JP2007126447A - ジオキサングリコールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】即ち、本発明は、(1)酸触媒の存在下、溶媒中でヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンとを反応させて2-(5-エチル-5-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキサン-2-イル)-2-メチルプロパン-1-オール(ジオキサングリコール)を含む反応生成液を得る工程、(2)次いで、反応生成液を中和する工程、(3)中和後の反応生成液を70℃以上に加熱し、ジオキサングリコールの結晶の全部または一部を反応生成液に再溶解する工程、および(4)前記加熱処理後の反応生成液を60℃以下に冷却し、ジオキサングリコールを再析出させる工程を含み、かつ、特定の式を満たすジオキサングリコールを製造する方法。
【選択図】 なし
Description
で表されるヒドロキシピバルアルデヒド(以下、HPAと称する)を下記式(III):
で表されるトリメチロールプロパン(以下、TMPと称する)により酸触媒下でアセタール化し、反応生成液中に析出したDOGの結晶をろ過、洗浄、乾燥する工程を経て得られることが開示されている(特許文献1参照)。
で表されるヒドロキシピバルアルデヒドと下記式(III):
で表されるトリメチロールプロパンとを反応させて下記式(I):
で表されるジオキサングリコールを含む反応生成液を得る工程、
(2)次いで、反応生成液を中和する工程、(3)中和後の反応生成液を70℃以上に加熱し、ジオキサングリコールの結晶の全部または一部を反応生成液に再溶解する工程、および(4)前記加熱処理後の反応生成液を60℃以下に冷却し、ジオキサングリコールを再析出させる工程を含み、かつ、下記式:
X(重量%)=B/A×100
(式中、Aは工程(1)で得られた反応生成液の全重量であり、Bは供給したトリメチロールプロパンとヒドロキシピバルアルデヒドとから合成され得るジオキサングリコールの理論量である)
が3〜35重量%である式(I)のジオキサングリコールを製造する方法を提供する。
(1)予め反応温度(後述)と同程度の温度にした酸触媒を含むTMP溶液中に、HPA溶液を連続的(供給中断時間が5秒未満)または断続的(供給中断時間が5秒以上)に添加する方法、
(2)予め反応温度と同程度の温度にしたTMP溶液に、HPA溶液および酸触媒をそれぞれ連続的または断続的に同時滴下する方法、
(3)予め反応温度と同程度の温度にしたHPA溶液に、TMP(固体もしくは溶液)および酸触媒をそれぞれ連続的または断続的に同時滴下する方法、
(4)HPA溶液に、酸触媒を含むTMP(固体もしくは溶液)を連続的または断続的に添加する方法、
の何れかの方法で行うのが好ましい。
X(重量%)=B/A×100
(式中、Aは反応系に供給した酸触媒、HPA、TMPおよび溶媒(HPA溶液およびTMP溶液の溶媒、および反応溶媒を含む)の合計量、すなわち、HPAとTMPとの反応の終了時の反応生成液の全重量であり、Bは反応系に供給したHPAとTMPより生成し得るDOGの理論量である。)
が、好ましくは3〜35重量%、より好ましくは10〜30重量%、さらに好ましくは13〜25重量%の範囲となるように原料、酸触媒および溶媒を仕込み、供給する。Xは反応が理論的に進行した場合の反応生成液中のDOG濃度に相当する。本発明の製造方法では、生成したDOGが概ね結晶として析出するので、Xは反応終了時の反応生成液中のDOG結晶濃度に近い。Xが3重量%以上であると、反応1回当たりのDOG生産量が低くなることが避けられる。また、35重量%以下であると、反応生成液中の結晶濃度が適度であり、反応系を充分に撹拌することができ、DOGのtrans体純度を98%以上に高くすることができる。また、反応生成液の移送も容易であり、工業操作上好ましい。
なお、各測定は以下の方法により行った。
(1)HPAのガスクロマトグラフィー(GC)分析
粗HPAのアセトン溶液をキャピラリーカラム(Agilent Technologies社DB−1相当品)を使用して分析した。
(2)DOGのtrans体純度
DOGのアセトン溶液をキャピラリーカラム(Agilent Technologies社DB−1相当品)を使用して分析した。trans体純度は、GCクロマトグラムのピーク面積から計算した。
(3)DOGの粒径
SYMPATEC社製 HELOS KFS型粒度分布計を使用して測定した。
イソブチルアルデヒド(IBD)601重量部と37重量%ホルマリン657重量部の混合物に、40℃、窒素気流下で攪拌しながら、トリエチルアミン(TEA)33重量部を5分間かけて加えた。TEA添加終了時、反応液温度は65℃に達した。反応液温度を徐々に上げ、30分後に90℃にした。90℃で5分間反応を継続させた後、外部冷却によって60℃まで冷却し、反応を停止させた。続いて、60〜70℃、圧力53kPaで、未反応のIBD、TEA、メタノール等の低沸留分を留去したところ、1191重量部のHPA含有反応生成液(粗HPA)を得た。この粗HPAをGCにより分析した結果、HPA62.4重量%、IBD0.3重量%、TEA0.3重量%、ネオペンチルグリコール0.6重量%、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノエステル2.0重量%、および水28.5重量%であった。
25%苛性ソーダ水溶液でpH7となるまで中和した後、温度を上げずに直接遠心分離した以外は実施例1と同様の方法を行ったところ、1903重量部の湿DOG結晶を得た。該湿DOG結晶を減圧乾燥することにより、乾燥DOG1236重量部を得た。前記Xは21重量%であり、仕込んだTMPに対するDOGの収率は83モル%であった。また湿DOG結晶の含水率は35%(ウェットベース)であり、得られたDOGの平均粒径は7μmであった。また得られたDOGの融点は121.5℃であり、GC分析の結果、trans体純度は90%であった。
水3825重量部の代わりに水961重量部を使用した以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、1882重量部の湿DOG結晶を得た。該湿DOG結晶を減圧乾燥することにより、乾燥DOG1280重量部を得た。前記Xは40重量%であり、仕込んだTMPに対するDOGの収率は85モル%であった。また湿DOG結晶の含水率は32%(ウェットベース)であり、得られたDOGの平均粒径は8μmであった。得られたDOGの融点は122.0℃であり、GC分析の結果、この結晶のtrans体純度は92%であった。
反応容器に水3825重量部、TMP916部及び濃塩酸100重量部を仕込み、60℃に加温した。この反応容器に、実施例1と同様の方法で得た粗HPA1191重量部を3時間かけて添加した。滴下終了後60℃に維持しながら2時間熟成して反応を完結させた後、実施例1と同様に中和、加熱、撹拌下の冷却、分離を行い、1406重量部の湿DOG結晶を得た。該湿DOG結晶を減圧乾燥することにより、乾燥DOG1267重量部を得た。前記Xは21重量%であり、仕込んだTMPに対するDOGの収率は85モル%であった。また湿DOG結晶の含水率は10%(ウェットベース)であり、得られたDOGの平均粒径は30μmであった。また得られたDOGの融点は125.3℃であり、GC分析の結果、trans体純度は99.4%であった。
反応容器にTMP916重量部と水3825重量部を仕込み、60℃に加温した。この反応容器に、実施例1と同様の方法で得た粗HPA1191重量部と濃塩酸100重量部を各々3時間かけて添加した。滴下終了後60℃に維持しながら2時間熟成した後、実施例1と同様に中和、加熱、撹拌下の冷却、分離を行い、1442重量部の湿DOG結晶を得た。該湿DOG結晶を減圧乾燥することにより、1240重量部の乾燥DOGを得た。前記Xは20重量%であり、仕込んだTMPに対するDOGの収率は84モル%であった。湿DOG結晶の含水率は14%(ウェットベース)であり、得られたDOGの平均粒径は23μmであった。得られたDOGの融点は125.3℃であり、GC分析の結果、この結晶のtrans体純度は99.4%であった。
反応容器に実施例1と同様の方法で得た粗HPA1191重量部と水3325重量部を仕込み、60℃に加温した。この反応容器に、TMP916重量部と水500重量部を含む水溶液と濃塩酸100重量部を各々3時間かけて添加した。滴下終了後60℃に維持しながら2時間熟成した後、実施例1と同様に中和、加熱、撹拌下の冷却、分離を行い、1443重量部の湿DOG結晶を得た。該湿DOG結晶を減圧乾燥することにより、1255重量部の乾燥DOGを得た。前記Xは21重量%であり、仕込んだTMPに対するDOGの収率は85モル%であった。湿DOG結晶の含水率は13%(ウェットベース)であり、得られたDOGの平均粒径は24μmであった。得られたDOGの融点は125.2℃であり、GC分析の結果、この結晶のtrans体純度は99.3%であった。
反応容器に実施例1と同様の方法で得た粗HPA1191重量部と水3325重量部を仕込み、60℃に加温した。この反応容器に、TMP916重量部と水500重量部、及び濃塩酸100重量部を3時間かけて添加した。滴下終了後60℃に維持しながら2時間熟成した後、実施例1と同様に中和、加熱、撹拌下の冷却、分離を行い、1448重量部の湿DOG結晶を得た。該湿DOG結晶を減圧乾燥することにより、1260重量部の乾燥DOGを得た。前記Xは21重量%であり、仕込んだTMPに対するDOGの収率は85モル%であった。湿DOG結晶の含水率は13%(ウェットベース)であり、得られたDOGの平均粒径は24μmであった。得られたDOGの融点は125.4℃であり、GC分析の結果、この結晶のtrans体純度は99.5%であった。
Claims (11)
- (1)酸触媒の存在下、溶媒中で下記式(II):
で表されるヒドロキシピバルアルデヒドと下記式(III):
で表されるトリメチロールプロパンとを反応させて下記式(I):
で表されるジオキサングリコールを含む反応生成液を得る工程、
(2)次いで、反応生成液を中和する工程、
(3)中和後の反応生成液を70℃以上に加熱し、ジオキサングリコールの結晶の全部または一部を反応生成液に再溶解する工程、および
(4)前記加熱処理後の反応生成液を60℃以下に冷却し、ジオキサングリコールを再析出させる工程を含み、かつ、下記式:
X(重量%)=B/A×100
(式中、Aは工程(1)で得られた反応生成液の全重量であり、Bは供給したトリメチロールプロパンとヒドロキシピバルアルデヒドとから合成され得るジオキサングリコールの理論量である)
が3〜35重量%である式(I)のジオキサングリコールを製造する方法。 - 工程(3)において、反応生成液を80〜105℃に加熱する請求項1記載の製造方法。
- 工程(3)において、ジオキサングリコールの結晶の全部を溶解させる請求項1に記載の製造方法。
- 工程(4)において、攪拌翼先端部の周速が0.5m/秒以上である撹拌速度で上記反応生成液を撹拌しながら冷却する請求項1に記載の製造方法。
- 工程(1)の反応をヒドロキシピバルアルデヒド溶液、および、トリメチロールプロパンの固体もしくは溶液の一方を他方へ0.5時間以上かけて添加しながら行う請求項1に記載の製造方法。
- ヒドロキシピバルアルデヒド溶液を酸触媒を含むトリメチロールプロパン溶液に添加する請求項5記載の製造方法。
- ヒドロキシピバルアルデヒド溶液および酸触媒のそれぞれをトリメチロールプロパン溶液に同時に添加する請求項5記載の製造方法。
- トリメチロールプロパンの固体もしくは溶液および酸触媒のそれぞれをヒドロキシピバルアルデヒド溶液に同時に添加する請求項5記載の製造方法。
- トリメチロールプロパンの固体もしくは溶液と酸触媒との混合物をヒドロキシピバルアルデヒド溶液に添加する請求項5記載の製造方法。
- 前記添加を0.5〜24時間で行う請求項5記載の製造方法。
- 工程(1)の反応を40〜60℃で行う請求項1記載の製造方法。
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