JP2000033245A - フッ素樹脂複合膜及びその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂複合膜及びその製造方法

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JP2000033245A
JP2000033245A JP11022289A JP2228999A JP2000033245A JP 2000033245 A JP2000033245 A JP 2000033245A JP 11022289 A JP11022289 A JP 11022289A JP 2228999 A JP2228999 A JP 2228999A JP 2000033245 A JP2000033245 A JP 2000033245A
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porous membrane
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Shinichi Kanazawa
進一 金澤
Toru Morita
徹 森田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気液分離膜、気体溶解膜、気体交換膜などの
高機能分離膜として有用なフッ素樹脂複合膜及びその製
造方法を提供すること。 【解決手段】 四フッ化エチレン樹脂からなる多孔質膜
(A) の少なくとも一層とフッ素樹脂からなる非多孔質膜
(B) の少なくとも一層とが一体化してなる多層構造を含
有するフッ素樹脂複合膜、その製造方法、及び該フッ素
樹脂複合膜を用いた分離膜モジュール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素樹脂複合膜
及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、気液分離
膜、気体溶解膜、気体交換膜などの高機能分離膜として
有用なフッ素樹脂複合膜及びその製造方法に関する。ま
た、本発明は、このようなフッ素樹脂複合膜をモジュー
ル化した分離膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】超純水、分析用試薬、半導体デバイスの
洗浄液などの各種液体において、気泡の発生や空気の溶
解による変質などが問題となることが多い。そこで、従
来、液体中に溶解ないしは懸濁している気体を分離除去
するために、気液分離膜(脱気膜)が使用されている。
特に、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)からなる多孔
質膜は、素材自体の持つ優れた耐薬品性、耐熱性などの
特性に加えて、均一で微細な多孔質構造を有し、かつ、
撥水性であるために、水系液体の脱気、あるいは逆に、
水系液体への気体溶解膜として使用されている。
【0003】このような多孔質膜を気液分離膜として使
用するには、多孔質膜により気相と液相とを仕切るとと
もに、液相に陽圧を加えるか、気相に陰圧を加えるか、
あるいはこれらを併用することにより、液相中の気体を
多孔質膜を透過させて気相中に排出する。多孔質膜を気
体溶解膜として使用する場合は、前記とは逆に、気相に
陽圧を加えるか、液相に陰圧を加えるか、あるいはこれ
らを併用することにより、気相中の気体を多孔質膜を透
過させて液相中に溶解または懸濁させる。したがって、
このような用途に使用される分離膜には、気相と液相と
の間に加えられる圧力差(膜間差圧)に十分に耐えるこ
とができる機械的強度と液体不透過性とを有することが
求められる。
【0004】しかしながら、従来のPTFE多孔質膜
は、液体を遮断できる膜間差圧が小さいため、例えば、
気液分離膜として用いた場合、液相にかける圧力を大き
くすると、液体が多孔質膜から漏れてしまう。気液分離
膜の膜間差圧が小さいと、液体から気体を十分効率よく
分離除去(脱気)することができない。したがって、従
来のPTFE多孔質膜は、高度の脱気が要求される分野
や高効率が要求される分野での使用には限度があった。
また、PTFE多孔質膜は、アルコールなどの有機溶剤
のように、表面張力の小さい液体に対しては、多孔質構
造の濡れによる液漏れが生じるため、使用することがで
きなかった。
【0005】従来、PTFE多孔質膜の気孔率を大幅に
減少させることにより、有機溶剤の漏れを防ぐ方法が提
案されている。しかしながら、この方法では、気孔率の
小さなPTFE多孔質膜の膜厚が大きいため、気体の透
過率が極めて小さくなり、実用的ではなかった。このP
TFE多孔質膜の膜厚を小さくすると、膜の機械的強度
が低下し、気液分離のための膜間差圧に耐えることがで
きなくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、気液
分離膜、気体溶解膜、気体交換膜などの高機能分離膜と
して有用なフッ素樹脂複合膜及びその製造方法を提供す
ることにある。特に、本発明の目的は、気体の透過率を
高めるために、膜間差圧を大きくしても液漏れや破裂を
生じることがなく、しかも有機溶剤などの表面張力の小
さな液体に対しても適用可能なフッ素樹脂複合膜及びそ
の製造方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、このような高性能のフッ素樹脂複合膜を用いた分離
膜モジュールを提供することにある。
【0007】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、PTFE多孔質膜にフ
ッ素樹脂の非多孔質膜(即ち、無孔質膜)を薄い層状に
複合化することによって、前記目的を達成できることを
見いだした。比較的気孔率の高いPTFE多孔質膜を支
持体(補強層)とし、薄いフッ素樹脂非多孔質膜を気体
の分離膜とすることにより、気体の透過率が大きく、か
つ、大きな膜間差圧に耐えることができ、さらには、有
機溶剤などの表面張力が小さな液体にも適用可能なフッ
素樹脂複合膜を得ることができる。
【0008】フッ素樹脂非多孔質膜は、PTFE多孔質
膜とフッ素樹脂非多孔質膜とを重ね合わせ、フッ素樹脂
の融点以上の温度に加熱して両者を一体化することによ
り得ることができる。両者の一体化物を加熱した状態で
少なくとも一軸方向に延伸する方法により、孔欠陥のな
い比較的薄いフッ素樹脂非多孔質膜を形成することがで
きる。また、延伸により、PTFE多孔質膜の気孔率を
高めることができる。PTFE多孔質膜及びフッ素樹脂
非多孔質膜は、フッ素樹脂複合膜の強度や製造方法の容
易性などを勘案して、それぞれ1層または2層以上配置
することができる。また、チューブ状のフッ素樹脂複合
膜の強度を向上させるために、外周に、フッ素樹脂から
なる糸を螺旋状または網状に付加的に配置することがで
きる。本発明のフッ素樹脂複合膜は、通常の方法により
分離膜モジュールとすることができるが、特に、フッ素
樹脂非多孔質膜の種類と封止材の材質を選択することに
より、高性能の分離膜モジュールを得ることができる。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、四フッ
化エチレン樹脂からなる多孔質膜(A) の少なくとも一層
とフッ素樹脂からなる非多孔質膜(B) の少なくとも一層
とが一体化してなる多層構造を含有するフッ素樹脂複合
膜が提供される。また、本発明によれば、(1) 四フッ化
エチレン樹脂からなる多孔質膜の少なくとも一層とフッ
素樹脂からなる非多孔質膜の少なくとも一層とを重ね合
わせ、(2) 該フッ素樹脂の融点以上の温度に加熱して両
者を一体化し、そして、(3) 所望により、一体化物を該
フッ素樹脂の融点以上の温度で少なくとも一軸方向に延
伸することを特徴とする四フッ化エチレン樹脂からなる
多孔質膜(A) の少なくとも一層とフッ素樹脂からなる非
多孔質膜(B) の少なくとも一層とが一体化してなる多層
構造を含有するフッ素樹脂複合膜の製造方法が提供され
る。
【0010】さらに、本発明によれば、(1) 支持棒の外
周上に、四フッ化エチレン樹脂からなるチューブ状の多
孔質膜をかぶせるか、あるいは、四フッ化エチレン樹脂
からなるシート状の多孔質膜を巻き付け、(2) その上
に、フッ素樹脂からなるシート状の非多孔質膜を巻き付
けた後、(3) 該フッ素樹脂の融点以上の温度に加熱して
両者を一体化し、次いで、(4) 支持棒を抜き去り、そし
て、(5) 所望により、一体化物を該フッ素樹脂の融点以
上の温度で少なくとも一軸方向に延伸することを特徴と
する外層から順に非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)の層構
成を持つ多層構造を含有するチューブ状のフッ素樹脂複
合膜の製造方法が提供される。
【0011】さらに、本発明によれば、(1) 支持棒の外
周上に、四フッ化エチレン樹脂からなるチューブ状の多
孔質膜をかぶせるか、あるいは、四フッ化エチレン樹脂
からなるシート状の多孔質膜を巻き付け、(2) その上
に、フッ素樹脂からなるシート状の非多孔質膜を巻き付
け、(3) さらにその上に、四フッ化エチレン樹脂からな
るチューブ状の多孔質膜をかぶせるか、あるいは、四フ
ッ化エチレン樹脂からなるシート状の多孔質膜を巻き付
けた後、(4) 該フッ素樹脂の融点以上の温度に加熱して
両者を一体化し、次いで、(5) 支持棒を抜き去り、そし
て、(6) 所望により、一体化物を該フッ素樹脂の融点以
上の温度で少なくとも一軸方向に延伸することを特徴と
する外層から順に多孔質膜(A2)/非多孔質膜(B1)/多孔
質膜(A1)の多層構造を含有するチューブ状のフッ素樹脂
複合膜の製造方法が提供される。
【0012】さらに、本発明によれば、(1) 支持棒の外
周上に、フッ素樹脂(b2)からなるシート状の非多孔質膜
を巻き付け、その上に、フッ素樹脂(b2)よりも低融点の
フッ素樹脂(b1)からなるシート状の非多孔質膜を巻き付
けるか、若しくは、フッ素樹脂(b2)からなる非多孔質層
と該フッ素樹脂(b2)よりも低融点のフッ素樹脂(b1)から
なる非多孔質層との2層構造を持つシート状の非多孔質
膜をフッ素樹脂(b1)からなる非多孔質層を外側にして巻
き付け、(2) その上に、四フッ化エチレン樹脂からなる
チューブ状の多孔質膜をかぶせるか、あるいは、四フッ
化エチレン樹脂からなるシート状の多孔質膜を巻き付け
た後、(3) フッ素樹脂(b1)の融点以上、フッ素樹脂(b2)
の融点以下の範囲内の温度に加熱して両者を一体化し、
次いで、(4) 支持棒を抜き去り、そして、(5) 所望によ
り、一体化物を前記範囲内の温度で少なくとも一軸方向
に延伸することを特徴とする、外層から順に、多孔質膜
(A1)/非多孔質膜(B1)/非多孔質膜(B2)の多層構造を含
有するチューブ状のフッ素樹脂複合膜の製造方法が提供
される。
【0013】さらに、本発明によれば、多数のチューブ
状膜の束、スパイラル状に巻き重ねたシート状膜、また
はプリーツ状に重ねたシート状膜をケース内に収納し、
末端を封止材により封止してなる構造を有する分離膜モ
ジュールにおいて、チューブ状膜またはシート状膜が、
四フッ化エチレン樹脂からなる多孔質膜(A) の少なくと
も一層とフッ素樹脂からなる非多孔質膜(B) の少なくと
も一層とが一体化してなる多層構造を含有するフッ素樹
脂複合膜であることを特徴とする分離膜ジュールが提供
される。
【0014】
【発明の実施の形態】フッ素樹脂複合膜 本発明のフッ素樹脂複合膜は、四フッ化エチレン樹脂
(PTFE)からなる多孔質膜(A) の少なくとも一層と
フッ素樹脂からなる非多孔質膜(B) の少なくとも一層と
が一体化してなる多層構造を含有するものである。PT
FE多孔質膜は、主として補強層として機能する。フッ
素樹脂非多孔質膜(無孔質膜)は、気体透過性膜として
機能し、気体の分離または透過に寄与する。
【0015】本発明のフッ素樹脂複合膜は、通常、チュ
ーブ状またはシート状であり、その多層構造は、PTF
E多孔質膜とフッ素樹脂非多孔質膜とが一体化した層構
成を有するものであれば特に限定されないが、典型的に
は、 非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)、 非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)/非多孔質膜(B2)、及
び 多孔質膜(A2)/非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)からな
る群より選ばれる層構成を持つものである。
【0016】本発明のフッ素樹脂複合膜は、チューブ状
である場合、典型的には、外層から順に、 非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)、 多孔質膜(A1)/非多孔質膜(B1)、 非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)/非多孔質膜(B2)、及
び 多孔質膜(A2)/非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)からな
る群より選ばれる層構成を持つ多層構造を含有するもの
である。
【0017】本発明のフッ素樹脂複合膜は、所望によ
り、4層以上の多層にしてもよい。また、本発明のフッ
素樹脂複合膜は、所望により、付加的な層や構造物を含
んでいてもよい。本発明のフッ素樹脂複合膜の多層構造
は、PTFE多孔質膜の強度が十分に大きい場合には、
「PTFE多孔質膜(A1)/フッ素樹脂非多孔質膜(B1)」
の2層構成で十分である。しかしながら、より大きな膜
間差圧での使用が要求される分野では、例えば、「PT
FE多孔質膜(A2)/フッ素樹脂非多孔質膜(B1)/PTF
E多孔質膜(A1)」または「フッ素樹脂非多孔質膜(B1)/
PTFE多孔質膜(A1)/フッ素樹脂非多孔質膜(B2)」の
3層構成またはそれ以上の多層構成を持たせることがで
きる。機械的強度と気体透過性とのバランスの観点か
ら、「PTFE多孔質膜(A2)/フッ素樹脂非多孔質膜(B
1)/PTFE多孔質膜(A1)」の層構成を持つものが好ま
しい。
【0018】本発明のフッ素樹脂複合膜がチューブ状の
場合、機械的強度を向上させるために、最外層に、フッ
素樹脂からなる糸(微小径のロッドを含む)を螺旋状ま
たは網状に配置することができる。特に、機械的強度が
比較的弱いフッ素樹脂非多孔質膜を補強するために、例
えば、外層から順に、「フッ素樹脂非多孔質膜(B1)/P
TFE多孔質膜(A1)」または「フッ素樹脂非多孔質膜(B
1)/PTFE多孔質膜(A1)/フッ素樹脂非多孔質膜
(B2)」の層構成を有するチューブ状のフッ素樹脂複合膜
の外側に、フッ素樹脂からなる糸を螺旋状または網状に
配置することが好ましい。この場合、最外層に配置され
るフッ素樹脂からなる糸は、フッ素樹脂非多孔質膜(B1)
の気体透過性を損なわないように配置する。具体的に、
フッ素樹脂からなる糸を螺旋状または網状に配置する場
合には、チューブ状フッ素樹脂複合膜の外周に、一定の
間隔をおいて、該糸を螺旋状または網状に巻つける。
【0019】本発明のフッ素樹脂複合膜は、フッ素樹脂
非多孔質膜を2層以上密着して配置することができる。
本発明のフッ素樹脂複合膜が、特にチューブ状の場合、
外層から順に、「PTFE多孔質膜(A1)/フッ素樹脂非
多孔質膜(B1)/フッ素樹脂非多孔質膜(B2)」の層構成を
持たせることが好ましい。ここで、中間層の非多孔質膜
(B1)を形成するフッ素樹脂(b1)は、内層の非多孔質膜(B
2)を形成するフッ素樹脂(b2)よりも低融点のフッ素樹脂
である。このような層構成を採用することによって、後
述するように、内側にフッ素樹脂非多孔質膜が配置され
たチューブ状のフッ素樹脂複合膜を容易に製造すること
ができる。
【0020】本発明のフッ素樹脂複合膜は、フッ素樹脂
非多孔質膜が無延伸のものであってもよいが、該非多孔
質膜の厚みを薄くして、気体透過率を高めるために、少
なくとも一軸方向(一軸方向または二軸方向)に延伸す
ることができる。一軸方向の延伸率は、好ましくは50
〜500%(延伸倍率=1.5〜6倍)、より好ましく
は80〜400%(延伸倍率=1.8〜5倍)程度であ
る。チューブ状フッ素樹脂複合膜を延伸する場合には、
通常、管軸方向に一軸延伸を行う。
【0021】本発明のフッ素樹脂複合膜におけるPTF
E多孔質膜の膜厚は、フッ素樹脂複合膜を分離膜として
使用するに足る強度を付与することができる厚みであれ
ば特に限定されず、通常、10μm〜1mmの範囲で適
宜選択される。本発明のフッ素樹脂複合膜において、P
TFE多孔質膜が1層の場合、十分な補強効果を得るに
は、その膜厚は、好ましくは200μm〜1mm、より
好ましくは300μm〜0.8mm、最も好ましくは4
00μm〜0.6mmとすることが望ましい。PTFE
多孔質膜が2層以上の場合、その合計の膜厚は、好まし
く200μm〜1mm、より好ましくは300μm〜
0.8mm、最も好ましくは400μm〜0.6mmと
することが望ましい。また、PTFE多孔質膜が2層以
上の場合、1層の膜厚を好ましくは200μm〜1m
m、より好ましくは300μm〜0.8mm、最も好ま
しくは400μm〜0.6mmとすれば、他の層の膜厚
は、かなり薄くしてもよく、例えば、好ましくは10〜
200μm、より好ましくは15〜100μm、特に好
ましくは20〜50μm程度と薄くすることができる。
PTFE多孔質膜の(合計)厚みは、厚すぎるとフッ素
樹脂複合膜を高充填でモジュール化することが困難で、
コスト高にもなり、薄すぎると補強効果が低下する。
【0022】フッ素樹脂非多孔質膜の厚みは、通常、1
〜100μm程度であるが、孔欠陥の発生を無くし、か
つ、気体の透過率と液体の遮断性とのバランスを取る上
で、3〜60μm程度とすることが好ましく、5〜50
μmとすることがより好ましい。フッ素樹脂複合膜中に
フッ素樹脂非多孔質膜が2層以上ある場合にも、各非多
孔質の膜厚は、好ましくは3〜60μm、より好ましく
は5〜50μm程度とすることが望ましい。
【0023】PTFE多孔質膜 本発明で使用するPTFE多孔質膜は、従来技術によっ
て得ることができる。具体的には、例えば、押出工程に
おいて、PTFEファインパウダーと潤滑剤との混合物
をシート状またはチューブ状に押出し、必要に応じて圧
延した後、少なくとも一軸方向に延伸する方法がある。
通常、一軸方向または二軸方向に延伸する。押出工程の
後、必要に応じて、潤滑剤の除去工程を配置することが
できる。延伸工程の後、緊張下に、PTFEの融点(3
27℃)以上の温度に加熱して、燒結を行う。前記延伸
工程では、押出工程や圧延工程で圧着されたPTFEフ
ァインパウダー同士が、延伸により離れて裂けるように
してできた亀裂状の孔間に糸を引くように繊維が延伸方
向に形成される。多くの場合、結節(ノード)と結節と
の間に多数の微細な繊維(フィブリル)が形成された多
孔質構造が形成される。
【0024】PTFE多孔質膜は、前記方法以外に、例
えば、PTFEファインパウダーやディスパージョン液
に、溶剤や溶液に可溶な粒子を混練したものを用いて、
シート状やチューブ状に成形し、次いで、溶剤や溶液を
用いて該粒子を溶解除去して多孔質化する方法や、これ
に延伸工程を組み合わせた方法もある。これらの方法に
おいても、最終工程では、燒結を行う。
【0025】本発明では、PTFE多孔質膜として、通
常、シート状またはチューブ状のPTFE多孔質膜を使
用する。チューブ状のPTFE多孔質膜は、最初からチ
ューブ状に成形したものだけではなく、シート状PTF
E多孔質膜あるいはシート状PTFE多孔質膜をテープ
状に裁断したテープ状PTFE多孔質膜を支持棒に巻き
付けてチューブ状に成形したものも使用することができ
る。
【0026】本発明のフッ素樹脂複合膜においては、薄
いフッ素樹脂非多孔質膜が気体の分離または透過に寄与
し、PTFE多孔質膜は、主として補強層として機能す
る。フッ素樹脂非多孔質膜の気体透過率を大きくするに
は、その膜厚を小さくすればよいが、それによって、フ
ッ素樹脂非多孔質膜の機械的強度が低下し、それ単独で
は、わずかの膜間差圧でも形状を維持することができ
ず、変形したり破裂したりする。PTFE樹脂は、それ
自体フッ素樹脂の一種であるため、同種または異種のフ
ッ素樹脂と極めて親和性が高い。したがって、PTFE
多孔質膜をフッ素樹脂非多孔質膜と複合化することによ
り、PTFE多孔質膜の微細な多孔質構造により、薄い
フッ素樹脂非多孔質膜を支持し、補強することができ
る。
【0027】本発明で使用するPTFE多孔質膜は、一
般に気液分離膜として使用されているような低気孔率の
ものではなく、気孔率が50%以上の高気孔率のものが
好ましい。本発明におけるPTFE多孔質膜の気孔率
は、好ましくは50〜95%、より好ましくは60〜9
0%、さらに好ましくは70〜90%である。特に高い
膜間差圧が要求される場合には、気孔率は、70〜85
%の範囲であることが望ましい。PTFE多孔質膜の気
孔率は、フッ素樹脂複合膜の製造時に延伸することによ
り、さらに大きくなる。したがって、フッ素樹脂複合膜
を延伸工程を配置して製造する場合には、最終的に得ら
れるPTFE多孔質膜の気孔率が前記範囲内になるよう
に、使用するPTFE多孔質膜の気孔率を選択する。た
だし、多くの場合、延伸工程が配置されるとしても、使
用するPTFE多孔質膜の気孔率は50%以上であるこ
とが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
そして、このような高気孔率のPTFE多孔帙膜を使用
する場合には、フッ素樹脂複合膜製造時の延伸工程での
延伸率(延伸倍率)を調整して、所望の気孔率となるよ
うにすることが望ましい。PTFE多孔質膜の厚みにつ
いては、前述したとおりである。
【0028】フッ素樹脂非多孔質膜 本発明で使用するフッ素樹脂は、熱溶融性フッ素樹脂で
あることが好ましい。具体的には、テトラフルオロエチ
レン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、
テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重
合体(ETFE)などを挙げることができる。これらの
中でも、耐熱性、耐薬品性、孔欠陥のない薄膜化、気体
の透過率、延伸性、機械的強度、PTFE多孔質膜との
密着性などの観点から、PFA及びFEPが好ましく、
PFAが特に好ましい。
【0029】フッ素樹脂非多孔質膜は、例えば、PTF
E多孔質膜の表面にフッ素樹脂の粉体を塗装した後、フ
ッ素樹脂の融点以上の温度に加熱して、PTFE多孔質
膜表面で製膜する方法、フッ素樹脂をシート状に成形す
る方法などにより得ることができる。工業的に効率よく
フッ素樹脂複合膜製造するには、孔による欠陥部分の混
入をできるだけ避けることが重要となるため、予め孔欠
陥の無いフッ素樹脂のシート状薄膜を形成しておき、こ
れをPTFE多孔質膜と加熱一体化させることが望まし
い。
【0030】本発明のフッ素樹脂複合膜を構成するフッ
素樹脂非多孔質膜とは、実質的に液体を透過せず、気体
のみの透過が行われる気体透過層である。気体は、フッ
素樹脂非多孔質膜内に溶解し、膜内を拡散し、そして、
膜から脱着するという3つの段階でフッ素樹脂非多孔質
膜を透過すると推定される。したがって、フッ素樹脂非
多孔質膜の膜厚は、気体の透過率の観点からは可能な限
り薄いことが望ましいが、液体の遮断を同時に兼ね備え
る必要があるため、薄膜化にも限度がある。また、フッ
素樹脂非多孔質膜に孔が存在すると、気体透過膜として
の機能が阻害され、液漏れも生じやすくなるが、薄膜化
を進めると孔欠陥が生じやすくなる。フッ素樹脂非多孔
質膜の膜厚は、前述のとおり、通常、1〜100μm程
度であるが、孔欠陥の発生を無くし、かつ、気体の透過
率と液体の遮断性とのバランスを取る上で、3〜60μ
m程度とすることが好ましく、5〜50μmとすること
がより好ましい。
【0031】フッ素樹脂複合膜の製造方法 PTFE多孔質膜とフッ素樹脂非多孔質膜とが一体化し
た多層構造を有するフッ素樹脂複合膜を製造する方法と
しては、(1) PTFE多孔質膜の少なくとも一層とフッ
素樹脂からなる非多孔質膜の少なくとも一層とを重ね合
わせ、(2) 該フッ素樹脂の融点以上の温度に加熱して両
者を一体化し、そして、(3) 所望により、一体化物を該
フッ素樹脂の融点以上の温度で少なくとも一軸方向に延
伸する方法を挙げることができる。これにより、PTF
E多孔質膜(A) の少なくとも一層とフッ素樹脂からなる
非多孔質膜(B) の少なくとも一層とが一体化してなる多
層構造を含有するフッ素樹脂複合膜を得ることができ
る。
【0032】より具体的に、フッ素樹脂複合膜を製造す
る方法としては、例えば、(1)PTFE多孔質膜の表
面にフッ素樹脂粉末を塗布した後、フッ素樹脂の融点以
上の温度に加熱して、フッ素樹脂粉体を溶融させて製膜
すると同時に、PTFE多孔質膜表面に接着させて一体
化させる方法、(2)PTFE多孔質膜とフッ素樹脂非
多孔質膜とを重ね合わせた後、または同時に、フッ素樹
脂の融点以上の温度に加熱して一体化する方法、(3)
これらの方法により一体化した後、または同時に、PT
FE多孔質膜とフッ素樹脂非多孔質膜とを少なくとも一
軸方向に延伸して、フッ素樹脂非多孔質膜の薄膜化とP
TFE多孔質膜の高気孔率化を図る方法などがある。
【0033】前記(1)の方法において、PTFE多孔
質膜の表面にフッ素樹脂粉末を塗布する方法としては、
フッ素樹脂粉末を静電塗装する方法、フッ素樹脂粉
末を有機溶剤等に分散させた分散液を塗布し、乾燥する
方法、フッ素樹脂粉末を有機溶剤等に分散させた分散
液中にPTFE多孔質膜を浸漬した後、引き上げて乾燥
させる方法などが挙げられる。この方法によれば、チュ
ーブ状またはシート状のPTFE多孔質膜の片面または
両面に、フッ素樹脂非多孔質膜を容易に形成することが
できる。
【0034】前記(2)の方法において、PTFE多孔
質膜がチューブ状である場合、例えば、ステンレス棒な
どの耐熱性の支持棒をチューブ状PTFE多孔質膜の内
腔に挿入し、次いで、テープ状のフッ素樹脂薄膜をチュ
ーブ状PTFE多孔質膜の表面に螺旋状に巻き付ける方
法により、PTFE多孔質膜の表面にフッ素樹脂薄膜を
重ね合わせることができる。重ね合わせた後、加熱処理
を行う。前記(2)の方法において、シート状のフッ素
樹脂複合膜を製造する場合には、加熱ロールにより予め
フッ素樹脂の融点以上の温度に加熱したシート状PTF
E多孔質膜の表面に、フッ素樹脂非多孔質膜を圧着する
方法が好ましい。
【0035】前記(2)の方法は、種々の層構成を有す
るフッ素樹脂複合膜の製造に好適に適用することができ
る。特に、支持棒を用いて、(2)の方法を適用するこ
とにより、種々の層構成を有するチューブ状のフッ素樹
脂複合膜を製造することができる。また、(2)の方法
と(3)の方法を組み合わせることにより、フッ素樹脂
非多孔質膜の薄膜化とPTFE多孔質膜の高気孔率化を
図ることができる。具体的に、例えば、外層から順に、
非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)の層構成を持つ多層構造
を含有するチューブ状のフッ素樹脂複合膜を製造するに
は、(1) 支持棒の外周上に、PTFEからなるチューブ
状の多孔質膜をかぶせるか、あるいは、PTFEからな
るシート状の多孔質膜を巻き付け、(2) その上に、フッ
素樹脂からなるシート状の非多孔質膜を巻き付けた後、
(3) 該フッ素樹脂の融点以上の温度に加熱して両者を一
体化し、次いで、(4) 支持棒を抜き去り、そして、(5)
所望により、一体化物を該フッ素樹脂の融点以上の温度
で少なくとも一軸方向に延伸する方法を採用することが
できる。
【0036】この非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)の層構
成を持つチューブ状のフッ素樹脂複合膜は、非多孔質膜
(B1)を補強するために、非多孔質膜(B1)の外側にフッ素
樹脂からなる糸を螺旋状または網状に付加的に配置する
ことができる。そのために、前記工程(2) の後に、非多
孔質膜(B1)の上に、フッ素樹脂からなる糸を螺旋状また
は網状に巻き付ける工程を配置する。加熱処理により、
フッ素樹脂からなる糸も熱融着により一体化する。この
糸は、フッ素樹脂非多孔質膜と同様の熱溶融性フッ素樹
脂で作製したものが好ましい。フッ素樹脂製の糸とフッ
素樹脂非多孔質膜の材質を同じか、あるいは類似の融点
のフッ素樹脂とすることにより、加熱処理による接着性
を高めることができる。なお、フッ素樹脂製の糸は、非
多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)/非多孔質膜(B2)などのそ
の他の層構成を有するフッ素樹脂複合膜の外周に、螺旋
状または網状に巻き付けることができる。
【0037】外層から順に、多孔質膜(A2)/非多孔質膜
(B1)/多孔質膜(A1)の多層構造を含有するチューブ状の
フッ素樹脂複合膜を製造するには、(1) 支持棒の外周上
に、PTFEからなるチューブ状の多孔質膜をかぶせる
か、あるいは、PTFEからなるシート状の多孔質膜を
巻き付け、(2) その上に、フッ素樹脂からなるシート状
の非多孔質膜を巻き付け、(3) さらにその上に、PTF
Eからなるチューブ状の多孔質膜をかぶせるか、あるい
は、PTFEからなるシート状の多孔質膜を巻き付けた
後、(4) 該フッ素樹脂の融点以上の温度に加熱して両者
を一体化し、次いで、(5) 支持棒を抜き去り、そして、
(6) 所望により、一体化物を該フッ素樹脂の融点以上の
温度で少なくとも一軸方向に延伸する方法を採用するこ
とができる。
【0038】シート状のフッ素樹脂非多孔質膜を用い
て、外層から順に、「PTFE多孔質膜/フッ素樹脂非
多孔質膜」の層構成を有するチューブ状のフッ素樹脂複
合膜を製造することは、非常に困難である。何故なら
ば、支持棒にフッ素樹脂非多孔質膜(シート状膜)を巻
き付け、その上に、例えば、チューブ状のPTFE多孔
質体をかぶせた後、フッ素樹脂の融点以上の温度に加熱
すると、フッ素樹脂非多孔質膜が支持棒に熱融着してし
まい、支持棒を抜き去ることが困難か不可能になるため
である。特に、チューブ状のフッ素樹脂複合体の内径が
数mm以下の場合、加熱処理時に支持棒とフッ素樹脂非
多孔質膜とが接着してしまい、該非多孔質膜を損傷させ
ることなく支持棒を抜き去ることが極めて困難である。
【0039】そこで、本発明者らは、外層から順に「P
TFE多孔質膜/フッ素樹脂非多孔質膜」の層構成を有
するチューブ状のフッ素樹脂複合膜を製造する方法とし
て、(1) 支持棒の外周上に、フッ素樹脂(b2)からなるシ
ート状の非多孔質膜を巻き付け、その上に、フッ素樹脂
(b2)よりも低融点のフッ素樹脂(b1)からなるシート状の
非多孔質膜を巻き付けるか、若しくは、フッ素樹脂(b2)
からなる非多孔質層と該フッ素樹脂(b2)よりも低融点の
フッ素樹脂(b1)からなる非多孔質層との2層構造を持つ
シート状の非多孔質膜をフッ素樹脂(b1)からなる非多孔
質層を外側にして巻き付け、(2) その上に、PTFEか
らなるチューブ状の多孔質膜をかぶせるか、あるいはP
TFEからなるシート状の多孔質膜を巻き付けた後、
(3) フッ素樹脂(b1)の融点以上、フッ素樹脂(b2)の融点
以下の範囲内の温度に加熱して両者を一体化し、次い
で、(4) 支持棒を抜き去り、そして、(5) 所望により、
一体化物を前記範囲内の温度で少なくとも一軸方向に延
伸する方法を想到した。
【0040】この方法によれば、加熱処理温度が最内層
を形成する非多孔質膜(B2)のフッ素樹脂(b2)の融点より
低い温度であるため、該非多孔質膜(B2)が支持棒に熱融
着するのを防ぐことができる。この方法により、外層か
ら順に、多孔質膜(A1)/非多孔質膜(B1)/非多孔質膜(B
2)の多層構造を含有するチューブ状のフッ素樹脂複合膜
を得ることができる。非多孔質膜(B1)/非多孔質膜(B2)
の合計厚みを薄く抑制することにより、気体透過率の低
下を避けることができる。融点が異なるフッ素樹脂(b1)
及びフッ素樹脂(b2)として、例えば、FEP及びPFA
の融点の違うグレードのものを組み合わせて用いること
も可能であるが、FEPを中間層側に、そして、一般に
FEPよりも融点の高いPFAを内層側に使用すること
が好ましい。この場合、FEPの融点以上、PFAの融
点以下の温度で加熱処理することにより、FEP膜のみ
が溶融し、それと接するPTFE多孔質膜及びPFA膜
と接着して一体化するが、溶融したFEP膜は、支持棒
とは接していないため、加熱処理後に支持棒を容易に抜
き去ることができる。
【0041】前記方法において、フッ素樹脂の融点以上
の温度に加熱処理する際、PTFE多孔質膜及びフッ素
樹脂非多孔質膜がともに熱変形を起こしやすいので、拘
束状態で加熱処理することが好ましい。加熱処理温度
は、フッ素樹脂の融点以上であって、分解温度未満の温
度とすることが好ましい。ただし、前述の多孔質膜(A1)
/非多孔質膜(B1)/非多孔質膜(B2)の多層構造を含有す
るチューブ状のフッ素樹脂複合膜を得るには、フッ素樹
脂(b1)の融点以上、フッ素樹脂(b2)の融点以下の範囲内
の温度で加熱処理する。加熱処理は、通常、所定の温度
に調整した恒温槽内で乾熱条件下に実施する。加熱処理
温度は、使用するフッ素樹脂の種類によって異なるが、
通常、250〜450℃、好ましくは280〜400℃
の範囲であり、加熱処理時間は、通常、30秒間〜2時
間、好ましくは1分間〜1時間の範囲である。
【0042】本発明のフッ素樹脂複合膜は、フッ素樹脂
非多孔質膜/PTFE多孔質膜の2層構成を有するもの
でもよいが、例えば、2種類の液体同士で気体の交換を
行う分離膜に使用する場合など、必要に応じて、PTF
E多孔質膜の両面にフッ素樹脂非多孔質膜を配置するこ
とができる。また、耐圧性を高めるために、フッ素樹脂
非多孔質膜の両面に、PTFE多孔質膜を配置してもよ
い。本発明のフッ素樹脂複合膜を用いてガス交換を行う
には、内面または外面にかかる液体の圧力を高くするこ
とが効果的である。フッ素樹脂複合膜中のフッ素樹脂非
多孔質膜は、PTFE多孔質膜と強固に接着しており、
できるだけ薄くして気体透過率を高めることができる
が、フッ素樹脂非多孔質膜/PTFE多孔質膜の2層構
成では、耐圧性が十分でない場合がある。また、本発明
のフッ素樹脂複合膜を実際に工業的に使用する場合、運
転の開始及び終了時に、瞬間的ではあるが、運転圧より
も一時的に高い圧力がフッ素樹脂複合膜にかかることが
ある。このような場合には、チューブ状のフッ素樹脂複
合膜の層構成を、外層から順に、多孔質膜(A2)/非多孔
質膜(B1)/多孔質膜(A1)とすることが有効である。この
ような層構造のフッ素樹脂複合膜は、ガス脱気または溶
存性能を損なわずに、耐圧性が向上する。
【0043】チューブ状のフッ素樹脂複合膜であって、
両面にフッ素樹脂非多孔質膜を配置する場合、前記
(1)のの浸漬法により、チューブ状PTFE多孔質
膜の内外両面にフッ素樹脂薄膜を形成する方法を採用す
ることができる。また、フッ素樹脂非多孔質膜の両面に
PTFE多孔質膜を配置するには、前述の「多孔質膜(A
2)/非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)」の層構成を有する
フッ素樹脂複合膜の製造方法を採用することができる。
本発明のフッ素樹脂複合膜は、PTFE多孔質膜の少な
くとも一層と、フッ素樹脂非多孔質膜の少なくとも一層
とが一体化してなる多層構造を有するものであればよ
い。
【0044】前記(3)の方法(延伸法)は、薄いフッ
素樹脂非多孔質膜を形成することができ、かつ、PTF
E多孔質膜の気孔率を高める上で、好ましい方法であ
る。特に、PTFE多孔質膜とフッ素樹脂薄膜とを重ね
合わせ、フッ素樹脂の融点以上の温度に加熱して両者を
一体化すると共に、加熱した状態で少なくとも一軸方向
に延伸する方法は、孔欠陥のない薄いフッ素樹脂非多孔
質膜を形成する上で、特に好ましい方法である。以下、
この方法について詳述する。
【0045】一般に、PTFE多孔質膜の表面は、巨視
的には平滑であっても、数μm〜数10μm程度の孔が
開口しており、ミクロンオーダーで見れば凹凸である。
したがって、PTFE多孔質膜の表面にフッ素樹脂粉末
を製膜させる方法では、同じミクロンオーダーの厚みの
フッ素樹脂非多孔質膜を孔欠陥のない状態で形成するの
は困難である。孔欠陥を無くすには、フッ素樹脂非多孔
質膜の厚みを大きくする必要があるが、それによって、
気体の透過率が低下する。一方、予め成形したフッ素樹
脂薄膜をPTFE多孔質膜と一体化させる方法では、取
り扱い可能なフッ素樹脂薄膜の厚みには限度があり、あ
まり薄膜化し過ぎると、機械的強度が低下して、取り扱
いが困難となる。また、薄膜化しすぎると、孔欠陥が発
生しやすくなる。さらに、チューブ状PTFE多孔質膜
上に、テープ状フッ素樹脂薄膜を螺旋状に巻き付けて複
合化する方法では、テープ状フッ素樹脂薄膜がオーバー
ラップする部分が生じるため、フッ素樹脂薄膜の膜厚を
小さくしても、平均膜厚は大きくなってしまう。
【0046】これに対して、延伸法を採用すると、孔欠
陥のないフッ素樹脂非多孔質膜を可能な限り薄く形成す
ることができる。すなわち、PTFE多孔質膜と孔欠陥
のない厚みのフッ素樹脂薄膜とを重ね合わせて、加熱処
理した後、または加熱処理と同時に、少なくとも一軸方
向(通常、一軸方法または二軸方向)に延伸すると、該
フッ素樹脂薄膜は、孔欠陥を発生することなく引き伸ば
されて厚みの薄い状態に変形することが可能である。こ
の際、PTFE多孔質膜も延伸されて、気孔率が大きく
なる。この方法は、PTFE多孔質膜/フッ素樹脂非多
孔質膜の2層構成のものに限定されず、例えば、PTF
E多孔質膜/フッ素樹脂非多孔質膜/PTFE多孔質膜
などの3層構成以上のものにも適用することができる。
【0047】図1は、本発明のフッ素樹脂複合膜の一例
におけるPTFE多孔質膜とフッ素樹脂非多孔質膜との
一体化した多層構造部分の断面図であり、この場合、フ
ッ素樹脂複合膜は、未延伸状態である。PTFE多孔質
膜1は、多数の結節3と結節3との間に多数の微細な繊
維4が形成された繊維状構造を有しており、その表面に
フッ素樹脂非多孔質膜2が一体化されている。これを例
えば一軸方向に延伸すると、図2に示すように、PTF
E多孔質膜21は、結節23同士の間の間隔が広くなる
ように変形して気孔率が大きくなるが、フッ素樹脂非多
孔質膜22は、開裂を起こすことなく厚みが薄くなるよ
うに変形する。したがって、この延伸法を採用すると、
予め取り扱いが容易な厚みに成形したフッ素樹脂薄膜
(非多孔質膜)を用いた場合や、テープ状フッ素樹脂薄
膜をチューブ状PTFE多孔質膜上に螺旋状に巻き付け
た場合などであっても、孔欠陥を発生させることなく、
フッ素樹脂薄膜の厚みを薄くすることができ、それによ
って、気体の透過率を高めることができる。また、延伸
によりPTFE多孔質膜の気孔率が大きくなるため、気
体の透過面が増加し、液体からの気体の分離除去(脱
気)機能や、気体の液体への溶解機能が向上する効果を
もたらす。
【0048】同様に、図3に示すようなフッ素樹脂非多
孔質膜32の両側にPTFE多孔質膜31及びPTFE
多孔質膜33が配置された層構成の複合膜を延伸する
と、図4に示すように、フッ素樹脂非多孔質膜は、孔欠
陥を作ることなく引き伸ばされて、厚みの薄い状態に変
形し、その際、各PTFE多孔質膜は、多孔質化がさら
に進行して高気孔率となる。
【0049】延伸温度は、前記の加熱処理温度と同様
に、フッ素樹脂の融点以上の温度であり、好ましくは、
フッ素樹脂の融点以上、フッ素樹脂の分解温度未満の温
度である。延伸温度は、通常250〜450℃、好まし
くは280〜400℃である。延伸は、加熱処理による
一体化処理と同時に行うか、あるいは、一体化処理後に
冷めてから再加熱して行ってもよい。フッ素樹脂複合膜
がチューブ状の場合、製造過程で使用した支持棒を抜き
去ってから延伸する。延伸率は、少なくとも一軸方向に
50〜500%(延伸倍率=1.5〜6倍)、好ましく
は80〜400%(延伸倍率=1.8〜5倍)である。
延伸率が小さすぎると、フッ素樹脂非多孔質膜の薄膜化
の効果が小さくなり、大きすぎると、フッ素樹脂非多孔
質膜に孔欠陥が生じやすくなり、PTFE多孔質膜の強
度も低下する。本発明者らの検討結果によれば、気孔率
が70%程度のチューブ状PTFE多孔質膜の外周に、
厚み25μmのシート状(テープ状)のフッ素樹脂非多
孔質膜を巻き付けて、加熱一体化した複合膜は、ほぼ4
0μm厚のフッ素樹脂非多孔質層を形成するが、延伸率
100%及び200%の延伸を行うと、孔欠陥を発生す
ることなく、各々20μm及び10数μmの厚みにまで
薄膜化することが判明した。
【0050】フッ素樹脂複合膜の性能 本発明のフッ素樹脂複合膜は、PTFE多孔質膜が補強
層として機能し、薄いフッ素樹脂非多孔質膜が分離膜と
しての機能を発揮するため、気体の透過率が良好であ
り、従来より膜間差厚を大きくしても液漏れを発生する
ことがない。しかも、有機溶剤などの表面張力の小さな
液体を使用した場合であっても、液漏れすることがな
い。より具体的に、本発明のフッ素樹脂複合膜は、常温
差圧1気圧で1cm2 当たり24時間の条件で酸素の透
過率を測定した場合、透過する酸素の常圧での体積は、
通常0.1〜3.5cc/cm2 /day、好ましくは
0.2〜3.0cc/cm2 /dayとなる。ここで、
酸素の透過率は、フッ素樹脂非多孔質膜の膜厚を薄くす
ることにより大きくすることができるが、機械的強度が
低下するので、機械的強度とのバランス上、好ましい範
囲には、ある程度の限度がある。また、本発明のフッ素
樹脂複合膜は、酢酸ブチルを用いた液漏れ圧試験におい
て、2.5kg/cm2 以上の負荷圧に耐えることがで
き、多くの場合、3.0kg/cm2 以上の負荷圧に耐
えることができる。
【0051】本発明のフッ素樹脂複合膜は、PTFE多
孔質膜の片面にフッ素樹脂非多孔質膜を配置したもの、
及びフッ素樹脂非多孔質膜の両面にPTFE多孔質膜を
配置したもの一般的であるが、所望により、PTFE多
孔質膜の両面にフッ素樹脂非多孔質膜を配置してもよ
い。図5に、液体同士で気体の交換を行う用途の分離膜
に使用するフッ素樹脂複合膜の一例の断面図を示す。P
TFE多孔質膜51の両面に、フッ素樹脂非多孔質膜5
2及び53が配置されている。また、図6に、外層から
順に、PTFE多孔質膜63、フッ素樹脂非多孔質膜6
2、及びPTFE多孔質膜61が配置されたチューブ状
のフッ素樹脂複合膜を示す。
【0052】本発明のフッ素樹脂複合膜は、液体からの
気体の分離(脱気)のための気液分離膜としての用途に
最適であるが、この他に、例えば、液体へ気体を溶解さ
せるための気体溶解膜、液体と液体との間で気体を交換
する気体交換膜など、気体の透過に関与する種々の高機
能分離膜の用途に使用することができる。
【0053】分離膜ジュール 本発明のフッ素樹脂複合膜を効率的に使用するには、で
きるだけ多くの気体透過面積を小さな体積に収納した分
離膜モジュールとすることが望ましい。このような分離
膜モジュールは、常法に従って作製することができる。
具体的には、多数のチューブ状膜の束、スパイラル状に
巻き重ねたシート状膜、またはプリーツ状に重ねたシー
ト状膜をケース内に収納し、末端を封止材により封止し
てなる構造を有する分離膜モジュールにおいて、チュー
ブ状膜またはシート状膜として、本発明のフッ素樹脂複
合膜を使用する。スパイラル状に巻き重ねたシート状膜
やプリーツ状に重ねたシート状膜を使用する場合には、
常法に従って、メッシュスペーサーや流路材を組み合わ
せてモジュール化することができる。
【0054】図7に、チューブ状のフッ素樹脂複合膜を
用いた分離膜モジュールの一例の基本的構造を示す。多
数のチューブ状膜71を束ねてケース73内に入れて、
チューブ状膜71同士の両末端の隙間と、チューブ状膜
71とケース73との間の隙間とを封止材72にて封止
することにより、チューブ状分離膜モジュールを作製す
ることができる。この図7には、数本のチューブ状膜し
か描かれていないが、実際には、数十本から数百本のチ
ューブ状膜を収納(充填)することができる。また、実
際に、この分離膜モジュールを使用するには、例えば、
液体の流入口と排出口、気体の流入口と排出口などの各
種付属部品を取り付けるが、分離膜モジュールに必要な
付属部品は、周知であって、当業者には明らかである。
図7の分離膜モジュールを用いて、液体からの気体の分
離除去を行うには、チューブ状膜内に対象とする液体を
流し、ケース内を脱気してチューブ状膜を通して液体中
の気体を取り出すか、あるいは、対象液体をケース内に
流し、チューブ状膜内を陰圧にして、チューブ状膜の外
側から内側の方向に気体を抜く。液体の方を加圧しても
よい。
【0055】半導体製造プロセスには禁忌である金属溶
出が少なく、かつ、耐薬品性、耐熱性に優れた本発明品
のフッ素樹脂複合膜の特性を十分に活かすためには、ケ
ース及び封止材も同じようにフッ素樹脂とすることが望
ましい。PFAからなるフッ素樹脂非多孔質膜を持つ本
発明のフッ素樹脂複合膜に、封止材としてFEPを組み
合わせて用いると、耐熱性、耐薬品性、封止性などに優
れた高性能分離膜モジュールを得ることができる。ケー
スとしては、PTFE製の円筒が好ましい。
【0056】
【実施例】以下、本発明について、実施例及び比較例を
挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
のみに限定されるものではない。
【0057】[実施例1]PTFE多孔質膜として、内
径1mm、外径2mm、気孔率70%、内外面の繊維長
が平均約15μmのチューブ状PTFE多孔質膜を使用
した。このチューブ状PTFE多孔質膜の中に外径1m
mφのステンレス棒を挿入し、さらにチューブ状PTF
E多孔質膜の上から、平均厚み25μm、幅5mmのテ
ープ状のPFA薄膜を1/2ラップのピッチでずれない
程度に部分的に重ねながら螺旋状に巻き付けた(全面に
わたって二重巻となる)。その後、320℃の恒温槽に
30分間入れて加熱し、冷却後、ステンレス棒を抜き取
って、フッ素樹脂複合膜を作製した。
【0058】[実施例2]フッ素樹脂としてPFAの代
わりに同様の形状のFEPを用い、かつ、恒温槽の温度
を300℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、
フッ素樹脂複合膜を作製した。
【0059】[実施例3]実施例1で作製したチューブ
状のフッ素樹脂複合膜を、320℃に加熱した状態で、
引張試験器にて延伸速度5%/秒で、延伸率100%に
延伸して、フッ素樹脂複合膜を作製した。
【0060】[実施例4]延伸率を200%に変えたこ
と以外は、実施例3と同様にして、フッ素樹脂複合膜を
作製した。
【0061】[実施例5]延伸率を300%に変えたこ
と以外は、実施例3と同様にして、フッ素樹脂複合膜を
作製した。
【0062】[実施例6]実施例1で使用したのと同じ
チューブ状PTFE多孔質膜を、380℃に加熱した円
筒型加熱炉に連続的に導入する直前で、実施例1で使用
したのと同じPFAテープを平均1/2ラップのピッチ
で螺旋状に巻き付け、炉内滞在時間1分間で加熱すると
同時に、延伸速度1%/秒で延伸率100%に延伸し
て、フッ素樹脂複合膜を作製した。
【0063】このようにして得られたチューブ状のフッ
素樹脂複合膜に外径1mmのステンレス棒を挿入し、両
端に内径2mm、外径3mmのFEPチューブを被覆し
たものを100本用意し、チューブ状膜の束とした。被
覆部分を300℃恒温槽内で透明になるまで十分に加熱
し、30mmの円筒状になるように圧縮成型し、冷却
後、ステンレス棒を除去し、内径30mm、外径40m
mのPTFE製円筒挿入し、図7に示す形状の分離膜モ
ジュールを作製した。
【0064】[比較例1]実施例1で用いたチューブ状
PTFE多孔質膜を比較例1とした。
【0065】[比較例2]内径2mm、膜厚400μm
のPFAチューブを比較例2とした。
【0066】[比較例3]ステンレス棒を挿入したチュ
ーブ状PTFE多孔質膜の代わりに外径2mmのガラス
管を用いた以外は、実施例1と同様にしてPFAテープ
被覆したガラス管を得た。その後、ガラス管を割って除
去し、60℃の10%水酸化ナトリウム液に一晩浸漬し
た後、よく水洗して、平均膜厚45μmのPFAチュー
ブを作製した。
【0067】<膜構造と物性>以上の実施例1〜6、及
び比較例1〜2で得られた各チューブ状膜の構成、光学
顕微鏡、及び走査電子顕微鏡を用いた構造観察、酢酸ブ
チルを内圧負荷し、チューブ状膜の外表面へ液が漏れて
くる圧力を調べる液漏れ圧試験、酸素の透過量につい
て、表1にまとめて示す。 (1)酸素の透過量は、常温差圧1気圧で1cm2 当た
り24時間で透過する酸素の常圧での体積を表す。 (2)酢酸ブチル液漏れ圧試験は、各実施例及び比較例
で得たチューブ状膜の30cm長の片端をシールし、他
端からチューブ状膜内に酢酸ブチルを加圧注入して、徐
々に負荷圧を上げていったときに、チューブ状膜表面か
らの酢酸ブチルの浸み出しが観察された圧力を測定し
た。
【0068】
【表1】
【0069】本発明のフッ素樹脂複合膜(実施例1〜
6)は、酸素透過量が大きく、しかも2.5kg/cm
2 以上、多くの場合、3.0kg/cm2 以上の圧力を
加えても液漏れを生じることがなかった。フッ素樹脂非
多孔質膜の厚みが小さいほど、酸素透過量は大きくなっ
たが、小さくなり過ぎると、液漏れ圧が小さくなる傾向
が見られた。したがって、気体の透過率と液体の遮断性
とのバランス上、延伸により10〜40μmの膜厚にす
ること(実施例3、4、6)が特に好ましいことがわか
る。一方、比較例1のチューブ状PTFE多孔質膜で
は、酢酸ブチルの注入と同時に濡れてしまった。比較例
2のPFA非多孔質膜は、膜厚が大きいため気体の透過
率が極めて小さいものである。比較例3のPFA薄膜
は、加圧と同時に徐々にチューブ状膜の径の膨張が観察
され、3kg/cm2 付近でパンクした。
【0070】[実施例7]PTFE多孔質膜として、内
径2mm、外径3mm、気孔率70%、内外面の繊維長
が平均約15μmのチューブ状PTFE多孔質体を使用
した。このチューブ状PTFE多孔質体の内腔に外径2
mmφのステンレス棒を挿入し、さらに、チューブ状P
TFE多孔質膜の上から、平均厚み13μm、幅5mm
のテープ状のPFA薄膜を1/2ラップのピッチでずれ
ない程度に部分的に重ねながら螺旋状に巻き付けた。さ
らにその上に、住友電気工業(株)製PTFE多孔質体
シートFP−010を厚み25μm幅5mmのテープ状
にしたものを1/2ラップのピッチでずれないように巻
き付けた。その後、320℃の恒温槽に30分間入れて
加熱し、冷却後、ステンレス棒を抜き取り、フッ素樹脂
複合膜を得た。
【0071】[実施例8]実施例7において、PTFE
多孔質体シートFP−010の代わりに、直径が400
μmのPFAロッドを500μm間隔で螺旋状に巻き付
けたこと以外は実施例7同様にして、フッ素樹脂複合膜
を得た。
【0072】[実施例9]外径1.8mmφのステンレ
ス棒の上に、平均厚み13μm、幅5mmのテープ状の
PFAを1/2ラップのピッチで巻き付け、さらにその
上から、平均厚み13μm、幅5mmのテープ状のFE
Pを1/2ラップのピッチで巻き付けた。このステンレ
ス棒を、PFA及びFEPテープがずれないようにし
て、実施例7同じPTFE多孔質体チューブの内腔に挿
入した後、320℃の恒温槽に30分間入れて加熱し、
冷却後ステンレス棒を抜き取り、フッ素樹脂複合膜を得
た。
【0073】[実施例10]幅5mmのテープ状PFA
の代わりに、同じ幅で、実施例7で使用のPTFE多孔
質体シートを使用したこと以外は実施例9と同様にし
て、フッ素樹脂複合膜を得た。
【0074】[実施例11]実施例7で得たフッ素樹脂
複合化膜を、320℃に加熱した状態で引張試験器に
て、延伸速度5%/秒で延伸率100%延伸して、延伸
したフッ素樹脂複合膜を得た。
【0075】[実施例12]実施例9で得たフッ素樹脂
複合化膜を、320℃に加熱した状態で引張試験器に
て、延伸速度5%/秒で、延伸率100%延伸して、延
伸したフッ素樹脂複合膜を得た。
【0076】[実施例13]実施例7と同じPTFE多
孔質体チューブを380℃に加熱した円筒型加熱炉に連
続的に導入する直前で、実施例7と同じFEPテープを
平均約1/2ラップのピッチで巻き付け、直ちにその上
に、実施例7と同じPTFE多孔質テープを巻き付けた
後、すぐに該加熱炉に入るようにして、炉内滞在時間1
分間で加熱すると同時に、延伸速度1%/秒で延伸率1
00%で延伸して、フッ素樹脂複合膜を得た。
【0077】[実施例14]PTFE多孔質膜として、
内径2mm、外径3mm、気孔率70%、内外面の繊維
長が平均約15μmのチューブ状PTFE多孔質体を使
用した。このチューブ状PTFE多孔質膜の中に外径2
mmφのステンレス棒を挿入し、さらにチューブ状PT
FE多孔質膜の上から、平均厚み13μm、幅5mmの
テープ状のPFA薄膜を1/2ラップのピッチでずれな
い程度に部分的に重ねながら螺旋状に巻き付けた。その
後、320℃の恒温槽に30分間入れて加熱し、冷却
後、ステンレス棒を抜き取り、フッ素樹脂複合膜を得
た。
【0078】[比較例3]内径2mm、膜厚400μm
のPFAチューブを比較のために使用した。
【0079】<膜構造と物性>以上の実施例7〜14、
及び比較例3で得られた各チューブ状膜を用いて、前記
実施例1〜6と同様にして、分離膜モジュールを作成
し、同様に評価した。結果を表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】実施例7〜14では、酸素ガスの透過が認
められたが、比較例3では、微量のため検出できなかっ
た。また、実施例7〜13及び比較例3では、いずれも
5kg/cm2 まで液漏れを起こさなかったのが、実施
例14では、3.5kg/cm2 で部分的に外層のPF
A層が剥離し、膨張破裂した。したがって、フッ素樹脂
非多孔質膜の両側にPTFE多孔質膜を配置したり、外
周をフッ素樹脂からなる糸(ロッド)で補強することに
より、耐圧性を向上させ得ることがわかる。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、優れた気体の透過性と
液体の遮断性とを兼ね備え、大きな膜間差圧に耐えるこ
とができ、有機溶剤などの表面張力の小さな液体に対し
ても適用可能で、耐熱性、耐薬品性に優れ、金属イオン
の溶出のない高性能のフッ素樹脂複合膜とその製造方法
が提供される。また、本発明によれば、このような高性
能のフッ素樹脂複合膜をモジュール化した分離膜モジュ
ールが提供される。本発明のフッ素樹脂複合膜は、気液
分離膜、気体溶解膜、気体交換膜などの高機能分離膜と
して好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフッ素樹脂複合膜の多層構造の一例を
示す断面模式図である。
【図2】本発明のフッ素樹脂複合膜を延伸法により作製
した場合の機構を示す断面模式図であり、図1のフッ素
樹脂複合膜を横方向に延伸した場合の各膜の構造変化を
示す。
【図3】本発明のフッ素樹脂複合膜の多層構造の他の一
例を示す断面模式図である。
【図4】本発明のフッ素樹脂複合膜を延伸法により作製
した場合の機構を示す断面模式図であり、図3のフッ素
樹脂複合膜を横方向に延伸した場合の各膜の構造変化を
示す。
【図5】本発明のフッ素樹脂複合膜の多層構造の一例の
断面模式図であり、液体同士で気体の交換を行う場合に
使用される分離膜を示す。
【図6】本発明のフッ素樹脂複合膜の多層構造の他の一
例の断面模式図であり、高度の耐圧性が要求される用途
に使用される分離膜を示す。
【図7】本発明のチューブ状フッ素樹脂複合膜を用いた
分離膜モジュールの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1:PTFE多孔質膜 2:フッ素樹脂非多孔質膜 3:結節 4:繊維 21:延伸後のPTFE多孔質膜 22:延伸後のフッ素樹脂非多孔質膜 23:延伸後の結節 24:延伸後の繊維 31:PTFE多孔質膜 32:フッ素樹脂非多孔質膜 33:PTFE多孔質膜 41:延伸後のPTFE多孔質膜 42:延伸後のフッ素樹脂非多孔質膜 44:延伸後の多孔質膜 51:PTFE多孔質膜 52:フッ素樹脂非多孔質膜 53:フッ素樹脂非多孔質膜 61:PTFE多孔質膜 62:フッ素樹脂非多孔質膜 63:PTFE多孔質膜 71:チューブ状フッ素樹脂複合膜 72:端末封止材 73:ケース(外筒) 74:ガスの供給口 75:ガスの排気口

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四フッ化エチレン樹脂からなる多孔質膜
    (A) の少なくとも一層とフッ素樹脂からなる非多孔質膜
    (B) の少なくとも一層とが一体化してなる多層構造を含
    有するフッ素樹脂複合膜。
  2. 【請求項2】 多層構造が、 非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)、 非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)/非多孔質膜(B2)、及
    び 多孔質膜(A2)/非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)からな
    る群より選ばれる層構成を持つものである請求項1記載
    のフッ素樹脂複合膜。
  3. 【請求項3】 フッ素樹脂複合膜が、外層から順に、 非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)、 多孔質膜(A1)/非多孔質膜(B1)、 非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)/非多孔質膜(B2)、及
    び 多孔質膜(A2)/非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)からな
    る群より選ばれる層構成を持つ多層構造を含有するチュ
    ーブ状膜である請求項1記載のフッ素樹脂複合膜。
  4. 【請求項4】 フッ素樹脂複合膜が、外層から順に、 非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)、及び 非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)/非多孔質膜(B2)から
    なる群より選ばれる層構成を持つ多層構造を含有するチ
    ューブ状膜であり、かつ、非多孔質膜(B1)の外側に、フ
    ッ素樹脂からなる糸が螺旋状または網状に付加的に配置
    された構造を有するものである請求項1記載のフッ素樹
    脂複合膜。
  5. 【請求項5】 フッ素樹脂複合膜が、外層から順に、多
    孔質膜(A1)/非多孔質膜(B1)/非多孔質膜(B2)の層構成
    を持つ多層構造を含有するチューブ状膜であり、かつ、
    中間層の非多孔質膜(B1)を形成するフッ素樹脂(b1)が、
    内層の非多孔質膜(B2)を形成するフッ素樹脂(b2)よりも
    低融点のフッ素樹脂である請求項1記載のフッ素樹脂複
    合膜。
  6. 【請求項6】 フッ素樹脂からなる非多孔質膜(B) が、
    少なくとも一軸方向に延伸された非多孔質膜である請求
    項1ないし5のいずれか1項に記載のフッ素樹脂複合
    膜。
  7. 【請求項7】 (1) 四フッ化エチレン樹脂からなる多孔
    質膜の少なくとも一層とフッ素樹脂からなる非多孔質膜
    の少なくとも一層とを重ね合わせ、(2) 該フッ素樹脂の
    融点以上の温度に加熱して両者を一体化し、そして、
    (3) 所望により、一体化物を該フッ素樹脂の融点以上の
    温度で少なくとも一軸方向に延伸することを特徴とする
    四フッ化エチレン樹脂からなる多孔質膜(A) の少なくと
    も一層とフッ素樹脂からなる非多孔質膜(B) の少なくと
    も一層とが一体化してなる多層構造を含有するフッ素樹
    脂複合膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 (1) 支持棒の外周上に、四フッ化エチレ
    ン樹脂からなるチューブ状の多孔質膜をかぶせるか、あ
    るいは、四フッ化エチレン樹脂からなるシート状の多孔
    質膜を巻き付け、(2) その上に、フッ素樹脂からなるシ
    ート状の非多孔質膜を巻き付けた後、(3) 該フッ素樹脂
    の融点以上の温度に加熱して両者を一体化し、次いで、
    (4) 支持棒を抜き去り、そして、(5) 所望により、一体
    化物を該フッ素樹脂の融点以上の温度で少なくとも一軸
    方向に延伸することを特徴とする外層から順に非多孔質
    膜(B1)/多孔質膜(A1)の層構成を持つ多層構造を含有す
    るチューブ状のフッ素樹脂複合膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記工程(2) の後に、非多孔質膜の上
    に、フッ素樹脂からなる糸を螺旋状または網状に巻き付
    ける工程を配置し、それによって、非多孔質膜(B1)/多
    孔質膜(A1)の層構成を持つ多層構造を含有するチューブ
    状膜であり、かつ、非多孔質膜(B1)の外側にフッ素樹脂
    からなる糸が螺旋状または網状に付加的に配置された構
    造を有するチューブ状のフッ素樹脂複合膜を得る請求項
    8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 (1) 支持棒の外周上に、四フッ化エ
    チレン樹脂からなるチューブ状の多孔質膜をかぶせる
    か、あるいは、四フッ化エチレン樹脂からなるシート状
    の多孔質膜を巻き付け、(2) その上に、フッ素樹脂から
    なるシート状の非多孔質膜を巻き付け、(3) さらにその
    上に、四フッ化エチレン樹脂からなるチューブ状の多孔
    質膜をかぶせるか、あるいは、四フッ化エチレン樹脂か
    らなるシート状の多孔質膜を巻き付けた後、(4) 該フッ
    素樹脂の融点以上の温度に加熱して両者を一体化し、次
    いで、(5) 支持棒を抜き去り、そして、(6) 所望によ
    り、一体化物を該フッ素樹脂の融点以上の温度で少なく
    とも一軸方向に延伸することを特徴とする外層から順に
    多孔質膜(A2)/非多孔質膜(B1)/多孔質膜(A1)の多層構
    造を含有するチューブ状のフッ素樹脂複合膜の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 (1) 支持棒の外周上に、フッ素樹脂(b
    2)からなるシート状の非多孔質膜を巻き付け、その上
    に、フッ素樹脂(b2)よりも低融点のフッ素樹脂(b1)から
    なるシート状の非多孔質膜を巻き付けるか、若しくは、
    フッ素樹脂(b2)からなる非多孔質層と該フッ素樹脂(b2)
    よりも低融点のフッ素樹脂(b1)からなる非多孔質層との
    2層構造を持つシート状の非多孔質膜をフッ素樹脂(b1)
    からなる非多孔質層を外側にして巻き付け、(2) その上
    に、四フッ化エチレン樹脂からなるチューブ状の多孔質
    膜をかぶせるか、あるいは、四フッ化エチレン樹脂から
    なるシート状の多孔質膜を巻き付けた後、(3) フッ素樹
    脂(b1)の融点以上、フッ素樹脂(b2)の融点以下の範囲内
    の温度に加熱して両者を一体化し、次いで、(4) 支持棒
    を抜き去り、そして、(5) 所望により、一体化物を前記
    範囲内の温度で少なくとも一軸方向に延伸することを特
    徴とする外層から順に多孔質膜(A1)/非多孔質膜(B1)/
    非多孔質膜(B2)の多層構造を含有するチューブ状のフッ
    素樹脂複合膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 多数のチューブ状膜の束、スパイラル
    状に巻き重ねたシート状膜、またはプリーツ状に重ねた
    シート状膜をケース内に収納し、末端を封止材により封
    止してなる構造を有する分離膜モジュールにおいて、チ
    ューブ状膜またはシート状膜が、四フッ化エチレン樹脂
    からなる多孔質膜(A) の少なくとも一層とフッ素樹脂か
    らなる非多孔質膜(B) の少なくとも一層とが一体化して
    なる多層構造を含有するフッ素樹脂複合膜であることを
    特徴とする分離膜ジュール。
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