JP5034420B2 - ジオキサングリコールの製造方法 - Google Patents
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Description
で表されるヒドロキシピバルアルデヒド(以下、HPAと称する)を下記式(III):
で表されるトリメチロールプロパン(以下、TMPと称する)により酸触媒存在下でアセタール化し、反応生成液を中和し、析出したDOGの結晶をろ過、洗浄、乾燥する工程を経て得られることが開示されている(特許文献1参照)。
DOGあるいはその誘導体を工業原料として使用する際には、一般的にtrans体の含量が高い(以下、高trans体純度または単に高純度と称する)DOGが好ましい。しかしながら、公知の方法で得られるDOGはcis体を多く含んでいる。
で表されるヒドロキシピバルアルデヒドと下記式(III):
で表されるトリメチロールプロパンとの反応を下記の条件:
(A)ヒドロキシピバルアルデヒド中のアミンおよび/またはアミン塩の合計含有量が1.5重量%以下である;
(B)反応温度が65〜80℃である;
(C)反応中の反応系のpH値が0.1〜4.0の範囲である;
(D)下記式(IV):
X(重量%)=B/A×100 (IV)
(式中、Aは反応系に供給したヒドロキシピバルアルデヒド、トリメチロールプロパン、酸触媒、および水の合計量、および、Bは反応系に供給したヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンより生成し得るジオキサングリコールの理論量である)で表されるXが3〜35重量%である;および
(E)トリメチロールプロパン、水および酸触媒を反応容器に仕込み、ヒドロキシピバルアルデヒドの固体または水溶液を0.5〜24時間かけて反応系に添加する
で行う工程を含む下記式(I):
で表されるジオキサングリコールの製造方法を提供する。
X(重量%)=B/A×100 (IV)
(式中、Aは反応系に供給したHPA、TMP、酸触媒、および水の合計量、すなわち、DOG合成反応終了時の反応生成液の全重量であり、Bは反応系に供給したHPAとTMPより生成し得るDOGの理論量である)
で表されるXが、好ましくは3〜35重量%、より好ましくは10〜20重量%の範囲となるようにHPA、TMP、酸触媒、および水を反応系に供給する。XはDOG合成反応が理論的に進行した場合の反応生成液中のDOG濃度に相当するものである。Xが3重量%以上であると、反応1回当たりのDOG生産量が充分である。また、35重量%以下であると、反応生成液中の結晶濃度が適度であり、反応系を充分に撹拌することができ、DOGのtrans体純度を高くすることができ、粒径が増大する。
X’(重量%)=B’/A’×100 (V)
(式中、A’は反応系に供給したHPA、TMP、酸触媒、水および種晶の合計量、すなわち、種晶を使用したDOG合成反応終了時の反応生成液の全重量であり、B’は反応系に供給したHPAとTMPより生成し得るDOGの理論量および添加した種晶に含まれるDOGの合計量である)で表されるX’が、好ましくは3〜35重量%、より好ましくは10〜20重量%の範囲となるようにHPA、TMP、酸触媒、水および種晶を反応系に供給する。X’は種晶を使用したDOG合成反応が理論的に進行した場合の反応生成液中の全DOG(生成したDOGと種晶に含まれるDOG)の濃度に相当するものである。
(1)反応容器にTMP、酸触媒、任意に使用する種晶、および水をすべて仕込み、所定の温度(反応温度)まで加熱した後、HPA(固体または水溶液)を連続的に加える方法;
(2)反応容器にHPA(固体または水溶液)、酸触媒、任意に使用する種晶、および水をすべて仕込み、所定の温度(反応温度)まで加熱した後、TMP(固体または水溶液)を連続的に加える方法;または
(3)反応容器にHPA(固体または水溶液)の一部およびTMP(固体または水溶液)の一部、酸触媒、任意に使用する種晶、および水を仕込み、所定の温度(反応温度)まで加熱した後、残りのHPA(固体または水溶液)およびTMP(固体または水溶液)を連続的に加える方法により行うのが好ましい。上記の方法のうち、(1)の方法が好ましい。
塩基性溶液による洗浄後、ろ過や遠心分離によって塩基性溶液を回収する。回収された塩基性溶液のpHが8以上となる量の塩基性溶液を用いることがさらに好ましい。
各測定、評価は下記のように行った。また、以下の実施例および比較例にいて“部”は重量基準である。
(1)HPAのガスクロマトグラフィー(GC)分析
粗HPAのアセトン溶液をキャピラリーカラム(Agilent Technologies社DB−1相当品)を使用して分析した。
(2)DOGのtrans体純度
DOGのアセトン溶液をキャピラリーカラム(Agilent Technologies社DB−1相当品)を使用して分析した。trans体純度は、GCクロマトグラムのピーク面積から計算した。
(3)DOGの平均粒径
レーザー回折式粒度分布計を使用して、分散圧20kPaでの乾式方法で測定した。平均粒径はフラウンホーファー回折理論により計算した。
(4)HPAの含水率
水で洗浄したHPAの含水結晶を20℃、窒素気流下にて20時間乾燥させた際の重量減少を測定した。更に乾燥後の結晶をカールフィッシャー水分測定法(脱水ピリジン溶媒使用)にて残存水分を測定した。重量減少量及び残存水分量の合計から含水結晶の含水率を求めた。
(5)DOGの含水率
水で洗浄したDOGの含水結晶を窒素雰囲気下、85℃で20時間乾燥させた際の重量減少を測定した。更に乾燥後の結晶をカールフィッシャー水分測定法(脱水メタノール溶媒使用)にて残存水分を測定した。重量減少量及び残存水分量の合計から含水結晶の含水率を求めた。
(6)耐熱試験
DOG5gを試験管にとり窒素置換後、ブロックヒーターにて140℃まで加熱した。20時間加熱後のDOGのtrans体純度をGCにて分析した。
(1)HPAの合成
イソブチルアルデヒド(IBD)595部と37重量%ホルマリン657部の混合物に、40℃、窒素気流下で攪拌しながら、トリエチルアミン(TEA)33部を5分間かけて加えた。TEA添加終了時、反応液温度は65℃に達した。反応液温度を徐々に上げ、30分後に90℃にした。90℃で5分間反応を継続させた後、外部冷却によって、60℃まで冷却し、反応を停止させた。続いて、60〜70℃、圧力53kPaで、未反応のIBDおよびTEA、メタノール等の低沸留分を留去してHPA含有反応生成液(粗HPA)を得た。この粗HPAをGC分析した結果、HPA62.4重量%、IBD0.26重量%、ホルムアルデヒド2.4重量%、TEA0.31重量%、ネオペンチルグリコール0.64重量%、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノエステル2.0重量%、および水28.5重量%であった。
(2)HPA精製
上記粗HPA835部に対し水2505部を加え55℃で完全に溶解した。攪拌しながら55℃から32℃まで5時間かけて徐々に冷却し、その後32℃で1時間保った。上排型遠心分離機にて固液分離後、得られた結晶を水で洗浄し、純度96.5重量%のHPAを回収率60重量%で得た。含水率は12重量%で、残存TEAは0.01重量%、残存ホルムアルデヒドは0.01重量%であった。
水1850部にTMP222部を溶解し、パラトルエンスルホン酸(PTSA)48部を添加した。さらに参考例1で得た精製HPA192部を水90部に80℃で加熱溶解させて得た精製HPA水溶液を4時間かけて滴下した。Xは15重量%であった。反応温度は70℃であった。滴下終了後70℃で3時間熟成した。反応中の反応混合液のpHは1.3であった。熟成終了後、反応生成液をろ過により固液分離し、湿DOG356部と反応母液2046部を得た。湿DOGを1400部の水で洗浄し、乾燥し、DOG結晶285部を得た。仕込んだTMPに対するDOGの収率は83モル%であり、DOG結晶のtrans体純度は98.7重量%、平均粒径は17μmであった。また、回収液量(反応母液+回収洗浄液+乾燥回収水)は3517部であった。ろ過直後のDOG結晶の含液率は20重量%であった。
(1)リサイクル反応1回目
実施例1で得た反応母液の90重量%(1897部)とTMP222部を混ぜて加熱溶解し、PTSA1.4部、精製HPA水溶液を282部使用した以外は実施例1と同様にして1回目のリサイクル反応を行った。反応中の反応混合液のpHは1.3であった。乾燥DOG(収量319部)の収率は93モル%であり、trans体純度は99.3重量%、平均粒径は17μmであった。ろ過直後のDOG結晶の含液率は20重量%であった。また、再利用する母液を除いた回収液量(回収洗浄液+乾燥回収水)は1480部であった。
(2)リサイクル反応2回目
リサイクル反応1回目で得た反応母液の89重量%(1854部)と水43部を使用した以外は1回目と同様にして2回目のリサイクル反応を行った。反応中の反応混合液のpHは1.2であった。乾燥DOGの収率は93モル%であり、trans体純度は99.3重量%、平均粒径は17μmであった。ろ過直後のDOG結晶の含液率は20重量%であった。
(3)リサイクル反応3回目以降
上記操作を繰り返し、リサイクル反応を10回目まで行った。3〜10回目のリサイクル反応において、DOGの収率は平均93モル%であり、trans体純度は平均99.3重量%、平均粒径は平均17μmであった。また、回収液量は平均1480部であった。ろ過直後のDOG結晶の含液率は平均20重量%であった。
水1850部にTMP230部を溶解し、さらにPTSA55部を添加した。溶液を60℃に加熱した後、参考例1で得られた粗HPA288部を3.5時間かけて滴下した。その後60℃で3時間熟成した。反応中の反応混合液のpHは1.5であった。反応生成液をろ過により固液分離し、得られたDOG結晶を水1400部にて洗浄し、乾燥した。DOG(収量285部)の収率は80モル%、DOG結晶のtrans体純度は95重量%、平均粒径は10μmであった。ろ過直後のDOG結晶の含液率は40重量%であった。また、回収液量は(反応母液+回収洗浄液+乾燥回収水)3538部であった。
反応温度を85℃に変更した以外は実施例1と同様に反応を行った。しかしながら、結晶は析出せず、オイル状のものが得られた。そこで60℃まで攪拌しながら冷却したところ結晶が得られた。得られた結晶をろ過により固液分離し、水で洗浄し、乾燥した。得られたDOG結晶のtrans体純度は85重量%であった。
反応時の反応混合液のpHを5.0とした以外は実施例1と同様に反応を行った。得られたDOG結晶のtrans体純度は98重量%であり、収率は30モル重量%であった。
HPA、TMP、水およびPTSAをすべて同時に仕込み、HPAを滴下することなく反応を行った以外は実施例1と同様の操作を行った。得られたDOG結晶のtrans体純度は95重量%であり、含液率は45重量%であった。
水の量を低減し、Xを40重量%にした以外は実施例1と同様の操作を行った。反応の途中から反応液がクリーム状となって十分に攪拌できなくなり、攪拌速度を上げたが、最後まで十分な攪拌ができなかった。得られたDOG結晶のtrans体純度は85重量%であり、含液率は45重量%であった。
水1920部にTMP251部を溶解し、さらにPTSA33部を添加した。得られた溶液に参考例1で得た精製HPAの60%水溶液(70℃)318部を6時間かけて滴下した。Xは15重量%、反応温度は70℃であった。滴下終了後70℃で1時間熟成した。反応中の反応混合液のpHは1.3であった。熟成終了後、反応生成液をろ過により固液分離し、湿DOG446部と反応母液2076部を得た。湿DOGを1000部の水にて洗浄し、乾燥し、DOG結晶339部を得た。仕込んだTMPに対するDOGの収率は83モル%であり、GC結晶のtrans体純度は98.7重量%、平均粒径は17μmであった。また、回収液量(反応母液+回収洗浄液+乾燥回収水)は3183部であった。ろ過直後のDOG結晶の含水率は24重量%であった。
水1817部とTMP236部を混ぜて加熱溶解し、実施例3で得られたDOG(種晶)25部、PTSA33部、参考例1で得た精製HPAの60%水溶液(70℃)299部を使用した以外は実施例3と同様にして反応を行った。乾燥DOG(収量315部、種晶を除く)の収率は82モル%であり、trans体純度は99.6重量%、平均粒径は25μmであった。ろ過直後のDOG結晶の含水率は24重量%であった。
(1)リサイクル反応1回目
実施例4で得られた反応母液の90重量%(1863部)とTMP177部、水87部を混ぜて加熱溶解し、DOG(種晶)73部、PTSA3.3部、参考例1で得た精製HPAの60%水溶液(70℃)225部を使用した以外は実施例4と同様にして1回目のリサイクル反応を行った。反応中の反応混合液のpHは1.3であった。乾燥DOG(収量262部、種晶を除く)の収率は91モル%であり、trans体純度は99.8重量%、平均粒径は30μmであった。ろ過直後のDOG結晶の含水率は24重量%であった。また、再利用する反応母液を除いた回収液量(回収洗浄液+乾燥回収水)は1230部であった。
(2)リサイクル反応2回目
リサイクル反応1回目で得られた反応母液の89重量%(1863部)、TMP177部、および水87部を混ぜて加熱溶解した以外はリサイクル反応1回目と同様にして2回目のリサイクル反応を行った。反応中の反応混合液のpHは1.3であった。乾燥DOGの収率は91モル%であり、trans体純度は99.8重量%、平均粒径は30μmであった。ろ過直後のDOG結晶の含水率は24重量%であった。
(3)リサイクル反応3回目以降
リサイクル反応2回目の操作を繰り返し、リサイクル反応を10回目まで行った。3〜10回目のリサイクル反応において、DOGの収率は平均91モル%であり、trans体純度は平均99.8重量%、平均粒径は平均30μmであった。また、回収液量は平均1230部であった。ろ過直後のDOG結晶の含水率は平均24重量%であった。
実施例5のリサイクル反応1回目と同様にして反応生成液を得、これをDOG結晶と反応母液に固液分離した。該反応生成液の20重量%(487部;DOG(種晶)73部(反応母液20重量%)に相当)、該反応母液の70重量%(1449部)と水87部の混合物にTMP177部を加熱溶解した以外は実施例5と同様にしてリサイクル反応を行った。反応中の反応混合液のpHは1.3であった。乾燥DOGの収率は91モル%であり、trans体純度は99.8重量%、平均粒径は30μmであった。ろ過直後のDOG結晶の含水率は24重量%であった。また、再利用する反応母液を除いた回収液量(回収洗浄液+乾燥回収水)は1230部であった。
反応温度を55℃とした以外は実施例4と同様に反応を行った。得られたDOG結晶のtrans体純度は99.0重量%、収率は80モル%、平均粒径は10μmであった。ろ過直後のDOG結晶の含水率は40重量%であった。また、回収液量(反応母液+回収洗浄液+乾燥回収水)は3146部であった。
反応温度を85℃に変更した以外は実施例4と同様に反応を行った。しかしながら、結晶は析出せず、オイル状のものが得られた。そこで65℃まで攪拌しながら冷却したところ結晶が得られた。得られた結晶をろ過により固液分離し、水で洗浄し、乾燥した。得られたDOG結晶のtrans体純度は85重量%であった。
反応時の反応混合液のpHを5.0とした以外は実施例4と同様に反応を行った。得られた結晶のtrans体純度は98.0重量%であり、収率は30モル%であった。
HPA、TMP、種晶、水およびPTSAをすべて同時に仕込み、HPAを滴下することなく反応を行った以外は実施例4と同様の操作を行った。得られたDOG結晶のtrans体純度は95.0重量%であり、含水率は45重量%であった。
水の量を低減し、X’を40重量%とした以外は実施例4と同様の操作を行った。反応の途中から反応液がクリーム状となって十分に攪拌できなくなり、攪拌速度を上げたが、最後まで十分な攪拌ができなかった。得られたDOG結晶のtrans体純度は85.0重量%であり、含水率は45重量%であった。
水3825部にTMP916部を溶解し、濃塩酸100部を添加した後、この溶液を60℃に加温した。次にこの溶液に、参考例1で合成した粗HPAを、反応温度を60℃に保ちつつ3時間かけて滴下した。滴下終了後60℃で2時間熟成した。熟成終了後、40℃まで冷却し、反応生成液を減圧ろ過によって固液分離し、DOG結晶を得た。1%炭酸ナトリウム水溶液750部をDOG結晶にスプレーした。回収された塩基性溶液のpHは9であった。1520部の水で洗浄し、乾燥し、DOG結晶1267部を得た。仕込んだTMPに対するDOGの収率は85モル%であり、trans体純度は99.5重量%であった。耐熱試験後のtrans体純度は99.4重量%であった。
DOG結晶を10ppm炭酸ナトリウム水溶液75000部で洗浄した以外は実施例7と同様の操作を行った。回収された塩基性溶液のpHは8.0であった。仕込んだTMPに対するDOGの収率は84モル%であり、trans体純度は99.3重量%であった。耐熱試験後のtrans体純度は99.2重量%であった。
DOG結晶を48%水酸化ナトリウム水溶液16部で洗浄した以外は実施例7と同様の操作を行った。回収された塩基性溶液のpHは12であった。仕込んだTMPに対するDOGの収率は85モル%であり、trans体純度は99.3重量%であった。耐熱試験後のtrans体純度は99.1重量%であった。
DOG結晶を1%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄しなかった以外、実施例7と同様の操作を行い、DOG結晶1267部を得た。回収されたろ液(母液)のpHは2.5であった。仕込んだTMPに対するDOGの収率は85モル%であり、trans体純度は99.3重量%であった。耐熱試験後のtrans体純度は47.8重量%であった。
上記DOG結晶の一部を蒸留水中で撹拌し、DOG結晶中の母液と蒸留水を均一に混合した後ろ過した。ろ液中の酸の量をアルカリによる滴定で求めた。その結果から、DOG結晶中に含まれる酸の量を求めた。
攪拌装置、還流冷却装置を備えた2000mlの3つ口フラスコに、DOG結晶400部、水1598部および炭酸水素ナトリウム2部(DOG結晶中の酸量の約1.2モル倍に相当)を仕込み、70℃で2時間攪拌した。その後減圧ろ過を行った。回収された塩基性溶液のpHは8.9であった。DOG結晶を水で洗浄後乾燥して、回収率98重量%でDOG結晶を得た。trans体純度は99.3重量%であった。耐熱試験後のtrans体純度は99.0重量%であった。
実施例10と同様の反応を繰り返してDOG結晶を得た。攪拌装置、還流冷却装置を備えた2000mlの3つ口フラスコに、得られたDOG結晶400部、水1600部を仕込み、70℃で2時間攪拌した。その後減圧ろ過を行った。回収されたろ液のpHは5.8であった。DOG結晶を水で洗浄後乾燥して、回収率98重量%でDOG結晶を得た。trans体純度は99.3重量%、耐熱試験後のtrans体純度は62.6重量%であった。
上記の水洗DOG結晶を、実施例10と同様にして塩基性溶液でさらに洗浄した。耐熱試験後のtrans体純度は99.1重量%であった。
実施例10と同様の反応を繰り返してDOG結晶を得た。攪拌装置、還流冷却装置を備えた2000mlの3つ口フラスコに得られたDOG結晶160部、トルエン1600部を仕込み、90℃に加熱し、完全に溶解した。その後40℃まで6時間かけて徐々に冷却し、減圧ろ過した。分離したDOG結晶をトルエンで洗浄後乾燥して、回収率90重量%でDOG結晶を得た。trans体純度は100重量%、耐熱試験後のtrans体純度は66.3重量%であった。
上記のトルエン洗浄DOG結晶を、実施例10と同様にして塩基性溶液でさらに洗浄した。耐熱試験後のtrans体純度は99.2重量%であった。
Claims (11)
- 酸触媒存在下、水中で、下記式(II):
(A)ヒドロキシピバルアルデヒド中のアミンおよび/またはアミン塩の合計含有量が0.1重量%以下である;
(B)反応温度が65〜80℃である;
(C)反応中の反応系のpH値が1.0〜4.0の範囲である;
(D)下記式(IV):
X(重量%)=B/A×100 (IV)
(式中、Aは反応系に供給したヒドロキシピバルアルデヒド、トリメチロールプロパン、酸触媒、および水の合計量、および、Bは反応系に供給したヒドロキシピバルアルデヒドとトリメチロールプロパンより生成し得るジオキサングリコールの理論量である)で表されるXが10〜35重量%である;および
(E)トリメチロールプロパン、酸触媒および水を反応容器に仕込み、ヒドロキシピバルアルデヒドの固体または水溶液を0.5〜24時間かけて反応系に添加する
で行う工程を含み、
前記反応の終了後、反応生成液を、pH値が1.0〜2.0の範囲でジオキサングリコールの結晶と反応母液に分離する工程をさらに含む
下記式(I):
- アミンがトリエチルアミンであり、アミン塩がトリエチルアミンギ酸塩である請求項1に記載の製造方法。
- 前記反応母液の98重量%以下を次のジオキサングリコールの製造に再利用する請求項1に記載の製造方法。
- 前記ジオキサングリコールの結晶を塩基性溶液で洗浄する工程をさらに含む請求項1に記載の製造方法。
- 前記塩基性溶液が、無機塩基の水および/または有機溶媒溶液である請求項4に記載の製造方法。
- 塩基性溶液中の塩基の濃度が10ppm〜50重量%である請求項5に記載の製造方法。
- 前記トリメチロールプロパンとヒドロキシピバルアルデヒドとの反応を前記酸触媒とさらに種晶の存在下で、下記式(V):
X’(重量%)=B’/A’×100 (V)
(式中、A’は反応系に供給したHPA、TMP、酸触媒、水および種晶の合計量、B’は反応系に供給したトリメチロールプロパンとヒドロキシピバルアルデヒドより生成し得るジオキサングリコールの理論量および添加した種晶に含まれるジオキサングリコールの合計量である)
で表されるX’が10〜35重量%である条件で行う請求項1に記載の製造方法。 - 前記種晶を、ヒドロキシピバルアルデヒド、トリメチロールプロパン、酸触媒、水および種晶の合計量に対して0.1〜30重量%の範囲で添加する請求項7に記載の製造方法。
- 反応生成液をジオキサングリコールの結晶と反応母液に分離し、該反応母液の98重量%以下を次のジオキサングリコールの製造に再利用する請求項7に記載の製造方法。
- 種晶を含む反応生成液の一部を反応系に添加する請求項7に記載の製造方法。
- 種晶が前記式(I)で表されるジオキサングリコールの結晶である請求項7に記載の製造方法。
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