JP5151071B2 - ジオキサングリコールの製造方法 - Google Patents

ジオキサングリコールの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5151071B2
JP5151071B2 JP2006149762A JP2006149762A JP5151071B2 JP 5151071 B2 JP5151071 B2 JP 5151071B2 JP 2006149762 A JP2006149762 A JP 2006149762A JP 2006149762 A JP2006149762 A JP 2006149762A JP 5151071 B2 JP5151071 B2 JP 5151071B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
dog
weight
water
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006149762A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007320857A (ja
Inventor
将史 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP2006149762A priority Critical patent/JP5151071B2/ja
Publication of JP2007320857A publication Critical patent/JP2007320857A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5151071B2 publication Critical patent/JP5151071B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

本発明は、2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン(以下、ジオキサングリコール、DOGと称する)を製造する方法に関する。
2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサンは下記の化学構造を有している。
Figure 0005151071
DOGはヒドロキシピバルアルデヒド(以下、HPAと称する)とトリメチロールプロパン(以下、TMPと称する)とを酸触媒下、アセタール化反応させて合成され、反応中に析出したDOGの結晶をろ過、洗浄、乾燥の工程を経ることにより得られることが開示されている(特許文献1参照)。
通常アセタール化反応は酸性条件下では平衡反応であるため、生成したDOGの分解反応も起こる。そのためDOGの溶解度の低い溶媒、例えば水を用い、生成後速やかに結晶を析出させて平衡をずらすことを行っている。しかし、溶解度が低い溶媒を用いても原料、例えばTMPを溶解した場合にはDOGがある程度は溶解するため、分解反応を回避することは困難である。母液への溶解量を減らす為にDOG合成反応の温度を低くしたり、溶媒を多量に使用することが考えられるが、温度を低くすると反応が遅くなったり、多量の溶媒を用いるとその後の廃棄物処理に膨大な費用がかかるなど工業的見地から好ましくない。)
特許文献1に代表される一般的な方法でDOGを製造する場合、DOGを回収した後の濾液や洗浄液などの廃水は、得られるDOGに対して10倍近い重量となる。また結晶取得後の反応母液に原料や反応中間体が残存しているため、収率が70〜85モル%と低く、廃水・廃棄物処理、エネルギーなどの観点から環境負荷が大きい。
特公昭62−59104号公報
特許文献1に記されている公知の方法では、得られるDOGの粒径が小さすぎて工業的な取り扱いが困難である。
更にDOGは以下のようなtrans体とcis体という2種類の異性体が存在するが、DOGそのもの、あるいはその誘導体を工業原料として使用する際には、一般的にtrans体純度の高い(以下、高純度と称する)ものが好ましい。しかしながら、公知の方法で得られるDOGの主成分はtrans体ではあるが、cis体も多く含んでいる。
Figure 0005151071
しかしながら以前に開示されている製造法では、DOGのtrans体純度に関する記述はない。そこで本発明者らが鋭意検討した結果、以前に開示されている製法で得られるDOGは、主にtrans体ではあるものの、trans体純度が不十分であることが明らかとなった。例えば特許文献1の実施例で得られているDOGの中で、最も融点の高いものは121.5℃であるが、特許文献1の方法で得られたDOGを更にアセトンを溶媒に使用して再結晶精製を行い、trans体純度を99%以上としたDOG純品の融点は、125℃以上であった。
上述のように特許文献1などの開示されている方法によって得られたDOGを更に再結晶などで精製して高純度化は可能ではあるが、DOG製造における工程を大幅に増やすことになり、工業的に不利である。
本発明の目的は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであり、粒径を改善し、高純度のDOGを工業的に有利な方法で製造する方法を提供することにある。さらに、廃水低減を目的とするものである。
本発明者らは上記のような粒径改善、廃水低減、収率改善及び高純度のすべてを満たしたDOGを得るために鋭意研究を重ねた結果、反応温度、反応液のpH、反応系中の原料の使用量、種晶量を制御することにより、粒径の改善されたDOGが得られる事を見出した。更に、DOG合成反応時にDOG合成ろ過母液を再使用し、その量を制御する事により廃水量及び収率までもが改善され、なおかつ高純度のDOGを製造できることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は
(1)酸触媒および種晶の存在下に水中でトリメチロールプロパンとヒドロキシピバルアルデヒドとを反応させて2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサンを製造する方法であって、下記(A)〜(E)を満足することを特徴とする製造方法、
(A)反応温度が65〜80℃である
(B)反応中の反応混合液のpH値が0.1〜4.0の範囲である
(C)トリメチロールプロパンとヒドロキシピバルアルデヒドとから合成されうる2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサンの最大量(理論量)と種晶の合計量が、酸触媒、ヒドロキシピバルアルデヒド、トリメチロールプロパン、種晶および水の全合計量に対して、3〜35重量%の範囲であるように原料を用いる
(D)反応開始時および/または反応中に種晶を、酸触媒、ヒドロキシピバルアルデヒド、トリメチロールプロパンおよび水の全合計量に対して0.1〜30重量%の範囲で添加する
(E)原料であるヒドロキシピバルアルデヒドおよび/またはトリメチロールプロパンを反応液中に0.5〜24時間かけて添加する
(2)反応終了後、反応液から2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン結晶を分離して得られた反応母液のうちの98重量%以下を反応に再使用する事を特徴とする(1)記載の製造方法、
(3)種晶の代わりに、添加する種晶量に相当する結晶量を含む反応終了後のスラリーを、反応に再使用する事を特徴とする(1)〜(2)記載の製造方法、
(4)種晶が2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサンである事を特徴とする(1)〜(3)記載の製造方法、
(5)原料ヒドロキシピバルアルデヒド中のアミンおよび/またはアミン塩の合計含有量が1.5重量%以下である事を特徴とする(1)〜(4)記載の製造方法、
(6)アミンおよび/またはアミン塩が、トリエチルアミンおよび/またはトリエチルアミンギ酸塩である(5)記載の製造方法
に関するものである。
本発明により高機能性ポリマー原料として用いられるに十分な純度のDOGが得られ、高分子材料や種々の化学製品の原料として有用に用いることができる。更に粒径改善により操作が容易になり、廃水量低減によって環境負荷が大幅に低減することから、本発明の工業的意義は大きい。
本発明にてDOGは酸触媒および種晶の存在下に水溶媒中でTMPとHPAとを反応させて製造される。反応に使用されるTMPは市販のものをそのまま用いるか、市販のものをさらに蒸留や晶析を行って精製しても良い。
HPAに関しては合成で得られたものをそのまま、または水などで晶析して精製しても良い。HPAを合成するには、イソブチルアルデヒドとホルムアルデヒドをアミン触媒で反応させるため、合成で得られたHPA中にアミンおよび/またはアミン塩が含まれる。ここで、HPAに含まれるアミンおよび/またはアミン塩の合計量が1.5重量%以下である事が好ましい。さらに好ましくは0.5重量%以下であり、特に0.1重量%以下が好ましい。これよりも多いとDOG合成反応時に必要となる酸触媒の使用量が増加するだけでなく、塩析効果などによってDOGのtrans体純度が低下し、粒径が小さくなる。特に、DOG結晶を分離して得られた反応母液の再使用を行う場合この悪化が顕著に現れる。アミン触媒としてトリエチルアミンが好ましく用いられ、その際HPA中には、トリエチルアミンおよび/またはトリエチルアミンギ酸塩が含まれる。
同様にHPAに含まれるホルムアルデヒド量も2.2重量%以下であることが好ましい。更に好ましくは0.1重量%以下である。ホルムアルデヒドはTMPと反応するため、副生成物が増加する。
TMPに対するHPAのモル比(HPA/TMP)は0.3〜2.5が好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.5である。これよりも大きい場合、反応に関わらないHPAが反応液中に増加するため、HPAの分解や、HPA同士が2量化するなどの副反応が進行しやすくなり、原単位の悪化だけでなく、DOG製品純度も悪化する。一方、これよりも小さい場合はTMPを多く含む溶液にDOGは良く溶解するため、生成したDOGの大半が母液に溶解してしまい、収率が非常に低くなる。
反応に使用される酸触媒は、特に制限はないが、一般に塩酸、硫酸、燐酸、硝酸などの鉱酸;又はベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸が用いられる。中でも有機酸が好ましく、さらにトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸が好ましい。このとき、必要な酸触媒の量はその酸触媒の種類によって異なり、反応中の反応混合液のpH値が0.1〜4.0、好ましくは1.0〜2.0の間となるようにする。pH値が0.1より小さい場合、DOGの収率に影響は無いが、装置腐食などの危険性が増加する。また、pH値が4.0より大きいと反応性が非常に低くなり、DOGの収率が低下する。
本発明では、TMPとHPAとから合成されうるDOGの最大量(理論量)と添加する種晶の合計量が、酸触媒、HPA、TMP、種晶および水の全合計量に対して、3〜35重量%、好ましくは、10〜20重量%の範囲であるように原料を用いる(この割合(重量%)をXとする)。Xは100%反応時の反応生成液中のDOG濃度に相当するものであり、概ね、反応終了時の反応生成液の結晶濃度と同レベルである。Xが3重量%未満の希薄な系では、反応1回当たりのDOG生産量が低くなり、工業的に不利となる。また35重量%を超えた場合、反応生成液の結晶濃度が高くなり、十分に攪拌することが出来ず、DOGのtrans体純度や粒径が大幅に悪化する。
反応に使用される種晶は主としてDOGからなる結晶であり、DOGそのものが好ましい。種晶のDOGは固液分離、洗浄、乾燥などを行ったものを用いる以外にDOG合成反応終了時の反応生成液(スラリー)の一部を回収し、これを用いても良い。
使用する種晶の量は、酸触媒、HPA、TMP、種晶および水の全合計量に対して、0.1〜30重量%、好ましくは、2〜5重量%の範囲となるように仕込む。これよりも少ないと添加した種晶が全て溶解し種晶添加による粒径増大、純度向上の効果が得られない。一方これよりも多い場合は反応1回当たりのDOG生産量が低くなり、工業的に不利となる。
反応温度は65〜80℃が好ましく、より好ましくは68〜75℃である。反応温度が65℃未満であると、反応時間が長くなり工業的に不利となるだけでなく、結晶性状が悪化し湿潤結晶の含水率が上昇する。また反応温度が80℃を超えるとDOGはオイル状となり単離が困難となるだけでなく、DOGの変質もおこり、収率、trans体純度が低下する。
反応の方法としては、原料であるHPAおよび/またはTMPを反応液中に0.5〜24時間かけて添加することが好ましい。反応器にTMP、種晶、水および酸触媒をすべて仕込み、所定の温度まで加熱した後にHPAまたはその水溶液を連続的に加える方法;反応器にHPAまたはその水溶液、種晶、水および酸触媒をすべて仕込み、所定の温度まで加熱した後にTMPまたはその水溶液を連続的に加える方法;反応器にHPAまたはその水溶液の一部およびTMPまたはその水溶液の一部、種晶、水および酸触媒を仕込み、所定の温度まで加熱した後に残りのHPAまたはその水溶液およびTMPまたはその水溶液を連続的に加える方法が挙げられる。中でも、反応器にTMP、種晶、水および酸触媒をすべて仕込み、所定の温度まで加熱した後にHPAまたはその水溶液を0.5〜24時間かけて添加することが好ましく、さらに好ましくは1〜12時間かけて連続的に加える。これよりも早く加えると反応が急激に進むために結晶粒径が小さくなり、trans体純度も低くなるなど好ましくない。また、これよりも遅いと反応にかかる時間が長すぎるため工業的見地から好ましくない。
上記反応で得られた反応生成液は、目的物であるDOGが析出しており、ここからろ過や遠心分離などによってDOG結晶を分離する。本発明により得られたDOG結晶は工業的に十分取り扱い可能な性状を有しており、湿潤結晶の含水率も30重量%未満と良好である。
ここで反応生成液からDOG結晶を分離して得られた反応母液中には、酸触媒、DOG、未反応のHPAやTMPが多く含まれている。本発明では、反応母液の98重量%以下、好ましくは70〜90重量%を次回の反応で再使用することができる。再使用率が98重量%よりも高い場合、不純物が母液中に蓄積され、これが一定値を超えるとDOG中へ析出し、trans体純度が低下する。
次に本発明を更に具体的に説明する。但し本発明はこれに限定されるものではない。
なお、HPA合成反応液及び製品DOGのガスクロマトグラフィー(以下GC)分析条件を以下に示す。
<HPA合成反応液のGC分析条件>
キャピラリーカラム(Agilent Technologies社DB−1相当品)を使用して、アセトン溶液に調製して分析を行った。
<製品DOGのtrans体純度のGC条件>
キャピラリーカラム(Agilent Technologies社DB−1相当品)を使用して、アセトン溶液に調製して分析を行った。
<平均粒径>
レーザー回析式粒度分布計を使用して、分散圧20kPaでの乾式方法で分析を行った。平均粒径はフラウンホーファー回折により計算した。
<HPAの含水率>
水で洗浄した後のHPAの含水結晶を20℃、窒素気流下にて20時間乾燥させた際の重量減少を測定し、更に乾燥後の結晶をカールフィッシャー水分測定法(脱水ピリジン溶媒使用)にて残存水分を測定し、含水結晶重量を基準とし、重量減少分及び残存水分の合計量から含水率を求めた。
<DOGの含水率>
水で洗浄した後のDOGの含水結晶を窒素雰囲気下、85℃で20時間乾燥させた際の重量減少を測定し、更に乾燥後の結晶をカールフィッシャー水分測定法(脱水メタノール溶媒使用)にて残存水分を測定し、含水結晶重量を基準とし、重量減少分及び残存水分の合計量から含水率を求めた。
<参考例1>
<HPAの合成>
イソブチルアルデヒド(以下、IBDと称する)(Aldrich社製)595部と37重量%ホルマリン(三菱ガス化学株式会社製)657部を、40℃、窒素気流下で攪拌しながら、トリエチルアミン(以下、TEAと称する)33部を5分間かけて加えた。TEA添加終了時、反応液温度は65℃に達した。ここから、反応液温度を徐々に上げ、30分後には90℃に達した。90℃で5分間反応を継続させた後、外部冷却によって、60℃まで冷却し、反応を停止させた。
続いて、60〜70℃、圧力53kPaで、未反応のIBD、TEA、メタノール等の低沸留分を留去した。この低沸留分留去後のHPA合成反応液(以下、粗HPAと称する)を、GCを用いて組成分析した結果、HPA62.4重量%、IBD0.26重量%、ホルムアルデヒド2.4重量%、TEA0.31重量%、ネオペンチルグリコール0.64重量%、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノエステル2.0重量%、および水28.5重量%であった。
<HPA精製>
参考例1で得られた粗HPA835部に対し水2505部を加え55℃で完全に混合させた。攪拌しながら55℃から32℃まで5時間かけて徐々に冷却し、その後32℃で1時間保った。得られた結晶を上排型遠心分離機にて固液分離後、水にて洗浄した。純度96.5重量%のHPAを回収率60%で得た。含水率は12重量%で、残存TEAは0.01重量%、残存ホルムアルデヒドは0.01重量%であった。
<精製HPA使用DOG合成反応>
水1920部にTMP(三菱ガス化学株式会社製)251部を溶解し、パラトルエンスルホン酸(以下PTSAと称する)33部を添加した。ここに参考例1で得た精製HPAの70℃、60%水溶液318部を6時間かけて滴下した。前記Xは15重量%、反応温度は70℃であった。滴下終了後70℃のまま1時間熟成した。反応中の反応混合液のpHは1.3であった。熟成終了後、反応生成液をろ過により固液分離し、湿DOG 446部と2076部の反応母液を得た。その後1000部の水にて洗浄し、DOGを乾燥させ、DOG結晶339部を得た。仕込んだTMPに対するDOGの収率は83モル%であり、GCを用いて分析した結果、この結晶のtrans体純度は98.7重量%であった。また、平均粒径は17μmであった。また、廃水量は再使用する反応母液を含め3183部であった(反応母液、回収洗浄液、乾燥回収水を含む)。ろ過直後のDOG結晶の含水率は24重量%であった。
<実施例1>
<種晶使用DOG合成反応>
水1817部とTMP(三菱ガス化学株式会社製)236部を混ぜ、加熱溶解し、種晶として参考例1で得られたDOGを25部、PTSA33部、精製HPA水溶液を299部使用した以外は前記の精製HPA使用DOG合成反応と同様にして反応を行った。乾燥DOGの収率は82モル%であり、trans体純度は99.6重量%であった(収量315部、種結晶除く)。また、平均粒径は25μmであった。ろ過直後のDOG結晶の含水率は24重量%であった。
<実施例2>
<リサイクル反応1回目>
実施例1で得られた反応母液の90重量%である1863部とTMP(三菱ガス化学株式会社製)177部、水87部を混ぜ、加熱溶解し、種晶のDOGを73部、PTSA3.3部、精製HPA水溶液を225部使用した以外は前記の種晶使用DOG合成反応と同様にして1回目のリサイクル反応を行った。反応中の反応混合液のpHは1.3であった。同様に反応生成液をろ過により固液分離して得た乾燥DOGの収率は91モル%であり、trans体純度は99.8重量%であった(収量262部、種結晶除く)。また、平均粒径は30μmであった。ろ過直後のDOG結晶の含水率は24重量%であった。また、反応母液を再利用するため、廃水量は1230部であった(回収洗浄液、乾燥回収水)。
<リサイクル反応2回目>
リサイクル反応1回目で得られた反応母液の89重量%である1863部とTMP(三菱ガス化学株式会社製)177部、水87部を混ぜ、加熱溶解し、種晶のDOGを73部、PTSA3.3部、精製HPA水溶液を225部使用した以外は前記のリサイクル反応1回目と同様にして2回目のリサイクル反応を行った。反応中の反応混合液のpHは1.3であった。同様に反応生成液をろ過により固液分離して得た乾燥DOGの収率は91モル%であり、trans体純度は99.8重量%であった。また、平均粒径は30μmであった。ろ過直後のDOG結晶の含水率は24重量%であった。
<リサイクル反応3回目以降>
リサイクル反応2回目で得られた反応母液の89重量%である1863部とTMP(三菱ガス化学株式会社製)177部、水87部を混ぜ、加熱溶解し、種晶のDOGを73部、PTSA3.3部、精製HPA水溶液を225部使用した以外は前記のリサイクル反応2回目と同様にして3回目のリサイクル反応を行った。この操作を繰り返し、リサイクル反応を10回目まで行った。3〜10回目のリサイクル反応において、DOGの平均収率は91モル%であり、trans体純度は99.8重量%、平均粒径の平均は30μmであった。また、平均廃水量は1230部であった。ろ過直後のDOG結晶の含水率の平均は24重量%であった。
参考例1
<反応生成液を使用したリサイクル実験>
実施例2、リサイクル反応1回目と同様にして得られた反応生成液の20重量%である487部(種晶DOG73部相当、反応母液20重量%相当)、実施例2、リサイクル反応1回目と同様にして得られた反応母液の70重量%である1449部とTMP(三菱ガス化学株式会社製)177部、水87部を混ぜ、加熱溶解し、PTSA3.3部、精製HPA水溶液を225部使用した以外は実施例2と同様にしてリサイクル反応を行った。反応中の反応混合液のpHは1.3であった。同様に反応生成液をろ過により固液分離して得た乾燥DOGの収率は91モル%であり、trans体純度は99.8重量%であった。また、平均粒径は30μmであった。ろ過直後のDOG結晶の含水率は24重量%であった。また、反応母液を再利用するため、廃水量は1230部であった(回収洗浄液、乾燥回収水)。
<比較例1>
種晶を添加しなかった以外は実施例1と同様に反応を行った。得られた結晶のtrans体純度は99.3重量%で、収率82モル%であった。また、この結晶を電子顕微鏡にて観察したところ、平均粒径15μmであった。ろ過直後のDOG結晶の含水率は30重量%であった。また、反応母液を再利用しなかったので、廃水量は3138部であった。
<比較例2>
反応温度を55℃とした以外は実施例1と同様に反応を行った。得られた結晶のtrans体純度は99.0重量%で、収率80モル%であった。また、この結晶を電子顕微鏡にて観察したところ、平均粒径10μmであった。ろ過直後のDOG結晶の含水率は40重量%であった。また、反応母液を再利用しなかったので、廃水量は3138部であった。
<比較例3>
反応温度を85℃に変更した以外は実施例1と同様に反応を行った。しかしながら、結晶は析出せず、オイル状のものが見られた。そこで65℃まで攪拌しながら冷却したところ結晶が得られた。得られた結晶をろ過により固液分離し、水で洗浄した。得られた結晶のtrans体純度は85重量%であった。
<比較例4>
反応時の反応混合液のpHを5.0とした以外は実施例1と同様に反応を行った。得られた結晶のtrans体純度は98.0重量%であり、収率は30モル%であった。
<比較例5>
反応時にHPAを滴下せず、一括仕込みを行った以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた結晶のtrans体純度は95.0重量%であり、含水率は45重量%であった。
<比較例6>
使用する水の量を低減し、Xを40重量%とした以外は実施例1と同様の操作を行った。反応の途中から反応液がクリーム状となって十分に攪拌できなくなり、攪拌速度を上げていったが、最後まで十分な攪拌ができなかった。得られた結晶のtrans体純度は85.0重量%であり、含水率は45重量%であった。
高純度DOGは、分子内に環式アセタールを有する多価アルコールで、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルポリオール、エポキシ樹脂等の高分子材料の中間体、あるいはモノマーとして、更には光硬化型樹脂、接着剤、光硬化型インキ、可塑剤、樹脂安定剤、潤滑油、塗料等の原料として有用な化合物である。

Claims (4)

  1. 酸触媒および種晶の存在下に水中でトリメチロールプロパンとヒドロキシピバルアルデヒドとを反応させて2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサンを製造する方法であって、下記(A)〜(E)を満足することを特徴とする製造方法。
    (A)反応温度が65〜80℃である
    (B)反応中の反応混合液のpH値が0.1〜4.0の範囲である
    (C)トリメチロールプロパンとヒドロキシピバルアルデヒドとから合成されうる2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサンの最大量(理論量)と種晶の合計量が、酸触媒、ヒドロキシピバルアルデヒド、トリメチロールプロパン、種晶および水の全合計量に対して、3〜35重量%の範囲であるように原料を用いる
    (D)反応開始時および/または反応中に種晶を、酸触媒、ヒドロキシピバルアルデヒド、トリメチロールプロパン、種晶および水の全合計量に対して0.1〜30重量%の範囲で添加する
    (E)原料であるヒドロキシピバルアルデヒドおよび/またはトリメチロールプロパンを反応液中に0.5〜24時間かけて添加する
    (F) trans体純度が98.7重量%以上である2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサンを種晶とする
  2. 反応終了後、反応生成液から2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン結晶を分離して得られた反応母液のうちの98重量%以下を反応に再使用する事を特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 原料ヒドロキシピバルアルデヒド中のアミンおよび/またはアミン塩の合計含有量が1.5重量%以下である事を特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  4. アミンおよび/またはアミン塩が、トリエチルアミンおよび/またはトリエチルアミンギ酸塩である請求項記載の製造方法。
JP2006149762A 2006-05-30 2006-05-30 ジオキサングリコールの製造方法 Active JP5151071B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006149762A JP5151071B2 (ja) 2006-05-30 2006-05-30 ジオキサングリコールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006149762A JP5151071B2 (ja) 2006-05-30 2006-05-30 ジオキサングリコールの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007320857A JP2007320857A (ja) 2007-12-13
JP5151071B2 true JP5151071B2 (ja) 2013-02-27

Family

ID=38853976

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006149762A Active JP5151071B2 (ja) 2006-05-30 2006-05-30 ジオキサングリコールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5151071B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE538723C2 (sv) * 2015-06-23 2016-11-01 Perstorp Ab Process for production of a spiroglycol

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2945008A (en) * 1956-08-23 1960-07-12 Eastman Kodak Co Condensation polymers derived from spiroglycols
JPS59134788A (ja) * 1983-01-22 1984-08-02 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ジオキサングリコ−ルの製造法
JPS59148776A (ja) * 1983-02-14 1984-08-25 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 多価アルコ−ルの製造方法
JP2574679B2 (ja) * 1987-08-31 1997-01-22 広栄化学工業株式会社 アセタール化合物の製法
JP2000044569A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Mitsubishi Gas Chem Co Inc スピログリコールの製造方法
JP4604549B2 (ja) * 2004-05-19 2011-01-05 三菱瓦斯化学株式会社 粒径の改善された高純度スピログリコールの製造方法
JP5034420B2 (ja) * 2005-10-04 2012-09-26 三菱瓦斯化学株式会社 ジオキサングリコールの製造方法
JP4883976B2 (ja) * 2005-10-04 2012-02-22 三菱瓦斯化学株式会社 高純度ジオキサングリコールの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007320857A (ja) 2007-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7649099B2 (en) Method of forming a dianhydrosugar alcohol
WO2007102637A1 (en) Method for preparing trimethylolpropane
KR101330507B1 (ko) 고순도 하이드록시피발알데히드 및/또는 그 2 량체의 제조방법
US9067950B2 (en) Process for producing spiroglycol
JP4604562B2 (ja) スピログリコールの製造方法
JP5014724B2 (ja) ジオキサングリコールの製造方法
JP5151071B2 (ja) ジオキサングリコールの製造方法
KR100814597B1 (ko) 메틸 4-포밀벤조에이트와 디메틸테레프탈레이트의 분리방법
US7456300B2 (en) Process of producing dioxane glycol
JP5034420B2 (ja) ジオキサングリコールの製造方法
JP4645032B2 (ja) スピログリコールの製造方法
EP1772451B1 (en) Process of producing dioxane glycol
JP2796130B2 (ja) β,β,β′,β′―テトラメチル―2,4,8,10―テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン―3,9―ジエタノールの製造方法
JP2007099681A (ja) ジオキサングリコールの製造方法
JPS6259104B2 (ja)
JP5070752B2 (ja) 高純度ヒドロキシピバルアルデヒドおよび/またはその二量体の製造方法
JP4883976B2 (ja) 高純度ジオキサングリコールの製造方法
JP4687008B2 (ja) ジトリメチロールプロパンの製造法
JP2011074000A (ja) 高純度ヒドロキシピバルアルデヒドおよび/またはその二量体の結晶の製造方法
CN111269149A (zh) 一种5-(3,3-二甲基胍基)-2-氧代戊酸的生产工艺
EP0889040B1 (en) Process for producing 2,4-oxazolidinedione
KR101521607B1 (ko) 메틸 4-포밀벤조에이트와 디메틸테레프탈레이트를 고수율로 분리회수하는 방법
JP2008120690A (ja) 環状アセタール化合物の製造法
JPH0372066B2 (ja)
JP2001302674A (ja) 高純度スピログリコールの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090428

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111206

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120711

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121119

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151214

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5151071

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151214

Year of fee payment: 3