JP5025041B2 - ガス溶解または脱気制電性膜モジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素樹脂多孔質膜をフッ素樹脂製ハウジングに収納したフッ素樹脂製膜モジュール及び該膜モジュールの輸送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、超純水にわずかなガス成分、例えば、水素、オゾン、炭酸ガス等や薬品を添加した水が、シリコンウェーハ表面上の微粒子や金属元素等の不純物を除去する機能があることが見いだされた。この機能性洗浄水による洗浄は、従来の高濃度の薬品を使用する洗浄と同等以上の洗浄効果があることが次第に分かってきた。例えば、微量のオゾンを添加した超純水は酸化剤として働き、シリコンウェーハ表面の界面活性剤等の残留有機物を分解、除去し、均一で平坦な酸化膜を形成する。また、液晶ディスプレイ製造工程においても、ガラス基板の洗浄、エッチング処理後の洗浄、ラビング処理後の洗浄等にも用いられている。
しかし、オゾン等の気体を超純水等の液体に効率的に、且つ溶解量を制御して溶解させることは非常に困難な課題である。従来、気体を液体中に溶解する方法として、気体を液体中にバブリングする方法、バブリングさせたのち機械的に混合する方法等があるが、気体の溶解効率が悪く、気体の溶解量の制御も難しい。また、この方法では、液体中に微小な気泡が発生し、シリコンウェーハ等の表面に付着し、均一な洗浄が困難である。しかもバブリング時に溶解しなかった気体が系外に放出されやすくオゾン等の有害ガスの溶解に不適当である。
【0003】
これに対して、液体を透過させずに気体を透過させる多孔質膜を用いて、オゾン等の気体を超純水等の液体に効率よく溶解する方法が、前記バブリング法に代わって主流になりつつある。この方法は、分離膜の一方の側に気体を流し、他方の側に液体を流すことにより、膜を介して気体が液体に溶解する方式で、気体の吸収効率も良く、液体中の気体の濃度制御も容易である。また、液体中に微小な気泡も発生せず、基板の均一な洗浄が可能である。
このような気体溶解用多孔質分離膜は、特開平7−213880号、特開平11−227087号の各公報等に提案されている。これらの分離膜は、いずれもチューブ状の多孔質ポリテトラフルオロエチレン(多孔質PTFE)膜を用いたものであるが、特開平11−179167号公報にはスパイラル状の多孔質PTFE膜を用いたものも提案されている。
オゾンガス溶解用モジュールには、分離膜として多孔質PTFE膜を用い、ハウジングの材質にポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いたものが一般的に使用されている。その理由は、オゾンの場合は非常に強い酸化剤であり、耐オゾン性の不十分な有機材、例えば、塩化ビニル、ポリプロピレン等は劣化しやすく使用に耐えられないためである。
しかし、PVDF製ハウジングを用いたオゾンガス溶解モジュールは、オゾンガス耐久性が不十分であることが分かってきた。そのため、PVDF製ハウジングに代わり、耐オゾン性のより優れた、PTFE材料がハウジング材料として用いられるようになってきている。
しかし、本発明者らは、ハウジング材料としてPTFEを用いたオゾンガス溶解モジュールでは、従来のPVDF製ハウジングと比較して静電気を帯電し易く、ハウジングが過度に静電気を帯びると、放電現象が起こり、放電量が大きい場合には分離膜にピンホールが生じて、被処理液体が気体側へ漏れ出す危険性があることを見出した。
【0004】
フッ素樹脂の帯電防止方法に関しては、特開平5−166594号、特開平7−24898号公報等に開示されている。特開平5−166594号公報には、表面を粗面にした含フッ素樹脂をアルコール等の極性溶媒と接触させることによる静電除去方法が提案されているが、オゾンガス溶解モジュールが用いられる半導体製造工程は、清浄度の高いクリンルーム内にあり、極めて微量の不純物も許容されないため、この方法は採用できないという問題があった。
特開平7−24898号公報には、熱可塑性フッ素樹脂からなるチューブの内表面に炭素粉末を混入した熱可塑性フッ素樹脂からなる帯状体を一体に添装された帯電防止用樹脂チューブが提案されているが、オゾンのような酸化性の極めて強いガスを使用する場合や、腐食性の極めて強い液体を処理する場合には、耐久性の点で使用できない。また、半導体製造工程では、各種の洗浄工程で超純水が使われており、極めて微量の不純物も許容されないため、この方法は採用できないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、フッ素樹脂多孔質膜がフッ素樹脂製ハウジングに収納された膜モジュールにおいて、静電気が帯電し難く、放電現象に起因した分離膜の損傷を防ぐことができる制電性膜モジュール及び該膜モジュールの輸送方法を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、フッ素樹脂多孔質膜をフッ素樹脂製ハウジングに収納させた構造の膜モジュールであって、該ハウジングの外表面の全面又は一部の面に導電層を有する制電性材料を被覆したことを特徴とする制電性膜モジュールが提供される。
また、本発明によれば、フッ素樹脂多孔質膜をフッ素樹脂製ハウジングに収納させた膜モジュールの輸送方法であって、該膜モジュールの被処理液体流路に、極性溶媒を溜めた状態で、該膜モジュールを輸送することを特徴とする膜モジュールの輸送方法が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の制電性膜モジュールは、図1に示すように、フッ素樹脂製ハウジング1の外表面の全面又は一部の面に、制電性材料2が被覆されている。制電性材料の一部には、アース線を取り付けて接地するためのタブ3を設けても良い。
図2は、図1に示した制電性膜モジュールの説明断面図を示す。
フッ素樹脂製ハウジング1の内部には、フッ素樹脂多孔質チューブを複数本束ねたチューブ束8が収納されている。チューブ束8は、チューブ束接続部材9によりハウジングキャップ10に接続されている。この膜モジュールは、被処理液体中にガス成分を溶解させるためのガス溶解モジュールとして又は被処理液中に含まれるガス成分を除去するための脱気モジュールとして適用される。
【0008】
図1に示した制電性膜モジュールを用いて被処理液体中にガス成分を溶解させるには、被処理液体を、液体入口4から制電性膜モジュールに供給し、チューブ接続部材9aを通ってチューブ束8を形成するフッ素樹脂多孔質チューブ内部を流通させ、チューブ接続部材9bを通って液体出口5から排出させる。
一方、オゾンガス等の供給ガスは、ガス供給口6からチャンバー11内に導入する。このチャンバー内に導入されたガスは、フッ素樹脂多孔質チューブの外表面と接触した後、ガス排出口7から排出される。供給ガスは、チャンバー内でフッ素樹脂多孔質チューブの外表面と接触した際に、フッ素樹脂多孔質チューブの管壁を透過して、フッ素樹脂多孔質チューブ内を流れる非処理液体中に溶け込む。
一方、図1及び図2に示した制電性膜モジュールを脱気モジュールとして適用するには、液体入口4からガス成分が溶存する被処理液体を膜モジュールに供給し、チューブ束8を形成するフッ素樹脂多孔質チューブ内部を流通させ、液体出口5から排出させる。ガス供給口6からキャリアーガス、例えば窒素ガスや空気等を供給し、ガス排出口7から排出させる。
前記の操作により、被処理液体中に溶存するガス成分はチューブ管壁を通過してキャリアーガス中に移行する。
図1及び図2に示した制電性膜モジュールを用いて被処理液体中に溶存するガス成分を脱気する場合、ガス供給口6を閉塞させるとともに、ガス排出口7を真空ポンプに連結し、チャンバー11内を真空(減圧)にする。
前記の操作により、被処理液体中に溶存するガス成分は真空状態のチャンバー11内に脱気される。
【0009】
ハウジング材料として用いられるフッ素樹脂としては、炭素−フッ素結合を有する樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとエチレン系不飽和単量体との共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)等、を用いることができるが、中でもPTFEと、PTFEとエチレン系不飽和単量体との共重合体が、耐オゾン性に優れるため、特に好ましく用いられる。この場合、PTFEと共重合可能なエチレン系不飽和単量体としては、PFA、FEP等が好ましく用いられる。
【0010】
ハウジング1は、フッ素樹脂多孔質膜を気密に収納できれば良く、その形状は特に限定されないが、フッ素樹脂多孔質膜を収納するチャンバー11部分を円筒状にすれば、各種規格品のパイプを使用できるためコストが安くなり好ましい。ハウジングキャップとチャンバーの接合は、溶接、接着、ネジ止め等の方法が適宜用いられる。
【0011】
フッ素樹脂多孔質膜としては、PTFE、FEP、ETFE、PFA、PCTFE、PVDF、PVF等の多孔質膜を用いることができるが、中でもPTFEの成形物を延伸して得られる延伸多孔質PTFE(ePTFE)膜は、溶出物が少なく、耐薬品性、耐熱性、オゾンガスに対する耐久性に優れ、しかも高いガス透過性を兼ね備えているので、特に好ましく用いられる。これらの多孔質膜としては、チューブ状又は平膜状に成形した膜を用いることができる。
ここで、ePTFEとは、PTFEのファインパウダーを成形助剤と混合することにより得られるペーストの成形体から、成形助剤を除去した後あるいは除去せずに延伸し、さらに必要に応じて焼成することにより得られるもので、チューブのように一軸延伸により成形される場合、フィブリルが延伸方向に配向するとともに、フィブリル間が空孔となった繊維質構造となっている。また、フィルムのように二軸延伸の場合には、フィブリルが放射状に広がり、ノード及びフィブリルで画された空孔が多数存在するクモの巣状の繊維質構造となっている。このような構成を有するePTFE膜は、空孔を介して気体が通過することはできるが、液体は通過できない。従って、例えばチューブ状膜の場合、ePTFEチューブ内に液体が流通している間に気体がチューブ内に侵入し、液体中に溶解することができる。
チューブ状のePTFE膜としては、例えば、特開平4−31443号、特開平7−213880号、特開平11−227087号各公報に提案されているチューブ状膜を用いることができる。オゾンガス溶解モジュールは、該チューブ状のePTFE膜を適当な長さに切断し、それを多数本揃えて束にして、両末端を熱溶融性フッ素樹脂、例えば、FEP、PFA、ETFE等でハニカム状に溶融成形する。成形したハニカム状の両端部をコネクタでフッ素樹脂製ハウジングに取り付けてチューブ型膜モジュールを製造する。
平膜状のePTFEとしては、例えば、特開平11−179167号公報に提案されている平膜を用いることができる。この平膜を袋状にして、両端部を前記熱融着性フッ素樹脂で接着して、スパイラル型膜モジュールを製造する。
分離膜モジュールには、膜の収納方法の違いにより、チューブ型、スパイラル型以外にも、プリーツ型、中空糸型、フラットアンドフレーム型等の種々のモジュールが提案されており、いずれのモジュールにも本発明を適用することができる。
【0012】
制電性材料2は、導電層単体からなるものの他、導電層に接着剤層又は粘着材層を積層したもの、導電層の表面にプラスチックフィルムを積層したもの、導電層の表面にプラスチックフィルムを積層させ、且つ導電層のプラスチックフィルムと逆側に接着剤層又は粘着材層を積層したもの等、フッ素樹脂製ハウジングに帯電した電荷を移動させることができる材料を適宜用いることができる。
【0013】
前記導電層としては、導電性金属製のシート又は箔の他、導電性の金属やカーボン等の導電性粉末を練り込んだシート、導電性プラスチックシート、導電性繊維を少なくとも一部に含んだ織物、編物、メッシュ、ネット等、導電性を有する材料を適宜使用することができるが、アルミ箔が安価で導電性、耐久性に優れ、特に好ましく用いられる。
導電層とハウジングとを固着するために接着剤又は粘着剤を用いてもかまわない。この場合、接着層又は粘着剤層の材質と厚みは、フッ素樹脂製ハウジングに帯電した電荷が導電層に流れるのを妨げない範囲で適宜決定すればよい。
導電層に金属製のシート又は箔、導電性の金属やガーボン等の導電性粉末を練り込んだシート、導電性繊維を少なくとも一部に含んだ織物、編物、メッシュ、ネット等を用いた場合には、導電層の表面にプラスチックフィルム層を設けるのが好ましい。半導体製造工程では、ハウジングにオゾン水や各種薬液が付着する場合があり、このような薬液によって腐食し易いアルミ箔等の導電層をむき出しの状態で使用すると、これらの薬液の影響により表面が腐食して発塵源となる恐れがあるためである。
【0014】
導電層の表面に設けるプラスチックフィルムとしては、導電層に接着又は融着によって積層できるプラスチック材料が適宜使用できるが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、PFA、FEP等のフッ素樹脂、ポリアミド、ポリエステル等のフィルムが、熱融着可能で発塵が少ないため好ましく用いられる。
【0015】
本発明で好ましく用いられる制電材料の1つの実施例について、その説明断面図を図3に示す。この図において、2bは導電層を示し、2cは導電層の裏面(ハウジング側)に積層した粘着剤層を示し、2aは導電層の表面に積層したプラスチックフィルム層を示す。導電層とプラスチックフィルム層とは、熱融着法で接着してもよいし、接着剤層や粘着剤層を介して積層させることができる。粘着剤層2cの厚さは、200〜10μm、好ましくは50〜20μmである。
【0016】
制電性材料は、フッ素樹脂製ハウジングの外側表面の全面又は一部の面に取り付けられる。フッ素樹脂製ハウジングの全面に取り付けるのが最も制電効果が大きいが、コストが高くなるため、フッ素樹脂製ハウジングの外側表面の一部に取り付けるのが好ましい。この場合の取り付け場所は、所定の制電効果が得られれば良く、特に限定されるものではないが、チャンバー部分が比較的広い面積に容易に制電性材料を取りつけることができるため好ましい。取り付けられる制電性材料のフッ素樹脂製ハウジング表面積に対する面積比は、フッ素樹脂製ハウジングの帯電量と、期待する除電効果、モジュールを接地した室内の温湿度等によって適宜決定されれば良いが、好ましくは15〜100%であり、より好ましくは30〜80%である。15%以下では十分な除電効果が得られない。
【0017】
制電性材料をフッ素樹脂製ハウジングに取り付ける方法としては、制電性材料がフッ素樹脂ハウジングの表面の一部の面又は全面に接触した状態で固定される方法であれば適宜利用できる。このような方法には、接着法、融着法、粘着法の他、止め輪、クリップ、縫製等により物理的方法等が包含される。
導電層はアース線を介して接地すると、フッ素樹脂ハウジングに帯電した電荷をアース線を介して速やかに除電することができるため好ましい。
【0018】
次に、本発明の膜モジュールを輸送する方法について説明する。
本発明の第一の輸送方法では、膜モジュールは、膜モジュールの被処理液体流路に極性溶媒を溜めた状態で輸送される。さらに詳しく説明すれば、膜モジュールは、品質検査終了後、液体入口又は液体出口から極性溶媒を注入され、被処理液体流路が極性溶媒でほぼ満たされた状態で液体入口及び液体出口をプラグ等により閉じられて、必要なら膜モジュールの外側表面を洗浄処理された後、梱包され輸送される。品質検査から梱包までの作業は、クリンルーム内で行われるのが膜モジュール表面への塵挨の付着を防ぐことができるので好ましい。極性溶媒は、膜モジュールの被処理液体流路容積に対して20〜100%、好ましくは50〜100%注入されるのが好ましい。
極性溶媒としては、誘電率が10以上の極性溶媒が好ましく用いられる。このような極性溶媒を例示すれば、メタノール、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール、水、アセトニトリル、アセトン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を挙げることが出来る。
膜モジュールの被処理液体流路に極性溶媒を溜めた状態で、膜モジュールを輸送すると、膜モジュールが摩擦や剥離作用によって帯電した場合にも、フッ素樹脂多孔質膜やハウジングに帯電した電荷が極性溶媒によって中和されるため、膜モジュールの帯電圧を低くすることができる。
【0019】
本発明の第二の輸送方法では、膜モジュールは導電性フィルムから成る梱包袋に入れて密封されて輸送される。さらに詳しく説明すれば、膜モジュールは、品質検査終了後、必要なら膜モジュールの外側表面を洗浄処理された後、導電性フィルムから成る梱包袋に入れて密封され、必要ならダンボール箱等に箱詰めされて輸送される。品質検査から梱包までの作業は、クリンルーム内で行われるのが膜モジュール表面への塵挨の付着を防ぐことができるので好ましい。
【0020】
導電性フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド等の通常の包装用フイルムにカーボンブラック、金属粉を練り込んだものや、ポリエチレングリコール系、ポリエチレンオキサイド系等の帯電防止剤を練り込んだり表面に塗布したもの等で、表面抵抗が1012Ω以下のフイルムが好ましく用いられる。また、アルミ箔等の金属箔や、金属繊維、カーボン繊維等の導電繊維を織り込んだ織布、不織布、メッシュ、ネット等を導電層として含んだシート材料も使用できるが、この場合には塵挨等を通さない仕様であることが、膜モジュール表面への塵挨の付着を防止する意味で好ましい。
導電性フィルムは、所定の形状にカットされた後、融着又は接着により袋状に成形される。膜モジュールを入れて密封する方法は、袋内への塵挨の侵入を防げる方法であれば特に限定されないが、超音波融着機、熱融着機等により開口部を融着するのが好ましい。この際、袋内の空気を脱気して真空パックを行えば、輸送時に膜モジュールが袋内で移動することがなく、膜モジュールと袋との摩擦帯電を防止できるので好ましい。
【0021】
本発明の輸送方法は、フッ素樹脂多孔質膜がフッ素樹脂製ハウジングに収納された膜モジュールに対して適用されるが、本発明の制電性膜モジュールに対して適用するのが好ましい。本発明の制電性膜モジュールは、モジュール自体が優れた制電性を有しており、従来の輸送方法も適用できるが、本発明の輸送方法を採用することにより、より高レベルな制電効果を達成できる。
【0022】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0023】
比較例1
直径140mm、長さ300mmのPTFE製ハウジングに、内径1.7mm、外径3.1mm、長さ3mのePTFEチューブを60本束ねて収納し、フッ素樹脂製膜モジュールを作製した。ePTFEチューブの製造方法は特開平7−213880号公報中の実施例1に記載された方法による。
【0024】
実施例1
比較例1の膜モジュールのハウジングチャンバー部の略中央部に厚さ70μmのタックメディカル社製アルミ粘着シート(Sケシネーマ #50)を23.2×45mmの大きさにカットして、アルミ箔の片面に設けられた粘着材により貼り付け、図1、2に示した制電性膜モジュールを作成した。該アルミ粘着シートのカバー率(ハウジングの全表面積に占める割合)は63%だった。
前記アルミ粘着シートは3層構造からなり、アルミ箔の裏面(ハウジングとの接着面)に粘着剤層が積層され、表面にポリエステルフィルム層が積層されている。
【0025】
実施例2
実施例1の制電性膜モジュールのアルミ粘着シート(タブ部分)にアース線を取り付けて接地した。
【0026】
実施例3
比較例1の膜モジュールの被処理液体流路に超純水を満たし、液体入口と液体出口にプラグをねじ込んで栓をした。
【0027】
実施例4
比較例1の膜モジュールを帯電防止処理フイルム(四国化工株式会社製 アプトスタットHA−T:膜厚100μm、表面抵抗109〜1010Ω)で包装し、開口部を減圧しながらヒートシールした。
【0028】
比較例2
比較例1の膜モジュールを帯電防止処理をしていない通常のポリエチレンフイルム(東和化工株式会社製 クリーンフイルム:膜厚100μm)で包装し、開口部を減圧しながらヒートシールした。
【0029】
上記実施例、比較例で得られたサンプルの表面を綿製不織布(旭化成社製 BEMCOT 20mm×20mm)で20回摩擦(実施例1〜3、比較例1はチャンバー部分、実施例4、比較例2はチャンバー部分を包装袋の上側から摩擦)した後、チャンバー表面とチューブ束表面の帯電圧を測定した。実施例4、比較例2は、摩擦後袋を開封し、膜モジュールを袋から取り出して測定した。帯電圧はプロスタットコーポレーション社製PFM−711A エレクトロスタティックフィルドメーターを用いて測定した。その測定結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、フッ素樹脂多孔質膜をフッ素樹脂性にハウジングに収納させた構造の膜モジュールに見られた静電気の放電による多孔質膜の損傷の問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制電性膜モジュールを示す図である。
【図2】本発明の制電性膜モジュールの説明断面図である。
【図3】本発明の制電性材料の断面を示す説明断面図である。
【符号の説明】
1 フッ素樹脂製ハウジング
2 制電性材料
2a:プラスチックフィルム層
2b:導電層
2c:粘着材層
3 タブ
4 液体入口
5 液体出口
6 ガス供給口
7 ガス排出口
8 チューブ束
9 チューブ接続部材
10 ハウジングエンドキャップ
11 チャンバー
Claims (7)
- フッ素樹脂多孔質膜をフッ素樹脂製ハウジングに収納させた構造の膜モジュールであって、該ハウジングの外表面の全面又は一部の面に導電層を有する制電性材料を被覆しており、該制電性材料が接地されていることを特徴とするガス溶解または脱気制電性膜モジュール。
- 該制電性材料が該導電層の表面にプラスチックフィルムを積層させた材料である請求項1に記載のガス溶解または脱気制電性膜モジュール。
- 該導電層がアルミニウム製フィルムである請求項1または2に記載のガス溶解または脱気制電性膜モジュール。
- 該フッ素樹脂多孔質膜が多孔質ポリテトラフルオロエチレン製チューブである請求項1〜3のいずれかに記載のガス溶解または脱気制電性膜モジュール。
- 該フッ素樹脂製ハウジングの材質がポリテトラフルオロエチレン又はポリテトラフルオロエチレンとエチレン系不飽和単量体との共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載のガス溶解または脱気制電性膜モジュール。
- 該膜モジュールが被処理液体にオゾンガスを溶解させるオゾンガス溶解モジュールである請求項1〜5のいずれかに記載のガス溶解または脱気制電性膜モジュール。
- 該膜モジュールが被処理液体から溶存ガスを除去する脱気モジュールである請求項1〜5のいずれかに記載のガス溶解または脱気制電性膜モジュール。
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