以下、本発明の実施例の詳細について説明する。図1は、本発明の遊技機の検査管理システムが搭載される回胴式遊技装置の一例を示す斜視図である。
同図に示すように、回胴式遊技装置であるスロットマシン1は、遊技者側に面する、いわゆるフロントマスクを構成する前扉3が略矩形状の箱体である筐体2の開口側に対し図示しない蝶番機構により左側端部側を回動支点として開閉可能に取り付けられている。前扉3は、上パネル部10と、操作卓部20と、下パネル部30とに概ね分けられ、これらは化粧板として視覚効果を高めてデザインされた硬質プラスチックにより一体的に形成されている。
上パネル部10には、高輝度発光ダイオードを内蔵した上部ランプ11及びサイドランプ12a,12bが配置され、リーチや大当たり等の際に点灯又は点滅して遊技者の視覚に訴える演出を行っている。また、上パネル部10には、左右にスピーカを内蔵した演出用放音部13a,13bが設けられ、これらの演出用放音部13a,13bによりゲームの進行に応じて選択される効果音や楽音等による演出が行われる。
さらに、演出用放音部13a,13bの間には、表示窓14aが形成されており、その表示窓14aから液晶表示部14bが見えるように液晶表示ユニット14が配置されている。液晶表示ユニット14は、ゲームの進行に応じて選択された動画像を表示して、当該ゲームにストーリー性を与えたり、また、遊技者に内部当選結果を暗示して期待感を惹起させたりする等の演出を行っている。
また、上パネル部10の中央には、略長方形の透明な表示窓15aと、遊技状態等をランプ表示する情報表示部とが形成されたパネル板15が取り付けられている。そして、筐体2内に設けられている後述の回胴装置100の3個の円筒状のリール101,102,103が表示窓15aを通して目視されるように構成されている。
すなわち、リール101,102,103の外周面には、所定数(たとえば21個)の図柄が付された長尺状のプラスチックシートであるリールテープがそれぞれ捲装されて貼り付けられており、表示窓15a側に臨む縦3個、横3列の図柄が表示窓15aを通して遊技者側から目視されるようになっている。
操作卓部20には、ゲームに使用するメダルを投入するための投入口を有するメダル投入部21、コインをベットするベットボタン22、ゲームの操作を指示するスタートレバー23、回胴装置100のリール101,102,103をストップさせるストップボタン24a,25b,25c等が設けられている。
ここで、現状のスロットマシン1では、1ゲームに必要とされるメダルが3枚となっているため、3枚を超えてメダルがメダル投入部21に連続投入されると、最大50枚までクレジットされるようになっている。
ベットボタン22は、スロットマシン1のゲームに賭けるメダルの枚数を提示するための押圧式の操作スイッチであり、MAXベットボタンと呼ばれている。すなわち、メダルがクレジットされているとき、ゲーム開始時にベットボタン22を操作すると、そのクレジットされているメダルのうち3枚がベットされるようになっている。
スタートレバー23は、回胴装置100のリール101,102,103を一斉に回転させる指示をするためのレバースイッチであり、先端に設けられている球形の操作ノブを上下左右のいずれかの方向に傾倒操作するとオン作動し、その操作ノブから手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフするように構成されている。
ストップボタン24a,25b,25cは、回胴装置100のリール101,102,103の回転停止を個別に指示するための押圧式スイッチであり、各リール101,102,103の配列に対応してそれぞれ並設されている。
また、操作卓部20には、鍵穴25を有する図示しない施錠装置が設けられている。そして、ホールスタッフ等がメンテナンス作業や出玉管理作業等を行う場合、その施錠装置の鍵穴25に専用鍵を差し込んでロックを解除すると、図2のように前扉3が左端部側を支点として片開きされ、筐体2の開口が開放されるようになっている。
下パネル部30には、スロットマシン1のモデルタイプ等を遊技者へ認識させるための、たとえば登場キャラクターの絵等を表示するパネル31が設けられている。また、このパネル31には、ある組合、たとえばスロットのメーカーによる組合によっての検査済みを示す証紙50が貼着されている。なお、証紙50には、固有の識別情報を示す数字等の文字による本体製造番号(又は主基板番号)が印刷によって付されている。なお、証紙50には、その固有の識別情報を示す後述のQRコード等が印刷によって付されていてもよい。
下パネル部30の下部には、メダルを貯留するための受皿部を形成する受皿ユニット40が設けられている。受皿ユニット40には、入賞時等においてメダルを排出するメダル排出口41と、後述するスピーカ61a,61bを内蔵しゲームの進行に応じて演出効果音を発生させる演出効果音部42a,42bと、灰皿43とがそれぞれ配設されている。
図2は、図1の回胴式遊技装置であるスロットマシン1の内部構成を示す正面図である。なお、図2は、前扉3を筐体2から開けた状態を表している。同図において、前扉3の裏面上部には、上部ランプ11の光源である高輝度発光ダイオード60が配列されるとともに、上述の演出用放音部13a、13bに対向してスピーカ61a,61bが取り付けられている。
また、図2には示されてはいないがスピーカ61a,61bの間に上述した液晶表示ユニット14が位置しており、その液晶表示部14bが表示窓14aに向けて取り付けられている。さらに、液晶表示部14bの裏面側に、サブ制御基板ユニット300が取り付けられている。このサブ制御基板ユニット300は、硬質プラスチックのケースに図示しないサブ制御基板を収容したものである。
このサブ制御基板ユニット300に収容されたサブ制御基板は、後述の主制御基板220からの演出開始を示唆する制御信号を受け取ると、上述の液晶表示部14bによる動画像等の表示と、上述の上部ランプ11及びサイドランプ12a,12bによる点滅又は点灯によっての演出と、上述の演出用放音部13a,13bによる効果音や楽音等による演出とが行われるようになっている。サブ制御基板ユニット300の下方には、筐体2側のリール101,102,103を目視させるための表示窓15aを有するパネル板16が取り付けられている。
パネル板16の下方には、中央表示制御基板ユニット400が取り付けられている。この中央表示制御基板ユニット400は、硬質プラスチックのケースに図示しない中央表示制御基板を収容したものである。また、この図示しない中央表示制御基板には、上述した操作卓部20に設けられているベットボタン22、スタートレバー23、ストップボタン24a,25b,25c等のスイッチ類が電気的に接続されており、これらスイッチ類の出力信号が筐体2側の後述の主制御基板220に転送されるように配線接続されている。
中央表示制御基板ユニット400の下方には、上述のメダル投入部21より投入される投入物を正規のメダルか異物かを判別して振り分けるセレクト機構62と、このセレクト機構62によって振り分けられたメダルを筐体2内に設けられているホッパ装置66へ案内するガイド部材63と、セレクト機構62で振り分けられた異物を上述のメダル排出口41へ案内するガイド部材64とが設けられている。また、メダル排出口41の両側には、上述した演出効果音部42a,42bに対向してスピーカ65a,65bが取り付けられており、これにより上述した演出用放音部42a,42bを介して演出効果音を出力するように構成されている。
一方、筐体2内の上部には、主制御基板ユニット200が取り付けられている。この主制御基板ユニット200は、硬質プラスチックのケースにスロットマシン1の全体動作を集中制御する後述の主制御基板220を収容したものであるが、その詳細については後述する。なお、図中符号250は基板ケースシール、符号255は管理票をそれぞれ示している。これら基板ケースシール250及び管理票255の詳細についても後述する。
主制御基板ユニット200の下方には、リール101,102,103を有する回胴装置100が取り付けられている。この回胴装置100は、前扉3が筐体2側に閉じられると表示窓15aにリール101,102,103が対向するように、筐体2の所定フレーム(符号略)に位置決めして取り付けられている。なお、これらのリール101,102,103は、図示しないステッピングモータの駆動軸に取り付けられ、同じく図示しない回胴装置基板によってステッピングモータの駆動が制御されるようになっている。
回胴装置100の下方には、ホッパ装置66と、ホッパ装置66から溢れたメダルを収容するための補助貯留部67と、主電源装置68とが設けられている。主電源装置68の側面には、いわゆる配電盤に相当する図示しない電源装置基板が設けられている。また、筐体2の内壁の一端には、ホール等に設置されている「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理用コンピュータと接続可能な図示しない外部集中端子基板が取り付けられている。
図3は、上述した主制御基板220を組み込んだ主制御基板ユニット200を説明するための分解斜視図である。同図に示す主制御基板ユニット200は、ブラケット部材240を介して筐体2の背面側に取り付けられるようになっている。また、主制御基板ユニット200は、硬質プラスチックよりなる本体ケース210と上蓋ケース230とを有し、これらの本体ケース210と上蓋ケース230との間に主制御基板220を収容している。
ブラケット部材240は、主として係合凹部241aを有するリブ部241と、係止アーム242とを有し、これらによって主制御基板ユニット200が保持されるようになっている。また、ブラケット部材240には、接続部材201を用いて上蓋ケース230を結合する封止筒部243が設けられている。また、ブラケット部材240には、筐体2の背面側に取り付けられるためのねじが挿入される複数のねじ穴244が設けられている。
一方、本体ケース210は、前面が開放する略矩形の箱体として透明なプラスチックで一体形成したものであり、その底板部に小ねじを介して主制御基板220が結合固定される。また、本体ケース210の上側壁には、上蓋ケース230とヒンジ結合するためのヒンジ軸部211が所定の間隔をおいて3カ所に形成されている。また、下側壁には、係止穴を有する2本の係止アーム212と、上蓋ケース230をカシメ結合する封止筒部213が4カ所に形成されている。また、本体ケース210には、主制御基板220の後述のねじ挿通穴226に挿通される図示しないねじを介して主制御基板220を取り付けるためのねじ穴を有する取付部としてのリブ214が設けられている。
ここで、ブラケット部材240と本体ケース210との間には、主基板番号等のICタグ識別情報を記憶しているICチップ271等を有したICタグシール270が貼着されているが、その詳細については後述する。
主制御基板220には、MPU、ROM、RAM等が1チップ化されたICチップ(以下、1チップROMという)221やRAM等のICチップ222,223等が実装されている。ここで、1チップROM221は検査済みである正規のROMであり、その1チップROM221にはシステムプログラムやスロットマシンゲーム用のプログラム等が書き込まれている。そのため、1チップROM221は定期的な検査等のために基板上の図示しないコネクタに着脱自在となるように装着されている。また、主制御基板220には、スロットマシン1に内蔵される他の制御回路基板、及び電子機器と電気的に接続するための基板側コネクタ224,225が実装されている。
また、主制御基板220には、基板ケースシール250が貼着されている。ここで、基板ケースシール250の表面側には、後述のように、数字等の文字による固有の識別情報である本体製造番号(又は主基板番号)と、その固有の識別情報を示すたとえば二次元コードのQRコード251とが印刷によって付されている。なお、その固有の識別情報を示すものとして、QRコード251に限らず、一次元コードであってもよいし、ビットマップによる識別記号であってもよい。また、QRコード251の詳細については後述する。
そして、この基板ケースシール250のQRコード251は後述の読取装置500によって読み取られた後、その読取装置500によって所定の四則算による演算(たとえば加、減、乗、除のいずれか)が行われ、その演算結果が後述のICタグシール270のタグであるインレット273に送信され、さらにインレット273のICチップ271からの返信を受けて固有の識別情報の一致又は不一致を確認できるようになっているが、その詳細についても後述する。
また、インレット273のICチップ271に記憶されている固有の識別情報は、ホール等において、新台入れ替え等が行われるとき、既存の遊技機がたとえば廃棄業者を介して一般市場等に出回ってしまう前に、読取装置500によって簡単かつ確実に破棄できるようになっていが、その詳細については後述する。また、主制御基板220には、本体ケース210のねじ穴を有するリブ214に螺着される図示しないねじを挿通させるねじ挿通穴226が設けられている。
上蓋ケース230は、透明なプラスチックにより一体的に形成された略矩形の蓋体であり、上側壁に本体ケース210のヒンジ軸部211と位置整合されたヒンジ軸受部231が形成されている。また、上蓋ケース230には、本体ケース210の封止筒部213と位置整合された封止キャップ部232が形成されている。また、上蓋ケース230には、ブラケット部材240の封止筒部243と位置整合された封止キャップ部233が形成されている。また、上蓋ケース230には、上述の基板側コネクタ224,225と位置整合されたコネクタ開口部234,235が形成されている。
また、上蓋ケース230には、主制御基板220側に向けて窪ませた凹部236が形成されている。この凹部236の底面部237は、主制御基板220との間で基板ケースシール250を密着させるが、その詳細については後述する。また、上蓋ケース230には、管理票255が貼着されている。この管理票255には、数字等の文字による固有の識別情報である本体製造番号(又は主基板番号)等が印刷によって付されている。なお、管理票255には、上述した固有の識別情報を示すたとえば二次元コードのQRコード251が付されていてもよい。
そして、カシメ状態で結合する接続部材201を、上蓋ケース230の封止キャップ部232と本体ケース210の封止筒部213とに装着することで、上蓋ケース230が本体ケース210に結合されるようになっている。また、その接続部材201を、上蓋ケース230の封止キャップ部233とブラケット部材240の封止筒部243とに装着することで、上蓋ケース230がブラケット部材240に結合されるようになっている。このようにして、主制御基板220を組み込んだ主制御基板ユニット200がブラケット部材240を介し筐体2の背面側に取り付けられることになる。
図4は、上述した基板ケースシール250の貼着状態の詳細を説明するための図である。ここで、図4(a)は図4(b)に示す基板ケースシール250を横から見た場合を示し、図4(b)は図3の主制御基板ユニット200をA−A線に沿って見た場合に相当し、図4(c)は図4(b)の上蓋ケース230を上方から見た場合を示している。
まず、図4(a)に示すように、基板ケースシール250の表裏面には、接着層254a,254bが設けられている。なお、接着層254a,254bの代わりに、接着剤を塗布するようにしてもよい。
また、図4(a)では、基板ケースシール250の表面の半分に接着層254aが設けられ、基板ケースシール250の半分に接着層254bが設けられている場合を示しているが、基板ケースシール250の表裏面の全域に接着層254a,254bを設けてもよい。なお、図4(a)のように、基板ケースシール250の表裏面に半分ずつ接着層254a,254bが設けられるようにすることで、特に、基板ケースシール250の裏面側を一旦、主制御基板220上に貼着してからその貼着位置を変える場合、その裏面側の接着層254bが設けられていない部分を浮かして主制御基板220上から剥がすことができる。
このような基板ケースシール250は、図4(b),(c)に示すように、上蓋ケース230の主制御基板220側に向けて窪ませた凹部236の底面部237と主制御基板220との間に密着して挟持されるとともに、基板ケースシール250の裏面が接着層254bによって主制御基板220上に貼着され、基板ケースシール250の表面が接着層254aを介して凹部236の底面部237に貼着される。
また、上蓋ケース230は、上述したように、上蓋ケース230の封止キャップ部232と本体ケース210の封止筒部213とに接続部材201を装着することで、上蓋ケース230が本体ケース210に結合される。
このようなことから、上蓋ケース230を本体ケース210から取り外さない限り、基板ケースシール250に剥離剤等を流し込めなくなるため、基板ケースシール250の剥離が困難となる。この場合、その基板ケースシール250の不正な再利用が行われ難くなるため、たとえば上蓋ケース230が不正に開けられて検査済みの1チップROM221が裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに差し替えられた後、精巧な偽造シールが貼着されてしまっても、たとえば基板ケースシール250の痕跡等から、上蓋ケース230が不正に開けられたかどうかを容易に確認することができる。
また、この場合、予め上蓋ケース230に精巧な偽造シールが貼着され、さらに不正な制御基板が収容された基板ケースが現在使用されている主制御基板ユニット200と不正に差し替えられたりしても、上記同様に、たとえば基板ケースシール250の痕跡等から、主制御基板ユニット200の不正な差し替えを容易に確認することができる。
なお、ここでは、基板ケースシール250が主制御基板220に貼着されるとともに、上蓋ケース230の主制御基板220側に向けて窪ませた凹部236の底面部237と主制御基板220との間に密着して挟持されるようにした場合について説明したが、上述した管理票255も同様に主制御基板220に貼着し、上蓋ケース230に凹部236と同様の凹部を設け、その凹部の底面部と主制御基板220との間に管理票255を密着して挟持させるようにしてもよい。
図5は、ロムシールを検査済みの1チップROM221に貼着した場合の詳細を説明するための図である。ここで、図5(a)は図5(b)に示すロムシールを横から見た場合を示し、図5(b)は図3の主制御基板ユニット200をA−A線に沿って見た場合に相当し、図5(c)は図5(b)の上蓋ケース230を上方から見た場合を示している。
まず、図5(a)に示すように、ロムシール260の表裏面には、接着層264a,264bが設けられている。なお、接着層264a,264bの代わりに、接着剤を塗布するようにしてもよい。また、図5(a)では、部分的に接着層264a,264bが設けられている場合を示しているが、ロムシール260の表裏面の全域に接着層264a,264bを設けてもよい。
このようなロムシール260は、図5(b),(c)に示すように、上蓋ケース230の1チップROM221側に向けて窪ませた凹部238の底面部239と1チップROM221との間に密着して挟持されるとともに、ロムシール260の裏面が接着層264bによって1チップROM221の側面と主制御基板220上に貼着され、ロムシール260の表面が接着層264aを介して凹部238の底面部239に貼着される。
また、上蓋ケース230は、上述したように、上蓋ケース230の封止キャップ部232と本体ケース210の封止筒部213とに接続部材201を装着することで、上蓋ケース230が本体ケース210に結合される。
このようなことから、上蓋ケース230を本体ケース210から取り外さない限り、上記同様に、ロムシール260に剥離剤等を流し込めなくなるため、ロムシール260の剥離が困難となる。この場合、そのロムシール260の不正な再利用が行われ難くなるため、たとえば上蓋ケース230が不正に開けられて検査済みの1チップROM221が裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに差し替えられた後、精巧な偽造シールが貼着されてしまっても、ロムシール260の接着層264a,264bの引き剥がしによる痕跡等から上蓋ケース230が不正に開けられたかどうかを容易に確認することができる。
また、この場合、予め上蓋ケース230に精巧な偽造シールが貼着され、さらに不正な制御基板が収容された基板ケースが現在使用されている主制御基板ユニット200と不正に差し替えられたりしても、上記同様に、ロムシール260の引き剥がしによる痕跡等から主制御基板ユニット200の不正な差し替えを容易に確認することができる。
また、上述したように、基板ケースシール250又はロムシール260を上蓋ケース230の凹部236,238の底面部237,239と主制御基板220又は1チップROM221との間に密着させて挟持させることに併せ、たとえば図6に示すように、主制御基板220と上蓋ケース230との間に隙間が生じないようにすることでも、基板ケースシール250又はロムシール260への剥離剤等の流し込みを困難とさせることに有効である。
ここで、図6(a)は図3の主制御基板ユニット200をA−A線に沿って見た場合に相当し、図6(b)は図6(a)のB−B線に沿って見た場合を示している。この場合、図6(a)に示すように、主制御基板220は、上蓋ケース230に設けられたねじ穴を有する取付部としてのリブ239aに取り付けるようにする。また、上蓋ケース230の周囲は、少なくとも主制御基板220の取り付け位置より突出するようにする。この場合、上蓋ケース230と主制御基板220との間に隙間が生じないようにすれば、なお好ましい。
このようにすることで、上蓋ケース230と本体ケース210との間がこじ開けられて、その間に隙間が生じても、たとえばロムシール260への剥離剤等の流し込みを困難とさせることができる。また、図6(b)に示すように、上蓋ケース230と主制御基板220との間に隙間が生じないようにした場合は、さらにロムシール260への剥離剤等の流し込みを困難とさせることができる。なお、ロムシール260にあっては、上述した固有の識別情報を示すたとえば二次元コードのQRコードが付されていてもよい。
図7は、上述したICタグシール270の貼着状態の詳細を説明するための図である。ここで、図7(a)は図7(b)に示すICタグシール270を横から見た場合を示し、図7(b)は図3の主制御基板ユニット200をA−A線に沿って見た場合を示している。
まず、図7(a)に示すように、ICタグシール270の裏面側、すなわち、ブラケット部材240に接する側の面には、本体製造番号(又は主基板番号)等の固有の識別情報を記憶している微小なICチップ271や箔状アンテナ272をセロハン等でパッキングしたタグであるインレット273が貼着されている。このICタグシール270のICチップ271に対し、後述の読取装置500によって読み取りが行われるとき、まず読取装置500からインレット273に演算結果が送られ、その演算結果に応じてICチップ271から読取装置500に返信が行われるが、その詳細については後述する。
なお、ICタグシール270には、後述のように、固有の識別情報を示すたとえば二次元コードのQRコード275が付されていてもよい。また、ICタグシール270の表裏面には、接着層274a,274bが設けられている。なお、接着層274a,274bの代わりに、接着剤を塗布するようにしてもよい。このようなICタグシール270は、図7(b)に示すように、本体ケース210の背面側とブラケット部材240との間に密着状態で貼着される。
このように、ICタグシール270を本体ケース210の背面側とブラケット部材240との間に貼着することで、ICタグシール270が主制御基板ユニット200の背面側に位置しているため、不正を行う者に対してICタグシール270の存在を分からないようにすることができる。また、たとえICタグシール270の存在が知られたとしても、ICタグシール270が主制御基板ユニット200の背面側に位置していることから、ICタグシール270に剥離剤等を流し込めなくなるため、ICタグシール270の剥離が困難となる。
また、主制御基板ユニット200がブラケット部材240から不正に取り外されると、微小なICチップ271や箔状アンテナ272をセロハン等でパッキングしたインレット273がICタグシール270の裏面の接着層274bの引き剥がしによって破壊される。
この場合、ICタグシール270の不正な再利用ができなくなるとともに、ICタグシール270の表裏面の接着層274a,274bの引き剥がしによる痕跡が残されるため、主制御基板ユニット200のブラケット部材240からの不正な取り外しを容易に確認することができる。
このようなことから、たとえば主制御基板ユニット200がブラケット部材240から不正に取り外された後、たとえば上蓋ケース230が不正に開けられて検査済みの1チップROM221が裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに差し替えられ、精巧な偽造シールが貼着されて、再度、ブラケット部材240に取り付けられても、ICタグシール270の引き剥がしによる痕跡等の確認や、インレット273の微小なICチップ271からのICタグ識別情報の読み取りを行うことで、たとえば主制御基板ユニット200がブラケット部材240から不正に取り外されたことを容易に確認することができる。
同様に、予め上蓋ケース230に精巧な偽造シールが貼着され、さらに不正な制御基板が収容された基板ケースが現在使用されている主制御基板ユニット200と不正に差し替えられたりしても、ICタグシール270の引き剥がしによる痕跡等の確認や、インレット273の微小なICチップ271からのICタグ識別情報の読み取りを行うことで、たとえば主制御基板ユニット200がブラケット部材240から不正に取り外されたことを容易に確認することができる。
なお、主制御基板ユニット200が上述したブラケット部材240を介さずに、直接、筐体2の内面に取り付けられる場合がある。この場合には、図8に示すように、主制御基板ユニット200と筐体2の取付面との間にICタグシール270が貼着されるようにする。
ここで、図8(a)は図8(b)に示すICタグシール270を横から見た場合を示し、図8(b)は図3の主制御基板ユニット200をA−A線に沿って見た場合を示している。
すなわち、図8(a)に示すように、ICタグシール270の裏面側、すなわち、筐体2の取付面に接する側の面には、上記同様に、主基板番号等のICタグ識別情報を記憶している微小なICチップ271や箔状アンテナ272をセロハン等でパッキングしたタグであるインレット273が貼着されている。また、ICタグシール270の表裏面には、接着層274a,274bが設けられている。このようなICタグシール270は、図8(b)に示すように、本体ケース210の背面側と筐体2の取付面との間に密着状態で貼着される。
このように、ICタグシール270を本体ケース210の背面側と筐体2の取付面との間に貼着することで、ICタグシール270が主制御基板ユニット200の背面側に位置しているため、上記同様に、不正を行う者に対してICタグシール270の存在を分からないようにすることができる。また、たとえICタグシール270の存在が知られたとしても、ICタグシール270が主制御基板ユニット200の背面側に位置していることから、上記同様に、ICタグシール270に剥離剤等を流し込めなくなるため、ICタグシール270の剥離が困難となる。
また、主制御基板ユニット200が筐体2の取付面から不正に取り外されると、微小なICチップ271や箔状アンテナ272をセロハン等でパッキングしたインレット273がICタグシール270の裏面の接着層274bの引き剥がしによって破壊される。
この場合、ICタグシール270の不正な再利用ができなくなるとともに、ICタグシール270の表裏面の接着層274a,274bの引き剥がしによる痕跡が残されるため、主制御基板ユニット200の筐体2の取付面からの不正な取り外しを容易に確認することができる。
このようなことから、たとえば主制御基板ユニット200が筐体2の取付面から不正に取り外された後、たとえば上蓋ケース230が不正に開けられて検査済みの1チップROM221が裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに差し替えられ、精巧な偽造シールが貼着されて、再度、筐体2の取付面に取り付けられても、ICタグシール270の引き剥がしによる痕跡等の確認や、インレット273の微小なICチップ271からのICタグ識別情報の読み取りを行うことで、たとえば主制御基板ユニット200が筐体2の取付面から不正に取り外されたことを容易に確認することができる。
同様に、予め上蓋ケース230に精巧な偽造シールが貼着され、さらに不正な制御基板が収容された基板ケースが現在使用されている主制御基板ユニット200と不正に差し替えられたりしても、ICタグシール270の引き剥がしによる痕跡等の確認や、インレット273の微小なICチップ271からのICタグ識別情報の読み取りを行うことで、たとえば主制御基板ユニット200が筐体2の取付面から不正に取り外されたことを容易に確認することができる。
なお、ICタグシール270にあっては、上述したように、本体ケース210の背面側に貼着されれば、たとえば主制御基板ユニット200が筐体2の取付面から不正に取り外されたことを容易に確認することができるとした効果があるが、これに限らず、そのICタグシール270を上蓋ケース230、主制御基板220、1チップROM221等に貼着しておいてもよい。
図9及び図10は、上述した固有の識別情報を読み取る読取装置の一例を示す図である。ここで、図9は読取装置の外観を示す図、図10は図9の読取装置の内部構成を示すブロック図である。
まず、図9に示すように、読取装置500は、ハンディタイプであり、少なくともタグ情報読取部501と、識別情報読取部501aと、スピーカ502と、表示部503と、ランプ(LED)503a,503bと、操作部504と、廃棄ボタン504cと、書換ボタン504dとを有している。タグ情報読取部501は、無線通信によってICタグシール270のICチップ271の固有の識別情報を読み取るものである。ここで、その通信方式としては、静電結合方式、電磁結合方式、電磁誘導結合方式、マイクロ波方式、光方式のいずれかを用いることができる。
識別情報読取部501aは、たとえば基板ケースシール250の本体製造番号(又は主基板番号)等の固有の識別情報を示すQRコード251やICタグシール270の本体製造番号(又は主基板番号)等の固有の識別情報を示すQRコード275等を、光スキャンによって読み取るものである。
スピーカ502は、たとえばタグ情報読取部501又は識別情報読取部501aによる読取完了を音声によって知らせるものである。なお、タグ情報読取部501又は識別情報読取部501aによる読取エラーが生じた場合に、スピーカ502からエラー音が出力されるようにしてもよい。表示部503は、識別情報読取部501aによって読み取られた固有の識別情報、後述のCPU512による演算結果、ICタグシール270のICチップ271からの返信内容等を表示するものである。
すなわち、たとえば基板ケースシール250のQRコード251やICタグシール270のQRコード275がたとえばアスキーコードを用いたものであって、その内容が「123/5678」とした本体製造番号であるとき、識別情報読取部501aによっていずれかのQRコード251,275が読み取られると、アスキーコードの「31h 32h 33h 2Fh 35h 36h 37h 38h」が表示されることになる。
また、ICタグシール270のICチップ271には、アスキーコードの「31h 32h 33h 2Fh 35h 36h 37h 38h」の全てをたとえば加算した「01A1h」が固有の識別情報として記憶されているものとする。この場合、ICタグシール270のICチップ271に記憶されるデータは、アスキーコードの全てがたとえば加算によって圧縮されたものとなる。なお、基板ケースシール250のQRコード251やICタグシール270のQRコード275にあっては、アスキーコードに限らず、JISコード等の他のコードであってもよい。この場合、ICタグシール270のICチップ271の固有の識別情報をJISコード等の他のコードに合わせるようにすればよい。
ここで、後述のCPU512による演算を、アスキーコードの「31h 32h 33h 2Fh 35h 36h 37h 38h」の全てをたとえば加算するものとしたとき、その演算結果の「01A1h」が表示されることになる。そして、その演算結果の「01A1h」がICタグシール270のタグであるインレット273に送信されると、ICチップ271によるたとえば「01A1h」−「01A1h」とした減算処理による「0」が返信され、その「0」が表示されることになる。
ここで、たとえば表示部503に表示されるICチップ271からの返信内容の「0」を確認することで、たとえば基板ケースシール250のQRコード251からの固有の識別情報と、ICタグシール270のICチップ271に記憶されている固有の識別情報とが一致しているかどうかを確認することができ、少なくとも基板ケースシール250やICタグシール270が偽造シールに貼り替えられたかどうかを認識できる。なお、上述した管理票255、ロムシール260、証紙50に本体製造番号(又は主基板番号)を示すQRコードを付しておいて、上記同様に、そのQRコードを読み取り、その演算結果をICタグシール270のタグであるインレット273に送信し、ICチップ271からの返信内容を確認することで、少なくとも管理票255、ロムシール260、証紙50が偽造シールに貼り替えられたかどうかを認識できる。
また、表示部503に表示されるICチップ271からのそれぞれの返信内容を確認することで、上述した検査済みの1チップROM221が裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに不正に差し替えられていないかどうか、あるいは不正な主制御基板が収容された基板ケースが現在使用されている主制御基板ユニット200と不正に差し替えられていないかどうかを容易に検査することができる。
一方、ICタグシール270のICチップ271からの固有の識別情報の読み取りが行われなかったり、ICチップ271からの返信内容がたとえば「0」で無かったりした場合は、少なくとも主制御基板ユニット200が不正に取り外されたことを認識できる。
また、たとえば基板ケースシール250のQRコード251からの固有の識別情報と、ICタグシール270のICチップ271からの固有の識別情報との読み取りは、ハンディタイプの読取装置500により非接触で行われるため、少なくとも一日に一回は行われるたとえば主制御基板220上の各電子素子等の状態の確認作業に併せた上述の検査を容易に行うことができる。
ランプ(LED)503a,503bは、たとえばICタグシール270のICチップ271から返信内容が正解(たとえば「0」である場合)であるかどうかを点灯又は点滅によって表示するものである。すなわち、ランプ(LED)503aが青で発光し、ランプ(LED)503bが赤で発光するものとする。ここで、ICタグシール270のICチップ271から返信内容がたとえば「0」であるとき、ランプ(LED)503aが点灯又は点滅する。一方、ICタグシール270のICチップ271から返信内容がたとえば「0」以外であるとき、ランプ(LED)503bが点灯又は点滅する。これらのランプ(LED)503a,503bの点灯又は点滅から上述の検査の結果を容易に確認できる。
操作部504は、図10に示すように、少なくともICタグシール270のICチップ271の固有の識別情報を読み取る際に操作されるタグ情報読取キー504aと、たとえば基板ケースシール250のQRコード251やICタグシール270のQRコード275等を読み取る際に操作される識別情報読取キー504bとを有している。
廃棄ボタン504cは、ICタグシール270のICチップ271に記憶されている上述した固有の識別情報を破棄する際に操作されるものである。すなわち、ICタグシール270のICチップ271に上述した「01A1h」が記憶されているとき、廃棄ボタン504cの操作によってそのICチップ271の内容が、たとえば「00h 00h 00h・・・」等のように書き換えられることで、ICチップ271の内容が破棄される。これにより、たとえばホール等において、新台入れ替え等が行われるとき、廃棄業者等に引き渡されることになるが、その引き渡し前にICチップ271の内容を破棄しておくことにより、既存の遊技機がたとえば廃棄業者を介して一般市場等に出回ってしまい、そのICタグシール270が剥がされてしまっても、不正な使用が行えなくなる。なお、廃棄ボタン504cは、上述したICタグシール270のICチップ271からの固有の識別情報の読み取りによる確認が正しいときに限り、その操作が有効となっている。
書換ボタン504dは、たとえば既存の遊技機が他のホール等に中古品として引き渡されるとき、ICチップ271の内容を書き換えるために操作されるものである。すなわち、ICタグシール270のICチップ271には、上述した本体製造番号(又は主基板番号)を示す固有の識別情報以外に、設置ホール識別番号等が記載されているものとする。この場合、書換ボタン504dを操作することで、ICチップ271の設置ホール識別番号等を書き換えるようにすることができる。なお、書換ボタン504dは、廃棄ボタン504cと同様に、上述したICタグシール270のICチップ271からの固有の識別情報の読み取りによる確認が正しいときに限り、その操作が有効となっている。
なお、ICチップ271の設置ホール識別番号等の変更は、書換ボタン504dを操作に合わせて、操作部504の数字キー等を用いるようにすればよい。これにより、たとえば既存の遊技機が他のホール等に中古品として引き渡されても、ICチップ271には、上述した本体製造番号(又は主基板番号)を示す固有の識別情報と、中古品として引き受けたホール側の設置ホール識別番号等が記憶されているため、中古品として引き受けたホール側でも読取装置500によって、少なくとも一日に一回は行われるたとえば主制御基板220上の各電子素子等の状態の確認作業に併せた上述の検査を容易に行うことができる。
また、読取装置500の内部には、図10に示すように、読取駆動部505、読取情報処理部506、スピーカ駆動部507、表示駆動部508、内部I/F(インタフェース)509、ROM510、RAM511、CPU512等が設けられている。
読取駆動部505は、タグ情報読取キー504aの操作に応じてタグ情報読取部501に対し、ICタグシール270のICチップ271に記憶されている固有の識別情報を読み取るための信号を送信させ、さらにICタグシール270のICチップ271からの返信信号を受け取らせる。また、読取駆動部505は、識別情報読取キー504bの操作に応じて識別情報読取部501aに対し、たとえば基板ケースシール250のQRコード251やICタグシール270のQRコード275等を読み取らせる。
また、読取駆動部505は、廃棄ボタン504cの操作に応じてタグ情報読取部501に対し、ICチップ271の内容を破棄するために、たとえば「00h 00h 00h・・・」等のように書き換えるための信号を送信させ、さらにICタグシール270のICチップ271からの返信信号を受け取らせる。また、読取駆動部505は、書換ボタン504dの操作等に応じてICチップ271の設置ホール識別番号等を書き換えるための信号を送信させ、さらにICタグシール270のICチップ271からの返信信号を受け取らせる。
読取情報処理部506は、ICタグシール270のICチップ271から受け取った信号を処理し、表示部503に表示される表示信号とする。また、読取情報処理部506は、識別情報読取部501aによって読み取られたQRコード251,275の固有の識別情報を処理し、表示部503に表示される表示信号とする。
スピーカ駆動部507は、たとえばタグ情報読取部501又は識別情報読取部501aによる読取完了を示す音声、あるいはタグ情報読取部501又は識別情報読取部501aによる読取エラーが生じた場合のエラー音をスピーカ502から出力させる。
表示駆動部508は、読取情報処理部506によって処理された表示信号に基づき、表示部503に、固有の識別情報やICタグシール270のICチップ271からの返信内容等を表示させる。また、表示駆動部508は、ICタグシール270のICチップ271から返信内容がたとえば「0」であるとき、ランプ(LED)503aを点灯又は点滅させ、ICタグシール270のICチップ271から返信内容がたとえば「0」以外であるとき、ランプ(LED)503bが点灯又は点滅させる。
なお、点灯又は点滅にあっては、ICタグシール270側にLEDを設けておいて、ICチップ271による減算処理の結果が「0」である場合、そのLEDが点灯又は点滅されるようにしてもよい。また、LEDはたとえば青色と赤色の2つとし、ICチップ271による減算処理の結果が「0」である場合、青色のLEDが点灯又は点滅し、その減算処理の結果が「0」以外である場合、赤色のLEDを点灯又は点滅させるようにしてもよい。この場合、ICタグシール270側のLEDの点灯又は点滅によって上述の検査の結果を容易に確認できる。
内部I/F(インタフェース)509は、操作部504の少なくともICタグシール270のICチップ271の固有の識別情報を読み取る際に操作されるタグ情報読取キー504aと、たとえば基板ケースシール250のQRコード251やICタグシール270のQRコード275等を読み取る際に操作される識別情報読取キー504bと、ICチップ271の内容を破棄させる際に操作される廃棄ボタン504cと、ICチップ271の内容を書き換える際に操作される書換ボタン504dとのいずれかからの入力を受け付ける。
ROM510には、少なくともCPU512による制御に必要な制御プログラムが格納されている。RAM511には、タグ情報読取部501によって読み取られたICタグシール270のICチップ271からの返信内容や、識別情報読取部501aによって読み取られたたとえば基板ケースシール250のQRコード251やICタグシール270のQRコード275からの固有の識別情報等が記憶される。
CPU512は、ROM510に格納されている制御プログラムに基づいて各部の動作を制御する。CPU510による主な制御としては、ICタグシール270のICチップ271の固有の識別情報を読み取る際のタグ情報読取キー504aの操作に応じて読取駆動部505を制御し、タグ情報読取部501によってその固有の識別情報を読み取らせることである。
また、CPU512による主な制御としては、たとえば基板ケースシール250のQRコード251やICタグシール270のQRコード275を読み取る際に操作される識別情報読取キー504bの操作に応じて読取駆動部505を制御し、識別情報読取部501aによってそれらの固有の識別情報を読み取らせることである。また、CPU512による主な制御としては、ICチップ271の内容を破棄させる際に操作される廃棄ボタン504cの操作に応じて読取駆動部505を制御し、ICチップ271の内容を破棄させたり、ICチップ271の内容を書き換える際に操作される書換ボタン504dの操作に応じて読取駆動部505を制御し、ICチップ271の内容を書き換えさせたりすることである。
また、CPU512による主な制御としては、タグ情報読取部501によってICタグシール270のICチップ271の固有の識別情報(この場合は返信内容である)が読み取られた後、読取情報処理部506に対し、その固有の識別情報を表示信号とするように処理させることである。また、CPU512による主な制御としては、識別情報読取部501aによってたとえば基板ケースシール250のQRコード251やICタグシール270のQRコード275が読み取られた後、読取情報処理部506に対し、それらの固有の識別情報を表示信号とするように処理させることである。
このような読取装置500を用いることにより、次のような検査等を行うことができる。なお、以下においては、読取装置500によってたとえば基板ケースシール250のQRコード251からの固有の識別情報が読み取られるとともに、ICタグシール270のICチップ271からの読み取りが行われるものとする。
また、たとえば基板ケースシール250のQRコード251は、たとえばアスキーコードのデータを用いて生成されたものとし、その内容が「123/5678」とした本体製造番号であるとし、識別情報読取部501aによってそのQRコード251が読み取られると、アスキーコードの「31h 32h 33h 2Fh 35h 36h 37h 38h」が表示部503に表示されるものとする。
また、ICタグシール270のICチップ271には、アスキーコードの「31h 32h 33h 2Fh 35h 36h 37h 38h」の全てをたとえば加算した「01A1h」が固有の識別情報として記憶されているものとする。この場合、ICタグシール270のICチップ271に記憶されるデータは、アスキーコードの全てがたとえば加算によって圧縮されたものとなる。また、ICタグシール270のICチップ271には、上述した設置ホール識別番号等が記憶されているものとする。また、主制御基板ユニット200はブラケット部材240を介して筐体2に取り付けられ、ICタグシール270は本体ケース210の背面側とブラケット部材240との間に貼着されているものとする。
そして、まず、図11に示すように、少なくとも一日に一回は行われるたとえば主制御基板220上の各電子素子等の状態の確認作業に併せ、上述した検査済みの1チップROM221が裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに不正に差し替えられていないかどうか、あるいは不正な主制御基板が収容された基板ケースが現在使用されている主制御基板ユニット200と不正に差し替えられていないかどうかを検査を開始する場合(ステップS1)、前扉3の操作卓部20の鍵穴25に専用鍵を差し込んでロックを解除し、前扉3を開放しておく。
次いで、読取装置500の識別情報読取部501aを、上蓋ケース230の凹部236の底面部237と主制御基板220との間に貼着されている基板ケースシール250に近づけ、操作部504の識別情報読取キー504bを操作する。このとき、上述したように、CPU512により、読取駆動部505が制御され、識別情報読取部501aによって基板ケースシール250の固有の識別情報を示すQRコード251が光スキャンによって読み取られ(ステップS2)、その読み取られた固有の識別情報が一旦、RAM511に記憶される。
ここで、CPU512により、QRコード251から読み取られたたとえば本体製造番号の「123/5678」がアスキーコードの「31h 32h 33h 2Fh 35h 36h 37h 38h」に変換されて読取情報処理部506に渡される。読取情報処理部506では、その変換されたアスキーコードを表示部503で表示できる表示信号に処理すると、CPU512により、表示駆動部508が制御され、読取情報処理部506によって処理された表示信号に基づき、表示部503に読み取られた固有の識別情報が表示される(ステップS3)。
すなわち、QRコード251から読み取られた本体製造番号の「123/5678」がアスキーコードに変換されることで、「31h 32h 33h 2Fh 35h 36h 37h 38h」とした固有の識別情報が表示されることになる。
このとき、CPU512による演算によって(ステップS4)、アスキーコードの「31h 32h 33h 2Fh 35h 36h 37h 38h」の全てがたとえば加算され、その演算結果の「01A1h」が表示部503に表示される(ステップS5)。次いで、タグ情報読取部501を、本体ケース210の背面側とブラケット部材240との間に貼着されているICタグシール270に近づけ、操作部504のタグ情報読取キー504aを操作する。このとき、CPU512による演算結果の「01A1h」がICタグシール270のタグであるインレット273に送信される(ステップS6)。
タグであるインレット273では、ICチップ271によりたとえば「01A1h」−「01A1h」とした減算による演算処理が行われ(ステップS7)、その処理結果が返信される(ステップS8)。すなわち、その減算による処理結果が「0」である場合はその「0」が返信内容となる。これに対し、その減算による処理結果が「0」以外である場合はその「0」以外の値が返信内容となる。
次に、読取装置500によりICチップ271からの返信が受け取られると、表示駆動部508により表示部503にICタグシール270のICチップ271から返信内容が表示される(ステップS9)。すなわち、その返信内容が「0」であればその「0」が表示され、その返信内容が「0」以外であればその「0」以外の値が表示される。また、表示駆動部508により、その返信内容が「0」であればランプ(LED)503aが点灯又は点滅され、その返信内容が「0」以外であればランプ(LED)503bが点灯又は点滅される(ステップS10)。
この場合、たとえばICタグシール270側にLEDを設けておいて、ICチップ271による減算処理の結果が「0」である場合、そのLEDが点灯又は点滅されるようにしてもよい。また、LEDはたとえば青色と赤色の2つとし、ICチップ271による減算処理の結果が「0」である場合、青色のLEDが点灯又は点滅し、その減算処理の結果が「0」以外である場合、赤色のLEDを点灯又は点滅させるようにしてもよい。
そして、表示部503に表示されるICタグシール270のICチップ271から返信内容やランプ(LED)503a又は503bの点灯又は点滅を確認することで、たとえば基板ケースシール250のQRコード251からの固有の識別情報と、ICタグシール270のICチップ271に記憶されている固有の識別情報とが一致しているかどうかを確認することができる。
すなわち、たとえば表示部503に表示されるICチップ271からの返信内容が「0」であれば、たとえば基板ケースシール250のQRコード251からの固有の識別情報と、ICタグシール270のICチップ271に記憶されている固有の識別情報とが一致していると確認できる。このとき、ランプ(LED)503aが点灯又は点滅することを確認することでも、たとえば基板ケースシール250のQRコード251からの固有の識別情報と、ICタグシール270のICチップ271に記憶されている固有の識別情報とが一致していると確認できる。
これに対し、たとえば表示部503に表示されるICチップ271からの返信内容が「0」以外であれば、たとえば基板ケースシール250のQRコード251からの固有の識別情報と、ICタグシール270のICチップ271に記憶されている固有の識別情報とが一致していないと確認できる。このとき、ランプ(LED)503bが点灯又は点滅することを確認することでも、たとえば基板ケースシール250のQRコード251からの固有の識別情報と、ICタグシール270のICチップ271に記憶されている固有の識別情報とが一致していないと確認できる。
また、表示部503に表示されるICチップ271からのそれぞれの返信内容やランプ(LED)503a又は503bの点灯又は点滅を確認することで、少なくとも基板ケースシール250やICタグシール270が偽造シールに貼り替えられたかどうかを認識できる。
また、表示部503に表示されるICチップ271からのそれぞれの返信内容やランプ(LED)503a又は503bの点灯又は点滅を確認することで、上述した検査済みの1チップROM221が裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに不正に差し替えられていないかどうか、あるいは不正な主制御基板が収容された基板ケースが現在使用されている主制御基板ユニット200と不正に差し替えられていないかどうかを容易に検査することができる。
一方、ICタグシール270のICチップ271からの固有の識別情報の読み取りが行われなかったり、ICチップ271からの返信内容がたとえば「0」で無かったりした場合は、少なくとも主制御基板ユニット200が不正に取り外されたことを認識できる。
また、このような読取装置500による、たとえば基板ケースシール250のQRコード251からの固有の識別情報の読み取りと、ICタグシール270のICチップ271からの読み取りとを、他のスロットマシン1でも同様に繰り返し行うことで、上述した検査が容易に行える。また、複数台のスロットマシン1に対して順々に検査する際、読取装置500を持ち運ぶことになるが、読取装置500がハンディタイプであることから、その持ち運びが負担になることもない。
また、上述したスロットマシン1の検査方法の手順を読取装置500の表示部503に表示しておくようにしてもよく、このようにした場合は、検査の初心者であっても検査を容易に実行することが可能となる。
なお、ここでは、たとえば基板ケースシール250のQRコード251からの固有の識別情報の読み取りと、ICタグシール270のICチップ271からの読み取りとを行う場合で説明したが、この例に限らず、上述した管理票255、ロムシール260、証紙50に本体製造番号(又は主基板番号)を示すQRコードを付しておいて、上記同様に、そのQRコードを読み取り、その演算結果をICタグシール270のタグであるインレット273に送信し、ICチップ271からの返信内容を確認することで、少なくとも管理票255、ロムシール260、証紙50が偽造シールに貼り替えられたかどうかを認識できる。
一方、たとえばホール等において、新台入れ替え等が行われ、廃棄業者等に引き渡されるとき、廃棄ボタン504cを操作する(ステップS11)。この操作により、ICタグシール270のICチップ271に上述した「01A1h」が記憶されているとき、廃棄ボタン504cの操作によってそのICチップ271の内容が、たとえば「00h 00h 00h・・・」等のような所定の文字列に書き換えられることで、ICチップ271の内容が破棄される(ステップS12)。これにより、既存の遊技機がたとえば廃棄業者を介して一般市場等に出回ってしまい、そのICタグシール270が剥がされてしまっても、不正な使用が行えなくなる。
これに対し、たとえば既存の遊技機が他のホール等に中古品として引き渡されるとき、書換ボタン504dを操作する(ステップS13)。この操作により、ICタグシール270のICチップ271に上述した本体製造番号(又は主基板番号)を示す固有の識別情報以外に、設置ホール識別番号等が記載されているとき、書換ボタン504dを操作することで、ICチップ271の設置ホール識別番号等が書き換えられる(ステップS14)。なお、ICチップ271の設置ホール識別番号等の変更は、書換ボタン504dを操作に合わせて、操作部504の数字キー等を用いるようにすればよい。
これにより、ICチップ271には、上述した本体製造番号(又は主基板番号)を示す固有の識別情報と、中古品として引き受けたホール側の設置ホール識別番号等が記憶されることになるため、中古品として引き受けたホール側でも読取装置500によって、少なくとも一日に一回は行われるたとえば主制御基板220上の各電子素子等の状態の確認作業に併せた上述の検査等を容易に行うことができる。
なお、上述した検査においては、読取装置500により読み取った基板ケースシール250のQRコード251からの識別情報のデータを圧縮してICタグシール270のICチップ271に送信し、そのICチップ271による四則算のいずれかによっての演算結果が読み取る場合について説明したが、この例に限らず、読取装置500によりICタグシール270のICチップ271のデータを圧縮した固有の識別情報を読み取り、その読み取った固有の識別情報のデータを読取装置500側で四則算のいずれかに従って復元し、たとえば基板ケースシール250のQRコード251から読み取った固有の識別情報と照合するようにしてもよい。
このように、本実施例では、読取装置500により、たとえば主制御基板220に貼着される封印シールとしての基板ケースシール250のたとえば本体製造番号(又は主基板番号)を示す固有の識別情報を有するQRコード251の非接触での読み取りを行った後、たとえばそのQRコード251の識別情報のデータを圧縮した識別情報を記憶する記憶手段としてのICチップ271を有したICタグシール270からの非接触での読み取りとが行われて、少なくとも主要部品である1チップROM221の検査が行われるとともに、読取装置500の廃棄ボタン504cの操作に応じてICチップ271の内容が、たとえば「00h 00h 00h・・・」等のような所定の文字列に書き換えられるようにした。
これにより、少なくとも一日に一回は行われるたとえば主制御基板220上の各電子素子等の状態の確認作業に併せ、各遊技機の固有の識別情報の管理を容易とするために、たとえばハンディタイプの読取装置500によりICタグシール270のICチップ271から固有の識別情報を読み取るようにした場合において、既存の遊技機が一般市場等に出回ってしまう前に、少なくともICタグシール270のICチップ271に記憶されている情報の破棄が簡単かつ確実に行うことができ、そのICタグシールが剥がされて不正に使用されてしまうことを防止することができる。
また、本実施例では、ICタグシール270のICチップ271に上述した本体製造番号(又は主基板番号)を示す固有の識別情報以外に、設置ホール識別番号等が記載されているとき、読取装置500の書換ボタン504dを操作することで、ICチップ271の設置ホール識別番号等が書き換えられるようにしたので、ICチップ271には、上述した本体製造番号(又は主基板番号)を示す固有の識別情報と、中古品として引き受けたホール側の設置ホール識別番号等が記憶されることになり、中古品として引き受けたホール側でも読取装置500によって、少なくとも一日に一回は行われるたとえば主制御基板220上の各電子素子等の状態の確認作業に併せた上述の検査等を容易に行うことができる。