JP5014724B2 - ジオキサングリコールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、下記式(I):

で表される2−(5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−2−メチルプロパン−1−オール(以下、ジオキサングリコールまたはDOGと称する)を製造する方法に関する。
DOGは、例えば、下記式(II):

で表されるヒドロキシピバルアルデヒド(以下、HPAと称する)を下記式(III):

で表されるトリメチロールプロパン(以下、TMPと称する)により酸触媒下でアセタール化し、反応生成液中に析出したDOGの結晶をろ過、洗浄、乾燥する工程を経て得られることが開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1の製法で得られるDOG結晶は、10μm以下の非常に小さな粒径を有しているため、反応後の固液分離に時間がかかり固液分離効率が悪いだけでなく、固液分離後に得られるウェットケーキの含液率が高いために乾燥にも時間がかかり乾燥効率が悪いという問題がある。また粒径の小さいDOGは粉立ちし易いため、作業上取り扱い難い。更に、これまで得られていた粒径の細かいDOGは非常に静電気を帯びやすいため、粉塵爆発が起こる可能性が高いという問題もある。
しかしながら公知の製造法では、DOGの粒径増大に関する記述はなく、より大きな粒径を有するDOGを工業的に生産する方法の開発が望まれている。公知の方法によって得られたDOGを、更に再結晶などで精製し結晶粒径を大きくすることは可能ではあるが、必要な薬品、装置等が増えるだけでなく、DOG製造における工程数を大幅に増やすことになり、工業的に不利である。
またDOGには、以下のようにtrans体とcis体の2種類の異性体が存在する。

DOG、あるいはその誘導体を工業原料として使用する際には、目的化合物の物性が悪化するという理由からtrans体とcis体の混合物は好ましくなく、trans体含有量の高い(以下、高trans体純度または単に高純度と称する)DOGが好ましい。
特公昭62−59104号公報
しかしながら公知の製造法では、DOGの異性体純度に関する記述はない。そこで本発明者らが鋭意検討した結果、公知の製法で得られるDOGは、主にtrans体ではあるものの、trans体純度の低いものであることがわかった。特公昭62−59104号公報の実施例で得られる最も高い融点(121.5℃)を有するDOGをアセトン溶媒を使用して再結晶精製して得た、trans体純度が99%以上のDOG純品の融点は、125℃以上であった。
上述のように、公知の方法によって得られたDOGを、更に再結晶などで精製して高純度化することは可能ではあるが、必要な薬品、装置等が増えるだけでなく、DOG製造の工程数を大幅に増やすことになり、工業的に不利である。
本発明の目的は、上記のような従来技術における問題点を解決しようとするものであり、結晶粒径が適度に大きいために工業的に取り扱いやすく、また粉塵爆発の危険性が少なく、かつtrans体純度の高いDOG(高純度DOG)を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは上記のような結晶粒径が適度に大きい高純度DOGを、精製工程を設けることなく得るために鋭意研究を重ねた。その結果、HPAとTMPの反応後に酸触媒を中和し、反応生成液を加熱しDOGの結晶の全部または一部を溶解し、冷却し、DOGの結晶を分離することにより、結晶粒径の増大した高純度DOGが簡便に製造できることを見出した。更に、酸触媒、溶媒の存在下にHPA溶液及びTMP(固体もしくは溶液)の何れか一方を他方へ添加しながら反応させることにより、trans体純度の高いDOGを簡便に製造できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づく。
即ち、本発明は、(1)酸触媒の存在下、溶媒中で下記式(II):

で表されるヒドロキシピバルアルデヒドと下記式(III):

で表されるトリメチロールプロパンとを反応させて下記式(I):

で表されるジオキサングリコールを含む反応生成液を得る工程、
(2)次いで、反応生成液を中和する工程、(3)中和後の反応生成液を70℃以上に加熱し、ジオキサングリコールの結晶の全部または一部を反応生成液に再溶解する工程、および(4)前記加熱処理後の反応生成液を60℃以下に冷却し、ジオキサングリコールを再析出させる工程を含み、かつ、下記式:
X(重量%)=B/A×100
(式中、Aは工程(1)で得られた反応生成液の全重量であり、Bは供給したトリメチロールプロパンとヒドロキシピバルアルデヒドとから合成され得るジオキサングリコールの理論量である)
が3〜35重量%である式(I)のジオキサングリコールを製造する方法を提供する。
本発明により、作業上取り扱い易く、高いtrans体純度を有するDOGが得られる。このような高純度DOGは、高分子材料や種々の化学製品の原料として有用であり、本発明の工業的意義は大きい。
本発明において、高純度DOGは酸触媒の存在下にTMPとHPAとを反応させて製造される。市販のTMPをそのまま、あるいは、さらに蒸留、晶析などにより精製した後反応に使用することができる。TMPはそのまま、もしくは水、有機溶媒、有機溶媒と水の混合溶媒を用いてTMP溶液として反応に用いられる。好ましくは水溶液として用いられる。有機溶媒としては、アルコール類、エーテル類等が挙げられる。TMP溶液中のTMP濃度は、10〜99重量%が好ましい。
HPAは、イソブチルアルデヒドとホルムアルデヒド(ホルマリン)の反応で得られたHPA溶液をそのまま用いてもよいし、または、水などで晶析する等の公知の方法で得た精製HPAを用いてもよい。HPA中のホルムアルデヒド濃度は2.2重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは1重量%以下である。2.2重量%以下であると、cis体の生成が抑制され、充分な粒径増大効果が得られる。HPAは、水、有機溶媒、または有機溶媒と水の混合溶媒を用いてHPA溶液として反応に用いられる。好ましくは水溶液で用いられる。有機溶媒としては、アルコール類、エーテル類等が挙げられる。HPA溶液中のHPA濃度は、10〜99重量%が好ましい。
HPAとTMPの反応に用いられる反応溶媒は、有機溶媒または有機溶媒と水の混合溶媒、好ましくは水である。有機溶媒としてはアルコール類、エーテル類(メタノール、エタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)が挙げられる。
TMPに対するHPAのモル比(HPA/TMP)は好ましくは0.7〜2.5、より好ましくは0.9〜1.5、更に好ましくは1〜1.3である。HPA/TMPが2.5以下であると、過剰HPAの分解、HPAの2量化などの副反応が抑制され、HPA原単位(単位量のDOGを製造するためのHPA所要量)の増大およびDOG純度の低下が避けられる。DOGはTMPを多く含む溶液に溶解し易いので、TMPを多量に使用した場合、生成DOGの大半が母液に溶解し収率が非常に低くなることがある。HPA/TMPが0.7以上であるとこれを避けることができる。
反応に使用される酸触媒は、特に制限はないが、一般的には塩酸、硫酸、燐酸、硝酸などの鉱酸、又はベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸、特に塩酸が好ましく用いられる。酸触媒の使用量は、酸触媒の種類によって異なり、反応系のpH値を好ましくは0.1〜3、より好ましくは0.2〜2.5、更に好ましくは0.3〜2に維持できる量用いられる。上記範囲内であると、装置の腐食および反応性の低下が避けられ、DOGの収率やtrans体純度が低下することがない。
本発明の製造方法では、原料(HPA、TMP、酸触媒および溶媒)を反応容器に同時に仕込みアセタール化を行ってもよいが、HPA溶液をTMP(固体もしくは溶液)に、または、TMP(固体もしくは溶液)をHPA溶液に添加しながら反応させることが好ましい。例えば、
(1)予め反応温度(後述)と同程度の温度にした酸触媒を含むTMP溶液中に、HPA溶液を連続的(供給中断時間が5秒未満)または断続的(供給中断時間が5秒以上)に添加する方法、
(2)予め反応温度と同程度の温度にしたTMP溶液に、HPA溶液および酸触媒をそれぞれ連続的または断続的に同時滴下する方法、
(3)予め反応温度と同程度の温度にしたHPA溶液に、TMP(固体もしくは溶液)および酸触媒をそれぞれ連続的または断続的に同時滴下する方法、
(4)HPA溶液に、酸触媒を含むTMP(固体もしくは溶液)を連続的または断続的に添加する方法、
の何れかの方法で行うのが好ましい。
反応温度は40〜60℃が好ましく、より好ましくは50〜60℃である。反応温度の変動は±5℃以内に制御するのが好ましい。前記範囲内であると反応時間が長くなることがなく、また高trans体純度のDOGが得られる。反応圧力には特に制限はないが、工業的には常圧下で行うのが実際的である。ここでtrans体純度とは、DOG全量に対するtrans体の割合(重量%)である。
前記(1)〜(4)の方法において、添加または滴下は、好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは1〜12時間、さらに好ましくは1.5〜6時間かけて行う。前記範囲内であると、trans体純度が高いDOGを長い時間を費やすことなく高収率で製造することができる。添加または滴下速度は、選択したHPA/TMP(モル比)と添加または滴下時間から自動的に決定され、添加または滴下中一定であってもよいし、途中で変化させてもよい。
本発明では、下記式:
X(重量%)=B/A×100
(式中、Aは反応系に供給した酸触媒、HPA、TMPおよび溶媒(HPA溶液およびTMP溶液の溶媒、および反応溶媒を含む)の合計量、すなわち、HPAとTMPとの反応の終了時の反応生成液の全重量であり、Bは反応系に供給したHPAとTMPより生成し得るDOGの理論量である。)
が、好ましくは3〜35重量%、より好ましくは10〜30重量%、さらに好ましくは13〜25重量%の範囲となるように原料、酸触媒および溶媒を仕込み、供給する。Xは反応が理論的に進行した場合の反応生成液中のDOG濃度に相当する。本発明の製造方法では、生成したDOGが概ね結晶として析出するので、Xは反応終了時の反応生成液中のDOG結晶濃度に近い。Xが3重量%以上であると、反応1回当たりのDOG生産量が低くなることが避けられる。また、35重量%以下であると、反応生成液中の結晶濃度が適度であり、反応系を充分に撹拌することができ、DOGのtrans体純度を98%以上に高くすることができる。また、反応生成液の移送も容易であり、工業操作上好ましい。
滴下終了後、かつ、中和前に反応温度と同程度の温度で熟成することが好ましい。熟成時間は、好ましくは0.5〜12時間、より好ましくは1〜8時間、さらに好ましくは1.5〜6時間である。上記範囲内の時間熟成すると、長時間を費やすことなく反応が充分に進行してDOG収率が高くなる。
DOG合成反応が終了した後、反応生成液の中和を行う。中和に使用するアルカリには特に制限はないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩が好適に使用される。中和後の溶液のpHは好ましくは4〜11、より好ましくは5〜10、さらに好ましくは6〜9である。pHが4以上であると、次の加熱処理においてDOGの分解を避けることができ高収率及び高純度が得られ、また、DOG結晶の平均粒径が15〜200μさらに好ましくは20〜200μに増大する。pHが11以下であると副反応が抑制される。中和熱による発熱があるため、中和する際の温度は反応温度以下であることが好ましく、30〜50℃であることがより好ましい。
中和が完了したら、反応生成液を好ましくは70℃以上、より好ましくは80〜105℃、更に好ましくは90〜105℃まで加熱し、一度析出したDOGの結晶の全部または一部を溶解させる。昇温速度は0.1〜10℃/分であるのが好ましい。反応生成液中の非溶解DOG結晶濃度が15重量%以下になるまで加熱するのが好ましく、結晶の全部が溶解するまで加熱することがより好ましい。DOG結晶が15重量%以下になる前に加熱を止めると、結晶粒径増大効果が十分ではない。加熱に要する時間に特に制限はない。
DOG結晶の全部または一部の溶解を確認後、冷却しDOGを再析出させる。冷却の際には攪拌しながら冷却するのが好ましい。攪拌速度は、攪拌翼先端部の周速が0.5m/秒以上であることが好ましく、0.7m/秒以上であることがさらに好ましい。反応器容積100リットル以上の工業的規模で本発明を実施する際には、周速1m/秒以上で十分に攪拌することが更に好ましい。周速が0.5m/秒以上であると冷却により結晶化したDOGが過度に凝集することを避けることができ、固液分離操作が容易になる。また、含液率が少ない高純度DOGが得られる。攪拌翼先端部の周速の上限は、通常の工業操作において実施しうる周速、例えば、15m/秒であれば良く、特に過度の周速は必要としない。反応生成液は極端に粘度の高いものではないので、攪拌翼の形状及び枚数に特に制限はなく、攪拌翼の径も反応器内径の5%以上あれば良い。反応器の形状にも特に制限はないが、一般的に用いられている邪魔板等を設置して攪拌効率を上げることが好ましい。
DOGを再析出させるための冷却温度は、好ましくは60〜20℃、より好ましくは45〜25℃、更に好ましくは40〜30℃である。60℃以下であると結晶析出が完結しDOG収率が高くなる。20℃以上であると冷却に特殊な設備を必要とすることなく高純度DOGを得ることができる。冷却速度は0.1〜10℃/分であるのが好ましい。結晶析出が完結する限り、冷却時間に制限はない。
得られたDOG結晶を含有する反応生成液からろ過や遠心分離などによってDOG結晶を分離する。DOG結晶を母液から分離した後は、反応に用いた溶媒により結晶洗浄を行うことが一般的である。分離したDOG結晶を乾燥させて製品を得る。乾燥法は直接加熱法、間接加熱法、減圧乾燥法のいずれでもよい。
次に本発明を更に具体的に説明する。但し本発明はこれに限定されるものではない。
なお、各測定は以下の方法により行った。
(1)HPAのガスクロマトグラフィー(GC)分析
粗HPAのアセトン溶液をキャピラリーカラム(Agilent Technologies社DB−1相当品)を使用して分析した。
(2)DOGのtrans体純度
DOGのアセトン溶液をキャピラリーカラム(Agilent Technologies社DB−1相当品)を使用して分析した。trans体純度は、GCクロマトグラムのピーク面積から計算した。
(3)DOGの粒径
SYMPATEC社製 HELOS KFS型粒度分布計を使用して測定した。
実施例1
イソブチルアルデヒド(IBD)601重量部と37重量%ホルマリン657重量部の混合物に、40℃、窒素気流下で攪拌しながら、トリエチルアミン(TEA)33重量部を5分間かけて加えた。TEA添加終了時、反応液温度は65℃に達した。反応液温度を徐々に上げ、30分後に90℃にした。90℃で5分間反応を継続させた後、外部冷却によって60℃まで冷却し、反応を停止させた。続いて、60〜70℃、圧力53kPaで、未反応のIBD、TEA、メタノール等の低沸留分を留去したところ、1191重量部のHPA含有反応生成液(粗HPA)を得た。この粗HPAをGCにより分析した結果、HPA62.4重量%、IBD0.3重量%、TEA0.3重量%、ネオペンチルグリコール0.6重量%、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノエステル2.0重量%、および水28.5重量%であった。
上記粗HPA1191重量部と水3825重量部、TMP916部及び濃塩酸100重量部を混合し、60℃に加温して5時間反応を行った。反応終了後、40℃まで冷却し、25%苛性ソーダ水溶液で中和してpH7にした。中和終了後反応生成液を100℃に昇温したところ、DOG結晶は全て溶解した。パドル型攪拌翼先端部の周速を1.3m/秒まで上げて撹拌しながら反応液を1時間で50℃まで冷却したところ、DOG結晶が再析出した。反応生成液を遠心分離し、1520重量部の水で洗浄後更に十分脱水することにより、1406重量部の湿DOG結晶を得た。該湿DOG結晶を減圧乾燥することにより、乾燥DOG1237重量部を得た。前記Xは25重量%であり、仕込んだTMPに対するDOGの収率は83モル%であった。また乾燥前の湿DOG結晶の含水率は12%(ウェットベース)であり、得られたDOGの平均粒径は25μmであった。また得られたDOGの融点は124.5℃であり、GC分析の結果、この結晶のtrans体純度は98.5%であった。
比較例1
25%苛性ソーダ水溶液でpH7となるまで中和した後、温度を上げずに直接遠心分離した以外は実施例1と同様の方法を行ったところ、1903重量部の湿DOG結晶を得た。該湿DOG結晶を減圧乾燥することにより、乾燥DOG1236重量部を得た。前記Xは25重量%であり、仕込んだTMPに対するDOGの収率は83モル%であった。また湿DOG結晶の含水率は35%(ウェットベース)であり、得られたDOGの平均粒径は7μmであった。また得られたDOGの融点は121.5℃であり、GC分析の結果、trans体純度は90%であった。
比較例2
水3825重量部の代わりに水961重量部を使用した以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、1882重量部の湿DOG結晶を得た。該湿DOG結晶を減圧乾燥することにより、乾燥DOG1280重量部を得た。前記Xは47重量%であり、仕込んだTMPに対するDOGの収率は85モル%であった。また湿DOG結晶の含水率は32%(ウェットベース)であり、得られたDOGの平均粒径は8μmであった。得られたDOGの融点は122.0℃であり、GC分析の結果、この結晶のtrans体純度は92%であった。
実施例2
反応容器に水3825重量部、TMP916部及び濃塩酸100重量部を仕込み、60℃に加温した。この反応容器に、実施例1と同様の方法で得た粗HPA1191重量部を3時間かけて添加した。滴下終了後60℃に維持しながら2時間熟成して反応を完結させた後、実施例1と同様に中和、加熱、撹拌下の冷却、分離を行い、1406重量部の湿DOG結晶を得た。該湿DOG結晶を減圧乾燥することにより、乾燥DOG1267重量部を得た。前記Xは25重量%であり、仕込んだTMPに対するDOGの収率は85モル%であった。また湿DOG結晶の含水率は10%(ウェットベース)であり、得られたDOGの平均粒径は30μmであった。また得られたDOGの融点は125.3℃であり、GC分析の結果、trans体純度は99.4%であった。
実施例3
反応容器にTMP916重量部と水3825重量部を仕込み、60℃に加温した。この反応容器に、実施例1と同様の方法で得た粗HPA1191重量部と濃塩酸100重量部を各々3時間かけて添加した。滴下終了後60℃に維持しながら2時間熟成した後、実施例1と同様に中和、加熱、撹拌下の冷却、分離を行い、1442重量部の湿DOG結晶を得た。該湿DOG結晶を減圧乾燥することにより、1240重量部の乾燥DOGを得た。前記Xは25重量%であり、仕込んだTMPに対するDOGの収率は84モル%であった。湿DOG結晶の含水率は14%(ウェットベース)であり、得られたDOGの平均粒径は23μmであった。得られたDOGの融点は125.3℃であり、GC分析の結果、この結晶のtrans体純度は99.4%であった。
実施例4
反応容器に実施例1と同様の方法で得た粗HPA1191重量部と水3325重量部を仕込み、60℃に加温した。この反応容器に、TMP916重量部と水500重量部を含む水溶液と濃塩酸100重量部を各々3時間かけて添加した。滴下終了後60℃に維持しながら2時間熟成した後、実施例1と同様に中和、加熱、撹拌下の冷却、分離を行い、1443重量部の湿DOG結晶を得た。該湿DOG結晶を減圧乾燥することにより、1255重量部の乾燥DOGを得た。前記Xは25重量%であり、仕込んだTMPに対するDOGの収率は85モル%であった。湿DOG結晶の含水率は13%(ウェットベース)であり、得られたDOGの平均粒径は24μmであった。得られたDOGの融点は125.2℃であり、GC分析の結果、この結晶のtrans体純度は99.3%であった。
実施例5
反応容器に実施例1と同様の方法で得た粗HPA1191重量部と水3325重量部を仕込み、60℃に加温した。この反応容器に、TMP916重量部と水500重量部、及び濃塩酸100重量部を3時間かけて添加した。滴下終了後60℃に維持しながら2時間熟成した後、実施例1と同様に中和、加熱、撹拌下の冷却、分離を行い、1448重量部の湿DOG結晶を得た。該湿DOG結晶を減圧乾燥することにより、1260重量部の乾燥DOGを得た。前記Xは25重量%であり、仕込んだTMPに対するDOGの収率は85モル%であった。湿DOG結晶の含水率は13%(ウェットベース)であり、得られたDOGの平均粒径は24μmであった。得られたDOGの融点は125.4℃であり、GC分析の結果、この結晶のtrans体純度は99.5%であった。
本発明の製造方法により得られる高純度DOGは、環式アセタール構造を有する多価アルコールであり、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルポリオール、エポキシ樹脂等の高分子材料の中間体あるいはモノマーとして、更には光硬化型樹脂、接着剤、光硬化型インキ、可塑剤、樹脂安定剤、潤滑油、塗料等の原料として有用な化合物である。

Claims (11)

  1. (1)酸触媒の存在下、溶媒中で下記式(II):
    で表されるヒドロキシピバルアルデヒドと下記式(III):
    で表されるトリメチロールプロパンとを反応させて下記式(I):
    で表されるジオキサングリコールを含む反応生成液を得る工程、
    (2)次いで、反応生成液を中和する工程、
    (3)中和後の反応生成液を70℃以上に加熱し、ジオキサングリコールの結晶の全部または一部を反応生成液に再溶解する工程、および
    (4)前記加熱処理後の反応生成液を60〜30℃に冷却し、ジオキサングリコールを再析出させる工程を含み、
    かつ、下記式:
    X(重量%)=B/A×100
    (式中、Aは工程(1)で得られた反応生成液の全重量であり、Bは供給したトリメチロールプロパンとヒドロキシピバルアルデヒドとから合成され得るジオキサングリコールの理論量である)
    13〜30重量%である式(I)のジオキサングリコールを製造する方法。
  2. 工程(3)において、反応生成液を80〜105℃に加熱する請求項1記載の製造方法。
  3. 工程(3)において、ジオキサングリコールの結晶の全部を溶解させる請求項1に記載の製造方法。
  4. 工程(4)において、攪拌翼先端部の周速が0.5m/秒以上である撹拌速度で上記反応生成液を撹拌しながら冷却する請求項1に記載の製造方法。
  5. 工程(1)の反応をヒドロキシピバルアルデヒド溶液、および、トリメチロールプロパンの固体もしくは溶液の一方を他方へ0.5時間以上かけて添加しながら行う請求項1に記載の製造方法。
  6. ヒドロキシピバルアルデヒド溶液を酸触媒を含むトリメチロールプロパン溶液に添加する請求項5記載の製造方法。
  7. ヒドロキシピバルアルデヒド溶液および酸触媒のそれぞれをトリメチロールプロパン溶液に同時に添加する請求項5記載の製造方法。
  8. トリメチロールプロパンの固体もしくは溶液および酸触媒のそれぞれをヒドロキシピバルアルデヒド溶液に同時に添加する請求項5記載の製造方法。
  9. トリメチロールプロパンの固体もしくは溶液と酸触媒との混合物をヒドロキシピバルアルデヒド溶液に添加する請求項5記載の製造方法。
  10. 前記添加を0.5〜24時間で行う請求項5記載の製造方法。
  11. 工程(1)の反応を40〜60℃で行う請求項1記載の製造方法。
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