に関する特定条件とは、次のような条件である。始動入賞が発生したときには、図8−1に示す演出制御コマンドのうち、第1始動入賞口入賞指定コマンドまたは第2始動入賞口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動パターン振分け状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンド、および、乱数値送信用コマンド1〜4という複数種類のコマンドが同時期に送信される。演出制御用CPU120では、図6のS75のコマンド解析処理において、このような始動入賞が発生したときに送信されてくる複数種類のコマンドのうち、少なくともいずれかが受信されたことを、演出制御コマンド受信用バッファに格納されたコマンドのデータに基づいて確認したことを条件として、図8−5の先読み変動パターンコマンド解析処理が実行される。このように、先読み変動パターンコマンド解析処理は、始動入賞が発生した時期に実行される解析処理である。
先読み変動パターンコマンド解析処理においては、演出制御コマンド受信用バッファに格納されたコマンドのデータを確認することにより、83FS032により一括で送信されてくる乱数値送信用コマンド1〜4について、すべてのコマンドが受信されたか否かを判定する(83FS041)。乱数値送信用コマンド1〜4のすべてのコマンドが受信されたと判定されたときには、乱数値送信用コマンド1〜4により分割送信された変動パターンコマンドを所定の順序で解析することにより復元する乱数解析モジュール(サブルーチン)を実行する(83FS042)。乱数解析モジュールにおいては、図8−3にサブ側で変動パターン判定用乱数値MR3を復元する処理として説明した復元処理が実行されることにより、分割送信されてきた乱数値送信用コマンド1〜4から変動パターン判定用乱数値MR3が復元可能となる。
次に、乱数解析モジュール(83FS042)により乱数値MR3が正常に復元されたか否かを判定する(83FS043)。83FS043では、例えば、復元された乱数値MR3の数値データが、乱数値MR3が予め定められた取り得る数値範囲(0〜65535)の数値データとなった場合に数値MR3が正常に復元されたと判定される。つまり、予め定められた取り得る数値範囲以外の異常態様の数値となった場合には、異常であると判定される。
83FS043で乱数値MR3が正常に復元されたと判定されたときは、演出制御コマンド受信用バッファに格納されたコマンドのデータを確認することにより、図8−4の83FS023により送信設定される変動パターン振分け状態指定コマンドが受信されたか否かを判定する(83FS044)。83FS044で変動パターン振分け状態指定コマンドが受信されたと判定されたときは、受信された変動パターン振分け状態指定コマンドが指定する変動パターンテーブルのカテゴリを特定する(83FS045)。これにより、RAM122に記憶された変動パターンテーブルのカテゴリ(第1低確低ベースカテゴリ、第2低確低ベースカテゴリ、第1低確高ベースカテゴリ、第2低確高ベースカテゴリ、第1高確高ベースカテゴリ、および、第2高項確高ベースカテゴリ)のうちから、先読み演出関して変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルのカテゴリが選択される。
次に、演出制御コマンド受信用バッファに格納されたコマンドのデータを確認することにより、始動入賞の発生に応じて主基板11から送信されてくるべき図柄指定コマンドが受信されたか否かを判定する(83FS046)。83FS046で図柄指定コマンドが受信されたと判定されたときは、送信されてきた保留記憶数を確認し83FS045で特定された変動パターンテーブルのカテゴリ内の変動パターンテーブルのうちから、先読み演出に関する変動パターンの選択決定に用いられる変動パターンテーブルが選択される。
次に、83FS046で特定された変動パターンテーブルを用い、乱数値解析モジュール(83FS042)により復元された乱数値MR3の数値データに基づいて、先読み演出に関する変動パターンを選択決定することにより特定する(83FS047)。そして、83FS047で特定された変動パターンを、先読み演出に関する変動パターンとして演出制御用CPU120に対して指定するコマンドとして、先読み変動コマンドをRAM122の先読み変動コマンド記憶領域に記憶することによりセットし(83FS048)、処理を終了する。
また、83FS041で乱数値送信用コマンド1〜4の少なくともいずれかのコマンドが受信されてないと判定されたとき(一部のコマンドのみ受信した場合、いずれのコマンドも受信していない場合等)(83FS041)、83FS043で乱数値MR3が正常に復元されなかったと判定されたとき、および、83FS046で図柄指定コマンドが受信されていないと判定されたときのそれぞれの場合には、始動入賞時に送信されてくる演出制御コマンドに異常が生じた場合であるので、当該異常が生じたことを演出制御用CPU120に対して指定するコマンドとして、先読み変動エラーコマンドをRAM122の先読み変動エラーコマンド記憶領域に記憶することによりセットし(83FS049)、処理を終了する。
図8−6は、先読み予告処理として、図7のS161にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8−6に示す先読み予告処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み変動パターンコマンド解析処理でセットされたRAM122の記憶領域のコマンドをチェックする(ステップ83FS061)。そして、今回セットされた記憶領域、およびそれ以外のRAM122の記憶領域内全体をチェックし、先読み変動エラーコマンドがあるか否かを判定する(83FS062)。先読み変動エラーコマンドは、図8−5の83FS049においてセットされるコマンドであり、コマンドを正常に受信できなかった場合や乱数値を正常に復元できなかった場合にセットされるコマンドである。RAM122の記憶領域内に先読み変動エラーコマンドがあった場合(83FS062;Y)には、先読み予告エラーコマンドの記憶情報に対応した可変表示が終了するまで先読み予告を実行しないように設定し(83FS067)、処理を終了する。
なお、先読み予告エラーコマンドが記憶されている場合には、その記憶情報よりも後に発生した記憶情報が正常であったとしても先読み予告エラーコマンドの記憶情報に対応した可変表示が終了するまで先読み予告を実行しないように設定すればよい。そして、先読み予告エラーコマンドの記憶情報に対応した可変表示が終了した後の正常なコマンドの受信により、先読み予告が許可されるようにすればよい。また、RAM122の記憶領域内全体をチェックするのではなく、今回セットされたコマンドがエラーか否かのみにより判定してもよい。その場合にもエラーとなるコマンドの記憶情報に対応する可変表示が終了するまでは先読み予告を制限すればよい。
83FS062において、先読み変動エラーコマンドがなかった場合(83FS062)には、先読み予告を実行可能であるか否かを判定する(83FS063)。例えば、RAM122の記憶領域を確認し、既に先読み予告演出が実行されている場合や大当り遊技状態である場合には、先読み予告が実行可能ではないと判定される。なお、これらの場合にも先読み予告演出を実行するようにしてもよい。83FS063において、先読み予告を実行可能でない場合には83FS067において先読み予告を実行しないように設定し、処理を終了する。
83FS063において、先読み予告を実行可能であると判定した場合(83FS063;Y)には、図8−5で説明した先読み変動パターンコマンド解析処理によってセットされた先読み変動コマンドに基づいて先読み予告を抽選する(83FS064)。例えば、先読み変動コマンドにより先読み予告を実行するか否か、および先読み予告を実行する場合には、先読み予告演出の演出内容の詳細が決定される。
次いで、83FS065の処理においては、先読み読み予告の実行がありと決定されたか否かが判定される。83FS065において、先読み予告の実行なしと判定された場合(83FS065;N)には、処理を終了する。83FS065において先読み予告の実行ありと判定された場合(83FS065;Y)には、決定された先読み予告を実行し(83FS066)、処理を終了する。これにより、変動パターン判定用の乱数値MR3を加工した乱数値送信用コマンド1〜4から83FS042により復元された乱数値MR3に基づいて可変表示に対応した演出制御が実行されることとなる。なお、83FS066では、決定された先読み予告をすぐに実行するのではなく、所定のタイミング(例えば、変動開始時のタイミングや変動中のタイミング)で実行することも含まれる。
なお、RAM122の記憶領域内に先読み変動エラーコマンドがあった場合(83FS062;Y)に先読み予告を実行しないように設定する場合について説明したが、先読み予告を抽選(83FS064)した後に、先読み変動エラーコマンドがあるか否かを判定し、先読み変動エラーコマンドがある場合には、抽選により決定された先読み予告の実行を制限するように設定してもよい。
〔特徴部083Fの主な構成および効果〕
次に、前述した特徴部083Fの主な構成および効果を説明する。
[1] 図8−4の83FS031により変動パターン判定用の乱数値MR3の数値データから加工された乱数値送信用コマンド1〜4が、図8−4の83FS032、図4のS27のコマンド制御処理により送信される。そして、図8−5の83FS042により、MR3を加工した乱数値送信用コマンド1〜4から乱数値MR3が復元され、図8−6の83FS066により、その復元された乱数値MR3に基づいて、可変表示に対応した演出制御が実行される。これにより、CPU103のような遊技制御手段としてのメイン側の容量の圧迫を軽減することができる。
[2] CPU103により図8−4の83FS031で加工された後送信され、演出制御用CPU120により図8−5の83FS042で復元されて可変表示に対応した演出制御に用いられる演出制御コマンドが、乱数値送信用コマンド1〜4という変動パターンを特定可能なコマンドである。これにより、CPU103のような遊技制御手段としてのメイン側の容量の圧迫を軽減することができる。
[3] 乱数値送信用コマンド1〜4は、図8−3に示すように、抽出された乱数値M3を10進数から16進数に変換し、変換した値を複数のコマンドに分けて構成されるコマンドであり、図8−4の83FS032および図4のS27により複数のコマンドが一括で出力される。このように、複数のコマンドを一括で出力することにより演出制御用CPU120のような演出制御手段としてのサブ側で可変表示パターンが特定されるため、CPU103のようなメイン側の容量の圧迫を軽減することができる。
[4] 図8−3に示すように、乱数値MR3は、図8−5の83FS043により複数の乱数値送信用コマンド1〜4を所定の順序で解析することにより復元される。そして、図8−5の83FS048に示すように、復元された乱数値M3に基づいた変動パターンコマンドに相当する先読み変動コマンドが記憶される。これにより、演出制御用CPU120のようなサブ側で復元された乱数値MR3に基づいた可変表示パターンコマンドを用いてサブ側で可変表示パターンが特定されるため、CPU103のようなメイン側の容量の圧迫を軽減することができる。
[5] 図8−4の83FS022、83FS023、および、図4のS27により、CPU103のようなメイン側では、変動パターンテーブルのカテゴリのような可変表示パターンの区分を特定可能な変動パターン振分け状態指定コマンドを演出制御用CPU120のようなサブ側に出力する。これにより、変動パターンテーブルのカテゴリ(可変表示パターンの区分)を特定可能なコマンドが出力されることでサブ側で可変表示パターンが特定されるため、メイン側の容量の圧迫を軽減することができる。
[6] 図8−4の83FS027、83FS029、83FS030に示すように、CPU103のようなメイン側では、大当り遊技状態のような遊技者にとって有利な有利状態に制御するか否かを特定可能な図柄指定コマンドを変動パターン振分け状態指定コマンドとは別のコマンドとして出力する。これにより、最重要な当否結果(大当り判定結果、小当り判定結果)に関する情報はCPU103のようなメイン側で特定し、演出制御用CPU120のようなサブ側に出力するため安全性を高くすることができる。また、図柄指定コマンドを送信することでサブ側で可変表示パターンが特定されるため、メイン側の容量の圧迫を軽減することができる。
[7] 演出制御用CPU120では、図8−5の83FS045、83FS047に示すように、変動パターン振分け状態指定コマンドと、図柄指定コマンドとに基づいて、可変表示パターンを決定するためのテーブルを特定し、図8−5の83FS048、図8−6の83FS066に示すように、当該特定されたテーブルと復元された変動パターン判定用乱数値MR3とに基づいて可変表示に対応した演出を制御する。これにより、変動パターン振分け状態指定コマンドと図柄指定コマンドとに基づいて設定されたテーブルと復元された乱数値MR3とから可変表示に対応した演出が制御されるため、メイン側の容量の圧迫を軽減することができる。
[8] 演出制御用CPU120では、図8−6の83FS066に示すように、可変表示に対応した演出として、変動パターン振分け状態指定コマンドを送信する契機となった可変表示に関する先読み演出を実行する。これにより、演出制御用CPU120のようなサブ側で可変表示パターンが特定されることにより可変表示に関する先読み演出が実行されるため、CPU103のようなメイン側の容量の圧迫を軽減することができる。
〔特徴部092F,093Fの主な変形例〕
[1] 前述した実施の形態では、図8−4の83FS032において乱数値送信用コマンド1〜4が一括して送信される場合を説明した。しかし、乱数値送信用コマンド1〜4は、一括で送信されるのではなく、1つずつ送信されるようにしてもよい。また、送信の途中で何等かの異常が発生しコマンドを全て送信できない場合には、エラー情報に関するコマンドを送信してもよいし、遊技を停止する処理に移行するようにしてもよい。
[2] 前述した実施の形態では、図8−5の83FS048において先読み変動コマンドがセットされ、83FS049において先読み変動エラーコマンドがセットされることについて説明した。しかしながら、一のデバイスにおいて解析した変動パターンによる先読み変動コマンドを他のデバイスに送信することにより、送信されたデバイスにおいて先読み予告を実行が決定されるようにしてもよい。
[3] 前述した実施の形態では、図8−6の83FS063において先読み予告を実行可能か否かについて判定する場合について説明した。83FS063においては、当該判定が実行される前に記憶されている保留情報にリーチとなる可変表示の保留情報がある場合には、先読み予告を実行しないように判定してもよい。また、リーチとなる可変表示の保留情報が記憶されている場合であっても実行される先読み予告の種類により先読み予告が実行されるようにしてもよい。例えば、実行される先読み予告が保留変化によるものであれば、リーチとなる可変表示の保留情報が記憶されている場合であっても保留変化による先読み予告を実行してもよい。
[4] 前述した実施の形態では、変動パターン判定用乱数値MR3の加工方法を複数設けてもよい。そして、変動パターン判定用乱数値MR3の加工方法の情報をメイン側からサブ側に送信することにより、MR3を復元するようにしてもよい。
[5] 前述した実施の形態では、変動パターン判定用乱数値MR3が0〜65535の範囲で設定されていた。しかし、変動パターン判定用乱数値MR3の範囲は、これよりも少ない範囲や多い範囲であってもよい。
[6] 前述した実施の形態では、特別図柄通常処理時において始動入賞時と同様の変動パターン判定用乱数値MR3の加工をして、メイン側から乱数値送信用コマンド1〜4を送信し、サブ側で乱数の復元処理をすることにより変動パターンを特定可能としてもよい。
本発明に係る遊技機の一例である遊技機を実施するための形態を以下に説明する。なお、以下の実施形態において、各図面の比率等については、実際の比率等と異なることがある。図9−1は、スロットマシンに設けられる基板の正面図である。なお、以下の実施形態において、「上」「下」「左」「右」「後(奥)」「前(手前)」の各方向について、基板1Zがスロットマシンの筐体に取り付けられた状態に基づいて説明する。また、面の向き(方向)とは、その面に直交する軸の延在方向であってその面を視認する側の方向とする。例えば、図9−1において、「型番100」と記載された主要回路10Zの前面10Fは、前方が面の向きとなる。また、文字の向きは、その文字を見る者が、所定の一方向からその文字を読みやすくなるか否かが定められる向きである。例えば、3つの文字が左右方向に標準的に並んで記載されている場合に、その中央の文字が180°回転していたら、その中央の文字は他の2つの文字と文字の向きが異なっており、その他の2つの文字は互いに向きが共通する。
例えば、3次元空間において、互いに直交する3つの面、前後方向に沿った第1軸に直交する第1面、上下方向に沿った第2軸に直交する第2面、及び左右方向に沿った第3軸に直交する第3面を想定する。この場合、第1面は、前方(手前側)または後方(奥側)を向き、第2面は、上方(上側)または下方(下側)を向き、第3面は右方(右側)または左方(左側)を向くことになる。
また、文字の向きは、文字が記載される面の向きによって制限される。例えば、第1面に記載される文字は、前方(手前側)または後方(奥側)を成分とする方向を向くことはなく、例えば、上方(上側)、下方(下側)、左方(左側)、及び右方(右側)のいずれか、あるいは、これらの各方向の成分を掛け合わせた方向、例えば右上方、左下方などとなる。また、第2面に記載される文字は、上方(上側)または下方(下側)を成分とする方向を向くことはなく、例えば、前方(手前側)、後方(奥側)、左方(左側)、及び右方(右側)のいずれか、あるいは、これらの各方向の成分を掛け合わせた方向、例えば右前方、左後方などとなる。また、第3面に記載される文字は、右方(右側)または左方(左側)を成分とする方向を向くことはなく、例えば、上方(上側)、下方(下側)、前方(手前側)、及び後方(奥側)のいずれか、あるいは、これらの各方向の成分を掛け合わせた方向、例えば上前方、下後方などとなる。
基板1Zは、図示しない基板ケースに収容され、遊技機であるスロットマシンの筐体の内部に設けられている。基板1Zは、図9−1に示すように、広い面(電子部品の実装面)が前面を向くようにして配置され、スロットマシンの筐体の内側における奥方の板の手前側の面に固定されて取り付けられる。また、基板ケースは透明の素材で設けられており、基板ケースの外側から基板1Zが視認できるようにされている。
基板1Zは、スロットマシンの遊技を主に司るいわゆる主基板であり、図9−1に示すように、基板部材2Zと、基板部材2Zに搭載された多数の電子部品を備えている。具体的に、基板部材2Zの一面側には、1個の主要回路10Zが実装されている。主要回路10Zは、回路素子であり、遊技の制御を行う特別電子部品である。また、基板部材2Zには、上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11Cの3個の第1出力回路が実装されている。上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11Cは、互いに同一種類の回路によって構成されている。上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11Cは、文字が記された複数の特定電子部品である。上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11Cに記載された文字については、後に説明する。
これらの上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11Cは、互いに同一種類の電子部品である。なお、以下の説明において、同一種類の電子部品については、その共通する性質に即した説明をする場合には、符号の語尾に付されたアルファベットを省略して、それらの説明を行うことがある。例えば、共通する電子部品である上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11Cについて共通する性質を説明する際には、第1出力回路11Zとしての性質等を説明することがある。
また、基板部材2Zの一面側には、右上第2出力回路12A、右下第2出力回路12B、及び左第2出力回路12Cの3個の第2出力回路12が実装され、第3出力回路13Aの1個の第3出力回路13が実装され、上第4出力回路14A及び下第4出力回路14Bの2つの第4出力回路14が実装され、第5出力回路15Aの1個の第5出力回路15が実装されている。このうち、右上第2出力回路12A、右下第2出力回路12B、及び左第2出力回路12Cは、互いに同一種類の電子部品によって構成されている。また、上第4出力回路14A及び下第4出力回路14Bも同一種類の電子部品によって構成されている。また、第2出力回路12と第3出力回路13Aは互いに近傍位置となるように配置されている。
また、基板部材2Zの一面側には、右第1入力回路21A、中第1入力回路21B、及び左第1入力回路21Cの3つの第1入力回路が実装されている。右第1入力回路21A、中第1入力回路21B、及び左第1入力回路21Cは、互いに同一種類の電子部品によって構成されている。また、第1入力回路21は、第3出力回路13と同一種類の電子部品によって構成されている。これらの第3出力回路13及び第1入力回路21は、識別部品回路となる。これらの第1出力回路11Z〜第5出力回路15及び第1入力回路21は、いずれも回路素子である。また、第1出力回路11Z〜第5出力回路15は、所定電子部品である。
また、基板部材2Zの一面側には、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38が並設されており、第8抵抗素子38における第7抵抗素子37の反対側に、異性能抵抗素子41Zが並設されている。第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38、及び異性能抵抗素子41Zは、いずれも極性のない2つの端子を備える電子部品であり、抵抗値が共通する同一性能の抵抗素子である。
また、基板部材2Zの一面側には、第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54、電源確認ランプ55が実装されれている。第1セグメント表示部51は、複数の端子を有する特殊電子部品であり、「8」の数字をかたどる7個のセグメントからなるいわゆる7セグメントと、7セグメントの右下に配置された1つの丸型セグメントの合計8個のセグメントを備えている。第2セグメント表示部52〜第4セグメント表示部54も、同様に配置された8個のセグメントを備えている。電源確認ランプ55は、1個の丸型ランプを備えて構成されている。
さらに、基板部材2Zの一面側には、第1入出力端子61、第2入出力端子62、及び第3入出力端子63が実装されている。第1入出力端子61、第2入出力端子62、及び第3入出力端子63は、互いに異種の入出力端子である。第1入出力端子61、第2入出力端子62、及び第3入出力端子63は、基板部材2Zの下端部において、右から順に並んで配置されている。
第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54には、役比表示手段であり、主要回路10Zから送信される信号に応じて、役比(役物比率)に関する数値を表示する。電源確認ランプ55は、電源がONとなったときに点灯し、電源がOFFとなったときに消灯する。第1入出力端子61〜第3入出力端子63には、スロットマシンに設けられる種々の部品との間における信号を送受信する配線が接続されている。
基板部材2Zの一面側に設けられたこれらの電子部品は、基板部材2Zの一面側及び他面側(裏面側)、さらには基板部材2Zに設けられたスルーホール等で配線を介して接続されている。これらの配線については図示を省略する。また、基板部材2Zには、図9−1に示した電子部品以外の電子部品も実装されている。これらの電子部品については、文字等は記載されていない。本実施形態では、これらの文字等が記載されていない電子部品についての説明は省略する。
また、これらの電子部品や基板部材2Zには、電子部品の種類や電子部品を搭載する位置を示すための文字等が記載されている。具体的に、図9−2にも示すように、主要回路10Zの前面10Fには、「型番100」の文字が表示されている。主要回路10Zの前面10Fは、基板部材2Zにおける主要回路10Zの実装面と共通する方向を向いた面である。主要回路10Zの前面に表示された文字は、例えばシルク印刷によって記載されている。主要回路10Zに記載された文字は、上を向いて表示されている。主要回路10Zの前面10Fに記載された「型番100」の文字は、他の電子部品に記載された文字よりも大きい文字とされている。
なお、以下の各電子部品に表示される文字(文字情報)は、いずれもシルク印刷によって記載されている。また、各電子部品に表示される文字は、シルク印刷以外の印刷などの手段で表示(記載)されていてもよい。また、これらの文字は、電子部品に直接印刷等で記載されていてもよいし、文字が印刷(記載)されたシール等が貼着されることによって表示されていてもよい。
また、各電子部品に表示される文字は、主要回路10Zに記載された文字のように漢字でもよいし、その他の文字、例えばひらがな、カタカナ、算用数字、アルファベット、ロシア文字、ギリシア文字等の文字でもよいし、これらの文字の組み合わせでもよい。さらには、記号などでもよいし、文字と記号を組み合わせたものでもよい。また、各電子部品に表示される文字は、そのロット番号などの電子部品自体に関する記述内容でもよいし、各電子部品が用いられる用途(例えば「出力回路」等)などでもよい。
また、図9−3に示すように、上第1出力回路11Aの下面11AL、中第1出力回路11Bの下面11BL、及び下第1出力回路11Cの下面11CLのには、いずれも「型番1」の文字が表示されている。上第1出力回路11Aの下面11ALに表示された文字は、所定の一方向からその文字を見る者が読みやすい向き(以下、単に「読みやすい向き」ともいう)を向くように表示されている。中第1出力回路11Bの下面11BL及び下第1出力回路11Cの下面11CLに表示された文字についても、上第1出力回路11Aの下面11ALに表示された文字と同一の方向を向いている。また、上第1出力回路11Aの下面11AL、中第1出力回路11Bの下面11BL、及び下第1出力回路11Cの下面11CLにそれぞれ記載された「型番1」の文字の形状及び大きさは、互いに略同一である。
基板部材2Zにおける上第1出力回路11Aの近傍位置、具体的には、上第1出力回路11Aの右下部には、図9−1及び図9−3に示すように、「型番1」の文字が表示されている。この「型番1」の文字は、読みやすい向きを向いている。また、この「型番1」の文字は、上第1出力回路11Aに記載された「型番1」の文字よりも小さい文字とされている。なお、本実施形態では、基板部材2Zにおける上第1出力回路11Aの近傍位置に記載された文字は、「型番1」であり、上第1出力回路11Aに記載された文字と同一であるが、他の文字、例えば、上第1出力回路11Aに記載された文字と関連する文字であってもよい。例えば、第1出力回路11Zに記載された「型番1」の文字を簡略化し、「型番」の頭文字をとって「K1」などとした文字であってもよい。あるいは、電子部品について機能や種類に分けてそれぞれに通し番号を付し、これらの通し番号を電子部品の近傍位置に記載する文字としてもよい。このときの通し番号は、電子部品の一部に付してもよいし、全部に付してもよい。電子部品の一部に付する場合には、複数系統に分けて(例えば「A1」「A2」・・・と「B1」[B2]・・・等)、通し番号を付してもよい。あるいは、入力回路には頭文字「I」、入力回路には頭文字の「O」を付加するなどの規則付けを行い、上第1出力回路11Aの近傍に記載された文字を「上1OA」もしくは「U1OA」などとしてもよい。基板部材2Zにおける上第1出力回路11Aの近傍位置に記載された文字は、上第1出力回路11Aに記載された文字数よりも数が少ない文字数となるようにしてもよいし、多い文字数となるようにしてもよい。
また、主要回路10Zに表示された文字と、第1出力回路11Zの下面11Lに表示された文字とを比較すると、いずれも基板1Zの主要回路10Z及び第1出力回路11Zに記載された文字を見る者が、所定の一方向、例えば下側から見たときに、視点に近い側に文字の下部が位置しており、その意味で特定の向きとなるように表示されている。言い換えると、ここでいう特定の向きとは、基板1Zを一方向から見たときに、その文字等の同じ側、例えば下側が視点に近い側に位置する向きをいう。特定の向きは、同じ向きの面に表示されることもあるが、上記のように、異なる向きの面に表示された文字のそれぞれの向きが特定の向きとなることもある。
また、基板部材2Zにおける上第1出力回路11Aの近傍位置と同様に、基板部材2Zにおける中第1出力回路11B及び下第1出力回路11Cの近傍の右下部は、いずれも「型番1」の文字が読みやすい向きで表示されている。この「型番1」の文字は、上第1出力回路11Aの近傍位置に表示された「型番1」の文字と同じ形状であるが、大きさは小さくされている。なお、基板部材2Zにおける他の電子部品の近傍にも同様に、各電子部品と同一の文字が記載されているが、その説明は省略する。
図9−1及び図9−2に示すように、右上第2出力回路12Aの前面12AF、右下第2出力回路12Bの前面12BF、及び左第2出力回路12Cの前面12CFには、それぞれ「型番2」の文字が表示されている。右上第2出力回路12Aの前面12AF、右下第2出力回路12Bの前面12BF、及び左第2出力回路12Cの前面12CFにそれぞれ記載された文字は、それぞれ所定の一方向からその文字を見る者が読みにくい向き(以下、単に「読みにくい向き」ともいう)で記載されている。また、右上第2出力回路12Aの前面12AF、右下第2出力回路12Bの前面12BF、及び左第2出力回路12Cの前面12CFにそれぞれ記載された「型番2」の文字の大きさは、互いに略同一である。また、「型番2」の文字が記載された第2出力回路12の前面12Fは、主要回路10Zにおける「型番100」の文字が記載された前面10Fと共通する方向を向いた面である。
図9−1及び図9−2に示すように、第3出力回路13Aの前面13AFには、「型番3」の文字が表示されている。第3出力回路13Aの前面13AFに表示された文字は、読みにくい向きで記載されている。また、第3出力回路13Aの前面13AFに表示された「型番3」の文字の大きさは、右上第2出力回路12Aの前面12AF、右下第2出力回路12Bの前面12BF、及び左第2出力回路12Cの前面12CFにそれぞれ表示された「型番2」の文字の形状および大きさと略同一である。また、「型番3」の文字が記載された第3出力回路13Aの前面13AFは、主要回路10Zにおける「型番100」の文字が記載された前面10Fと共通する方向を向いた面である。
また、第2出力回路12の前面12Fと、第3出力回路13Aの前面13AFに記載された文字はいずれも読みにくい向きで表示されている。第3出力回路13Aが第1種類の識別電子部品であるのに対して、第2出力回路12(右上第2出力回路12A、右下第2出力回路12B、左第2出力回路12C)は、第1所定電子部品となる。
図9−1〜図9−3に示すように、上第4出力回路14Aの前面14AF及び下第4出力回路14Bの前面14BFには、それぞれ「型番4」の文字が表示されている。上第4出力回路14Aの前面14AF及び下第4出力回路14Bの前面14BFに表示された文字は、それぞれ読みにくい向きで記載されている。また、上第4出力回路14Aの前面14AF及び下第4出力回路14Bの前面14BFにそれぞれ記載された「型番4」の文字の大きさは、右上第2出力回路12Aの前面12AF、右下第2出力回路12Bの前面12BF、及び左第2出力回路12Cの前面12CFにそれぞれ表示された「型番2」の文字の形状および大きさと略同一である。また、「型番4」の文字が記載された第4出力回路14の前面14Fは、主要回路10Zにおける「型番100」の文字が記載された前面10Fと共通する方向を向いた面である。
図9−1及び図9−2に示すように、第5出力回路15Aの前面15AFには、「型番5」の文字が表示されている。第5出力回路15Aの前面15AFに表示された文字は、読みにくい向きで記載されている。また、第5出力回路15Aの前面15AFに表示された「型番5」の文字の大きさは、右上第2出力回路12Aの前面12AF、右下第2出力回路12Bの前面12BF、及び左第2出力回路12Cの前面12CFにそれぞれ表示された「型番2」の文字の形状および大きさと略同一である。また、「型番5」の文字が記載された第5出力回路15の前面15Fは、主要回路10Zにおける「型番100」の文字が記載された前面10Fと共通する方向を向いた面である。
図9−1及び図9−2に示すように、右第1入力回路21Aの前面21AF、中第1入力回路21Bの前面21BF、及び左第1入力回路21Cの前面21CFには、それぞれ「型番3」の文字が表示されている。右第1入力回路21Aの前面21AF、中第1入力回路21Bの前面21BF、及び左第1入力回路21Cの前面21CFに表示された文字は、それぞれ読みやすい向きで記載されている。また、右第1入力回路21Aの前面21AF、中第1入力回路21Bの前面21BF、及び左第1入力回路21Cの前面21CFにそれぞれ記載された「型番3」の文字の大きさは、右上第2出力回路12Aの前面12AF、右下第2出力回路12Bの前面12BF、及び左第2出力回路12Cの前面12CFにそれぞれ表示された「型番2」の文字の形状および大きさと略同一である。また、「型番3」の文字が記載された第1入力回路21の前面21Fは、主要回路10Zにおける「型番100」の文字が記載された前面10Fと共通する方向を向いた面である。
また、第3出力回路13の前面に記載された文字の向きは、読みにくい向きとなっており、第1入力回路21の前面に記載された文字の向きは、読みやすい向きとなっている。第3出力回路13と第1入力回路21とでは、同一種類の電子部品(識別電子部品)が使用されているが、それぞれの前面に記載された文字の向きを互いに反転させて異なる向きとなるようにすることで、第3出力回路13と第1入力回路21を外見から識別できるようにされている。第3出力回路13は、第1種類の識別電子部品であり、第1入力回路21は第2識別電子部品である。
図9−4に示すように、第1抵抗素子31には、下から順に第1ラインL1、第2ラインL2、第3ラインL3、及び第4ラインL4からなる第1カラーコードCC1が所定のマークとして描かれている。第1カラーコードCC1における第1ラインL1〜第4ラインL4は、互いに異なる色として描かれている。また、第2抵抗素子32Z〜第8抵抗素子38においても、同様の第1ラインL1〜第4ラインL4からなる第1カラーコードCC1が描かれている。第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38は、第1カラーコードCC1(第1ラインL1〜第4ラインL4)は、所定のマークの向きが共通するように、それぞれ一直線上に整列して配置されるように、並べられている。
また、第8抵抗素子38に並べられた異性能抵抗素子41Zには、第5ラインL5〜第8ラインL8からなる第2カラーコードCC2が描かれている。異性能抵抗素子41Zの第2カラーコードCC2となる第5ラインL5〜第8ラインL8は、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38の第1カラーコードCC1となる第1ラインL1〜第4ラインL4とでは、配色が互いに異なっている。また、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38の第1カラーコードCC1(第1ラインL1〜第4ラインL4)と異性能抵抗素子41Zの第2カラーコードCC2(第5ラインL5〜第8ラインL8)とでは、第1ラインL1と第5ラインL5、第2ラインL2と第6ラインL6、第3ラインL3と第7ラインL7、第4ラインL4と第8ラインL8は、それぞれ互いに一直線上に配置されている。第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38に描かれた第1カラーコードCC1及び異性能抵抗素子41Zに描かれた第2カラーコードCC2は、例えば、抵抗素子の性能表示、例えば抵抗値及び許容差に応じて描かれるラインである。このため、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38、及び異性能抵抗素子41Zは、いずれも抵抗素子としての種類が同一の電子部品であるが、その性能は異なっている。
また、図9−1及び図9−3に示すように、基板部材2Zの一面側において、右側の位置に上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11Cが上下方向に並んで設けられている。これらの上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11Cの左隣に、右上第2出力回路12A及び右下第2出力回路12Bが上下に並んで配置されている。右上第2出力回路12Aは、高さ方向に見て、上第1出力回路11Aと中第1出力回路11Bの間に配置されている。右下第2出力回路12Bは、高さ方向に見て、中第1出力回路11Bと下第1出力回路11Cの間に配置されている。
右下第2出力回路12Bの左隣には、左第2出力回路12Cが配置されている。左第2出力回路12Cは、右下第2出力回路12Bの高さ位置と略同じ高さ位置に配置されている。左第2出力回路12Cの直下には、第3出力回路13Aが配置されている。第3出力回路13Aは、下第1出力回路11Cよりも低い位置に配置されている。
左第2出力回路12Cの左隣には、上第4出力回路14Aが配置され、第3出力回路13Aの左隣には、下第4出力回路14Bが配置されている。上第4出力回路14A及び下第4出力回路14Bは、それぞれ左第2出力回路12C及び第3出力回路13Aと略同じ高さ位置に配置されている。
上第4出力回路14A及び下第4出力回路14Bの左隣には、右第1入力回路21A及び第5出力回路15Aが配置されている。右第1入力回路21Aは、上第4出力回路14Aよりも高い位置に配置されている。第5出力回路15Aは、上第4出力回路14Aよりも低い位置であり、下第4出力回路14Bよりも高い位置に配置されている。
第5出力回路15Aの左下位置には、中第1入力回路21Bが配置され、中第1入力回路21Bの左側には、左第1入力回路21Cが配置されている。中第1入力回路21Bは、下第4出力回路14Bよりも低い位置に配置されており、左第1入力回路21Cは、中第1入力回路21Bと略同じ高さ位置に配置されている。
また、上第4出力回路14Aの直上位置に、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38、さらには異性能抵抗素子41Zが配置されている。また、左第1入力回路21Cの上方には、主要回路10Zが配置されており、右第1入力回路21Aの直上位置には、第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54が配置され、第4セグメント表示部54の右隣に電源確認ランプ55が配置されている。
また、基板部材2Zの一面側の下端部には、右から順に第1入出力端子61、第2入出力端子62、及び第3入出力端子63が配置されている。このうち、第1入出力端子61は、右下第2出力回路12Bの下方位置に配置されている。第2入出力端子62は、左第1入力回路21Cの下方位置に配置されている。第3入出力端子63は、第2入出力端子62のさらに左側に配置されている。
次に、各電子部品やスロットマシンに設けられた各部品の接続及び信号の入出力先について、図9−5〜図9−8を参照して説明する。図9−5(A)に示すように、第3入出力端子63には、遊技メダル払出センサ1から「MEOUTS1」、遊技メダル払出センサ2から「MEOUTS2」、設定キースイッチから「LVKEYSW」、設定/リセットスイッチから「LV/RSTW」、遊技メダル補助収納庫センサから「OVERSW」の各信号が入力される。第3入出力端子63は、入力されたこれらの各信号を図9−6に示す左第1入力回路21C及び中第1入力回路21Bに出力する。また、第3入出力端子63には、電源装置から電源が供給され、第3入出力端子63を介して基板1Zにおける各電子部品に電流が供給される。左第1入力回路21C及び中第1入力回路21Bには、例えばメダルの投入や払出、スロットマシンの設定などに関する情報が入力される。
図9−5(B)に示すように、第1入出力端子61には、第1回胴センサから「ORGSEN1」、第2回胴センサから「ORGSEN2」、第3回胴センサから「ORGSEN3」、の各信号が入力される。第1入出力端子61は、入力されたこれらの各信号を図9−6に示す右第1入力回路21Aに出力する。右第1入力回路21Aには、例えばスロットマシンのリールに関する情報が入力される。
図9−5(C)に示すように、第2入出力端子62には、精算スイッチから「PAY」、MAXBETスイッチから「MBET」、第1回胴停止スイッチから「SPSW1」、第2回胴停止スイッチから「SPSW2」、第3回胴停止スイッチから「SPSW3」、遊技メダルセンサ1から「SEN1」、遊技メダルセンサ2から「SEN2」、遊技メダルセンサ3から「SEN3」、ドアセンサから「DOOR」、ドアリセットから「RESET」の各信号が入力される。第2入出力端子62は、入力されたこれらの各信号を図9−6に示す右第1入力回路21A、中第1入力回路21B、及び左第1入力回路21Cに出力する。右第1入力回路21A、中第1入力回路21B、及び左第1入力回路21Cには、例えば遊技者や店員などがスロットマシンについて操作するスイッチに関する情報が入力される。
図9−5(D)に示すように、図示しない電源装置に対して、電源確認ランプ55が接続されており、電源確認ランプ55と電源装置の間には、異性能抵抗素子41Zが介在されている。異性能抵抗素子41Zは、電源確認ランプ55に接続されている。電源確認ランプ55は、電源装置によってスロットマシンの電源がONとなったときに電流が供給されて点灯し、電源装置によってスロットマシンの電源がOFFとなったときに電流の供給が停止して消灯する。異性能抵抗素子41Zは、電源確認ランプ55に供給される電流を減圧している。
図9−6に示すように、右第1入力回路21A、中第1入力回路21B、及び左第1入力回路21Cは、第1入出力端子61、第2入出力端子62、及び第3入出力端子63から出力された各信号の調圧や整流などの処理を行ってを主要回路10Zに出力する。主要回路10Zは、右第1入力回路21A、中第1入力回路21B、及び左第1入力回路21Cから出力された各信号に基づいて演算処理を施して、スロットマシンを制御するための各信号を生成し、図9−7及び図9−8に示す出力回路に出力する。
具体的に、主要回路10Zは、図9−7に示す右上第2出力回路12Aに「K1MOTOR0」、「K1MOTOR1」、「K1MOTOR2」、「K1MOTOR3」、「K2MOTOR0」、「K2MOTOR1」、「K2MOTOR2」、「K2MOTOR3」、「OUTF3」の各信号を出力する。これらの各信号は、一部を除いて右上第2出力回路12A、上第1出力回路11A、及び中第1出力回路11Bにおいて調圧や整流などの処理が行われ、図9−5(B)に示す第1入出力端子61に出力される。第1入出力端子61からは、「K1MOTOR0」が第1回胴モータΦ0、「K1MOTOR1」が第1回胴モータΦ1、「K1MOTOR2」が第1回胴モータΦ2、「K1MOTOR3」が第1回胴モータΦ3にそれぞれ出力される。また、「K2MOTOR0」が第2回胴モータΦ0、「K2MOTOR1」が第2回胴モータΦ1、「K2MOTOR2」が第2回胴モータΦ2、「K2MOTOR3」が第2回胴モータΦ3にそれぞれ出力される。右上第2出力回路12A、上第1出力回路11A、及び中第1出力回路11Bは、例えばスロットマシンのリール停止に関する信号を出力する。
主要回路10Zは、図9−7に示す右下第2出力回路12Bに「K3MOTOR0」、「K3MOTOR1」、「K3MOTOR2」、「K3MOTOR3」、「OUTF4」の各信号を出力する。これらの各信号は、一部を除いて右下第2出力回路12B及び下第1出力回路11Cにおいて調圧や整流などの処理が行われ、図9−5(B)に示す第2入出力端子62に出力される。第2入出力端子62からは、「K3MOTOR0」が第3回胴モータΦ0、「K3MOTOR1」が第3回胴モータΦ1、「K3MOTOR2」が第3回胴モータΦ2、「K3MOTOR3」が第3回胴モータΦ3にそれぞれ出力される。右下第2出力回路12B及び下第1出力回路11Cは、例えばスロットマシンのリール停止に関する信号を出力する。
主要回路10Zは、図9−7に示す左第2出力回路12Cに「SPLED1」、「SPLED2」、「SPLED3」、「MAXLED」、「BLK」、「K1COM」、「K2COM」、「K3COM」、「RST」、「OUTF5」の各信号を出力する。これらの各信号は、一部を除いて左第2出力回路12C及び第3出力回路13A等において調圧や整流などの処理が行われる。これらの各信号のうち、「SPLED1」、「SPLED2」、「SPLED3」、「MAXLED」は、図9−5(C)に示す第2入出力端子62に出力され、「BLK」「K1COM」、「K2COM」、「K3COM」は、図9−5(B)に示す第1入出力端子61に出力される。第2入出力端子62からは、「SPLED1」が第1回胴停止LED、「SPLED2」が第2回胴停止LED、「SPLED3」が第3回胴停止LED、「MAXLED」がMAXBETLEDにそれぞれ出力される。第1入出力端子61からは、「BLK」が遊技メダルブロッカ、「K1COM」が第1モータコモン、「K2COM」が第2モータコモン、「K3COM」が第3モータコモンにそれぞれ出力される。左第2出力回路12C及び第3出力回路13Aは、例えば遊技者が視認するランプの点灯・点滅等に関する信号を出力する。
主要回路10Zは、図9−8に示す下第4出力回路14Bに「SEGa」、「SEGb」、「SEGc」、「SEGd」、「SEGe」、「SEGf」、「SEGg」、「OUTF7」の各信号を出力する。これらの各信号は、一部を除いて下第4出力回路14Bにおいて調圧や整流などの処理が行われ、図9−5(C)に示す第2入出力端子62に出力される。第2入出力端子62からは、「SEGa」が投入枚数1LED、「SEGb」が投入枚数2LED、「SEGc」が投入枚数3LED、「SEGd」が再遊技表示LED、「SEGe」が演出表示LED、「SEGf」が遊技開始表示LED、「SEGg」が投入可能表示LEDの7セグにそれぞれ出力される。下第4出力回路14Bは、例えば遊技者が視認するランプの点灯・点滅等に関する信号を出力する。
主要回路10Zは、図9−8に示す上第4出力回路14Aに「DG1」、「DG2」、「DG3」、「DG4」、「DG5」、「DG6」、「OUTFA」の各信号を出力する。「DG1」〜「DG6」は、LED等のランプの点灯や点滅を管理するデジット信号である。これらの各信号は、一部を除いて上第4出力回路14Aにおいて調圧や整流などの処理が行われ、図9−5(C)に示す第2入出力端子62に出力される。第2入出力端子62からは、「DG1」がDG1、「DG2」がDG2、「DG3」がDG3、「DG4」がDG4、「DG5」がDG5、「DG6」がDG6にそれぞれ出力される。上第4出力回路14Aは、例えばランプの点灯に関するデジット信号を出力する。
主要回路10Zは、図9−8に示す第5出力回路15Aに第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54の各セグメントの点灯及び消灯(点滅)の制御を行う点灯制御信号送信する。主要回路10Zでは、スロットマシンにおける役比に関する数値が算出されており、算出された数値等を第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54の各セグメントを点灯、消灯させることによって表示する。このため、主要回路10Zは、第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54の各セグメントを点灯させるための点灯制御信号を第5出力回路15Aに出力し、第5出力回路15Aから第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54に出力する。第5出力回路15Aは、例えば遊技者が視認するランプの点灯・点滅等に関する信号を出力する。
第5出力回路15と第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54の間には、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38が配置されている。第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38は、第5出力回路15及び第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54に接続されている。第5出力回路15Aから第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54に出力される各セグメントに点灯制御信号は、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38によって各セグメントに表示されるランプの光量等を調整するように調圧される。
以上のとおり、本実施形態に係る遊技機に設けられる基板1Zにおいては、複数の電子部品のうち、第1出力回路11Z(上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11C)に記載された「型番1」の文字は、その下面11L(11AL,11BL,11CL)に記載されている。このため、第1出力回路11Zを一方向、具体的には斜め下方向(左斜め下方向または右斜め下方向)からを同時に見た場合に、下面11Lに記載された「型番1」の文字を一気に視認することができる。したがって、基板1Zに正しい部品が取り付けられていることを容易に確認することができる。
また、これらの文字は、いずれも読みやすい向きで記載されており、各文字の向きが共通とされている。このため、出力回路として同様の機能を有するとともに、同一の回路が用いられている第1出力回路11Zを視認するにあたり、一方向、具体的には斜め下方向から見た場合にいずれも「型番1」の文字を同一方向に視認することができる。したがって、基板1Zに正しい部品が取り付けられていることを容易に確認することができる。
また、第1出力に記載された文字の向きは特定の向きとなっており、主要回路10Zに記載されている「型番100」の文字も特定の向きを向いている。このため、基板1Zを一方向、ここでは斜め下方向から見たときに、主要回路10Zの前面10Fに表示された「型番100」の文字と、第1出力回路11Zの下面11Lに表示された「型番1」の文字をいずれもその文字の下側からのぞき込む方向で見ることができる。このため、「型番100」の文字を視認することによって主要回路10Zの取付を確認する際に、合わせて「型番1」の文字も確認し、第1出力回路11Zの取付を確認しやすくすることができる。したがって、基板に正しい部品が取り付けられていることを容易に確認することができる。
また、主要回路10Zと例えば第1入力回路21との関係においては、主要回路10Zの前面10Fに「型番100」の文字が記載され、第1入力回路21の前面21Fに「型番3」の文字が記載されている。また、「型番100」の文字と「型番3」の文字は、いずれも読みやすい向きで記載されている。このため、「型番100」の文字を視認することによって主要回路10Zの取付を確認する際に、合わせて「型番3」の文字も確認しやすくすることができる。したがって、基板に正しい部品が取り付けられていることを容易に確認することができる。
また、基板1Zに搭載された電子部品において、文字が表示された電子部品のうち、半数以上の電子部品、具体的には、主要回路10Z、上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11C、右上第2出力回路12A、右下第2出力回路12B、第5出力回路15A、右第1入力回路21A、中第1入力回路21B、左第1入力回路21Cは、記載された文字が特定の方向を向いている。このため、基板1Zを一方向から同時に見た場合に、これらの電子部品に記載された文字を一気に視認することができる。したがって、基板1Zに搭載された文字が記載された電子部品のうちの半数以上の電子部品について、基板に正しい部品が取り付けられていることを主要回路10Zとともに容易に確認することができる。
また、基板部材2Zにおける第1出力回路11Zの実装位置の近傍には、「型番1」の文字が記載されている。この「型番1」の文字は、第1出力回路11Zの下面11Lに記載された文字と同一である。したがって、基板部材2Zにおける第1出力回路11Zの実装位置の近傍及び第1出力回路11Zの下面11Lにそれぞれ記載された「型番1」の文字を確認することにより、第1出力回路11Zが基板部材2Zおける正しい位置に取り付けられていることを容易に確認することができる。
また、基板部材2Zにおける第1出力回路11Zの実装位置の近傍に記載された「型番1」の文字は、図9−9に示すように、第1出力回路11Zの下面11Lに記載された「型番1」の文字よりも小さくされている。このため、基板部材2Zに多数の電子部品を配置した場合でも、各電子部品に対応する文字を基板部材2Zにより多く記載することができる。
また、基板部材2Zにおける第1出力回路11Zの実装位置の近傍に記載された「型番1」の文字は、特定の向きを向いており、第1出力回路11Zの下面11Lに記載された「型番1」の文字と向きが共通する。このため、基板部材2Zに記載された「型番1」の文字と第1出力回路11Zに記載された「型番1」の文字を容易に確認することができる。
また、本実施形態に係る遊技機に設けられる基板1Zにおいては、第3出力回路13と第1入力回路21で同じ種類の回路が使用されている。このため、第3出力回路13と第1入力回路21を見間違えやすくなる可能性がある。この点、本実施形態の基板1Zでは、第3出力回路13と第1入力回路21を外見から識別できるようにして基板部材2Zに搭載している。具体的には、第3出力回路13に表示される「型番3」の文字を読みにくい向きで記載し、第1入力回路21に表示される「型番3」の文字を読みやすい向きで記載して、「型番3」の文字と「型番3」の文字を互いに反転させた関係としている。このため、第3出力回路13と第1入力回路21には、同じ「型番3」の文字が記載されているものの、第3出力回路13と第1入力回路21を容易に識別することができ、基板に正しい部品が取り付けられていることを容易に確認することができる。
また、電子部品に型番等が記載される場合、通常、電子部品における所定の位置に型番を記載する。この場合、電子部品の向きを変えるだけで電子部品に記載された文字の向きを変えることができるので、第3出力回路13と第1入力回路21に記載された「型番3」の向きは、容易に変えることができる。特に、電子部品が対称形または対称形に近い形状であるときには、同じ又は近似する領域に対して、向きを変えた状態で電子部品を搭載させることができる。
また、第3出力回路13と第1入力回路21として用いられた回路部品は、出力回路と入力回路の両方で用いられており、外観上は近似するものの、その用途が大きく異なっている。この点、第3出力回路13と第1入力回路21について、表示された文字の向きを変えることによって外見から識別できるようにされているので、信号の入力に用いられる電子部品と信号の出力に用いられる電子部品という用途の異なる電子部品を容易に区別することができる。
また、基板1Zには、出力回路として、複数種類の電子部品としての回路が設けられている。このうちの1つの種類である第2出力回路12のうちの左第2出力回路12Cと、他の1つの種類である第3出力回路13では、記載された文字がいずれも読みにくい向きを向いている。このため、記載されている文字が読みやすい向きを向く第1入力回路21との区別を行い易くすることができる。したがって、出力回路と入力回路という種類の異なる電子部品を容易に区別することができ、基板に正しい部品が取り付けられていることを容易に確認することができる。
また、左第2出力回路12Cと第3出力回路13は、互いに近傍位置となるように基板1Zに搭載されている。このため、出力回路(左第2出力回路12Cと第3出力回路13)と入力回路(第1入力回路21)という種類の異なる電子部品を容易に区別することができ、基板に正しい部品が取り付けられていることを容易に確認することができる。
また、本実施形態に係る遊技機に設けられる基板1Zにおいては、基板1Zに第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38が設けられており、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38はそれぞれ第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54に接続されている。第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54は、役比を表示する装置であり、第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54に表示される数値は、非常に重要性の高い数値である。このような重要性の高い数値を表示する装置に接続される電子部品としては、不正な交換や取付間違えなどをより確実に防止する必要がある。この点、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38には、いずれも同一の電子部品(抵抗素子)が使用されている。この抵抗素子の性能、具体的には、抵抗値は、第1カラーコードCC1としての第1ラインL1〜第4ラインL4の態様によって表示されている。第2抵抗素子32Z〜第8抵抗素子38には、第1抵抗素子31と同様の第1カラーコードCC1(第1ラインL1〜第4ラインL4)が付されており、同一の性能であることを意味している。
ここで、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38にいては、互いに第1ラインL1〜第4ラインL4がそれぞれ一直線上に配置されるように並べられ、所定のマークの向きが共通するようにされている。このため、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38の一部の抵抗素子が取り替えられたり、取付間違えがあったりしても、他の抵抗素子との関係でそれらの抵抗素子を見つけやすくすることができる。したがって、正しい部品として、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38が基板1Zに取り付けられていることを容易に確認することができる。
また、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38に付された第1ラインL1〜第4ラインL4は、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38の性能(抵抗値)を示す印である。このため、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38として、正しい性能の抵抗素子が取り付けられているかを容易に確認することができる。
また、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38に付された第1ラインL1〜第4ラインL4がそれぞれ一直線上に整列された状態となるように第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38が配置されている。このため、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38に付された第1ラインL1〜第4ラインL4の比較を容易に行うことができる。
また、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38に付された第1カラーコードCC1(第1ラインL1〜第4ラインL4)と、異性能抵抗素子41Zに付された第2カラーコードCC2(第5ラインL5〜第8ラインL8)は、互いに異なる配色となっているが、第1ラインL1と第5ラインL5、第2ラインL2と第6ラインL6、第3ラインL3と第7ラインL7、第4ラインL4と第8ラインL8は、それぞれ互いに一直線上に配置されている。このため、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38と異性能抵抗素子41Zとでは、性能及び用途が異なるものの、そのカラーコードの比較を容易に行うことができる。その結果、正しい性能の抵抗素子が取り付けられているかを容易に確認することができる。
また、性能が同一である複数の抵抗素子がパッケージされている場合、通常、カラーコードが揃った状態でケースの中に収容されていることが多い。このパッケージされた複数の抵抗素子を基板1Zに搭載するにあたり、本実施形態の第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38のように、第1カラーコードCC1の向きが共通していることにより、複数の抵抗素子の実装作業を簡便なものとすることができる。
また、本実施形態に係る基板1Zでは、第2出力回路12〜第5出力回路15、及び第1入力回路21においては、それぞれの前面12F〜15F,21Fに「型番2」〜「型番5」、「型番3」の文字が記載されている。また、主要回路10Zの前面10Fに「型番100」の文字が記載されている。これらの第2出力回路12〜第5出力回路15、及び第1入力回路21の前面12F〜15F,21F、主要回路10Zの前面10Fは、互いに共通する方向を向いた面である。このため、主要回路10Zの前面10Fの「型番100」の文字を視認する際に、第2出力回路12〜第5出力回路15、及び第1入力回路21の前面12F〜15F,21Fに記載された「型番2」〜「型番5」、「型番3」の文字を視認しやすくできる。したがって、基板に正しい部品が取り付けられていることを容易に確認することができる。
また、第2出力回路12〜第5出力回路15、及び第1入力回路21の前面12F〜15F,21Fと、主要回路10Zの前面10Fは、いずれも基板部材2Zにおけるこれらの電子部品が実装された実装面の向きと共通する方向を向いた面である。このため、基板部材2Zの実装面を見ることにより、第2出力回路12〜第5出力回路15、及び第1入力回路21の前面12F〜15F,21Fと、主要回路10Zの前面10Fに記載された文字を同時に視認しやすくなる。したがって、基板に正しい部品が取り付けられていることを容易に確認することができる。
次に、本発明の変形例について説明する。図9−10は、変形例の基板の要部を拡大した斜視図である。図9−10に示すように、本変形例では、図9−1に示す主要回路10Zに代えて、他の主要回路110が基板部材2Zに搭載されているほかは、上記の実施形態と同様である。図9−10では、複数の電子部品のうち、主要回路110及び第1出力回路11Zのみを示している。
この変形例に係る主要回路110では、主要回路110の下面110Lに「型番200」の文字が記載されている。このため、主要回路110における「型番200」の文字が記載された下面110Lと、第1出力回路11Zにおける「型番1」の文字が記載された下面11Lは、共通する方向を向いた面である。また、主要回路110における「型番200」の文字が表示された下面110Lは、主要回路110が実装された基板部材2Zの実装面に直交する方向を向いた面である。また、図9−1に示す主要回路10Zでは、その下面及び上面から基板部材2Zの配線等に接続されるピン等が伸び出している。これに対して、主要回路110では、その後面(基板部材2Zの実装面に対向する面)から、基板部材2Zの配線等に接続されるピン等が伸び出している。
このように、主要回路110の下面110Lに「型番200」の文字が記載されている。第1出力回路11Zを一方向、具体的には斜め下方向(左斜め下方向または右斜め下方向)からを同時に見た場合に、「型番200」の文字と第1出力回路11Zの下面11Lに記載された「型番1」の文字を一気に視認することができる。したがって、基板部材2Zの実装面の異なる方向を向いた面に「型番200」の文字が表示されていたとしても、主要回路110が実装された基板1Zに正しい部品が取り付けられていることを容易に確認することができる。
また、主要回路110の下面110Lに「型番200」の文字が表示されていた場合、第2出力回路12〜第5出力回路15、及び第1入力回路21の前面12F〜15F,21Fに表示された「型番2」「型番3」「型番4」「型番5」「型番3」の文字も「型番200」の文字と一気に視認することができる。したがって、基板部材2Zの実装面に異なる方向を向いた面に「型番200」の文字が表示されていたとしても、主要回路110の基板1Zに正しい部品が取り付けられていることを容易に確認することができる。
図9−11は、他の変形例の基板の要部を拡大した平面図である。図9−11に示す例においては、出力回路の前面に表示された文字の向きが出力回路ごとに異なっている。具体的に、主要回路210の前面に表示された「型番300」の文字は、読みやすい向きを向いている。また、第1出力回路211に表示された「型番1」の文字は、第1出力回路211の前面において読みやすい向きを向いている。第2出力回路212に表示された「型番2」の文字は、第2出力回路212の前面において読みにくい向きを向いている。第3出力回路213に表示された「型番3」の文字は、第3出力回路213の前面において読みやすい向きを向いている。
この変形例では、主要回路210の前面に表示された「型番300」の文字、第1出力回路211〜第3出力回路213にそれぞれ表示された「型番1」〜「型番3」の文字は、読みやすい向きを向いていたり読みにくい向きを向いていたりして天地が不統一となっている。しかしながら、これらの「型番300」「型番1」〜「型番3」の文字は、いずれも互いに向きが共通する主要回路210、第1出力回路211〜第3出力回路213の各前面に表示されている。このため、天地の向きは異なるものの、これらの文字を一気に視認することができる。したがって、これらの電子部品が設けられた基板に正しい部品が取り付けられていることを容易に確認することができる。
図9−12は、他の変形例の基板の要部を拡大した平面である。図9−12においては、複数の抵抗素子の整列の態様の変形例を示している。図9−12(A)に示す変形例では、同じ方向を向いた第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38が千鳥に配置されており、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38に描かれて第1カラーコードCC1となる第1ラインL1は、隣り合う抵抗素子ごとに上下に段差を生じるようにして整列されている。第2ラインL2〜第4ラインL4についても、第1ラインL1と同様に、隣り合う抵抗素子ごとに上下に段差を生じるようにして整列されている。このように、隣り合う抵抗素子同士が千鳥に配置され、第1ラインL1〜第4ラインL4が上下に段差が生じるように整列された態様にして、第1カラーコードCC1(第1ラインL1〜第4ラインL4)の向きが共通するようにしていもよい。
図9−12(B)に示す変形例では、同じ方向を向いた第1抵抗素子31〜第5抵抗素子35が、その長手方向に連続するように配置されている。この変形例では、第1抵抗素子31〜第5抵抗素子35のそれぞれにおける第1カラーコードCC1(第1ラインL1〜第4ラインL4)は、直線上等には配置されていないが、これらの向きは共通している。言い換えると、第1ラインL1〜第4ラインL4が一直線上に配置される場合には、複数の抵抗素子がその第1ラインL1〜第4ラインL4が延在する方向に沿って並設され、この変形例では、複数の抵抗素子がその第1ラインL1〜第4ラインL4が延在する方向に交差(直交)する方向に沿って並設される。このように、複数の抵抗素子は、その第1ラインL1〜第4ラインL4が延在する方向に交差(直交)する方向に沿って並設されることによって第1ラインL1〜第4ラインL4の向きが共通するように設けられてもよい。要は、複数の抵抗素子はバラバラではない態様で配置されていればよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記の実施形態では、基板1Zは、スロットマシンの筐体の奥方の板の手前側の面に固定されるが、他の面、例えば、筐体の内左側の右面または内右側の左面に設けられてもよいし、スロットマシンにおけるリールユニットの上面に設けられていてもよい。また、スロットマシンの前扉におけるリール窓が設けられた位置の上方に設けられていてもよい。また、基板の向きは、どの向きでもよく、上記の実施形態では、広い面(電子部品の実装面)が前面を向くように配置されているが、当該広い面が上方向または下方向を向くようにしてもよいし、左右いずれかの方向を向くようにしてもよい。また、前後上下左右の各軸の少なくとも一軸に対して傾斜する角度で配置されてもよい。
また、上記の例では、基板1Zは、遊技の制御を行う主要回路10Zを備えるいわゆる主基板であるが、他の基板であってもよい。例えば、スロットマシンの演出を主に司る演出基板であってもよいし、電源の供給に関する電源基板であってもよい。または、その他の基板、例えば音声制御基板、ランプ制御基板、中継基板、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板などであってもよい。また、上記の例では、基板1Zは、スロットマシンに設けられた基板であるが、他の遊技機、例えばパチンコ遊技機(パチンコ機)に設けられた基板であってもよい。
また、上記の例では、文字が記載された電子部品は回路素子、例えば集積回路であるが、他の電子部品であってもよい。例えば、トランジスタ、抵抗、コンデンサなどの素子であってもよい。また、上記の例では、基板部材2Zにおける電子部品の実装面と共通する方向を向いた面、またはその実装面に直交する面に文字が記載されているが、基板部材2Zにおける電子部品の実装面と電子部品における文字が記載される面との関係は、他の関係となっていてもよい。例えば、基板部材2Zの実装面に対して、傾斜する面を有する電子部品のその傾斜する面に文字が記載されていてもよいし、円筒状の電子部品の側面に文字が記載されていてもよい。
また、上記の例では、電子部品を経由して入出力される信号は、第1入出力端子61、第2入出力端子62、及び第3入出力端子63を介する以外には、基板1Zの外部に送信されないが、これらの入出力端子を介することなく、外部との間で信号の入出力が行われるようにしてもよい。例えば、第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部34に表示される役比に関する信号を、基板1Zの外部に出力できるようにしてもよい。さらには、基板1Z等のスロットマシン内の基板から出力される信号を、スロットマシンの外部の機器に出力できるようにしてもよいし、基板1Z等のスロットマシン内の基板に外部から信号が入力されるようにしてもよい。例えば、スロットマシンに関する情報を、ホールに設けられるデータ表示器等に出力できるようにしてもよい。
また、上記の例では、基板部材2Z上においては、文字が記載されたすべての電子部品の電子部品の近傍に文字が記載されているが、すべての電子部品のうちの一部の近傍にのみ文字が記載されていてもよい。例えば、主要回路10Zの近傍にのみ文字が記載されていてもよいし、出力回路の近傍にのみ文字が記載されていてもよい。また、基板部材2Zにおける上第1出力回路11Aの近傍位置に記載された文字は、上記の第1出力回路11Aの近傍に記載された文字として説明した関連する文字であってもよい。
また、電子部品との関係で基板部材2Zに記載される文字が異なっていてもよい。例えば、出力回路の近傍には、出力回路に記載された文字と同一の文字が記載され、入力回路の近傍には、入力回路に記載された文字と関連する文字が記載されるようにしてもよい。また、1の電子部品、例えば出力回路の近傍では電子部品の上部に文字が記載され、他の電子部品、例えば入力回路の近傍では電子部品の下部に文字が記載されていてもよい。
また、電子部品との関係で基板部材2Zに記載される文字の形状(フォント)、大きさ、向きなどが異なるようにしてもよい。また、各電子部品に記載される文字についても、電子部品ごとに記載される文字の形状(フォント)、大きさ、向きなどが異なるようにしてもよい。さらには、基板部材2Z上における電子部品の位置関係に応じて、基板部材2Zにおける電子部品の近傍に記載される文字や電子部品に記載される文字の形状(フォント)、大きさ、向きなどが異なるようにしてもよい。
(1)本発明の遊技機は、遊技を行う遊技機(例えば、スロットマシン、パチンコ遊技機等)であって、複数種類の電子部品(例えば、主要回路、入力回路、出力回路、入出力端子、抵抗、トランジスタ、コンデンサ等)が搭載された基板(例えば、基板1Z等)を備え、前記複数種類の電子部品は、文字情報(例えば、上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11Cに記載された「型番1」の文字等)が記された複数の特定電子部品(例えば、上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11C等)を含んでおり、前記複数の特定電子部品は、それぞれに記された前記文字情報の向きが共通する(例えば、上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11Cに表示された「型番1」の文字は、いずれもその文字を見る者が読みやすい向きを向いている等)ように前記基板に搭載されていることを特徴とする。
このような構成によれば、電子部品に記された文字情報に対して、一方向からの視認で認識し易くできる。このため、基板に正しい部品取り付けられていることを容易に確認できる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記複数種類の電子部品は、遊技の制御を行う特別電子部品(例えば、主要回路10Z等)を含み、前記特別電子部品には、文字情報が記されており(例えば、主要回路10Zに「型番100」の文字が記載されている等)、複数の前記特定電子部品における前記文字情報の向き(例えば、第1出力回路11Zに記載された「型番1」の文字の向き等)と、前記特別電子部品における前記文字の向き(例えば、主要回路10Zに記載された「型番100」の文字の向き等)が、いずれも特定の向き(例えば、複数の文字等を一方向から覗いたときに、その文字等の同じ側が視点に近い側に位置する向き等)となるように、複数の前記特定電子部品及び前記特別電子部品が前記基板に搭載されているようにしてもよい。
このような構成によれば、特定電子部品とともに文字情報を認識し易くできる。
(3)上記(2)の遊技機において、前記基板に搭載され、文字情報が記された複数の前記電子部品(例えば、主要回路10Z、第1出力回路11Z〜第5出力回路15、第1入力回路21)のうちの半数を超える前記電子部品(例えば、基板部材2Zに搭載された電子部品であって文字が記載された電子部品のうちの主要回路10Z、上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11C、右第1入力回路21A、中第1入力回路21B、左第1入力回路21C等)は、それぞれに記された前記文字情報の面が前記特定の向きとなる(例えば、主要回路10Z、上第1出力回路11A、中第1出力回路11B、下第1出力回路11C、右第1入力回路21A、中第1入力回路21B、左第1入力回路21Cに記載された文字は、特定の向きを向いている等)ように前記基板に搭載されているようにしてもよい。
このような構成によれば、他に設けられた電子部品とともに文字情報を認識し易くできる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの遊技機において、前記基板上における前記特定電子部品の実装位置の近傍(例えば、第1出力回路11Zの近傍等)には、前記実装位置に実装される前記特定電子部品と対応した文字情報(例えば、第1出力回路11Zに記載された「型番1」と同一の「型番1」の文字等)が記されており、前記基板上に記された文字情報と、前記実装位置に実装された前記特定電子部品に記された文字情報の向きが共通する(例えば、第1出力回路11Zに記載された「型番1」と、基板部材2Zの記載された「型番1」の文字の向きが、基板1Zを一方向から見たときに、その文字の下側が視点に近い側に位置する等)ように、前記実装位置に実装された前記特定電子部品が前記基板に搭載されているようにしてもよい。
このような構成によれば、基板の文字情報とともに特定電子部品を認識し易くできる。
(5)本発明の遊技機は、遊技を行う遊技機(例えば、スロットマシン、パチンコ遊技機等)であって、複数種類の電子部品(例えば、主要回路、入力回路、出力回路、入出力端子、抵抗、トランジスタ、コンデンサ等)が搭載された基板(例えば、基板1Z等)を備え、前記複数種類の電子部品は、複数の識別電子部品(例えば、第2出力回路12、第3出力回路13、第4出力回路14、第5出力回路15、第1入力回路21等)を含み、前記複数の識別電子部品は、第1種類の識別電子部品(例えば、出力回路として使用される第3出力回路13等)と第2種類の識別電子部品(例えば、入力回路として使用される第1入力回路21等)とを含んでおり、前記第1種類の識別電子部品と前記第2種類の識別電子部品とは、外見から識別できるよう(第3出力回路13と第1入力回路21とは、外見から識別できるように、前面に表示された「型番3」の文字の向きが異なり、互いに反転させた関係となっている等)に、前記基板に搭載されていることを特徴とする。
このような構成によれば、識別電子部品の態様によって、いずれの種類の識別電子部品であるかを区別できる。このため、基板に正しい部品取り付けられていることを容易に確認できる。
(6)上記(5)に記載の遊技機において、前記第1種類の識別電子部品は、出力回路に設けられた識別電子部品(例えば、第3出力回路13等)であり、前記第2種類の識別電子部品は、入力回路に設けられた識別電子部品(例えば、第1入力回路21等)であるようにしてもよい。
このような構成によれば、信号の入力に用いられる電子部品と信号の出力に用いる電子部品を容易に区別できる。
(7)上記(5)または(6)の遊技機において、前記複数種類の電子部品は、複数の所定電子部品(例えば、第1出力回路11Z〜第5出力回路15等)を含み、複数種類の所定電子部品は、第1種類の第1所定電子部品(例えば、第2出力回路12等)を含み、前記第1種類の識別電子部品と前記第1所定電子部品とは、同じ態様で前記基板に搭載されている(例えば、第2出力回路12と第3出力回路13は、いずれも読みにくい向きを向く態様で基板1Zに搭載されている等)ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1種類の電子部品を容易に区別できる。
(8)上記(5)または(6)の遊技機において、前記複数種類の電子部品は、複数種類の所定電子部品を含み(例えば、主要回路、入力回路、出力回路、入出力端子、抵抗、トランジスタ、コンデンサの各電子部品は、第1出力回路11Z〜第5出力回路15を含み)、複数種類の所定電子部品は、第1種類の第1所定電子部品を含み(例えば、第1出力回路11Z〜第5出力回路15は、第2出力回路12を含み)、前記第1種類の識別電子部品と前記第1所定電子部品とは、互いに近傍位置となるように前記基板に搭載されいている(例えば、第3出力回路13と第2出力回路12とは、互いに近傍に配置されている等)ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1種類の電子部品を容易に区別できる。
(9)本発明の遊技機は、遊技を行う遊技機(例えば、スロットマシン、パチンコ遊技機等)であって、複数種類の電子部品(例えば、主要回路、入力回路、出力回路、入出力端子、抵抗、トランジスタ、コンデンサ等)が搭載された基板を備え、前記複数種類の電子部品は、極性のない2つの端子(例えば、抵抗等)を備え、所定のマーク(例えば、第1ラインL1〜第4ラインL4からなる第1カラーコードCC1等)が付された複数の印付電子部品(例えば、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38等)と、複数の端子を有する特殊電子部品(例えば、第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54等)を含み、前記特殊電子部品における複数の端子には、それぞれ前記印付電子部品が接続されており、前記特殊電子部品における複数の端子に接続された複数の前記印付電子部品は、前記所定のマークの向きが共通する(例えば、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38は、第1ラインL1〜第4ラインL4がそれぞれ一直線上に配置されるように並べられている等)ように、前記基板に搭載されていることを特徴とする。
このような構成によれば、特殊電子部品に対して、印付電子部品が正しく接続されていることを確認できる。したがって、基板に正しい部品取り付けられていることを容易に確認できる遊技機を提供することである。
(10)上記(9)に記載の遊技機において、前記所定のマークは、前記印付電子部品の性能を示す(例えば、第1カラーコードCC1は、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38の抵抗値及び許容差を示す等)ようにしてもよい。
このような構成によれば、正しい性能の印付電子部品であるかを容易に確認できる。
(11)上記(9)または(10)の遊技機において、前記印付電子部品は整列して前記基板に搭載されているようにしてもよい。
このような構成によれば、互いのマークの比較を行い易くできる。
(12)上記(9)〜(11)のうちのいずれかの遊技機において、前記印付電子部品は、複数の第1印付電子部品(例えば、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38等)と、前記第1印付電子部品と同種かつ異性能の第2印付電子部品(例えば、異性能抵抗素子41Z等)と含み、前記複数種類の電子部品は、所定端子を有する第2特殊電子部品(例えば、電源確認ランプ55等)を含み、前記第2特殊電子部品における前記所定端子に、前記第2印付電子部品が接続されており(例えば、電源確認ランプ55に異性能抵抗素子41Zが接続されている等)、前記第2印付電子部品は、整列された前記複数の第1印付電子部品と並んで所定のマークが同じ向きとなるように前記基板に搭載されている(例えば、異性能抵抗素子41Zの第2カラーコードCC2の第5ラインL5〜第8ラインL8は、第1抵抗素子31〜第8抵抗素子38の第1カラーコードCC1の第1ラインL1〜第4ラインL4と一直線上に配置されるように並べられている等)ようにしてもよい。
このような構成によれば、用途の異なる部品間で、互いのマークの比較を行い易くできる。
(13)上記(9)〜(12)のうちのいずれかの遊技機において、前記特殊電子部品のうちの少なくとも一つは、遊技機の性能表示に用いられる性能表示手段(例えば、第1セグメント表示部51〜第4セグメント表示部54は、遊技機の役比を表示する役比表示手段である等)を備えるようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技機の性能表示にあたって正常な部品が取り付けられているかを表示できる。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部に関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。