JP2004326573A - 自動車管理方法およびシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】RFIDを用い、将来の機能拡張性、コストパフォーマンス、利便性、およびセキュリティ性が高く、かつ自動車の設計の自由度を阻害しない自動車管理システムを提供する。
【解決手段】センター装置16は、各々の自動車に関する個体情報を、自動車に装着されたタグ装置11に書き込まれている個体識別情報に対応付けてデータベースに記録している。リーダー装置15は、任意の自動車に装着されたタグ装置11から無線電波で発せられる個体識別情報を取得して端末12に与える。端末12は、リーダー装置15から個体識別情報を与えられると、その個体識別情報を用いて、センター装置16のデータベースを検索する。
【選択図】 図1
【解決手段】センター装置16は、各々の自動車に関する個体情報を、自動車に装着されたタグ装置11に書き込まれている個体識別情報に対応付けてデータベースに記録している。リーダー装置15は、任意の自動車に装着されたタグ装置11から無線電波で発せられる個体識別情報を取得して端末12に与える。端末12は、リーダー装置15から個体識別情報を与えられると、その個体識別情報を用いて、センター装置16のデータベースを検索する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の個体管理を行うシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
工場で製造された自動車は複数の業者や顧客の元を渡った後、最終的に廃車にされる。自動車の流通に関わる業者としては、メーカー、新車販売業者、中古車買取業者、中古車販売業者などが挙げられる。自動車に関連する他の業者として検査業者、修理業者、廃棄業者、保険業者などが挙げられる。また、自動車を購入する顧客にも、新車を購入した顧客と、中古車を購入した顧客がいる。
【0003】
各業者において個々の自動車に対して適切な業務を行うために、各業者毎に各自動車が個体管理される。自動車の個体管理の基本的な方法としては、書類に自動車の各々の情報を記入し、必要に応じてそれを参照するという方法がある。例えば小規模な修理業者などでは、このような簡易な方法で個体管理がされるのが一般的である。
【0004】
また、ある程度規模が大きく、扱う自動車の台数も多いような業者では、業務効率化のため、センターに設けられた管理コンピュータのデータベースに自動車の各々の情報や顧客の情報を記録し、必要に応じて端末から通信ネットワークを介して管理コンピュータのデータベースを参照するという方法が考えられる。
【0005】
新車販売業者では、このようなシステムにおいて顧客情報に自動車の個体の情報を関連付けて管理し、顧客が来店した際の顧客および自動車に関する情報の照会に利用することができる。また、自社で販売から一貫して管理してきた自動車であれば、修理履歴や整備履歴をそのシステムに登録しておくことができ、以降の修理や整備の際に参照して利用することができる。
【0006】
中古車買取業者や中古車販売業者では、自動車の個体の情報をデータベース化し、車種毎の買取台数、販売台数、在庫状況などの情報を買取価格や販売価格の査定に反映させることができる。
【0007】
しかし、これら上述したような従来の管理方法では、自動車の固体管理は各業者毎にされるのみであり、各業者は、各自動車に関する他の業者における情報を知ることができなかった。
【0008】
修理や整備においては過去の修理履歴が役に立つ。しかし、例えば、中古車買取業者から中古車販売業者を渡り、中古車として新たな顧客に販売された自動車の修理履歴を中古車販売業者や修理業者は知ることができなかった。また、中古車として流通し、いずれかの修理業者で修理が行われた後に、再び元の新車販売業者に修理依頼が来た場合、修理業者で行われた修理の履歴を元の新車販売業者は知ることができなかった。このように1台の自動車の修理が毎回同じ販売業者や修理業者に依頼されるとは限らず、他の業者で行われた修理の履歴の情報が空白となり、利用できないことがあった。
【0009】
また、過去の履歴は、今後の不具合を予測するのに利用できるので中古車の買取りや販売の査定に大きく影響する。各自動車の現況から過去の修理や整備の経歴を見極めるのは一般の購入者にとって容易でない。そのため、中古車市場では、1つのディーラーで一貫して管理されていたディーラー車や、1人のオーナーに所有されていたワンオーナー車のように修理や整備の履歴がしっかりした個体が好まれ、これらの条件から外れた個体は状態が良くても低く査定されることがあった。
【0010】
また、自動車リサイクル法が成立したことにより、メーカーには、自身の製造した自動車が廃棄される際に出る破砕くず(シュレッダーダスト)、フロン、エアバッグの回収の義務が課せられる。そのため、メーカーでは、製造から廃棄まで自動車個体のトレーサビリティを確保する方法が望まれている。
【0011】
以上のような理由から、複数業者にまたがった自動車の個体に関する情報を製造から廃棄まで一貫して管理することが望まれる。自動車の個体を識別する情報を利用すれば、これが可能になると考えられる。しかし、従来、自動車の個体識別情報は、シャシーなどに刻まれており、目視により確認されていた。また、シャシーなどに刻まれた個体識別情報は視認性の良いものではなかった。そのため、その確認は容易でなく、また、確認ミスの可能性もあった。
【0012】
また、近年では自動車の盗難が増加しており、盗難車の発見にも個体識別情報が利用可能と考えられるが、上述したように確認が容易でなかった。
【0013】
これに対して、RFIDを利用して自動車の個体を製造から廃棄まで一貫して管理するシステムが考えられている(たとば、特許文献1参照)。
【0014】
特許文献1によれば、ICチップを備えたRFIDタグが自動車に固着される。そして、外部のコンピュータでICチップから自動車の固有情報(個体識別情報)を読み出し、また追加情報を読み書きすることができる。したがって、それらの情報を各業者が読み書きすることにより、製造から廃棄に至るまでに複数の業者や顧客を渡る自動車の個体を一貫して管理することができる。
【0015】
【特許文献1】
特開2002−169858号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されたシステムによれば、まずメーカーにて、コンピュータからRFIDタグのICチップに製造番号、製造年月日、製造場所などの製造工程情報が書き込まれる。また、新車販売業者では、納入年月日、販売年月日、顧客の氏名や電話番号、保障期間などの在庫情報や出荷情報、顧客情報が書き込まれる。さらに、修理業者では、修理箇所、交換部品、修理年月日などのメンテナンス情報が書き込まれる。
【0017】
このようにICチップには様々な情報が書き加えられるが、ICチップの記憶容量は固定されており、過去の製造された自動車のICチップの記憶容量を増加させることができなかった。そのため、従来のシステムは、必要な記憶容量や記憶内容の変更を伴うようなシステム機能の変更や拡張に柔軟に対応することが困難であり、機能拡張性の高いものではなかった。
【0018】
また、廃棄までの期間や修理の回数は個々の自動車によって大きく異なるので、従来のシステムでは、全てのICチップに最大限以上の記憶容量をもたせることはコストパフォーマンス上無駄が多いという問題があった。逆に、記憶容量を越えたときに情報を追加できなくなるという問題もあった。
【0019】
また、従来のシステムでは、各種情報がICチップに記録されるとともに、在庫情報や出荷情報、顧客情報は新車販売業者のコンピュータにも記録され、メンテナンス情報は修理業者のコンピュータにも記録される。しかし、全ての情報が集約されているのはICチップだけなので、何らかの原因でICチップまたはICチップ内のデータが破壊されると、そのデータを復元するためには、複数の業者のコンピュータからデータを集めてICチップに書き込み直す必要があった。
【0020】
また、全ての情報が集約されているのがICチップだけなので、1台の自動車に関する全ての情報を一時に閲覧するには自動車自体に固着されたICチップのデータを読出す必要があり、自動車の現物が無い状態では各コンピュータから各々のデータを集めてこなければならなかった。そのため、例えば、従来のシステムでは、個々の顧客が自動車の個体に関する各種情報を参照するためには、複数業者の複数のコンピュータにアクセスする必要があった。
【0021】
また、従来のシステムでは、各自動車にRFIDタグが固着される構成なので、RFIDタグを後付けすることは困難であった。さらに、後付けした場合、ICチップおよび複数のコンピュータに過去の各種情報を書き込む必要があり、作業が煩雑であった。
【0022】
このように、従来のシステムは利便性の高いものではなかった。
【0023】
また、信頼性の高いシステム運用を図るためには、例えば故障や修理の履歴を削除するようなデータの偽造に対するセキュリティ対策が必要である。従来のシステムでは、製造から廃棄までの個体管理が主にICチップのデータを用いて行われるが、個々の自動車に関する情報の書き込みに対するセキュリティはICチップによることとなる。そのため、一旦セキュリティが破られた場合にセキュリティ方式の変更や強化が困難であり、過去に製造された自動車の全てのセキュリティが破られ、その対策が取れないという状態が起こる可能性があり、セキュリティ性の高いものではなかった。
【0024】
また、安価でかつ故障を少なくするためにRFIDタグは単純な構成とすることが望ましい。したがって、RFIDタグは、高度なセキュリティ機能や、ユーザ認証を含むアクセス権限を設定し、変更する機能をRFIDタグは持たないか、あるいは簡易的な機能のみを持つこととなる。そのため、RFIDタグの情報を読出すリーダーを用いれば、自動車の現物から誰でも個体や顧客(所有者)に関する全ての情報を容易に取得できてしまうという問題があった。
【0025】
また、特許文献1に記載された従来のシステムでは、構成部品の型番、材質、組立て順序のような製造工程で利用される情報もICチップに記憶され、製造工程の自動化に利用される。すなわち、自動車が製造途中の未完成な状態でもRFIDタグを動作させる必要がある。一方、製造から廃棄までの長期間に渡り継続的に使用可能とする必要があるためRFIDタグに電池を内蔵する構成は望ましくない。電池を内蔵することなく、自動車の製造過程からICチップの情報を読み取り可能とするために、従来のシステムでは、非接触でアンテナを介してICチップに電力を与える構成がとられている。
【0026】
しかし、この構成では、データの読み取りに用いられるリーダーとの間に電磁結合あるいは電磁誘導が必要なため、リーダーとRFIDタグとの距離や角度などの位置関係が制限され、RFIDタグの自動車への取り付け位置が限定される。自動車の設計においては、大型トラックや軽自動車など大きさの違いや、ターゲット層や流行の違いなどから多様な設計が許容されるべきであるが、従来のシステムではRFIDの取り付け位置によって設計が制限される可能性があった。
【0027】
本発明の目的は、RFIDを用い、将来の機能拡張性、コストパフォーマンス、利便性、およびセキュリティ性が高く、かつ自動車の設計の自由度を阻害しない自動車管理システムを提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の自動車管理システムは、少なくとも1台の自動車を管理するための自動車管理システムであって、
前記自動車の各々を識別するための個体識別情報が書き込まれ、前記自動車の各々に装着され、該個体識別情報を無線電波で発する少なくとも1つのタグ装置と、
各々の前記自動車に関する個体情報を該自動車に装着されたタグ装置に書き込まれている個体識別情報に対応付けてデータベースに記録するセンター装置と、
任意の自動車に装着されたタグ装置から無線電波で発せられる個体識別情報を取得する少なくとも1つのリーダー装置と、
前記リーダー装置で取得された個体識別情報を用いて、通信ネットワークを介して前記センター装置のデータベースを検索する少なくとも1つの端末とを有している。
【0029】
したがって、本発明の自動車管理システムによれば、全ての自動車の各々の個体識別情報に対応して個体情報がセンター装置のデータベースに登録されており、自動車のタグ装置からリーダー装置により読み取った個体識別情報に基づいて端末からデータベースにある個体情報を利用できるので、自動車の現物があれば、シャシーなどに刻まれた個体識別情報を目視で読み取ったり、それを手入力することなく、個体情報を容易に利用することができ、かつ、システム機能の変更や拡張にセンター装置だけで容易に対応できる。
【0030】
本発明の自動車管理システムにおいて、前記センター装置は、前記端末に対して、予め定められた権限の範囲内で、前記データベースの前記個体情報を取得し、または登録することを許可することとしてもよい。
【0031】
したがって、自動車管理システムのデータに対するアクセス権限がセンター装置により管理され、センター装置によって認められた業者や顧客だけが、センター装置に認められた範囲でのみ、自動車の個体情報を利用可能となるので、自動車の個体情報や顧客の個人情報の第三者への流出が防止される。
【0032】
本発明の自動車管理システムにおいて、前記タグ装置は、装着された自動車の車載バッテリーから電源を供給されて動作することとしてもよい。
【0033】
したがって、本実施形態の自動車管理システムは、タグ装置が車載バッテリーから電源の供給を受けており、リーダー装置との電磁結合や電磁誘導によらず無線電波の送受信ができるので、タグ装置を自動車の任意の位置に取り付けることができ、自動車の設計の自由度が高い。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態の自動車管理システムの構成を示すブロック図である。図1を参照すると、自動車管理システム10は、タグ11、端末12〜14、リーダー15、およびセンター装置16を有している。端末12〜14およびセンター装置16は通信ネットワーク50に接続されている。通信ネットワーク50は、インターネット、WAN、LANなどの有線または無線の通信ネットワーク、あるいはそれらの複合である。
【0036】
タグ11は、本システムにより管理される自動車の各々に装着され、各自動車の個体識別情報を無線電波で送出する。個体識別情報は、各自動車の個体を識別するための情報であり重複しないように各自動車に付与され、製造から廃棄まで個体管理に利用される。
【0037】
リーダー15は、メーカー、新車販売業者、中古車買取業者、中古車販売業者、検査業者、修理業者、廃棄業者など自動車に関連する様々な業者、特に自動車の現物を扱う業者の営業所や施設に置かれる。リーダー15は、タグ11からの無線電波を受信するのに適した位置に固定的に設置されてもよく、また持ち運び可能に備えられてもよい。
【0038】
図1に示した例では、リーダー15は新車販売業者の営業所に設置されている。その他に、中古車買取業者や中古車販売業者の営業所、検査業者や修理業者の工場、廃棄業者の作業場などに設置されてもよい。
【0039】
リーダー15は、タグ11からの無線電波を受信して各自動車の個体識別情報を取得し、その個体識別情報を端末12に送る。一例として、ここでは、リーダー15は、端末12からの制御に従ってタグ11から個体識別情報を取得する。
【0040】
他の例として、リーダー15は、操作者によるリーダー15への直接の操作に従ってタグ11から個体識別情報を取得することとしてもよい。さらに他の例として、タグ11が常時または定期的に無線電波を送出しており、無線電波の受信が可能なエリアに自動車が入ると、リーダー15が自律的に個体識別情報を取得することとしてもよい。さらに他の例として、自動車の進入を検出するセンサを設けておき、自動車の進入が検出されると、その通知を受けた端末12からの制御あるいはリーダー15の自律動作により個体識別情報を取得することとしてもよい。
【0041】
センター装置16は、例えば、全ての自動車を集中管理する管理センターに設置され、端末12〜14から自動車の個体に関する各種の情報(以下、個体情報と称す)を受信し、検索、閲覧、加工が可能なように個体識別情報に対応付けてデータベースに登録する。センター装置16のデータベースに蓄積されたデータは、端末12〜14から検索、閲覧、加工し、また登録することができる。
【0042】
個体情報には、例えば製造情報、販売情報、整備情報、および修理情報が含まれる。また、自動車を所有する顧客に関する情報(顧客情報)を含んでもよい。
【0043】
製造情報は、製造年月日や製造場所、車種、ボディカラー、グレード、各種オプションの有無などのように、自動車の製造された時点で定まる情報である。この製造情報は主にメーカーで得られる。
【0044】
販売情報は、自動車の売買の履歴を示す情報であり、売買年月日や購入者名を含む。整備情報は、過去の点検や整備の履歴を示す情報であり、点検年月日や整備内容を含む。修理情報は、過去の修理の履歴を示す情報であり、修理年月日や修理内容を含む。
【0045】
なお、ここでは説明を簡単にするために、自動車管理システム10内にセンター装置16が1つだけ存在する場合を例示したが、自動車管理システム10内にセンター装置16が複数存在し、各センター装置16が各業者に必要な個別情報のデータを蓄積することとしてもよい。例えば、製造情報を管理するセンター装置と、販売、整備、および修理情報を管理するセンター装置を各々別個に設けてもよい。また、センター装置16に専用のコンピュータを設けず、センター装置がいずれかの業者の端末その他のコンピュータと一体的に構成されてもよい。
【0046】
本実施形態では、リーダー15に接続された端末12と、されていない端末13,14とがある。
【0047】
端末12は、自動車の現物を扱う業者の営業所や作業施設に設置されたコンピュータであり、リーダー15および通信ネットワーク50に接続されている。自動車の現物を扱う業者には、上述したように、新車販売業者、中古車買取業者、中古車販売業者、修理業者などがある。
【0048】
端末12は、リーダー15を制御してタグ11から個体識別情報を取得する。そして、端末12は、その個体識別情報を用いてセンター装置16のデータベースを検索し、その個体識別情報に対応する個体情報を取得して表示する。また、端末12は、業者の所望により、リーダー15とは関係なく、自動車の個体情報を検索、閲覧、加工して表示することもできる。
【0049】
各業者は、センター装置16のデータベースを閲覧し、端末12を用いてデータベースを検索し、あるいはデータベースのデータを加工して所望の情報を取得し、それぞれの業務に利用することができる。
【0050】
例えば、修理業者が、自動車を修理する際、修理対象の自動車から個体識別情報を取得し、その個体識別情報を用いてデータベースを検索して修理履歴を参照すれば、不具合原因の特定に役立てることができる。
【0051】
また、新車販売業者は、営業所の入口にリーダー15を設置しておき、顧客が自動車で来店したとき、自動的にリーダー15で個体識別情報を読み取り、センター装置15のデータベースから自動車や顧客に関する情報を取得することにより、顧客に対する応対が迅速にできる。
【0052】
端末13は、自動車の現物を扱わなくてよい業者の営業所に設置されたコンピュータである。端末13は、通信ネットワーク50に接続されている点では端末12と同様であるが、リーダー15に接続されていない点で異なる。図1に示した例では、端末13は保険業者の営業所に備えられている。端末13は、業者や顧客の所望により、自動車の個体情報を検索、閲覧、加工して表示する。例えば、保険業者は、保険加入者の自動車の個体情報から、自動車および顧客に関する情報を取得し、保険金額の見積もりに利用することができる。
【0053】
端末14は、顧客の所有するコンピュータや携帯電話などである。端末14は、端末13と同様に、通信ネットワーク50に接続されている。端末14は、顧客の所望により、自動車の個体情報を検索、閲覧、加工して表示する。
【0054】
なお、端末12〜14からセンター装置16のデータベースへのアクセスには、例えば、センター装置16によりアクセス権限が設定されてもよい。端末12〜14からアクセス要求があると、センター装置16は例えばパスワード照合により認証を行い、各端末12〜14に与えられた権限に応じたデータベースの利用を許可する。
【0055】
例えば、新車販売業者の端末12には、データベースの情報を検索、閲覧、加工し、また新たな情報を登録する権限が与えられる。ここで、加工とは、例えば、ある条件に一致する自動車の台数を求めるなどのように、データベースの情報に何らかの処理を施して所望の情報を得ることである。
【0056】
また、例えば、保険業者の端末13には、データベースのデータを検索、閲覧、加工する権限が与えられるが、新たな情報を登録する権限は与えられない。また、顧客の端末14には、自身の所有する自動車の個別情報を閲覧する権限のみが与えられる。
【0057】
図2は、図1に示されたタグの構成を示すブロック図である。図2を参照すると、タグ11は、RF部21、復調回路22、変調回路23、処理部24、メモリ25、およびアンテナ26を有している。
【0058】
RF部21は、所定の無線周波数の信号を、アンテナ26を介して、リーダーとの間で送受信する。RF部21は増幅回路を含んでもよい。
【0059】
復調回路22は、RF部21で受信された信号を所定の変復調方式により復調する。復調された受信信号は処理部24に与えられる。ここで利用可能な変復調方式として、例えば振幅変調、周波数変調、位相変調などが挙げられる。
【0060】
変調回路23は、処理部24からの送信信号を所定の変復調方式により変調してRF部21に送る。
【0061】
メモリ25は、タグ11が装着された自動車の個体識別情報を記憶している。
【0062】
処理部24は、メモリ25に記憶されている個体識別情報をリーダー15の要求に応じて読み出し、リーダー15に送信する。
【0063】
本実施形態のタグ11は、例えばフェンダーその他、自動車の取り付け可能な部分に、容易に取り外せないように取り付けられる。そして、タグ11は、各種電装品に電源を供給する車載バッテリー(不図示)に接続され、そこから電源の供給を受ける。そのため、タグ11は、電磁結合や電磁誘導によらず、マイクロ波などの無線電波で信号を送受信できるので、取り付け位置は任意である。
【0064】
図3は、図1に示されたリーダーの構成を示すブロック図である。リーダー15はRF部31、復調回路32、変調回路33、処理部34、メモリ35、およびアンテナ36を有している。
【0065】
RF部31は、無線周波数の信号を、アンテナ36を介して、リーダー15との間で送受信する。
【0066】
復調回路32は、RF部31で受信された信号を所定の変復調方式により復調する。復調された受信信号は処理部34に与えられる。
【0067】
変調回路33は、処理部34からの送信信号を所定の変復調方式により変調してRF部31に送る。
【0068】
処理部34は、端末12からの制御に従ってタグ11との信号の送受信を制御することによりタグ11から個体識別情報を取得して端末12に送る。
【0069】
メモリ35は、処理部34によって各種情報を書き込まれ、また読み出され、その処理に利用される。
【0070】
図4は、端末がタグから個体識別情報を取得する際のシステムの動作の一例を示すシーケンス図である。図4を参照すると、リーダー15がタグ11から個体識別情報を読み取りが可能なエリアに自動車がある状態で、端末12がリーダー15に個体識別情報取得要求を送る(ステップ101)。リーダー15は、処理部34により、タグ11に個体識別情報要求を送る(ステップ102)。個体識別情報要求とは、個体識別情報の送信を要求するメッセージである。
【0071】
個体識別情報要求を受信したタグ11は、処理部24によりメモリ25から個体識別情報を読み出してリーダー15に送る(ステップ103)。タグ11から個体識別情報を受信したリーダー15は、それを端末12に送る(ステップ104)。端末12は、リーダー15から受信した個体識別情報を記録する。
【0072】
なお、本実施形態では、端末12からリーダー15に対して個体識別情報の取得を要求する例を示したが、リーダー15が自律的に個体識別情報を取得して端末12に通知することとしてもよい。
【0073】
図5は、端末が個体識別情報を元にしてセンター装置から個体情報を取得する際のシステムの動作の一例を示すシーケンス図である。センター装置16の個体情報は、リーダー15に接続されている端末12と、リーダー15に接続されていない端末13,14の両方から取得可能である。また、リーダー15に接続されている端末12は、図4の処理に続いて、タグ11から取得して記録した個体識別情報を用い、その個体識別情報に対応する個体情報を取得することとしてもよい。
【0074】
図5を参照すると、まず、端末がセンター装置16は、タグ11から取得した個体識別情報、あるいは操作者により入力された個体識別情報を含む個体情報要求をセンター装置16に送る(ステップ201)。個体識別情報を含む個体情報要求を受信したセンター装置16は、その個体識別情報に対応する個体情報をデータベースから取り出して端末に送る(ステップ201)。個体情報を受信した端末は、それを表示する。
【0075】
このようにして、各業者は、個体識別情報を自動車の個体情報を取得し、業務に利用することができる。また、顧客も自身が所有する自動車の個体識別情報を閲覧することができる。
【0076】
図6は、端末からセンター装置に個体情報を登録する際のシステムの動作の一例を示すシーケンス図である。自動車に関連する作業を行った業者は、その作業内容をセンター装置16のデータベースに登録する。例えば、修理業者は、自動車を修理すると、その自動車の修理履歴に修理年月日、修理内容などの情報を追加登録する。
【0077】
図6を参照すると、端末は、個体識別情報により自動車の個体を指定し、追加する個体情報を含む個体情報登録要求をセンター装置16に送る(ステップ301)。個体情報登録要求を受信したセンター装置16は、その個体情報登録要求に含まれている個体識別情報で指定された自動車の個体情報に、その個体情報登録要求に含まれている個体情報を追加登録した後、登録完了通知を端末に送る(ステップ302)。
【0078】
図7は、センター装置に記録されたデータベースのデータ構成例を示す図である。ここでは説明を簡単にするために3台の自動車の情報が記録されている例を示す。
【0079】
図7を参照すると、センター装置16のデータベースには、各自動車毎に個体識別情報と、それに対応する個体情報が記録されている。
【0080】
個体識別情報CAR#1〜CAR#3の自動車の製造情報としては、製造年月日、車種、ボディカラー、グレード、取り付けられているオプションの情報が登録されている。これらの情報は、主にメーカーで設定され、その後変更されない。
【0081】
また、センター装置16のデータベースには、販売履歴として、販売年月日、購入者、購入者の種別(ユーザ、中古車買取業者、中古車販売業者など)の情報が登録されている。これらの情報は、新車販売業者、中古車買取業者、中古車販売業者など自動車を売買する業者により売買毎に登録される。
【0082】
また、センター装置16のデータベースには、整備履歴として、整備年月日、整備種別(定期点検、車検など)、整備内容(交換部品)の情報が登録されている。これらの情報は、整備業者や、整備を管理する新車販売業者により、整備毎に追加登録される。
【0083】
また、センター装置16のデータベースには、修理履歴として、修理年月日、修理箇所および内容などの情報が登録されている。これらの情報は、修理業者や、修理を管理する新車販売業者などにより、修理毎に追加登録される。
【0084】
以上説明したように、本実施形態の自動車管理システム10は、各自動車の個体識別情報に対応して各自動車の個体情報が全てセンター装置16のデータベースに登録されており、自動車の個体に設置されたタグ11からリーダー15により読み取った個体識別情報に基づいて端末12からセンター装置16のデータベースにある個体情報を利用する構成なので、自動車の現物があれば、シャシーなどに刻まれた個体識別情報を目視で読み取ったり、それを手入力することなく、個体情報を容易に利用することができ、かつ、システム機能の変更や拡張にもセンター装置16のみで容易に対応できる。
【0085】
また、タグ11は個体識別情報のみを記憶しており、センター装置16が全ての自動車の全ての個体情報を記憶しているので、自動車の現物が無くてもセンター装置16のデータベースのみを閲覧すれば、所望の自動車の全ての個体情報を得ることができ、利便性が高い。
【0086】
また、本実施形態の自動車管理システム10によれば、全ての個体情報がセンター装置16に記録されるので、タグ11またはそのデータが破壊されても、個体情報は安全に維持される。
【0087】
また、それまで本システムの管理下に無かった自動車にタグ11を取り付けて、本システムの管理下に置く場合、タグ11に記録されている個体識別情報に対応付けて自動車の個体情報をセンター装置16のデーターベースにのみ登録すればよいので、タグ11や各業者のコンピュータの各々に必要な個体情報を書き込むような煩雑な作業を要さず、利便性が高い。
【0088】
また、本実施形態の自動車管理システム10によれば、端末12〜14のアクセス権限がセンター装置16により管理されるので、センター装置16によって認められた業者や顧客だけが、センター装置16に認められた範囲でのみ、自動車の個体情報を利用可能なので、自動車の個体情報や顧客の個人情報の第三者への流出が防止される。
【0089】
また、本実施形態の自動車管理システム10は、センター装置16により不正アクセスに対するセキュリティが確保される構成なので、センター装置16の構成や処理を変更するだけで、全ての自動車に関するセキュリティ方式の変更や強化が可能であり、セキュリティ性が高い。
【0090】
また、本実施形態の自動車管理システム10では、タグ11が車載バッテリーから電源の供給を受ける構成がとられており、リーダー15との電磁結合や電磁誘導によらず無線電波の送受信ができるので、自動車の任意の位置に取り付けることができ、自動車の設計の自由度が高い。ただし、長期間に及ぶ連続使用が必要のない場合や、定期的な電池交換を容認できる場合、タグ11に電池を内蔵する構成とすることにより、車載バッテリーへの接続の作業を省き、自動車への取り付け作業を容易化することも可能である。また、タグ11を自動車から取り外して持ち運んで利用できる構成とすることもできる。
【0091】
なお、自動車の廃棄についても本実施形態の自動車管理システム10で管理することができる。廃車を行う販売業者の営業所や廃棄業者にリーダー15を備え、それによって廃棄する自動車のタグ11から個体識別情報を取得し、端末12からセンター装置16に廃棄する旨を通知することとすればよい。
【0092】
また、本実施形態によるタグ11はリサイクル部品として再利用が可能であり、廃棄された自動車から取り外されメーカーに再納入された際に、電源を供給してリーダー15で個体識別情報を読み取り、端末12からセンター装置16に再納入された旨を通知すればよい。センター装置16では、その通知を受けると、そのタグ11が取り付けられていた自動車の最終廃棄確認と、新規のタグ11としての登録を行ってもよい。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、全ての自動車の各々の個体識別情報に対応して個体情報がセンター装置のデータベースに登録されており、自動車のタグ装置からリーダー装置により読み取った個体識別情報に基づいて端末からデータベースにある個体情報を利用できるので、自動車の現物があれば、シャシーなどに刻まれた個体識別情報を目視で読み取ったり、それを手入力することなく、個体情報を容易に利用することができ、かつ、システム機能の変更や拡張にセンター装置だけで容易に対応できる。
【0094】
また、タグ装置は個体識別情報のみを記憶しており、センター装置が全ての自動車の全ての個体情報を記憶しているので、自動車の現物が無くてもセンター装置のデータベースを閲覧すれば、所望の自動車の全ての個体情報を得ることができる。
【0095】
また、センター装置に全ての個体情報が記録されているので、タグ装置またはその中のデータが破壊されても、個体情報は安全に維持される。
【0096】
また、それまで本発明のシステムの管理下になかった自動車にタグ装置を取り付けて管理下に置く場合、タグ装置に記録されている個体識別情報に対応付けて個体情報をセンター装置のデーターベースに登録するだけでよく、タグ装置や複数のコンピュータの各々に必要な個体情報を書き込むような煩雑な作業を要しない。
【0097】
また、自動車管理システムのデータに対するアクセス権限がセンター装置により管理され、センター装置によって認められた業者や顧客だけが、センター装置に認められた範囲でのみ、自動車の個体情報を利用可能となるので、自動車の個体情報や顧客の個人情報の第三者への流出が防止される。
【0098】
また、不正アクセスに対するセキュリティはセンター装置により確保されているので、センター装置の構成や処理を変更するだけで、全ての自動車に関するセキュリティ方式の変更や強化ができる。
【0099】
また、本発明のシステムは、タグ装置が車載バッテリーから電源の供給を受けており、リーダー装置との電磁結合や電磁誘導によらず無線電波の送受信ができるので、タグ装置を自動車の任意の位置に取り付けることができ、自動車の設計の自由度が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の自動車管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示されたタグの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示されたリーダーの構成を示すブロック図である。
【図4】端末がタグから個体識別情報を取得する際のシステムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図5】端末が個体識別情報を元にしてセンター装置から個体情報を取得する際のシステムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図6】端末からセンター装置に個体情報を登録する際のシステムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図7】センター装置に記録されたデータベースのデータ構成例を示す図である。
【符号の説明】
10 自動車管理システム
11 タグ
12〜14 端末
15 リーダー
16 センター装置
21,31 RF部
22,32 復調回路
23,33 変調回路
24,34 処理部
25,35 メモリ
26,36 アンテナ
101〜104,201,202,301,302 ステップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の個体管理を行うシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
工場で製造された自動車は複数の業者や顧客の元を渡った後、最終的に廃車にされる。自動車の流通に関わる業者としては、メーカー、新車販売業者、中古車買取業者、中古車販売業者などが挙げられる。自動車に関連する他の業者として検査業者、修理業者、廃棄業者、保険業者などが挙げられる。また、自動車を購入する顧客にも、新車を購入した顧客と、中古車を購入した顧客がいる。
【0003】
各業者において個々の自動車に対して適切な業務を行うために、各業者毎に各自動車が個体管理される。自動車の個体管理の基本的な方法としては、書類に自動車の各々の情報を記入し、必要に応じてそれを参照するという方法がある。例えば小規模な修理業者などでは、このような簡易な方法で個体管理がされるのが一般的である。
【0004】
また、ある程度規模が大きく、扱う自動車の台数も多いような業者では、業務効率化のため、センターに設けられた管理コンピュータのデータベースに自動車の各々の情報や顧客の情報を記録し、必要に応じて端末から通信ネットワークを介して管理コンピュータのデータベースを参照するという方法が考えられる。
【0005】
新車販売業者では、このようなシステムにおいて顧客情報に自動車の個体の情報を関連付けて管理し、顧客が来店した際の顧客および自動車に関する情報の照会に利用することができる。また、自社で販売から一貫して管理してきた自動車であれば、修理履歴や整備履歴をそのシステムに登録しておくことができ、以降の修理や整備の際に参照して利用することができる。
【0006】
中古車買取業者や中古車販売業者では、自動車の個体の情報をデータベース化し、車種毎の買取台数、販売台数、在庫状況などの情報を買取価格や販売価格の査定に反映させることができる。
【0007】
しかし、これら上述したような従来の管理方法では、自動車の固体管理は各業者毎にされるのみであり、各業者は、各自動車に関する他の業者における情報を知ることができなかった。
【0008】
修理や整備においては過去の修理履歴が役に立つ。しかし、例えば、中古車買取業者から中古車販売業者を渡り、中古車として新たな顧客に販売された自動車の修理履歴を中古車販売業者や修理業者は知ることができなかった。また、中古車として流通し、いずれかの修理業者で修理が行われた後に、再び元の新車販売業者に修理依頼が来た場合、修理業者で行われた修理の履歴を元の新車販売業者は知ることができなかった。このように1台の自動車の修理が毎回同じ販売業者や修理業者に依頼されるとは限らず、他の業者で行われた修理の履歴の情報が空白となり、利用できないことがあった。
【0009】
また、過去の履歴は、今後の不具合を予測するのに利用できるので中古車の買取りや販売の査定に大きく影響する。各自動車の現況から過去の修理や整備の経歴を見極めるのは一般の購入者にとって容易でない。そのため、中古車市場では、1つのディーラーで一貫して管理されていたディーラー車や、1人のオーナーに所有されていたワンオーナー車のように修理や整備の履歴がしっかりした個体が好まれ、これらの条件から外れた個体は状態が良くても低く査定されることがあった。
【0010】
また、自動車リサイクル法が成立したことにより、メーカーには、自身の製造した自動車が廃棄される際に出る破砕くず(シュレッダーダスト)、フロン、エアバッグの回収の義務が課せられる。そのため、メーカーでは、製造から廃棄まで自動車個体のトレーサビリティを確保する方法が望まれている。
【0011】
以上のような理由から、複数業者にまたがった自動車の個体に関する情報を製造から廃棄まで一貫して管理することが望まれる。自動車の個体を識別する情報を利用すれば、これが可能になると考えられる。しかし、従来、自動車の個体識別情報は、シャシーなどに刻まれており、目視により確認されていた。また、シャシーなどに刻まれた個体識別情報は視認性の良いものではなかった。そのため、その確認は容易でなく、また、確認ミスの可能性もあった。
【0012】
また、近年では自動車の盗難が増加しており、盗難車の発見にも個体識別情報が利用可能と考えられるが、上述したように確認が容易でなかった。
【0013】
これに対して、RFIDを利用して自動車の個体を製造から廃棄まで一貫して管理するシステムが考えられている(たとば、特許文献1参照)。
【0014】
特許文献1によれば、ICチップを備えたRFIDタグが自動車に固着される。そして、外部のコンピュータでICチップから自動車の固有情報(個体識別情報)を読み出し、また追加情報を読み書きすることができる。したがって、それらの情報を各業者が読み書きすることにより、製造から廃棄に至るまでに複数の業者や顧客を渡る自動車の個体を一貫して管理することができる。
【0015】
【特許文献1】
特開2002−169858号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載されたシステムによれば、まずメーカーにて、コンピュータからRFIDタグのICチップに製造番号、製造年月日、製造場所などの製造工程情報が書き込まれる。また、新車販売業者では、納入年月日、販売年月日、顧客の氏名や電話番号、保障期間などの在庫情報や出荷情報、顧客情報が書き込まれる。さらに、修理業者では、修理箇所、交換部品、修理年月日などのメンテナンス情報が書き込まれる。
【0017】
このようにICチップには様々な情報が書き加えられるが、ICチップの記憶容量は固定されており、過去の製造された自動車のICチップの記憶容量を増加させることができなかった。そのため、従来のシステムは、必要な記憶容量や記憶内容の変更を伴うようなシステム機能の変更や拡張に柔軟に対応することが困難であり、機能拡張性の高いものではなかった。
【0018】
また、廃棄までの期間や修理の回数は個々の自動車によって大きく異なるので、従来のシステムでは、全てのICチップに最大限以上の記憶容量をもたせることはコストパフォーマンス上無駄が多いという問題があった。逆に、記憶容量を越えたときに情報を追加できなくなるという問題もあった。
【0019】
また、従来のシステムでは、各種情報がICチップに記録されるとともに、在庫情報や出荷情報、顧客情報は新車販売業者のコンピュータにも記録され、メンテナンス情報は修理業者のコンピュータにも記録される。しかし、全ての情報が集約されているのはICチップだけなので、何らかの原因でICチップまたはICチップ内のデータが破壊されると、そのデータを復元するためには、複数の業者のコンピュータからデータを集めてICチップに書き込み直す必要があった。
【0020】
また、全ての情報が集約されているのがICチップだけなので、1台の自動車に関する全ての情報を一時に閲覧するには自動車自体に固着されたICチップのデータを読出す必要があり、自動車の現物が無い状態では各コンピュータから各々のデータを集めてこなければならなかった。そのため、例えば、従来のシステムでは、個々の顧客が自動車の個体に関する各種情報を参照するためには、複数業者の複数のコンピュータにアクセスする必要があった。
【0021】
また、従来のシステムでは、各自動車にRFIDタグが固着される構成なので、RFIDタグを後付けすることは困難であった。さらに、後付けした場合、ICチップおよび複数のコンピュータに過去の各種情報を書き込む必要があり、作業が煩雑であった。
【0022】
このように、従来のシステムは利便性の高いものではなかった。
【0023】
また、信頼性の高いシステム運用を図るためには、例えば故障や修理の履歴を削除するようなデータの偽造に対するセキュリティ対策が必要である。従来のシステムでは、製造から廃棄までの個体管理が主にICチップのデータを用いて行われるが、個々の自動車に関する情報の書き込みに対するセキュリティはICチップによることとなる。そのため、一旦セキュリティが破られた場合にセキュリティ方式の変更や強化が困難であり、過去に製造された自動車の全てのセキュリティが破られ、その対策が取れないという状態が起こる可能性があり、セキュリティ性の高いものではなかった。
【0024】
また、安価でかつ故障を少なくするためにRFIDタグは単純な構成とすることが望ましい。したがって、RFIDタグは、高度なセキュリティ機能や、ユーザ認証を含むアクセス権限を設定し、変更する機能をRFIDタグは持たないか、あるいは簡易的な機能のみを持つこととなる。そのため、RFIDタグの情報を読出すリーダーを用いれば、自動車の現物から誰でも個体や顧客(所有者)に関する全ての情報を容易に取得できてしまうという問題があった。
【0025】
また、特許文献1に記載された従来のシステムでは、構成部品の型番、材質、組立て順序のような製造工程で利用される情報もICチップに記憶され、製造工程の自動化に利用される。すなわち、自動車が製造途中の未完成な状態でもRFIDタグを動作させる必要がある。一方、製造から廃棄までの長期間に渡り継続的に使用可能とする必要があるためRFIDタグに電池を内蔵する構成は望ましくない。電池を内蔵することなく、自動車の製造過程からICチップの情報を読み取り可能とするために、従来のシステムでは、非接触でアンテナを介してICチップに電力を与える構成がとられている。
【0026】
しかし、この構成では、データの読み取りに用いられるリーダーとの間に電磁結合あるいは電磁誘導が必要なため、リーダーとRFIDタグとの距離や角度などの位置関係が制限され、RFIDタグの自動車への取り付け位置が限定される。自動車の設計においては、大型トラックや軽自動車など大きさの違いや、ターゲット層や流行の違いなどから多様な設計が許容されるべきであるが、従来のシステムではRFIDの取り付け位置によって設計が制限される可能性があった。
【0027】
本発明の目的は、RFIDを用い、将来の機能拡張性、コストパフォーマンス、利便性、およびセキュリティ性が高く、かつ自動車の設計の自由度を阻害しない自動車管理システムを提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の自動車管理システムは、少なくとも1台の自動車を管理するための自動車管理システムであって、
前記自動車の各々を識別するための個体識別情報が書き込まれ、前記自動車の各々に装着され、該個体識別情報を無線電波で発する少なくとも1つのタグ装置と、
各々の前記自動車に関する個体情報を該自動車に装着されたタグ装置に書き込まれている個体識別情報に対応付けてデータベースに記録するセンター装置と、
任意の自動車に装着されたタグ装置から無線電波で発せられる個体識別情報を取得する少なくとも1つのリーダー装置と、
前記リーダー装置で取得された個体識別情報を用いて、通信ネットワークを介して前記センター装置のデータベースを検索する少なくとも1つの端末とを有している。
【0029】
したがって、本発明の自動車管理システムによれば、全ての自動車の各々の個体識別情報に対応して個体情報がセンター装置のデータベースに登録されており、自動車のタグ装置からリーダー装置により読み取った個体識別情報に基づいて端末からデータベースにある個体情報を利用できるので、自動車の現物があれば、シャシーなどに刻まれた個体識別情報を目視で読み取ったり、それを手入力することなく、個体情報を容易に利用することができ、かつ、システム機能の変更や拡張にセンター装置だけで容易に対応できる。
【0030】
本発明の自動車管理システムにおいて、前記センター装置は、前記端末に対して、予め定められた権限の範囲内で、前記データベースの前記個体情報を取得し、または登録することを許可することとしてもよい。
【0031】
したがって、自動車管理システムのデータに対するアクセス権限がセンター装置により管理され、センター装置によって認められた業者や顧客だけが、センター装置に認められた範囲でのみ、自動車の個体情報を利用可能となるので、自動車の個体情報や顧客の個人情報の第三者への流出が防止される。
【0032】
本発明の自動車管理システムにおいて、前記タグ装置は、装着された自動車の車載バッテリーから電源を供給されて動作することとしてもよい。
【0033】
したがって、本実施形態の自動車管理システムは、タグ装置が車載バッテリーから電源の供給を受けており、リーダー装置との電磁結合や電磁誘導によらず無線電波の送受信ができるので、タグ装置を自動車の任意の位置に取り付けることができ、自動車の設計の自由度が高い。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態の自動車管理システムの構成を示すブロック図である。図1を参照すると、自動車管理システム10は、タグ11、端末12〜14、リーダー15、およびセンター装置16を有している。端末12〜14およびセンター装置16は通信ネットワーク50に接続されている。通信ネットワーク50は、インターネット、WAN、LANなどの有線または無線の通信ネットワーク、あるいはそれらの複合である。
【0036】
タグ11は、本システムにより管理される自動車の各々に装着され、各自動車の個体識別情報を無線電波で送出する。個体識別情報は、各自動車の個体を識別するための情報であり重複しないように各自動車に付与され、製造から廃棄まで個体管理に利用される。
【0037】
リーダー15は、メーカー、新車販売業者、中古車買取業者、中古車販売業者、検査業者、修理業者、廃棄業者など自動車に関連する様々な業者、特に自動車の現物を扱う業者の営業所や施設に置かれる。リーダー15は、タグ11からの無線電波を受信するのに適した位置に固定的に設置されてもよく、また持ち運び可能に備えられてもよい。
【0038】
図1に示した例では、リーダー15は新車販売業者の営業所に設置されている。その他に、中古車買取業者や中古車販売業者の営業所、検査業者や修理業者の工場、廃棄業者の作業場などに設置されてもよい。
【0039】
リーダー15は、タグ11からの無線電波を受信して各自動車の個体識別情報を取得し、その個体識別情報を端末12に送る。一例として、ここでは、リーダー15は、端末12からの制御に従ってタグ11から個体識別情報を取得する。
【0040】
他の例として、リーダー15は、操作者によるリーダー15への直接の操作に従ってタグ11から個体識別情報を取得することとしてもよい。さらに他の例として、タグ11が常時または定期的に無線電波を送出しており、無線電波の受信が可能なエリアに自動車が入ると、リーダー15が自律的に個体識別情報を取得することとしてもよい。さらに他の例として、自動車の進入を検出するセンサを設けておき、自動車の進入が検出されると、その通知を受けた端末12からの制御あるいはリーダー15の自律動作により個体識別情報を取得することとしてもよい。
【0041】
センター装置16は、例えば、全ての自動車を集中管理する管理センターに設置され、端末12〜14から自動車の個体に関する各種の情報(以下、個体情報と称す)を受信し、検索、閲覧、加工が可能なように個体識別情報に対応付けてデータベースに登録する。センター装置16のデータベースに蓄積されたデータは、端末12〜14から検索、閲覧、加工し、また登録することができる。
【0042】
個体情報には、例えば製造情報、販売情報、整備情報、および修理情報が含まれる。また、自動車を所有する顧客に関する情報(顧客情報)を含んでもよい。
【0043】
製造情報は、製造年月日や製造場所、車種、ボディカラー、グレード、各種オプションの有無などのように、自動車の製造された時点で定まる情報である。この製造情報は主にメーカーで得られる。
【0044】
販売情報は、自動車の売買の履歴を示す情報であり、売買年月日や購入者名を含む。整備情報は、過去の点検や整備の履歴を示す情報であり、点検年月日や整備内容を含む。修理情報は、過去の修理の履歴を示す情報であり、修理年月日や修理内容を含む。
【0045】
なお、ここでは説明を簡単にするために、自動車管理システム10内にセンター装置16が1つだけ存在する場合を例示したが、自動車管理システム10内にセンター装置16が複数存在し、各センター装置16が各業者に必要な個別情報のデータを蓄積することとしてもよい。例えば、製造情報を管理するセンター装置と、販売、整備、および修理情報を管理するセンター装置を各々別個に設けてもよい。また、センター装置16に専用のコンピュータを設けず、センター装置がいずれかの業者の端末その他のコンピュータと一体的に構成されてもよい。
【0046】
本実施形態では、リーダー15に接続された端末12と、されていない端末13,14とがある。
【0047】
端末12は、自動車の現物を扱う業者の営業所や作業施設に設置されたコンピュータであり、リーダー15および通信ネットワーク50に接続されている。自動車の現物を扱う業者には、上述したように、新車販売業者、中古車買取業者、中古車販売業者、修理業者などがある。
【0048】
端末12は、リーダー15を制御してタグ11から個体識別情報を取得する。そして、端末12は、その個体識別情報を用いてセンター装置16のデータベースを検索し、その個体識別情報に対応する個体情報を取得して表示する。また、端末12は、業者の所望により、リーダー15とは関係なく、自動車の個体情報を検索、閲覧、加工して表示することもできる。
【0049】
各業者は、センター装置16のデータベースを閲覧し、端末12を用いてデータベースを検索し、あるいはデータベースのデータを加工して所望の情報を取得し、それぞれの業務に利用することができる。
【0050】
例えば、修理業者が、自動車を修理する際、修理対象の自動車から個体識別情報を取得し、その個体識別情報を用いてデータベースを検索して修理履歴を参照すれば、不具合原因の特定に役立てることができる。
【0051】
また、新車販売業者は、営業所の入口にリーダー15を設置しておき、顧客が自動車で来店したとき、自動的にリーダー15で個体識別情報を読み取り、センター装置15のデータベースから自動車や顧客に関する情報を取得することにより、顧客に対する応対が迅速にできる。
【0052】
端末13は、自動車の現物を扱わなくてよい業者の営業所に設置されたコンピュータである。端末13は、通信ネットワーク50に接続されている点では端末12と同様であるが、リーダー15に接続されていない点で異なる。図1に示した例では、端末13は保険業者の営業所に備えられている。端末13は、業者や顧客の所望により、自動車の個体情報を検索、閲覧、加工して表示する。例えば、保険業者は、保険加入者の自動車の個体情報から、自動車および顧客に関する情報を取得し、保険金額の見積もりに利用することができる。
【0053】
端末14は、顧客の所有するコンピュータや携帯電話などである。端末14は、端末13と同様に、通信ネットワーク50に接続されている。端末14は、顧客の所望により、自動車の個体情報を検索、閲覧、加工して表示する。
【0054】
なお、端末12〜14からセンター装置16のデータベースへのアクセスには、例えば、センター装置16によりアクセス権限が設定されてもよい。端末12〜14からアクセス要求があると、センター装置16は例えばパスワード照合により認証を行い、各端末12〜14に与えられた権限に応じたデータベースの利用を許可する。
【0055】
例えば、新車販売業者の端末12には、データベースの情報を検索、閲覧、加工し、また新たな情報を登録する権限が与えられる。ここで、加工とは、例えば、ある条件に一致する自動車の台数を求めるなどのように、データベースの情報に何らかの処理を施して所望の情報を得ることである。
【0056】
また、例えば、保険業者の端末13には、データベースのデータを検索、閲覧、加工する権限が与えられるが、新たな情報を登録する権限は与えられない。また、顧客の端末14には、自身の所有する自動車の個別情報を閲覧する権限のみが与えられる。
【0057】
図2は、図1に示されたタグの構成を示すブロック図である。図2を参照すると、タグ11は、RF部21、復調回路22、変調回路23、処理部24、メモリ25、およびアンテナ26を有している。
【0058】
RF部21は、所定の無線周波数の信号を、アンテナ26を介して、リーダーとの間で送受信する。RF部21は増幅回路を含んでもよい。
【0059】
復調回路22は、RF部21で受信された信号を所定の変復調方式により復調する。復調された受信信号は処理部24に与えられる。ここで利用可能な変復調方式として、例えば振幅変調、周波数変調、位相変調などが挙げられる。
【0060】
変調回路23は、処理部24からの送信信号を所定の変復調方式により変調してRF部21に送る。
【0061】
メモリ25は、タグ11が装着された自動車の個体識別情報を記憶している。
【0062】
処理部24は、メモリ25に記憶されている個体識別情報をリーダー15の要求に応じて読み出し、リーダー15に送信する。
【0063】
本実施形態のタグ11は、例えばフェンダーその他、自動車の取り付け可能な部分に、容易に取り外せないように取り付けられる。そして、タグ11は、各種電装品に電源を供給する車載バッテリー(不図示)に接続され、そこから電源の供給を受ける。そのため、タグ11は、電磁結合や電磁誘導によらず、マイクロ波などの無線電波で信号を送受信できるので、取り付け位置は任意である。
【0064】
図3は、図1に示されたリーダーの構成を示すブロック図である。リーダー15はRF部31、復調回路32、変調回路33、処理部34、メモリ35、およびアンテナ36を有している。
【0065】
RF部31は、無線周波数の信号を、アンテナ36を介して、リーダー15との間で送受信する。
【0066】
復調回路32は、RF部31で受信された信号を所定の変復調方式により復調する。復調された受信信号は処理部34に与えられる。
【0067】
変調回路33は、処理部34からの送信信号を所定の変復調方式により変調してRF部31に送る。
【0068】
処理部34は、端末12からの制御に従ってタグ11との信号の送受信を制御することによりタグ11から個体識別情報を取得して端末12に送る。
【0069】
メモリ35は、処理部34によって各種情報を書き込まれ、また読み出され、その処理に利用される。
【0070】
図4は、端末がタグから個体識別情報を取得する際のシステムの動作の一例を示すシーケンス図である。図4を参照すると、リーダー15がタグ11から個体識別情報を読み取りが可能なエリアに自動車がある状態で、端末12がリーダー15に個体識別情報取得要求を送る(ステップ101)。リーダー15は、処理部34により、タグ11に個体識別情報要求を送る(ステップ102)。個体識別情報要求とは、個体識別情報の送信を要求するメッセージである。
【0071】
個体識別情報要求を受信したタグ11は、処理部24によりメモリ25から個体識別情報を読み出してリーダー15に送る(ステップ103)。タグ11から個体識別情報を受信したリーダー15は、それを端末12に送る(ステップ104)。端末12は、リーダー15から受信した個体識別情報を記録する。
【0072】
なお、本実施形態では、端末12からリーダー15に対して個体識別情報の取得を要求する例を示したが、リーダー15が自律的に個体識別情報を取得して端末12に通知することとしてもよい。
【0073】
図5は、端末が個体識別情報を元にしてセンター装置から個体情報を取得する際のシステムの動作の一例を示すシーケンス図である。センター装置16の個体情報は、リーダー15に接続されている端末12と、リーダー15に接続されていない端末13,14の両方から取得可能である。また、リーダー15に接続されている端末12は、図4の処理に続いて、タグ11から取得して記録した個体識別情報を用い、その個体識別情報に対応する個体情報を取得することとしてもよい。
【0074】
図5を参照すると、まず、端末がセンター装置16は、タグ11から取得した個体識別情報、あるいは操作者により入力された個体識別情報を含む個体情報要求をセンター装置16に送る(ステップ201)。個体識別情報を含む個体情報要求を受信したセンター装置16は、その個体識別情報に対応する個体情報をデータベースから取り出して端末に送る(ステップ201)。個体情報を受信した端末は、それを表示する。
【0075】
このようにして、各業者は、個体識別情報を自動車の個体情報を取得し、業務に利用することができる。また、顧客も自身が所有する自動車の個体識別情報を閲覧することができる。
【0076】
図6は、端末からセンター装置に個体情報を登録する際のシステムの動作の一例を示すシーケンス図である。自動車に関連する作業を行った業者は、その作業内容をセンター装置16のデータベースに登録する。例えば、修理業者は、自動車を修理すると、その自動車の修理履歴に修理年月日、修理内容などの情報を追加登録する。
【0077】
図6を参照すると、端末は、個体識別情報により自動車の個体を指定し、追加する個体情報を含む個体情報登録要求をセンター装置16に送る(ステップ301)。個体情報登録要求を受信したセンター装置16は、その個体情報登録要求に含まれている個体識別情報で指定された自動車の個体情報に、その個体情報登録要求に含まれている個体情報を追加登録した後、登録完了通知を端末に送る(ステップ302)。
【0078】
図7は、センター装置に記録されたデータベースのデータ構成例を示す図である。ここでは説明を簡単にするために3台の自動車の情報が記録されている例を示す。
【0079】
図7を参照すると、センター装置16のデータベースには、各自動車毎に個体識別情報と、それに対応する個体情報が記録されている。
【0080】
個体識別情報CAR#1〜CAR#3の自動車の製造情報としては、製造年月日、車種、ボディカラー、グレード、取り付けられているオプションの情報が登録されている。これらの情報は、主にメーカーで設定され、その後変更されない。
【0081】
また、センター装置16のデータベースには、販売履歴として、販売年月日、購入者、購入者の種別(ユーザ、中古車買取業者、中古車販売業者など)の情報が登録されている。これらの情報は、新車販売業者、中古車買取業者、中古車販売業者など自動車を売買する業者により売買毎に登録される。
【0082】
また、センター装置16のデータベースには、整備履歴として、整備年月日、整備種別(定期点検、車検など)、整備内容(交換部品)の情報が登録されている。これらの情報は、整備業者や、整備を管理する新車販売業者により、整備毎に追加登録される。
【0083】
また、センター装置16のデータベースには、修理履歴として、修理年月日、修理箇所および内容などの情報が登録されている。これらの情報は、修理業者や、修理を管理する新車販売業者などにより、修理毎に追加登録される。
【0084】
以上説明したように、本実施形態の自動車管理システム10は、各自動車の個体識別情報に対応して各自動車の個体情報が全てセンター装置16のデータベースに登録されており、自動車の個体に設置されたタグ11からリーダー15により読み取った個体識別情報に基づいて端末12からセンター装置16のデータベースにある個体情報を利用する構成なので、自動車の現物があれば、シャシーなどに刻まれた個体識別情報を目視で読み取ったり、それを手入力することなく、個体情報を容易に利用することができ、かつ、システム機能の変更や拡張にもセンター装置16のみで容易に対応できる。
【0085】
また、タグ11は個体識別情報のみを記憶しており、センター装置16が全ての自動車の全ての個体情報を記憶しているので、自動車の現物が無くてもセンター装置16のデータベースのみを閲覧すれば、所望の自動車の全ての個体情報を得ることができ、利便性が高い。
【0086】
また、本実施形態の自動車管理システム10によれば、全ての個体情報がセンター装置16に記録されるので、タグ11またはそのデータが破壊されても、個体情報は安全に維持される。
【0087】
また、それまで本システムの管理下に無かった自動車にタグ11を取り付けて、本システムの管理下に置く場合、タグ11に記録されている個体識別情報に対応付けて自動車の個体情報をセンター装置16のデーターベースにのみ登録すればよいので、タグ11や各業者のコンピュータの各々に必要な個体情報を書き込むような煩雑な作業を要さず、利便性が高い。
【0088】
また、本実施形態の自動車管理システム10によれば、端末12〜14のアクセス権限がセンター装置16により管理されるので、センター装置16によって認められた業者や顧客だけが、センター装置16に認められた範囲でのみ、自動車の個体情報を利用可能なので、自動車の個体情報や顧客の個人情報の第三者への流出が防止される。
【0089】
また、本実施形態の自動車管理システム10は、センター装置16により不正アクセスに対するセキュリティが確保される構成なので、センター装置16の構成や処理を変更するだけで、全ての自動車に関するセキュリティ方式の変更や強化が可能であり、セキュリティ性が高い。
【0090】
また、本実施形態の自動車管理システム10では、タグ11が車載バッテリーから電源の供給を受ける構成がとられており、リーダー15との電磁結合や電磁誘導によらず無線電波の送受信ができるので、自動車の任意の位置に取り付けることができ、自動車の設計の自由度が高い。ただし、長期間に及ぶ連続使用が必要のない場合や、定期的な電池交換を容認できる場合、タグ11に電池を内蔵する構成とすることにより、車載バッテリーへの接続の作業を省き、自動車への取り付け作業を容易化することも可能である。また、タグ11を自動車から取り外して持ち運んで利用できる構成とすることもできる。
【0091】
なお、自動車の廃棄についても本実施形態の自動車管理システム10で管理することができる。廃車を行う販売業者の営業所や廃棄業者にリーダー15を備え、それによって廃棄する自動車のタグ11から個体識別情報を取得し、端末12からセンター装置16に廃棄する旨を通知することとすればよい。
【0092】
また、本実施形態によるタグ11はリサイクル部品として再利用が可能であり、廃棄された自動車から取り外されメーカーに再納入された際に、電源を供給してリーダー15で個体識別情報を読み取り、端末12からセンター装置16に再納入された旨を通知すればよい。センター装置16では、その通知を受けると、そのタグ11が取り付けられていた自動車の最終廃棄確認と、新規のタグ11としての登録を行ってもよい。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、全ての自動車の各々の個体識別情報に対応して個体情報がセンター装置のデータベースに登録されており、自動車のタグ装置からリーダー装置により読み取った個体識別情報に基づいて端末からデータベースにある個体情報を利用できるので、自動車の現物があれば、シャシーなどに刻まれた個体識別情報を目視で読み取ったり、それを手入力することなく、個体情報を容易に利用することができ、かつ、システム機能の変更や拡張にセンター装置だけで容易に対応できる。
【0094】
また、タグ装置は個体識別情報のみを記憶しており、センター装置が全ての自動車の全ての個体情報を記憶しているので、自動車の現物が無くてもセンター装置のデータベースを閲覧すれば、所望の自動車の全ての個体情報を得ることができる。
【0095】
また、センター装置に全ての個体情報が記録されているので、タグ装置またはその中のデータが破壊されても、個体情報は安全に維持される。
【0096】
また、それまで本発明のシステムの管理下になかった自動車にタグ装置を取り付けて管理下に置く場合、タグ装置に記録されている個体識別情報に対応付けて個体情報をセンター装置のデーターベースに登録するだけでよく、タグ装置や複数のコンピュータの各々に必要な個体情報を書き込むような煩雑な作業を要しない。
【0097】
また、自動車管理システムのデータに対するアクセス権限がセンター装置により管理され、センター装置によって認められた業者や顧客だけが、センター装置に認められた範囲でのみ、自動車の個体情報を利用可能となるので、自動車の個体情報や顧客の個人情報の第三者への流出が防止される。
【0098】
また、不正アクセスに対するセキュリティはセンター装置により確保されているので、センター装置の構成や処理を変更するだけで、全ての自動車に関するセキュリティ方式の変更や強化ができる。
【0099】
また、本発明のシステムは、タグ装置が車載バッテリーから電源の供給を受けており、リーダー装置との電磁結合や電磁誘導によらず無線電波の送受信ができるので、タグ装置を自動車の任意の位置に取り付けることができ、自動車の設計の自由度が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の自動車管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示されたタグの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示されたリーダーの構成を示すブロック図である。
【図4】端末がタグから個体識別情報を取得する際のシステムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図5】端末が個体識別情報を元にしてセンター装置から個体情報を取得する際のシステムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図6】端末からセンター装置に個体情報を登録する際のシステムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図7】センター装置に記録されたデータベースのデータ構成例を示す図である。
【符号の説明】
10 自動車管理システム
11 タグ
12〜14 端末
15 リーダー
16 センター装置
21,31 RF部
22,32 復調回路
23,33 変調回路
24,34 処理部
25,35 メモリ
26,36 アンテナ
101〜104,201,202,301,302 ステップ
Claims (15)
- 内部に書き込まれた情報を無線電波で発するタグ装置を用いて、少なくとも1台の自動車を管理するための自動車管理方法であって、
任意の自動車に装着されたタグ装置から無線電波で発せられる該自動車の個体を識別するための個体識別情報をリーダー装置により取得して端末に与えるステップと、
前記リーダー装置から前記個体識別情報を与えられた前記端末により、該個体識別情報を用いて、各々の自動車に関する個体情報を、該自動車に装着されたタグ装置に書き込まれている個体識別情報に対応付けて記録するセンター装置のデータベースを検索するステップとを有する自動車管理方法。 - 前記端末により、前記センター装置のデータベースから、前記個体識別情報に対応する個体情報を取得するステップをさらに有する、請求項1記載の自動車管理方法。
- 前記端末により、前記センター装置のデータベースに、前記個体識別情報に対応する個体情報を登録するステップをさらに有する、請求項1または2に記載の自動車管理方法。
- 前記リーダー装置から前記個体識別情報を与えられていない端末により、前記センター装置のデータベースから、任意の個体識別情報に対応する個体情報を取得するステップをさらに有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車管理方法。
- 前記リーダー装置から前記個体識別情報を与えられていない端末により、前記センター装置のデータベースに、任意の個体識別情報に対応する個体情報を登録するステップをさらに有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車管理方法。
- 前記センター装置により、前記端末について予め定められた権限の範囲内で、該端末による前記個別情報の取得または登録を許可する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車管理方法。
- 少なくとも1台の自動車を管理するための自動車管理システムであって、
前記自動車の各々を識別するための個体識別情報が書き込まれ、前記自動車の各々に装着され、該個体識別情報を無線電波で発する少なくとも1つのタグ装置と、
各々の前記自動車に関する個体情報を該自動車に装着されたタグ装置に書き込まれている個体識別情報に対応付けてデータベースに記録する少なくとも1つのセンター装置と、
任意の自動車に装着されたタグ装置から無線電波で発せられる個体識別情報を取得する少なくとも1つのリーダー装置と、
前記リーダー装置で取得された個体識別情報を用いて、通信ネットワークを介して前記センター装置のデータベースを検索する少なくとも1つの端末とを有する自動車管理システム。 - 前記端末は、前記センター装置のデータベースから、前記個体識別情報に対応する個体情報を取得する、請求項7記載の自動車管理システム。
- 前記端末は、前記センター装置のデータベースに、前記個体識別情報に対応する個体情報を登録する、請求項7または8に記載の自動車管理システム。
- 前記端末は、前記センター装置のデータベースから、任意の個体識別情報に対応する個体情報を取得する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の自動車管理システム。
- 前記端末は、前記センター装置のデータベースに、任意の個体識別情報に対応する個体情報を登録する、請求項7〜10のいずれか1項に記載の自動車管理システム。
- 前記端末は、自動車に関する業務を行う業者、または自動車を所有する顧客の少なくとも一方が用いる端末である、請求項7〜11のいずれか1項に記載の自動車管理システム。
- 前記センター装置は、前記端末に対して、予め定められた権限の範囲内で、前記データベースの前記個体情報を取得し、または登録することを許可する、請求項7〜12のいずれか1項に記載の自動車管理システム。
- 前記タグ装置は、装着された自動車の車載バッテリーから電源を供給されて動作する、請求項7〜13のいずれか1項に記載の自動車管理システム。
- 自動車に装着され、該自動車を識別するための個体識別情報を無線電波で発するタグ装置において、
前記自動車の車載バッテリーから供給された電源で動作して前記個体識別情報を発することを特徴とするタグ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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