JPH04225821A - パーベーパレーション分離膜 - Google Patents

パーベーパレーション分離膜

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JPH04225821A
JPH04225821A JP41407290A JP41407290A JPH04225821A JP H04225821 A JPH04225821 A JP H04225821A JP 41407290 A JP41407290 A JP 41407290A JP 41407290 A JP41407290 A JP 41407290A JP H04225821 A JPH04225821 A JP H04225821A
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JP
Japan
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membrane
pervaporation
exchange membrane
cation exchange
water
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JP41407290A
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Toshikatsu Sada
佐田 俊勝
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合イオン交換膜に関
し、特にパーベーパレーション法に用いて溶媒混合物を
分離、精製するに好適な分離膜(以上、単にパーベーパ
レーション分離膜ともいう)に関する。
【0002】
【従来技術】一般に水−有機液体混合物あるは有機液体
混合物などの溶媒混合物から特定の液体成分を分離する
ための有効な方法として、パーベーパレーション法が知
られている。すなわち、パーベーパレーション法は、分
離膜によって区画された一方の処理室に液体混合物を供
給し、他方の透過蒸気室を減圧にして、該液体混合物か
ら特定の液体成分を透過蒸気室に蒸気として取り出す方
法である。
【0003】従来、このパーベーパレーション法に用い
る分離膜は、例えばセルロース系、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコ
ール、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
テトラフルオロエチレン、あるいはこれらに類似の共重
合体などからなる高分子の膜が知られている。特に水−
有機液体混合物の分離に関しては、以下のような報告が
ある。例えば、J.Polym.Sci.,Sympo
sium  No.41,145(1973)には、水
−メタノール混合液をセロファン膜を用いて分離した例
、J.Appl.Polym.Sci.,Vol.26
,3223(1981)には、同じくグラフト化ポリビ
ニルアルコール膜を用いて水−メタノール混合液を分離
した例などである。また、最近では、天然物カチオン性
ポリマーであるキトサンを水−アルコール混合液の分離
に利用したものとして、特開昭62−4407号公報に
は、水−エタノール混合液をキトサン−ビニルモノマー
重合体膜を用いて分離した例、さらに特開昭62−74
03号公報には、キトサン系あるいはセルロース系の誘
導体を用いて水−アルコール混合液の分離を行った例が
報告されている。
【0004】このようなパーベーパレーション法に用い
る分離膜としては、処理する液体混合物中の特定の物質
に対する優れた選択透過性(以下、分離係数ともいう)
と単位膜面積、単位時間当りの透過液量(以下、透過流
束ともいう)が大きいことの二つの性質が要求される。 これら二つの特性は、どの様な作用機構によって得られ
るのか必ずしも明らかではないが、処理する液体混合物
における組成成分の極性の相違、分子量、分子構造、分
離膜に存在する極性の強弱、電荷の相違、分布あるいは
ミクロに存在する孔径や孔程等により定まるものと思わ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】前記したような従来
の高分子膜においては、それぞれ透過流束および分離係
数をいずれも充分に満足するものが少ない。したがって
、一般に透過流束を向上させるために、高分子の薄膜を
多孔性中空糸等の補強用支持体上に形成させる方法が提
案されている。例えば、特開昭61−54205号公報
には、微多孔性支持膜上にて所定高分子の薄層をコーテ
ィングする方法、また特開昭62−7403号、同62
−7404号公報には、カチオン性多糖類系膜を支持体
膜、例えば微細孔膜などの上に付着する方法が記載され
ている。しかしながら、多孔性の支持体膜上に高分子の
活性層を形成させて、透過流束が大きい所望の複合膜を
得るためには、該高分子の活性層を可及的に薄く且つ緻
密にする必要がある。その結果、このような複合膜は、
形成させた高分子の薄層が割れ、ピンホールなどの発生
とともに、支持体膜との密着性が充分に達成されないた
め、特にパーベーパレーション法における長時間の使用
に耐久性を有しない問題があった。
【0006】上記の問題に鑑み、本発明者は、陽イオン
交換膜の少なくとも一方の表面に導電性高分子の薄層を
存在させた複合イオン交換膜であるパーベーパレーショ
ン分離膜を既に提案した(特願平2−242555号)
。ただ、このようなパーベーパレーション分離膜は、良
好な耐久性を有するが、複合イオン交換膜において導電
性高分子が陽イオン交換膜の内部にまで含浸され易いた
め、所望する厚みの薄層を形成することが困難であり、
ひいては透過流液および分離係数を大きくできない問題
点があった。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者は、上記した
問題点を解決するために研究を進めた。その結果、陽イ
オン交換膜の表面または表層部(以下、単に表面という
)に、陰イオン交換基を有する薄層を介して、導電性高
分子を存在させることにより、該導電性高分子を所望の
薄層に形成でき且つ該陰イオン交換基の介在が得られる
パーベーパレーション分離膜の混合溶媒に対する分離選
択性の向上を知見した。
【0008】本発明は、このような知見に基づくもので
、陽イオン交換膜の少なくとも一方の表面に、陰イオン
交換基を有する層を介して導電性高分子を存在させた複
合イオン交換膜のパーベーパレーション膜である。
【0009】本発明に用いる陽イオン交換膜は、従来公
知の電気透析、拡散透析、電気分解反応の隔膜に用いら
れる陽イオン交換膜、あるいは表面に緻密層を有する多
孔質の陽イオン交換膜などが制限なく用いられるが、特
に酸型の陽イオン交換膜として用いることが好ましい。 一般には炭化水素系、ふっ素系、パーフルオロカーボン
系の高分子を素材とする膜厚が20μm 〜2mmの陽
イオン交換樹脂膜である。このような陽イオン交換膜の
陽イオン交換基としては、例えばスルホン酸基、カルボ
ン酸基、リン酸基、亜リン酸基、リン酸エステル基、ス
ルホン酸エステル基、フェノール性水酸基、パーフルオ
ロ三級アルコール基、チオール基、酸アミド基などが挙
げられ、交換容量としては一般に、0.3〜3.5、好
ましくは0.5〜2.5ミリ当量/グラム(乾燥膜)が
好ましく、また含水量としては純水に平衡にしたときに
一般に10〜60%が好適である。
【0010】本発明の陽イオン交換膜の表面に介在させ
る陰イオン交換基を有する層は、該陰イオン交換基とし
て例えば一級、二級、三級アミン、第4級アンモニウム
塩基、第三級スルホニウム塩基、第4級ホスホニウム塩
基、コバルチシニウム塩基のように、水溶液または水−
有機溶媒の混合物中において正の電荷を有する炭化水素
系の高分子などで形成される。この陰イオン交換基を有
する層は、厚みが一般に10Å〜10μm 、特に50
Å〜1μm の薄層が好ましい。このような陽イオン交
換膜の表面に陰イオン交換基を有する層を形成させる方
法は、従来公知の方法が特に制限なく採用される。具体
的には、例えば陽イオン交換膜に陰イオン交換基を有す
る層を共有結合性の化学結合によって存在させる方法;
陰イオン交換性の基を有する高分子電解質を化学的、物
理的に吸着させる方法;イオン交換吸着させる方法;陰
イオン交換基を有する薄膜を陽イオン交換膜の少なくと
も片面にラミネートする方法;陽イオン交換膜の素材と
なる母体高分子膜状物の少なくとも一方の表面に、膜内
部に向って反応結合させる方法などが適宜、実施される
【0011】本発明に用いられる導電性高分子としては
、特に制限されず、例えば従来公知のピロール、その誘
導体、チオフェン、その誘導体、アニリン、その誘導体
、フェニレンジアミン類、その誘導体、アズレン、その
誘導体、ナフチルアミン類、その誘導体、フラン類、ベ
ンゼン、そのほか複素環化合物類、芳香環化合物類など
の重合体で、一般に電解酸化、電解還元、酸化試薬によ
る酸化、還元試薬による還元などによって重合し高分子
物を形成し、かつ電子伝導性を発揮する高分子体であれ
ば何ら制限なく用いることが出来る。また、ポリフェニ
レンビニレンのように予め前駆体の高分子を合成して、
これに後で共役二重結合を導入する高分子も用いること
が出来る。そのほかポリフェニレンスルフィドのような
高分子も用いられる。これら各種の導電性高分子は目的
に応じて用いることが出来るが、好ましい導電性高分子
としてはピロール、その誘導体、アニリン、その誘導体
を化学酸化によって重合した高分子体である。さらに、
このような導電性高分子には、一般にp型とn型とが存
在し、それぞれドーパントがドープされる。例えばn型
の導電性高分子には、陽イオン性のNa+ ,Li+ 
などの無機陽イオン、そのほか有機アミン、I2 など
が用いられる。またp型の導電性高分子には、一般に無
機、有機の陰イオン、例えばCl− ,Br− ,I−
 ,F− ,SO42− ,PO43− ,NO3 −
 ,ClO4 − ,BF4 − ,FeCl3 ,C
uSO4 ,トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸
、ナフタリントリスルホン酸、マレイン酸、酢酸、プロ
ピオン酸などであり、特にSO42− ,PO43− 
,マレイン酸など多価の陰イオンが好ましく用いられる
。なお、陽イオン交換膜に存在させた導電性高分子は、
ドープした状態で用いてもいいが、脱ドープして電導度
を低下させた状態にして用いても有効であり、ドープし
た状態で用いるか脱ドープした状態で用いるかは、目的
とする本発明のパーベーパレーション分離膜が分離する
溶媒の種類によって適宜選定される。
【0012】上記した陽イオン交換膜の少なくとも一方
の表面に存在させた陰イオン交換基を有する薄層を介し
て、導電性高分子の薄層を形成するには、従来公知であ
る各種の複合膜を合成する際に用いられる各種の方法が
何ら制限なく採用される。例えは導電性高分子が何らか
の溶媒に可溶である場合は、これを流延、塗布噴霧して
乾燥して導電性高分子の薄膜を形成する方法、また導電
性高分子が溶融成形性を有する場合はこれの薄膜を作り
圧着する方法などを用いることが出来る。さらに好まし
い態様としては、陽イオン交換膜自体が触媒の担体とし
て、これに重合触媒を担持して導電性高分子の単量体を
重合させる方法である。具体的には、例えば鉄、銅、フ
ェロシアン化鉄などの酸化、還元によって荷電の変化す
るイオン種を陽イオン交換膜にイオン交換し、次いで酸
化重合あるいは還元重合して導電性高分子を与える単量
体をこれに接触させることによって、膜表層部において
該導電性高分子を重合存在させる方法である。また、陽
イオン交換膜内に重合に用いる導電性高分子の単量体を
充分に含浸させて、これに酸化あるいは還元能があり、
該陽イオン交換膜内に入り得ない陰イオン性の酸化剤、
例えば過硫酸アンモニヤなどの塩、過酸化水素6価クロ
ムなどの酸化剤で処理して陽イオン交換膜の表層部での
み重合させる方法なども好適に用いられる。
【0013】上記したような陽イオン交換膜の少なくと
も一方の表面に陰イオン交換基を有する層を介して存在
させる導電性高分子は、層厚が一般に10Å〜50μm
 、特に100Å〜10μm の薄層として形成させる
ことが好ましい。即ち、陽イオン交換膜の表面に導電性
高分子の薄層を存在させた複合イオン交換膜は、該導電
性高分子の層厚が大きくなるとパーベーパレーション分
離膜として透過流束が小さくなり、また層厚が小さくな
ると分離係数が小さくなるため好ましくない。したがっ
て、陽イオン交換膜の表面に導電性高分子を含浸重合に
より形成させるに際して、浸透溶液におる該導電性高分
子の単量体(濃度)、重合温度、重合時間などを調整す
ることにより、該導電性高分子の層厚を制御すればよい
【0014】本発明のパーベーパレーション分離膜は、
その形状が特に制限されるものでなく、従来公知のパー
ベーパレーション装置に用いられる例えば、平膜、中空
糸膜、管状膜などとして提供される。即ち、本発明の複
合イオン交換膜は、平膜の少なくとも一方の膜表面に導
電性高分子の薄層が存在し、中空糸膜または管状膜の外
側、内側あるいは両側の表面に導電性高分子の薄層が存
在する形態である。
【0015】
【発明の作用および効果】本発明のパーベーパレーショ
ン分離膜は、特に水−アルコール混合液のパーベーパレ
ーションによる分離に良好な分離性能を発揮するばかり
でなく、機械的強度にも優れて工業的に長期間の使用に
耐久性を有する。このような本発明の優れたパーベーパ
レーション分離膜の機構は、必ずしも明確でないが、陽
イオン交換膜の表面に陰イオン交換基を有する薄層を介
在させることにより、該陽イオン交換膜の陰イオン交換
基を有する外部にのみ、導電性高分子を所望する薄層状
に容易に形成させることができるため、混合溶媒間の高
い分離選択性と高い透過液量を維持することができると
推測される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の内容を具体的に実施例によっ
て説明するが、本発明はこれらの実施例だけに制限され
るものではない。
【0017】なお、実施例に示したパーベーパレーショ
ン法における透過液量と溶媒間の分離係数は、次のよう
に測定、算出した。透過液量束Q(g/Hr/m2) 
:透過側ガスをドライアイス−メタノール或いは液体窒
素のトラップで捕集し、単位膜面積、単位時間当たりの
透過液(重量) 分離係数(α):溶媒A、溶媒Bの混合液に対してはで
定義されるものである。ここでY(A) は膜を透過す
る透過液中のA成分の重量分率、Y(B) は膜を透過
する透過液中のB成分の重量分率、X(A) は供給液
中のA成分の重量分率、X(B) は供給液中のB成分
の重量分率を示すものである。例えば水−アルコール混
合液に対しては、 で定義され、式中のX(H2 O)とX(EtOH)は
、供給液中の水−エタノール混合液中の水の重量分率と
エタノールの重量分率を、Y(H2O)とY(EtOH
)は、膜を透過する透過液中の水の重量分率とエタノー
ルの重量分率をそれぞれ示すものであり、ガスクロマト
グラフなどで定量される。
【0018】なお、実施例および比較例に記した%は、
重量%である。
【0019】実施例1 徳山曹達(株)製の陽イオン交換膜(ネオセプタCM−
1)を1.0規定の塩酸に数回浸漬したのち、これを膜
の片面だけを反応できる装置に組込み、膜の片面だけを
4−ビニルピリジンの20%メタノール溶液と2時間接
触させた。その後、5%のFeCl3 ・7H2 Oを
水溶液中に浸漬し、この液を3回とりかえてスルホン酸
鉄型の陽イオン交換膜を得た。次いで、これをピロール
の5%水溶液と膜の片面だけ反応できる装置を用いて、
4−ビニルピリジンと接触処理した膜面に2時間接触さ
せた。この得られた複合イオン交換膜を充分に水洗後、
膜断面を鋭利な刀で切断し薄片にして顕微鏡で観察した
ところ、膜断面の1/20が黒色となりピロールが膜内
に含浸し、重合していることを確認した。ここで得られ
た複合イオン交換膜を1規定の塩酸中に平衡にして、さ
らに1規定の硫酸に浸漬した。別に、この膜の一部をと
りピロールを上記の化学重合する前と後で重量増加を調
べたところ、0.5%であった。
【0020】この複合イオン交換膜を90%エタノール
−10%水の混合液に一夜浸漬したのち、パーベーパレ
ーション測定装置にセットして、90%エタノール−1
0%水の混合溶液をパーベーパレーションの実施に供し
た。即ち、有効面積33.18cm2 (65mm直径
)の円筒型の測定装置に複合イオン交換膜を組み込み、
ポリピロールの薄層が存在する膜面を上方に向け、膜の
下には多孔質ガラス板を配して支持体とした。この90
%エタノール溶液を測定装置に満たし、60℃の恒温槽
に浸漬してセルの下部を真空ポンプで減圧にした。真空
度は2torr以下であった。透過したガスはドライア
イス−メタノールでトラップし、60分間の透過液量を
測定し、透過流束(Q)を求め、またトラップの中に凝
集した透過液は一旦溶解し、ガスクロマトグラフィーに
よって透過液中の水とエタノールの割合を求めた。得ら
れた結果は、透過液量(Q)が1520g/Hr・m2
であり、分離係数(α)が1530であった。
【0021】さらに、膜の耐久性を確認するために、8
5%エタノール−15%水の混合溶液を上記と同様のパ
ーベーパレーションにより98%エタノールまで脱水す
ることを、1回/日の割合で30回(30日間)の実施
を行った。その後、再び90%エタノール−10%水の
混合溶液について、パーベーパレーションを実施した結
果、透過液量(Q)は1620g/Hr・m2、分離係
数(α)は1500であった。
【0022】比較例1−(1) 実施例1で用いた陽イオン交換膜(ネオセプタCM−1
)を酸型にして、そのまま実施例1と同様にパーベーパ
レーションの測定に供した結果、透過液量(Q)は16
35、分離係数(α)は3.58であった。また、膜の
耐久性を確認するために、実施例1と同様に、85%エ
タノール−15%水の混合溶液をパーベーパレーション
実施した後、90%エタノール−10%水の混合溶液に
ついてパーベーパレーションを実施した結果、透過液量
(Q)は1720g/Hr・m2、分離係数(α)は3
.15であった。
【0023】比較例1−(2) 実施例1で用いた陽イオン交換膜(ネオセプタCM−1
)を酸型にして、実施例1と同様に膜の片面にのみ4−
ビニルピリジンを接触させてマトリックス重合させた複
合膜について、実施例1と同様にパーベーパレーション
の測定に供した結果、透過液量(Q)は1535、分離
係数(α)は230であった。また、膜の耐久性につい
て実施例1と同様のパーベーパレーションを実施した結
果、透過液量(Q)は1540g/Hr・m2、分離係
数(α)は200であった。
【0024】比較例1−(3) 実施例1において、陽イオン交換膜(ネオセプタCM−
1)に4−ビニルピリジンとの接触処理を施すことなく
、実施例1と同様の方法によりスルホン酸鉄型にした後
、ピロールと接触処理して複合イオン交換膜を得た。
【0025】この複合イオン交換膜を用いて、実施例1
と同様のパーベーパレーションを実施した結果、透過液
量(Q)は1015g/Hr・m2、分離係数(α)は
450であった。また、実施例1と同様に膜の耐久性を
確認するパーベーパレーションを実施した結果、透過液
量(Q)は1125g/Hr・m2、分離係数(α)は
420であった。
【0026】実施例2 パーフルオロアルキルビニルエーテルスルホニルフルオ
ライドと四弗化エチレンを共重合して得たパーフルオロ
カーボンポリマーを押し出し成型によって厚さ150μ
m のフィルム膜とした。これの一方の膜面にトリエチ
レンテトラミンと水との1:1混合液を1時間接触させ
たのちに、ジメチルスルホキシド50部、水40部およ
び水酸化カリウム10部からなる加水分解浴に90℃で
2時間浸漬して、未反応の膜内部のスルホニルフルオラ
イド基をスルホン酸カリウム塩に変換した。この膜のイ
オン交換容量は0.91ミリ当量/g(乾燥膜)であっ
た。また、この膜の一部を切りとってクリスタルバイオ
レットの3%エタノールと水との1:1の液に浸漬した
のち、鋭利な刀で薄片状に切り、膜の断面を顕微鏡で見
たところ、トリエチレンテトラミンを反応させた膜側の
約10μm が染色されていなかった。次いで、この膜
を1規定の塩酸中に浸漬して平衡にして、これを3回く
り返してH型とし、また膜の表層部に酸アミド結合で結
合したトリエチレンテトラミンの残余のアミノ基を解離
させてCl型とした。再び、この膜の一部を切りとって
コンゴレットの飽和水溶液に浸漬したのち、薄片状にし
て顕微鏡で膜断面を観察したところ、トリエチレンテト
ラミンを反応させた膜側が約10μm の厚みで赤く染
色されていた。
【0027】次に、この膜を5%のFeCl3 ・7H
2 Oの水溶液中に浸漬して鉄型としたのち、実施例1
と同様に膜の片面のみ反応できる装置に組込み、トリエ
チルテトラミンを反応させた側に3%アニリン水溶液を
48時間接触させた。膜は黒変し、トリエチレンテトラ
ミンが反応した層及び、その外側にポリアニリンの薄層
が形成された。この膜を1規定−硫酸により3回平衡に
した。
【0028】この得られた複合イオン交換膜を用いて、
実施例1と同じ装置で同様の条件で90%エタノール−
10%水の混合溶液について、パーベーパレーションを
その液に平衡にしたのちに実施した。その結果、透過液
量(Q)は3115g/Hr・m2であり、分離係数(
α)は850であった。また、この複合イオン交換膜を
用いて、1日に1回の割合で70%エタノールと30%
水の混合溶液をパーベーパレーションによって脱水して
99%とする測定を2ケ月間続けた。2ケ月後、再び9
0%エタノール−10%水の混合溶液についてパーベー
パレーションを実施した結果、透過液量(Q)は320
0g/Hr・m2、分離係数(α)は890であった。
【0029】比較例2−(1) 実施例2において得たパーフルオロスルホン酸型の陽イ
オン交換膜をそのまま用いて、実施例2と同様のパーベ
ーパレーションを実施した結果、透過液量(Q)は41
20g/Hr・m2、分離係数(α)は1.58であり
、また実施例2と同様のパーベーパレーションを2ケ月
間実施後における結果は透過液量(Q)が5210g/
Hr・m2、分離係数(α)が1.29であった。
【0030】比較例2−(2) 実施例2のトリエチレンテトラミンにより接触処理した
陽イオン交換膜を用いて、実施例2と同様のパーベーパ
レーションを実施した結果、透過液量(Q)は3200
g/Hr・m2、分離係数(α)は230であり、また
実施例2と同様のパーベーパレーションを2ケ月間実施
後における結果は、透過液量(Q)が3300g/Hr
・m2、分離係数(α)が195であった。
【0031】比較例2−(3) 実施例2において、パーフルオロスルホン酸型の陽イオ
ン交換膜にトリエチレンテトラミンと接触処理を施すこ
となく、実施例2と同様の方法により鉄型にした後、ア
ニリンと接触処理して複合イオン交換膜を得た。
【0032】この複合イオン交換膜を用いて、実施例と
同様のパーベーパレーションを実施した結果、透過液量
は2752g/Hr・m2、分離係数(α)は790で
あり、また実施例2と同様のパーベーパレーションを2
ケ月間実施後における結果は、透過液量(Q)が283
0g/Hr・m2、分離係数(α)が785であった。
【0033】実施例3 アニリン20部を純水90部に分散し、これに過塩素酸
を添加して溶解し、pHが2.0となるまで添加した。 これに白金の陽極と陰極を挿入して10mM/cm2 
の定電流で電気分解を実施した。陽極上に電解酸化重合
により、フィブリル化したポリアニリンが析出した。陽
極を充分に水洗したのち、白金板よりとり除いたポリア
ニリンをN−メチルピロリドンの中に入れて50℃に加
熱、撹拌して溶解した。不溶分は濾紙にて濾過して除去
し、黒紫色のポリアニリン溶液を得た。他方実施例2に
おいて得たパーフルオロカーボンスルホン酸型の陽イオ
ン交換膜を、分子量が約10万であるポリエチレンイミ
ン(日本触媒社製)の1%水溶液と一方の膜面を2時間
接触させた。この膜を水洗して風乾した後、水平にした
ガラス板の上に置いて、上記の調製したポリアニリンの
N−メチルピロリドン溶液を流延し乾燥した。得られた
膜の重量増加は8.5%であった。
【0034】次に上記の得られた複合イオン交換膜を用
いて、95%エタノール−5%水の混合溶液に1日浸漬
して充分に平衡にしたのち、該混合溶液のパーベーパレ
ーションを実施例1と同様の装置、条件で実施した。そ
の結果、透過液量(Q)は1850g/Hr・m2、分
離係数(α)は1350であった。また、この複合イオ
ン交換膜の耐久性を確認するために、80%エタノール
−20%水の混合溶液を98%まで脱水するパーベーパ
レーションを1回/日の割合で90回(3ケ月間)実施
した。その後、再び95%エタノール−5%水の混合溶
液をパーベーパレーションに供した結果、透過液量(Q
)および分離係数(α)は上記と同様で測定誤差の範囲
で殆んど変化がなかった。
【0035】比較例3−(1) 実施例3に用いたパーフルオロカーボンスルホン酸型陽
イオン交換膜を酸型にして、実施例3と同様のパーベー
パレーションを実施した結果、透過液量(Q)は360
8g/Hr・m2、分離係数(α)は1.56であり、
また実施例3と同様に耐久性を確認するためのパーベー
パレーションを実施した結果は、透過液量(Q)は39
50g/Hr・m2、分離係数(α)は1.23であっ
た。
【0036】比較例3−(2) 実施例3において、ポリエチレンイミンと接触処理した
だけの陽イオン交換膜を用いて、実施例3と同様のパー
ベーパレーションを実施した結果、透過液量(Q)は2
110g/Hr・m2、分離係数は250であり、また
実施例3と同様に耐久性を確認するためのパーベーパレ
ーションを実施した結果は、透過液量(Q)は3100
g/Hr・m2、分離係数(α)は150であった。
【0037】比較例3−(3) 実施例3におけるパーフルオロカーボンスルホン酸型の
陽イオン交換膜を用いて、ポリエチレンイミンによる接
触処理を施すことなく、ほかは実施例3と同様の方法に
よりポリアニリンで処理した複合イオン交換膜を得た。
【0038】この複合イオン交換膜を用いて、実施例3
と同様のパーベーパレーションを実施した結果、透過液
量(Q)は1335g/Hr・m2、分離係数(α)は
1250であり、また実施例3と同様に耐久性を確認す
るためのパーベーパレーションを実施した結果は、透過
液量(Q)が1405g/Hr・m2、分離係数(α)
が1120であった。
【0039】実施例4 スチレン100部および純度55%のジビニルベンゼン
10部に微粉状ポリ塩化ビニル50部を加え、さらにジ
オクチルフタレート25部を加えたのち、ベンゾイルパ
ーオキサイド2部を加えて混合し、ペースト状物を得た
。これをポリ塩化ビニル製の平織布に塗布し、両側をポ
リビニルアルコールの薄膜でおおい、加熱重合して、厚
みが100μm の高分子膜状物を得た。これを70%
硝酸と98%硫酸の1:1の液に20分間浸漬し、膜表
層部にニトロ基を導入した。また、この膜を60℃、9
8%濃硫酸に12時間浸漬してスルホン化処理して陽イ
オン交換膜とした。次いで、塩酸−錫の中に浸漬して膜
表層部のニトロ基を還元しアミノ基に変換した。これら
の反応はいづれもFTIR−ATRによって確認した。 さらに、この膜を沃化メチル−ヘキサン=60:40(
重量比)の液中に浸漬し、膜表層部のアミノ基をアルキ
ル化処理した。
【0040】上記の得られた陽イオン交換膜を2%のピ
ロール水溶液に24時間浸漬したのち、膜の片面のみ反
応できる装置に組み込み、アミノ基の存在する膜面に5
%の塩化第二鉄水溶液を4時間接触させた。陽イオン交
換膜の表層部に陰イオン交換基を有する層が存在してい
るため、第二鉄イオンは陽イオン交換膜内に入り得ず、
ピロールが膜表面上に重合析出した形態の複合イオン交
換膜である。
【0041】上記の複合イオン交換膜を用いて、85%
イソプロピルアルコール−15%水の混合溶液に浸漬し
て平衡にした後、実施例1と同様の装置、条件により、
該混合溶液のパーベーパレーションを実施した結果、透
過液量(Q)は1410g/Hr・m2、分離係数(α
)は2100であった。また、この複合イオン交換膜の
耐久性を確認するために、85%イソプロピルアルコー
ル−15%水の混合溶液を70℃で99%イソプロピル
アルコールまで脱水処理を1回/日の割合で3ケ月間く
り返しパーベーパレーションを実施した結果、透過液量
(Q)および分離係数(α)は殆んど変化なかった。
【0042】実施例5 ポリスルホン(アモコケミカルジャパン社製)10部を
エチレンジクロライド90部に溶解し、これにクロルス
ルホン酸(純度90%以上)を氷冷下に滴下した。クロ
ルスルホン酸の添加量はポリスルホンのイオン交換容量
が0.35ミリ当量/グラム(乾燥樹脂)となるように
調整した。クロルスルホン酸を添加することによって析
出したゴム状のポリマーをとり出し充分に水洗して、メ
タノールで洗浄して乾燥した。この得られた樹脂をN−
メチルピロリドンに20%となるように溶解し、次いで
メッシュフィルターで濾過し、二重管ノズルによって凝
固浴である冷水の中に押し出して中空糸膜を得た。得ら
れた中空糸膜は、外径が1.2mmで、内径が0.8m
mであった。
【0043】この中空糸膜を一旦0.5規定の苛性ソー
ダ中に浸漬して残余のスルホニルクロライド基をスルホ
ン酸ソーダ基に変換したのち、2%のベンゾフェノンを
含む4−ビニルピリジンの20%メタノール溶液を中空
糸膜の表面にスプレイして後、中空糸膜で回転させなが
ら紫外線を照射した。これを5回くり返して、中空糸膜
の表面にポリ−4−ピリジンの薄層を形成した。中空糸
膜の重量増加は、2.1%であった。次いで、この中空
糸膜を5%の酸化第二鉄の水溶液中に浸漬してスルホン
酸鉄型とした後、これを1%のピロール水溶液中に浸漬
したところ黒変し、中空糸膜の外表面にポリピロールの
薄膜が形成された。また、この中空糸膜の断面を顕微鏡
で見ると、内壁と外壁に約5μm の緻密層が、その中
間はスポンジ状であり、外壁の緻密層が黒変し、ポリピ
ロールの層が形成された複合膜を得た。次いで、この複
合膜を0.5規定のリン酸水溶液中に浸漬し、中空糸膜
のスルホン酸鉄をスルホン酸型に交換し、またポリピロ
ールのドーパントとしてリン酸基をドープさせた。
【0044】この複合した中空糸膜の10本(長さ15
cm)をガラス管中に入れ、両端をエポキシ樹脂によっ
て固定してモジュール化した。このモジュールをパーベ
ーパレーション装置に組込み中空糸膜の外側にイソプロ
ピルアルコール90%−水10%の混合液を流し、中空
糸膜内を減圧にしてパーベーパレーションを実施した。 透過した蒸気をトラップして分析したところ、透過流束
(Q)は3200g/Hr・m2、分離係数(α)は3
500であった。
【0045】なお、上記のスルホン酸基を有する中空糸
膜を何ら処理することなく、そのまま同様のパーベーパ
レーションに供した結果、透過液量(Q)は3720g
/Hr・m2、分離係数(α)は2.5であった。また
、膜表面にポリ−4−ビニルピリジンの層だけを形成さ
せた中空糸膜を用いて、同様のパーベーパレーションを
実施した結果、透過液量(Q)は3500g/Hr・m
2、分離係数(α)は230であった。
【0046】実施例6 実施例2と同一の複合イオン交換膜を用いて、10%メ
タノール−90%イソプロピルアルコールの混合溶液を
パーベーパレーションによる分離実施した。装置、方法
は実施例1と同様にして行ったが、透過液のトラップに
は液体窒素を用いた。その結果、透過流束(Q)は15
20g/Hr・m2であり、イソプロピルアルコールに
対するメタノールの分離係数(α)は350であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  陽イオン交換膜の少なくとも一方の表
    面に、陰イオン交換基を有する層を介して導電性高分子
    を存在させた複合イオン交換膜であるパーベーパレーシ
    ョン分離膜。
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