JP5023745B2 - 透明導電膜、この透明導電膜を用いた透明導電性基板、透明導電性フィルム、並びに近赤外線遮断フィルター、および、この透明導電膜の製造方法 - Google Patents

透明導電膜、この透明導電膜を用いた透明導電性基板、透明導電性フィルム、並びに近赤外線遮断フィルター、および、この透明導電膜の製造方法 Download PDF

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本発明はプラズマディスプレイの電磁波遮蔽フィルターや近赤外線遮断フィルター、液晶ディスプレイの透明電極、デジタル撮影機器の近赤外線遮断フィルターなどに利用できる透明導電膜に関する。
透明導電膜は、高い導電性(例えば、1×10-3Ωcm以下の比抵抗)と、可視光領域での高い透過率とを有するため、太陽電池、液晶表示素子、その他、各種の受光素子等の電極として利用されるほか、自動車窓ガラスや、建築物の窓ガラス等に用いる熱線反射膜、各種の帯電防止膜、冷凍ショーケースなどの防曇用の透明発熱体としても利用されている。
透明導電膜には、アンチモンやフッ素がドーピングされた酸化錫(SnO2)膜、アル
ミニウムやガリウムがドーピングされた酸化亜鉛(ZnO)膜、錫がドーピングされた酸化インジウム(In23)膜などが広範に利用されている。特に、錫がドーピングされた酸化インジウム膜、すなわちIn23−Sn系膜は、ITO(Indium Tin Oxide)膜と称され、低抵抗の透明導電膜が容易に得られることから、LCDをはじめとして、種々のデバイスに広く用いられている。ITO膜は、スパッタリング法を用い室温で基板上に成膜すると、膜厚200nmで表面抵抗25Ω/□(オーム・パー・スクエアと読む)程度(比抵抗で約5×10-4Ωcm)の導電性を示す。
一方で、透明酸化物薄膜と金属薄膜の積層によって構成された透明導電膜も提案されている。一般的に、室温で成膜した膜厚100nm程度のITO膜の表面抵抗が50Ω/□前後であるのに対し、膜厚50〜100nmの上記積層膜の表面抵抗は、例えば、銀系合金薄膜の膜厚にもよるが、15Ω/□以下とすることも可能であり、場合によっては10Ω/□以下とすることも可能である。
例えば、(1)銀層を酸化インジウム膜(IOと記す場合がある)層で挟んだ構造(IO/Ag/IOと記す)(特開2000−229371号公報、特開平4−337208号公報参照)、(2)銀層をITO膜層で挟んだ構造(ITO/Ag/ITOと記す)(特開平4−337208号公報参照)、(3)銀層をセリウム添加酸化インジウム膜(In−Ce−O、ICOと記す)で挟んだ構造(ICO/Ag/ICOと記す)(特開平9−176837号公報参照)、(4)銀層をGa添加ZnO膜(GZOと記す場合がある)層で挟んだ構造(GZO/Ag/GZOと記す)(特開2006−236747号公報参照)などが提案されている。
上記IO/Ag/IO透明導電膜、やITO/Ag/ITO透明導電膜は、耐薬品性に優れてはいるものの、室内放置により白色欠点が生じる。
一方、上記GZO/Ag/GZO透明導電膜は、耐湿性も良好であるが、耐薬品性が不充分であるという欠点がある。
また、これらの(1)〜(4)は、可視域(波長380〜780nm)における透過率が低いという問題があり、プラズマディスプレイの電磁波遮蔽フィルターや近赤外線遮断フィルター、デジタル撮影機器の近赤外遮断フィルターに利用する場合には、透過率の改善が課題であった。
特開2000−229371号公報 特開平4−337208号公報参照 特開平9−176837号公報 特開2006−236747号公報 特開平7−182924号公報 特開平9−259640号公報
本発明は、上記の(1)〜(4)のような、従来の透明酸化物薄膜と金属薄膜の積層によって構成された透明導電膜と比べて、高い導電性や高性能の近赤外線遮断特性を維持しながら、可視域(波長380〜780nm)での透過率を大幅に改善することを課題とする。
また、本発明は、上記のIO/Ag/IO、やITO/Ag/ITO、GZO/Ag/GZO等で課題となっていた耐湿性、耐薬品性を克服することを課題とする。
さらに、本発明はこのような従来の問題点を克服した、酸化物膜と金属膜とから構成される透明導電膜を用いた透明導電性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため、多くの積層構造について研究を重ね、主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる非晶質酸化物膜(a−GIO膜)と、銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜(Me膜)で構成された透明導電膜であり、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する3層構造を有する透明導電膜において、さらには、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する5層構造を有する透明導電膜や、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する7層構造を有する透明導電膜において、高い導電性や高性能の近赤外線遮断特性を維持しながら、可視域での透過率を大幅に改善することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる非晶質酸化物膜(a−GIO膜)と、銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜(Me膜)で構成された透明導電膜に関する。このうち、本発明の第1態様の透明導電膜は、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する3層構造を有し、前記非晶質酸化物膜の膜厚が1〜80nmの範囲にあり、前記金属膜の膜厚が10〜25nmの範囲にあり、前記非晶質酸化物膜におけるGa量が、GaとInの総和に対して10〜90原子%であり、かつ、エリプソメータ−で測定した前記非晶質酸化物膜の波長550nmにおける消衰係数kは、0.0051以下である、ことを特徴とする。
本発明の第2の態様は、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する5層構造を有し、前記非晶質酸化物膜の膜厚が1〜80nmの範囲にあり、前記金属膜の膜厚が10〜25nmの範囲にあり、前記非晶質酸化物膜におけるGa量が、GaとInの総和に対して10〜90原子%であり、かつ、エリプソメータ−で測定した前記非晶質酸化物膜の波長550nmにおける消衰係数kは、0.0051以下である、ことを特徴とする。
本発明の第3の態様は、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する7層構造を有し、前記非晶質酸化物膜の膜厚が1〜80nmの範囲にあり、前記金属膜の膜厚が10〜25nmの範囲にあり、前記非晶質酸化物膜におけるGa量が、GaとInの総和に対して10〜90原子%であり、かつ、エリプソメータ−で測定した前記非晶質酸化物膜の波長550nmにおける消衰係数kは、0.0051以下である、ことを特徴とする。
本発明の第4の態様、第1〜3のいずれかの態様の透明導電膜の少なくとも片面に、前記非晶質酸化物膜と異なる酸化物膜が積層されていることを特徴とする。
本発明の透明導電膜、第1〜4のいずれかの態様の透明導電膜のうちから選ばれる少なくとも2種類の透明導電膜を積層して構成することもできる
本発明の透明導電膜を構成する前記非晶質酸化物膜(a−GIO膜)は、SnとTiとCeのうちの少なくとも1種類を、該非晶質酸化物膜(a−GIO膜)中の全金属の総和に対して50原子%以下の割合で含有することができる。
本発明の透明導電膜を構成する前記金属膜(Me膜)は、銀を主成分として、パラジウム、金、白金、銅からなる群から選ばれる1種以上の金属を含む合金膜であることが好ましい
本発明の透明導電性基板は、透明基板の少なくとも一方の面に本発明の第1〜第4の態様のいずれかの透明導電膜を含む多層膜が形成されていることを特徴とする。このうち、第1の態様の3層の透明導電膜を用いた透明導電性基板では、波長380〜780nmにおける平均透過率が92%以上である。また、この3層の透明導電膜を2つ積層して構成されている透明導電膜を用いた透明導電性基板では、波長380〜780nmにおける平均透過率が85%以上である。
また、第2の態様の5層の透明導電膜を用いた透明導電性基板では、波長380〜780nmにおける平均透過率が85%以上である。
さらに、第3の態様の7層の透明導電膜を用いた透明導電性基板では、波長380〜780nmにおける平均透過率が81%以上である。
前記透明導電性基板において、前記透明基板を樹脂フィルム基板により構成することもできる。
本発明の近赤外線遮断フィルターは、本発明の透明導電性基板を備えることを特徴とする。
本発明の透明導電膜の製造方法は、本発明の透明導電膜を製造するための方法であって、前記非晶質酸化物膜をスパッタリング法で成膜し、かつ、該成膜に際して、酸化性ガスを添加したArガス雰囲気を用い、該成膜により得られる前記非晶質酸化物膜が最も低い比抵抗となる場合の特定の酸素量に対して高酸素側であって、該成膜により得られる前記非晶質酸化物膜の比抵抗が前記最も低い比抵抗の10倍以上となる酸素量となるように前記雰囲気を調整することで、前記非晶質酸化物膜の波長550nmにおける消衰係数kを0.0051以下とすることを特徴とする。
前記雰囲気中の酸素量を、該雰囲気の全ガス量に対して7〜12%とすることが好ましい。
本発明の透明導電膜は、主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる非晶質酸化物膜(a−GIO膜)と、銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜(Me膜)で構成された透明導電膜であり、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する3層構造を有する透明導電膜において、好ましくは、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する5層構造を有する透明導電膜や、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する7層構造を有する透明導電膜であって、高い導電性や高性能の近赤外線遮断特性を維持しながら、可視域での透過率を大幅に改善することができるという、利点を有している。
また、本発明の上記透明導電膜は、耐湿性や耐薬品性にも優れており、IO/Ag/IO、やITO/Ag/ITO、GZO/Ag/GZOで課題となっていた耐湿性、耐薬品性を克服できる。
さらに、本発明の上記透明導電膜を用いて、上記の従来の問題点を克服した透明導電性基板、透明導電性フィルムを提供することができ、視認性の高いプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽フィルターや近赤外線遮断フィルターなどに利用することができるため、産業上きわめて有用である。また、本発明の透明導電膜や透明導電性基板、透明導電性フィルムは、液晶ディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ透明電極以外に、デジタル撮影機器の近赤外遮断フィルター、熱線遮断膜、電磁波遮蔽膜、防曇ガラス用透明発熱体等にも好適である。従って、本発明は産業上きわめて有用である。
本発明の透明導電膜は、基本構造として、主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる非晶質酸化物膜(a−GIO膜)と、銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜(Me膜)で構成された透明導電膜であり、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する3層構造を有することを特徴としている。
ガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる酸化物材料としては、特開平7−182924号公報、特開平9−259640号公報に開示されている。
特開平7−182924号公報では、四価原子などの異価ドーパントを少量ドープしたガリウム・インジウム酸化物(GaInO3)が紹介され、透明性が増して屈折率整合が改善され、現在用いられている広禁制帯半導体と同程度の電気伝導率が実現できることが記載されている。
また、特開平9−259640号公報では、従来知られていたGaInO3とはかなり異なる組成範囲で、GaInO3やIn23より一段と高い導電性、すなわち、より低い抵抗率と、優れた光学的特性を有する透明導電膜として、Ga23−In23で示される擬2元系において、Ga/(Ga+In)で示されるGa量が15〜49原子%含有する透明導電膜が提案されている。この薄膜は、非晶質、もしくはGaInO3、GaInO3とIn23、GaInO3とGa23等の混相から成る微結晶質であり、酸素空孔や格子間原子等の真性格子欠陥による内因性ドナ−やIII族元素の一部がIV族元素で置換、及びVI族元素の一部がVII族元素で置換する外因性ドナ−の導入による高いキャリア生成を可能とし、その結果、GaInO3やIn23には見られない低い抵抗率を達成できるとしている。
しかし、本発明のように、ガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる非晶質の酸化物膜(以降、a−GIO膜と記す場合がある)と銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜(Me膜)で構成された透明導電膜や、この積層膜を含む透明導電膜で構成されている透明導電膜とは、大きく異なるものである。
まず図を用いて本発明の透明導電膜の構成を説明する。図1は、本発明の第1の態様の透明導電膜の例を示す断面図である。主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる非晶質酸化物膜(a−GIO膜)と、銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜(Me膜)で構成された透明導電膜であり、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する3層構造を有している。図1において、1と3はa−GIO膜であり、2は銀若しくは銀を主成分とする金属膜である。
図2は、本発明の第2の態様の透明導電膜の例を示す断面図である。主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる非晶質酸化物膜(a−GIO膜)と、銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜(Me膜)で構成された透明導電膜であり、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する5層構造を有している。前記と同様に、図2においては、1と3と6とはa−GIO膜であり、2と7とは銀若しくは銀を主成分とする金属膜である。
図3は、本発明の第3の態様の透明導電膜の例を示す断面図である。主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる非晶質酸化物膜(a−GIO膜)と、銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜(Me膜)で構成された透明導電膜であり、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する7層構造を有している。前記と同様に、図3においては、1と3と6とはa−GIO膜であり、2と7とは銀若しくは銀を主成分とする金属膜である。
図4および図5は、本発明の第4の態様の一例を示すものであり、本発明の第1の態様の透明導電膜の両面(図4)または片面(図5)に、主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる非晶質酸化物膜と異なる酸化物膜が積層されている例を示す断面図である前記と同様に、図4および図5においては、1と3はa−GIO膜であり、2は銀若しくは銀を主成分とする金属膜である。そして、4、5はa−GIO膜とは異なる酸化物膜である。
図6は、本発明の第1〜第4の態様のうちから選ばれる少なくとも2種類の透明導電膜を積層して構成した態様の一例を示す断面図である。
図6は、図4の透明導電膜(4−1−2−3−5で示される膜)の上に図5の透明導電膜(6−7−8−9で示される膜)を積層した構成となっている。1と3と6と8とはa−GIO膜であり、2と7は銀若しくは銀を主成分とする金属膜であり、4と5と9はa−GIO膜と異なる酸化物膜である。
以上の図において、1と3と6と8、または2と7、または4と5と9とを構成する材料は、それぞれ組成が同一であっても良く、本発明の材料の範囲内で異なっていても良く、また膜厚が同一であっても異なっていても良い。a−GIO膜と異なる酸化物膜4、5、9は、一層膜でも良いが、組成や光学定数の異なる複数層の積層膜であっても良い。2と7の銀若しくは銀を主成分とする金属膜は、本発明の材料の範囲内で異なっていても良く、また膜厚が同一であっても異なっていても良い。
次に各膜等について説明する。
(1)a−GIO膜(図中の1、3、6、8)
本発明の透明導電膜に用いる非晶質酸化物膜は、主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる非晶質酸化物膜である(a−GIO膜と記す場合がある)。a−GIO膜を用いるのは、該膜がAg、若しくはAgを主要成分とする金属膜と高い密着性を有するからである。金属膜とその両面に設けられた酸化物膜との密着性が悪いと、湿気の影響で銀膜と酸化物膜の界面で剥離が生じ酸化物膜が破損し、銀などの金属膜に白色斑点が発生する。本発明のように、金属膜との高い密着性を有するa−GIO膜で金属膜を挟むことにより、得られる透明導電膜の耐湿性を向上できる。また、a−GIO膜自体が高い耐薬品性を有するため、得られる透明導電膜の耐湿性と耐薬品性を向上させることができる。
本発明において、a−GIO膜を用いるのは、例えば、Ga23結晶相、GaInO3結晶相、In23結晶相などの結晶相が含まれていると、金属膜を覆っている酸化物膜中に粒界が存在することになり、粒界を介して大気中の水や酸素などのガスが拡散浸入して、挟み込んだ金属膜を腐食しやすくしてしまうからである。
a−GIO膜は、GaとInの総和に対してGaを10〜90原子%含むことが好ましい。Gaが10原子%未満では、耐薬品性が不充分となるだけでなくIn23構造の結晶膜が得られやすくなり、非晶質構造がとりにくくなるからである。また90原子%を越えると、Ga23構造の結晶膜が得やすくなり、非晶質構造が得られにくくなってしまうからである。
a−GIO膜の膜厚は1〜80nmの範囲とする。1nm未満では金属膜(特にAgを主成分とする膜)との密着性が不充分となるため耐湿性が不良となる。
また、本発明で用いるa−GIO膜には、本発明の特徴を損なわない程度に、Ga、In、O以外の元素が含まれていてもかまわない。
本発明におけるa−GIO膜は、生産性を考慮するとスパッタリング法で作製することが好ましい。酸化物膜の成膜法としては、酸化物焼結体ターゲットを用いてAr雰囲気中もしくは酸化性ガスを少量添加したAr雰囲気中でスパッタリングする方法が安定に生産できるため好ましい。この場合に使われる酸化物焼結体ターゲットは、Ga−In−O系酸化物焼結体が用いられるが、この焼結体にSn、Ti、Ceなどの四価以上の元素を添加して低抵抗化したターゲットを用いると、DCスパッタリング法を用いて高速成膜できるため好ましい。この場合、得られるa−GIO膜には、Sn、Ti、Ceなどの添加元素を含まれることになる。しかし、a−GIO膜に含まれるこれらの添加元素の割合は、a−GIO膜の優れた特性を損なわないように、酸化物膜中の全金属の総和に対して50原子%以下の割合である必要がある。
本発明におけるa−GIO膜は、酸素をなるべく多く含んで酸素欠損のなるべく少ない膜を用いる方が、可視域の高い透過率を実現するためより好ましい。a−GIO膜をスパッタリング法で作製する場合、成膜時のスパッタリングガス中の酸素量に対してa−GIO膜の比抵抗は依存性を示す。スパッタリングガス中に含ませる特定の酸素量にて最も低い比抵抗(これをρminとする)のa−GIO膜が得られ、これより低酸素側や高酸素側で成膜するほど比抵抗は高くなる。スパッタリングガス中の酸素量が多くなると、膜中にとりこまれる酸素量が多くなり、酸素欠損量が減少する。つまり、膜に含まれる酸素欠損が多すぎても比抵抗は増加し、酸素欠損が少なすぎても比抵抗は増大する。最も低い比抵抗ρminを示すa−GIO膜やこれより低酸素側で成膜したa−GIO膜は、導電性は良好だが酸素欠損による光吸収が大きく、エリプソメータ−で計測した場合に、波長550nm(可視域の代表的な波長)における消衰係数kは0.0056以上となる。しかし、種々の酸素量で作製したGa量が10〜90原子%のa−GIO膜は、エリプソメータ−で計測した波長550nmにおける消衰係数kが0.0032〜0.0075の範囲にあり、ITO膜やIn23膜のエリプソメータ−で計測した波長550nmにおける消衰係数k(0.0090〜0.0155)と比べて低いのが特徴である。よって、Ag系薄膜との積層膜を形成したとき、可視域の高透過性を実現することができるのである。特に、最も低抵抗を示す膜の比抵抗の10倍以上の比抵抗(すなわち比抵抗値がρmin×10以上)を示す、高酸素側で成膜したa−GIO膜は、エリプソメータ−で計測した波長550nm消衰係数kが0.0051以下となり、酸素欠損による光吸収が著しく少ないため、銀系薄膜との積層膜とした場合に、可視域において非常に高い透過率を示すことから、より好ましい
(2)金属膜(図中の2、7)
本発明で用いる金属膜は、銀若しくは銀を主成分とする合金からなる膜であり、本発明において銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜を用いるのは、これにより安価に低比抵抗で高可視光透過率の透明導電膜が得られるからである。なお、上記の銀を主成分とする合金膜とは、銀にパラジウム、金、白金、銅からなる群から選ばれる1種以上の金属を添加した合金膜を意味する。銀のみで金属膜を構成しても良いが、環境に対する安定性向上の観点からパラジウム、金、白金、銅からなる群から選ばれる1種以上の金属と銀との合金膜であることが好ましい。銀のみで金属膜を構成しても良いが、環境に対する安定性向上の観点からパラジウム、金、白金、銅からなる群から選ばれる1種以上の金属と銀との合金膜であることが好ましい。
本発明の銀を主成分とする合金膜において、パラジウム、金、白金、銅からなる群から選ばれる1種以上の金属は、銀との合量に対して0.1〜10原子%の割合で含まれることが好ましい。0.1原子%未満では耐久性が不充分となり、10原子%を超えると可視光透過率の低下および高比抵抗化をもたらしてしまうため好ましくない。
上記金属膜の膜厚は、10〜25nmとする10nm未満ではシート抵抗が高くなり、25nmを超えると可視光透過率が低下する。
該金属膜は、金属ターゲットを用いてArガス雰囲気中でスパッタリングすることで形成される。金属ターゲットは充分な導電性を有しているため、直流スパッタリング法による成膜が可能である。比抵抗調整や機械的耐久性向上の目的で雰囲気中にN2 などのガスを添加してもよい。
(3)a−GIO膜とは異なる酸化物膜(図中の4、5、9)
本発明の透明導電膜においては、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する3層構造、あるいは5層構造、7層構造の透明導電膜の少なくとも片面に、つまり、金属膜を挟持している非晶質酸化物膜の上に、主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる非晶質酸化物膜とは異なる酸化物膜が積層されていてもかまわない。
上記目的で用いるa−GIO膜とは異なる酸化物膜は、a−GIO膜よりも高い導電性を有して耐薬品性に優れた酸化物膜であることが好ましい。例えば、In23 、ITO、ICO、SnO2 、TiO2 、SnとZnを含む非晶質あるいは結晶質酸化物等の材料が使用できる。このような酸化物膜を積層することで、積層体全体の機械的、化学的耐久性を更に向上させたり、導電性をさらに増加させたりすることも可能である。
また、該酸化物膜として、a−GIO膜と屈折率が異なる材料を用いることにより、積層体の光学効果(反射防止など)を狙うことが可能である。この様な目的で利用する場合でも、耐薬品性に優れた酸化物膜であることが好ましい。この様な用途として、ICO、TiO2 、Nb25、Ta25、SiO2、Al23、MgF2、CaF2、AlF3やこれらの混合物膜などが使用できる。このような酸化物膜を積層することで、積層体全体の光反射特性や光透過特性を変性することができる。
上記酸化物膜の膜厚は、光学特性の観点から、最終的な透明導電膜の膜厚が10〜150nmとなるように調整することが好ましい。最終的な透明導電膜の厚さが10nm未満および150nm超では可視光透過率が低下する。
(4)透明導電性基板、透明導電性フィルム
本発明の透明導電性基板は、本発明の透明導電膜を、ガラス板、樹脂製フィルム、樹脂製板などの透明基板上に形成することにより得ることができる。また、ガラス板などの上にカラー画素となるカラーフィルタ層を形成し、該カラーフィルタ層上に、カラーフィルタを保護、平滑化するための透明樹脂層を形成し、さらに該透明樹脂層上にシリカ、SiNx などの無機中間膜層(透明導電膜との密着改善層)を順次積層したものを基体として用いてもよい。
本発明の透明導電性フィルムは、樹脂フィルム基板の少なくとも一方の面に本発明の透明導電膜を形成したものである。
本発明に使用しうる樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)からなどが挙げられる。また、これらの材料の表面にアクリル系有機物などで代表されるハードコート層を覆った積層構造からなるのフィルムが好ましいが、これらに限定はされない。樹脂フィルムの片面に本発明の透明導電膜を含む多層膜が形成され、もう一方の面に別の光学薄膜が形成されていてもかまわない。
樹脂フィルム基板は、ガラス板と比べてガスの透過性が高く、有機EL素子の発光層、およびLCDなどの液晶層は、水分や酸素によって劣化するため、これらの表示素子の基板として用いる場合は、樹脂フィルム基板上にガスの通過を抑えるガスバリア膜を形成しておくことが好ましい。
上記ガスバリア膜は、樹脂フィルムの片面に形成されていても良く、両面に形成されていても良い。両面に形成されていれば、ガス通過の遮断性はさらに良好となる。また、該ガスバリア膜を、樹脂フィルムの片面に形成し、さらに該ガスバリア膜の上に、樹脂フィルムを積層することによって、内部にガスバリア膜を挿入させた構成を得ることもできる。さらに、複数回、積層を繰り返した構造とすることもできる。
ガスバリア膜は、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン(SiON)膜、アルミニウム酸マグネシウム膜、酸化スズ系膜およびダイヤモンド状カーボン(DLC)膜の中から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。ここで、酸化スズ系膜とは、酸化スズに、例えば、Si、Ce、Geなどから選ばれる少なくとも1種類以上の添加元素を含有した組成を有する。これらの添加元素によって、酸化スズ層を非晶質化し、緻密な膜とすることができる。
また、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、アルミニウム酸マグネシウム膜、酸化スズ系膜およびダイヤモンド状カーボン膜の中から選ばれる少なくとも1種類のガスバリア膜と、有機もしくは高分子の膜とが、樹脂基板もしくは樹脂フィルムの表面に交互に繰り返し積層させた構造の基板上に、前記透明導電性薄膜を施した構成でもよい。
なお、本発明の透明導電膜は成膜後、非晶質性を維持できる範囲内で、加熱処理されてもよい。加熱処理により、低抵抗化、高可視光透過率化、耐久性向上が期待できる。
(5)近赤外線遮断フィルム
本発明の透明導電膜は、可視域での透過率が高いものの、銀系の金属膜で構成されているため、近赤外域の光の吸収や反射が大きく、優れた近赤外線遮断特性を有することが特徴である。よって、本発明の透明導電膜、或いは、本発明の透明導電膜を含む多層膜を、ガラス板、樹脂製フィルム、樹脂製板などの透明基体の片面もしくは両面に形成すると、可視光が高い透過性を有して近赤外光が遮断性に優れた、すなわち近赤外遮断フィルターとすることができる。
本発明の透明導電膜を含む多層膜とは、例えば、本発明の透明導電膜の表面や基板と本発明の透明導電膜との間に、光学多層膜を形成する場合などが含まれる。また、透明基板の片面に本発明の透明導電膜や本発明の透明導電膜を含む多層膜を形成し、その裏面には他の光学多層膜を形成することも可能である。光学多層膜とは、例えば、屈折率の異なる透明膜を交互に積層して、特定の波長領域の反射防止効果や反射増進効果をもたらす多層膜などが含まれる。
このような構成の本発明の近赤外遮断フィルターは、プラズマディスプレイ用やデジタル撮影機器に用いることができる。プラズマディスプレイパネルからは近赤外線が画面から外に向かって発生しており、リモートコントローラーなどの誤動作を導くことが問題となっており、本発明の近赤外線遮断フィルターをプラズマディスプレイ画面に装着することで、近赤外線を画面外に出すことを回避できる。また、デジタル撮影機器の撮影素子(CMOSやCCDなど)は、可視光だけでなく近赤外光に対する感度が良い。本発明の赤外線遮断フィルターは、デジタル撮影機器の撮影素子の手前などの光路の途中に配置することで、肉眼で見た映像に近い画像を撮影素子で感知させることができる。本発明の近赤外線遮断フィルターは、ガラス基板を用いても良いが、樹脂フィルム基板を用いると、軽量で、割れにくく、加工性に優れているため好ましい。
(実施例1〜18)
成膜
ガラス基板もしくは樹脂フィルム基板の透明基体上に、表1の実施例1〜18に示す構成の透明導電膜を直流スパッタリング法により形成した。ガラス基板は低アルカリガラス(コーニング社製#7059、厚み1.1mmt)、樹脂フィルム基板には帝人製のPCフィルム(ピュアエース、厚み100μmt)を用いた。表1の、膜構成欄内の下の( )内の数字は膜厚(nm)である。
In23 膜成膜には、In23 焼結体ターゲットを用い、ITO膜成膜には、SnとInの総和に対してSnを10原子%含むIn23 焼結体ターゲットを用いて、酸素を含んだArガス0.6Paの雰囲気中、2.2W/cm2 の電力密度で直流スパッタリングすることにより、室温温度下の基板上に成膜した。
In23 膜とITO膜は、O2ガスの割合が4〜5%にて最も低い比抵抗を示すが、本発明では、O2ガスの割合を8〜12%の過剰酸素導入にして成膜して得た薄膜を用いた。この8〜12%の過剰酸素導入して成膜した薄膜は、最小比抵抗値の10倍以上の比抵抗を有する。O2ガスの割合が8〜12%の過剰酸素導入にて成膜したIn23 膜とITO膜の波長550nmにおける消衰係数kは、エリプソメーターで測定すると0.0105〜0.0110であった。成膜後のITO膜の組成は、用いたターゲットの組成と同一であることを確認した。
a−GIO膜は、GaとInの酸化物焼結体ターゲットから直流スパッタリング法で作製した。O2ガスを混入したArガス0.6Paの雰囲気中、2.2W/cm2 の電力密度で直流スパッタリングすることにより、室温基板上に成膜した。スパッタリングガス中のO2ガスの割合が5%にてa−GIO膜は最も低抵抗を示すが、本実験での積層膜はO2ガスの割合が8〜12%の過剰酸素導入にて成膜を行った。8〜12%の過剰酸素導入にて成膜したa−GIO膜は、酸素量5%で得られる最小比抵抗値の10倍以上の比抵抗を有する。O2ガスの割合が8〜12%の過剰酸素導入にて成膜したa−GIO膜の波長550nmにおける消衰係数kは、エリプソメーターで測定すると0.0050以下であり、酸素量7%以下で成膜したa−GIO膜の消衰係数k(0.0055以上)より低かった。
しかし、酸素量2〜12%で成膜したa−GIO膜の550nmにおける消衰係数は0.0012〜0.0075であり、同じ条件で成膜したITO膜やIn23膜の消衰係数(0.0090〜0.0155)とくらべて著しく低く、これはGa量が10〜90原子%において共通な傾向であった。
成膜後のa−GIO膜の組成は、用いたターゲットの組成と同一であることをICP発光分光分析で確認した。またa−GIO膜は非晶質構造であることをX線回折測定で確認した。なお、Ga、Inの総和に対する膜中のGa含有量をx原子%として、得られた膜をa−GIO(x)で示す。ここで「a−」は得られた膜が非晶質膜であることを意味する(また、「c−」は得られた膜が結晶膜であることを意味する)。
SnO2を添加したGaとInを含む非晶質酸化物膜(以下a-SGIO膜と略す)は、SnO2を添加したGaとInの酸化物焼結体ターゲットから、室温基板上に直流スパッタリング法で作製した。同様に、TiO2を添加したGaとInを含む非晶質酸化物膜(以下a-TGIO膜と略す)は、TiO2を添加したGaとInの酸化物焼結体ターゲットを用い、またCeO2を添加したGaとInを含む非晶質酸化物膜(以下a-CGIO膜と略す)は、CeO2を添加したGaとInの酸化物焼結体ターゲットを用いて、室温基板上に直流スパッタリング法で作製した。
a−SGIO膜、a−TGIO膜、a−CGIO膜は、O2ガスを混入したArガス0.6Paの雰囲気中、2.2W/cm2 の電力密度で直流スパッタリングすることにより、室温基板上に成膜した。a−SGIO膜、a−TGIO膜、a−CGIO膜は、スパッタリングガス中のO2ガスの割合が5%にて最も低抵抗を示した。しかし、本発明では、O2ガスの割合が8〜12%の過剰酸素導入にて成膜したa−SGIO膜、a−TGIO膜、a−CGIO膜を用いてAg系薄膜との積層膜を作製した。8〜12%の過剰酸素導入にて成膜したa−SGIO膜、a−TGIO膜、a−CGIO膜は、各々において、酸素量5%で得られる最小比抵抗値の10倍以上の比抵抗を有する。
2ガスの割合が8〜12%の過剰酸素導入にて成膜したa−SGIO膜、a−TGIO膜、a−CGIO膜の波長550nmにおける消衰係数kは、エリプソメーターで測定すると0.0050以下であり、酸素量7%以下で成膜した膜の消衰係数k(0.0056以上)より低かった。
成膜後のa−SGIO膜、a−TGIO膜、a−CGIO膜の組成は、用いたターゲットの組成と同一であることをICP発光分光分析で確認した。またa−SGIO膜、a−TGIO膜、a−CGIO膜は、非晶質構造であることをX線回折測定で確認した。
なお、a−SGIO膜の組成は、Ga、Inの総和に対する膜中のGa含有量をx原子%、Ga、In、Snの総和に対する膜中のSn含有量をy原子%として、得られた膜をa−SGIO(x、y)で示す。また、a−TGIO膜の組成は、Ga、Inの総和に対する膜中のGa含有量をx原子%、Ga、In、Tiの総和に対する膜中のSn含有量をy原子%として、得られた膜をa−TGIO(x、y)で示す。なお、a−CGIO膜の組成は、Ga、Inの総和に対する膜中のGa含有量をx原子%、Ga、In、Ceの総和に対する膜中のSn含有量をy原子%として、得られた膜をa−CGIO(x、y)で示す。ここで「a−」は得られた膜が非晶質膜であることを意味する。
AgPd膜は、Pd1原子%含むAg−Pd合金ターゲットを用い、Arガス0.6Paの雰囲気中、0.55W/cm2 の電力密度で直流スパッタリングすることにより、室温基板上に成膜した。成膜後のAgPd膜の組成は、用いたターゲットの組成と同一であった。
AgAuCu膜は、Au1原子%とCu0.5原子%含むAg−Au−Cu合金ターゲットを用い、Arガス0.6Paの雰囲気中、0.55W/cm2 の電力密度で直流スパッタリングすることにより、室温基板上に成膜した。成膜後のAgAuCu膜の組成は、用いたターゲットの組成と同一であった。
Ag膜は、純度4NのAgターゲットを用い、Arガス0.6Paの雰囲気中、0.55W/cm2 の電力密度で直流スパッタリングすることにより、室温基板上に成膜した。
透明導電性膜の評価
1)耐湿性
耐湿性については、70℃、湿度90%の雰囲気中に1週間放置するという耐湿試験を行った後、直径0.5mm以上の白色斑点が発生しなかったサンプルを○、直径1mm以上の白色斑点が発生したサンプルを×と判定した。
2)耐アルカリ性
耐アルカリ性については、室温の1重量%NaOH水溶液中に20分間浸けるという耐アルカリ試験を行った後、膜に変化が見られなかったサンプルを○、変色等の劣化が見られたものを×と判定した。
3)シート抵抗
各構成の透明導電膜のシート抵抗は、四探針法により測定した。

表1に、各構成の透明導電膜の可視域(波長380〜780nm)における平均透過率(基板を含む)、シート抵抗の測定結果、耐湿性および耐アルカリ性の評価結果を示す。
表1中の実施例1は図1の構造の透明導電膜であり、実施例12は図4の構造の透明導電膜、実施例8は図5の構造の透明導電膜、実施例2と実施例9〜11は図2の構造の透明導電膜、実施例3〜7は図3の構造の透明導電膜の一例である。また実施例2〜18は樹脂フィルム基板上に透明導電膜を形成しており、本発明の透明導電性フィルムである。
実施例1〜18の透明導電膜をFIB加工により薄片にして、断面構造を透過型電子顕微鏡による観察、電子線回折による膜構造の解析を行ったところ、作製したa−GIO膜、a−SGIO膜、a−TGIO膜、a−CGIO膜は全て非晶質膜になっていることを確認した。
Figure 0005023745
「評価」
表1に示すように、本発明の構造の実施例1〜18の透明導電膜は、可視域(波長380〜780nm)での平均透過率は、Ag系薄膜の層数や膜厚に依存するが、Ag系薄膜を1層含んだ場合(実施例1、8、12、13)で92%以上であり、2層含んだ場合(実施例2、9、10、11、14、15、16、17)で85%以上、3層含んだ場合で81%以上であり、高い値となっている。
また、本発明の構造の実施例1〜18の透明導電膜は、耐湿性、耐アルカリ性共に良好であり、シート抵抗も、Ag系薄膜の層数や膜厚に依存するが、全て11Ω/□以下であり、特に、3層含んだ場合で2.5Ω/□以下と高い導電性を有していた。 また、実施例1〜18の透明導電膜は、波長700〜800nmあたりで光吸収が見られ、波長700nm以上では反射も高くなり、その結果、表1に示すように近赤外域の透過率は非常に低く優れた近赤外線遮断特性を有していた。
よって、可視域での透過率が高くて、優れた導電性を有し、近赤外線の遮断性にも優れているので、プラズマディスプレイの電磁波遮蔽フィルターや近赤外線遮断フィルター、液晶ディスプレイの透明電極、デジタル撮影素子の近赤外遮断フィルターなどに有用であるといえる。
(比較例1〜9)
ターゲット組成だけを変えて作製した、本発明の組成範囲を逸脱したGIO膜、CGIO膜、SGIO膜を用いて、表2に示す構造の透明導電膜を作製した。使用した樹脂フィルム基板は実施例と同じであり、In23膜、ITO膜は、実施例と同じ条件で作製した。
GZO膜は以下の手順で作製した。GaをGaとZnの総和に対して5.0原子%含むZnO焼結体ターゲットを用い、Arガス0.6Paの雰囲気中、2.2W/cm2 の電力密度で直流スパッタリングすることにより、室温基板上に成膜した。成膜後のGZO膜の組成は、用いたターゲットの組成と同一であった。各膜の結晶性は、実施例と同様に断面片の透過型電子顕微鏡による観察と電子線回折により評価した。
表2に、実施例と同じ条件による、各構成の透明導電膜の、シート抵抗の測定結果、耐湿性および耐アルカリ性の評価結果を示す。
Figure 0005023745
「評価」
比較例1〜9の透明導電膜は、可視域(波長380〜780nm)での平均透過率は、Ag系薄膜を1層含んだ場合(比較例1)で86%であり、2層含んだ場合(比較例2〜4)で81%以下、3層含んだ場合で71%以下であった。実施例1〜18の透明導電膜と比較して可視域の透過率は劣っていることがわかる。
表2に示すように、比較例1〜3、5の透明導電膜は耐湿性で劣っていた。これは、Ag系膜を覆っているIn23膜とITO膜の耐湿性が劣るためであると考えられる。比較例4の透明導電膜は、耐湿性は良好だったが、耐アルカリ性が劣っていた。これはGZO膜自体の耐アルカリ性が劣っているからである。
比較例6〜9は、耐湿性、耐アルカリ性に共に劣っていた。
比較例6〜9は、Ag系薄膜を挟んでいるGIO膜、CGIO膜、SCIOのGa含有量が本発明で規定した割合よりも逸脱しているため、スパッタリング法で非晶質膜が得られなかった。このような結晶膜には粒界があり、粒界を介して水分がAg系薄膜へ進入し腐食が起きて耐湿性を悪化させたのである。
比較例1〜9のような透明導電膜は、近赤外線の遮断性は良くてシート抵抗は低いが、可視域透過率は低く、耐湿性、耐アルカリ性に劣るため、プラズマディスプレイの電磁波遮蔽フィルターや近赤外線遮断フィルター、液晶ディスプレイの透明電極、デジタル撮影機器の近赤外遮断フィルターなどには利用できない。
参考例19〜21、実施例22〜24)
a−GIO膜の成膜時の酸素導入量のみ変えて、O2ガスを混入したArガス0.6Paの雰囲気中、2.2W/cm2 の電力密度で直流スパッタリングすることにより、室温基板上にa−GIO膜を成膜した。
最も低抵抗のa−GIO膜は酸素量5%において得られており、これより酸素量が少なくても、多くても導電性は悪化する傾向を示した。各酸素量で成膜したa−GIO膜を用いて同一構造のAg膜との積層膜を作製し、実施例1〜18と同様に評価した。その結果を表3に示す。表3にはガラス基板上に各条件で作製したa−GIOの単膜(Ga量53原子%、膜厚200nm)の比抵抗も記したが、酸素量が5%において2.0×10-2Ωcmの低抵抗を示し、酸素量が5%より少なくなると比抵抗は増加した。また酸素量が5%よりも多くなると比抵抗は増大した。
Figure 0005023745
「評価」
参考例19は、酸素量が4%で作製したa−GIO膜を用いて積層膜を作製し、参考例20は、酸素量が5%で作製した最も低い比抵抗(ρmin)のa−GIO膜を用いて積層膜を作製し、参考例21は、酸素量が6%で作製したa−GIO膜を用いて積層膜を作製した。さらに、実施例22〜24は、酸素量が7〜9%にて作製したa−GIO膜を用いて作製した積層膜である。
実施例22〜24のa−GIO膜の比抵抗は最小比抵抗の10倍以上の比抵抗(ρmin×10以上)の導電性を有する。
エリプソメータ−で計測したa−GIO膜の波長550nmにおける消衰係数は、スパッタリング中の酸素量の増加にともない減少しているが、同じ製造条件で作製された従来のITO膜の消衰係数(0.0090〜0.0155)と比べて全体的に低い値である。このことが可視域での高い透過性を発揮している要因であると思われる
参考例19〜21、実施例22〜24の透明導電膜は、ITO膜を用いた同じ構造の比較例5と比べて、可視域平均透過率が高いという特徴を有する。この要因はa−GIO膜中の酸素量に起因する。実施例22〜24の様に、スパッタリング時の酸素量を7〜9%と、低抵抗膜が得られる酸素量よりも高めで成膜すると、GIO膜中に十分な酸素が含まれるため、GIO膜自体の光吸収が少なく、Ag膜との積層膜を作製しても高い透過率を示す。また酸素欠損の少ないGIO膜は安定しているため、接触するAg膜との反応性は乏しく、積層膜にしても低抵抗を実現する。参考例19〜21のGIO膜は、酸素量4〜6%において成膜しているため、酸素欠損を多く含み、単膜での導電性は高いが、酸素欠損による光吸収は大きく、不安定であるため接触するAg膜との反応性が良い。また、Ag膜との積層膜を作製すると、界面で化合物層が形成されやすく、積層膜自体の導電性や透過率は低下する。
よって、Ag系薄膜との積層膜を形成しても、高い透過率と高い導電性を発揮するためには、GIO膜には十分な酸素が含まれている必要がある。GIO膜中の酸素量と導電性には相関がある。Ag系薄膜との積層膜を作製しても十分な導電性、透過率を発揮するためには、最小比抵抗値の10倍以上の比抵抗のGIO膜を用いることが必要であることがわかった。
この傾向は、Ga含有量が10〜90原子%の範囲内で異なったGIO膜でも同じ傾向であり、最小比抵抗値の10倍以上の比抵抗を有する酸素過剰側で成膜したGIO膜がAg系薄膜と積層するためには有効である。
(比較例10〜15)
参考例19〜21、実施例22〜24の積層構造の透明導電膜において、a−GIO膜の代わりにITO膜を用いて透明導電膜を作製し同様に評価した。ITO膜は、スパッタリングガス中の酸素量を4〜9%の範囲で変えて作製した以外は、実施例1〜18で述べた条件で成膜を行った。結果を表4に示す。
Figure 0005023745
「評価」
ITO単膜の特性は、製造条件を同じにしてガラス基板上に成膜した膜厚200nmの膜を用いて評価した。ITO単膜の比抵抗は、酸素量が6%において最も低く(4.2×10-4Ωcm)を示し、その比抵抗は酸素量が6%より少なくても、また多くても上昇した。ITO単膜の波長550nmにおける消衰係数は、0.0090〜0.0153であり、酸素量が多いほど低くなる傾向を示したが、a−GIO膜より高かった。
積層膜のシート抵抗や近赤外光の遮断性は、a−GIO膜を用いた同じ構造の実施例19〜24とほぼ同等であった。しかし、比較例10〜15の積層膜の耐湿性は劣っていた。これは、Ag系膜を覆っているITO膜の耐湿性が劣るからである。
比較例10〜15のITO膜とAg膜との積層膜の透過率は、a−GIO膜を用いた同じ構造の実施例19〜24の積層膜と比べて低かった。これはITO膜の消衰係数が高いからである。
比較例10〜15のような透明導電膜は、近赤外線の遮断性は良くてシート抵抗は低いが、可視域透過率は低く、耐湿性、耐アルカリ性に劣るため、プラズマディスプレイの電磁波遮蔽フィルターや近赤外線遮断フィルター、液晶ディスプレイの透明電極、デジタル撮影機器の近赤外遮断フィルターなどには利用できない。
本発明に係る透明導電膜例の断面図である。 本発明に係る透明導電膜例の断面図である。 本発明に係る透明導電膜例の断面図である。 本発明に係る透明導電膜例の断面図である。 本発明に係る透明導電膜例の断面図である。 本発明に係る透明導電膜例の断面図である。
符号の説明
1、3、6、8:a−GIO膜、またはa−SGIO膜、またはa−TGIO膜、またはa−CGIO膜
2、7:銀若しくは銀を主成分とする金属膜
4、5、9:a−GIO膜でない酸化物膜

Claims (15)

  1. 主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる非晶質酸化物膜(a−GIO膜)と、銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜(Me膜)で構成された透明導電膜であり、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する3層構造を有し、前記非晶質酸化物膜の膜厚が1〜80nmの範囲にあり、前記金属膜の膜厚が10〜25nmの範囲にあり、前記非晶質酸化物膜におけるGa量が、GaとInの総和に対して10〜90原子%であり、かつ、エリプソメータ−で測定した前記非晶質酸化物膜の波長550nmにおける消衰係数kは、0.0051以下である、ことを特徴とする透明導電膜。
  2. 主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる非晶質酸化物膜(a−GIO膜)と、銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜(Me膜)で構成された透明導電膜であり、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する5層構造を有し、前記非晶質酸化物膜の膜厚が1〜80nmの範囲にあり、前記金属膜の膜厚が10〜25nmの範囲にあり、前記非晶質酸化物膜におけるGa量が、GaとInの総和に対して10〜90原子%であり、かつ、エリプソメータ−で測定した前記非晶質酸化物膜の波長550nmにおける消衰係数kは、0.0051以下である、ことを特徴とする透明導電膜。
  3. 主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる非晶質酸化物膜(a−GIO膜)と、銀若しくは銀を主成分とする合金からなる金属膜(Me膜)で構成された透明導電膜であり、a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜/Me膜/a−GIO膜とする、金属膜を非晶質酸化物膜にて挟持する7層構造を有し、前記非晶質酸化物膜の膜厚が1〜80nmの範囲にあり、前記金属膜の膜厚が10〜25nmの範囲にあり、前記非晶質酸化物膜におけるGa量が、GaとInの総和に対して10〜90原子%であり、かつ、エリプソメータ−で測定した前記非晶質酸化物膜の波長550nmにおける消衰係数kは、0.0051以下である、ことを特徴とする透明導電膜。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電膜の少なくとも片面に、前記非晶質酸化物膜(a−GIO膜)と異なる酸化物膜が積層されていることを特徴とする透明導電膜。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電膜のうちから選ばれる少なくとも2種類の透明導電膜を積層して構成されていることを特徴とする透明導電膜。
  6. 前記非晶質酸化物膜(a−GIO膜)が、SnとTiとCeのうちの少なくとも1種類を、該非晶質酸化物膜(a−GIO膜)中の全金属の総和に対して50原子%以下の割合で含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電膜。
  7. 前記金属膜(Me膜)が、銀を主成分として、パラジウム、金、白金、銅からなる群から選ばれる1種以上の金属を含む合金膜であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の透明導電膜。
  8. 透明基板の少なくとも一方の面に請求項1または請求項1に従属する請求項4に記載の透明導電膜を含む多層膜が形成されており、かつ、波長380〜780nmにおける平均透過率が92%以上であることを特徴とする透明導電性基板。
  9. 透明基板の少なくとも一方の面に請求項2または請求項2に従属する請求項4に記載の透明導電膜を含む多層膜が形成されており、かつ、波長380〜780nmにおける平均透過率が85%以上であることを特徴とする透明導電性基板。
  10. 透明基板の少なくとも一方の面に請求項3または請求項3に従属する請求項4に記載の透明導電膜を含む多層膜が形成されており、かつ、波長380〜780nmにおける平均透過率が81%以上であることを特徴とする透明導電性基板。
  11. 透明基板の少なくとも一方の面に請求項1または請求項1に従属する請求項4に記載の透明導電膜が2つ積層して構成されている透明導電膜を含む多層膜が形成されており、かつ、波長380〜780nmにおける平均透過率が85%以上であることを特徴とする透明導電性基板。
  12. 前記透明基板が樹脂フィルム基板であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の透明導電性基板。
  13. 請求項8〜12のいずれかに記載の透明導電性基板を備える、近赤外線遮断フィルター。
  14. 請求項1〜7のいずれかに記載の透明導電膜を製造するための方法であって、前記非晶質酸化物膜をスパッタリング法で成膜し、かつ、該成膜に際して、酸化性ガスを添加したArガス雰囲気を用い、該成膜により得られる前記非晶質酸化物膜が最も低い比抵抗となる場合の特定の酸素量に対して高酸素側であって、該成膜により得られる前記非晶質酸化物膜の比抵抗が前記最も低い比抵抗の10倍以上となる酸素量となるように前記雰囲気を調整することで、前記非晶質酸化物膜の波長550nmにおける消衰係数kを0.0051以下とすることを特徴とする、透明導電膜の製造方法。
  15. 前記雰囲気中の酸素量が、該雰囲気の全ガス量に対して7〜12%である、請求項13に記載の透明導電膜の製造方法。
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