JP2000246064A - 気体溶解モジュール - Google Patents

気体溶解モジュール

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JP2000246064A
JP2000246064A JP11049962A JP4996299A JP2000246064A JP 2000246064 A JP2000246064 A JP 2000246064A JP 11049962 A JP11049962 A JP 11049962A JP 4996299 A JP4996299 A JP 4996299A JP 2000246064 A JP2000246064 A JP 2000246064A
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gas
porous hollow
hollow fiber
liquid
module
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JP11049962A
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Shinichi Kanazawa
進一 金澤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膜を介して液体への気体の溶解を行う多孔質
中空糸を多数束ねて外筒に収納してなる気体溶解モジュ
ールに関する。 【構成】 多孔質中空糸を多数束ねて外筒内に収納し、
多孔質中空糸内或いは多孔質中空糸と外筒の空間のいず
れか一方に液体を流し、他方に気体を流すことで該液体
中への該気体を溶存させる気体溶解モジュールにおい
て、外筒と多孔質中空糸の隙間にできる空間を実質的に
無くするか、各多孔質中空糸間にできる隙間をモジュー
ル端部の封止部より狭くした気体溶解モジュール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜を介して液体へ
の気体の溶解を行う多孔質中空糸を多数束ねて外筒に収
納してなる気体溶解モジュールに関する。特に気体溶解
効率を50%以上に高めた高性能な気体溶解モジュール
に関する。
【0002】
【従来の技術】気体を液体に溶解させるには、液体中に
気体をバブリングする曝気システムなどが浄水システム
等で利用されてきたが、より効率の良い方法として、多
孔質膜を介したものがある。近年新しい半導体分野の洗
浄プロセスに使用されるつつあるオゾン溶解超純水の製
造等では、気泡の混濁が問題となるため専らこのような
多孔質膜による気体溶解法が用いられ、特に多孔質中空
糸を多数束ねて収納した気体溶解モジュールは、その単
位体積当たりの溶解効率が高い点でメリットがある。本
モジュールでは、多孔質中空糸の内外面の一方に超純水
を流し、他方にオゾンガスを流すことで、膜を介してオ
ゾンを効率的に超純水に溶かすことができる。
【0003】特にこのオゾン水製造用途では、モジュー
ルにはオゾンの非常に大きい酸化力に耐えうる材質とし
て、フッ素樹脂が用いられる。特に四弗化エチレン樹脂
(以下、PTFEと略記)は、耐薬品性、耐熱性などの
材質的に優れた特徴と、均一で微細な多孔質構造を持
ち、しかも撥水性であるために、多孔質中空糸としては
最適である。また、モジュールの他の部分、外筒や端末
封止部には、これに準ずる耐オゾン性を示す弗化ビニリ
デン樹脂(以下、PVdFと略記)や四弗化エチレン−
六弗化プロピレン共重合体(以下、FEPと略記)が用
いられてきた。
【0004】気体溶解用途では生成したガス溶解液のガ
ス溶存濃度だけでなく、溶解しなかったガスの量が問題
になることが多い。特にオゾン溶解水の場合、酸化力の
非常に強いオゾンの排ガスをそのまま排気することはで
きないために余ったガスは排ガス処理装置にて吸着する
か又は酸素に還元する必要がある。このため、オゾン水
製造システムにおいては気体溶解モジュールはできるだ
けフィードされたオゾンガスのうち溶解したガスの割
合、即ちガス溶解効率を高くすることがシステムの寿命
を勘案すれば非常に重要になってくる。
【0005】気体溶解モジュールにおけるガス溶解効率
を高めるには、当然モジュール内に多孔質中空糸をでき
るだけ多数収納することになる。発明者は既に特開平5
−57153号公報記載の方法で多数の多孔質中空糸を
束ねるモジュール製造技術を確立してきた。しかし、1
00本程度を束ねた比較的溶解能力の小さいモジュール
に対して、1000本を越える多くの多孔質中空糸を束
ねてなるモジュールは十分な膜面積を収納しているにも
かかわらず期待通りの性能を発揮できないことがわかっ
た。
【0006】その一例として、内径1mmφのPTFE多
孔質中空糸100本を有効長50cmで収納したモジュー
ルAに対して、同じPTFE多孔質中空糸1000本を
有効長75cmで収納したモジュールBとの比較では、モ
ジュールBの膜面積はAの15倍であるにもかかわら
ず、同じ水流量で比較したオゾン溶解濃度、同じオゾン
溶解濃度で比較した水処理量はいずれもせいぜい2〜3
倍にしかならなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PT
FE中空糸の膜面積を増加させた場合において、十分な
液体への気体溶解効率を有する気体溶解モジュールを提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この問題に
関して、気体或いは液体の流路となる多孔質中空糸内
腔、多孔質中空糸同士の隙間及び外筒と多孔質中空糸の
束に挟まれた空間に着目して、鋭意研究を重ねた結果、
外筒と多孔質中空糸束の隙間にできる空間を実質的に無
くすること及び/又は多孔質中空糸同士の隙間を狭くす
ることにより、膜面積を増加させた場合においても、非
常に高い溶解効率をもつ気体溶解モジュールが得られる
ことを見いだしたものである。以下に本発明について、
詳細を述べる。
【0009】本発明の目的に供される多孔質中空糸は、
延伸法、抽出法等で可能であるが、特によく用いられる
PTFE多孔質中空糸は、例えば以下のような技術で製
造することができる。まず、押出工程でPTFEパウダ
ーと潤滑剤の混合ペーストをシート状やチューブ状に押
出し、必要に応じて圧延し、次に延伸を行う。この工程
で、押出しで圧着された樹脂パウダー同士が延伸により
離れて裂けるようにしてできた亀裂状の孔間に糸を引く
ように繊維が延伸方向に形成される。この後または同時
に少なくともPTFEの融点327℃以上に加熱し、焼
結することでPTFE多孔質中空糸を得ることができ
る。その他、本発明の目的に鑑みれば、PTFEパウダ
ーやディスパージョン液に溶媒や溶液に可溶な粒子を混
練して成形し、あとで可溶粒子を溶解して多孔質化した
四弗化エチレン樹脂多孔質中空糸やこれに延伸を組み合
わせたものを使用することも可能である。
【0010】本発明を構成する多孔質中空糸は、基本的
には液体を膜の一方に保持する役目を担い、かつ気体の
みを透過するものである。この目的から本発明を構成す
るPTFE多孔質中空糸は、前述のような数10%以上
の気孔率をもち、かつ耐水圧が0.1MPa以上、望ま
しくは0.25MPa以上、更に望ましくは0.4MP
a以上の十分高いものが適している。
【0011】次に本発明の目的に供される端末封止剤及
び外筒に用いる材質は特に限定されないが、オゾン溶解
用途などでは前述のようにフッ素樹脂が用いられ、前述
のFEP次いでPVdFが適しており、さらにオゾン曝
露が比較的少ない部分には、四弗化エチレンパーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAと記
す)、エチレンフルオロエチレン共重合体(以下、ET
FEと記す)、フッ素ゴムなどが利用できる。
【0012】多孔質中空糸の束と端末封止剤、外筒を一
体化せしめる方法としては、多孔質中空糸を束ねた後、
外筒に収納し加熱や溶剤混入、或いは硬化前で十分低粘
度の状態の封止剤を束の隙間に含浸する方法や、或いは
PTFE多孔質中空糸とフッ素樹脂を用いる場合には特
開平5−57153号公報記載の方法等で一体化させる
ことができる。
【0013】より具体的には、例えばPTFE多孔質中
空糸に支持棒を挿入し、これに短いFEP無孔質チュー
ブを外挿したものを多数束ね、FEPの融点以上、PT
FEの融点以下に加熱した状態でこれを圧縮して全体を
一体化する。こののち、支持棒を抜き去り両端部の一部
を切断して多孔質中空糸を開口させて両端に端末封止部
をもった多孔質中空糸の束を得ることができる。
【0014】このようにして得た多孔質中空糸の束を外
筒内に挿入し、両端を封止することで気体溶解モジュー
ルは完成するが、先にも述べたように気体の溶解効率が
20〜30%と低い、比較的膜面積の少ないモジュール
の場合に比べて、本発明が目的とする溶解効率が50%
を越えるような大容量の膜面積を有するモジュールで
は、その膜面積比に相当する能力を発揮できなかった。
本発明はこの課題に対して発明者が鋭意研究した結果生
まれたものであり、その経緯について以下に説明する。
【0015】気体溶解モジュールに限らず、一般に膜を
介して物質を透過して処理する分離膜では、その処理す
る面である膜面積の量が性能を左右するもっとも大きな
要因と考えられる。本発明の目的でもそれは変わらず、
多孔質中空糸の中に液体を、外側に気体を流した場合、
気体が液体に溶解するのは多孔質中空糸の内表面であ
り、この面積が広いほど、モジュール1台当たりの溶解
効率は高くなるはずである。
【0016】モジュールの性能を決めるもう一つの要因
である気体及び液体の圧力損失においては一般的にはで
きるだけ低く押さえることが重要である。即ち液体や気
体が気液界面に対してよどむことなく十分供給できるよ
うにする。
【0017】前出の例で同じ内径1mmのPTFE多孔質
中空糸を有効長50cmで100本束ねたモジュールAと
有効長75cmで1000本束ねたモジュールBでは、膜
面積比では15倍モジュールBの方が大きい。圧力損失
の面でも多孔質中空糸束の収束した密度は同程度で大型
である分むしろモジュールBの方が圧力損失は小さいに
も関わらず、例えば25℃で10%オゾンガスを常圧で
1時間当たり0.35リットル多孔質中空糸外側に流
し、多孔質中空糸内に水を毎分3リットル流したときの
溶解効率すなわち25℃で定常状態になったときの超純
水中のオゾン濃度をを測定し、溶けたオゾンガス量のオ
ゾンガス供給量に対する割合は、モジュールAで約25
%、モジュールBでも55%程度とたった2倍程度しか
溶解効率は改善しないことがわかった。
【0018】本発明者は、この原因の解明に鋭意努力し
た結果、これらのモジュールで供給された気体が効率的
に溶解しない原因がモジュールの外筒構造にあることを
見出し本発明に至った。即ち本発明によって、多孔質中
空糸を多数束ねて外筒内に収納し、多孔質中空糸内或い
は多孔質中空糸と外筒の空間のいずれか一方に液体を流
し、他方に気体を流すことで該液体中への該気体を溶存
させる気体溶解モジュールにおいて、外筒と多孔質中空
糸束の隙間にできる空間を実質的に無くすることを特徴
とした気体溶解モジュールである。
【0019】また、同様に、多孔質中空糸を多数束ねて
外筒内に収納し、多孔質中空糸内或いは多孔質中空糸と
外筒の空間のいずれか一方に液体を流し、他方に気体を
流すことで該液体中への該気体を溶存させる気体溶解モ
ジュールにおいて、両端末封止部間の中空糸束部分にお
ける各多孔質中空糸間にできる隙間を、モジュール端部
の封止部における各多孔質中空糸間にできる隙間よりも
狭くすることにより、同様の効果が得られることを見出
した。
【0020】具体的には、外筒と多孔質中空糸の束の間
の空間にスペーサーを挿入することで実現する事が可能
である。さらに、多孔質中空糸の束に沿ってその周囲を
覆うスリーブを外筒内に設け、多孔質中空糸束と該スリ
ーブの隙間の空間を、液体或いは気体を流す流路とする
ことで、外筒の大きさの制約を受けずに実現することが
可能である。さらに、端末封止部を除く外筒の多孔質中
空糸束を内包する部分の内断面積を端末封止部を内包す
る内断面積よりも小さくすることで、より効果をあげる
ことが可能である。
【0021】まず一般的によく使用される方式である多
孔質中空糸の外側に気体を、多孔質中空糸の内腔に液体
を流す場合について考える。多孔質中空糸内に供給され
る液体における濃度変化は、モジュールに入ってきたと
きは多くの場合ほぼ0である。この濃度はモジュール内
を流れる間に徐々に上昇していき出口付近で最高濃度と
なる。一方、気体はモジュールに入った直後は供給され
たと同じ高濃度であるが、多孔質中空糸束を含む外筒内
で拡散し、液体内に取りこまれた分濃度は出口で低くな
ってしまう。
【0022】気体が液体に溶解する現象は、気相におけ
る気体の分圧と液体の気液境界面近傍の気体の濃度差に
よって受動的に起こるため、この濃度差が大きいほど効
率は高くなる。気体が多孔質中空糸の内表面にある気液
界面に十分拡散するように配置された従来のモジュール
では、液体がモジュールに入ってくる部分ではこの濃度
差が十分あるものの液体中の気体の溶存濃度が上がって
いるモジュールを出る付近では小さい濃度差しか得られ
ない。
【0023】このため、一般には気体の供給口と液体の
供給口は逆方向に設けるが、発明者の検討ではこれだけ
では全く不十分であることがわかった。気体を液体と逆
方に流す効果よりもむしろ気体の拡散の方が早く、上記
のように気体の濃度はモジュールの気体入り口付近のみ
若干濃いだけであとの部分は出口付近の濃度と差が無い
状態となってしまう。
【0024】本発明で供されるモジュールでは、この点
を改良するために、モジュールの多孔質中空糸束と外筒
の間にできる隙間を無くし、さらには各多孔質中空糸内
の内断面積の合計と同等かそれ以下になるように多孔質
中空糸束を小さく圧縮し、この狭められた中空糸束の隙
間のみを流路とすることを特徴としている。
【0025】このようにすることで先程の例では、気体
が狭められた空間を拡散することなく、既に気体を高濃
度で溶存させている液体のモジュール出口付近でもっと
も高濃度な気体が供給され、液体の入り口付近では低濃
度の気体が供給されることになるが、この時点では液体
中の溶存気体濃度はほぼ0なので濃度差が生じて気体の
溶存が起こし得る。
【0026】これらを具体化したものとして、外筒と多
孔質中空糸束の間にその隙間を実質的に無くするため、
多孔質中空糸束を圧縮収束して外側の流路を狭めるスペ
ーサーを挿入する方法がある。
【0027】このスペーサーは実質的に外筒内の余分な
空間を埋めるという目的から考えて充実体でも良いが、
モジュール総重量を軽くする目的で発泡体や空洞体でも
良い。さらには多孔質中空糸束を外筒に挿入する際の利
便性を考えて外部からのガス注入で大きさを変えうる風
船体、或いは可撓性のものでもよく、導入コストと利便
性を勘案してこれらのうちから選択することができる。
また材質については、用途にもよるが例えばオゾン溶解
用途のように耐酸化性が必要な場合にも対応できること
を考慮すれば、フッ素樹脂、特にPTFEやFEPを使
用することが望ましい。
【0028】図1に示すような直線的に多孔質中空糸束
を配置したモジュールの場合は、スペーサーを挿入する
方法が簡便に応用できるが、図2に示したような長い多
孔質中空糸束を折り畳むか或いは螺旋状に収納した場合
には、実質的に多孔質中空糸の束の周囲に密着するよう
に包むスリーブを設け、このスリーブの中の多孔質中空
糸束に沿って気体を流す方法が有用となってくる。即ち
多孔質中空糸束の収納形状に依存しないため、比較的少
数で長さの長い多孔質中空糸束をコンパクトに収納する
場合に有効である。
【0029】このスリーブは、モジュール製造工程にも
よるが、外筒と一体化する前に予め端末を多孔質中空糸
束両端に設ける場合には、端末封止部を形成する前に予
め多孔質中空糸束を収束しうる径の気体透過性のないチ
ューブにて被覆しておけばよいが、更に望ましくは、加
熱によって径や形状をを変化しうる熱収縮チューブを利
用できる。特に、オゾン溶解用途においては、FEPの
熱収縮チューブの使用が望ましい。
【0030】すなわち、図3に示すように、収縮前に多
孔質中空糸束より少し長めの収縮チューブを多孔質中空
糸束から両端端末封止部の一部にかかるように被覆した
後、所望の径に収縮させて多孔質中空糸束を収束させる
と同時に両端末ごと被覆することで収縮チューブ内に閉
空間を設け、ここに多孔質中空糸外側流路用の導入口と
排出口を設けることで、気体や液体を多孔質中空糸束周
囲に限定された狭められた空間のみに流すことが可能に
なる。
【0031】さらに、図3に示すように螺旋状に収納す
る場合、或いは外筒内で何度か折り返して収納する場合
には、スリーブで覆った中空糸束を曲げる必要が生じ
る。この際、一般に多孔質中空糸はしなやかでかつ束径
に対して十分細いため曲げに対して座屈することは少な
いが、スリーブは気体に対して気密性が必要であるため
どうしても固くなり直管状では曲げにくいという問題が
生じるが、スリーブを蛇腹状とすることで容易に曲がる
ようになり収納性を高くすることができる。
【0032】特にスリーブに収縮チューブを使用する場
合には、収縮時に部分的に加熱して徐々に曲げていくこ
とも可能ではあるが、蛇腹状の薄いパイプをスリーブと
中空糸束の間に入れたのちに収縮させれば全体として蛇
腹状にすることが可能であり、さらに簡便には、容易に
曲がる細い棒状或いは管状の樹脂棒等を中空糸束の周囲
に螺旋状に巻き付けて、その上から収縮チューブを被せ
て収縮させれば、樹脂棒の存在する部分が凸部になった
螺旋状の蛇腹形状に被覆した収縮チューブを成形するこ
とが可能である。
【0033】また、端末封止部を除く外筒の多孔質中空
糸束を内包する部分の内断面積を端末封止部を内包する
内断面積よりも小さくすることでも同様の効果を得るこ
とができる。この場合は、モジュール端末封止部を形成
する前に、例えば長軸方向の中央部分が狭い鼓型の内径
を持つ外筒を多孔質中空糸束の外側に装着しておけばよ
いが、製造工程に若干の制約を与える。
【0034】以上のような方法で実現される多孔質中空
糸外面側の流路の制限、特に端末封止部を除く外筒の多
孔質中空糸束を内包する部分の内断面積を端末封止部を
内包する内断面積よりも小さくする割合については、多
孔質中空糸束の収束度が重要になってくる。即ち、本特
許の目的に供されるモジュールにおける多孔質中空糸束
は束全体が占める空間体積のうち50%以上を中空糸が
占めることが望ましい。さらに望ましくは80%以上で
ある。
【0035】しかし、端末成形においてはその多孔質中
空糸間が狭くなればなるほど成形が困難になるため、特
に極めて溶融粘度の高いフッ素樹脂等の適用を考えた場
合、収束度を上げるのが技術的に限界がある。本特許に
おける端末封止部を除く外筒の多孔質中空糸束を内包す
る部分の内断面積を端末封止部を内包する内断面積より
も小さくすることは、収束度をさらに上げることを目的
としている。
【0036】収束度が90%を越えてくると多孔質中空
糸外側の流路の断面積は極端に小さくなってくるが、一
般に中空糸外面側に気体を流す場合には、モジュールへ
の気体の導入口はせいぜい直径10mm、大きくても直径
20mm以下である。従って、束の本数や多孔質中空糸外
径にもよるが、相当な収束度であっても気体の流入を妨
げるに至らない。具体的には、圧力損失を考える場合に
適用される水力相当直径がこの導入管の径以下になり気
体の流入を阻害しない範囲で可能な限り収束度を上げる
ことが望ましい。
【0037】
【実施例】以下、本発明について、実施例および比較例
を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例のみに限定されるものではない。
【0038】(実施例1)多孔質中空糸としては、内径
1mm外径2mm気孔率40%内外面の繊維長が平均約10
μの多孔質体中空糸を使用した。このPTFE多孔質中
空糸の中に外径1mmφのPTFE支持棒を挿入し、さら
にPTFE多孔質中空糸の両端に一つずつ、内径2mm外
径3mm長さ6cmの管状FEPを外挿した。このPTFE
多孔質中空糸の1000本束ねた端部の管状FEPの周
囲に幅5cmのFEPシートを3重に巻き付けて配置し、
この端部を300℃に加熱してFEPを溶融させた状態
で圧縮してPTFE多孔質中空糸と管状FEP、管状F
EP同士、及び管状FEPとFEPシート等の隙間を無
くし円筒形に成形した。
【0039】さらに他端を同様にして成形した後、両端
から1cmの部位で束の長軸方向に平行な面で切断し、P
TFE支持棒を抜き去って、直径約8cmに収束し長さが
75cmのPTFE多孔質中空糸束部分と、その両端に、
PTFE多孔質中空糸束の存在する部分直径約8cmの円
の周囲に1cmのFEP無孔質部分をもつ直径10cm高さ
4cmの端末封止部をもつ多孔質中空糸束端末封止部一体
化品を得た。
【0040】スペーサーとして長さ75cm外径10cm内
径8cmのPTFE円筒を縦に半断して、この一体化品の
多孔質中空糸束部分周囲にに被せた後に、外径11cm内
径10cm長さ約1mのPTFE製外筒に挿入し、両端の
切断断面の1cm幅のFEP無孔質部分にシール材をあて
て多孔質中空糸内の内腔の流路に繋がる孔を持った外筒
の蓋を両端に被せて封止した。多孔質中空糸束の有効長
部分の端部から1cmの外筒の位置にスペーサーごと貫通
する1cm孔をモジュール両端に開けて多孔質中空糸外側
の流路の出入口としたモジュールとしたものを実施例1
とした。
【0041】(実施例2)スペーサーの内径を7cmとし
て、両端部から2cmの部分を内径8cmから7cmにテーパ
ー状に加工し端末封止部における中空糸束が存在する径
を8cmを、モジュールの有効長部分で直径7cmまで狭め
たこと以外は実施例1と同様にして、実施例2を得た。
【0042】(比較例1)実施例1のスペーサーを入れ
なかった以外は実施例1と同様にして、比較例1とし
た。
【0043】(実施例3)PTFE多孔質中空糸の本数
を300本、有効長を2.5mとし、端末封止部をPT
FE多孔質中空糸の存在する部分の径45mm外径55mm
高さ4cmとした以外は実施例1と同様にして、多孔質中
空糸束端末封止部一体品を得た。
【0044】上記一体化品に収縮前内径55〜56mm長
さ2.6mのFEP製収縮チューブを両端端末封止部に
かかるように被覆したものを、外径230mm内径220
mm高さ350mmの短円筒状の外筒に、図3に示すように
螺旋状に収納できるように収縮チューブを加熱収縮する
と同時に形を整えるようにして端からドライヤーで加熱
した。このときの収縮径は端末封止部にかかる部分は密
着して一体化する端末部径と同じ直径55mm、多孔質中
空糸束の有効長部分では直径43mm程度とした。
【0045】多孔質中空糸束の有効長部分の両端部には
予め収縮チューブを貫き多孔質中空糸束内に通じ収縮チ
ューブ内で広がる鍔状構造を持つパイプを配置しておき
これを加熱収縮時に一緒に固定した。このパイプと外筒
を貫くパイプを接続し、このパイプを収縮チューブ内面
と多孔質中空糸束の外面に囲まれる閉空間流路への出入
口とし、外筒の両端に被せた蓋ともう一つの流路用の開
口部分と端末封止部を一体化してモジュールとしたもの
を実施例3とした。
【0046】(比較例2)収縮チューブを使用しなかっ
た以外は実施例3と同様にして比較例2とした。
【0047】以上の実施例1〜3、比較例1〜2の構
成、及びオゾン溶解効率について評価した結果を以下の
表1にまとめた。溶解効率は、モジュールの多孔質中空
糸内腔に超純水を毎分3リットル、多孔質中空糸外に約
10%オゾンガスを常圧で毎時0.35リットルで流
し、室温25℃で定常状態になったときの超純水中のオ
ゾン濃度を測定し、溶けたオゾンガス量のオゾンガス供
給量に対する割合を計算した。
【0048】実施例ではいずれも実用レベルにおいて望
まれる溶解効率70%以上の値を達成しているが、比較
例では収納している多孔質中空糸の膜面積はほぼ等しい
にも関わらず溶解効率は50%程度であった。また、オ
ゾン溶解濃度が定常状態に安定するまでにかかる時間も
実施例では10〜15分であるのに対して、比較例では
1時間前後の時間が必要であった。
【0049】
【表1】
【0050】表中、「有効長部分の中空糸束周囲の径」
とは、中空糸束を含む中空糸膜外側の流路の径であり、
実施例1、2では挿入されたスペーサーの内径、実施例
3では熱収縮チューブによるスリーブの内径に等しく、
比較例1、2では外筒の内径に等しい。オゾンガスはこ
の径の中空糸束の断面積を減じた流路を流れることにな
り、本発明ではこれを、表中の「端末封止部の中空糸束
部分の径」と等しいか、望ましくは実施例2、3のごと
く狭めることを特徴としている。
【0051】
【発明の効果】以上に示したように、本発明の気体溶解
モジュールは、非常に高い気体溶解性を有する。実施例
では、モジュール能力に対して比較的液体流量が低い場
合を例示している。即ち、気体の液体への溶解効率は水
流量が大きいほど高くなるため、実施例のモジュールは
液体流量が5〜10リットルの範囲では80%を悠に越
える溶解効率を得られると推定される。
【0052】さらに実施例では液体中の気体溶存濃度が
安定するまでの時間が比較例の1時間に比べて10分程
度と圧倒的に短かった。これは比較例では外筒内に余分
な空間があるために予めそこにある空気を還流してしま
うのに多大な時間がかかるためであり、実施例ではこれ
がないために速やかなガス交換が可能である。実際の使
用を考えたとき、実施例のオゾン溶解水の場合でも使用
する前の前運転時間が短縮できることは作業時間の短縮
以外に使用できずに捨てる排オゾン溶解水及び排オゾン
ガスを5分の1に減少させることが可能であり、コスト
やメンテナンスの上で有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気体溶解モジュールの構造の一例を示
す模式図であって、中空糸束を直線的に配置してスペー
サーを設けた場合のものである。
【図2】本発明の気体溶解モジュールの構造の一例を示
す模式図であって、中空糸束を螺旋状に配置してスリー
ブを被覆した場合のものである。
【図3】本発明の気体溶解モジュールの構造の一例の一
部を示す模式図であって、中空糸束を螺旋状に配置して
スリーブを被覆した場合のもの端末部分を示す図であ
る。
【図4】本発明の気体溶解モジュールの構造の一例を示
す模式図であって、外筒の中央部を狭めた例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1:多孔質中空糸の束 2:端末封止部 3:外筒 4:スペーサー 5:スリーブ 6:多孔質中空糸内腔側流路の入り口 7:多孔質中空糸内腔側流路の出口 8:多孔質中空糸外面側流路の入り口 9:多孔質中空糸外面側流路の出口 10:多孔質中空糸内腔側流路内の流れを示す矢印 11:多孔質中空糸外面側流路の流れを示す矢印 12:スリーブ内に通じるパイプ 13:多孔質中空糸の端面開口部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質中空糸を多数束ねて外筒内に収納
    し、多孔質中空糸内或いは多孔質中空糸と外筒の空間の
    いずれか一方に液体を流し、他方に気体を流すことで該
    液体中への該気体を溶存させる気体溶解モジュールにお
    いて、外筒と多孔質中空糸束の隙間にできる空間を実質
    的に無くすることを特徴とする気体溶解モジュール。
  2. 【請求項2】 多孔質中空糸を多数束ねて外筒内に収納
    し、多孔質中空糸内或いは多孔質中空糸と外筒の空間の
    いずれか一方に液体を流し、他方に気体を流すことで該
    液体中への該気体を溶存させる気体溶解モジュールにお
    いて、両端末封止部間の多孔質中空糸束部分における各
    多孔質中空糸間にできる隙間を、モジュール端部の封止
    部における各多孔質中空糸間にできる隙間よりも狭くし
    たことを特徴とする気体溶解モジュール。
  3. 【請求項3】 外筒と多孔質中空糸の束の間の空間にス
    ペーサーを挿入することを特徴とする請求項1、2に記
    載の気体溶解モジュール。
  4. 【請求項4】 多孔質中空糸の束に沿ってその周囲を覆
    うスリーブを外筒内に設けることを特徴とする請求項
    1、2に記載の気体溶解モジュール。
  5. 【請求項5】 端末封止部を除く外筒の多孔質中空糸の
    束を内包する部分の内断面積を端末封止部を内包する内
    断面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項1、2
    に記載の気体溶解モジュール。
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