JP5026594B2 - フューエルリッド開閉装置 - Google Patents
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Description
このような構成であるから、同文献1の装置は、ケーブルの引き込み動作に連動して、リンクが回動し、ストッパーピンをケースの内側へ引っ込める。
ここで、特許文献1の装置は、同文献1の図3に示されるように、ストッパーピンが正面の幅方向中央よりも一方の側縁寄りにピンが配置されていた。
一般に、ケーブルは、自動車の運転席近くに設けたレバーに連結されているが、当該レバー操作によるケーブルの引っ張りに対して、ストッパーピンがどの程度引き込まれているか操作者が判断する術がなく、よって必要以上にケーブルを引っ張ってしまうことがあり、このことがストッパーピンの頭部から捩りばねの先端を離脱させてしまう可能性を高めていた。
また、本発明は、本体(ケース)に組み付けられた捩りコイルばねが、その付勢力を解放した状態で、他の部品の組付け作業性向上を図ることができるフューエルリッド開閉装置の提供を第2の目的とする。
さらに、本発明は、捩りコイルばねのロッド(ストッパーピン)基端への係合状態が、意図せず解除されてしまう不都合を抑止したフューエルリッド開閉装置の提供を第3の目的とする。
前記凹室内の壁面に装着される本体と、
L字状の屈曲部を境界として、一方に延出する先端側アームと、他方に延出する基端側アームとを有し、前記本体へ回動自在に支持されたリンク部材と、
前記リンク部材の先端側アームの側方で、前記本体へ軸方向の往復移動自在に組み込まれ、先端が前記本体の表面から露出して前記リッドに係脱するロッドと、を有し、
前記ロッドには、前記リンク部材の先端側アームが係合し、当該リンク部材の回動に伴い軸方向に押されて移動するリンク係合部が、当該ロッドの基端部から側方へ突き出して形成されており、
前記リンク部材の先端側アームは、前記基端側アームよりも幅狭で、隣接位置に組み込まれた前記ロッドとは反対の方向へ寄せて形成してあり、
且つ、前記ロッドは、前記本体表面の幅方向中央部から先端が露出する配置としたことを特徴とする。
すなわち、前記リンク部材は、前記屈曲部分から一方の幅方向に延出する軸部と、この軸部と同軸上で前記屈曲部分から他方の幅方向に突き出す凸部とを有し、前記軸部の幅方向外端部から前記凸部の幅方向外端部へ貫通する挿通孔が形成してあり、
前記本体の幅方向両側部には、前記リンク部材の軸部および凸部を支持するための軸受壁部がそれぞれ形成してあり、各軸受壁部に軸受孔が設けてあり、
一方の軸受孔から前記リンク部材に形成した挿通孔を経て他方の軸受孔へと支持ピンを挿通配置することで、前記リンク部材を回動自在に支持する構成であって、
更に、前記軸部の幅方向外端面が対向する軸受壁部には、前記軸部の幅方向外端部を載せたとき、当該軸受壁部に形成した軸受孔に対し、前記軸部の幅方向外端面に開口する挿通孔の開口部を同軸上に位置決めする段部が形成してあり、
一方、前記凸部の幅方向外端部が対向する軸受壁部は、他方の軸受壁部よりも幅狭に形成する。
しかも、リンク部材において先端側アームが近寄っている側の軸受壁部(リンク部材における凸部の幅方向外端部が対向する軸受壁部)は、幅狭に形成することで、本体に対するロッドの配設位置をいっそう柔軟に調整することが可能となる。
すなわち、前記リンク部材の軸部で捩りコイルばねのコイル部を支持するとともに、当該捩りコイルばねのコイル部から延びる一方の線条部を前記本体に形成した支持壁に当接させ、当該捩りコイルばねのコイル部から延びる他方の線条部を前記ロッドの基端に係合させて、これにより前記ロッドの先端が前記本体の表面から外方向へ突き出すように当該ロッドを付勢する構成を備えており、
且つ、前記支持壁と隣接して、前記一方の線条部を移動自在とする逃げ空間を形成し、当該線条部をこの逃げ空間へ移動させることで当該線条部に対する規制をなくし、前記捩りコイルばねによる他方の線条部への付勢力を解放する構成を備える。
前記逃げ空間を、前記コイル部の圧縮により生じる弾性力に抗して前記一方の線条部を移動させる位置に形成してもよい。
すなわち、前記リンク部材の軸部で捩りコイルばねのコイル部を支持するとともに、当該捩りコイルばねのコイル部から延びる一方の線条部を前記本体に形成した支持壁に当接させ、当該捩りコイルばねのコイル部から延びる他方の線条部を前記ロッドの基端に係合させて、これにより前記ロッドの先端が前記本体の表面から外方向へ突き出すように当該ロッドを付勢する構成を備えており、
前記他方の線条部は、前記ロッドの基端に形成したスリットに差し込むとともに、このスリットから露出する当該線条部の先端をL字状に屈曲形成した構成とする。
すなわち、前記リンク部材は、前記車両の運転席周辺に設けた操作レバーとケーブルを介して連結されており、
前記操作レバーの操作に伴い、前記リンク部材が回動して前記ロッドを捩りコイルばねの付勢力に抗して軸方向へ移動させ、前記ロッドとリッドとの間の係合状態を解除する構成であって、
前記リッドとの間の係合状態が解除される位置を越えて前記ロッドが移動したとき、前記捩りコイルばねの他方の線条部先端に形成したL字状の屈曲部が、前記ロッドの側面に当接して、前記操作レバーからの外力に対する抵抗力を付加し、
さらに操作レバーからの外力をもって前記リンク部材を回動させたとき、当該リンク部材の基部側アームに当接して同部材のそれ以上の回動を阻止する回動規制部を本体側に設けた構成とする。
10:本体、11:板部材、11a:支持壁、11b:スリット、11c:凹溝、11d:隔壁、12:ケーブル配置壁部、13:ロッド配置部、14:軸受壁部、14a:段部、15:係止爪、16:配置部、17:案内壁、18:丸孔、19:軸受孔、
20:ロッド、21:円柱部、22:基端部、23:凹部、24:係合溝、25:リンク係合部、
30:リンク部材、31:先端側アーム、32:基端側アーム、33:軸部、34:凸部、35:挿通孔、36:連結部、
40:捩りコイルばね、41:コイル部、42:支持側線条部、43:作用側線条部
50:パッキン、51:Oリング
60:支持ピン、61:切り欠き
100:凹室、
200:ケーブル、201:エンドキャップ、202:ワイヤー
図1は、本実施形態に係るフューエルリッド開閉装置の取付状態を示す給油口部分の拡大斜視図である。
一般に、自動車の車体にはその左側面または右側面のいずれかに、ガソリン給油用の凹室100が設けてあり、この凹室100内にガソリンの給油口(図示せず)が開口している。この凹室100の開口は、図示しないリッドによって開閉される構成となっている。本実施形態に係るフューエルリッド開閉装置1は、凹室100の内側面に形成した取付孔(図示せず)に外側から嵌め込まれる。
これらの図に示すように、本体10は、合成樹脂からなり、正面板11、ケーブル端配置壁部12、ロッド配置部13、軸受壁部14が一体成形されている。正面板11は四角形状に形成されており、表面側は自動車の車体に形成した凹室100(図1参照)内に露出する平坦面となっている。この正面板11の背面側に、ケーブル端配置壁部12、ロッド配置部13、軸受壁部14等が一体形成してある。
また、一方の軸受壁部14から連続してケーブル端配置壁部12に隣接する位置には、後述するように支持壁11a、スリット11b、凹溝11cが形成されている。
これらの図に示すように、ロッド20は、円柱部21の基端に角形状の基端部22を有する形状となっている。円柱部21の基端部22との境界部分には、円周方向に延びる凹部23が形成されている。この凹部23には、Oリング51が嵌め込まれる(図4参照)。
ロッド20は、装置の組立状態において、円柱部21が本体10の丸孔18へ往復移動自在に組み込まれるとともに、円柱部21の先端が正面板11の表面から外方へ突き出し配置される。この円柱部21の先端部分が、凹室100(図1参照)を開閉するリッドの係合部に係脱する。
これらの図に示すように、リンク部材30は、L字状に成形された樹脂製の部材であり、屈曲部を境界として、一方に延出する先端側アーム31と、他方に延出する基端側アーム32とを有している。また、基端側アーム32の屈曲部分からは、一方の幅方向に軸部33が延出するとともに、この軸部33と同軸上で他方の幅方向には凸部34が突出形成されている。さらに、リンク部材30には、軸部33の幅方向外端部から凸部34の幅方向外端部へ貫通する挿通孔35が形成されている。
図4及び図9に示すように、捩りコイルばね40は、金属製の線条を複数回巻回して形成したコイル部41と、このコイル部41の一方の端部から延びる支持側線条部42と、コイル部41の他方の端部から延び、先端をL字状に屈曲形成した作用側線条部43を備えている。この捩りコイルばね40は、装置の組立状態において、コイル部41をリンク部材30の軸部33に外嵌されて、本体10に対して回動自在に組み込まれる。
コイル部41は、後述するように軸方向へ弾力的に伸縮するばね性を有している。
次に、本実施形態のフューエルリッド開閉装置の組み立て工程について順に説明していく。図10Aに示すように、フューエルリッド開閉装置1を組み立てる場合、まず捩りコイルばね40のコイル部41をリンク部材30の軸部33に外嵌した状態で、両部材を一対の軸受壁部14の間に組み込む。
なお、挿通孔35における凸部34側の開口部は、内周縁がテーパー状に座ぐりしてあり、軸受孔19から差し込まれる支持ピン60を、挿通孔35内へ容易に案内できる構成となっている(図10A参照)。
図11Aに示すように、リンク部材30及び捩りコイルばね40を組み込んだ状態では、捩りコイルばね40の支持側線条部42が、軸受壁部14に直交するように形成された支持壁11aに当接する。一方、作用側線条部43は、丸孔18の中央部を横断して、先端が正面板11の裏面に当接する。このとき、捩りコイルばね40は、コイル部41がねじられた状態となり、作用側線条部43が一定の付勢力をもって正面板11に当接する。
ロッド20をロッド配置部13へ配置した後は、スリット11b内へ移動させていた支持側線条部42をスリット11bから取り出して、再び支持壁11aへ配置する。これにより捩りコイルばね40のコイル部41がねじられて、作用側線条部43に付勢力が作用し、この付勢力をもってロッド20の基端部22を押圧する。
同図に示すように、捩りコイルばね40によってロッド20を付勢した状態では、ロッド20に装着したOリング51が本体10の丸孔18を閉塞する。Oリング51は丸孔18の周縁角部に対して線接触で接することとなり、凹室100に対し本体10裏面側の気密性を充分に確保することができる。これにより、外部の湿気等が本体10の裏面側に入り込むことを抑制できる。
上述した手順で組み立てられたフューエルリッド開閉装置1は、自動車の車体に設けられたガソリン給油用の凹室100の内側面に取り付けられる(図1参照)。このとき、運転席側に設けられた操作レバーから車体内部を引き回されてきたケーブル200のエンドキャップ201を、本体10の配置部16に係合配置するとともに、ケーブル200の先端から延びるワイヤー201をリンク部材30の連結部36に連結する(図14参照)。
開閉するリッドは、この突き出した円柱部21の先端に係合して、閉塞状態が保持される。
Claims (8)
- 車体外面に形成した凹室内に給油口が設けられ、前記凹室の開口はリッドによって開閉される構成を備えた車両において、前記リッドが係合して前記開口の閉塞状態を保持するとともに、当該リッドの係合状態を解除して前記開口を開放する機能を備えたフューエルリッド開閉装置であって、
前記凹室内の壁面に装着される本体と、
L字状の屈曲部を境界として、一方に延出する先端側アームと、他方に延出する基端側アームとを有し、前記本体へ回動自在に支持されたリンク部材と、
前記リンク部材の先端側アームの側方で、前記本体へ軸方向の往復移動自在に組み込まれ、先端が前記本体の表面から露出して前記リッドに係脱するロッドと、を有し、
前記ロッドには、前記リンク部材の先端側アームが係合し、当該リンク部材の回動に伴い軸方向に押されて移動するリンク係合部が、当該ロッドの基端部から側方へ突き出して形成されており、
前記リンク部材の先端側アームは、前記基端側アームよりも幅狭で、隣接位置に組み込まれた前記ロッドとは反対の方向へ寄せて形成してあり、
且つ、前記ロッドは、前記本体表面の幅方向中央部から先端が露出する配置としたことを特徴とするフューエルリッド開閉装置。 - 前記リンク部材は、前記屈曲部分から一方の幅方向に延出する軸部と、この軸部と同軸上で前記屈曲部分から他方の幅方向に突き出す凸部とを有し、前記軸部の幅方向外端部から前記凸部の幅方向外端部へ貫通する挿通孔が形成してあり、
前記本体の幅方向両側部には、前記リンク部材の軸部および凸部を支持するための軸受壁部がそれぞれ形成してあり、各軸受壁部に軸受孔が設けてあり、
一方の軸受孔から前記リンク部材に形成した挿通孔を経て他方の軸受孔へと支持ピンを挿通配置することで、前記リンク部材を回動自在に支持する構成であって、
更に、前記軸部の幅方向外端面が対向する軸受壁部には、前記軸部の幅方向外端部を載せたとき、当該軸受壁部に形成した軸受孔に対し、前記軸部の幅方向外端面に開口する挿通孔の開口部を同軸上に位置決めする段部が形成してあり、
一方、前記凸部の幅方向外端部が対向する軸受壁部は、他方の軸受壁部よりも幅狭に形成したことを特徴とする請求項1のフューエルリッド開閉装置。 - 前記リンク部材の軸部で捩りコイルばねのコイル部を支持するとともに、当該捩りコイルばねのコイル部から延びる一方の線条部を前記本体に形成した支持壁に当接させ、当該捩りコイルばねのコイル部から延びる他方の線条部を前記ロッドの基端に係合させて、これにより前記ロッドの先端が前記本体の表面から外方向へ突き出すように当該ロッドを付勢する構成を備えており、
且つ、前記支持壁と隣接して、前記一方の線条部を移動自在とする逃げ空間を形成し、当該線条部をこの逃げ空間へ移動させることで当該線条部に対する規制をなくし、前記捩りコイルばねによる他方の線条部への付勢力を解放する構成を備えたことを特徴とする請求項1のフューエルリッド開閉装置。 - 前記逃げ空間は、前記支持壁の側方に形成したスリットで構成され、当該スリットと支持壁との間には、前記一方の線条部の自由な移動を規制する移動規制手段が設けてあることを特徴とする請求項3のフューエルリッド開閉装置。
- 前記移動規制手段は、前記支持壁に形成した凹溝、または前記支持壁から突き出した隔壁であることを特徴とする請求項4のフューエルリッド開閉装置。
- 前記捩りコイルばねは、コイル部が軸方向へ圧縮自在な弾性力を有しており、当該コイル部を圧縮させた状態で前記リンク部材の軸部に支持されており、
前記逃げ空間は、前記コイル部の圧縮により生じる弾性力に抗して前記一方の線条部を移動させる位置に形成してあることを特徴とする請求項3のフューエルリッド開閉装置。 - 前記リンク部材の軸部で捩りコイルばねのコイル部を支持するとともに、当該捩りコイルばねのコイル部から延びる一方の線条部を前記本体に形成した支持壁に当接させ、当該捩りコイルばねのコイル部から延びる他方の線条部を前記ロッドの基端に係合させて、これにより前記ロッドの先端が前記本体の表面から外方向へ突き出すように当該ロッドを付勢する構成を備えており、
前記他方の線条部は、前記ロッドの基端に形成したスリットに差し込むとともに、このスリットから露出する当該線条部の先端をL字状に屈曲形成したことを特徴とする請求項1のフューエルリッド開閉装置。 - 前記リンク部材は、前記車両の運転席周辺に設けた操作レバーとケーブルを介して連結されており、
前記操作レバーの操作に伴い、前記リンク部材が回動して前記ロッドを捩りコイルばねの付勢力に抗して軸方向へ移動させ、前記ロッドとリッドとの間の係合状態を解除する構成であって、
前記リッドとの間の係合状態が解除される位置を越えて前記ロッドが移動したとき、前記捩りコイルばねの他方の線条部先端に形成したL字状の屈曲部が、前記ロッドの側面に当接して、前記操作レバーからの外力に対する抵抗力を付加し、
さらに操作レバーからの外力をもって前記リンク部材を回動させたとき、当該リンク部材の基端側アームに当接して同部材のそれ以上の回動を阻止する回動規制部を本体側に設けたことを特徴とする請求項7のフューエルリッド開閉装置。
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