JP5033197B2 - Sn−Bメッキ液及びこれを使用したメッキ法 - Google Patents

Sn−Bメッキ液及びこれを使用したメッキ法 Download PDF

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Description

本発明は、鉛成分の含まれていない(以下、「無鉛」という)Sn−Bメッキ液及びこれを使用したメッキ法に係り、さらに詳細には、ウィスカ(whisker)発生を抑制できる無鉛Sn−Bメッキ液及びこれを使用したメッキ法に関する。
半導体リードフレームは、半導体チップの高密度化、高集積化及び基板実装の方法などによって、多様な形状を有する。
基本的に半導体リードフレームは、半導体記憶素子であるチップを搭載し、静的な状態を維持するパッド部、ワイヤ・ボンディングによって連結される内部リード部(inner lead)、及び外部回路との連結のための外部リード部(outer lead)から構成されている。かような構造を有する半導体リードフレームは、一般的に、スタンピング(stamping)方式、またはエッチング方式によって製造される。
半導体リードフレームは、記憶素子であるチップとの組み立て過程を経てパッケージングをなし、パッケージングの組み立て過程は、チップ付着工程、ワイヤ・ボンディング工程、モールディング工程、マーキング工程及び分離工程などを含む。
かような半導体パッケージの製造過程のうち、チップと内部リード部とを連結するリードワイヤのボンディング性及びパッド部の良好な特性を維持するために、パッド部及び内部リード部の端部を、銀(Ag)のような金属素材を使用してメッキする。また、樹脂保護膜モールディング後に、基板実装のためのソルダリング性能の向上のために、外部リード部の所定領域に、ソルダ(solder)材を利用したメッキ、すなわちSn(tin)−Pb(lead)メッキを実施する。しかし、かようなメッキ方式の実施は難しく、メッキ過程で、リードフレームの表面とエポキシ・モールディングとの間にメッキ液が浸透し、半導体チップの不良を引き起こす場合が頻繁に発生し、メッキ層の不均一を除去するために、さらなる工程が必要であるという問題点がある。
かような問題点を解決するために提案されたのが事前メッキフレーム(PPF:pre-plated frame)法であり、これは、半導体組み立て工程前に、鉛湿潤性の良好な素材をリードフレームの上面にあらかじめメッキする方法である。現在、かようなPPFメッキの一例として、Cu(copper)のようなリードフレーム用金属基底素材上に、中間層としてNi(nickel)層を形成し、最上層として鉛湿潤性の良好なPd(palladium)層などを、中間層上に全面的または部分的に塗布した構造(二層構造)、基底素材上にNi層、Pd層及び最上層としてAu(gold)フラッシュ層を有する構造(三層構造)、及び基底素材上に、Niストライク層、Pd−Ni合金層、Ni層及びPd層を有する構造(四層構造)などが商業的に提供されている。しかし、かような方法は、基底素材がCuまたはCu成分を含まないalloy 42のような合金である場合には、腐食が激しく発生し、またPdの価格が不安定であって、予期できない製造コスト上昇が招来されうるという問題点が発生する。
また、最近では、金属基底素材で、内部リードに対応する部分と、外部リードに対応する部分とを互いに異なる金属を利用し、それぞれ独立的にメッキする二色事前メッキフレーム(two-tone pre-plated frame)法が提案されている。かような二色事前メッキフレーム法では、例えば、金属の基底素材で、内部リードに対応する部分には、銀などによるメッキを行い、外部リードに対応する部分には、Sn−Pbメッキを行っている。
しかし、かような事前メッキフレーム、または二色事前メッキフレーム法で使われるメッキ法は、鉛が引き起こす環境汚染のような問題によって、多くの問題点を内包しており、現在世界各国は、電子製品での鉛の使用を規制する方向に諸般事項及び関連法律などを整備しており、業界でも、鉛の使用が多いソルダペーストと、Sn−Pbメッキとを代替するための研究を持続的に行っている。
かような問題点を解決するためのSn−Pbメッキの代替手段としては、純粋なSnメッキが最善の方案といえるであろうが、純粋なSnメッキの場合、ウィスカ(whisker)の発生が激しく、回路に短絡(short circuit)が発生する危険性が高まるという問題点がある。
このウィスカは、互いに異なる物質が接合されて相互に広がるときに、そのメッキ層表面で発生する突出した結晶である。かようなウィスカは、熱と湿気とに敏感である。かようなウィスカがリードフレームのメッキ層表面に形成されれば、リードフレーム間に電気的短絡が発生し、回路の不良を引き起こすという問題点がある。
ウィスカ発生に対する対処方案として、Snメッキ後熱処理、Niメッキ、Snの粒子サイズ調節、Snと異種金属との合金などの方法が考慮されており、そのうち代表的な異種金属との合金としては、Sn−Bi(bismuth)合金が広く使われている。
しかし、Sn−Bi合金では、ウィスカの発生が満足できるレベルに抑制されず、析出電位において、SnとBiとの差が顕著である関係で、共析(eutectoid)が困難であるという問題点がある。また、溶液中のBi濃度が高ければ、Biが陰極面上に粒子状に析出し、ソルダリング後に脱落する危険性があって、メッキ層中のBiの含有量が高ければ、曲げるときに亀裂(crack)が発生するという問題点がある。
本発明は、鉛を含有せずとも、メッキ層でのウィスカ発生を抑制できる無鉛Sn−Bメッキ液及びこれを使用したメッキ法を提供するところに目的がある。
前記のような目的を達成するために、本発明は、Pbイオンを含まず、Snイオン供給源である硫酸スズを溶質の主な成分として含み、Bイオン供給源であるジメチルアミンボランまたはトリメチルアミンボランを溶質としてさらに含む、無鉛Sn−B合金のメッキ被膜を電気メッキするためのメッキ液(Sn−Bメッキ液)を提供する。
前記Snイオン供給源は、15g/Lないし50g/L含まれうる。
前記Bイオン供給源は、0.1g/Lないし3.0g/L含まれうる。
前記Sn−Bメッキ液には、硫酸が30ml/Lないし70ml/L、クレゾールスルホン酸(cresolsulfonic acid)またはフェノールスルホン酸(phenolsulfonicacid)が10g/Lないし40g/L、β−ナフトール(β−naphtol)が0.1g/Lないし0.5g/L、ゼラチン(gelatin)が0.1g/Lないし3g/Lさらに含まれうる。
本発明はまた、前記のようなメッキ液を使用してメッキする、無鉛Sn−B合金のメッキ被膜を電気メッキで形成する方法(Sn−Bメッキ法)を提供する。
メッキ時に、電流密度0.5ないし5A/dmとすることができる。
そして、常温でメッキできる。
本発明によって、ウィスカが発生しないSn−B合金メッキ層を提供できることになる。
すなわち、本発明によれば、Bは、原子のサイズがSnより相対的に小さいために、後述するように、Snの格子間サイト(interstitial site)に浸入して固溶される。従って、SnとBとを含むメッキ溶液が、Cuからなるリードフレームにメッキ層を形成することになれば、CuがSn層に拡散することを防止し、かような現象によって、メッキ層で発生するウィスカの生成が抑制される。これによって、リードフレーム間の電気的短絡が抑制され、SnとBとを含むメッキ領域を有したリードフレームが適用された電子素子の寿命が向上する。
また、前記組成のメッキ液は、表面が相対的にすべすべしたメッキ表面を生成でき、これは、相対的に表面が粗いメッキ表面より、外部衝撃に対する延性が良好であり、表面損傷のない変形が起き、外部リードフレームの外側面を保護するメッキ層提供に適している。
そして、本発明のメッキ液は、鉛(Pb)が含まれていないために、人体に無害であり、環境に優しい。
また、本発明のメッキ液を使用してメッキすることにより、比較的低い電流密度でもってメッキでき、メッキ液を別途に加熱する必要なしに常温でメッキでき、さらに生産性及び経済性が向上しうる。
(a)ないし(c)は、それぞれ、常温放置試験後の実験例1ないし実験例3の表面状態を示したSEM(scanning electron microscope)写真である。 (a)ないし(c)は、それぞれ、常温放置試験後の実験例4ないし実験例6の表面状態を示したSEM写真である。 (a)ないし(c)は、それぞれ、常温放置試験後の実験例7ないし実験例9の表面状態を示したSEM写真である。 (a)ないし(c)は、それぞれ、常温放置試験後の実験例10ないし実験例12の表面状態を示したSEM写真である。 (a)ないし(c)は、それぞれ、常温放置試験後の実験例13ないし実験例15の表面状態を示したSEM写真である。 (a)は、実験例16の表面をメッキ直後に撮影したSEM写真であり、(b)は、実験例16に対して常温放置試験を行った後で撮影したSEM写真であり、(c)は、常温放置試験後の実験例17の表面状態を示したSEM写真である。 (a)ないし(e)は、それぞれ、常温放置試験後の比較例1ないし比較例5の表面状態を示したSEM写真である。
前述の通り、従来のSn系メッキ層は、表面のウィスカ(whisker)が問題になっている。ところで、かようなウィスカの発生原因は、今のところ明確に明らかにされているわけではない。
本発明者らは、Sn系メッキ溶液がCuからなるリードフレームにメッキ層を形成することになれば、このSnとCuとの接合界面で、SnよりCuの方が拡散速度が速いという点に注目した。
すなわち、SnとCuとの接合界面では、Cuの拡散速度がSnの拡散速度よりさらに速いために、リードフレームのCu成分がメッキ層のSnの結晶粒界(grain boundary)側に拡散することになる。この後、メッキ層には、金属間化合物(intermetallic compound)がCuSnの組成で形成される。
本発明者らは、この金属間化合物がメッキ層のSn内部に圧縮応力(compressive stress)を与え、Snがメッキ層表面にひげ形態の単結晶であるウィスカを成長させ、この圧縮応力を解消すると考えた。
従って、本発明者らは、Snの結晶構造内の格子間サイト(interstitial site)に、原子サイズの小さい金属を挿入し、金属間拡散を抑制することによって、Sn内部の圧縮応力発生を減少させ、これによって、ウィスカの発生自体を抑制しようとしたのである。このための前記原子サイズの小さい金属としては、ホウ素(B)を使用することが望ましい。
下記のような本発明の実施例によるメッキ液は、鉛(Pb)イオンを含まずに、Snイオン供給源である硫酸スズ(tin sulfate)と、Bイオン供給源であるジメチルアミンボラン(dimethyl amine borane)とを含む。
前記Snイオン供給源である硫酸スズ(SnSO)は、15g/Lないし50g/L含まれ、前記Bイオン供給源であるジメチルアミンボラン(DMAB:dimethyl amine borane)は、0.1g/Lないし3.0g/L含まれうる。前記Bイオン供給源として、トリメチルアミンボラン(TMAB:trimethyl amine borane)を使用することもできる。
前記ホウ素(B)イオン供給源が0.1g/L以上含まれている場合、0.1g/L未満である場合に比べ、メッキ層でスズ(Sn)の格子間サイトにホウ素(B)が挿入される量が十分であるために、前述のようなスズと母材との金属間化合物の成長を抑制する効果が大きく、ウィスカを発生させないことになる。一方、前記ホウ素(B)イオン供給源が3.0g/Lを超える場合、スズ(Sn)の格子間サイトに入っていくホウ素が飽和されるために、コストが上昇して経済性に劣るだけではなく、この過剰のホウ素によって、メッキ層の表面が不均一になり、メッキ浴自体が不安になりうる。
前記メッキ液には、電解質の伝導度を調節し、Sn2+などのイオン移動度を調節するため、硫酸(HSO)30ml/Lないし70ml/Lを添加する。硫酸が30ml/L未満である場合、メッキ液の電気伝導度が低下し、すなわちメッキ液の電気抵抗が大きくなり、メッキ速度が低下し、これによって生産性が低下し、被メッキ体に不均一にメッキされることがある。硫酸が70ml/Lを超える場合、陽極でスライム(slime)が多く発生してメッキ液が不安定になり、メッキ層に欠陥が生じうる。
そして、Snの酸化を遅延させるように、クレゾールスルホン酸(cresolsulfonic acid)またはフェノールスルホン酸(phenolsulfonic acid)10g/Lないし40g/Lを添加する。クレゾールスルホン酸またはフェノールスルホン酸が10g/L未満である場合、酸化が容易に起こることになり、40g/Lを超える場合、メッキ液が不安定になりうる。
また、メッキ液には、メッキ層表面の粗度などを調節できるように、β−ナフトール(β−naphtol)が0.1g/Lないし0.5g/L含まれうる。β−ナフトールが0.1g/L未満である場合、粗悪な結晶粒を生成することがあり、0.5g/Lを超える場合、表面が非常に粗くなることがある。
そして、メッキ液には、ゼラチン(gelatin)0.1g/Lないし3g/Lがさらに含まれうる。ゼラチンが0.1g/L未満である場合、結晶粒が粗悪になり、3g/Lを超える場合、針状形態または突起が多く発生しうる。
かようなメッキ液を使用し、リードフレームの主材料になりうる銅(Cu)板に電解メッキする。この銅板を陰極として使用し、陽極としては溶解可能なスズを使用する。メッキ時に、電流密度は、0.5A/dmないし5A/dmとするが、1A/dmないし3A/dmが望ましく、下記実施例では、1A/dmとした。メッキ時の電流密度が5A/dmを超えれば、メッキ表面が非常に粗くなり、結晶成長も不規則になされ、不安定なメッキが発生しうる。従って、メッキされた被膜の信頼性が低下しうる。メッキ時の電流密度が0.5A/dm未満である場合には、メッキ時間が長くなり過ぎ、生産性が低下しうる。
メッキ液の温度は、常温(25±3℃)とした。メッキ液の温度を高くする場合、例えば、メッキ液を50±3℃の条件とする場合、添加剤などが分解されて正常なメッキがなされず、結果的に、ウィスカが発生しうる。
以下、本発明の理解を助けるために、望ましい実施例を提示する。
<実施例1>
硫酸スズ(tin sulfate)15g/L、硫酸(HSO)30ml/L、クレゾールスルホン酸(cresolsulfonic acid)10g/L、β−ナフトール(β−naphtol)0.1g/L、ゼラチン(gelatin)0.1g/Lを含むメッキ液を製造した。
実験例1は、前記メッキ液にDMABを0.1g/L添加したものであり、実験例2は、前記メッキ液にDMABを0.5g/L添加したものであり、実験例3は、前記メッキ液にDMABを3g/L添加したものである。
かようなメッキ液を使用し、前述のメッキ条件でメッキした。すなわち、銅板を陰極として使用し、陽極としては溶解可能なスズを使用し、電流密度は1A/dmとし、常温とした。
このようにメッキされた実験例を常温で12ヵ月間放置した後、表面のウィスカ発生いかんを確認した。
図1(a)ないし(c)は、それぞれ、前記のような常温放置試験後の実験例1ないし実験例3の表面状態を示したSEM(scanning electron microscope)写真である。
<実施例2>
硫酸スズ(tin sulfate)30g/L、硫酸(HSO)50ml/L、クレゾールスルホン酸(cresolsulfonic acid)20g/L、β−ナフトール(β−naphtol)0.3g/L、ゼラチン(gelatin)0.5g/Lを含むメッキ液を製造した。
実験例4は、前記メッキ液にDMABを0.1g/L添加したものであり、実験例5は、前記メッキ液にDMABを0.5g/L添加したものであり、実験例6は、前記メッキ液にDMABを3g/L添加したものである。
かようなメッキ液を使用し、前述の実施例1と同じメッキ条件でメッキした後、メッキされた実験例を常温で12ヵ月間放置した後、表面のウィスカ発生いかんを確認した。
図2(a)ないし(c)は、それぞれ、前記のような常温放置試験後の実験例4ないし実験例6の表面状態を示したSEM写真である。
<実施例3>
硫酸スズ(tin sulfate)50g/L、硫酸(HSO)70ml/L、クレゾールスルホン酸(cresolsulfonic acid)40g/L、β−ナフトール(β−naphtol)0.5g/L、ゼラチン(gelatin)1.0g/Lを含むメッキ液を製造した。
実験例7は、前記メッキ液にDMABを0.1g/L添加したものであり、実験例8は、前記メッキ液にDMABを0.5g/L添加したものであり、実験例9は、前記メッキ液にDMABを3g/L添加したものである。
かようなメッキ液を使用し、前述の実施例1と同じメッキ条件でメッキした後、メッキされた実験例を常温で12ヵ月間放置した後、表面のウィスカ発生いかんを確認した。
図3(a)ないし(c)は、それぞれ、前記のような常温放置試験後の実験例7ないし実験例9の表面状態を示したSEM写真である。
<実施例4>
硫酸スズ(tin sulfate)50g/L、硫酸(HSO)70ml/L、クレゾールスルホン酸(cresolsulfonic acid)40g/L、β−ナフトール(β−naphtol)0.5g/L、ゼラチン(gelatin)3.0g/Lを含むメッキ液を製造した。
実験例10は、前記メッキ液にDMABを0.1g/L添加したものであり、実験例11は、前記メッキ液にDMABを0.5g/L添加したものであり、実験例12は、前記メッキ液にDMABを3g/L添加したものである。
かようなメッキ液を使用し、前述の実施例1と同じメッキ条件でメッキした後、メッキされた実験例を常温で12ヵ月間放置した後、表面のウィスカ発生いかんを確認した。
図4(a)ないし(c)は、それぞれ、前記のような常温放置試験後の実験例10ないし実験例12の表面状態を示したSEM写真である。
<実施例5>
硫酸スズ(tin sulfate)30g/L、硫酸(HSO)50ml/L、クレゾールスルホン酸(cresolsulfonic acid)20g/L、β−ナフトール(β−naphtol)0.5g/L、ゼラチン(gelatin)3.0g/Lを含むメッキ液を製造した。
実験例13は、前記メッキ液にDMABを0.1g/L添加したものであり、実験例14は、前記メッキ液にDMABを0.5g/L添加したものであり、実験例15は、前記メッキ液にDMABを3g/L添加したものである。
かようなメッキ液を使用し、前述の実施例1と同じメッキ条件でメッキした後、メッキされた実験例を常温で12ヵ月間放置した後、表面のウィスカ発生いかんを確認した。
図5(a)ないし(c)は、それぞれ、前記のような常温放置試験後の実験例13ないし実験例15の表面状態を示したSEM写真である。
<実施例6>
硫酸スズ(tin sulfate)50g/L、硫酸(HSO)70ml/L、クレゾールスルホン酸(cresolsulfonic acid)40g/L、β−ナフトール(β−naphtol)0.5g/L、ゼラチン(gelatin)1.0g/Lを含むメッキ液を製造した。
実験例16は、前記メッキ液にDMABを30ppm添加したものであり、実験例17は、前記メッキ液にDMABを4g/L添加したものである。
かようなメッキ液を使用し、前述の実施例1と同じメッキ条件でメッキした後、メッキされた実験例を常温で12ヵ月間放置した後、表面のウィスカ発生いかんを確認した。
図6(a)は、実験例16の表面をメッキ直後に撮影したSEM写真であり、図6(b)は、実験例16に対して常温放置試験を行った後、撮影したSEM写真である。図6(c)は、常温放置試験後の実験例17の表面状態を示したSEM写真である。
図1(a)ないし図5(c)から分かるように、本発明の実施例1ないし実施例5によるメッキ層表面には、長時間が経過した後にも、ウィスカの発生がなかった。
図6(a)及び図(b)から分かるように、DMABの含有量がきわめて少ない場合には、製造直後には、ウィスカの発生がなかったが、長時間が経過した後には、ウィスカが発生したことを確認することができた。
図6(c)から分かるように、DMABの含有量が多い場合には、ウィスカの発生はないが、メッキ層の表面が不均一であって粗いということを確認することができた。
<比較例>
比較例1ないし比較例5は、それぞれ実施例1ないし実施例5で、DMABを除いた組成のメッキ液を使用したものである。
かようなメッキ液を使用し、前述の実施例1と同じメッキ条件でメッキした後、メッキされた実験例を常温で12ヵ月間放置した後、表面のウィスカ発生いかんを確認した。
図7(a)ないし(e)は、それぞれ前記のような常温放置試験後の比較例1ないし比較例5の表面状態を示したSEM写真である。
図7(a)ないし(e)から分かるように、ホウ素(B)イオン供給源の含まれていないメッキ浴を使用してメッキする場合、表面にウィスカが発生することが分かる。
このように本発明によれば、鉛(Pb)が含まれておらず、同時にウィスカの発生を抑制できるメッキ層を提供できる。
以上、本発明について望ましい実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で、当分野で当業者によってさまざまな変形が可能であろう。

Claims (10)

  1. Pbイオンを含まず、Snイオン供給源である硫酸スズを溶質の主な成分として含み、Bイオン供給源であるジメチルアミンボランまたはトリメチルアミンボランを溶質としてさらに含む、無鉛Sn−B合金のメッキ被膜を電気メッキするためのメッキ液
  2. 前記Snイオン供給源が、15g/Lないし50g/L含まれた請求項1に記載のメッキ液
  3. 前記Bイオン供給源が、0.1g/Lないし3.0g/L含まれた請求項1に記載のメッキ液
  4. 硫酸が30ml/Lないし70ml/Lさらに含まれた請求項1に記載のメッキ液
  5. クレゾールスルホン酸またはフェノールスルホン酸が10g/Lないし40g/Lさらに含まれた請求項1に記載のメッキ液
  6. β−ナフトールが0.1g/Lないし0.5g/Lさらに含まれた請求項1に記載のメッキ液
  7. ゼラチンが0.1g/Lないし3g/Lさらに含まれた請求項1に記載のメッキ液
  8. 鉛イオンを含まず、Snイオン供給源である硫酸スズを溶質の主な成分として含み、Bイオン供給源であるジメチルアミンボランまたはトリメチルアミンボランを溶質としてさらに含む、無鉛Sn−B合金のメッキ被膜を電気メッキするためのメッキ液を使用してメッキする、無鉛Sn−B合金のメッキ被膜を電気メッキで形成する方法
  9. 電流密度0.5A/dmないし5A/dmでメッキする請求項8に記載の方法
  10. 前記メッキ液において前記Snイオン供給源は、15g/Lないし50g/L含まれ、前記Bイオン供給源は、0.1g/Lないし3.0g/L含まれ、さらに前記メッキ液は、硫酸30ml/Lないし70ml/L、クレゾールスルホン酸またはフェノールスルホン酸10g/Lないし40g/L、β−ナフトール0.1g/Lないし0.5g/L、ゼラチン0.1g/Lないし3g/Lを含む請求項8または請求項9に記載の方法
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