以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1に本発明一実施形態の構成例を示す。図1において、この貸し出し製品管理システムは、複数の貸し出す製品例えばパソコン11の各々に貼付されたICタグ12と、これらのICタグ12に書き込まれたデータにより貸し出しパソコン11を集中管理する集中管理用サーバ13と、この集中管理用サーバ13にローカルエリアネットワーク(LAN)14を介して接続される管理用パソコン15と、この管理用パソコン135に接続され、上記ICタグ12との間で無線により貸し出し管理データの授受を行う据え置き型リーダライタ(RW)16と、上記ICタグと無線により比較的少量の貸し出し基本データの授受を行う持ち運びが容易なハンディ型リーダライタ17と、集中管理用サーバ13とLAN14を介して接続され、上記ハンディ型リーダライタ(RW)17との間で無線通信によりデータの授受を行う無線基地局18とから成る。
管理用パソコン15は例えば図2に示すように、種々の画面を表示する表示部21と、このパソコンの制御のためあるいはデータを入力するための入力部22と、貸し出し管理データなどのデータを一旦記憶するための記憶部23と、必要なデータなどの出力印刷を行う出力部24と、これらの各部を制御する制御部25とから成る。この管理用パソコン15は据え置き型リーダライタ16に接続されており、据え置き型リーダライタ16はアンテナ16aを有して、ICタグ12との間で貸し出し管理データの授受を行い、ICタグ12に読み込まれるデータは管理用パソコン15の記憶部23に一旦記憶される。また、管理用パソコン15はブラウザにより貸し出し情報を表示させ、検索することが可能であり、ICタグに記憶されている情報の検索機能も有する。
一方、ハンディ型リーダライタ17は例えば図3に示すように、ICタグ12と貸し出し管理データの授受を行うアンテナ部31aと、無線基地局18と貸し出し基本データの授受を行うアンテナ部31bと、種々のデータや入力情報などを表示する表示部32と、ICタグ12からアンテナ部31aで受信した貸し出し管理データを読み込み表示部32に表示するタグ読み出し部33aと、一旦表示部32に表示された貸し出し管理データをICタグ12に書き込むためにアンテナ部31aに送るタグ書き込み部33bと、小型表示部32に表示される貸し出し基本データを無線基地局18に送信するためにアンテナ部31bに送る更新部34aと、無線基地局18及びローカルエリアネットワーク14を介して集中管理用サーバ13にICタグの情報を問い合わせるためにアンテナ部31bに問い合わせ情報を送り、それに対する応答情報をアンテナ部31bから受信する参照部34bと、ICタグに関する検索を行う検索部35と、操作者がデータを入力する入力部36と、種々のデータや情報を記憶する記憶部37と、上述の各回路に電源を供給する電源部38と、この使用者に音により注意を喚起するスピーカ39aと、視覚により注意を喚起する発光ダイオード(LED)39bと、振動により使用者の注意を喚起するバイブレータ39cと、これら各回路の制御を行う制御部40とから成る。
スピーカ39a、LED39b、及びバイブレータ39cは、ハンディ型リーダライタの操作の確認、警告などを使用者に伝えるために作動させる。
上記ICタグ12は、例えば図4の断面図に示すように、高透磁率シート42と、この上に渦巻き状に設けたアンテナコイル43と、高透磁率シート42の裏面に貼り付けた導電性金属44を有する構造のものを用いる。このようなICタグであれば、貸し出しパソコン11表面の金属体46の上に設けられても、コアに磁束を集中させて起電力を確保し、金属体46の影響を最小限にすることが可能である。ICタグ12は例えば、電池を有しておらず、据え置き型リーダライタ16やハンディ型リーダライタ17から周波数13.56MHzの無線によって伝送された、エネルギーで動作する受動型の、35×50×1.0mmの大きさのものである。
このようなICタグを所定のステッカーに内蔵させれば、ICタグを製品に付するなどの工程が不要となり、またステッカーにより重要な記憶内容を可視的に確認できる。
ICタグ12の記憶領域には、64ビットのユニークなタグIDが書き込まれており、他のユーザメモリ領域は約2kビットあり、管理情報、機器情報、資産情報、修理情報、物流情報及び暗号化されたセキュリティ情報(例えば128ビットのコード)が書き込まれ、これらの情報は例えば4段階のセキュリティレベルに応じて読み出し書き込みに制限がかけられる。
管理情報としては、貸し出しパソコン11の、暗号化された所有者情報、管理コード、顧客コード及び所属コードなどが記憶され、機器情報としては、セットアップ情報(セットアップ日付、セッとアップの種別や内容)、スペックやデバイス容量などの基本仕様、型式、モデル番号、製造番号、機器ステータス(新品か中古かリースか)、そのパソコンの寸法や重量及び機器情報更新日付などが記憶される。
また資産情報としては、貸し出しパソコン11の資産区分(設備かリースかレンタルか)、資産コード、保守契約の有無、保守契約がある場合の保守契約会社名、その保守契約の番号、使用開始日、使用期間、使用回数及び更新日付などが記憶され、修理情報としては修理区分、修理回数、修理情報及び資産情報更新日付が記憶され、物流情報としては物流区分(入庫か出庫か在庫か)、製造情報(製造日付、製造場所)、流通情報(流通日付、流通場所、配送方法、着荷予定日、着荷日、発送日)、販売情報(販売日付、販売場所、保証委託契約の有無、保証委託契約がある場合の保証委託会社名、そのときの保証委託契約番号)、利用者情報(利用会社名、支社店名、部署名、利用者名、各履歴含)、加入保険情報(延長保証、事故保証、使用履歴、限度額・残額)及び物流情報更新日付などが記憶される。
一方、管理用パソコン15及び無線基地局18は、LAN14を介して集中管理用サーバ13に接続されており、この集中管理用サーバ13は図5に示すように、管理用パソコン15及び無線基地局18とのデータの送受信を行う送受信部51と、貸し出し管理データを記憶する貸し出しデータベース52と、この貸し出しデータベース52のデータの検索を行う検索部53と、該当データの読み出しや書き込みを行う読み出し書き込み部54とを有する。
貸し出しデータベース52は、上記ICタグ12の各々に記憶されている貸し出しパソコン11に関する情報、即ち管理情報、機器情報、資産情報、修理情報、物流情報、セキュリティ情報がすべて記憶されており、これらの記憶内容は検索部53から検索可能である。無線基地局18は、例えば10base−Tのイーサネット(登録商標)対応のLANケーブルに接続される一方、ダイバシティアンテナを有し、交信は見通し距離で100m程度であり、無線基地局18とハンディ型リーダライタ17との交信は2.4GHzの周波数でSS方式によりなされる。
次に、この実施形態において、ハンディ型リーダライタ17によってICタグ12の情報の書き込み読み出しを行う場合の動作について説明する。ハンディ型リーダライタ17によるICタグ12情報の読み出し書き込みは、まず、貸し出しパソコン11にICタグが付された後になされる。貸し出しパソコンの入庫、出庫、在庫処理の各処理は、ICタグに記憶されている機器ステータス情報を書き換えることによりなされる。ICタグの付された複数台のパソコンを貸し出し用として入庫した場合に、機器ステータス情報の内容を書き込み、それらの情報を集中管理用サーバに送信する動作について述べる。
図6に示すように、ステップS601では、図3に示したハンディ型リーダライタ17のアンテナ部31aを介してタグ読み出し部33aにおいて、各貸し出しパソコン11に付されているICタグ12のタグID情報その他の情報を読み取り、小型表示部32に表示し使用者はそのパソコンの情報を確認する。
次のステップS602において、使用者は図3の入力部36から機器ステータスを入庫にするための入力を行い、小型表示部32で表示させた後、タグ書き込み部33bからアンテナ部31aを介して上記タグIDのパソコンのICタグ12に書き換え情報を送信し、このICタグの機器ステータスを入庫と書き換える。
次のステップS603ではハンディ型リーダライタ17の記憶部の入庫パソコンリストに上記タグIDを書き込み、次のステップS604では、入庫処理対象のパソコンがなくなったか、確認する。まだ入庫処理する必要のあるパソコンがあれば、ステップS601に戻ってハンディ型リーダライタ17により残りの貸し出しパソコンのタグIDなどを読み込む。同様にして、ステップS602でそのICタグの内容を書き換えステップS603でハンディ型リーダライタ17の記憶部37内の入庫パソコンリストにそのタグIDを追加記憶する。
ステップS604において、入庫処理をする必要のある貸し出しパソコンがなくなったら、ステップS605に移り、ハンディ型リーダライタ17の記憶部37に記憶されている入庫パソコンリストを記憶部37から読み出し、必要に応じて小型表示部32で表示させた後、更新部34aからアンテナ部31bを介して無線基地局18に無線通信により送信する。無線基地局18で受信された入庫パソコンリストはLAN14を介して、集中管理用サーバ13に送られる。この後ステップS606では、ハンディ型リーダライタ17の記憶部37に記憶されている入庫パソコンリストを消去する。
ステップS607において、集中管理用サーバ13では送受信部51で入庫パソコンリストを受信し、ステップS608で貸し出しデータDB52の各タグIDの機器ステータスを入庫に書き換える。
上記説明では、該当ICタグに機器ステータスの情報を送信してからタグIDを記憶させたが、先に該当タグIDをハンディ型リーダライタ17の記憶部37に記憶させた後、該当ICタグの情報を書き換えてもよいことは勿論である。
上記説明では貸し出しパソコンの入庫処理の場合について説明したが、出庫、在庫処理の場合も同様である。
次に、特定のパソコンについて、そのパソコンの所有者を、ハンディ型リーダライタ17から集中管理用サーバ13に問い合わせし確認する場合につき図7を用いて説明する。
ステップS701では、そのパソコンのICタグが付されている部分にハンディ型リーダライタ17を非接触で当てて無線通信によりICタグからタグIDなどの情報を読み込む。これらの情報は図3に示すアンテナ部31aに受信され、タグ読み出し部33aで読み出され小型表示部32の画面に表示される。
ステップS702では、問い合わせするパソコンのICタグに暗号化された所有者情報が記憶されていたか否か確認し、記憶されていれば、ステップS703においてその所有者情報をハンディ型リーダライタ17の記憶部37に一旦、記憶する。所有者情報を記憶した後及び、所有者情報がICタグに記憶されていなかった場合には、ハンディ型リーダライタ17の使用者は、検索部35からそのタグIDの所有者を知りたい旨の指示を入力する。その後、該当タグIDと問い合わせの命令が参照部34bにおいて作成され、ステップS704でアンテナ部31bを介して無線基地局18に無線送信される。
ステップS705では、所有者問い合わせ命令が無線基地局18からLAN14を介して集中管理用サーバ13に送信される。所有者問い合わせ命令は集中管理用サーバ13の送受信部51で受信され、検索部53に送られる。検索部53では、ステップS706において所有者問い合わせ命令に含まれているタグIDに基づき、貸し出しDB52を検索する。
ステップS707において、検索結果である暗号化されている所有者情報は読み出し書き込み部54で読み出され、ステップS708で暗号化所有者情報は集中管理用サーバ13の送受信部51からLAN14を介して無線基地局18に送信される。暗号化所有者情報はハンディ型リーダライタ17のアンテナ部31で受信され、参照部34bに送られる。
ステップS710では、参照部34bに入力された、暗号化所有者情報及び、上述のICタグに所有者情報が記憶されていた場合に記憶部37に記憶されていた暗号化所有者情報は、制御部40の制御の下に復号化され、小型表示部32において表示される。即ち、ICタグに所有者情報が記憶されていた場合には、この記憶されていた所有者名と、集中管理用サーバ13から送られてきた所有者情報に基づく所有者名の両方が表示され、両者が同一かどうか確認される。
なお、ハンディ型リーダライタ(RW)17の中に比較回路を有して両所有者名を比較し、その一致しているか否かの結果と、一致している場合にはその旨とその所有者名、一致していない場合にはその旨と両所有者名を表示するようにしてもよい。
一方、ICタグ12に所有者情報が記憶されていなかった場合には、集中管理用サーバ13から送られてきた所有者情報に基づく所有者名のみが表示され、所有者が確認される。
なお、上記説明では、集中管理用サーバ13から所有者情報が暗号化されたまま、無線基地局18を介してハンディ型リーダライタ17に送信され、ハンディ型リーダライタ17において復号化される場合について説明した。このようにすれば、無線基地局18とハンディ型リーダライタ17間、あるいはLAN14において所有者情報が盗まれても、復号化しなければならず安全性が高いという利点がある。
また、ICタグからこれに記憶されているセキュリティ情報も読み出し、集中管理用サーバ13に記憶されているこの情報と一致するかをハンディ型リーダライタ17において確認するようにすれば、ICタグの所有者情報などの内容の改ざんに対して更に安全性を高めることができる。
しかし、暗号化された所有者情報を集中管理用サーバ13において復号化した後、無線基地局18に送出するようにしてもよい。このようにすれば、ハンディ型リーダライタ17において所有者情報を復号化する負担が軽くなる利点がある。
所有者情報に限られず、一般に、ハンディ型リーダライタ17からICタグ12の内容を集中管理用サーバに問い合わせる場合は、図7に示したような動作となる。
次に、ハンディ型リーダライタ17からICタグ12に情報を書き込む場合につき、図8を用いて説明する。ステップS801において、ハンディ型リーダライタ17を非接触でデータを入力しようとするパソコンのICタグ12に当て、無線通信によりタグIDの情報を読み取る。即ち、ハンディ型リーダライタ17のアンテナ部31aからタグ読み出し部33aにタグID情報を読み出し、小型表示部32でタグIDを表示する。
ステップS802では、使用者はハンディ型リーダライタ17において、小型表示部32に表示させながら入力部36から入力し項目を選択することにより、ICタグに書き込む情報項目を設定する。ステップS803では、ハンディ型リーダライタ17において先に選択入力した項目につき入力部36から各情報を入力する。
次のステップS804では、書き込む項目すべてについて情報が入力されたか確認する。まだ情報を入力していない項目があれば、再びステップS804に戻って情報の入力を行い、入力が完了したらステップ805で、小型表示部32により確認された情報をタグ書き込み部33bからアンテナ部31aを介してICタグ12に情報を無線送信する。
ステップS806では、各項目の入力した情報をハンディ型リーダライタ17から無線基地局18に無線送信し、ステップS807では、上記書き込み入力情報を無線基地局18からLAN14を介して集中管理用サーバ13に送信する。
ステップS808では、集中管理用サーバ13の送受信部51で上記書き込み入力情報を受信し、読み出し書き込み部54を通して貸し出しDB52に上記入力情報を書き込む。このようにして、ICタグ12及び集中管理用サーバ13の貸し出しDB52への情報の書き込みが完了する。
図8においては、ICタグ12への情報の書き込みを先に行い、その後、集中管理用サーバ13の貸し出しDB52への情報の書き込みを行った。しかし、先に集中管理用サーバ13の貸し出しDB52への情報の書き込みを行い、その後ICタグ12への情報の書き込みを行うようにしてもよい。また、貸し出しDB52やICタグ12への情報の書き込みが間違いなくなされているか、それらの内容を読み出しハンディ型リーダライタ17で確認し、間違っていたら修正するようにすることもできる。このようにすればICタグ及び貸し出しDBの信頼性を向上させることができる。
次に、本発明の上記実施形態においてICタグの内容の一部又は全部を書き換える場合の動作について、図9を用いて説明する。ステップS901では、ハンディ型リーダライタ17により、書き換えるパソコンのタグIDをICタグ12から無線通信により読み出す。即ち、ハンディ型リーダライタ17のアンテナ部31aからタグ読み出し部33aにタグIDを読み出し、小型表示部32の画面に表示する。この画面を見ながら使用者はステップS902において、入力部36から書き換える項目の情報を設定し、記憶部37に記憶する。
ステップS903では、使用者は小型表示部32の画面を見ながら書き換え項目の情報を入力部36から入力し、その入力された情報は記憶部37に記憶される。次のステップ904では、書き換えることを予定している項目のすべての入力がなされたかが、記憶部37でチェックされる。まだ情報が入力されてない項目があると、ステップS903に戻って該当項目の入力を行う。
書き換え予定項目のすべてについて入力があるとステップS905に移り、それらの入力情報がハンディ型リーダライタ17から無線基地局18に無線送信され、無線基地局18からLAN14を介して集中管理用サーバ13に送信される。集中管理用サーバ13の法受信部51でそれらの情報を受信し、ステップS906ではタグIDに基づいて検索部で貸し出しDB52を検索し、受信した情報を読み出し書き込み部54から貸し出しDB52に入力して書き換え更新する。
次のステップS907では、読み出し書き込み部54で今書き換えられた情報を貸し出しDB52から読み出し、その更新情報を送受信部51からLAN14に送出する。この更新情報は無線基地局18で受信され、無線基地局18から無線によりハンディ型リーダライタ17に送信される。
ステップS908では、ハンディ型リーダライタ17の記憶部37に記憶されている入力情報といま受信した貸し出しDBの更新情報を図示しない比較回路で比較し、不一致がないか調べられる。入力情報と更新情報の間に不一致があった場合には、小型表示部32、スピーカ39a、LED39b、バイブレータ39cのいずれか1つまたは複数の組み合わせにより利用者の注意を喚起し修正入力を促す。ステップS909で不一致の情報を修正入力し、ステップS905以下の処理を行い、修正入力情報を無線基地局18に送信し、無線基地局18から集中管理用サーバに送り、前述の場合と同様に貸し出しDB52の内容を更新する。
ステップS908で(修正)入力情報と更新情報がの不一致がない場合には、次のステップS910に移り、書き換え入力情報をハンディ型リーダライタ17からICタグ12に無線により送信する。即ち、記憶部37から書き換え入力情報を読み出しタグ書き込み部33bからアンテナ部31aを介してICタグに無線送信する。無線送信された書き換え入力情報は、ICタグ12に受信され、該当項目毎に書き換えられる。
このように、集中管理用サーバ13のデータベースの内容を書き換えた後、それを読み出して入力情報と比較すれば信頼性の高い、貸し出しデータベースが得られる利点がある。一方、図8の書き込みの場合と同様に貸し出しDBに書き込んだままとすることも可能である。また、ICタグ情報の書き換えの場合にも図8に示したように、先に貸し出しDB52の内容を書き換え、その後ICタグ12の内容を書き換えるようにしてもよい。
なお、ICタグ12の内容の多くを書き換えたいような場合には、その内容をすべて消去することが好都合なこともある。このような場合には、ハンディ型リーダライタ17のタグ書き込み部33bからアンテナ部31aを介してICタグ12に、初期化命令を無線送信すればよい。ICタグ12の内容を初期化しても、タグIDは消去されない。
ところで、上記実施形態の説明では、ハンディ型リーダライタ17によりICタグ12に情報を書き込み読み出しあるいは書き換える場合について説明した。しかし、据え置き型リーダライタ16によりICタグ12と無線通信を行い、管理用パソコン15によってICタグ12の情報を表示させ書き込む情報を入力しICタグ12に送信する場合も、ハンディ型リーダライタ17による場合と同様に行うことが可能である。管理用パソコンによってこれらの処理を行う場合には、表示画面が大きくまた入力が容易であり、ICタグに記憶されている多量の情報を一度に読み出したり、書き込むことが可能である。反面、据え置き型リーダライタ16は、使用者がハンディ型リーダライタ17のように貸し出しパソコン11の近くに持って行くことが困難な場合もある。
この特性を生かして、管理用パソコン15から詳しい情報の入力を行って据え置き型リーダライタ16からICタグ12への書き込みを行い、ハンディ型リーダライタ17では、機器ステータスなど、入力が簡単で貸し出しパソコンの状態を変える必要のある情報のみ書き込み及び読み出しが可能で、それら以外の情報に関しては読み出し及び、それら情報の一部のみ修正可能となるように入力制限しておくことが好ましい。
例えば貸し出しパソコンをリースとして貸し出す場合、一般的には図10に示すような手続にしたがってパソコンが貸し出され、回収され、再リースされる。即ち、ステップS1001でリース費用の見積もりがなされ、リースされることが決定されると、ステップS1002でリース契約が締結され、ステップS1003でリース体操パソコンの検収がなされ、ステップS1004でリース対象の各パソコンのセットアップがされ、ステップS1005で各パソコンの通常の使用が開始される。
リース対象のパソコンが故障するとステップS1006からステップS1007で修理され、ステップS1008でリース期間が満了したかチェックされ満了していなければ再びステップS1005に戻って通常使用がなされる。リース期間が満了するとステップS1009でリース対象のパソコンが回収され、ステップS1010でパソコンがリース可能かチェックされ、不可能であれば、ステップS1011で廃棄処分などにされる。パソコンがリース可能であれば再びステップS1001に戻ってリースの見積もりがされる。
このような過程で、貸し出しされるパソコンに付されたICタグには、通常S1002、S1003、S1004、S1006、S1005、S1007、S1008、S1010の各ステップにおいて、ICタグの情報の書き込み、書き換えなどの処理がなされる。管理用パソコン15では、リース契約が締結されたステップS1002で各パソコンのICタグに判明している情報をすべて記憶させる。一方、ハンディ型リーダライタ17では、S1003、S1004、S1005、S1006、S1007の各ステップで個別に対象となるパソコンのICタグに必要最小限の範囲で、情報を書き込みあるいは書き換えを行うようにすればよい。
ステップS1008、S1009、S1010では、対象となるパソコンの台数が多いか少ないかに応じて、書き込みなどの処理を管理用パソコン15で行うかハンディ型リーダライタ17で行うか決めることが可能である。
ところで、上記実施形態では、図1に示すように、集中管理用サーバ、管理用パソコンや無線基地局が、1つのローカルエリアネットワーク(LAN)14に接続されていた。しかし、これらの各設備は、インターネットを介して他の管理用のパソコン接続されていてもよい。このような構成の本発明の他の実施形態を図11に示す。図11において、番号1112〜1118は図1における番号12〜18に対応するが、1115はリース管理用パソコンである。
図11において、例えばリース会社では、複数の貸し出すパソコン1111の各々に貼付されたICタグ1112と、これらのICタグ1112に書き込まれたデータにより貸し出しパソコン1111を集中管理する集中管理用サーバ1113と、この集中管理用サーバ1113にLAN1114を介して接続されるリース管理用パソコン1115と、このリース管理用パソコン1115に接続され、上記ICタグ1112との間で無線により貸し出し管理データの授受を行う据え置き型リーダライタ1116と、上記ICタグと無線により比較的少量の貸し出し基本データの授受を行う持ち運びが容易なハンディ型リーダライタ1117と、集中管理用サーバ1113とLAN14を介して接続され、上記ハンディ型リーダライタ1117との間で無線通信によりデータの授受を行う無線基地局1118とから成る。そして、LAN1114はファイアウォール1121を介してインターネット1122に接続されている。インターネット1122には、例えば製造会社に設置してある、製造管理用パソコン1123aが接続され、この製造管理用パソコン1123aにはリーダライタ1124aが接続されている。リーダライタ1124aは図示しないパソコンに付されたICタグ1125aと情報の授受を行う。またインターネット1122には、例えば販売会社に設置してある、販売管理用パソコン1123bが接続され、この販売管理用パソコン1123bはリーダライタ1124bが接続されている。
リーダライタ1124bは図示しないパソコンに付されたICタグ1125bと情報の授受を行う。パソコンの製造工程では製造されたパソコンに付されたICタグ1125aに情報がリーダライタ1124aを介して記憶され、パソコンの販売工程では販売されるパソコンに付されたICタグ1125bに関連情報がリーダライタ1124bを介して記憶される。
ICタグ1125a及びICタグ1125bにはタグIDが書き換え不能に記憶されている。ICタグ1125a及びICタグ1125bに記憶された情報は、ファイアウォール1121を介して集中管理用サーバ1113のデータベースにもタグIDをキーにして記憶される。
なお、図示していないが、ICタグ1125a、1125bは、製造工程及び販売工程で、ハンディ型リーダライタとも情報のやり取りを行い、図示していない無線基地局を介して集中管理用サーバ1113にICタグの情報が記憶される。
この実施形態によれば、製品であるパソコンの製造工程から、ICタグが付され、製造情報、販売情報、貸し出し情報が、タグIDをキーにして集中管理用サーバ1113に記憶されることになる。したがって、集中管理サーバ1113にタグIDをキーに問い合わせることにより、該当ICタグが付されているパソコンの製造、販売、貸し出し履歴など詳細かつ一元的な情報を、容易にしかも効率的に取得できることになる。
一般的には、貸し出す製品の製造工場、流通、出荷設定、貸し出し、貸し出し中の修理、貸し出し後の処分等の少なくとも2以上の工程で、貸し出しに関する情報の一元管理及び共有化を実施すればよい。
なお、リーダライタ1124aなどが据え置き型である場合には、パソコンの製造工程のベルトコンベアにこのリーダライタ1124aを設置すれば自動的に、パソコンの製造工程の管理を行うことが可能となる。
また、ICタグは製品に貼り付けることなく、製品のカバーに埋め込むとか内蔵させることも可能である。例えばパソコンの場合、表面に近い位置に外面から見えないように埋め込めば、使用者などに知られることなく容易にICタグから情報を読み出すことが可能となり、貸し出しパソコンなどの製品の管理が可能となる。
また、上記実施形態ではICタグは、外部からエネルギーの供給を受けるタイプのものであった。しかし、ICタグを対象製品に内蔵させて、内部で電力の供給を受けるようにすることも可能である。このような本発明の他の実施形態について図面を用いて説明する。
図12にICタグをパソコンに内蔵させる場合の構造例を示す。図12において、パソコン本体1201の裏面1202にICタグ1203をその導電性金属面をパソコン本体側にして、プラスチック製カバー1204を当て、これをビス1205により止めるようにする。ICタグ1203の形状はコイン型であってもステック型であってもよい。
ICタグを内蔵させたパソコンの回路構成例の概略を図13に示す。パソコン1301の電源回路1302には各部が接続されている。即ち表示装置(液晶)1303、入力装置(キーボード)1304、CPU1305、メモリ1306、HDD1307、入出力インターフェース1308、フロッピー(登録商標)ディスク1309、CD−ROM1310には、電源回路1302から電力が供給されており、この電源回路1302にはACアダプタ1311を介して電源プラグ1312から電力が供給される。この電源回路1302には場合により外部バッテリ1313が接続されるが、上記ICタグ1203も接続され、これに電力が供給される。
コンセントに電源プラグ1312が差し込まれ、パソコン1301のスイッチが入れられると、電源回路1302は電力を各回路に供給し、ICタグ1203にも電力が供給される。ICタグ1203は能動型として作動するが、パソコン自体を使用中は作動させる必要がないので、表示装置が開けられているときには、ICタグ1203は発振せず、本体をシャットダウンしたときとか、表示装置を閉めたときに発振して出力を外部に送信するようになっている。
ところで、図1に示す据え置き型リーダライタのアンテナをいろいろな部位に設置することにより、自動的に製品のICタグから情報を取得することが可能となる。例えば図14に示すように、LAN1400に接続される管理用パソコン1401に接続装置1402を接続し、これに据え置き型リーダライタ1403a,1403b,1403cを接続する。据え置き型リーダライタ1403aのアンテナ1404aは、図1や図11に示したような通常一般に用いられるアンテナである。
据え置き型リーダライタ1403bのアンテナ1404bは、搬送装置のベルトコンベア1405の一部に設置されたICタグ検知台1406内に設けられている。ICタグを付けられたパソコンなどの製品が梱包された荷物1407が、上記ICタグ検知台1406上を通過するときにICタグから情報を検知することができる。したがって、搬送装置を通過する製品の情報を自動的に検知し、管理用パソコンで管理することが可能となる。
また、据え置き型リーダライタ1403cのアンテナ1404cは、荷物の搬出入ゲート1408内に設けられており、このゲートの間を貸し出しパソコンなどの製品を搬出あるいは搬入するときに製品に付されているICタグをアンテナ1404cにより検出し、管理用パソコンで管理することが可能となる。
ところで、上記実施形態では、貸し出し製品であるパソコンにICタグを付した場合について説明したが、貸し出し製品は勿論パソコンに限られず他の製品でもよい。
更に本発明において用いられるタグは、ICにより構成されるタグだけでなく、一般的にはRFID(Radio Frequency Identification)タグであればよい。