JP2010017690A - 水分離膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】エタノール、糖類の水溶液から効率よく水を分離する手段を提供する。
【解決手段】本発明の水分離膜は、置換基を備えていてもよい芳香族スルホン酸イオンがドープされているポリピロールからなることを特徴とする。前記芳香族スルホン酸イオンは、好ましくはナフタレン環を有している。また、前記芳香族スルホン酸イオンは、スルホナト基(−SO3 -)を、好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上有している。
【選択図】なし

Description

本発明は、エタノール、糖類等の水溶液から水を分離する水分離膜に関するものである。
近年、地球温暖化防止の観点から、その原因の一つと考えられている二酸化炭素排出量を削減することが求められている。そこで、ガソリン等の液体炭化水素とエタノールとの混合燃料を自動車燃料に用いることが検討されている。前記エタノールとしては、植物性物質、例えばサトウキビ、トウモロコシ等の農作物の醗酵により得たエタノールを用いることができる。前記植物性物質は、原料となる植物自体が既に光合成により二酸化炭素を吸収してできているので、かかる植物性物質から得られたエタノールを燃焼させたとしても、排出される二酸化炭素の量は前記植物自体が吸収した二酸化炭素の量に等しい。即ち、総計としての二酸化炭素の排出量は理論的にはゼロになるという所謂カーボンニュートラル効果を得ることができる。従って、前記ガソリン等の液体炭化水素に代えて前記エタノールを用いた分だけ、二酸化炭素排出量を削減することができる。
ところが、前記サトウキビ、トウモロコシ等は、エタノールの原料として大量に消費されると、食料として供給される量が減少するという問題がある。
そこで、前記植物性物質として、サトウキビ、トウモロコシ等に代えて、セルロースを含むが食用ではないバイオマスを用いてエタノールを製造する技術が検討されている。前記セルロースを含むバイオマスとしては、例えば、木材、稲藁、麦藁、バガス、竹、パルプ及びこれらから生じる廃棄物例えば古紙等を挙げることができる。前記エタノールの製造方法として、セルロースを含むバイオマスを収容した糖化槽に糖化酵素を加えることによって、該セルロースを酵素糖化させて糖を生成し糖溶液を得る工程と、該糖溶液を、醗酵槽に導入し、さらにエタノール醗酵菌を加えることによって、該糖をエタノール醗酵させてエタノール水溶液を得る工程とを含む方法が知られている(特許文献1参照)。
このようにして得られたエタノール水溶液は、例えば、0.5〜5重量%の範囲の濃度であって希薄であるため、液体燃料として使用するためにはさらに濃縮処理をする必要がある。前記濃縮処理として、一般的には蒸溜法が用いられるが、エタノールと水とは、共沸点が存在するため、エタノールを約96重量%以上の濃度に濃縮することは原理的に不可能である。そこで、蒸溜して得たエタノール水溶液を、さらに、例えば、ゼオライト系水分離膜を用いるパーベーパレーション法により、50〜75℃の範囲の処理温度で水を分離することで、99重量%以上の濃度のエタノールを得ることができる(例えば、特許文献2参照)。あるいは、前記エタノール水溶液の濃縮処理として、ベンゼンを使用した共沸蒸溜法を用いることで、99重量%以上の濃度のエタノールを得ることができる。
しかしながら、前記エタノール水溶液の濃縮処理は、蒸溜法では、蒸溜工程及びパーベーパレーション工程という2工程が必要であり、共沸蒸溜法では、共沸点化合物のベンゼンを必要とするという不都合がある。
特開2006−88136号公報 特開平07−185275号公報
本発明は、かかる不都合を解消して、エタノール、糖類等の水溶液から効率的に水を分離することができる手段を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、置換基を備えていてもよい芳香族スルホン酸イオンがドープされているポリピロールからなることを特徴とする水分離膜にある。
本発明の水分離膜によると、ポリピロールに、置換基を備えていてもよい芳香族スルホン酸イオンがドープされていることにより水を透過させることができ、例えば、10重量%以下のエタノール水溶液から効率よく水を分離することができる。
また、本発明の水分離膜において、ポリピロールにドープされる前記芳香族スルホン酸イオンは、ベンゼン環を備えるものであってもよいが、ナフタレン環を備えることがより好ましい。本発明の水分離膜はナフタレン環を備えることにより、該水分離膜における単位時間、単位面積当たりの水の透過量を多くすることができる。
また、本発明の水分離膜において、ポリピロールにドープされる前記芳香族スルホン酸イオンは、好ましくは、スルホナト基(−SO3 -)を2個以上有し、より好ましくは、イオン化したスルホン基を3個以上有することにより、該水分離膜における単位時間、単位面積当たりの水の透過量をさらに多くすることができる。
次に、本実施形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の水分離膜の製造装置の構成図であり、図2は、パーベーパレーション装置の説明図である。
本実施形態の水分離膜は、置換基を備えていてもよい芳香族スルホン酸イオンがドープされているポリピロールからなる。前記ポリピロールは、ポリマー間が弱いファンデルワールス力で結合しているため、イオンが高分子間に容易に出入りできるようになっている。そのため、酸化状態においては、前記ポリピロールにアニオンである前記芳香族スルホン酸イオンがドープされる。
前記ポリピロールにドープされる芳香族スルホン酸イオンとしては、例えば、下記の化学式(1)〜(10)の構造を備えるものをあげることができる。
Figure 2010017690
前記化学式(1)で示される芳香族スルホン酸イオンは、ベンゼンスルホン酸イオンであり、ベンゼン環にスルホナト基(−SO3 -)1個を有する。前記化学式(2)で示される芳香族スルホン酸イオンは、p−トルエンベンゼンスルホン酸イオンであり、ベンゼン環にスルホナト基1個を有すると共に、スルホナト基に対してパラ位に置換基としてメチル基を1個有する。前記化学式(3)で示される芳香族スルホン酸イオンは、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸イオンであり、ベンゼン環にスルホナト基1個を有すると共に、スルホナト基に対してオルト位及びパラ位に置換基としてメチル基を各1個有する。前記化学式(4)で示される芳香族スルホン酸イオンは、4−メチルベンゼンスルホン酸イオンであり、ベンゼン環にスルホナト基1個を有すると共に、スルホナト基に対してパラ位に置換基としてエチル基を1個有する。前記化学式(5)で示される芳香族スルホン酸イオンは、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸イオンであり、ベンゼン環の1位にスルホナト基1個を有すると共に、2,4,5位に置換基としてクロロ基を各1個有する。前記化学式(6)で示される芳香族スルホン酸イオンは、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオンであり、ベンゼン環の1,3位にスルホナト基各1個を有する。前記化学式(7)で示される芳香族スルホン酸イオンは、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオンであり、ナフタレン環の1,5位にスルホナト基各1個を有する。前記化学式(8)で示される芳香族スルホン酸イオンは、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオンであり、ナフタレン環の2,6位にスルホナト基各1個を有している。前記化学式(9)で示される芳香族スルホン酸イオンは、2,7−ナフタレンジスルホン酸イオンであり、ナフタレン環の2,7位にスルホナト基各1個を有している。前記化学式(10)で示される芳香族スルホン酸イオンは、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸イオンであり、ナフタレン環の1,3,6位にスルホナト基各1個を有している。
前記水分離膜は、例えば、図1に示す電気化学的重合装置1を用い、定電流酸化重合法により合成することができる。重合装置1は、重合容器2と、重合容器2内に配設された作用電極3、対向電極4,4、参照電極5を備えている。対向電極4,4は、作用電極3と等距離を存して対向配置され、参照電極5は、作用電極3と一方の対向電極4との間に配置されている。そして、作用電極3、対向電極4,4、参照電極5は、それぞれポテンショスタット6に電気的に接続されている。
作用電極3は、例えば、ニッケル板からなり、その表面は、例えば、アルミナ系研磨剤により均一に研磨されている。対向電極4,4は、例えば、ニッケル製の金網からなる。
次に,重合用溶媒に、置換基を備えていてもよい芳香族スルホン酸またはその塩を溶解し、その後、ポリピロールのモノマーであるピロールを溶解して重合溶液とする。前記重合用溶媒は、例えば、蒸溜水またはイオン交換水を用いることができる。前記重合用溶媒は、アルゴンガスまたは窒素ガスにより、予め溶存酸素を脱気しておくことにより、高品質の水分離膜を容易に形成することができる。前記重合溶液中の前記芳香族スルホン酸またはその塩及びピロールの濃度は、それぞれ、例えば、0.01〜2.0モル/lの範囲の濃度となるようにする。
次に、重合容器2に、前記重合溶液を収容し、作用電極3を陽極、対向電極4,4を陰極として、例えば、0.1〜50mA/cm2の範囲の電流密度で、作用電極3の両面それぞれに、所定の厚さの膜が形成されるまで定電流酸化重合を行う。
前記定電流酸化重合が完了した後、作用電極3の両面に形成された前記膜を剥離することにより、前記水分離膜を得ることができる。
次に、本発明の実施例を示す。
本実施例では、先ず、イオン交換水にアルゴンガスを吹き込み脱酸素処理した。前記脱酸素処理されたイオン交換水200mlに、ベンゼンスルホン酸3.52gを溶解した後、ピロールを1.34g溶解し、ベンゼンスルホン酸イオンの濃度が0.1モル/l、ピロールの濃度が0.1モル/lである重合溶液を調製した。
次に、図1に示す電気化学的重合装置1の重合容器2内に、本実施例で調製した重合溶液を収容し、作用電極3を陽極、対向電極4を陰極として、0.2mA/cm2の範囲の電流密度で3時間定電流酸化重合を行い、作用電極3の両面に略10μmの厚さの膜を形成した。その後、前記膜を作用電極3から剥離し化学式(1)の芳香族スルホン酸イオンがドープされたポリピロールからなる水分離膜を得た。
次に、本実施例で製造した水分離膜を用いて、パーベーパレーション法による水分離性能試験を行った。
パーベーパレーション法とは、共沸状態の含水有機溶剤等から水を分離する方法であって、図2に示すように、水分離膜により該含水有機溶剤の供給液側と透過液側とに隔てられているパーベーパレーション装置11において、透過液側を供給液側よりも低圧とすることで水と有機溶剤との該水分離膜への透過度の違いを利用して、水を選択的に分離する方法である。
前記パーベーパレーション装置11は、図2に示すように、パーベーパレーション用セル12と、コールドトラップ13と、真空ポンプ14と、真空計15とを備えている。パーベーパレーション用セル12は、蒸気の流通が可能であり有効透過面積が34.6mm2(直径21mm)の円形の焼結ガラスフィルタ16を有するフィルタホルダ17とを備えている。焼結ガラスフィルタ16の上面側には、パラフィルム(登録商標)からなるドーナツ状のシール部材(図示せず)が配置され、該シール部材の上に、該シール部材の外径と同一直径の円形の前記水分離膜が配置されている。フィルタホルダ17の上端側には、エタノール水溶液を供給する円筒状供給部材18が配置され、円筒状供給部材18の内周側には、前記水分離膜が露出している。フィルタホルダ17の下端部は、導管19に接続されている。導管19は、コールドトラップ13を介して真空ポンプ14に接続されており、コールドトラップ13と真空ポンプ14との間には、真空計15が配置されている。
次に、セル12に10重量%濃度のエタノール水溶液3.93gを供給し、真空ポンプ14を駆動して、フィルタホルダ17の下端側を減圧することにより、室温(25℃)で3時間、パーベーパレーション処理を行った。その後、円筒状供給部材18内に残留するエタノール水溶液の濃度と、コールドトラップ13にトラップされた液体中のエタノール濃度とを測定し、該トラップされた液体の量及びエタノール濃度から、水透過量(g/m2・時)を算出した。結果を表1に示す。
本実施例では、ベンゼンスルホン酸に代えて、p−トルエンスルホン酸水和物3.80gを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、化学式(2)の芳香族スルホン酸イオンがドープされたポリピロールからなる水分離膜を製造した。
次に、本実施例で製造した水分離膜を用い、セル12に供給するエタノール水溶液の量を3.31gとした以外は、実施例1と全く同一にして水分離性能試験を行った。結果を表1に示す。
本実施例では、ベンゼンスルホン酸に代えて、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸2水和物4.45gを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、化学式(3)の芳香族スルホン酸イオンがドープされたポリピロールからなる水分離膜を製造した。
次に、本実施例で製造した水分離膜を用い、セル12に供給するエタノール水溶液の量を3.29gとした以外は、実施例1と全く同一にして水分離性能試験を行った。結果を表1に示す。
本実施例では、ベンゼンスルホン酸に代えて、4−エチルベンゼンスルホン酸ナトリウム4.16gを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、化学式(4)の芳香族スルホン酸イオンがドープされたポリピロールからなる水分離膜を製造した。
次に、本実施例で製造した水分離膜を用い、セル12に供給するエタノール水溶液の量を3.28gとした以外は、実施例1と全く同一にして水分離性能試験を行った。結果を表1に示す。
本実施例では、ベンゼンスルホン酸に代えて、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸5.23gを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、化学式(5)の芳香族スルホン酸イオンがドープされたポリピロールからなる水分離膜を製造した。
次に、本実施例で製造した水分離膜を用い、セル12に供給するエタノール水溶液の量を3.29gとした以外は、実施例1と全く同一にして水分離性能試験を行った。結果を表1に示す。
本実施例では、ベンゼンスルホン酸に代えて、1,3−ベンゼンジスルホン酸ジナトリウム5.64gを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、化学式(6)の芳香族スルホン酸イオンがドープされたポリピロールからなる水分離膜を製造した。
次に、本実施例で製造した水分離膜を用い、セル12に供給するエタノール水溶液の量を3.26gとした以外は、実施例1と全く同一にして水分離性能試験を行った。結果を表1に示す。
本実施例では、ベンゼンスルホン酸に代えて、1,5−ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム3.02gを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、化学式(7)の芳香族スルホン酸イオンがドープされたポリピロールからなる水分離膜を製造した。
次に、本実施例で製造した水分離膜を用い、セル12に供給するエタノール水溶液の量を3.03gとし、パーベーパレーション処理を2.6時間行った以外は、実施例1と全く同一にして水分離性能試験を行った。結果を表1に示す。
本実施例では、ベンゼンスルホン酸に代えて、2,6−ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム3.33gを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、化学式(8)の芳香族スルホン酸イオンがドープされたポリピロールからなる水分離膜を製造した。
次に、本実施例で製造した水分離膜を用い、セル12に供給するエタノール水溶液の量を3.33gとし、パーベーパレーション処理を2.5時間行った以外は、実施例1と全く同一にして水分離性能試験を行った。結果を表1に示す。
本実施例では、ベンゼンスルホン酸に代えて、2,7−ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム3.32gを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、化学式(9)の芳香族スルホン酸イオンがドープされたポリピロールからなる水分離膜を製造した。
次に、本実施例で製造した水分離膜を用い、セル12に供給するエタノール水溶液の量を3.00gとし、パーベーパレーション処理を2.5時間行った以外は、実施例1と全く同一にして水分離性能試験を行った。結果を表1に示す。
本実施例では、ベンゼンスルホン酸に代えて、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸トリナトリウム4.34gを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、化学式(10)の芳香族スルホン酸イオンがドープされたポリピロールからなる水分離膜を製造した。
次に、本実施例で製造した水分離膜を用い、セル12に供給するエタノール水溶液の量を3.28gとし、パーベーパレーション処理を2.5時間行った以外は、実施例1と全く同一にして水分離性能試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2010017690
PV…パーベーパレーション、EtOH…エタノール。
表1から、本発明の水分離膜を用いた実施例1〜10において、パーベーパレーション処理の前後で円筒状供給部材18内のエタノール濃度を比較すると、パーベーパレーション処理後の方が、エタノール濃度が上昇していることが明らかである。また、本発明の水分離膜を用いた実施例1〜10において、透過液側であるコールドトラップ13にトラップされた液にはエタノール分がほとんど含まれていないことが明らかである。従って、本発明の水分離膜は、実質的に水を選択的に透過させることができ、この結果、エタノール水溶液を濃縮することができることが明らかである。
さらに、表1から、パーベーパレーション処理において、ドープされる芳香族スルホン酸イオンがベンゼン環を有すると共に、スルホナト基を2個有する実施例6の水分離膜を用いた場合によれば、ドープされる芳香族スルホン酸イオンがベンゼン環を有すると共に、スルホナト基を1個有する実施例1〜5の水分離膜を用いた場合に比較して、水透過量が多くなっていることが明らかである。
また、表1から、パーベーパレーション処理において、ドープされる芳香族スルホン酸イオンがナフタレン環を有すると共に、スルホナト基を2個有する実施例7〜9の水分離膜を用いた場合によれば、実施例6の水分離膜を用いた場合に比較して、水透過量がより多くなっていることが明らかである。
また、表1から、パーベーパレーション処理において、ドープされる芳香族スルホン酸イオンがナフタレン環を有すると共にスルホナト基を3個有する実施例10の水分離膜を用いた場合によれば、実施例7〜9の水分離膜を用いた場合に比較して、水透過量がさらに多くなっていることが明らかである。
本実施例においては、実施例10と全く同一にして水分離膜を製造した。
次に、セル12に供給するエタノール水溶液の濃度を、0重量%、1.0重量%、9.9重量%、35重量%、50重量%、90重量%、95重量%とした以外は、実施例10と同様にして水分離性能試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2010017690
表2から、セル12に供給するエタノール水溶液が上述した各濃度である場合において、供給液側のエタノール水溶液のエタノール濃度を、パーベーパレーション処理前後において比較すると、エタノールを含むときにはいずれの場合においても、パーベーパレーション処理後のエタノール濃度が上昇していることが明らかである。また、セル12に供給するエタノール水溶液が上述した各濃度である場合における水透過量を比較すると、セル12に供給するエタノール水溶液のエタノール濃度が低いものほど水透過量が多くなっていることが明らかである。従って、実施例10の水分離膜は、低濃度のエタノール水溶液から水を分離する場合に、より好適に用いることができることが明らかである。
本実施例においては、実施例10と全く同一にして水分離膜を製造した。
次に、セル12に供給するエタノール水溶液の濃度を、0.5重量%、10重量%、95重量%とし、パーベーパレーション処理を十分な時間行った以外は、実施例10と同様にして水分離性能試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 2010017690
表3から、セル12に供給するエタノール水溶液の濃度に関わらず、十分な時間パーベーパレーション処理を行うことで、該パーベーパレーション処理後のエタノール濃度を99重量%以上の濃度とすることができることが明らかである。従って、実施例10の水分離膜によればパーベーパレーション法を用い、一工程で低濃度のエタノール水溶液を99重量%濃度以上のエタノール水溶液に濃縮することができることが明らかである。
本実施例においては、実施例10と全く同一にして水分離膜を製造した。
次に、本実施例で製造した水分離膜を用いたパーベーパレーション処理において、真空ポンプ駆動後、真空計の値が500Pa以下となった後、真空ポンプを停止し、所定の範囲の真空度を維持した以外は、実施例10と同様にして水分離性能試験を行った。結果を表4に示す。
Figure 2010017690
表4から、実施例10の水分離膜と用いると共に、真空度が所定の値以下で真空ポンプを停止して所定の範囲の真空度を維持した実施例13におけるパーベーパレーション法によれば、真空ポンプを駆動し続けた実施例10のパーベーパレーション法に比較して、同程度の水透過量を得ることができることが明らかである。従って、実施例10の水分離膜によれば、パーベーパレーション法において所定の範囲の真空度を維持できれば、真空ポンプを停止してもよく、エネルギー効率を高くすることができる。
本実施例においては、実施例10と全く同一にして水分離膜を製造した。
次に、本実施例においては、エタノール水溶液の代わりに、5重量%濃度の糖類(グルコース、キシロース等)の水溶液を6〜20g用いた以外は、実施例10と同様にして水分離性能試験を行った。結果を表5に示す。
Figure 2010017690
表5から、セル12に供給する糖類の水溶液の量に関わらず、パーベーパレーション処理後には、円筒状供給部材18内の糖類の水溶液の濃度が上昇していることが明らかである。また、透過液側であるコールドトラップ13にトラップされた液には、糖類が全く含まれていないことが明らかである。従って、実施例10の水分離膜は、糖類の水溶液から水を選択的に透過させることができることが明らかであり、実施例10の水分離膜は、エタノール水溶液のみならず、糖類の水溶液も濃縮することができることが明らかである。
本発明の水分離膜の製造装置の構成図。 パーベーパレーション装置の説明図。
符号の説明
1…電気化学的重合装置、2…重合容器、3…作用電極、4…対向電極、11…パーベーパレーション装置、12…パーベーパレーション用セル、13…コールドトラップ、14…真空ポンプ、18…円筒状供給部材。

Claims (4)

  1. 置換基を備えていてもよい芳香族スルホン酸イオンがドープされているポリピロールからなることを特徴とする水分離膜。
  2. 前記芳香族スルホン酸イオンは、ナフタレン環を有していることを特徴とする請求項1記載の水分離膜。
  3. 前記芳香族スルホン酸イオンは、イオン化したスルホン基を2個以上有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の水分離膜。
  4. 前記芳香族スルホン酸イオンは、イオン化したスルホン基を3個以上有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の水分離膜。
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