JP2000052476A - 熱線遮断膜 - Google Patents
熱線遮断膜Info
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Abstract
膜2、と交互に積層された(2n+1)層(n≧1)か
らなる熱線遮断膜において、基体から見て、基体から最
も離れた金属膜(A)の上に形成された酸化物膜4はS
nの含量がZnとの総量に対し1〜10原子%である酸
化亜鉛膜を少なくとも1層含む熱線遮断膜。
Description
膜に関する。
を順に積層した3層からなる膜、または酸化物膜,Ag
膜、酸化物膜、Ag膜、酸化物膜を順次積層した5層か
らなる膜等の(2n+1)層(n≧1)からなる膜は、
Low−E(Low−Emissivity)膜と呼ば
れる熱線遮断膜であり、かかるLow−E膜を形成した
ガラスは、Low−Eガラスと呼ばれている。
射することにより室内の温度低下を防止できる機能ガラ
スであり、暖房負荷を軽減する目的でおもに寒冷地で用
いられている。また、太陽熱の熱線遮断効果も有するた
め、自動車の窓ガラスにも採用されている。透明であり
かつ導電性を示すため、電磁遮蔽ガラスとしての用途も
ある。導電性プリント等からなるバスバー等の通電加熱
手段を設ければ、通電加熱ガラスとして用いることがで
きる。
/Ag/ZnO/ガラスという膜構成を有するものが挙
げられる。しかし、このような膜では、耐擦傷性、化学
的安定性などの耐久性に欠けるため、単板で使うことが
できず、合わせガラスまたは複層ガラスにする必要があ
った。特に耐湿性に問題があり、空気中の湿度や合わせ
ガラスとする場合の中間膜に含まれる水分により、白色
斑点や白濁を生じる。このようなことから、単板での保
管やハンドリングに注意を要していた。
技術が有していた上記の欠点を解決し、耐湿性の優れた
熱線遮断膜を提供することである。
物膜、金属膜、酸化物膜、と交互に積層された(2n+
1)層(n≧1)からなる熱線遮断膜において、基体か
ら見て、基体から最も離れた金属膜(A)の上に形成さ
れた酸化物膜(B)はSi、Ti、Cr、B、Mg、S
n、Gaのうち少なくとも1種をZnとの総量に対し1
〜10原子%ドープした酸化亜鉛(ZnO)膜を少なく
とも1層含む熱線遮断膜を提供する。酸化物膜(B)
は、基体から見て、基体から最も離れた金属膜(A)の
上(金属膜(A)の基体側とは反対側)に形成された膜
である。
いて説明する。上述のように、従来のLow−Eガラス
(膜構成:ZnO/Ag/ZnO/ガラス)の場合、単
板で室内放置すると、空気中の湿気により白色斑点や白
濁を生じる。白色斑点や白濁の存在する膜を走査型電子
顕微鏡(SEM)で観察することにより、膜の表面にひ
びわれやしわの存在、および膜の剥離の存在が確認され
た。
の各元素について元素分析を行ったところ、Agは剥離
の有無にかかわらずほぼ一定量存在するのに対して、Z
nは剥離部で検出量がほぼ半分になっていた。つまり、
剥離は最上層のZnO層とAg層の界面で起きているこ
とがわかった。
雰囲気中、6日間放置)前後の試料をCuKα線を用い
たX線回折法で調べた。六方晶ZnOの(002)回折
線、立方晶Agの(111)回折線について、回折角2
θ(ピークの重心位置)、結晶面間隔d、積分幅IWを
それぞれ表1に示す。
より内部応力による格子歪の程度を検出できる。ZnO
(b)/Ag/ZnO(a)/ガラスという試料の場
合、最上層のZnO(b)によるピークが、ZnO
(a)によるピークの5〜15倍の強さで検出されるた
め、試料全体におけるX線回折法のZnOのピークは、
若干ZnO(a)による影響があるかもしれないが、ほ
とんど最上層の六方晶ZnO(b)によるピークと考え
てよい。
のZnOの(002)回折線は、ZnO粉末の2θ=3
4.44Åと比較するとかなり位置がずれている。これ
は、結晶歪の存在を示唆している。この結晶歪は、膜の
内部応力によるものと考えられる。耐湿試験前サンプル
では、結晶面間隔d=2.650Åとなっており、Zn
O粉末のd=2.602Åと比較すると1.8%大き
い。このことから、結晶がかなり大きな圧縮応力を受け
ていることがわかる。耐湿試験後のサンプルでは、d=
2.641Åとなっており、やや結晶歪が小さくなって
いる。これは、最上層の六方晶ZnOの内部応力が、ひ
び、しわ、剥離により一部緩和されたことと対応してい
る。
試験後の積分幅IWが小さくなっていることから、耐湿
試験を施すことにより、Agが粒成長すると考えられ
る。
のZnO膜が内部応力に耐えきれず、Ag膜との界面か
ら剥離、破損し、次に銀の劣化、即ち粒径が増大し、か
かる破損した表面および大きな銀粒子により光が散乱さ
れて白濁して見えるものと考えられる。表1の例では、
内部応力は圧縮応力であるが、内部応力には圧縮応力と
引張応力の2種類があり、いずれも膜破損の原因とな
る。
ためには、最上層ZnO膜の内部応力低減が有効である
ことがわかる。
B、Mg、Sn、Gaのいずれか少なくとも1種をドー
プすることにより、内部応力を低減でき、熱線遮断膜の
耐湿性が改善できることを見出した。
力、および、ガラス/ZnO(450Å)/Ag(10
0Å)の上に同様の酸化物膜(B)(450Å)をスパ
ッタリング法により形成した熱線遮断膜の六方晶ZnO
の(002)回折線の回折角2θ(重心位置)と、かか
る熱線遮断膜の耐湿性の関係を表2に示す。
気中に6日間放置するという試験を行い、評価した。評
価基準は、膜の端部付近に白濁がなく、直径1mm以上
の白色斑点が現れなければ○、膜の端部付近に白濁が現
れたもの、または直径1mm以上の白色斑点が現れたも
のを△、膜の全面に白濁が生じたものを×とした。S
i、Ti、Cr、B、Mg、Sn、Ga、Ca、Baの
ドープ量は、すべて、Znとの総量に対して原子比で4
%である。
g、Sn、GaのいずれかをZnO膜にドープした場
合、ZnO膜の内部応力が低くなる。これらの各種元素
をドープしたZnO膜を使用した熱線遮断膜の耐湿性が
改善される。この場合、ノンドープのものと比較する
と、ZnOの(002)回折線の回折角2θ(重心位
置)が高角度側にシフトする。これは、結晶歪が、ノン
ドープのものより小さいことを示唆しており、膜の内部
応力が小さいことの裏付けとなっている。
図を示す。図1(a)は、3層からなる熱線遮断膜の断
面図、図1(b)は、(2n+1)層(n≧1)からな
る熱線遮断膜の断面図である。1は基体、2は酸化物
膜、3は金属膜、4はSi、Ti、Cr、B、Mg、S
n、Gaのうち少なくとも1種をドープしたZnO膜を
少なくとも1層含む酸化物膜(B)である。
の他、プラスチック等のフィルムや板も使用できる。
B、Mg、Sn、Gaのうち少なくとも1種をドープし
たZnO膜を少なくとも1層含む。これらの元素のドー
プ量は、1原子%未満では、内部応力があまり低減せ
ず、耐湿性改善に至らず、10原子%を超えても内部応
力低減効果はそれほど大きくは変らない。また、添加量
が多くなると、湿気によりヘイズが出やすくなり、かえ
って耐湿性が悪くなる。さらに、添加量が多くなるほど
成膜速度が遅くなり、生産性が悪くなる。以上のことを
考慮すると最適なドープ量は、Znとの総量に対して、
1〜10原子%、好ましくは2〜6原子%である。
ては、上述のように、六方晶ZnOの内部応力と、Cu
Kα線を用いたX線回折による回折角2θ(重心位置)
とがほぼ対応している。ZnOを主成分とする膜の結晶
系は六方晶である。本発明の熱線遮断膜の耐湿性向上の
ためには、熱線遮断膜のCuKα線を用いたX線回折に
おいて、六方晶ZnOの(002)回折線の回折角2θ
(重心位置)が33.88°から35.00°までの間
の値、特に、34.00°から34.88°までの値で
あることが好ましい。回折角2θが34.44°以下の
値は圧縮応力を、34。44°以上の値は引張応力を、
示す。
いが、熱線遮断膜全体の色調、可視光透過率を考慮する
と、200〜700Åが望ましい。酸化物膜(B)は、
多層でもよい。例えば、本発明の熱線遮断膜を内側にし
てプラスチック中間膜を介してもう1枚の基体と積層し
て合わせガラスとする場合に、かかるプラスチック中間
膜との接着力の調整、または、耐久性向上の目的で中間
膜と接する層(基体から最も離れた層)として、100
Å以下の酸化物膜(例えば、酸化クロム膜)、他の元素
をドープした酸化物からなる膜、複合酸化物膜などを形
成する場合があるが、このような膜を含めて2層以上の
構成とすることもできる。
性スパッタリングにより成膜する場合は、金属膜(A)
の酸化を防ぐために、まず金属膜(A)上に酸素の少な
い雰囲気中で薄い金属膜または酸化不充分な金属酸化物
膜を形成するのが望ましい。この薄い金属膜は、酸化物
膜(B)の成膜中に酸化されて酸化物膜となる。上述の
酸化物膜(B)の好ましい膜厚は、かかる薄い金属膜が
酸化されてできた酸化物膜の膜厚も含んだ膜厚である。
本明細書において、金属膜3上に形成する酸化物膜に関
しても同様である。
は、特に限定されない。ZnO、SnO2 、TiO2 、
これらの2種以上を含む積層膜、これらに他の元素を添
加した膜等が使用できるが、さらに、生産性を考慮する
と、ZnO膜、SnO2 膜、ZnO−SnO2 膜のいず
れか2種の膜を交互に2層以上積層させた膜や、Si、
Ti、Cr、B、Mg、Sn、Gaのうち少なくとも1
種をZnとの総量に対し1〜10原子%ドープしたZn
O膜が好ましい。
膜2の膜厚は200〜700Åであることが望ましい。
積層膜の場合、合計200〜700Åであればよく、そ
れぞれの層の膜厚は限定されない。
膜、酸化物膜、という5層構成、あるいは5層以上の膜
構成の熱線遮断膜の場合、最外層の酸化物膜(B)以外
の酸化物膜2はSi、Ti、Cr、B、Mg、Sn、G
aのうち少なくとも1種をZnとの総量に対し1〜10
原子%、好ましくは2〜6原子%ドープしたZnO膜を
少なくとも1層含む膜であることが望ましい。
膜、またはAu、Cu、Pdのうちの少なくとも1種を
含むAgを主成分とする膜などの、熱線遮断性能を有す
る膜が使用できる。金属膜3は、かかる熱線遮断性能を
有する金属膜の他に、各種の機能を有する金属層を有し
ていてもよい。例えば、熱線遮断性能を有する金属膜と
酸化物膜(B)や酸化物膜2との間の接着力を調整する
金属層や、熱線遮断性能を有する金属膜からの金属の拡
散防止機能を有する金属層等が挙げられる。これらの機
能を有する金属層を構成する金属の例としては、Zn、
Al、Cr、W、Ni、Tiや、これらのうち2種以上
の金属の合金等が挙げられる。
としては、熱線遮断性能および可視光透過率等とのかね
あいを考慮して、50〜150Å、特に100Å程度が
適当である。
Mg、Sn、Gaのうち少なくとも1種の合量がZnと
の総量に対し1〜10原子%であるZnO膜を少なくと
も1層含むことにより従来の熱線遮断膜に比べて耐湿性
が著しく改善される。これは、酸化物膜(B)の低内部
応力化により、酸化物膜(B)が破損しにくくなり、湿
気による劣化が抑えられるためと考えられる。
ガラス基板上に、Ar:O2 =1:9の2.0×10-3
Torrの雰囲気中で、SiをZnとの総量に対して
3.0原子%含むZnSi金属をターゲットとして、S
iドープZnO膜を450Å形成した。
rの雰囲気中で、AgをターゲットとしてAg膜を10
0Å形成し、次いで雰囲気を変えずに、SiをZnとの
総量に対して3.0原子%含むZnSi金属をターゲッ
トとして、20Å程度のごく薄いSiドープZn膜を形
成した。最後に、Ar:O2 =1:9の2.0×10-3
Torrの雰囲気中で、SiをZnとの総量に対して
3.0原子%含むZnSi金属をターゲットとして、上
記Ag膜上にSiドープZnO膜を形成した。
iドープZn膜が酸化雰囲気中で酸化されてSiドープ
ZnO膜となったので、Ag膜上に形成されたSiドー
プZnO膜の総膜厚は、450Åであった。成膜中の基
板温度は室温、スパッタ電力密度は、SiドープZnO
膜の成膜時には2.7W/cm2 、Ag膜の成膜時には
0.7W/cm2 であった。なお、SiドープZnO膜
におけるSiとZnの割合は、ターゲットにおける割合
と同じであった。
度95%の雰囲気中に6日間放置するという耐湿試験を
行った。耐湿試験後の外観は、ごく微小の斑点は見られ
たものの、目立った白色斑点および白濁は観察されず良
好であった。
り、ガラス基板上に、Ar:O2 =1:9の2.0×1
0-3Torrの雰囲気中で、CrをZnとの総量に対し
て3.0原子%含むZnCr金属をターゲットとして、
CrドープZnO膜を450Å形成した。
rの雰囲気中で、Agをターゲットとして、Ag膜を1
00Å形成し、次いで雰囲気を変えずに、CrをZnと
の総量に対して3.0原子%含むZnCr金属をターゲ
ットとして、20Å程度のごく薄いCrドープZn膜を
形成し、最後に、Ar:O2 =1:9の2.0×10-3
Torrの雰囲気中で、CrをZnとの総量に対して
3.0原子%含むZnCr金属をターゲットとして、上
記Ag膜上にCrドープZnO膜を形成した。
rドープZn膜が酸化雰囲気中で酸化されてCrドープ
ZnO膜となったので、Ag膜上に形成されたCrドー
プZnO膜の総膜厚は450Åであった。成膜中の基板
温度は室温、スパッタ電力密度は、CrドープZnO膜
の成膜時には2.7W/cm2 、Ag膜の成膜時には
0.7W/cm2 であった。なお、CrドープZnO膜
におけるCrとZnの割合は、ターゲットにおける割合
と同じであった。
と同様の耐湿試験を行ったところ、耐湿試験後の外観は
上記実施例と同様良好であった。
り、ガラス基板上に、Ar:O2 =1:9の2.0×1
0-3Torrの雰囲気中で、TiをZnとの総量に対し
て3.0原子%含むZnTi金属をターゲットとして、
TiドープZnO膜を450Å形成した。
rの雰囲気中で、Agをターゲットとして、Ag膜を1
00Å形成し、次いで雰囲気を変えずに、TiをZnと
の総量に対して3.0原子%含むZnTi金属をターゲ
ットとして、20Å程度のごく薄いTiドープZn膜を
形成し、最後に、Ar:O2 =1:9の2.0×10-3
Torrの雰囲気中で、TiをZnとの総量に対して
3.0原子%含むZnTi金属をターゲットとして、上
記Ag膜上にTiドープZnO膜を形成した。
iドープZn膜が酸化雰囲気中で酸化されてTiドープ
ZnO膜となったので、Ag膜上に形成されたTiドー
プZnO膜の総膜厚は450Åであった。成膜中の基板
温度は室温、スパッタ電力密度は、TiドープZnO膜
の成膜時には2.7W/cm2 、Ag膜の成膜時には
0.7W/cm2 であった。なお、TiドープZnO膜
におけるTiとZnの割合は、ターゲットにおける割合
と同じであった。
と同様の耐湿試験を行ったところ、耐湿試験後の外観は
上記実施例と同様良好であった。
り、ガラス基板上に、Ar:O2 =1:9の2.0×1
0-3Torrの雰囲気中で、MgをZnとの総量に対し
て3.0原子%含むZnMg金属をターゲットとして、
MgドープZnO膜を450Å形成した。
rの雰囲気中で、AgをターゲットとしてAg膜を10
0Å形成し、次いで雰囲気を変えずに、MgをZnとの
総量に対して3.0原子%含むZnMg金属をターゲッ
トとして、20Å程度のごく薄いMgドープZn膜を形
成し、最後に、Ar:O2 =1:9の2.0×10-3T
orrの雰囲気中で、MgをZnとの総量に対して3.
0原子%含むZnMg金属をターゲットとして、上記A
g膜上にMgドープZnO膜を形成した。
gドープZn膜が酸化雰囲気中で酸化されてMgドープ
ZnO膜となったので、Ag膜上に形成されたMgドー
プZnO膜の総膜厚は450Åであった。成膜中の基板
温度は室温、スパッタ電力密度は、MgドープZnO膜
の成膜時には2.7W/cm2 、Ag膜の成膜時には
0.7W/cm2 であった。なお、MgドープZnO膜
におけるMgとZnの割合は、ターゲットにおける割合
と同じであった。
と同様の耐湿試験を行ったところ、耐湿試験後の外観は
上記実施例と同様良好であった。
り、ガラス基板上に、Ar:O2 =1:9の2.0×1
0-3Torrの雰囲気中で、BをZnとの総量に対して
3.0原子%含むZnB金属をターゲットとして、Bド
ープZnO膜を450Å形成した。
rの雰囲気中で、AgをターゲットとしてAg膜を10
0Å形成し、次いで雰囲気を変えずに、BをZnとの総
量に対して3.0原子%含むZnB金属をターゲットと
して、20Å程度のごく薄いBドープZn膜を形成し、
最後に、Ar:O2 =1:9の2.0×10-3Torr
の雰囲気中で、BをZnとの総量に対して3.0原子%
含むZnB金属をターゲットとして、上記Ag膜上にB
ドープZnO膜を形成した。
ープZn膜が酸化雰囲気中で酸化されてBドープZnO
膜となったので、Ag膜上に形成されたBドープZnO
膜の総膜厚は450Åであった。成膜中の基板温度は室
温、スパッタ電力密度は、BドープZnO膜の成膜時に
は2.7W/cm2 、Ag膜の成膜時には0.7W/c
m2 であった。なお、BドープZnO膜におけるBとZ
nの割合は、ターゲットにおける割合と同じであった。
と同様の耐湿試験を行ったところ、耐湿試験後の外観は
上記実施例と同様良好であった。
り、ガラス基板上に、Ar:O2 =1:9の2.0×1
0-3Torrの雰囲気中で、SnをZnとの総量に対し
て3.0原子%含むZnSn金属をターゲットとして、
SnドープZnO膜を450Å形成した。
rの雰囲気中で、AgをターゲットとしてAg膜を10
0Å形成し、次いで雰囲気を変えずに、SnをZnとの
総量に対して3.0原子%含むZnSn金属をターゲッ
トとして、20Å程度のごく薄いSnドープZn膜を形
成した。最後に、Ar:O2 =1:9の2.0×10-3
Torrの雰囲気中で、SnをZnとの総量に対して
3.0原子%含むZnSn金属をターゲットとして、上
記Ag膜上にSnドープZnO膜を形成した。
nドープZn膜が酸化雰囲気中で酸化されてSnドープ
ZnO膜となったので、Ag膜上に形成されたSnドー
プZnO膜の総膜厚は450Åであった。成膜中の基板
温度は室温、スパッタ電力密度は、SnドープZnO膜
の成膜時には2.7W/cm2 、Ag膜の成膜時には
0.7W/cm2 であった。なお、SnドープZnO膜
におけるSnとZnの割合は、ターゲットにおける割合
と同じであった。
度95%の雰囲気中に6日間放置するという耐湿試験を
行った。耐湿試験後の外観は、ごく微小の斑点は見られ
たものの、目立った白色斑点および白濁は観察されず良
好であった。
り、ガラス基板上に、Arの雰囲気中で、Znとの総量
に対して、Gaを5.0原子%含むGaドープZnOを
ターゲットとして、GaドープZnO膜を450Å形成
した。次いで、雰囲気を変えずに、Agをターゲットと
してAg膜を100Å形成した。最後に雰囲気を変えず
に、Gaを5.0原子%含むGaドープZnOをターゲ
ットとして、上記Ag膜上にGaドープZnO膜を45
0Å形成した。
度は、GaドープZnO膜の成膜時には1.1W/cm
2 、Ag膜の成膜時には0.7W/cm2 であった。な
お、GaドープZnO膜におけるGaとZnの割合は、
ターゲットにおける割合と同じであった。
と同様の耐湿試験を行ったところ、耐湿試験後の外観は
上記実施例と同様良好であった。
り、ガラス基板上に、Ar:O2 =1:9の2.0×1
0-3Torrの雰囲気中で、Zn金属をターゲットとし
て、ZnO膜を450Å形成した。
rの雰囲気中で、AgをターゲットとしてAg膜を10
0Å形成し、次いで雰囲気を変えずに、Zn金属をター
ゲットとして、20Å程度のごく薄いZn膜を形成し、
最後に、Ar:O2 =1:9の2.0×10-3Torr
の雰囲気中で、Znをターゲットとして、上記Ag膜上
にZnO膜を形成した。
雰囲気中で酸化されてZnO膜となったので、Ag膜上
に形成されたZnO膜の総膜厚は450Åであった。成
膜中の基板温度は室温、スパッタ電力密度は、ZnO膜
の成膜時には2.7W/cm2 、Ag膜の成膜時には
0.7W/cm2 であった。
と同様の耐湿試験を行ったところ、耐湿試験後の外観
は、直径1mm以上のはっきりした白色斑点、および周
辺部に白濁がみられた。
しく改善されている。このため、単板での取扱が容易に
なると考えられる。また単板での室内長期保存ができ
る。さらに、自動車用、建築用熱線遮断ガラスの信頼性
向上につながる。また、合わせガラスとした際にも中間
膜が含有している水分によって劣化することがないの
で、自動車用、建築用等の合わせガラスの耐久性が向上
する。
るため、熱線遮断性能とともに導電性もある。したがっ
て、本発明の熱線遮断膜は、この導電性を利用して、種
々の技術分野に使用できる。例えば、エレクトロニクス
分野においては電極として(太陽電池の電極などにも使
用できる)、通電加熱窓においては発熱体として、窓や
電子部品においては電磁波遮蔽膜として、使用できる。
基体の上に各種の機能を有する膜を介して本発明の熱線
遮断膜を形成でき、また、本発明の熱線遮断膜の各膜の
最適膜厚を選択するなどにより、その用途に応じて光学
性能を調節できる。
熱線遮断ガラスの一例の断面図。
3)
総量に対し1〜6原子%の酸化亜鉛膜である請求項1に
記載の熱線遮断膜。
属膜である請求項1または2に記載の熱線遮断膜。
少なくとも1層が、Si、Ti、Cr、B、Mg、S
n、Gaのうち少なくとも1種の合量がZnとの総量に
対し1〜10原子%の酸化亜鉛膜である請求項1、2ま
たは3に記載の熱線遮断膜。
膜に関する。
を順に積層した3層からなる膜、または酸化物膜,Ag
膜、酸化物膜、Ag膜、酸化物膜を順次積層した5層か
らなる膜等の(2n+1)層(n≧1)からなる膜は、
Low−E(Low−Emissivity)膜と呼ば
れる熱線遮断膜であり、かかるLow−E膜を形成した
ガラスは、Low−Eガラスと呼ばれている。
射することにより室内の温度低下を防止できる機能ガラ
スであり、暖房負荷を軽減する目的でおもに寒冷地で用
いられている。また、太陽熱の熱線遮断効果も有するた
め、自動車の窓ガラスにも採用されている。透明であり
かつ導電性を示すため、電磁遮蔽ガラスとしての用途も
ある。導電性プリント等からなるバスバー等の通電加熱
手段を設ければ、通電加熱ガラスとして用いることがで
きる。
/Ag/ZnO/ガラスという膜構成を有するものが挙
げられる。しかし、このような膜では、耐擦傷性、化学
的安定性などの耐久性に欠けるため、単板で使うことが
できず、合わせガラスまたは複層ガラスにする必要があ
った。特に耐湿性に問題があり、空気中の湿度や合わせ
ガラスとする場合の中間膜に含まれる水分により、白色
斑点や白濁を生じる。このようなことから、単板での保
管やハンドリングに注意を要していた。
技術が有していた上記の欠点を解決し、耐湿性の優れた
熱線遮断膜を提供することである。
物膜、金属膜、酸化物膜、と交互に積層された(2n+
1)層(n≧1)からなる熱線遮断膜において、基体か
ら見て、基体から最も離れた金属膜(A)の上に形成さ
れた酸化物膜(B)はSnの含量がZnとの総量に対し
1〜10原子%である酸化亜鉛(ZnO)膜を少なくと
も1層含む熱線遮断膜を提供する。酸化物膜(B)は、
基体から見て、基体から最も離れた金属膜(A)の上
(金属膜(A)の基体側とは反対側)に形成された膜で
あり、Snの含量がZnとの総量に対し1〜10原子%
である(SnをZnとの総量に対し1〜10原子%ドー
プした)ZnO膜を少なくとも1層含む膜である。
いて説明する。上述のように、従来のLow−Eガラス
(膜構成:ZnO/Ag/ZnO/ガラス)の場合、単
板で室内放置すると、空気中の湿気により白色斑点や白
濁を生じる。白色斑点や白濁の存在する膜を走査型電子
顕微鏡(SEM)で観察することにより、膜の表面にひ
びわれやしわの存在、および膜の剥離の存在が確認され
た。
の各元素について元素分析を行ったところ、Agは剥離
の有無にかかわらずほぼ一定量存在するのに対して、Z
nは剥離部で検出量がほぼ半分になっていた。つまり、
剥離は最上層のZnO層とAg層の界面で起きているこ
とがわかった。
雰囲気中、6日間放置)前後の試料をCuKα線を用い
たX線回折法で調べた。六方晶ZnOの(002)回折
線、立方晶Agの(111)回折線について、回折角2
θ(ピークの重心位置)、結晶面間隔d、積分幅IWを
それぞれ表1に示す。
より内部応力による格子歪の程度を検出できる。ZnO
(b)/Ag/ZnO(a)/ガラスという試料の場
合、最上層のZnO(b)によるピークが、ZnO
(a)によるピークの5〜15倍の強さで検出されるた
め、試料全体におけるX線回折法のZnOのピークは、
若干ZnO(a)による影響があるかもしれないが、ほ
とんど最上層の六方晶ZnO(b)によるピークと考え
てよい。
のZnOの(002)回折線は、ZnO粉末の2θ=3
4.44°と比較するとかなり位置がずれている。これ
は、結晶歪の存在を示唆している。この結晶歪は、膜の
内部応力によるものと考えられる。耐湿試験前サンプル
では、結晶面間隔d=2.650Åとなっており、Zn
O粉末のd=2.602Åと比較すると1.8%大き
い。このことから、結晶がかなり大きな圧縮応力を受け
ていることがわかる。耐湿試験後のサンプルでは、d=
2.641Åとなっており、やや結晶歪が小さくなって
いる。これは、最上層の六方晶ZnOの内部応力が、ひ
び、しわ、剥離により一部緩和されたことと対応してい
る。
試験後の積分幅IWが小さくなっていることから、耐湿
試験を施すことにより、Agが粒成長すると考えられ
る。
のZnO膜が内部応力に耐えきれず、Ag膜との界面か
ら剥離、破損し、次に銀の劣化、即ち粒径が増大し、か
かる破損した表面および大きな銀粒子により光が散乱さ
れて白濁して見えるものと考えられる。表1の例では、
内部応力は圧縮応力であるが、内部応力には圧縮応力と
引張応力の2種類があり、いずれも膜破損の原因とな
る。
ためには、最上層ZnO膜の内部応力低減が有効である
ことがわかる。
とにより、内部応力を低減でき、熱線遮断膜の耐湿性が
改善できることを見出した。
力、および、ガラス/ZnO(450Å)/Ag(10
0Å)の上に同様の酸化物膜(B)(450Å)をスパ
ッタリング法により形成した熱線遮断膜の六方晶ZnO
の(002)回折線の回折角2θ(重心位置)と、かか
る熱線遮断膜の耐湿性の関係を表2に示す。
気中に6日間放置するという試験を行い、評価した。評
価基準は、膜の端部付近に白濁がなく、直径1mm以上
の白色斑点が現れなければ○、膜の端部付近に白濁が現
れたもの、または直径1mm以上の白色斑点が現れたも
のを△、膜の全面に白濁が生じたものを×とした。S
n、Ca、Baのドープ量は、すべて、Znとの総量に
対して原子比で4%である。
た場合、ZnO膜の内部応力が低くなる。これらの各種
元素をドープしたZnO膜を使用した熱線遮断膜の耐湿
性が改善される。この場合、ノンドープのものと比較す
ると、ZnOの(002)回折線の回折角2θ(重心位
置)が高角度側にシフトする。これは、結晶歪が、ノン
ドープのものより小さいことを示唆しており、膜の内部
応力が小さいことの裏付けとなっている。
図を示す。図1(a)は、3層からなる熱線遮断膜の断
面図、図1(b)は、(2n+1)層(n≧1)からな
る熱線遮断膜の断面図である。1は基体、2は酸化物
膜、3は金属膜、4はSnをドープしたZnO膜を少な
くとも1層含む酸化物膜(B)である。
の他、プラスチック等のフィルムや板も使用できる。
O膜を少なくとも1層含む。Snのドープ量は、1原子
%未満では、内部応力があまり低減せず、耐湿性改善に
至らず、10原子%を超えても内部応力低減効果はそれ
ほど大きくは変らない。また、添加量が多くなると、湿
気によりヘイズが出やすくなり、かえって耐湿性が悪く
なる。さらに、添加量が多くなるほど成膜速度が遅くな
り、生産性が悪くなる。以上のことを考慮すると最適な
ドープ量は、Znとの総量に対して、1〜10原子%で
ある。特に6原子%以下、さらには4原子%以下である
ことが好ましく、また、特に2原子%以上であることが
好ましい。
ては、上述のように、六方晶ZnOの内部応力と、Cu
Kα線を用いたX線回折による回折角2θ(重心位置)
とがほぼ対応している。ZnOを主成分とする膜の結晶
系は六方晶である。本発明の熱線遮断膜の耐湿性向上の
ためには、熱線遮断膜のCuKα線を用いたX線回折に
おいて、六方晶ZnOの(002)回折線の回折角2θ
(重心位置)が33.88°から35.00°までの間
の値、特に、34.00°から34.88°までの値で
あることが好ましい。回折角2θが34.44°以下の
値は圧縮応力を、34。44°以上の値は引張応力を、
示す。
いが、熱線遮断膜全体の色調、可視光透過率を考慮する
と、200〜700Åが望ましい。酸化物膜(B)は、
多層でもよい。例えば、本発明の熱線遮断膜を内側にし
てプラスチック中間膜を介してもう1枚の基体と積層し
て合わせガラスとする場合に、かかるプラスチック中間
膜との接着力の調整、または、耐久性向上の目的で中間
膜と接する層(基体から最も離れた層)として、100
Å以下の酸化物膜(例えば、酸化クロム膜)、他の元素
をドープした酸化物からなる膜、複合酸化物膜などを形
成する場合があるが、このような膜を含めて2層以上の
構成とすることもできる。
性スパッタリングにより成膜する場合は、金属膜(A)
の酸化を防ぐために、まず金属膜(A)上に酸素の少な
い雰囲気中で薄い金属膜または酸化不充分な金属酸化物
膜を形成するのが望ましい。この薄い金属膜は、酸化物
膜(B)の成膜中に酸化されて酸化物膜となる。上述の
酸化物膜(B)の好ましい膜厚は、かかる薄い金属膜が
酸化されてできた酸化物膜の膜厚も含んだ膜厚である。
本明細書において、金属膜3上に形成する酸化物膜に関
しても同様である。
は、特に限定されない。ZnO、SnO2 、TiO2 、
これらの2種以上を含む積層膜、これらに他の元素を添
加した膜等が使用できるが、さらに、生産性を考慮する
と、ZnO膜、SnO2 膜、ZnO−SnO2 膜のいず
れか2種の膜を交互に2層以上積層させた膜や、Si、
Ti、Cr、B、Mg、Sn、Gaのうち少なくとも1
種の合量がZnとの総量に対し1〜10原子%であるZ
nO膜が好ましい。
膜2の膜厚は200〜700Åであることが望ましい。
積層膜の場合、合計200〜700Åであればよく、そ
れぞれの層の膜厚は限定されない。
膜、酸化物膜、という5層構成、あるいは5層以上の膜
構成の熱線遮断膜の場合、最外層の酸化物膜(B)以外
の酸化物膜2はSi、Ti、Cr、B、Mg、Sn、G
aのうち少なくとも1種の合量がZnとの総量に対し1
〜10原子%であるZnO膜を少なくとも1層含む膜で
あることが望ましい。特に6原子%以下であることが好
ましく、また、特に2原子%以上であることが好まし
い。
膜、またはAu、Cu、Pdのうちの少なくとも1種を
含むAgを主成分とする膜などの、熱線遮断性能を有す
る膜が使用できる。金属膜3は、かかる熱線遮断性能を
有する金属膜の他に、各種の機能を有する金属層を有し
ていてもよい。例えば、熱線遮断性能を有する金属膜と
酸化物膜(B)や酸化物膜2との間の接着力を調整する
金属層や、熱線遮断性能を有する金属膜からの金属の拡
散防止機能を有する金属層等が挙げられる。これらの機
能を有する金属層を構成する金属の例としては、Zn、
Al、Cr、W、Ni、Tiや、これらのうち2種以上
の金属の合金等が挙げられる。
としては、熱線遮断性能および可視光透過率等とのかね
あいを考慮して、50〜150Å、特に100Å程度が
適当である。
量に対し1〜10原子%であるZnO膜を少なくとも1
層含むことにより従来の熱線遮断膜に比べて耐湿性が著
しく改善される。これは、酸化物膜(B)の低内部応力
化により、酸化物膜(B)が破損しにくくなり、湿気に
よる劣化が抑えられるためと考えられる。
ラス基板上に、Ar:O2 =1:9の2.0×10-3T
orrの雰囲気中で、SnをZnとの総量に対して3.
0原子%含むZnSn金属をターゲットとして、Snド
ープZnO膜を450Å形成した。
rの雰囲気中で、AgをターゲットとしてAg膜を10
0Å形成し、次いで雰囲気を変えずに、SnをZnとの
総量に対して3.0原子%含むZnSn金属をターゲッ
トとして、20Å程度のごく薄いSnドープZn膜を形
成した。最後に、Ar:O2 =1:9の2.0×10-3
Torrの雰囲気中で、SnをZnとの総量に対して
3.0原子%含むZnSn金属をターゲットとして、上
記Ag膜上にSnドープZnO膜を形成した。
nドープZn膜が酸化雰囲気中で酸化されてSnドープ
ZnO膜となったので、Ag膜上に形成されたSnドー
プZnO膜の総膜厚は450Åであった。成膜中の基板
温度は室温、スパッタ電力密度は、SnドープZnO膜
の成膜時には2.7W/cm2 、Ag膜の成膜時には
0.7W/cm2 であった。なお、SnドープZnO膜
におけるSnとZnの割合は、ターゲットにおける割合
と同じであった。
度95%の雰囲気中に6日間放置するという耐湿試験を
行った。耐湿試験後の外観は、ごく微小の斑点は見られ
たものの、目立った白色斑点および白濁は観察されず良
好であった。
ガラス基板上に、Ar:O2 =1:9の2.0×10-3
Torrの雰囲気中で、Zn金属をターゲットとして、
ZnO膜を450Å形成した。
rの雰囲気中で、AgをターゲットとしてAg膜を10
0Å形成し、次いで雰囲気を変えずに、Zn金属をター
ゲットとして、20Å程度のごく薄いZn膜を形成し、
最後に、Ar:O2 =1:9の2.0×10-3Torr
の雰囲気中で、Znをターゲットとして、上記Ag膜上
にZnO膜を形成した。
雰囲気中で酸化されてZnO膜となったので、Ag膜上
に形成されたZnO膜の総膜厚は450Åであった。成
膜中の基板温度は室温、スパッタ電力密度は、ZnO膜
の成膜時には2.7W/cm2 、Ag膜の成膜時には
0.7W/cm2 であった。
と同様の耐湿試験を行ったところ、耐湿試験後の外観
は、直径1mm以上のはっきりした白色斑点、および周
辺部に白濁がみられた。
しく改善されている。このため、単板での取扱が容易に
なると考えられる。また単板での室内長期保存ができ
る。さらに、自動車用、建築用熱線遮断ガラスの信頼性
向上につながる。また、合わせガラスとした際にも中間
膜が含有している水分によって劣化することがないの
で、自動車用、建築用等の合わせガラスの耐久性が向上
する。
るため、熱線遮断性能とともに導電性もある。したがっ
て、本発明の熱線遮断膜は、この導電性を利用して、種
々の技術分野に使用できる。例えば、エレクトロニクス
分野においては電極として(太陽電池の電極などにも使
用できる)、通電加熱窓においては発熱体として、窓や
電子部品においては電磁波遮蔽膜として、使用できる。
基体の上に各種の機能を有する膜を介して本発明の熱線
遮断膜を形成でき、また、本発明の熱線遮断膜の各膜の
最適膜厚を選択するなどにより、その用途に応じて光学
性能を調節できる。
熱線遮断ガラスの一例の断面図。
Claims (4)
- 【請求項1】基体上に酸化物膜、金属膜、酸化物膜、と
交互に積層された(2n+1)層(n≧1)からなる熱
線遮断膜において、基体から見て、基体から最も離れた
金属膜(A)の上に形成された酸化物膜(B)はSnを
Znとの総量に対し1〜10原子%ドープした酸化亜鉛
膜を少なくとも1層含む熱線遮断膜。 - 【請求項2】前記金属膜(A)はAgを主成分とする金
属膜である請求項1に記載の熱線遮断膜。 - 【請求項3】前記酸化物膜(B)以外の酸化物膜のうち
少なくとも1層は、Si、Ti、Cr、B、Mg、S
n、Gaのうち少なくとも1種をZnとの総量に対し1
〜10原子%ドープした酸化亜鉛膜である請求項1また
は2に記載の熱線遮断膜。 - 【請求項4】
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007191384A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-08-02 | Central Glass Co Ltd | 低放射ガラス |
JP2011063500A (ja) * | 2009-08-17 | 2011-03-31 | Central Glass Co Ltd | 熱線遮蔽積層膜 |
KR101047177B1 (ko) * | 2004-12-31 | 2011-07-07 | 주식회사 케이씨씨 | 내구성이 향상된 저방사 유리 |
JP2015196630A (ja) * | 2014-04-03 | 2015-11-09 | セントラル硝子株式会社 | 低放射窓材 |
-
1999
- 1999-08-31 JP JP24643299A patent/JP3335599B2/ja not_active Expired - Fee Related
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