JPH04222623A - パーベーパレーション分離膜 - Google Patents

パーベーパレーション分離膜

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JPH04222623A
JPH04222623A JP41806690A JP41806690A JPH04222623A JP H04222623 A JPH04222623 A JP H04222623A JP 41806690 A JP41806690 A JP 41806690A JP 41806690 A JP41806690 A JP 41806690A JP H04222623 A JPH04222623 A JP H04222623A
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Japan
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membrane
pervaporation
water
anion exchange
separation
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JP41806690A
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Toshikatsu Sada
佐田 俊勝
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰イオン交換膜の複合
膜に関し、特にパーベーパレーション法に用いて溶媒混
合物を分離、精製するに好適な分離膜(以下、単にパー
ベーパレーション分離膜という)に関する。
【0002】
【従来技術】一般に水−有機液体混合物あるいは有機液
体混合物などの溶媒混合物から特定の液体成分を分離す
るための有効な方法として、パーベーパレーション法が
知られている。すらわち、パーベーパレーション法は、
分離膜によって区画された一方の処理室に液体混合物を
供給し、他方の透過蒸気室を減圧にして、該液体混合物
から特定の液体成分を透過蒸気室に蒸気として取り出す
方法である。
【0003】従来、このパーベーパレーション法に用い
る分離膜は、例えばセルロース系、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコ
ール、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
テトラフルオロエチレン、あるいはこれらに類似の共重
合体などからなる高分子の膜が知られている。特に水−
有機液体混合物の分離に関しては、以下のような報告が
ある。例えば、J.Polym.Sci.,Sympo
sium  No.41,145(1973)には、水
−メタノール混合液をセロファン膜を用いて分離した例
、J.Appl.Polym.Sci.,Vol.26
,3223(1981)には、同じくグラフト化ポリビ
ニルアルコール膜を用いて水−メタノール混合液を分離
した例などである。また、最近では、天然物カチオン性
ポリマーであるキトサンを水−アルコール混合液の分離
に利用したものとして、特開昭62−4407号公報に
は、水−エタノール混合液をキトサン−ビニルモノマー
重合体膜を用いて分離した例、さらに特開昭62−74
03号公報には、キトサン系あるいはセルロース系の誘
導体を用いて水−アルコールの分離を行った例が報告さ
れている。
【0004】このようなパーベーパレーション法に用い
る分離膜としては、処理する液体混合物中の特定の物質
に対する優れた選択透過性(以下、分離係数ともいう)
と単位膜面積、単位時間当りの透過量(以下、透過流束
ともいう)が大きいことの二つの性質が要求される。こ
れら二つの特性は、どの様な作用機構によって得られる
のか必ずしも明らかではないが、処理する液体混合物に
おける組成成分の極性の相違、分子量、分子構造、分離
膜に存在する極性の強弱、電荷の相違、分布あるいはミ
クロに存在する孔径や孔程等により定まるものと思われ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】前記したような従来
の高分子膜においては、それぞれ透過流束および分離係
数をいずれも充分に満足するものが少ない。したがって
、一般に透過流束を向上させるために、高分子の薄膜を
多孔性中空糸等の補強用支持体上に形成させる方法が提
案されている。例えば、特開昭61−54205号公報
には、微多孔性支持膜上にて所定高分子の薄層をコーテ
ィングする方法、また特開昭62−7403号、同62
−7404号公報には、カチオン性多糖類系膜を支持体
膜、例えば微細孔膜などの上に付着する方法が記載され
ている。
【0006】しかしながら、多孔性の支持体膜上に高分
子の活性層を形成させて、透過流束が大きい所望の複合
膜を得るためには、該高分子の活性層を可及的に薄く且
つ緻密にする必要がある。その結果、このような複合膜
は、形成させた高分子の薄層が割れ、ピンホールなどの
発生とともに、支持体膜との密着性が充分に達成されな
いため、特にパーベーパレーション法における長時間の
使用に耐久性を有しない問題がある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上記し
た問題に鑑み、分離係数および透過流束がともに大きく
、かつ長期間の耐久性に優れた浸透気化膜の開発に鋭意
研究した。その結果、陰イオン交換膜の表面あるいは表
層部(以下、単に表面という)に導電性高分子を存在さ
せた複合イオン交換膜が、所望するパーベーパレーショ
ン分離膜として極めて有効であるとの知見に基づき、本
発明を提供するに至ったものである。即ち、本発明は、
陰イオン交換膜の少なくとも一方の表面に導電性高分子
を存在させた複合イオン交換膜であるパーベーパレーシ
ョン分離膜である。
【0008】本発明に用いる陰イオン交換膜は、従来公
知の電気透析、拡散透析、電気分解反応の隔膜に用いら
れる陰イオン交換膜、あるいは表面に緻密層を有する多
孔質の陰イオン交換膜などが制限なく用いられる。一般
には炭化水素系、ふっ素系、パーフルオロカーボン系の
高分子を素材とする膜厚が20μm〜2mmの陰イオン
交換樹脂膜である。このような陰イオン交換膜の陰イオ
ン交換基としては、例えば一級,二級,三級アミン、第
四級アンモニウム塩基、第三級スルホニウム塩基、第四
級ホスホニウム塩基、コバルチシニウム塩基のように、
水溶液または水−有機溶媒の混合物中において正の電荷
を示すものであれば特に制限されず、また交換容量とし
ては一般に0.3〜3.5ミリ当量/グラム(乾燥膜)
が好ましく、また含水量としては純水に平衡にしたとき
に一般に10〜95%が好適である。なお、少なくとも
一方の表面だけ架橋緻密な構造を有する陰イオン交換膜
、あるいは少なくとも一方の表面に薄層状に陽イオン交
換基が存在する陰イオン交換膜なども好適に用いられる
【0009】本発明の陰イオン交換膜において、その少
なくとも一方の表面に存在させる導電性高分子としては
、特に制限されず、例えば従来公知のピロール、その誘
導体、チオフェン、その誘導体、アニリン、その誘導体
、フェニレンジアミン類、その誘導体、アズレン、その
誘導体、ナフチルアミン類、その誘導体、フラン類、ベ
ンゼン、そのほか複素環化合物類、芳香環化合物類など
の重合体で、一般に電解酸化、電解還元、酸化試薬によ
る酸化、還元試薬による還元などによって重合し高分子
物を形成し、かつ電子伝導性を発揮する高分子体であれ
ば何ら制限なく用いることが出来る。また、ポリフェニ
レンビニレンのように予め前駆体の高分子を合成して、
これに後で共役二重結合を導入する高分子も用いること
が出来る。そのほかポリフェニレンスルフィドのような
高分子も用いられる。これら各種の導電性高分子は目的
に応じて用いることが出来るが、好ましい導電性高分子
としてはピロール、その誘導体、アニリン、その誘導体
を化学酸化によって重合した高分子体である。さらに、
このような導電性高分子には、一般にp型とn型とが存
在し、それぞれドーパントがドープされる。例えばn型
の導電性高分子には、陽イオン性のNa+,Li+など
の無機陽イオン、そのほか有機アミン、l2などが用い
られる。またp型の導電性高分子には、一般に無機,有
機の陰イオン、例えばCl−,Br−,l−,F−,S
O42−,PO43−,NO3−,ClO4−,BF4
−,FeCl3,CuSO4,トルエンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、ナフタリントリスルホン酸、マレイ
ン酸、酢酸、プロピオン酸などであり、特にSO42−
,PO43−,マレイン酸など多価の陰イオンが好まし
く用いられる。なお、陽イオン交換膜に存在させた導電
性高分子は、ドープした状態で用いてもいいが、脱ドー
プして導電度を低下させた状態にして用いても有効であ
り、ドープした状態で用いるか脱ドープした状態で用い
るかは、目的とする本発明のパーベーパレーション分離
膜が分離する溶媒の種類によって適宜選定される。
【0010】上記した陰イオン交換膜の少なくとも一方
の表面に導電性高分子の薄層を形成するには、従来公知
である各種の複合膜を合成する際に用いられる各種の方
法が何ら制限なく採用される。例えば導電性高分子が何
らかの溶媒に可溶である場合は、これを陰イオン交換膜
上に流延、塗布噴霧して乾燥して導電性高分子の薄膜を
形成する方法、また導電性高分子が溶融成形性を有する
場合はこれの薄膜を作り、陰イオン交換膜上に圧着する
方法などを用いることが出来る。さらに好ましい態様と
しては、陰イオン交換膜自体が融媒の担体として、これ
に重合融媒を担持して導電性高分子の単量体を重合させ
る方法である。
【0011】具体的には、過硫酸イオン,亜硫酸イオン
などの酸化あるいは還元によって荷電の変化するイオン
種を陰イオン交換膜にイオン交換し、次いで酸化重合あ
るいは還元重合して導電性高分子を与える単量体をこれ
に接触させることによって、膜表層部において該導電性
高分子を存在重合させる方法である。また、陰イオン交
換膜内に重合に用いる導電性高分子の単量体を充分に含
浸させて、これに酸化あるいは還元能があり、該陰イオ
ン交換膜内に入り得ない陽イオン性の酸化剤あるいは還
元剤、例えば第二塩化鉄類、硫酸銅、フェリシアン化鉄
などの酸化、還元状態で荷電が変るものの溶液を該陽イ
オン交換膜の表面に接触させる方法などが好適に用いら
れる。さらに具体的に例を挙げて説明すると、陰イオン
交換膜をピロールの水または有機溶媒の溶液に浸潰して
充分に膜内に含浸させ、次いで必要により片面だけ塩化
第二鉄などの酸化性の試薬を含んだ水溶液に接触させる
方法により、ピロールは解離して陽イオンとなり含陰イ
オン交換基と反撥し合い、謂ゆるドナン排除によって膜
表面に出て重合するため、膜の表層部にだけポリピロー
ルの層を作ることが出来る。
【0012】上記したような陰イオン交換膜の少なくと
も一方の表面に存在させる導電性高分子は、層厚が一般
に10Å〜50μm、特に100Å〜10μmの薄層と
して形成させることが好ましい。即ち、陰イオン交換膜
の表面に導電性高分子の薄層を存在させた複合イオン交
換膜は、該導電性高分子の層厚が大きくなるとパーベー
パレーション分離膜として透過流束が小さくなり、また
層厚が小さくなると分離係数が小さくなるため好ましく
ない。したがって、陰イオン交換膜の表面に導電性高分
子を含浸重合により形成させるに際して、浸透溶液にお
ける該導電性高分子の単量体(濃度)、重合温度、重合
時間などを調整することにより、該導電性高分子の層厚
を制御すればよい。
【0013】本発明のパーベーパレーション分離膜は、
その形状が特に制限されるものでなく、従来公知のパー
ベーパレーション装置に用いられる例えば、平膜、中空
糸膜、管状膜などとして提供される。即ち、本発明の複
合イオン交換膜は、平膜の少なくとも一方の膜表面に導
電性高分子の薄層が存在し、中空糸膜または管状膜の外
側、内側あるいは両側の表面に導電性高分子の薄層が存
在する形態である。
【0014】
【発明の効果】本発明のパーベーパレーション分離膜は
、特に水−アルコール混合液のパーベーパレーションに
よる分離に良好な分離性能を発揮するばかりでなく、機
械的強度にも優れて工業的に長期間の使用に耐久性を有
する。このような本発明の優れたパーベーパレーション
分離膜は、必ずしも明確でないが、特に陰イオン交換膜
に重合触媒を担持して含浸重合法により導電性高分子を
存在させた場合に、膜の内部にまで重合が進行すること
なく、表面〜表層部にのみ導電性高分子の薄層が良好に
形成されるために得られるものと推測される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の内容を具体的に実施例によっ
て説明するが、本発明はこれらの実施例だけに制限され
るものではない。
【0016】なお、実施例に示したパーベーパレーショ
ン法における透過液量と溶媒間の分離係数は、次のよう
に測定、算出した。 透過液量束Q(g/Hr・m2):透過側ガスをドライ
アイス−メタノール或いは液体窒素のトラップで捕集し
、単位膜面積,単位時間当たりの透過液(重量)分離係
数(α):溶媒A,溶媒Bの混合液に対してはで定義さ
れるものである。ここでY(A)は膜を透過する透過液
中のA成分の重量分率、Y(B)は膜を透過する透過液
中のB成分の重量分率、X(A)は供給液中のA成分の
重量分率、X(B)は供給液中のB成分の重量分率を示
すものである。例えば水−アルコール混合液に対しては
、 で定義され、式中のX(H2O)とX(EtOH)は、
供給液中の水−エタノール混合溶液中の水の重量分率と
エタノールの重量分率を、Y(H2O)とY(EtOH
)は、膜を透過する透過液中の水の重量分率とエタノー
ルの重量分率をそれぞれ示すものであり、ガスクロマト
グラフなどで定量される。
【0017】なお、実施例および比較例に記した%は、
重量%である。
【0018】実施例1 徳山曹達(株)製の陰イオン交換膜(ネオセプターAF
N)を1.0規定の塩酸に浸漬した後、充分に純水で洗
滌してから、5%のピロール水溶液に浸漬して24時間
放置した。次いで、膜を片面だけ反応できる装置に組込
み、その一方の膜面にだけ5%の塩化第二鉄の水溶液を
接触させた。4時間の接触により、膜は黒変して膜表層
部にポリピロールの生成が認められた。この膜を1規定
の塩酸中に浸漬して、くり返し洗滌し、次いで1規定の
硫酸中に平衡にした後、90%エタノールおよび10%
水の混合溶液に一夜浸漬した。
【0019】上記の得られた複合イオン交換膜を有効面
積33.18cm2(65mm直径)である円筒型のパ
ーベーパレーション測定用セル装置に、ポリピロールの
薄層が存在する膜面を上にして組込んだ。膜の下には多
孔質のガラス板を支持体とした。測定には、前期90%
エタノール溶液を測定装置に満たし、60℃の恒温槽に
浸漬してセルの下部を真空ポンプで減圧にした。真空度
は2torr以下であった。透過したガスはドライアイ
ス−メタノールでトラップし、60分間の透過液量を測
定し、透過液量(Q)を求め、また、トラップした透過
液は一旦溶解し、ガスクロマトグラフィーによって透過
液中の水とエタノールの割合を求めた。その結果は透過
液量(Q)は420g/Hr・m2であり、分離係数(
α)は460であった。さらに、上記のパーベーパレー
ション測定用セル装置を用いて、85%エタノールおよ
び15%水の混合溶液を98%エタノールまで脱水する
実験を1ケ月間(30回)くり返した。その結果、透過
液量(Q)は455g/Hr・m2、分離係数(α)は
460であった。
【0020】比較例1 実施例1に用いたと同一の陰イオン交換膜(ネオセプタ
ーAFN)をそのまま1規定の硫酸で充分に平衡に調整
した後、実施例1と同様に90%エタノール10%水の
混合溶液についてパーベーパレーションを実施した。そ
の結果、透過液量(Q)は460g/Hr・m2、分離
係数(α)は40であった。また、実施例1と同様に8
5%エタノール−15%水の混合溶液を98%エタノー
ルまで脱水した1ケ月間(30回)くり返し実験の結果
、透過液量(Q)は500g/Hr・m2、分離係数(
α)は35であった。
【0021】実施例2 ふっ素系陰イオン交換膜(トスフレックスSA、東ソ社
製)を1規定の塩酸中において平衡にした後、アニリン
の5%水溶液中に浸漬して攪拌し、膜にアニリンを吸着
させた。次いで、膜を片面だけ反応できる装置に組込み
、その一方の膜面にだけ過硫酸アンモニウムの10%水
溶液を接触させた。24時間の接触により、膜は黒変し
て膜表層部にポリアニリンの生成が認められた。さらに
、得られた膜を0.5規定の硫酸水溶液において平衡に
して液を3回とりかえた。
【0022】この複合イオン交換膜を用いて、実施例1
と同様の方法により、90%イソプロピルアルコール−
10%水の混合溶液をパーベーパレーションに供した結
果、透過液量(Q)は1020g/Hr・m2、分離係
数(α)は350であった。また、85%イソプロピル
アルコールー15%水の混合溶液をパーベーパレーショ
ンに供して、99%イソプロピルアルコールまで脱水す
る操作をくり返した結果、1ケ月後の透過液量(Q)は
1080g/Hr・m2、分離係数(α)は365であ
った。
【0023】比較例2 実施例2に用いたと同一のふっ素系陰イオン交換膜(ト
スフレックスSA)を、そのまま1規定の硫酸において
充分に平衡にした後、実施例2と同様に90%イソプロ
ピルアルコール−10%水の混合溶液についてパーベー
パレーションを実施した。その結果、透過係数(Q)は
460g/Hr・m2、分離係数(α)は40であった
。また、実施例2と同様に85%イソプロピルアルコー
ル−15%水の混合溶液について、パーベーパレーショ
ンのくり返し操作を実施した結果、23回目のパーベー
パレーションにおいて膜に亀裂が発生し継続が不可能に
なった。
【0024】比較例3 4−ビニルピリジン80部および純度55%ジビニルベ
ンゼン20部に10部のNBRゴム(アクリロニトリル
−ブタジエン共重合ゴム)を溶解し、これに30部のジ
オクチルフタレートとベンゾイルパーオキサイド3部を
溶解した。これを多孔率が約90%のポリエチレン製の
多孔膜に脱気含浸させて後、両面をポリビニルアルコー
ル製のシートでおおい、70℃で8時間加熱重合して高
分子膜状物とした。得られた膜状物の厚みは0.08m
mであった。これをヘキサン60部およびヨウ化メチル
40部からなるアルキル化浴でピリジン環をアルキル化
した。次いで、充分にヘキサンおよびメタノールで洗滌
し、1規定の塩酸中に浸漬した後、さらに0.5規定の
アンモニア水および1規定の塩酸に浸漬した。得られた
陰イオン交換膜は、交換容量が2.85ミリ当量/g(
乾燥膜)であった。
【0025】この陰イオン交換膜を用いて、実施例1と
同様に90%エタノール−10%水の混合溶液に平衡に
した後、パーベーパレーション測定セル装置において、
90%エタノール−10%水の混合溶液をパーベーパレ
ーションに供した結果、透過液量(Q)は890g/H
r・m2、分離係数(α)は35であった。また、この
パーベーパレーションを連続して2ケ月間実施した結果
、透過液量は920g/Hr・m2、分離係数は32で
あった。
【0026】実施例3 比較例3で得た陰イオン交換膜を過硫酸カリウムの5%
水溶液に平衡にしてから水洗し、さらに膜の片面のみ反
応できる装置に組み込み、ピロールの蒸気を膜の片面に
のみ8時間接触させたところ、ピロール蒸気が接触した
膜面は黒変し、ポリピロールの析出が認められた。尚、
ピロールの蒸気は通常ガスの洗滌に用いる洗滌ビンにピ
ロールを満たし窒素ガスを1cc/secで造って行っ
た。
【0027】得られた複合イオン交換膜を90%エタノ
ール−10%水の混合溶液において平衡にした後、ポリ
ピロールが存在する膜面を実施例1と同様にセル装置の
上面に向けてセットして、90%エタノール−10%水
の混合溶液をパーベーパレーションに供した。その結果
、透過液量(Q)は820g/Hr・m2、分離係数(
α)は620であった。また、このパーベーパレーショ
ンを連続して2ケ月間実施した結果、透過液量(Q)は
850g/Hr・m2、分離係数(α)は630であっ
た。
【0028】比較例4 ポリスルホン(アモコケミカル社製)50部をエチレン
ジクロライド1000部に溶解し、これにクロルメチル
エーテル200部を加えて、また無水の四塩化スズ10
部を加えて45℃で16時間激しく攪拌した。次いで、
これを5000部のメタノール中に注入し、ゴム状のク
ロルメチル化されたポリスルホンを得た。さらに、これ
を乾燥したあと、四塩化炭素に溶解しメタノール中に注
入して精製した。乾燥した精製したポリマーの元素分析
をしたところ、塩素含量は4.85%であった。次に、
このクロルメチル基が導入されたポリマー20部をN−
メチル−ピロリドン80部に溶解して粘稠な溶液とした
のち、これをメッシュフィルターで濾過した。これを二
重管ノズルより水中に押出して中空糸を得た。得られた
中空糸の外径は1.4mmで、内径は1.0mmであり
、断面を観察すると中空糸の内部と外部に緻密な薄層が
存在し、その中間はスポンジ状となっていた。この中空
糸をテトラメチルエチレンジアミンの10%水溶液中に
16時間浸漬して、フロルメチル基を架橋させると同時
にアミノ化した。この陰イオン交換基を有する中空糸は
、その陰イオン交換容量が0.32ミリ当量/g(乾燥
樹脂)であった。
【0029】この中空糸10本を長さ15cmのガラス
管に封入し、両端をエポキシ樹脂によって固めて端末処
理を施し、パーベーパレーション用モジュールを製作し
た。このモジュールを用いて中空糸の内部に60℃の9
0%エチルアルコール−10%水の混合溶液を供給し、
中空糸の外部を2torrまで減圧にして、含水アルコ
ールの脱水を実施した。その結果、透過液量(Q)は1
820g/Hr・m2、分離係数(α)は38であった
。また、このモジュールを用いて、85%エタノール−
15%水の混合溶液を脱水して98%エタノールを取得
するパーベーパレーションを2ケ月間くり返し実施した
結果、その透過液量(Q)は1890g/Hr・m2、
分離係数(α)は29であった。
【0030】実施例4 比較例4において得た中空糸をピロールの15%水溶液
中に24時間浸漬したのち、これを塩化第二鉄の3%水
溶液中に4時間浸漬したところ、中空糸は黒変し、その
断面を顕微鏡で見ると、中空糸の内壁及び外壁の緻密層
にポリピロールの重合層が見られた。
【0031】この中空糸10本を比較例4と同様に端末
処理を施してパーベーパレーション用モジュールを製作
した。このモジュールを用いて、比較例4と同一の条件
で90%エチルアルコール−10%水の混合溶液をパー
ベーパレーションに供した。その結果、透過液量(Q)
は1805g/Hr・m2、分離係数(α)は1200
であった。また85%エチルアルコール−15%水の混
合溶液について、98%エチルアルコールの取得まで、
くり返し実施した結果、透過液量(Q)は1890g/
Hr・m2、分離係数(α)は29であった。
【0032】実施例5 実施例1で製造したポリピロールの薄層が存在する複含
イオン交換膜を用いて、実施例1と同じ測定装置におい
てメタノール15%−イソプロピルアルコール85%の
混合溶液のパーベーパレーションを実施した。その結果
、透過液量(Q)は180g/Hr・m2であり、分離
係数(α)は285であった。
【0033】他方、ポリピロールの薄層のない陰イオン
交換膜(ネオセプターAFN)を用いて、同様にメタノ
ール15%−イソプロピルアルコール85%の混合溶液
についてパーベーパレーションを実施した結果、透過液
量(Q)は210g/Hr・m2であり、分離係数(α
)は28であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  陰イオン交換膜の少なくとも一方の表
    面に、導電性高分子を存在させた複合膜であるパーベー
    パレーション分離膜
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010017690A (ja) * 2008-07-14 2010-01-28 Honda Motor Co Ltd 水分離膜

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