JP2578281B2 - 促進輸送プロセス用複合膜 - Google Patents

促進輸送プロセス用複合膜

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、促進輸送プロセスに有用な膜に関する。
一般に、促進輸送の単位操作は、キャリヤーと称され
る化学種が別の種と化学的に錯体を形成し、その膜を横
切る輸送を促進する膜を含む。輸送プロセスは錯体形成
の反応速度並びに錯体の拡散速度に支配されるので、往
々にして化学分離を非常に高い選択率で行うことができ
る。
Noble、Richardらの「促進輸送膜系(Facilitated Tr
ansport Membrane Systems)」(Chemical Engineering
Progress,p.58,1989年3月)に報告されているよう
に、多くの化学分離操作が物理特性の違いに基づいてお
り、例えば蒸留、結晶化、遠心分離及び気体吸着があ
る。これらの操作は、問題の物理特性に大きな差があ
り、また高い選択率が要求されない場合には、異なる溶
質の分離及び濃縮に十分に役立つ。
これらの操作の制限を克服するためには、化学剤を使
用するときもある。この化学剤は、供給混合物中の溶質
のうちの1種の選択的に相互作用することができる。次
いで、その溶質を捕捉して濃縮する。その後、その溶質
−化学剤錯体を、操作条件の変更によってリバースし、
溶質と化学剤の両方を回収する。
この方法の一例は、水溶液中にアミンを使用して、天
然ガス流から酸性気体(例えば、CO2)を除去する方法
である。アミンは、CO2と錯体を形成することができ、
そして水流中のCO2の有効溶解度をアミンが存在しない
場合に得られるよりも高くする。その後、その水溶液を
別の容器中で加熱してCO2を除去し、そしてアミン溶液
は再循環させることができる。
二種の液相または気相間の膜として、不混和性の液体
を提供することができる。溶質が異なれば、この液体中
の溶解度及び拡散係数も異なり、またこれら二つの項目
の積が透過性の尺度となる。液状膜は、選択的な透過性
を、それゆえ分離を、与えることができる。液体中の拡
散係数は、ポリマー中よりも典型的には数オーダー高い
ので、より大きな流束(flux)を得ることができる。
促進輸送膜の基本配置は、 (1)受容相である乳化液滴から源を分離する膜として
バルクの連続液相が働く、乳濁液状膜; (2)液状膜相を多孔質フィルム中に支持すること、あ
るいはポリマーフィルム中または透過性フィルム間に溶
解することができる、固定化液状膜;並びに (3)本明細書で溶媒と称する液体によって膨潤され
る、イオン交換膜支持体、 を含む。乳濁液状膜系の主な欠点には、膜の安定性に関
連する難点と、輸送された種を内部相から回収するのに
必要な脱乳化工程とが含まれる。多孔質構造体に支持さ
せた、あるいはポリマー中に溶解させた、固定化液状膜
は、これらの難点を実質的に排除するけれども、これら
の膜は、溶媒にまたはキャリヤーの損失と、続く失活と
を破る。また、液相の分離については、供給相または受
容相のどちらかに不混和性または不溶性である溶媒とキ
ャリヤーの両方を選択する必要がある。固定化液状膜用
の支持体としてイオン交換膜を使用すると、固定化液状
膜の欠点のうちいくつかが解決される。イオン交換膜
(IEM)は、比較的多量の液体(通常は水)で膨潤する
ことができ、このことがIEMポリマー構造を広げさせ
て、キャリヤー錯体の移動度を増加させる。IEMは、水
のような親水性溶媒の保持容量が大きいけれども、供給
原料に給湿を施してIEMフィルムを飽和させた状態に保
つことが望ましい。さらに重要なことは、強い静電力に
よってIEMがキャリヤーを保持し、またより高いキャリ
ヤー充填量を実現し且つ維持することができることであ
る。従来の固定化液状膜では、キャリヤー充填量は液相
におけるその溶解度によって決まる。IEMでは、キャリ
ヤー充填量はイオン交換密度によって決まる。
促進輸送操作のために膜を有効利用するには、他の膜
分離プロセスについては、比較的面積の大きな膜をコン
パクトなモジュール内へ導入する必要がある。このモジ
ュールは、分離すべき流体混合物が導入され且つ膜表面
の流体組成物が常に更新されるように膜表面を通過でき
る、供給口と出口を備えた上流側の区分室を設けなけれ
ばならない。また、該モジュールは、膜の反対側に、供
給口と出口を備えた下流側の区分室を設けて、優先的に
輸送または分離される流体種を、それらが膜表面に到達
したときに連れ去ることもできなければならない。
ディファレンシャルパーミエーション(differential
permeation)によって流体混合物を分離するために、
モジュール内にポリマー膜を使用することが知られてい
る。中空繊維または管状のポリマー膜を有するシェル及
びチューブ構造を用いた装置が製作されている。また、
上流側及び下流側の区分室を設けるためにメッシュによ
って分離した螺旋巻きシートから装置が製作されてい
る。螺旋巻きシート及びメッシュの配列は、通常は各末
端部で注封または接着されてモジュールを密封するの
で、各側に供給口と出口を取り付けた、モジュールの上
流区分室と下流区分室を形成することになる。その結
果、上流側からの化学種が下流側へ至る唯一の経路は、
膜を通過する経路となる。
溶媒でよく膨潤されるポリマーフィルムからモジュー
ルを製作することは困難である。漏れのないモジュール
を製作するためには、螺旋巻きポリマーフィルムの縁部
を、ポリマーフィルム中に多量の溶媒を存在させて接着
または注封しなければならない。比較的不活性なフルオ
ロポリマー膜の場合、良好な、漏れのない結合を得るに
は、溶媒、すなわち水、の沸点を超える特別な熱処理
や、特別な表面処理が必要となりうる。膜を膨潤させる
のに用いられる溶媒が多量に存在する場合には、このよ
うな結合技法は難しくなる。
膨潤していないポリマー膜からモジュールを製作して
から現場で膜を溶媒で膨潤する方法にも欠点がある。典
型的な膜は、20〜50体積%膨潤することができ、また特
別な処理を施して200%程度の体積増加を実現してい
る。これは、大きな寸法変化を生じる。膜がモジュール
内に堅く保持されている場合、膨潤工程を行うと、膜の
寸法が変化して反りや座屈を引き起こす。膨潤が大きい
ために、膜を破壊したり引裂く可能性もある。膜が破壊
しない場合には、膨潤によって生じた反りや折り曲がり
が、流れの低減または封鎖された領域を発生させ、よっ
て膜の物質輸送能を大幅に低下させかねない。
螺旋包装配列の縁部を接着または注封する代わりに、
機械的クランピングで結合した、各縁部におけるガスケ
ットリボンの挿入差込みが考えられている。しかしなが
ら、非常に膨潤したIEMは、極めて脆く、必要な締結け
力によって破壊されうる。
米国特許第4,737,166号明細書は、酸性気体のスクラ
ビングに適した複合固定化液状膜について開示してい
る。その膜は、微孔質ポリマー支持体上の連続溶媒膨潤
ポリマーフィルムであり、その溶媒は高極性溶媒の部類
から選択されている。キャリヤーは含まれておらず、ま
たイオン交換樹脂やフルオロポリマーフィルムについて
も記述されていない。
WayとNobleは、1986年6月8-12日のAmerican Chemica
l Societyの第8回Rocky Mountain Reional Meetingの
議事録Liquid Membranes Theory and Applicationsの第
9章で、「ペルフルオロスルホン酸膜中の硫化水素促進
輸送(Hydrogen Sulfide Facilitated Transport in Pe
rfluorosulfonic Acid Membranes)」に関して報告して
いる。含まれているIEMは、膨潤後に試験装置内に取り
付けられる小さな単層シートとして評価された。IEM
は、溶媒で膨潤する前は厚さが約7ミルであり、またペ
ルフルオロスルホン酸形であった。水が溶媒であり、ま
たエチレンジアミンがキャリヤーであった。これらの比
較的厚いペルフルオロスルホン酸ポリマー(PFSAP)膜
は、輸送速度が比較的低いことが欠点であった。この方
法によるモジュールの製作は難しい。これらの比較的厚
いPFSAP膜は、水で膨潤したときの結合が難しく、また
モジュール加工後にモジュールの操作性に損傷や歪を与
えることなく有意に膨潤させることができない。膨潤構
造が脆いので、必要な密封を行うためのモジュールの機
械的締付けは発展的ではない。
J.D.Way、R.D.Noble、D.L.Reed、G.M.Cinley及びL.A.
Jarrは、1987年3月のAICHE Journal,Vol.33,No.3,pp.4
80-487で、「イオン交換膜中のCO2の促進輸送(Facilit
ated Transport of CO2in Ion Exchange Membranes)」
に関して報告している。水が溶媒であり、またエチレン
ジアミンがキャリヤーであった。用いたペルフルオロス
ルホン酸ポリマーフィルムは、厚さが7ミルであった。
R.D.Noble、J.J.Pellagrino、E.Grosgeat、D.Sperry
及びJ.D.Wayは、1988年のSeparation Science and Tech
nology,23(12&13),pp.1595-1609で、「促進輸送イオ
ン交換膜を用いたCO2分離(CO2Separation Using Facil
itated Transport Ion Exchange Membranes)」の継続
された研究に関して報告している。この研究では、厚さ
7ミルのペルフルオロスルホン酸ポリマーフィルムと比
較して厚さ1ミルのペルフルオロスルホン酸ポリマーフ
ィルムの方がより高い輸送速度を達成した。これらの研
究のどちらも、PFSAPフィルムは、膨潤後に試験装置内
に取り付けた小さな巻き付けられていない単層として評
価され、またモジュール構造は考慮されなかった。厚さ
7ミルの構造では輸送速度が比較的低く、また膨潤が大
きすぎて膨潤前のモジュール構造を許容できなかった。
厚さ1ミルのPFSAP膜は、水で膨潤した場合に機械的に
非常に弱くなり、またモジュール集成体または連続操作
が長続きしなかった。
J.Pellegrino、R.Nassimbene及びR.D.Nobleは、1988
年9月のGas Separation and Purification,Vol 2,pp.1
20-130で、「高膨潤イオン交換膜を通したCO2の促進輸
送(Facilitated Transport of CO2Through Highly Swo
llen Ion Exchange Membranes):高温グリセリン処理
の効果(the effect of hot glycerine treatment)」
にてさらなる研究に関して報告している。この論文で
は、著者は、溶媒として水を、またキャリヤーとしてエ
チレンジアミンを含む、小さな単層の巻き付けられてい
ない配置において、PFSAPフィルムの促進輸送の評価に
ついて記述している。PFSAP膜は、高温でグリセリン中
で膜を膨潤してから水中で最終浸漬してグリセリンを置
換することによって、通常の水和PFSAP膜よりも高いレ
ベルにまで膨潤される。このより高いレベルの膨潤によ
って構造が広げられので、得られる流束が、通常の水和
PFSAP膜で従来観測された流束の4〜6倍高くなる。非
キャリヤー反応性気体と比較して、CO2及びH2Sの高度の
促進並びに高度の選択率が維持される。7ミルのPFSAP
フィルムは、厚さ寸法と線寸法との両方において、膨潤
量が高すぎて、モジュール加工後の膨潤が不可能であ
り、また機械的なモジュールが維持されなかった。膨潤
PFSAPフィルムは弱すぎて、機械的密封に必要な締付圧
に耐えられない。1ミルの高膨潤PFSAPフィルムはさら
に脆く、膨潤時に線寸法が大幅に増加し、信頼性あるモ
ジュール加工及び操作には適さないものになる。
C.A.Koval及びT.Spontarelliは、Polymer Material S
cience Eng.1988,V-59,pp.132-138で、ペルフルオロス
ルホネートIEM中のNa+イオンを水膨潤膜中のAg+イオ
ンによって交換する促進輸送技法に関して報告してい
る。その研究では、1−ヘキセンや1,5−ヘキサジエン
といったオレフィンの流束が実質的に向上された。著者
は、オレフィンと水性Ag+との可逆的錯体形成によっ
て、Ag+に強く結合するオレフィンを、立体妨害され且
つ飽和した炭化水素から促進輸送分離することが可能に
なると説明している。しかしながら、水で膨潤した薄い
ペルフルオロイオン交換膜は機械的に非常に弱く、また
モジュール内に導入して操作することは難しいであろ
う。
1972年5月7-11日のElectrochemical Societyに提出
されたGrotらの「過フッ素化イオン交換膜(Perfluorin
ated Ion Exchange Membranes)」は、膜が吸収する水
の量は水の温度に依存すると指摘している。高温で前処
理された膜は、高温での乾燥によって効果が破壊されな
い限り、室温と同じ量の水を吸収し続ける。例えば、12
00当量のスルホン酸ポリマーを水中で煮沸すると、25%
の水吸収を引き起こす。未強化膜は14〜17%の線成長を
示すが、布を埋込んだ膜は3%程度の低い線成長を示
す。しかしながら、促進輸送操作において、有効横断面
は約50%に減少し、厚さ方向の膨潤は三次元強化材によ
って制限され、そしてキャリヤー濃度及び移動性は比較
的低くなるであろう。この論文に記載されている唯一の
応用は、化学電池であった。
米国特許第4,194,041号明細書は、ペルフルオロイオ
ン交換膜のような連続親水性層に付着させたEPTFEのよ
うな疎水性材料の柔軟性層を含んで成る、水蒸気は透過
するが液体を透過しない、柔軟性の積層複合品について
記載している。疎水性層によって、親水性液体が膜表面
付近に近づきにくくなっている。流体流の乾燥や、促進
輸送用の複合材料の使用については何ら開示されていな
い。
米国特許第4,604,170号明細書は、フッ素含有ポリマ
ーの多孔質層であって、その内部のアノード側面が親水
性であり、且つそのカソード側に薄いイオン交換樹脂層
を担持しているそのような多孔質層を含んで成る、電気
分解用の複合膜構造について開示している。このような
構造を、ディファレンシャルパーミエーションや促進輸
送によって、電場の存在しないところで流体を分離する
手段として応用することについては何ら開示されていな
い。
米国特許第4,666,468号及び同第4,741,744号明細書
は、多孔質支持体上の水和ペルフルオロスルホン酸ポリ
マー連続膜によるディファレンシャルパーミエーション
法で気体を分離するプロセスにおいて、前記水和連続膜
中の側鎖のイオノマー部分が金属カチオンを含有する、
そのようなプロセスについて記載している。この組成を
用いて、CO2、CH4、O2、N2及びHeの気体分離係数が向上
したことが例示されている。促進輸送機構については記
載されておらず、また促進輸送のためにこの方法やこれ
らの構成を利用することについても何ら示唆されていな
い。水和条件によって示される膨潤量は、促進輸送に望
まれる量より低い。モジュール構築後に膜が膨潤できる
ように膨潤時に寸法が変化する、画定された複合構造や
モジュールの構築については何ら開示されていない。
B.K.DuttaとS.K.Sikdarは、Proceedings of Biochemi
cal Engineering Vl,Santa Barbara,CA(1988)で、
「複合イオン交換膜を用いたアミノ酸の分離(Separati
on of Amino Acids Using Composite Ion Exchange Mem
branes)」に関して報告している。その研究では、水に
溶解された、IEMを膨潤するアミノ酸が、膜中を異なる
速度で拡散した。著者は、特性が開示されていないEPTF
E基材上に、厚さ0.3〜0.5ミルのペルフルオロスルホン
酸ポリマーフィルムをキャストすることについて記載し
ている。その複合材は、モジュールではなく、小さな単
層シートとして試験された。促進輸送については記載さ
れておらず、また促進輸送に望ましい高い膨潤量を確実
にするために使用される処理についても記載されていな
い。
特願昭62-240627号及び同63-99246号明細書は、空気
やその他の流体分離の乾燥用のEPTFE/ペルフルオロイオ
ン交換ポリマー複合膜構造について記載している。特願
昭63-16199号明細書とその対応米国特許第4,875,908号
明細書は、多成分気体混合物から水蒸気を選択分離する
ための膜処理について記載し特許請求している。その膜
は、多孔質EPTFEのような支持層に積層されたペルフル
オロイオン交換ポリマーを含んで成ることが好ましい。
特願昭63-62017号(1988)、その対応欧州特許出願第89
101201.5号、及びその対応米国特許第4,909,810号明細
書は、水蒸気選択性のEPTFE/ペルフルオロイオン交換ポ
リマー膜について記載し特許請求している。複合材の多
孔質部材の内壁と外壁に、イオン交換基を含有し且つ高
含水量を示す樹脂が塗布されている、そのような複合膜
が開示されている。これらの開示物の中で、促進輸送の
ためにこれらの複合材を使用することや、キャリヤーを
使用することについて記載しているものはない。膜が、
モジュール構築後に膨潤可能であり、しかも高い促進輸
送流束速度にとって望ましい高い膨潤度を実現するよう
確実に膨潤時に寸法が変化するように規定された複合構
造について、あるいは多層を使用したモジュールについ
て何ら記載されていない。
米国特許第4,954,388号明細書は、促進輸送用途にお
いて薄い連続バリヤーとして用いられる布強化複合膜に
ついて開示している。その布強化複合膜は、布がEPTFE
層に結合され、順にそれが連続ペルフルオロイオン交換
ポリマーフィルムに結合されている、3層構造を包含す
る。しかしながら、その布が「陰を作り」、拡散や輸送
に利用できる面積を実際に減少させてしまう。また、そ
の布は、流体の自由な流れを膜の表面全体にわたり妨害
し、そして供給原料混合物を膜表面へ新たに供給するこ
とや、あるいは下流側では、輸送されてきた種を膜表面
から効率的に連れ去ることを保証できなくする。
本発明の複合材は、未変性ペルフルオロイオノマーフ
ィルムを用いて達成されるものに相当する促進輸送に必
要な高いレベルにまで膨潤することができ、また従来の
膜に関連した問題の多くを除外する。これらの複合材
は、未変性ペルフルオロイオノマーよりも改善された機
械強度特性を示す結果、より薄いバリヤー及びより高い
輸送速度が得られる。驚くべきことに、未変性ペルフル
オロイオノマーと同等の高い膨潤量が達成できるにもか
かわらず、膨潤に付随する寸法変化によって、高度に膨
潤した膜を包含する多層モジュールの構築が妨害される
ことはない。
発明の概要 寸法安定性のよい、連続ペルフルオロイオン交換樹脂
層に層状接触(Iaminar contact)している微孔質フィ
ルムの複合膜が提供される。該複合材は、最初の調製さ
れたままの長さ、幅及び厚さを有する連続ペルフルオロ
イオン交換ポリマー層を含んで成る。該イオン交換ポリ
マー層は、微孔質材料フィルム、好ましくは多孔質の延
伸ポリテトラフルオロエチレン(EPTFE)のフィルムに
層状付着されている。該微孔質フィルムは、調製された
ままの連続ペルフルオロイオン交換層と実質的に同じ長
さと幅を有する。該ペルフルオロイオン交換樹脂層は、
親水性液体によって、該親水性液体が、膨潤した連続ペ
ルフルオロイオン交換層の20重量%を超える程度にま
で、膨潤する。膨潤済のイオン交換層は、長さまたは幅
におけるその最初の調製されたままの状態からの増加量
は5%未満を示すが、厚さにおいてはその最初の調製さ
れたままの状態からの実質的な増加を示す。好ましく
は、膨潤済のイオン交換層は、長さまたは幅において
は、その最初の調製されたままの状態から実質的にまっ
たく変化を示さないが、厚さの実質的な変化は示す。ペ
ルフルオロイオン交換層は、好ましくは、その最初の調
製されたままの状態の厚さが75ミクロン未満であり、ま
た多孔質EPTFEのフィルムは、好ましくは、連続ペルフ
ルオロイオン交換層に層状付着する前に、比重約0.15〜
約0.7と対応する気孔率67〜93%を有する。ここで、気
孔率は1−(S1/S2)と定義されるが、式中S1は多孔質
支持体の比重であり、またS2は該多孔質支持体が製造さ
れる非孔質固体材料の比重である。EPTFEの場合には、P
TEFについてのS2は2.18であると考えられる。好ましい
親水性液体は水またはグリセリンである。複合膜は、多
孔質EPTFEフィルムが、その外面にペルフルオロイオン
交換樹脂のコーティングを有し、且つEPTFEの内部気孔
全体に分布したペルフルオロイオン交換樹脂を含有し、
該ペルフルオロイオン交換樹脂がEPTFEフィルムの気孔
内の内面の少なくとも一部を被覆している、そのように
あることができる。好ましくは、ペルフルオロイオン交
換樹脂は、1000未満の当量を示すペルフルオロスルホン
酸ポリマーである。
カチオン交換ポリマー層を製造するために用いるポリ
マーは、操作温度における気体分離セル内に存在する化
学物質の化学的攻撃に対して不定の期間耐性を示す限
り、いくつかの種類のうちのいずれのものであってもよ
い。C−F結合を含まないカチオン交換樹脂を使用する
ことは可能であるが、C−H結合の少なくとも80%がC
−ハロゲン結合に置換されている、高度にフッ素化され
たポリマーを使用することが適当である。ハロゲンとし
てはC1またはFが好ましいが、Fの方がより好ましい。
過ハロゲン化ポリマー、とりわけ過フッ素化ポリマーは
最良の耐熱性及び耐薬品性を示すので、ポリマー中にC
−H結合がまったく含まれないことが最も好ましい。
カチオン交換ポリマーは、−CF2CFR′SO2X基を含有す
る側鎖をもったフッ素化ポリマーから製造することがで
きる。前記式中、R′はF、C1、CF2C1またはC1〜C10
ペルフルオロアルキル基であり、またXはFまたはC1、
好ましくはFである。通常は、側鎖が−OCF2CF2CF2SO2X
基または−OCF2CF2SO2F基を、好ましくは後者を含有す
る。過フッ素化ポリマーが好ましい。以下の側鎖: (上式中、kは0または1であり、またjは3、4また
は5である)を含有するポリマーを使用できる。これら
は、米国特許第4,329,435号明細書(Kimotoら、Asahi C
hemical)に記載されている。
側鎖−CF2CF2SO2Xを含有するポリマーが、米国特許第3,
718,627号明細書(Grot,DuPont)に記載されている。
好ましいポリマーは、側鎖−(OCF2CFY)r-OCF2CFR′SO
2Xを含有するが、式中、XはFまたはCF3であり、また
R′とXは先に定義したとおりであり、そしてrは0、
1、2または3である。それらポリマーのいくつかが米
国特許第3,282,875号明細書(Connollyら、DuPont)に
記載されている。以下の側鎖: を含有するコポリマーが特に好ましい。
カチオン交換ポリマーは、アルカリ性媒体中で加水分
解されてカルボキシレート基となる特定の官能基、例え
ばニトリル基または特にエステル基、を有する側鎖が結
合されているフッ素化炭化水素主鎖をもつ、カルボキシ
ルポリマーであることができる。そのようなポリマーに
は、例えば以下の側鎖: (上式中、YはFまたはCF3であり;nは0、1または2
であり;mは1、2または3であり;そしてWは−COOR
(Rは低級アルキル)または−CNである)を含有するポ
リマーが含まれる。これらのポリマーのいくつかが、米
国特許第4,138,246号明細書(England,DuPont)に記載
されている。これらのポリマーの中では、n=1、m=
2そしてY=CF3のポリマーが好ましい。
スルホニルポリマーは、スルホニルポリマーのブレン
ドであってもよい。カルボキシルポリマーは、カルボキ
シルポリマーのブレンドであってもよい。また、スルホ
ニルポリマーとカルボキシルポリマーのブレンドを使用
することも可能である。
重合は、上記の参考文献に記載されている方法によっ
て行うことができる。とりわけ、溶剤として1,2,2−ト
リクロロ−2,11−トリフルオロエタンを、また開始剤と
して過酸化ペルフルオロプロピオニルを使用する溶液重
合法が有用である。また、重合を、水性の粒状重合によ
って行うこともできる。
本発明の複合膜の製造に用いられるカチオン交換コポ
リマーは、溶融加工可能な(前駆体)形態と加水分解ま
たはイオン交換形態との両方において自立性のフィルム
を生産するに十分に高い分子量を示さなければならな
い。
主鎖が-CF2CF2-で、側鎖が-O-CF2-CF(CF3)-O-CF2-CF2
-SO3Hまたはその塩である場合には、その当量が640〜15
00(またはコモノマー:CF2=CFモル比1:2〜1:10.5)
好ましくは800〜1300(またはコモノマー:CF2=CF2モル
比1:3.5〜1:8.5);そして最も好ましくは950〜1200
(またはコモノマー:CF2=CF2モル比1:5〜1:7.5)でな
ければならない。側鎖の異なる最適なポリマーを記述す
るために、コモノマー:CF2=CF2比の使用と同等に満足
できるように当量を使用することはできない。スルホネ
ート基を含有する側鎖が短い場合には、より低い当量を
使用することができる。
カルボキシルコモノマーをCF2=CF2と共重合する場合
には、コモノマー:CF2=CF2モル比は、1:1〜1:10、好ま
しくは1:2.6〜1:8.5、最も好ましくは1:3.6〜1:7でなけ
ればならない。末端カルボキシル基を含有する短い側鎖
をもった薄いカルボキシルポリマーには、より高いモル
比を使用することができる。
コモノマー:CF2=CF2モル比が低すぎると、複合膜の
促進輸送速度が望ましくないほどに低くなる。コモノマ
ー:CF2=CF2モル比が高すぎると、ポリマーが弱くなっ
たり、粘着性となったり、あるいは可溶性となったりし
やすくなる。
また、寸法安定性のよい、延伸ポリテトラフルオロエ
チレン(EPTFE)とペルフルオロイオン交換樹脂の複合
膜の、促進輸送単位操作、例えば炭化水素流からの酸性
気体の分離、における使用方法についても提供する。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明による膨潤複合膜の前駆体の、一部
を断面図で示した、略斜視図である。
第2図は、本発明による膨潤複合膜の、一部を断面図
で示した、略斜視図である。
第3図は、ペルフルオロイオン交換樹脂がEPTFEの多
孔質フィルム内部の気孔を完全に充填している、本発明
の複合材の、一部を断面図で示した、略斜視図である。
第4図は、本発明の複合膜による向上した促進輸送束
を、二酸化炭素パージ後の時間に対してプロットしたグ
ラフである。
図面を参照した本発明の好ましい実施態様の説明 寸法安定性のよい、連続ペルフルオロイオン交換樹脂
層に層状接触している微孔質フィルムの複合膜を提供す
る。該複合膜は、最初に調製されたままの長さ、幅及び
厚さを有する連続ペルフルオロイオン交換ポリマー層を
含んで成る。該イオン交換ポリマー層は、微孔質材料フ
ィルム、好ましくは多孔質EPTFEフィルムに層状付着さ
れている。該微孔質フィルムは、調製されたままの連続
ペルフルオロイオン交換層と実質的に同じ長さと幅を有
する。該ペルフルオロイオン交換樹脂層は、親水性液体
によって、該親水性液体が、膨潤した連続ペルフルオロ
イオン交換層の20重量%を超える程度にまで、膨潤す
る。膨潤したイオン交換層は、最初の調製されたままの
状態からの、長さまたは幅の増加量は5%未満を示す
が、厚さについては、最初の調製されたままの状態から
の実質的な増加を示す。
また、促進輸送単位操作における、寸法安定性のよ
い、延伸ポリテトラフルオロエチレン(EPTFE)とペル
フルオロイオン交換樹脂の複合膜の使用方法も提供す
る。該複合膜は、多孔質EPTFEフィルムに層状付着され
ている連続ペルフルオロイオン交換ポリマー層を含んで
成る。該ペルフルオロイオン交換層は、親水性液体で膨
潤されている。該方法は、炭化水素流から酸性気体を促
進輸送分離するのに用いられる。
より詳細には、促進輸送プロセスに使用するための、
機械的強度の高い複合膜を提供する。該膜は、多孔質EP
TFE支持体に付着された薄い連続ペルフルオロイオノマ
ー層を含んで成り、その薄い連続ペルフルオロイオノマ
ー層は、キャリヤー錯体が良好に移動するために、また
効率的な輸送速度のために必要であるように、溶媒でよ
く膨潤される。該複合材は、多層モジュールでの操作に
要求される強度と寸法安定性の両方を保持する。EPTFE
の気孔は、ペルフルオロイオン交換樹脂で、充填されて
いなくても、また部分的に充填されていても、あるいは
完全に充填されていてもよい。
本発明による好ましい構造は、連続ペルフルオロイオ
ン交換層が薄く(例、2ミル以下)、EPTFEが薄く
(例、2ミル以下)且つ強く(幅の、ASTM D882試験法
による10%伸び率における応力は0.25lbs/inを超える)
しかも多孔質であり、そしてEPTFEの外部面及び内部面
が、当量が1000未満のペルフルオロイオン交換樹脂で被
覆されている、そのような構造である。
本発明の複合材のペルフルオロイオノマー部材は水、
またはその他の溶媒による膨潤度合に応じて、厚さやそ
の他の寸法が変化できる。本出願明細書では、特に断わ
らない限り、ペルフルオロイオノマー層についての厚さ
やその他の寸法に関する記述は、その「最初の調製され
たままの状態」におけるものである。本出願明細書中の
用語「最初の調製されたままの状態」とは、押出工程、
積層工程及び加水分解工程後であって標準空気中の23℃
で平衡状態に達した後の、複合材のペルフルオロイオノ
マーフィルムまたはペルフルオロイオノマー部材の状態
や寸法を意味する。
本発明の好ましい実施態様の複合膜についての詳細な
説明は、添付の図面を参照すると最もよく提供される。
第1図は、本発明の複合材の一実施態様の、一部を断面
図で示した略斜視図である。該複合材は、多孔質EPTFE
フィルム2に結合された連続ペルフルオロイオン交換層
1を含んで成る。該イオン交換層1は、(a)選択輸送
すべき流体を除く流体に対するバリヤー、(b)溶媒で
よく膨潤されうるマトリックス、及び(c)イオン交換
部位によって、輸送種とともに連れ去られることのない
ようキャリヤーを保持するマトリックス、を提供する。
複合材中の連続イオン交換層は、最初の調製されたまま
の状態において、ピンホールを含まない集結性を維持す
る範囲でできるだけ薄い厚さ、好ましくは1ミル以下で
なければならない。薄さは、高い輸送速度のためと、膨
潤時の厚さ増加の絶対量を最小にするための両方にとっ
て重要であり、また促進輸送現象の有効利用に必要な多
層モジュールの構築を妨げない。
1ミルのペルフルオロイオノマーフィルムは、ほとん
どの実際の用途には機械的に弱すぎる。最初の調製され
たままの状態の厚さが8ミルのフィルムは非常に弱く、
グリセリンや水でよく膨潤させると裂けたり破棄したり
しやすい。水に浸漬する前に225℃でグリセリン処理す
ると、水膨潤性を、乾燥ポリマー重量基準で、通常達成
される15〜25%から100%超にまで向上させる上で非常
に有用であることが、他人によって示されている。この
膨潤がキャリヤー錯体の移動性を向上させる結果、輸送
速度は、高温グリセリン前処理を施さずに「普通に」膨
潤させたペルフルオロイオノマーにおいて認められる輸
送速度の4〜6倍となることが観測された。厚さ8ミル
のフィルムは、このようによく膨潤した状態ではかなり
脆く、そしてグリセリン処理後には厚さが24ミルにまで
増加し、また長さ、幅ともに50%増加することがある。
このような寸法変化のため、その脆さともあいまって、
高度の膨潤した、補強されていないペルフルオロイオノ
マーフィルムの実用性については疑わしい。
本発明の複合材の薄いEPTFE部材は、流体の内部流動
を実質的に妨害することなく、機械強度と寸法安定性を
構造体に付与する。EPTFEのノードとフィブリルの間の
空間が、流体の連続膜表面への、または連続膜表面から
の、通路を提供する。従って、気孔が本質的に充填され
ていないことが好ましい。本明細書中の用語「気孔直
径」は、ASTM F316試験法によって測定される最大気孔
寸法を意味する。本発明の複合材は、比較的強度が高
く、またよく膨潤した厚さ2ミル以下のペルフルオロイ
オノマーフィルム部材の信頼性の高い使用を可能にす
る。該複合材は、寸法安定性がよく、その長さ寸法及び
幅寸法の変化量は、グリセリン膨潤時には10%未満であ
り、またそのグリセリンを最終的に水で置換した後には
2%未満となる。実質的に、また驚くべきことに、ほと
んどすべての膨潤が厚さ寸法において起こるが、連続ペ
ルフルオロイオノマー膜が非常に薄いため、寸法変化の
絶対量は、1層当たりわずか2〜3ミルである。驚くべ
きことに、また逆説的であるが、不可能でないならば、
該複合材中のペルフルオロイオノマーの膨潤%は、厚さ
8ミルのペルフルオロイオノマーフィルムのそれとほぼ
同等であり、また多層モジュール構造を利用しづらくし
てしまうような大きな寸法変化を伴うことなく達成され
る。重要な点は、実質的にすべての膨潤が制限されてい
る結果、それが厚さ方向で起こるという点である。本発
明の複合材は、薄いペルフルオロイオノマー部材の使用
を可能にするので、このIEM層では高いパーセントの厚
さ及び体積膨張が達成されるにもかかわらず、寸法の絶
対変化量は小さいままである。こうして、本発明の複合
材によって、多層モジュールの構築及び操作に適した強
度や寸法安定性を有し高輸送速度を可能にする、薄い、
高度に膨潤したペルフルオロイオノマー膜を使用するこ
とができる。
第2図は、本発明の複合材の高度に膨潤した状態を概
略的に示すであるが、ここでは、膨潤したペルフルオロ
イオノマーフィルム3の厚さZ3が、第1図に示した最初
の調製されたままの状態での厚さZ2の3倍程度にまで増
加している。ペルフルオロイオノマーフィルム3の長さ
寸法Y0及び幅寸法X0と、EPTFE部材2の長さ寸法Y0、幅
寸法X0及び厚さ寸法Z1は、比較的一定のままである。
好ましい配置におけるEPTFEの内面及び外面のペルフ
ルオロイオン交換樹脂コーティングは、水、メタノール
及びグリセリン中でEPTFEを十分に親水性にし、またそ
の他の親水性物質が、高温グリセリン処理や続く冷却の
際、またはその他の熱処理(例、水中での煮沸による膨
潤や、その他の極性溶媒中での加熱)の際に、ふくれを
発生させることなく複合材の内部から逃げることができ
る。
第3図に示した本発明による別の実施態様では、ペル
フルオロイオン交換樹脂で完全に含浸されているEPTFE
層6と、ペルフルオロイオン交換樹脂の極薄表面層5と
を含んで成る複合膜が提供される。
第1図〜第3図において、Z0は、本発明の複合膜の前
駆体の全厚を示し、またZFは、膨潤した複合材の全厚を
示す。これらの図面では、以下の関係がある。
ZF=Z1+Z3>Z0 及び Z3>Z2 これらの関係式は、本発明によるすべての複合膜につい
て当てはまる。
本発明の複合膜の製造方法には一連の工程が含まれ
る。これらには以下の工程が含まれる: (1)過フッ素化イオノマーの前駆体を溶融押出してフ
ィルムを形成する工程。この前駆体ポリマーは、フッ化
スルホニルコポリマーか、カルボキシエステルコポリマ
ーであることができる。両方の材料を同時押出し、各ポ
リマーの層を含有する2層フィルムを形成させてもよ
い。代わりに、ブレンドされたポリマーを使用すること
ができる。
(2)前駆体フィルムをEPTFEのフィルムに積層し、第
1図に示した前駆体積層品を形成する工程。
(3)(米国特許第4,453,991号明細書に開示されてい
る)低当量イオノマーの希薄な(例、2%)液状組成物
を前駆体積層品のEPTFE部材に含浸させた後、乾燥する
工程。
(4)アルカリ性の水と極性溶媒の混合物中で前駆体フ
ィルム層を加水分解してペルフルオロイオノマー形とし
た後、水でリンスする工程。この工程において、膨潤前
にモジュールへ導入されることになる場合には複合材を
乾燥してもよい。
上記プロセスの各工程は、ロール式巻取装置を含む、
別個の連続運転装置において、別々に行うことができ
る。しかしながら、極薄連続イオノマーフィルム層を有
する複合材を製作し、しかも高い生産量においてコスト
を改善するために、工程(1)と工程(2)を連結させ
てもよい。工程(1)で製作したフィルムに前駆体ポリ
マーを溶融塗布して、サブミル厚の連続フィルム層を付
着させてもよい。積層機(または溶融塗布機)から出て
くる積層品にスプレーまたはその他の含浸を施し、そし
て巻取る前に乾燥することにより、工程(3)を工程
(2)に統合することができよう。
代わりに、EPTFE表面に薄い、均一な液体層を形成す
るが、EPTFE構造内部へは実質的に浸透しない溶媒系中
の1100EWペルフルオロスルホン酸ポリマーの液状組成物
を、EPTFE膜に塗布することによって、連続ペルフルオ
ロイオノマー酸ポリマー膜をEPTFE膜に適用することが
できる。この工程は、上記の工程(1)及び工程(2)
を置換し、また工程(4)を不要にする。
前駆体ポリマーは、300℃未満の温度で押出されて、
厚さ0.5〜3ミルのフィルムを形成する。このフィルム
は、フッ化スルホニルポリマー、カルボキシエステルポ
リマー、またはフッ化スルホニルポリマー、カルボキシ
エステルポリマー、もしくはその両方の多層構造体であ
って、同時押出フィルムにおいて別々のポリマーが別個
の層を形成するものであることができる。代わりに、別
個のフィルムを押出して、それらのフィルムを一緒に
「ブロッキング」すること、すなわちそれらのフィルム
を一緒に低圧下に置いて加熱し、それらを積層プロセス
を通して一緒に付着させること、によって多層フィルム
を製作してもよい。
ペルフルオロイオノマーフィルムをEPTFEへ積層する
工程は、280℃未満の表面温度(二つの表面)で、且つ7
60mm水銀以下の差圧下で行われるが、好ましい方法は、
複合材のEPTFE側に500mm水銀以下の減圧を適用し、一方
フィルム側は周囲圧に保つ方法である。熱及び減圧への
接触時間は90秒未満でなければならない。
複合材のEPTFE側は、好ましくは、一次水性媒体中で
加水分解する前に、イオノマーの液状組成物で塗布して
おくべきである。そうしないと、イオノマーフィルムが
膨潤し、また疎水性EPTFEが膨潤による静水圧を解放さ
せずに、構造体を局部的に離層させてしまう。
EPTFEを濡らし且つ完全に浸透させるに十分量の極性
有機溶媒を混合した、水中の固形分1〜6%の920EW当
量のペルフルオロスルホン酸の液状組成物を調製する。
次いで、この液状組成物を、積層体のEPTFE側面に、EPT
FEに液状組成物を完全に含浸させるに十分な量でスプレ
ーあるいは塗布する。EPTFEは、含浸が完了すると半透
明またはほぼ透明となる。その後、積層体を、液状組成
物中の溶媒の沸点未満で乾燥する。
こうして形成した複合材を、米国特許第4,584,071号
明細書に記載されているように、例えば6〜20%の(好
ましくは)KOHまたはその他の可溶性水酸化物と、5〜4
0%の極性有機溶媒(好ましくはDMSO)と、そして50〜9
0%の水を含有する50〜100℃の溶液中、少なくとも5分
間の接触時間で加水分解してイオノマー形にする。次い
で、その複合材シートを水で少なくとも10分間リンスす
ると、カリウム塩形のペルフルオロスルホネートポリマ
ーが得られる。ポリマーを所望のイオン形へ交換するこ
とが望まれる場合には、望まれるカチオンの塩(水素形
が望まれる場合には酸)を少なくとも1%含む浴に接触
させ、水で再度リンスし、そして乾燥することができ
る。
さらに所望であれば、乾燥した積層体を、イオン性界
面活性剤の水溶液(0.2〜5%)または塩/水溶液でス
プレー、浸漬または塗布することによって含浸して、乾
燥することができる。
代わりに、加水分解浴の溶液がEPTFEに十分に浸透す
るほど加水分解浴の含水量が低い場合には、複合材のEP
TFE側にイオノマーを塗布する前に加水分解を行い、こ
うして離層が起こらないようにすることができる。この
工程は、5〜20%のアルカリ金属水酸化物と、30〜90%
の極性有機溶媒と、0〜60%の水とを含有する溶液中
で、ポリマーフィルムを積層した直後の構造体を、50〜
100℃で少なくとも5分の接触時間で、加水分解する工
程を包含する。該溶液は、複合材のEPTFE部分に入り込
み、多孔質構造体を完全に充填するようなものである。
その構造体を水でリンスして乾燥する。その後、上記の
極性有機溶媒中の920EW酸形のペルフルオロスルホン酸
ポリマーの1〜6%液状組成物を、同様にして構造体の
EPTFE側にスプレーまたは塗布する。所望であれば、界
面活性剤を、また所望であれば塩を、ポリマー溶液とと
もに適用して、乾燥後の再湿潤を促進させることができ
る。
任意の適用可能な量の流体混合物を効率的に分離する
ためには、比較的面積の大きな選択的バリヤーが必要な
ので、寸法が多少は固定されている比較的コンパクトな
多層モジュール内に比較的大きな領域を導入できるよう
に、選択的バリヤーを丸める、折り曲げる、あるいはそ
の他の形状にする必要がある。これは、調製されたまま
の状態にある本発明の乾燥した未膨潤複合材を用いて、
その縁部を所定の位置で接着またはその他の方法で固定
した後、ペルフルオロスルホン酸ポリマーを膨潤するこ
とによって、達成することができる。これは、本発明の
複合材では可能である。というのは、ペルフルオロイオ
ノマー部材の膨潤が相当量にまで抑制されているからで
ある。代わりに、本発明の複合材を膨潤させた後、適当
な配列で所定の位置に機械的に締付けることができる。
なぜなら、本発明の複合材は、必要な締付圧に耐えるに
十分な靱性を示すからである。
水が溶媒である促進輸送プロセスに使用するための本
発明の複合材を膨潤する好ましい方法は、Pellegrino、
Nassimbene及びNobleの「イオン交換膜中のCO2の促進輸
送(Facilitated Transport of CO2in Ion Exchange Me
mbranes)」(Gas Separation and Purification,Vol.
2,pp.126-130,September 1988)に報告されている、未
強化ペルフルオロスルホン酸ポリマーフィルムについて
行われた方法にならう。
簡単に記述すると、その手順は以下の工程を含む: 1)複合材のEPTFE部材を、メタノールで、また複合材
の内面及び外面にPFSAPコーティングがある場合には、2
0%イソプロパノール/80%水混合物で、再湿潤させる工
程; 2)複合材を水に浸漬して、EPTFEの気孔内のいかなる
有機溶媒も置換する工程; 3)複合材を過剰量の0.2M水酸化ナトリウムにさらし
て、確実にNa+形のペルフルオロイオノマーへ完全に転
換する工程; 4)100℃の空気炉内で乾燥して含水量を最少にする工
程; 5)60〜65℃のメタノールに4時間さらす工程: 6)グリセリンにさらして、温度を225℃に上昇させる
工程; 7)グリセリンから取り出して、室温まで冷却する工
程;及び 8)過剰量の0.2M NaOHに浸漬して表面のグリセリンを
洗い去り、そして気孔内のグリセリンを水で置換する工
程。
これらの工程の一部はモジュール製作前に、残りはモ
ジュール製作後に行うことができる。モジュール内に予
め集成された複合材を含む工程の場合には、各種液体へ
のこれらの浸漬や暴露は、モジュールの上流区分室と下
流区分室の両方に適当な流体をポンプ送液し、モジュー
ルを適当な温度の炉内に配置することによって、操作す
ることができる。リンス操作は、モジュール区分室内に
リンス液をポンプで送り込むことによって行うことがで
きる。
以下の実施例は、本発明による複合材とその製造及び
使用方法を例示するためのものであるが、特許請求の範
囲を限定するものとして解釈すべきものではまったくな
い。
実施例1 参照によって本明細書中に導入される米国特許第3,95
3,566号明細書に開示されている、以下の物理特性を示
す延伸PTFE構造体(本明細書ではEPTFE-1と称す)を使
用して、本発明による複合膜を製作した:Gurleyデンソ
メーターで測定した空気流10秒(ASTM D726-58);厚さ
0.0009〜0.001インチ;見掛け密度約0,40g/cc;及びメタ
ノールバブルポイント25psi(ASTM F316-80)。
DuPont社(Wilmington,Delaware)製の市販のペルフ
ルオロスルホン酸ポリマーを使用した。商品名は、Nafi
on(登録商標)N117で、公称厚7ミルの、1100当量のペ
ルフルオロスルホン酸ポリマーフィルム(PFSAP)であ
った。また、厚さ0.001インチの1080当量のペルフルオ
ロスルホン酸ポリマーフィルムも使用し、本明細書では
F1と称した。この材料は、フッ化スルホニル形のポリマ
ーを押出して厚さ0.001インチのシートにし、14%水酸
化カリウム/30%ジメチルスルホキシドの水溶液中で80
℃、1時間加水分解することによって調製した。これら
のフィルムを、10%塩酸中に30秒間浸漬し、リンスし、
そしてその酸浸漬−リンスの工程をもう一度繰り返すこ
とによって、酸(H+)形へ転換した。
1080当量のフッ化スルホニル形のペルフルオロスルホ
ン酸ポリマーの1ミルフィルムを、240℃で減圧積層法
によってEPTFE-1フィルムに積層した。次いで、その積
層体のEPTFE側に、2%、920〜950当量(EW)の加水分
解されたペルフルオロスルホン酸ポリマー(DuPont社の
英国特許第1,286,589号明細書に開示されている)の5
%水/95%エチルアルコール混合物中の液状組成物をス
プレーして、含浸させたEPTFEを半透明にした。その
後、その複合材を25℃で1時間乾燥した。次いで、その
構造体全体を、14%水酸化カリウムと30%ジメチルスル
ホキシドを含む水溶液に80℃で1時間さらして、その連
続膜を加水分解してカリウム塩形にした。最後に、その
連続膜を、10%塩酸による23℃、30分間の浸漬を、間に
脱イオン水によるリンスを行い2回繰り返して、遊離酸
(H+)形へ転換した。この複合材を、本明細書ではC1と
称し、また1-1080XR/EPTFE-10Qと記載することもある。
記号0Qは、複合材のEPTFE側が、920〜950当量のペルフ
ルオロスルホン酸ポリマーの液状組成物で処理されてい
ることを表す。
最初の調製されたままの状態で且つ空気中23℃で平衡
化しておいた、N117、F1及び複合材C1から1辺が8.25cm
の正方形を切り出した。厚さを測定した。その試料片を
0.2M NaOHに60時間浸漬して、Na+形に転換し且つその
ような条件下で水で飽和させた。その試験片の表面水分
をタオルで拭き取り、それらの寸法を再度測定した。そ
の後、それらを100℃で1時間加熱し、次いで還流させ
たメタノール中に280分間浸漬した。N117とF1のフィル
ムはX−Y線寸法が大幅に増加したが、複合材は増加し
なかった。試料を、還流メタノールから25℃のグリセリ
ンへ移した。グリセリン浴を、2.5〜3℃/分の速度で2
25℃まで加熱し、そこで加熱を停止し、試料をグリセリ
ン中に16時間入れておき、その間温度は25℃まで低下し
た。その試料を取り出して、寸法を再度測定した。膨潤
した1ミルのペルフルオロスルホン酸ポリマーのF1は非
常に脆く、有意な測定値を得ることができなかった。試
料を0.2M NaOH中に16時間配置し、取り出し、そしてそ
の寸法を再度測定した。1ミルのPFSAPフィルムF1は非
常に脆く、寸法を正確に測定することができなかった。
結果を以下の表1に示す。
F1(1ミルPFSAPフィルム)は、膨潤後は非常に脆く、
測定するための取扱いができなかった。それは、最初の
調製されたままの状態でかなり脆かった。しかしなが
ら、得られたデータから、それはN117(7.7ミルPFSAPフ
ィルム)のようにすべての寸法において実質的に膨張し
たようである。後者は、これもまた脆く裂け易かった
が、測定はできた。それは、グリセリン膨潤工程の際
に、長さと幅の寸法が共に約50%増加し、また厚さが17
ミル増加した。対照的に、C1(1ミルPFSAPとEPTFEの複
合材)は、X−Y線寸法が実質的に変化せず、厚さが2
〜3ミル増加しただけであった。
以下の表2は、N117とC1による寸法安定性と体積膨潤
とを比較した計算値を示す。計算値は表1に示したデー
タによるものである。C1複合材中のEPTFEの有効厚さ
は、C1の最初の調製されたままの状態の厚さ1.7ミルか
ら複合材に用いられたPFSAPフィルムの厚さ1ミルを差
し引くことにより、0.7ミルとした。従って、C1のPFSAP
部材の最終的な膨潤厚は、最初の調製されたままの状態
の1ミルに対して3.3ミルと計算した。
1ミルPFSAPフィルムとEPTFEとの複合材であるC1は、
7.7ミルの未強化構造体よりも耐久性が高く且つ寸法安
定性がはるかによく、しかもまた、促進輸送操作にとっ
て必要な高い膨潤レベルを達成することができる。寸法
変化量は最小であり、また靱性は十分であるので、多層
モジュールを構築して操作することが可能である。一
方、未強化の、はるかに厚いPFSAP構造体N117の場合に
は、寸法変化や相対的に脆いことから、このような可能
性がない。
実施例2 実施例1に示した体積膨潤計算を確認するために、乾
燥時の重量損失を測定することによって、膨潤試料の含
水量を評価した。実施例1で、225℃のグリセリンにさ
らした後、0.2M NaOH中に16時間浸漬することによって
膨潤させておいた試料N117及びC1の表面水分をタオルで
拭き取り、そして秤量した。次いで、それらを100℃の
炉内に18時間以上入れ、再秤量して一定重量に到達した
ことを確認した。
膨潤したN117試料は、乾燥時にその重量の58%を損失
した。
C1のPFSAP部材は、乾燥時にその重量の53%を損失し
た。
この計算は、8.25cm×8.25cm平方のEPTFE-1の重量0.0
78gをC1の乾燥重量から差し引き、また気孔が水で充填
されている8.25cm×8.25cm平方のEPTFE-1の重量0.182g
をC1の湿式膨潤重量から差し引いた後で行った。これら
の8.25cm×8.25cm平方のEPTFE-1の乾燥重量及び湿潤重
量は、それぞれ4個の測定値の平均値である。
対応する測定を、室温で0.2M NaOHに16時間浸漬さ
せ、しかし特別なグリセリン熱膨潤処理は施していない
N117試料及びC1試料の含水量に対して行った。これらの
試験結果を表3にまとめる。
上記データは、本発明による特別なグリセリン熱処理
によって、効率的な促進輸送にとって非常に望ましい、
非常に高いレベルの膨潤を確証するものである。また、
そのデータは、C1複合材の薄いPFSAP部材が、絶対寸法
をほんのわずかに変化させるだけで、N117に匹敵する高
いレベルの膨潤を達成することを示している。実施例1
の体積計算値を確証するものでもある。支持されていな
いN117では得られないこの寸法安定性によって、多層モ
ジュールの製作及び操作が可能になる。
実施例3 実施例1に記載したC1と同じ材料から、同様にして別
の複合材(本明細書中、C2と称する)を製作したが、但
し、920〜950EWペルフルオロスルホン酸ポリマーの液状
組成物をEPTFEにスプレ−する工程は省いた。C2は、1-1
080XR/EPTFE-1と記載することができ、一方C1は1-1080X
R/EPTFE-10Qと記載される。どちらの複合材も、10%塩
酸による23℃、30分間の浸漬を、間に脱イオン水による
リンスを行い2回繰り返して、遊離酸(H+)形へ転換し
た。
各複合材を、アルミニウム製保持リング上で伸長し、
しっかりと締め付けた。その試料をグリセリン浴中に入
れ、周期的に攪はんしながら、その温度を30分間にわた
り165℃まで徐々に上昇させた。リング上の複合材を浴
から取り出して、室温まで冷却させた。次いで、それら
を冷水中に浸漬し、3分間洗浄し、そして取り出して乾
燥させた。複合材C1は、グリセリンの濃縮やふくれがま
ったく無く平滑であった。複合材C2はひどいふくれを発
生した。用いた条件下では、膨潤した構造体中の過剰の
グリセリンと水が疎水性のEPTFE側から逃げられず、ふ
くれが生じた。一方、C1のEPTFE部材は、その内面及び
外面がPFSAPで被覆されており、高温のグリセリンによ
って濡れるに十分な親水性を示し、また過剰のグリセリ
ンは、ふくれを生じることなく逃げた。
C2の別の試料片では、EPTFEを、グリセリン中に浸漬
する前に、まずイソプロパノールで湿らせた。次いで、
それに上記と同じグリセリン処理、冷却及び洗浄を施し
た。ふくれの発生は大幅に減少したが、目に見える小さ
なふくれは存在した。一方、C1のいくつかの処理におい
てこれまではまったく観測されなかった。それゆえ、こ
のふくれを生じる傾向を低減するために、複合材のEPTF
E部材の内面及び外面をペルフルオロイオノマーでコー
ティングする利点が確証された。
実施例4 4種の膜試料を調製して評価した。2種の試料はN117
(7.7ミル厚PFSAP膜)から調製し、本明細書でN117A及
びN117Bと命名した。残る2種の試料は、実施例1と実
施例3に記載した複合材、すなわち、内面及び外面をPF
SAPの液状組成物で被覆してある、1080XR-PFSAPとEPTFE
-1との複合材C1と、液状組成物PFSAP被覆を含まない108
0XR-PFSAPとEPTFE-1との類似複合材C2とした。
4種の膜試料すべてを、0.2M NaOH中に16時間浸漬さ
せた。N117A試料にはさらなる処理を施さずに、評価す
るまで0.2M NaOH中に入れておいた。試料N117B、C1及び
C2を、まず0.2M NaOHから取り出して100℃で1時間乾燥
し、メタノール中に入れて4時間還流し、次いでグリセ
リン中で225℃に加熱することによって、膨潤させた。N
117B、C1及びC2を、0.2M NaOHでさらに16時間リンス
し、取り出し、吸取乾燥し、そして脱イオン水中に1モ
ルのエチレンジアミン(EDA)と1モルの塩酸を含む溶
液中に入れて、24時間以上浸漬した。N117B、C1及びC2
は、試料準備ができるまで、この1M EDA、1M HC1溶液中
に入れておいた。
気体透過性セルを使用して、これら4種の試料の各々
をCO2透過性について評価した。試験用セルは、直径が
6.35cmで体積が120mlの二つの円筒形室から成るものと
した。両方の半部分は、パージ及び試料採取用の出入口
を有した。膜試料をセル内に配置した。複合材の場合、
そのEPTFE側をCO2源に向けて配置した。約0.5mlの水を
セルの源側に添加して、湿った雰囲気を確保した。セル
の源側及び下流側両方を超高純度ヘリウムで十分にパー
ジして、残留性のCO2を完全に除去した。純粋CO2を水バ
ブラーを通してセルの源側に加え、またこのCO2流は、
各試験期間中セルの源側を通してパージさせた。ガス灯
シリンジを使用して、セルの源側へCO2を導入した後、
時間間隔を置いてセルの下流側から1000マイクロリット
ルの気体のアリコートを取り出した。
その気体のアリコートをガスクロマトグラフに直接注
入して、存在するCO2を分離定量した。これらの分析のC
O2のピーク面積を、ガスクロマトグラフへ各種体積の純
粋CO2を直接注入して得られたピーク面積と比較した。
4種の膜試料のデータは、CO2を導入した後の時間
(分)に対する、下流のセル溜中のCO2の相対濃度
(%)として示した。
第4図は、4種の膜試料の違いを、膜の源から下流側
へCO2を輸送する能力に関してグラフで示すものであ
る。試料N117Aは、4種の膜のうち最も遅いCO2輸送を示
した。この試料は比較的厚く、高温グリセリン中で膨潤
せず、また試験前にエチレンジアミンで交換されなかっ
たので、CO2輸送を実質的に促進していない。試料N117B
は、高温グリセリン中で膨潤し、またエチレンジアミン
で交換された。それは、それ相当に、N117Aよりもはる
かに速いCO2輸送を示す。しかしながら、N117Bの輸送能
は、フィルムの厚さによって制限された。
PFSAP/EPTFE膜試料C1及びC2は、一部には、その厚さ
がはるかに薄いために、N117B膜よりも著しく増加したC
O2輸送性を示す。試料C1と試料C2の間のCO2輸送性の差
は、EPTFEの低当量PFSAP処理によって説明できる。加え
られたPFSAPが、EPTFE内の気孔の一部を完全に充填また
はブリッジングし、しかも連続膜の表面を被覆したの
で、構造体全体の厚さが効果的に増加した。この試料C1
と試料C2の差は、これらの複合材と厚い一体膜との差と
比べると、小さいようである。
本発明は、本明細書では特定の実施態様及び詳細な説
明と関連させて開示したが、詳細部の改変や変型を本発
明の趣旨から逸脱することなく行えることは当業者には
自明であり、またこうした改変や変型は、添付の特許請
求の範囲内に含まれると考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マルーク,ロバート エス. アメリカ合衆国,ペンシルバニア 19317,チャドス フォード,アール. ディー.#1,ボックス 332 (72)発明者 ブランカ,フィリップ エー. アメリカ合衆国,デラウェア 19711, ニューアーク,コベントリィ フラワー ロード 132 (72)発明者 ペリー,ランダル エル. アメリカ合衆国,デラウェア 19810, ウィルミントン,ティンバーウィック ロード 1006 (56)参考文献 Gas Separation & purification,Vol. 2,September1988,page 126−130

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C−H結合の80%以上がC−ハロゲン結合
    に置き換えられている高フッ素化ポリマーの連続イオン
    交換膜層を含む積層複合膜であって、前記イオン交換膜
    は最初の調整されたままの長さ、幅及び厚さを有し、前
    記厚さは75μm未満であり、前記イオン交換膜層は、前
    記最初の調製されたままのイオン交換膜層と実質的に同
    じ長さ及び幅を有する微孔質シートに層状付着されてお
    り、前記微孔質シートは、孔径が0.01〜100μmの範囲
    にあり、厚さが500μm未満であり、幅のASTM D882試験
    法による10%伸び率における応力が0.25lb/inを超え、
    そして気孔率が30〜95%の範囲にあり、前記イオン交換
    膜層は、親水性液体で膨潤させると、前記親水性液体が
    膨潤後の前記イオン交換膜層の20重量%を超える程度に
    まで膨潤し、前記膨潤後のイオン交換膜層が示す長さ及
    び幅の増加量は、その最初の調製されたままの状態の長
    さ及び幅に対して5%未満であり、前記膨潤後のイオン
    交換膜層は、その最初の調製されたままの状態に対し
    て、実質的に増加した厚さを示す、前記積層複合膜。
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