以下、本発明の実施例の詳細について説明する。図1は、本発明の遊技機の基板ケースが搭載される回胴式遊技装置の一例を示す斜視図である。
同図に示すように、回胴式遊技装置であるスロットマシン1は、遊技者側に面する、いわゆるフロントマスクを構成する前扉3が略矩形状の箱体である筐体2の開口側に対し図示しない蝶番機構により左側端部側を回動支点として開閉可能に取り付けられている。前扉3は、上パネル部10と、操作卓部20と、下パネル部30とに概ね分けられ、これらは化粧板として視覚効果を高めてデザインされた硬質プラスチックにより一体的に形成されている。
上パネル部10には、高輝度発光ダイオードを内蔵した上部ランプ11及びサイドランプ12a,12bが配置され、リーチや大当たり等の際に点灯又は点滅して遊技者の視覚に訴える演出を行っている。また、上パネル部10には、左右にスピーカを内蔵した演出用放音部13a,13bが設けられ、これらの演出用放音部13a,13bによりゲームの進行に応じて選択される効果音や楽音等による演出が行われる。
さらに、演出用放音部13a,13bの間には、表示窓14aが形成されており、その表示窓14aから液晶表示部14bが見えるように液晶表示ユニット14が配置されている。液晶表示ユニット14は、ゲームの進行に応じて選択された動画像を表示して、当該ゲームにストーリー性を与えたり、また、遊技者に内部当選結果を暗示して期待感を惹起させたりする等の演出を行っている。
また、上パネル部10の中央には、略長方形の透明な表示窓15aと、遊技状態等をランプ表示する情報表示部とが形成されたパネル板15が取り付けられている。そして、筐体2内に設けられている後述の回胴装置100の3個の円筒状のリール101,102,103が表示窓15aを通して目視されるように構成されている。
すなわち、リール101,102,103の外周面には、所定数(たとえば21個)の図柄が付された長尺状のプラスチックシートであるリールテープがそれぞれ捲装されて貼り付けられており、表示窓15a側に臨む縦3個、横3列の図柄が表示窓15aを通して遊技者側から目視されるようになっている。
操作卓部20には、ゲームに使用するメダルを投入するための投入口を有するメダル投入部21、コインをベットするベットボタン22、ゲームの操作を指示するスタートレバー23、回胴装置100のリール101,102,103をストップさせるストップボタン24a,25b,25c等が設けられている。
ここで、現状のスロットマシン1では、1ゲームに必要とされるメダルが3枚となっているため、3枚を超えてメダルがメダル投入部21に連続投入されると、最大50枚までクレジットされるようになっている。
ベットボタン22は、スロットマシン1のゲームに賭けるメダルの枚数を提示するための押圧式の操作スイッチであり、MAXベットボタンと呼ばれている。すなわち、メダルがクレジットされているとき、ゲーム開始時にベットボタン22を操作すると、そのクレジットされているメダルのうち3枚がベットされるようになっている。
スタートレバー23は、回胴装置100のリール101,102,103を一斉に回転させる指示をするためのレバースイッチであり、先端に設けられている球形の操作ノブを上下左右のいずれかの方向に傾倒操作するとオン作動し、その操作ノブから手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフするように構成されている。
ストップボタン24a,25b,25cは、回胴装置100のリール101,102,103の回転停止を個別に指示するための押圧式スイッチであり、各リール101,102,103の配列に対応してそれぞれ並設されている。
また、操作卓部20には、鍵穴25を有する図示しない施錠装置が設けられている。そして、ホールスタッフ等がメンテナンス作業や出玉管理作業等を行う場合、その施錠装置の鍵穴25に専用鍵を差し込んでロックを解除すると、図2のように前扉3が左端部側を支点として片開きされ、筐体2の開口が開放されるようになっている。
下パネル部30には、スロットマシン1のモデルタイプ等を遊技者へ認識させるための、たとえば登場キャラクターの絵等を表示するパネル31が設けられている。また、このパネル31には、ある組合、たとえばスロットのメーカーによる組合によっての検査済みを示す証紙50が貼着されている。なお、証紙50には、数字等の文字による本体製造番号や、たとえば一次元コードのコード識別情報であるバーコードによる本体製造番号等とが印刷によって付されている。
下パネル部30の下部には、メダルを貯留するための受皿部を形成する受皿ユニット40が設けられている。受皿ユニット40には、入賞時等においてメダルを排出するメダル排出口41と、後述するスピーカ61a,61bを内蔵しゲームの進行に応じて演出効果音を発生させる演出効果音部42a,42bと、灰皿43とがそれぞれ配設されている。
図2は、図1の回胴式遊技装置であるスロットマシン1の内部構成を示す正面図である。なお、図2は、前扉3を筐体2から開けた状態を表している。同図において、前扉3の裏面上部には、上部ランプ11の光源である高輝度発光ダイオード60が配列されるとともに、上述の演出用放音部13a、13bに対向してスピーカ61a,61bが取り付けられている。
また、図2には示されてはいないがスピーカ61a,61bの間に上述した液晶表示ユニット14が位置しており、その液晶表示部14bが表示窓14aに向けて取り付けられている。さらに、液晶表示部14bの裏面側に、サブ制御基板ユニット300が取り付けられている。このサブ制御基板ユニット300は、硬質プラスチックのケースに図示しないサブ制御基板を収容したものである。
このサブ制御基板ユニット300に収容されたサブ制御基板は、後述の主制御基板220からの演出開始を示唆する制御信号を受け取ると、上述の液晶表示部14bによる動画像等の表示と、上述の上部ランプ11及びサイドランプ12a,12bによる点滅又は点灯によっての演出と、上述の演出用放音部13a,13bによる効果音や楽音等による演出とが行われるようになっている。サブ制御基板ユニット300の下方には、筐体2側のリール101,102,103を目視させるための表示窓15aを有するパネル板16が取り付けられている。
パネル板16の下方には、中央表示制御基板ユニット400が取り付けられている。この中央表示制御基板ユニット400は、硬質プラスチックのケースに図示しない中央表示制御基板を収容したものである。また、この図示しない中央表示制御基板には、上述した操作卓部20に設けられているベットボタン22、スタートレバー23、ストップボタン24a,25b,25c等のスイッチ類が電気的に接続されており、これらスイッチ類の出力信号が筐体2側の後述の主制御基板220に転送されるように配線接続されている。
中央表示制御基板ユニット400の下方には、上述のメダル投入部21より投入される投入物を正規のメダルか異物かを判別して振り分けるセレクト機構62と、このセレクト機構62によって振り分けられたメダルを筐体2内に設けられているホッパ装置66へ案内するガイド部材63と、セレクト機構62で振り分けられた異物を上述のメダル排出口41へ案内するガイド部材64とが設けられている。また、メダル排出口41の両側には、上述した演出効果音部42a,42bに対向してスピーカ65a,65bが取り付けられており、これにより上述した演出用放音部42a,42bを介して演出効果音を出力するように構成されている。
一方、筐体2内の上部には、主制御基板ユニット200が取り付けられている。この主制御基板ユニット200は、硬質プラスチックのケースにスロットマシン1の全体動作を集中制御する後述の主制御基板220を収容したものであるが、その詳細については後述する。なお、図中符号250は基板ケースシール、符号255は管理票をそれぞれ示している。これら基板ケースシール250及び管理票255の詳細についても後述する。
主制御基板ユニット200の下方には、リール101,102,103を有する回胴装置100が取り付けられている。この回胴装置100は、前扉3が筐体2側に閉じられると表示窓15aにリール101,102,103が対向するように、筐体2の所定フレーム(符号略)に位置決めして取り付けられている。なお、これらのリール101,102,103は、図示しないステッピングモータの駆動軸に取り付けられ、同じく図示しない回胴装置基板によってステッピングモータの駆動が制御されるようになっている。
回胴装置100の下方には、ホッパ装置66と、ホッパ装置66から溢れたメダルを収容するための補助貯留部67と、主電源装置68とが設けられている。主電源装置68の側面には、いわゆる配電盤に相当する図示しない電源装置基板が設けられている。また、筐体2の内壁の一端には、ホール等に設置されている「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理用コンピュータと接続可能な図示しない外部集中端子基板が取り付けられている。
図3は、上述した主制御基板220を組み込んだ主制御基板ユニット200を説明するための分解斜視図である。同図に示す主制御基板ユニット200は、ブラケット部材240を介して筐体2の背面側に取り付けられるようになっている。また、主制御基板ユニット200は、硬質プラスチックよりなる本体ケース210と上蓋ケース230とを有し、これらの本体ケース210と上蓋ケース230との間に主制御基板220を収容している。
ブラケット部材240は、主として係合凹部241aを有するリブ部241と、係止アーム242とを有し、これらによって主制御基板ユニット200が保持されるようになっている。また、ブラケット部材240には、接続部材201を用いて上蓋ケース230を結合する封止筒部243が設けられている。また、ブラケット部材240には、筐体2の背面側に取り付けられるためのねじが挿入される複数のねじ穴244が設けられている。
一方、本体ケース210は、前面が開放する略矩形の箱体として透明なプラスチックで一体形成したものであり、その底板部に小ねじを介して主制御基板220が結合固定される。また、本体ケース210の上側壁には、上蓋ケース230とヒンジ結合するためのヒンジ軸部211が所定の間隔をおいて3カ所に形成されている。また、下側壁には、係止穴を有する2本の係止アーム212と、上蓋ケース230をカシメ結合する封止筒部213が4カ所に形成されている。また、本体ケース210には、主制御基板220の後述のねじ挿通穴226に挿通される図示しないねじを介して主制御基板220を取り付けるためのねじ穴を有する取付部としてのリブ214が設けられている。
主制御基板220には、MPU、ROM、RAM等が1チップ化されたICチップ(以下、1チップROMという)221やRAM等のICチップ222,223等が実装されている。ここで、1チップROM221は検査済みである正規のROMであり、その1チップROM221にはシステムプログラムやスロットマシンゲーム用のプログラム等が書き込まれている。そのため、1チップROM221は定期的な検査等のために基板上の図示しないコネクタに着脱自在となるように装着されている。また、主制御基板220には、スロットマシン1に内蔵される他の制御回路基板、及び電子機器と電気的に接続するための基板側コネクタ224,225が実装されている。
また、主制御基板220には、基板ケースシール250が貼着されている。ここで、基板ケースシール250の表面側には、数字等の文字による主基板番号等が印刷によって付されている。また、基板ケースシール250の裏面側、すなわち、主制御基板220に接する側の面には、微小なICチップ251や後述の箔状アンテナ252をセロハン等でパッキングしたタグとなるインレット253が貼着されている。この微小なICチップ251には、主制御基板220の主基板番号等のICタグ識別情報が記憶されており、後述の読取装置500により非接触でそのICタグ識別情報が読み取られるようになっている。
なお、基板ケースシール250としては、たとえば微小なICチップ251や後述の箔状アンテナ252が一体に集積化されたコイルオンチップをタック加工してラベル化したもの、あるいは微小なICチップ251や後述の箔状アンテナが一体に集積化されたコイルオンチップをインモールド成形して貼着可能としたもののいずれかを用いることができる。また、主制御基板220には、本体ケース210のねじ穴を有するリブ214に螺着される図示しないねじを挿通させるねじ挿通穴226が設けられている。
上蓋ケース230は、透明なプラスチックにより一体的に形成された略矩形の蓋体であり、上側壁に本体ケース210のヒンジ軸部211と位置整合されたヒンジ軸受部231が形成されている。また、上蓋ケース230には、本体ケース210の封止筒部213と位置整合された封止キャップ部232が形成されている。また、上蓋ケース230には、ブラケット部材240の封止筒部243と位置整合された封止キャップ部233が形成されている。また、上蓋ケース230には、上述の基板側コネクタ224,225と位置整合されたコネクタ開口部234,235が形成されている。
また、上蓋ケース230には、主制御基板220側に向けて窪ませた凹部236が形成されている。この凹部236の底面部237は、主制御基板220との間で基板ケースシール250を密着させるが、その詳細については後述する。また、上蓋ケース230には、管理票255が貼着されている。この管理票255には、数字等の文字による主基板番号と、たとえば一次元コードのコード識別情報であるバーコードによる主基板番号等とが印刷によって付されている。この管理票255のバーコードは後述の読取装置500によって読み取られることで、上述した基板ケースシール250のICチップ251からのICタグ識別情報との一致又は不一致を確認できるようになっている。
そして、カシメ状態で結合する接続部材201を、上蓋ケース230の封止キャップ部232と本体ケース210の封止筒部213とに装着することで、上蓋ケース230が本体ケース210に結合されるようになっている。また、その接続部材201を、上蓋ケース230の封止キャップ部233とブラケット部材240の封止筒部243とに装着することで、上蓋ケース230がブラケット部材240に結合されるようになっている。このようにして、主制御基板220を組み込んだ主制御基板ユニット200がブラケット部材240を介し筐体2の背面側に取り付けられることになる。
図4は、上述した基板ケースシール250の貼着状態の詳細を説明するための図である。ここで、図4(a)は図4(b)に示す基板ケースシール250を横から見た場合を示し、図4(b)は図3の主制御基板ユニット200をA−A線に沿って見た場合に相当し、図4(c)は図4(b)の上蓋ケース230を上方から見た場合を示している。
まず、図4(a)に示すように、基板ケースシール250の裏面側、すなわち、主制御基板220に接する側の面には、微小なICチップ251や箔状アンテナ252をセロハン等でパッキングしたタグとなるインレット253が貼着されている。また、基板ケースシール250の表裏面には、接着層254a,254bが設けられている。なお、接着層254a,254bの代わりに、接着剤を塗布するようにしてもよい。
また、図4(a)では、基板ケースシール250の表面の半分に接着層254aが設けられ、基板ケースシール250の半分に接着層254bが設けられている場合を示しているが、基板ケースシール250の表裏面の全域に接着層254a,254bを設けてもよい。なお、図4(a)のように、基板ケースシール250の表裏面に半分ずつ接着層254a,254bが設けられるようにすることで、特に、基板ケースシール250の裏面側を一旦、主制御基板220上に貼着してからその貼着位置を変える場合、その裏面側の接着層254bが設けられていない部分を浮かして主制御基板220上から剥がすことができる。
このような基板ケースシール250は、図4(b),(c)に示すように、上蓋ケース230の主制御基板220側に向けて窪ませた凹部236の底面部237と主制御基板220との間に密着して挟持されるとともに、基板ケースシール250の裏面が接着層254bによって主制御基板220上に貼着され、基板ケースシール250の表面が接着層254aを介して凹部236の底面部237に貼着される。
また、上蓋ケース230は、上述したように、上蓋ケース230の封止キャップ部232と本体ケース210の封止筒部213とに接続部材201を装着することで、上蓋ケース230が本体ケース210に結合される。
このようなことから、上蓋ケース230を本体ケース210から取り外さない限り、基板ケースシール250に剥離剤等を流し込めなくなるため、基板ケースシール250の剥離が困難となる。この場合、その基板ケースシール250の不正な再利用が行われ難くなるため、たとえば上蓋ケース230が不正に開けられて検査済みの1チップROM221が裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに差し替えられた後、精巧な偽造シールが貼着されてしまっても、インレット253の微小なICチップ251からのICタグ識別情報の読み取りを行うことで、上蓋ケース230が不正に開けられたかどうかを容易に確認することができる。
また、この場合、予め上蓋ケース230に精巧な偽造シールが貼着され、さらに不正な制御基板が収容された基板ケースが現在使用されている主制御基板ユニット200と不正に差し替えられたりしても、上記同様に、インレット253の微小なICチップ251からのICタグ識別情報の読み取りを行うことで、主制御基板ユニット200の不正な差し替えを容易に確認することができる。
また、基板ケースシール250の表裏面が接着層254a,254bによって上蓋ケース230の主制御基板220側に向けて窪ませた凹部236の底面部237と主制御基板220とに接着されているため、上蓋ケース230が不正に開けられた場合、微小なICチップ251や箔状アンテナ252をセロハン等でパッキングしたインレット253が基板ケースシール250の裏面の接着層254bの引き剥がしによって破壊される。
この場合、上記同様に、基板ケースシール250の不正な再利用ができなくなるとともに、基板ケースシール250の表裏面の接着層254a,254bの引き剥がしによる痕跡が残されるため、たとえば上蓋ケース230が不正に開けられて検査済みの1チップROM221が裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに差し替えられた後、精巧な偽造シールが貼着されてしまった場合でも、その痕跡から上蓋ケース230が不正に開けられたかどうかを容易に確認することができる。
図5及び図6は、上述したICタグ識別情報やコード識別情報を読み取る読取装置の一例を示す図である。ここで、図5は読取装置の外観を示す図、図6は図4の読取装置の内部構成を示すブロック図である。
まず、図5に示すように、読取装置500は、ハンディタイプであり、少なくともタグ情報読取部501と、コード情報読取部501aと、スピーカ502と、表示部503と、操作部504とを有している。タグ情報読取部501は、無線通信によって基板ケースシール250のICチップ251のICタグ識別情報とを読み取るものである。ここで、その通信方式としては、静電結合方式、電磁結合方式、電磁誘導結合方式、マイクロ波方式、光方式のいずれかを用いることができる。
コード情報読取部501aは、証紙50に付されているコード識別情報であるバーコードや、管理票255に付されているコード識別情報であるバーコード等を、光スキャンによって読み取るものである。
スピーカ502は、たとえばタグ情報読取部501又はコード情報読取部501aによる読取完了を音声によって知らせるものである。なお、タグ情報読取部501又はコード情報読取部501aによる読取エラーが生じた場合に、スピーカ502からエラー音が出力されるようにしてもよい。表示部503は、タグ情報読取部501によって読み取られたICタグ識別情報や、コード情報読取部501aによって読み取られたコード識別情報等を表示するものである。
すなわち、たとえば基板ケースシール250のICチップ251からのICタグ識別情報と、管理票255のバーコードからのコード識別情報とがそれぞれ主基板番号である場合は、それぞれの主基板番号が表示部503に表示されることになる。ここで、表示部503に表示されるそれぞれの主基板番号が一致しているかどうかを確認することで、少なくとも基板ケースシール250が偽造シールに貼り替えられたかどうかを認識できる。なお、管理票255のバーコードからのコード識別情報を読み取らずに、基板ケースシール250のICチップ251から読み取ったICタグ識別情報と、基板ケースシール250又は管理票255に印刷されている主基板番号との確認により、少なくとも基板ケースシール250が偽造シールに貼り替えられたかどうかを認識してもよい。
また、表示部503に表示されるそれぞれの主基板番号が一致しているかどうかの確認により、上述した検査済みの1チップROM221が裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに不正に差し替えられていないかどうか、あるいは不正な主制御基板が収容された基板ケースが現在使用されている主制御基板ユニット200と不正に差し替えられていないかどうかを容易に検査することができる。
また、基板ケースシール250のICチップ251からのICタグ識別情報と、管理票255のバーコードからのコード識別情報との読み取りは、ハンディタイプの読取装置500により非接触で行われるため、少なくとも一日に一回は行われるたとえば主制御基板220上の各電子素子等の状態の確認作業に併せた上述の検査を容易に行うことができる。
操作部504は、図6に示すように、少なくとも基板ケースシール250のICチップ251のICタグ識別情報とを読み取る際に操作されるタグ情報読取キー504aと、証紙50のバーコードや管理票255のバーコードを読み取る際に操作されるコード情報読取キー504bとを有している。
また、読取装置500の内部には、図6に示すように、読取駆動部505、読取情報処理部506、スピーカ駆動部507、表示駆動部508、内部I/F(インタフェース)509、ROM510、RAM511、CPU512等が設けられている。
読取駆動部505は、タグ情報読取キー504aの操作に応じてタグ情報読取部501に対し、基板ケースシール250のICチップ251に記憶されているICタグ識別情報を読み取るための信号を送信させ、さらに基板ケースシール250のICチップ251からの返信信号を受け取らせる。また、読取駆動部505は、コード情報読取キー504bの操作に応じてコード情報読取部501aに対し、証紙50のバーコードと、管理票255のバーコードとを読み取らせる。
読取情報処理部506は、基板ケースシール250のICチップ251から受け取った信号を処理し、表示部503に表示される表示信号とする。また、読取情報処理部506は、コード情報読取部501aによって読み取られたバーコードを処理し、表示部503に表示される表示信号とする。
スピーカ駆動部507は、たとえばタグ情報読取部501又はコード情報読取部501aによる読取完了を示す音声、あるいはタグ情報読取部501又はコード情報読取部501aによる読取エラーが生じた場合のエラー音をスピーカ502から出力させる。
表示駆動部508は、読取情報処理部506によって処理された表示信号に基づき、表示部503に、ICタグ識別情報又はコード識別情報から得られる主基板番号等を表示させる。
内部I/F(インタフェース)509は、操作部504の少なくとも基板ケースシール250のICチップ251のICタグ識別情報を読み取る際に操作されるタグ情報読取キー504aと、証紙50のバーコードや管理票255のバーコードを読み取る際に操作されるコード情報読取キー504bとのいずれかからの入力を受け付ける。
ROM510には、少なくともCPU512による制御に必要な制御プログラムが格納されている。RAM511には、タグ情報読取部501によって読み取られたICタグ識別情報又はコード情報読取部501aによって読み取られたコード識別情報等が記憶される。
CPU512は、ROM510に格納されている制御プログラムに基づいて各部の動作を制御する。CPU510による主な制御としては、基板ケースシール250のICチップ251のICタグ識別情報を読み取る際のタグ情報読取キー504aの操作に応じて読取駆動部505を制御し、タグ情報読取部501によってそれらのICタグ識別情報を読み取らせることである。
また、CPU512による主な制御としては、証紙50のバーコードや管理票255のバーコードを読み取る際に操作されるコード情報読取キー504bの操作に応じて読取駆動部505を制御し、コード情報読取部501aによってそれらのコード識別情報を読み取らせることである。
また、CPU512による主な制御としては、タグ情報読取部501によって基板ケースシール250のICチップ251のICタグ識別情報が読み取られた後、読取情報処理部506に対し、そのICタグ識別情報を表示信号とするように処理させることである。また、CPU512による主な制御としては、コード情報読取部501aによって証紙50のバーコードや管理票255のバーコードが読み取られた後、読取情報処理部506に対し、それらのコード識別情報を表示信号とするように処理させることである。
なお、読取装置500には、読み取ったICタグ識別情報とコード識別情報とが一致しているか否かを判定する判定部を設けておき、その判定部による判定結果が一致又は不一致であるとき、その判定結果を表示部503に表示させるようにしてもよい。この場合、判定部による判定結果に応じてスピーカ502から一致を示す音、又は不一致を示す音が出力されるようにしてもよい。このように、判定結果を表示又は音声出力とすることで、読み取ったICタグ識別情報とコード識別情報との一致又は不一致の確認をさらに容易に行える。
このような読取装置500を用いることにより、次のような検査を行うことができる。なお、以下においては、読取装置500により、基板ケースシール250のICチップ251のICタグ識別情報と、管理票255のコード識別情報とが非接触で読み取られるものとして説明する。
まず、図7に示すように、少なくとも一日に一回は行われるたとえば主制御基板220上の各電子素子等の状態の確認作業に併せ、上述した検査済みの1チップROM221が裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに不正に差し替えられていないかどうか、あるいは不正な主制御基板が収容された基板ケースが現在使用されている主制御基板ユニット200と不正に差し替えられていないかどうかを検査を開始する場合(ステップS1)、前扉3の操作卓部20の鍵穴25に専用鍵を差し込んでロックを解除し、前扉3を開放しておく。
次いで、読取装置500のタグ情報読取部501を、筐体2の内部に取り付けられている主制御基板ユニット200の上蓋ケース230の凹部236の底面部237と主制御基板220との間に貼着されているICチップ251を有する基板ケースシール250に近づけ、操作部504のタグ情報読取キー504aを操作する。このとき、上述したように、CPU512により、読取駆動部505が制御され、タグ情報読取部501によって基板ケースシール250のICチップ251に記憶されているICタグ識別情報が読み取られ(ステップS2)、その読み取られたICタグ識別情報が一旦、RAM511に記憶される。
次いで、CPU512により、表示駆動部508が制御され、読取情報処理部506によって処理された表示信号に基づき、表示部503に読み取られたICタグ識別情報が表示される(ステップS3)。すなわち、読み取られたICタグ識別情報が、上述したように、主基板番号である場合はその主基板番号が表示されることになる。
次に、読取装置500のコード情報読取部501aを、主制御基板ユニット200の上蓋ケース230に貼着されている管理票255に近づけ、操作部504のコード情報読取キー504bを操作する。このとき、上述したように、CPU512により、読取駆動部505が制御され、コード情報読取部501aによって管理票255に印刷されているバーコードが光スキャンによって読み取られ(ステップS4)、その読み取られたコード識別情報が一旦、RAM511に記憶される。
次いで、CPU512により、表示駆動部508が制御され、読取情報処理部506によって処理された表示信号に基づき、表示部503に読み取られたコード識別情報が表示される(ステップS5)。すなわち、読み取られたコード識別情報が、上述したように、主基板番号である場合はその主基板番号が表示されることになる。
また、管理票255から読み取られたコード識別情報は、先に読み取られた基板ケースシール250のICチップ251からのICタグ識別情報と対比し易いように表示部503に表示される。この場合、表示部503にICタグ識別情報とコード識別情報とを上下、又は左右に並べて表示されるようにすればよい。これにより、表示されるICタグ識別情報及びコード識別情報がたとえば主基板番号である場合、それぞれの主基板番号の文字数あるいは文字内容の比較によって一致又は不一致を容易に確認できる。
そして、表示部503に表示されるそれぞれの主基板番号が一致しているかどうかの確認により、上述した検査済みの1チップROM221が裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに不正に差し替えられていないかどうか、あるいは不正な主制御基板が収容された基板ケースが現在使用されている主制御基板ユニット200と不正に差し替えられていないかどうかを容易に検査することができる。
また、このような読取装置500による基板ケースシール250のICチップ251からのICタグ識別情報の読み取りと、管理票255からのコード識別情報との読み取りとを、他のスロットマシン1でも同様に繰り返し行うことで、上述した検査が容易に行える。また、複数台のスロットマシン1に対して順々に検査する際、読取装置500を持ち運ぶことになるが、読取装置500がハンディタイプであることから、その持ち運びが負担になることもない。
また、上述したスロットマシン1の検査方法の手順を読取装置500の表示部503に表示しておくようにしてもよく、このようにした場合は、検査の初心者であっても検査を容易に実行することが可能となる。
なお、ここでは、基板ケースシール250のICチップ251からのICタグ識別情報と、管理票255のバーコードからのコード識別情報とを読み取る場合で説明したが、この例に限らず、証紙50に設けられているバーコードも併せて読み取るようにしてもよい。この場合には、基板ケースシール250のICチップ251からのICタグ識別情報と、管理票255のバーコードからのコード識別情報と、証紙50のバーコードからのコード識別情報とに、少なくとも共通する内容の情報が持たされているようにすればよい。
また、次のような他の検査方法1〜7により、検査済みの1チップROM221の検査が行われるようにすることも可能である。
(他の検査方法1)
基板ケースシール250を貼着せずに、少なくとも主基板番号を示すICタグ識別情報と、数字等の文字による印刷された主基板番号とを有する後述のロムシール260を主制御基板220又は1チップROM221に貼着する。この場合、読取装置500により後述のロムシール260から読み取ったICタグ識別情報と、たとえば管理票255のバーコードから読み取ったコード識別情報との確認により、一致又は不一致を確認することができる。また、後述のロムシール260から読み取ったICタグ識別情報と、管理票255に印刷されている主基板番号又は後述のロムシール260に印刷されている主基板番号との確認により、一致又は不一致を確認することもできる。また、後述のロムシール260を主制御基板220又は1チップROM221に貼着されるようにしておけば、上蓋ケース230に半田ごて等の熱によって穴が開けらた際、その穴が偽造されたシールで覆われていても、本来貼着されていないシールが貼着されているということを確認でき、たとえば検査済みの1チップROM221を裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに不正に差し替えられたことを直ちに確認することができる。
(他の検査方法2)
たとえば上蓋ケース230に貼着される基板ケースシール250には、ICチップ251を設けるとともに、数字等の文字による主基板番号が印刷によって付されているようにする。この場合、後述のロムシール260は不要とする。また、この場合、検査済みの1チップROM221をセキュリティーを高めたV4チップと呼ばれるものとし、基板ケースシール250のICチップ251にはたとえばV4チップのロット番号を示す二次元コードであるQRコードデータを書き込むようにする。さらに、そのV4チップにたとえばロット番号を示す二次元コードであるQRコードと、そのロット番号とを印刷等によって付しておく。このように、ICチップ251にV4チップのQRコードデータを書き込むようにすることで、読取装置500によりICチップ251からセキュリティーを高めたICタグ識別情報を読み取ることができる。また、ICチップ251にV4チップのQRコードデータを書き込むようにすることで、基板ケースシール250を偽造されたシールに貼り替えようとしても、その偽造されたシールに基板ケースシール250に設けられているICチップ251を設ける必要があるばかりか、そのICチップにV4チップのQRコードデータを書き込む必要があるため、シールの偽造を困難とすることができる。
(他の検査方法3)
基板ケースシール250を貼着せずに、少なくとも主基板番号を示すICタグ識別情報と、数字等の文字による印刷された主基板番号とを有する後述のロムシール260を主制御基板220又は1チップROM221に貼着する。この場合、そのICタグ識別情報を上述したV4チップのQRコードデータとする。これにより、上記同様に、上蓋ケース230に半田ごて等の熱によって穴が開けられた際、その穴が偽造されたシールで覆われていても、本来貼着されていないシールが貼着されているということを確認できる。また、ICタグ識別情報を上述したV4チップのQRコードデータとする必要があるため、シールの偽造を困難とすることができる。
(他の検査方法4)
たとえば上蓋ケース230に上述した基板ケースシール250を貼着する。この場合、後述のロムシール260は不要とする。また、この場合、基板ケースシール250のICチップ251にはV4チップのQRコードデータと主基板番号とを書き込むようにする。このように、ICチップ251にV4チップのQRコードデータと主基板番号とを書き込むようにすることで、読取装置500によりICチップ251からセキュリティーを高めたデータ及び主基板番号とを含むICタグ識別情報を読み取ることができる。また、ICチップ251にV4チップのQRコードデータと主基板番号とを書き込むようにすることで、そのICチップにV4チップのQRコードデータと主基板番号とを書き込む必要があるため、シールの偽造を困難とすることができる。
(他の検査方法5)
基板ケースシール250を貼着せずに、少なくともQRコードデータと主基板番号とを示すICタグ識別情報と、数字等の文字による印刷された主基板番号とを有する後述のロムシール260を主制御基板220又は1チップROM221に貼着する。この場合、上記同様に、上蓋ケース230に半田ごて等の熱によって穴が開けられた際、その穴が偽造されたシールで覆われていても、本来貼着されていないシールが貼着されているということを確認できる。また、ICタグ識別情報を上述したV4チップのQRコードデータと主基板番号とを含むようにする必要があるため、シールの偽造を困難とすることができる。
(他の検査方法6)
上述した基板ケースシール250又は後述のロムシール260のICタグ識別情報をユニークIDとする。この場合、そのユニークIDに、たとえば所定のデータを付加しておいてもよい。このように、ICタグ識別情報を少なくともユニークIDとすることで、シールの偽造しようとする者は、その少なくともユニークIDを取得することができず、シールの偽造を困難とすることができる。
(他の検査方法7)
上述した基板ケースシール250及び後述のロムシール260を貼着せずに、上述した管理票255にユニークIDとバーコードによる主基板番号とを付すようにする。この場合、読み取ったバーコードとユニークIDとの確認により、一致又は不一致を確認することができる。
このように、本実施例では、制御基板としての主制御基板220が本体ケース210の取付部としてのリブ214に主要部品としての検査済みの1チップROM221を搭載する搭載面を上蓋ケース230側に向けるようにして取り付けられ、上蓋ケース230に、主制御基板220の1チップROM221を搭載している搭載面に向けて凹部236が設けられ、主制御基板220の搭載面とその凹部236の底面部237との間に非接触で読み取りが可能なICタグ識別情報を記憶する記憶手段としての箔状アンテナ252が接続される微少なICチップ251をセロハン等でパッキングしたタグとなるインレット253が貼着されている封印シールとしての基板ケースシール250が貼着されるとともに、その搭載面と凹部236の底面部237とにより基板ケースシール250が密着して挟持されるようにした。
これにより、上蓋ケース230を不正に開けようとすると、主制御基板220の1チップROM221の搭載面と上蓋ケース230の凹部236の底面部237との間に貼着されている基板ケースシール250が引き剥がされることで、基板ケースシール250の箔状アンテナ252が接続される微少なICチップ251をセロハン等でパッキングしたインレット253が破壊されることになる。そのため、そのインレット253が破壊されないように、主制御基板ユニット200の外部から基板ケースシール250へ剥離剤等を流し込もうとしても、主制御基板220の搭載面と上蓋ケース230の凹部236の底面部237との間に基板ケースシール250が密着して挟持されているため、基板ケースシール250へ剥離剤等の流し込みが困難となることから、基板ケースシール250を剥離剤等によって容易に剥離できないようにし、基板ケースシール250の不正による再利用を困難とすることができる。
なお、本実施例では、基板ケースシール250が主制御基板220に貼着されるとともに、上蓋ケース230の主制御基板220側に向けて窪ませた凹部236の底面部237と主制御基板220との間に密着して挟持されるようにした場合について説明したが、上述した管理票255も同様に主制御基板220に貼着し、上蓋ケース230に凹部236と同様の凹部を設け、その凹部の底面部と主制御基板220との間に管理票255を密着して挟持させるようにしてもよい。
また、後述のロムシール260を検査済みの1チップROM221に貼着する場合も、上記同様にして、その後述のロムシール260を上蓋ケース230に設けた凹部と1チップROM221との間に密着して挟持させることができる。
すなわち、図8は、検査済みの1チップROM221へのロムシールの貼着状態を説明するための図である。ここで、図8(a)は図8(b)に示すロムシールを横から見た場合を示し、図8(b)は図3の主制御基板ユニット200をA−A線に沿って見た場合に相当し、図8(c)は図8(b)の上蓋ケース230を上方から見た場合を示している。
まず、図8(a)に示すように、ロムシール260の裏面側、すなわち、1チップROM221に接する側の面には、微小なICチップ261や箔状アンテナ262をセロハン等でパッキングしたインレット263が貼着されている。また、ロムシール260の表裏面には、接着層264a,264bが設けられている。なお、接着層264a,264bの代わりに、接着剤を塗布するようにしてもよい。
また、図8(a)では、ロムシール260の裏面のインレット263を除いた部分に接着層264bが設けられている場合を示しているが、ロムシール260の裏面の全域に接着層264bを設けてもよい。
このようなロムシール260は、図8(b),(c)に示すように、上蓋ケース230の1チップROM221側に向けて窪ませた凹部238の底面部239と1チップROM221との間に密着して挟持されるとともに、ロムシール260の裏面が接着層264bによって1チップROM221の側面と主制御基板220上に貼着され、ロムシール260の表面が接着層264aを介して凹部238の底面部239に貼着される。
また、上蓋ケース230は、上述したように、上蓋ケース230の封止キャップ部232と本体ケース210の封止筒部213とに接続部材201を装着することで、上蓋ケース230が本体ケース210に結合される。
このようなことから、上蓋ケース230を本体ケース210から取り外さない限り、上記同様に、ロムシール260に剥離剤等を流し込めなくなるため、ロムシール260の剥離が困難となる。この場合、そのロムシール260の不正な再利用が行われ難くなるため、たとえば上蓋ケース230が不正に開けられて検査済みの1チップROM221が裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに差し替えられた後、精巧な偽造シールが貼着されてしまっても、インレット263の微小なICチップ261からのICタグ識別情報の読み取りを行うことで、上蓋ケース230が不正に開けられたかどうかを容易に確認することができる。
また、この場合、予め上蓋ケース230に精巧な偽造シールが貼着され、さらに不正な制御基板が収容された基板ケースが現在使用されている主制御基板ユニット200と不正に差し替えられたりしても、上記同様に、インレット263の微小なICチップ261からのICタグ識別情報の読み取りを行うことで、主制御基板ユニット200の不正な差し替えを容易に確認することができる。
また、ロムシール260の表裏面が接着層264a,264bによって上蓋ケース230の1チップROM221側に向けて窪ませた凹部238の底面部239と1チップROM221等とに接着されているため、上蓋ケース230が不正に開けられた場合、微小なICチップ261や箔状アンテナ262をセロハン等でパッキングしたインレット263がロムシール260の裏面の接着層264bの引き剥がしによって破壊される。
この場合、上記同様に、ロムシール260の不正な再利用ができなくなるとともに、ロムシール260の表裏面の接着層264a,264bの引き剥がしによる痕跡が残されるため、たとえば上蓋ケース230が不正に開けられて検査済みの1チップROM221が裏ROM又は不正ROMと呼ばれるものに差し替えられた後、精巧な偽造シールが貼着されてしまった場合でも、その痕跡から上蓋ケース230が不正に開けられたかどうかを容易に確認することができる。
また、上述したように、基板ケースシール250又はロムシール260を上蓋ケース230の凹部236,238の底面部237,239と主制御基板220又は1チップROM221との間に密着させて挟持させることに併せ、たとえば図9に示すように、主制御基板220と上蓋ケース230との間に隙間が生じないようにすることでも、基板ケースシール250又はロムシール260への剥離剤等の流し込みを困難とさせることに有効である。
ここで、図9(a)は図3の主制御基板ユニット200をA−A線に沿って見た場合に相当し、図9(b)は図9(a)のB−B線に沿って見た場合を示している。この場合、図9(a)に示すように、主制御基板220は、上蓋ケース230に設けられたねじ穴を有する取付部としてのリブ239aに取り付けるようにする。また、上蓋ケース230の周囲は、少なくとも主制御基板220の取り付け位置より突出するようにする。この場合、上蓋ケース230と主制御基板220との間に隙間が生じないようにすれば、なお好ましい。
このようにすることで、上蓋ケース230と本体ケース210との間がこじ開けられて、その間に隙間が生じても、たとえばロムシール260への剥離剤等の流し込みを困難とさせることができる。また、図9(b)に示すように、上蓋ケース230と主制御基板220との間に隙間が生じないようにした場合は、さらにロムシール260への剥離剤等の流し込みを困難とさせることができる。