本発明の遊技機用電子部品検証システムは、後述する図15〜図18に示すように、主には、遊技機であるパチンコ遊技機1のメーカー並びに遊技場の双方で使用される、画像取込み端末300や、メーカーに設置されて、正規の電子部品についての個体差識別情報である正規個体差識別情報を管理する管理コンピュータ200や、遊技場に設置されているホールコンピュータ210等にて形成される。
尚、図15〜図18においては、便宜的に、遊技機メーカー並びに遊技場とが共に1つのみの形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機メーカーが複数であったり、遊技場が複数であったりしても良いことは言うまでもない。
まず、本実施例において検証対象とされるパチンコ遊技機1について、以下に簡単に説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示略)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示略)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示略)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施例では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)ことによって、遊技球が始動入賞口に進入しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行してもよい。
また、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長するのでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
また、打球供給皿3を構成する部材に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作部50が設けられている。操作部50には、遊技者が押圧操作することが可能とされ、内部にLED(図示略)を内在することで点灯可能な透明樹脂部材から成る押圧操作部が設けられ、その押圧操作部の下方には、押圧操作部の押圧操作を検出するための操作スイッチ(図示略)が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示略)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技に関する制御の1つであるゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほか、RAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路53から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示略)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示略)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示略)も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ(図示略)を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPUは、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPUは、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示略)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPUは、キャラクタROMから読み出したデータをVDP(図示略)に出力する。VDPは、演出制御用CPUから入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ(図示略)に入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、I/Oポート部は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、I/Oポート部の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPUは、出力ポート(図示略)を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPUは、出力ポート(図示略)を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介してLEDドライバ(図示略)に入力される。LEDドライバ(図示略)は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、演出制御用CPUは、入出力ポートを介して操作部50に接続されており、該入出力ポートを介して操作部50内のLED(図示略)を駆動する信号を出力するとともに、操作部50内の操作スイッチ(図示略)から遊技者の押圧操作に応じて出力される操作信号が入力される。
次に、主基板31を収容した主基板ケース120の構造について、図2、図4、図6に基づいて説明すると、主基板ケース120に収容された主基板31は、図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面の中心よりやや下方位置に、主基板ケース120の上面が背面側に露出するように取り付けられている。
主基板ケース120は、図4に示すように、上述した、遊技に関する制御であるゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54や、ワークメモリとして使用されるRAM55や、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む1チップマイクロコンピュータである遊技制御用マイクロコンピュータ560が実装されている、有底方形状の主基板31が四隅部に形成された柱状突起130にネジ固定されるケース本体122と、該ケース本体122の開口を覆う有底方形状のケースカバー121とから成る、方形箱状のケースとされている。
尚、本実施例では、ケースカバー121とケース本体122とが、共に、透明なアクリル樹脂製とされていて、ケース内部に収納された主基板31を、主基板ケース120から取り出すことなしに、その両面について視認により検査できるようになっているとともに、図6に示すように、ケース本体122の開口部が、ケースカバー121を載置可能な段部とされていて、これらケースカバー121とケース本体122と当接部分が、互いに重なるようになっていて、これら重なった当接部分が、部分的に溶着されることで、これら溶着された当接部分を破断しない限り、つまり、主基板ケース120を破損しない限り、主基板ケース120内の主基板31を、主基板ケース120外に取り出すことができないようになっている。
すなわち、主基板31を主基板ケース120外に取り出して不正な部品への置き換えや主基板31の不正改造等をしたとしても、主基板ケース120が破損された状態となるので、主基板ケース120の破損の有無を確認することで、不正な部品への置き換えや主基板31の不正改造等の有無を把握することができる。但し、主基板ケース120を、新たな主基板ケース120に交換された場合には、これら不正な部品への置き換えや主基板31の不正改造等を検知することは困難となる。
また、ケースカバー121には、主基板ケース120に収納されている主基板31に実装された遊技制御用マイクロコンピュータ560に対応する部分となる、遊技制御用マイクロコンピュータ560のICパッケージ上面560’に図5に示すように、レーザーマーカーにて印字形成されている部品型番やロット番号等の所定表示Hと対向する部分が、画像取込み端末300の取込みユニット330の先端部分335の外形形状とほぼ同一な形状である、主基板ケース120の内方に向けて凹状とされた、切欠部124を有する略四角状の凹部123が形成されており、取込みユニット330の先端部分335を凹部123内に挿入可能となっており、パチンコ遊技機1から主基板ケース120を外すことなく、ICパッケージ上面560’の所定表示Hの画像を取り込むことができるようになっている。
また、凹部123の深さは、ケースカバー121がケース本体122と一体化された状態において、該凹部123の底部125が、収納された主基板31に実装されている遊技制御用マイクロコンピュータ560の所定表示Hが付されているICパッケージ上面560’と、ほぼ当接する状態、つまり、ICパッケージ上面560’と底部125との間に間隙が殆どない状態となる深さ寸法とされている。
このように、ICパッケージ上面560’と底部125とをほぼ当接する状態とすることは、取込みユニット330の先端部分335を、所定表示Hにとても近接させた状態にて該所定表示Hの画像を取り込むことができるようになっているとともに、図7に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560を不正な遊技制御用マイクロコンピュータ560Xに置き換えた場合に、これらの置き換えが発見されないように、正規の遊技制御用マイクロコンピュータ560のICパッケージの全部または一部を、不正な遊技制御用マイクロコンピュータ560Xに積み重ねた場合には、底部125が不正な遊技制御用マイクロコンピュータ560Xと干渉してしまい、主基板ケース120を閉じることが不能となるので、これら正規の遊技制御用マイクロコンピュータ560のICパッケージの全部または一部を不正な遊技制御用マイクロコンピュータ560Xに積み重ねることによって不正の検知が不能とされることも防止できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、凹部123の深さを、これらICパッケージ上面560’と底部125との間が、所定の間隙となるような深さ寸法としても良い。
また、本実施例では、凹部123の形状を、取込みユニット330の先端部分335の外形形状とほぼ同一形状とすることにより、先端部分335の外周側面が凹部123の内側面に当接して、先端部分335が所定の画像取込位置に案内されるとともに、凹部123並びに先端部分335の外形形状が、一角が切欠部とされた四角状とされていることにより、挿入された取込みユニット330の向きが必ず同一の方向となるようになっている。
つまり、本実施例の凹部123は、本発明の位置決め部を兼ねるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、凹部123を先端部分335よりも大きな寸法の円形の凹部とし、該凹部の底部に、先端部分335の外形に合致することで先端部分335の位置決めを行う段部等を設けて、凹部と段部(位置決め部)とが個別となるようにしても良い。
また、本実施例では、所定表示が付されたICパッケージ上面560’と、取込みユニット330の先端部分335とを近接させるために、ケースカバー121に凹部123を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図19に示す主基板ケース120’のように、主基板31を、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実装された子基板31bと、該子基板31bを装着可能なコネクタCNが実装された親基板31aとから構成し、該子基板31bに実装された遊技制御用マイクロコンピュータ560のICパッケージ上面560’を、ケースカバー121’の側面に近接させることで、ICパッケージ上面560’と、取込みユニット330の先端部分335とを近接させるようにしても良い。
尚、この場合にあっては、取込みユニット330の先端部分335の向きや位置が一定となるように、取込みユニット330の先端部分335の外形形状とほぼ同一な形状とされた段部131を、ICパッケージ上面560’の所定表示Hと対向する部分に設けるようにすることが好ましい。
次に、本実施例において用いた画像取込み端末300について、図8、図9に基づいて説明する。本実施例において用いた画像取込み端末300は、図8に示すような外観を有しており、主に、端末本体301と、該端末本体301にケーブル接続された取込みユニット330とから構成されている。
端末本体301は、操作者が携行できるように、比較的小型の四角箱状の端末とされており、該端末本体301の前面には、取り込んだ所定表示の画像や、判定結果等が表示される液晶表示装置(LCD)302と、正規の遊技制御用マイクロコンピュータ560の所定表示についての個体差識別情報(以下、正規個体差識別情報と称す)を登録する際に操作される登録ボタンスイッチ303aと、検証対象のパチンコ遊技機1に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560が正規のものであるかの検証を実施する際に操作される照合ボタンスイッチ303bと、照合結果の表示において確認操作を実施する際に操作される確認ボタンスイッチ303cとが設けられている。
また、端末本体301の側面には、正規個体差識別情報が記録(記憶)された記録媒体であるメモリカード(MK)を挿入可能な、カード挿入口306’が設けられており、メモリカード(MK)を装着することにより、該メモリーカード(MK)に記録(記憶)されている正規個体差識別情報を読み出すことで、これら正規個体差識別情報を端末本体301に入力できるようになっている。
端末本体301内部には、上述した液晶表示装置(LCD)302を駆動するためのLCDドライバ304や、カード挿入口306’に連設されて該カード挿入口306’に挿入されたメモリカード(MK)に記録(記憶)されている正規個体差識別情報の読み出しや、メモリカード(MK)への正規個体差識別情報の書き込みを行うカードインターフェイス(I/F)306、登録ボタンスイッチ303aと照合ボタンスイッチ303bおよび確認ボタンスイッチ303cとから成る入力操作部303、取込みユニット330とのデータの授受を接続ケーブル329を介して実施する接続インターフェイス(I/F)307、メーカーに設置された管理コンピュータ200や遊技場に設置されているホールコンピュータ210との通信を行う通信部308、画像取込み端末300の動作制御を行うための制御処理や、後述する個体差識別情報登録処理(図13)や個体差識別情報照合処理(図14)等の各種処理を行う制御マイコン(MPU;マイクロプロセッシングユニット)310、該制御マイコン310が実施する各種の処理や取込みユニット330から受信した画像データの一時記憶等に使用されるワークメモリとなるメモリ部305とが内蔵されており、これらの各部が、図9に示すように制御マイコン310に接続されてその動作が該制御マイコン310により制御されることで、画像取込み端末300の各機能が形成されている。
尚、制御マイコン(MPU;マイクロプロセッシングユニット)310内には、図示しないが、内部ROMが内蔵されており、該内部ROMに、個体差識別情報登録処理や個体差識別情報照合処理を初めとする制御マイコン310が実施する各種処理の処理内容が記述された処理プログラムが記憶されている。
また、本実施例では、通信部308として、検証作業において、多くのパチンコ遊技機1の検証を、各パチンコ遊技機1が存在する場所に容易に移動しつつ実施できるように、比較的電力の小さい電磁波を用いて無線データ通信を行うものを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら通信部308として、赤外線にて通信を行うものや、或いは有線にてデータ通信を行うものを使用しても良い。
これら端末本体301に接続ケーブル329にて接続される取込みユニット330は、図8に示すように、一角が切欠部とされた四角状の断面視を有する先端部335と、接続ケーブル329の導出端が半球状とされた円筒状の把手部336とから成り、把手部336には、画像を取り込む際に操作される取込みボタンスイッチ(SW)332が設けられている。
先端部335の先端面335’は透明な対物レンズパネルとされており、該先端面335’を通じて、先端部335内に設けられているイメージセンサである電荷結合素子(以下、CCDと略記する)333により画像を取り込むことが可能とされている。
先端部335内には、これらCCD333に被写体から光を誘導して被写体の像をCCD333に結像させるための図示しない光学レンズ、被写体を照合するための白色発光ダイオード(LED)334、接続ケーブル329および接続インターフェイス(I/F)307を介して制御マイコン310に接続され、取込みユニット330側に内蔵されている各部の制御およびCCD333にて撮像した画像データの制御マイコン310への送信等を行うコントローラ331が内蔵されていて、該コントローラ331は、取込みボタンスイッチ(SW)332の操作検出を制御マイコン310へ送信するとともに、該操作検出の出力に応じて制御マイコン310から画像データの出力要求を受信したことに応じて、白色発光ダイオード(LED)334を点灯し、CCD333にて撮像した画像の画像データを制御マイコン310へ送信する。
尚、本実施例では、画像取込み端末300に、登録ボタンスイッチ303aと照合ボタンスイッチ303bとを設けることで、同一の画像取込み端末300を、正規個体差識別情報の登録と個体差識別情報の照合(検証)との双方に使用できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、登録ボタンスイッチ303aが設けられた登録用画像取込み端末と、照合ボタンスイッチ303bが設けられた照合用画像取込み端末として、正規個体差識別情報の登録と個体差識別情報の照合(検証)とにおいて個別の端末を用いるようにしても良い。
また、本実施例に用いたメモリカードMKは、1回のみデータの書込記録が可能なワンタイム(OTP)ROMを有するメモリカードとされており、このようにすることは、正規個体差識別情報として不正な遊技制御用マイクロコンピュータ560の個体差識別情報の追加登録を不能とできることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらメモリカードMKとして、画像等の記録媒体として汎用されている、多数回の書き換え記録が可能なフラッシュメモリ等を有するメモリカードを使用しても良く、この場合にあっては、例えば、個体差識別情報の追加登録を遊技場において実施する場合には、パスワード等によって操作者の認証を行う等のセキュリティ対策を実施することが好ましい。
また、本実施例では、記録媒体としてメモリカードMKを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら記録媒体を光学的に記録可能なCD−ROMやDVD−ROM、DVD−RAM等の光学記録媒体を用いても良い。
ここで、図15に基づいて、本実施例1のシステム構成について、より詳しく説明すると、パチンコ遊技機1の製造メーカー並びに該製造メーカーで製造されたパチンコ遊技機1が設置される遊技場には、共に、画像取込み端末300が設けられている。
尚、製造メーカーには、それぞれの遊技場に出荷される各パチンコ遊技機1に搭載されている正規の遊技制御用マイクロコンピュータ560の正規個体差識別情報が、該正規個体差識別情報が記録されたメモリカードMKに記録されているカードIDに対応付けて記憶、管理される管理コンピュータ200が、画像取込み端末300とデータ通信可能に設けられており、製造メーカーから遊技場へは、正規個体差識別情報が登録済みとされたパチンコ遊技機1が、該パチンコ遊技機1の正規個体差識別情報が記憶されたメモリカードMKとともに出荷される。
ここで、製造メーカーにおいて、画像取込み端末300を用いて正規個体差識別情報が登録される流れについて説明する。
遊技場にパチンコ遊技機1を出荷する場合には、出荷する各パチンコ遊技機1に搭載されている正規の遊技制御用マイクロコンピュータ560の正規個体差識別情報を管理コンピュータ200に登録するとともに、メモリカードMKに書き込み記録(記憶)する。
これら正規個体差識別情報の登録においては、まず、画像取込み端末300の登録ボタンスイッチ303aを一度押圧操作して、画像取込み端末300の動作モードを登録モードとして、図13に示す個体差識別情報登録処理を実行させる。
そして、これら登録モードとして個体差識別情報登録処理を実行させた後、図6に示すように、出荷するパチンコ遊技機1に搭載されている主基板ケース120の凹部123に、取込みユニット330を挿入して、該取込みユニット330先端部分335を所定の取り込み位置に配置した後、取込みボタンスイッチ(SW)332を操作する。
これら取込みボタンスイッチ(SW)332の操作は、図13に示す個体差識別情報登録処理のSt1のステップにて検知されてSt2のステップに進み、画像の取り込み処理を実施する。
この取り込み処理において制御マイコン310は、前述したように、取込みボタンスイッチ(SW)332の操作に応じてコントローラ331から送信されてくる操作検出の受信に応じて、画像データの出力要求をコントローラ331に返信する。この画像データの出力要求の受信に応じてコントローラ331は、白色発光ダイオード(LED)334を点灯するとともに、CCD333から取得した画像の画像データを制御マイコン310へ送信する。これにより制御マイコン310は、コントローラ331から受信した画像データをメモリ部305に一時記憶するとともに、図10に示すように、取り込んだ所定表示Hの画像を液晶表示装置(LCD)302に表示する。
そして、St3のステップ進んで、撮像した画像の予め定められた所定領域、例えば所定表示Hを含む所定寸法範囲の領域を、特徴量の抽出(算出)を行う特徴量抽出対象領域として特定した後、該特定した特徴量抽出対象領域を予め定められた画像圧縮方法により画像圧縮を実施する(St4)。
そして、これら画像圧縮により圧縮された圧縮画像における各画素毎に、画像圧縮における誤差特徴量を算出する。つまり、圧縮画像の各画素の色相データについて、当該画素に対応する圧縮前の領域についての色相データとの誤差となる圧縮誤差について、誤差の大きさを数値化して誤差特徴量を算出する(St5)。
つまり、これら誤差特徴量は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の所定表示Hは、同一の表示を同一の印字形成方法により付したとしても、これらの表示を微小領域にて捉えた場合には、ICパッケージの表面状態や、ICパッケージを構成する樹脂や顔料の組成の違いやバラツキにより、各個体で全く同じとなることはないので、これら微小領域の色相は、それぞれの個体である遊技制御用マイクロコンピュータ560の所定表示毎に異なることになり、個々の所定表示毎に特有の特徴量となり得るものである。
つまり、目視的には、同一の白や黒に見えるものであっても、拡大して微小領域として捉えた場合には、白や黒以外の種々の色が含まれており、これらの種々の色の含まれ方までが全く同一なものは存在し得ず、よって、個々の所定表示Hで種々の色の含まれ方が異なる、すなわち、色相(色彩)の差(バラツキ)が存在するので、これら色相(色彩)の差(バラツキ)が、個々の遊技制御用マイクロコンピュータ560(電子部品)で固有のものとなる。
なお、本実施例で実施しているレーザーマーカーは、印刷のように表示の形成にインクを用いないが、レーザーが照射されるICパッケージを成すモールディングコンパウンドには、樹脂(バインダー)や耐熱材料粉体や顔料や劣化防止剤等の色彩の異なる各種の材料が含まれており、これらの材料にレーザーを照射して熱変化等を生じて形成された所定表示についても、印刷等と同じく、微小領域として色相(色彩)の差(バラツキ)が存在することになる。
尚、このように色相のバラツキを利用することにより、例えば、画像記録シンボル(バーコード)を用いた場合には、画像の劣化により照合精度が大きく低下してしまうのに対し、色相は、所定表示全体でほぼ一律に劣化するため、これらの劣化によっても色相のバラツキ自体は大きく変化しないので、これら所定表示Hの劣化により照合精度が大きく低下してしまうことを回避できることから好ましい。尚、これら色相(色相データ)に代えて、所定表示の明度(明度データ)或いは彩度(彩度データ)を単独で用いたり、或いは、色相(色相データ)に加えて明度(明度データ)または彩度(彩度データ)を組み合わせたり、或いは、色相(色相データ)を用いずに彩度(彩度データ)と明度(明度データ)とを組み合わせて用いたり、色相(色相データ)と彩度(彩度データ)と明度(明度データ)とを全て組み合わせて用いても良い。
また、本実施例では、画像処理の処理内容として画像圧縮を用いるとともに、該画像処理における特徴量として、画像圧縮における誤差の大きさを特徴量として算出するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの特徴量としては、それぞれの遊技制御用マイクロコンピュータ560の所定表示毎に、微小領域の色彩が異なることによって、個々の所定表示毎に特有となるものであれば良く、例えば、特定の彩度および/または明度の組み合わせに近い程特徴量が大きく、組み合わせと遠い程特徴量が小さくなる等のその他の特徴量を用いるようにしても良い。
また、本実施例では、特徴量の算出単位を圧縮画像の画素毎としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら特徴量の算出単位は、後述する特徴点の結線数以上の点となるように、適宜な大きさを決定すれば良い。
そして、St6のステップに進み、図11に示すように、St5のステップにて算出した誤差特徴量の多い順に特徴点(画素)を、予め設定されている所定数まで結んで、該結線により形成される図形を特定可能な情報として、各特徴点の相対位置と、特徴点を結んだ線のベクトル情報から成る個体差識別情報を生成する(St7)。
尚、本実施例では、誤差特徴量の多い順に特徴点(画素)を結線しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの結線順序を、誤差特徴量の少ない順に特徴点(画素)を結線するようにしても良く、これら結線する順序は、予め定めた所定順とすれば良い。
このようにして生成した個体差識別情報を、メモリ部305に一時記憶した後、再度、St1のステップに戻って、取込みボタンスイッチ(SW)332の操作受付け待ち状態に移行する。
つまり、出荷する各パチンコ遊技機1に搭載されている主基板ケース120の凹部123に、取込みユニット330を次々に挿入して、取込みボタンスイッチ(SW)332を操作することで、出荷する各パチンコ遊技機1に搭載されている正規の遊技制御用マイクロコンピュータ560の正規個体差識別情報がメモリ部305に蓄積記憶されていく。
そして、出荷する全てのパチンコ遊技機1について、搭載されている正規な遊技制御用マイクロコンピュータ560の正規個体差識別情報の生成を終了した場合には、再度、登録ボタンスイッチ303aを操作することで、液晶表示装置(LCD)302に「個体差識別情報の生成を終了して良いですか?」のメッセージが表示され、該表示において確認ボタンスイッチ303cを操作することで、個体差識別情報登録処理が終了されて、メモリカードMKがカード挿入口306’に装着されているか否かが判定される。尚、確認ボタンスイッチ303cに代えて、登録ボタンスイッチ303aを操作した場合には、再度、個体差識別情報登録処理に戻るようになっている。
そして、メモリカードMKがカード挿入口306’に装着されていない場合には、メモリカードMKの装着を促すメッセージが液晶表示装置(LCD)302に表示されて、メモリカードMKの装着待ち状態に移行する。
そして、メモリカードMKの装着された場合、または、メモリカードMKがカード挿入口306’に予め装着されていた場合には、これらメモリカードMKが、既に記録されたデータが存在して記録が不可なカードであるか否かを判定する使用可能判定処理を実施する。
装着されている(装着された)メモリカードMKが、既に記録されたデータが存在して記録が不可なカードである場合には、書込可能なメモリカードMKとの取り替えを要求するメッセージが液晶表示装置(LCD)302に表示されて、メモリカードMKの装着待ち状態に移行し、新たなメモリカードMKが装着された場合には、上記した使用可能判定処理を再度実行する。
装着されている(装着された)メモリカードMKが、既に記録されたデータが存在しておらず使用が可能なカードである場合には、管理コンピュータ200に対して、メモリ部305に記憶されている正規個体差識別情報とともに、登録要求を送信する。
この登録要求の受信に応じて管理コンピュータ200は、メモリカードMKに書込記録するカードIDを、その時点の日付や、パチンコ遊技機1が出荷される遊技場の遊技場ID等に基づいて生成し、該生成したカードIDに対応付けて、受信した正規個体差識別情報を記憶(登録)するとともに、該生成したカードIDを含む登録完了を、登録要求の送信元の画像取込み端末300に対して返信する。尚、出荷先の遊技場の情報(遊技場ID等)については、予め画像取込み端末300に入力しておけば良い。
この登録完了の受信に応じて制御マイコン310は、受信した登録完了に含まれるカードIDと、メモリ部305に記憶されている正規個体差識別情報とをメモリカードMKに書込記録した後、液晶表示装置(LCD)302に登録が完了した旨の登録完了メッセージを表示して、メモリカードMKの取外しを促す。
この登録完了メッセージを表示に応じて、カード挿入口306’からメモリカードMKを取外し、該メモリカードMKを、パチンコ遊技機1とともに遊技場に出荷する。
次に、遊技場において、パチンコ遊技機1の検証を、画像取込み端末300を用いて、入荷時や設置時、或いは設置後において実施する場合の流れについて説明する。
遊技場においてパチンコ遊技機1に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560が正規であるか否かを検証する場合においては、まず、画像取込み端末300のカード挿入口306’に、製造メーカーから検証しようとするパチンコ遊技機1とともに出荷されてきたメモリカードMKを装着した後、画像取込み端末300の照合ボタンスイッチ303bを一度押圧操作して、画像取込み端末300の動作モードを照合モードとして、図14に示す個体差識別情報照合処理を実行させる。
この個体差識別情報照合処理においては、まず、カード挿入口306’に装着されているメモリカードMKに、正規個体差識別情報が記録されているか否か(メモリカードMKが装着されていない場合も記録されていない場合に含む)を判定し(Ss0)、正規個体差識別情報が記録されていない場合には、液晶表示装置(LCD)302に所定時間に渡りエラー表示を表示した後(Ss20)、当該個体差識別情報照合処理を終了する一方、装着されているメモリカードMKに、正規個体差識別情報が記録されている場合には、Ss1のステップに進んで、取込みボタンスイッチ(SW)332の操作待ち状態に移行する。
このように、照合ボタンスイッチ303bを一度押圧操作して取込みボタンスイッチ(SW)332の操作待ち状態とさせた後、図6に示すように、検証するパチンコ遊技機1に搭載されている主基板ケース120の凹部123に、取込みユニット330を挿入して、該取込みユニット330先端部分335を所定の取り込み位置に配置した後、取込みボタンスイッチ(SW)332を操作する。
これら取込みボタンスイッチ(SW)332の操作は、Ss1のステップにて検知されてSs2のステップに進み、前述したSt2と同様の画像の取り込み処理を実施する。
つまり、本実施例では、主基板ケース120の凹部123に取込みユニット330を挿入して画像の取り込みを行うので、検証時に撮像される画像が登録時に撮像された画像とほぼ同一の領域を撮像した、ほぼ同一縮尺の画像となるので、特徴量の抽出(算出)を行う特徴量抽出対象領域の特定を少ない処理にて容易に特定できるばかりか、後述する三角形図形の合致の判定する処理負荷も低減できる。
そして、Ss3のステップ進んで、撮像した画像の予め定められた所定領域、例えば所定表示Hを含む所定寸法範囲の領域を、特徴量の抽出(算出)を行う特徴量抽出対象領域として特定した後、該特定した特徴量抽出対象領域を予め定められた画像圧縮方法により画像圧縮を実施する(Ss4)。
そして、Ss5のステップにおいては、前述のSt5と同じく、これら画像圧縮により圧縮された圧縮画像における各画素毎に、画像圧縮における誤差特徴量を算出した後、Ss6のステップに進み、Ss5のステップにて算出した誤差特徴量の多い順に特徴点(画素)を、予め設定されている所定数まで結んで、該結線により三角形の図形を描画する(図12(c))。
そして、これら特徴点(画素)を結ぶことにより描画された三角形の図形と、カード挿入口306’に装着されているメモリカードMKに記録(記憶)されている正規個体差識別情報に基づいて描画される三角形の図形(図12(b))について、一致するか否かを、例えば、図12(a)に示すように、双方の画像を重ねることで、順次比較していく(Ss7)。
次に、Ss8のステップに進み、Ss7のステップにおける比較で、所定数(本実施例では、1つ)以上、一致する三角形が存在する正規個体差識別情報が記憶されている場合には、Ss9のステップに進んで、液晶表示装置(LCD)302に検証OKである旨のメッセージ、つまり、検証対象の遊技制御用マイクロコンピュータ560が正規のものであることを表示してSs11のステップに進む一方、所定数(本実施例では、1つ)以上、一致する三角形が存在する正規個体差識別情報が記憶されていない場合には、Ss10のステップに進んで、液晶表示装置(LCD)302に検証NGである旨のメッセージ、つまり、検証対象の遊技制御用マイクロコンピュータ560が正規のものではないことを表示してSs11のステップに進む。
Ss11のステップにおいては、確認ボタンスイッチ303cの操作受付け待ち状態となり、検証結果の表示を確認した操作者(検証者)が確認ボタンスイッチ303cを操作することで、液晶表示装置(LCD)302に表示された検証結果の表示が消去されて、Ss0のステップに戻る(実際には、Ss1の取込みボタンスイッチ(SW)332の操作待ち状態に移行)。
検証対象のパチンコ遊技機1が複数である場合には、確認ボタンスイッチ303cの操作後において、引き続き、他の検証対象のパチンコ遊技機1の主基板ケース120の凹部123に、取込みユニット330を挿入して、取込みボタンスイッチ(SW)332を操作することで、検証したいパチンコ遊技機1に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560が、正規のものであるか否かを連続的に検証することができる。
次に、図18を用いて、本実施例4のシステム構成について説明する。尚、本実施例4は、実施例3と同一構成のシステムとされているので、詳細な説明は省略し、本実施例4の特徴点についてのみ詳述する。
本実施例4のシステムでは、各遊技場のホールコンピュータ210を、インターネット網を介したバーチャルプライベートネットワーク(VPN)等により、製造メーカーの管理コンピュータ200とデータ通信可能に接続して、ホールコンピュータ210を介して、画像取込み端末300’から送信されてくる検証対象の遊技制御用マイクロコンピュータ560の所定表示Hについての画像データを、管理コンピュータ200に対して、遊技場の遊技場ID並びに照合要求とともに送信し、該送信に応じて管理コンピュータ200から返信される検証結果(検証OK、検証NG)を、ホールコンピュータ210を介して、管理コンピュータ200から当該画像データを送信した画像取込み端末300’が受信して液晶表示装置(LCD)302に表示することを特徴としている。
つまり、実施例3においてホールコンピュータ210が実施していた、比較的大きな処理能力が必要とされる特徴量抽出対象領域の特定処理、画像圧縮処理、誤差特徴量の算出処理、特徴点の結線処理、三角形の図形の比較照合処理等の処理を、製造メーカーの管理コンピュータ200において実施することで、画像取込み端末300’の制御マイコン310やホールコンピュータ210として、処理能力の高い高価なコンピュータではなく、処理能力の比較的低い安価なコンピュータを使用することが可能となり、画像取込み端末300’並びにホールコンピュータ210のコストを著しく低減でき、遊技場の負担を著しく低減できる。
尚、本実施例4では、ホールコンピュータ210が、照合要求とともに遊技場IDを送信するようにしており、このようにすることは、管理コンピュータ200が、三角形の図形の比較照合処理を実施する場合に、照合対象とする正規個体差識別情報を、該照合要求とともに受信した遊技場IDに対応付けて登録(記憶)されている正規個体差識別情報に限定することができるので、これら比較照合処理における処理負荷が不必要に大きくなってしまうことを回避でき、検証に要する時間も短縮できるようになることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技場IDを送信しないようにしても良い。
また、例えば、検証対象とする遊技制御用マイクロコンピュータ560に、それぞれ固有のIDが付与されて、外部より電気的に読み取り可能とされている場合には、これら遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDを、製造メーカーにおける正規個体差識別情報の登録に際して読み取って、正規個体差識別情報を該読み取った技制御用マイクロコンピュータ560のIDに対応付けて管理コンピュータ200に登録しておくとともに、画像取込み端末300’においては、検証対象の遊技制御用マイクロコンピュータ560の所定表示Hについての画像データの取り込みに加えて、検証対象の遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDを読み取って、画像データとともにホールコンピュータ210を介して管理コンピュータ200に送信するようにして、管理コンピュータ200においては、照合対象とする正規個体差識別情報を、受信したIDに対応して登録(記憶)されている正規個体差識別情報とのみに限定することを可能とすることで、これら比較照合処理における処理負荷を著しく低減するとともに、検証に要する時間も著しく短縮できるようにしても良い。
尚、本実施例4では、管理コンピュータ200を介して、画像取込み端末300’と管理コンピュータ200とを接続する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、管理コンピュータ200に代えて、ルータ等を用いて、画像取込み端末300’と管理コンピュータ200とを接続するようにしても良いし、画像取込み端末300’の通信部308を、携帯電話回線網を介したデータ通信が可能な通信部とし、携帯電話回線網を介して、画像取込み端末300’を管理コンピュータ200に直接接続するようにしても良い。すなわち、周知の携帯電話機を、画像取込み端末300’における端末本体301’として用いるようにしても良い。
以上、前記各実施例によれば、正規・非正規を判断するためにメモリカードMKやホールコンピュータ210や管理コンピュータ200に記憶されている正規個体差識別情報から特定される図12(b)の三角形図形と照合される図12(c)の図形を特定可能な個体差識別情報が、電子部品である遊技制御用マイクロコンピュータ560に直接形成された所定表示Hを取り込んだ所定表示画像から生成されるので、電子部品にICタグ付きのシール等を貼着して電子部品の正規・非正規を判断する手法に比較して、遊技機に搭載されている電子部品が、正規の電子部品であることを正確に検証することができる。つまり、上述した先行技術における封印シールのように、剥がされて再度貼着されることがないばかりか、そもそも、個体差識別情報が、電子部品である遊技制御用マイクロコンピュータ560に直接形成された所定表示Hによるものであるので、不正な遊技制御用マイクロコンピュータに交換されたとしても、個体差識別情報が正規個体差識別情報と必ず不一致となるので、正規の遊技制御用マイクロコンピュータ560でないことを把握することができる。
以上、本発明の各実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら各実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、検証対象を、主基板31に実装されている、遊技の進行制御を行う遊技制御用マイクロコンピュータ560とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら検証対象は、主基板31に実装されているその他のIC、例えば、乱数生成用ICや入力ドライバIC、主基板31以外の基板、例えば、パチンコ玉の払出を行う払出基板に実装されているコントロールIC等であっても良い。
また、前記実施例では、専用の端末本体301から成る画像取込み端末300を用いた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、システムコストを低減するために、これら端末本体301として、前述したように、携帯電話機を用いたり、或いは、通常のノートパソコンを用いるようにしても良い。
また、前記実施例では、ケースカバー121とケース本体122と当接部分を溶着させた主基板ケース120を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら主基板ケース120として、当接部分を溶着せずに、例えば、剥離しようとすると破断してしまうような封緘シール等を当接部分に貼着したものとしても良い。
また、前記実施例では、遊技機としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明に係る遊技機はこれらパチンコ遊技機1に限定されるものではなく、パチンコ玉が指触不可に封入されることで点数やポイント等により遊技を行う封入式パチンコ機や、遊技媒体としてメダルを用いるスロットマシン、更にはこれらコインを用いずにパチンコ玉で遊技を実施可能なスロットマシン等にも適用可能である。
また、前記実施例では、所定表示Hが、レーザーマーカーにて形成されたものを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら所定表示Hは、容易に剥がしたりすることのできないように、タンポ印刷やスクリーン印刷等の印刷或いは転写等により、電子部品に対して直接形成されたものや、非常に強固な接着剤を有する所定表示が表示されたラベル等を、電子部品に直接貼着することにより電子部品と一体化されて、上記したレーザーマーカーや印刷や転写等による所定表示と同様に、電子部品から剥離不能とされたものであれば良い。
また、前記実施例では、各メモリカードMKに記録された正規個体差識別情報に間違いがないか、つまり、正規個体差識別情報が不正に追加されていないか等を確認できるようにするために、メモリカードMKのカードIDに対応付けて、該メモリカードMKに書込記録されている正規個体差識別情報を、管理コンピュータ200にも登録(記憶)するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、実施例1、2にあっては、これら管理コンピュータ200への正規個体差識別情報の登録(記憶)を実施しないようにしても良い。
また、前記実施例では、検証結果を液晶表示装置(LCD)302に表示出力するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら表示出力に代えて、若しくは、表示出力に加えて、音や振動により、検証結果(検証OK、検証NG)を出力することで、いちいち、表示を見て確認しなくても、検証結果を把握できるようにすることで、検証作業を作業性を向上できるようにしても良い。また、これらの検証結果を、日付や操作者の情報等に対応付けて、検証履歴として記憶しておくことで、どのような時期に不正な電子部品と交換されたのかを把握できるようにしても良い。
また、前記実施例では、凹部123も、ケースカバー121と同一の透明なアクリル樹脂のみで形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、凹部123における底部125の内面側に、液晶ディスプレイに使用されているような偏向フィルム等の特定のフィルターを貼着して所定表示Hの画像を撮像して個体差識別情報を登録することで、遊技制御用マイクロコンピュータ560とケースカバー121との組み合わせが同一でなければ、つまり、ケースカバー121が不正をするために破損されたことにより、異なるケースカバー121が使用された場合、つまりは、フィルタと遊技制御用マイクロコンピュータ560との組み合わせが異なれば、例え、遊技制御用マイクロコンピュータ560が同一であっても、個体差識別情報に基づく比較照合結果が検証NGとなるようにしても良い。
また、前記実施例では、ケースカバー121に凹部123を形成した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらケースカバー121に、図19に示す主基板ケース120’のように、取込みユニット330の先端部分335の外形形状とほぼ同一な形状とされた段部131と同様の段部のみを、後付けにより設けて、凹部123を有しないケースカバーとすることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560の実装位置が、主基板31の変更により変更となっても、継続して主基板ケースを使用できるようにしても良い。
また、前記実施例では、凹部123に挿入される先端部分335の向きが一定となるようにするために、凹部123並びに先端部分335の外形形状を、一角が切欠部とされた四角状としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら切欠部に代えて、例えば、凹部123のいずれかの側内面に凹溝部を形成するとともに、先端部分335の外周側面に、該溝部内に挿入可能な凸溝部を形成するようにしても良い。
また、前記実施例では、管理コンピュータをパチンコ遊技機1の製造メーカーに設置した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの管理コンピュータ(管理サーバ)を、例えば、電子部品の検証サービスを行う製造メーカー以外の第三者機関に設置するようにしても良い。
尚、この場合においては、第三者機関に設置される管理サーバには、複数の製造メーカーの管理コンピュータ200に接続して、各製造メーカーの正規個体差識別情報を登録しておくようにすることで、複数の製造メーカーのパチンコ遊技機1を使用する遊技場が、各パチンコ遊技機1の製造メーカーの管理コンピュータ200にアクセスすることなく、各製造メーカーの正規個体差識別情報を一度に取得できるようにしても良い。
また、前記実施例1〜3では、製造メーカー側において、出荷するパチンコ遊技機1の正規個体差識別情報を生成して、これら生成した正規個体差識別情報を、メモリカードMKや通信にて遊技場の画像取込み端末300やホールコンピュータ210に入力するようにしており、このようにすることは、配送段階での不正の実施等を防止できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら正規個体差識別情報の生成を、各遊技場にパチンコ遊技機1が入荷した際に画像取込み端末300、300’を使用してメモリカードMKやホールコンピュータ210に入力するようにすることで、遊技機の製造メーカーに頼ることなく、パチンコ遊技機1に搭載されている電子部品の正規・非正規の検証を遊技場が独自で実施できるようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の取り替え不正を難しくするために、遊技制御用マイクロコンピュータ560が直接ハンダ付けされた形態の主基板31を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技制御用マイクロコンピュータ560を着脱可能なICソケットを介して主基板31に実装することで、遊技制御用マイクロコンピュータ560を簡便に主基板31から取外して検査等が実施できるようにしても良い。
また、前記実施例では、ケースカバー121とケース本体122とが部分的に溶着されて、これらを破断しない限り、主基板31を主基板ケース120外に取り出すことができないようにしたものを例示しており、このようにすることは、主基板ケース120内の部品が不正に交換されてしまう危険性を低減できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら溶着等によりケースカバー121とケース本体122のカシメを行う場合において、例えば、4回等の予め定められた所定回数の範囲内で、接合部の離脱と溶着等によるカシメとを繰返し実施できるものとすることで、所定回数の範囲内であれば、例えば、出荷検査時や入荷検査時や遊技機の審査時等において主基板ケース120のカシメを離脱させて、格納されている主基板31を複数回に亘り主基板ケース120外に取り出して検査等ができるようにしても良い。
また、前記実施例では、個体差識別情報として、所定表示Hにおける微小領域の色彩の1構成要素である色相の違い(バラツキ)に基づく、画像圧縮(画像処理)における誤差特徴量によって特定した複数の特徴点を、該特徴量に応じて所定順(特徴量が多い順又は少ない順)に結んだ線により形成される三角形図形を特定可能な情報を用いるようにしており、このようにすることは、各電子部品にて固有となる個体差識別情報を得るために、所定表示の形成方法の変更、例えば、印刷による形成であればインクの種類の変更や印刷設備の変更等を実施する必要がないばかりか、生成される個体差識別情報の容量を非常に少ないものにできるとともに、これら図形を用いた照合を行うことで、照合する各図形と各図形の重ね合わせによって生じる重複部分の図形とを比較することで、容易に照合を実施できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら画像圧縮以外の特徴点を使用した個体差識別情報或いは、これら特徴点を結んだ図形を用いずに照合を行う個体差識別情報を使用するようにしても良い。