JP6529164B2 - エポキシ樹脂、およびその組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規フェノール化合物及び新規エポキシ樹脂に関する。
近年、環境問題の観点からカーボンニュートラルな資源としてバイオマス(動植物から得られる再生可能な有機性資源)が注目されている。例えば、糖質原料やデンプン原料といった食糧にもなる可食性バイオマスを用いたバイオエタノールの製造が挙げられるが、この場合は食糧との競合が問題となっている。一方、非可食性バイオマスは食糧との競合がなく、注目されている。例えば非可食性バイオマスの一つであるリグノセルロースバイオマスには、未利用の間伐材や製材工場での残材、住宅の解体で発生する木材等がある。リグノセルロース系バイオマスの利用は、廃棄物の抑制やエネルギー資源としての利用が期待されており、環境的観点から重要である。
リグノセルロースバイオマスは、セルロース、ヘミセルロース、リグニンから構成されている。リグニンはセルロースを繋ぎ合わせる接着分子である。その構造はフェニルプロパン骨格が重合したものであるため、芳香族化合物の資源として注目されている。
エポキシ樹脂組成物は作業性及びその硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性、耐湿性(耐水性)等により電気・電子部品、構造用材料、接着性、塗料等の分野で幅広く用いられている。このような分野においてもバイオマス由来の化合物を使用したエポキシ樹脂が検討されている。具体的には特許文献1においてはリグニンのエポキシ化物及びその硬化物が報告されている。しかしながら、植物より抽出されたリグニンをそのまま使用していることから、非常に高い分子量の化合物であり、成型性に問題が生じる場合がある。また、電気・電子材料の用途に耐えうる高度な信頼性を持たせることが難しい。
リグニンから得られるモノマーとしてホモバニリンやホモシリンガアルデヒドが得られる事が非特許文献1で報告されている。これらのリグニンモノマーをビスフェノール化合物として利用した例はなく、製造方法の確立が望まれていた。
特開2006−066237号公報
A.Kaiho, M.Kogo,R.Sakai,K.Saito,T.Watanabe,Green Chem.2015,17,2780
本発明の課題は、フェニルエタン骨格を有する新規なビスフェノール化合物及びエポキシ樹脂を提供することである。
本発明は、以下に記載のビスフェノール化合物及びエポキシ樹脂に関する。
(1)一般式[I]で表されるビスフェノール化合物。
Figure 0006529164
(一般式[I]中、RおよびRはメトキシ基を示す。aはRとRの置換数であって、0〜3(整数)であり、RとRの置換数は異なってもよい。bとcは水酸基の置換数であって、1〜3(整数)であり、bとcは異なってもよい。Xは4価のリンカーを示す。)
(2)一般式[I]において、ヒドロキシ基がフェニル基の4位にあり、RおよびRがフェニル基の3,5位にある前記ビスフェノール化合物。
(3)一般式[I]中、Xは式[II]
Figure 0006529164
または、式[III]
Figure 0006529164
で表される前記ビスフェノール化合物。
(4)前記ビスフェノール化合物にエピハロヒドリンを反応させることにより得られるエポキシ樹脂。
(5)一般式[IV]で表されるエポキシ樹脂。
Figure 0006529164
(一般式[IV]中、Gはグリシジル基を表し、R、R2、a、b、c及びXは一般式[I]と同一である。)
(6)エポキシ樹脂および前記ビスフェノール化合物を含有するエポキシ樹脂組成物。
(7)さらに硬化剤を含有する前記エポキシ樹脂組成物。
(8)エポキシ樹脂が前記ビスフェノール化合物にエピハロヒドリンを反応させることにより得られるエポキシ樹脂である前記エポキシ樹脂組成物。
(9)エポキシ樹脂が一般式[IV]で表されるエポキシ樹脂である前記エポキシ樹脂組成物。
(10)エポキシ樹脂がその他のエポキシ樹脂である前記エポキシ樹脂組成物。
(11)前記エポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
本発明のビスフェノール化合物は4−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド誘導体に多価アルコールを触媒の存在下反応させて得られる。
本発明において用いられる4−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド誘導体としては例えば2−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアルデヒド(式(1))、ホモバニリン(式(2))、ホモシリンガアルデヒド(式(3))、2−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアルデヒドジメチルアセタール(式(4))、ホモバニリルアルデヒドジメチルアセタール(式(5))、ホモシリンガアルデヒドジメチルアセタール(式(6))、4−(2−メトキシビニル)フェノール(式(7))、2−メトキシー4−(2−メトキシビニル)フェノール(式(8))、2,6−ジメトキシ−4−(2−メトキシビニル)フェノール(式(9))4−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド等が挙げられる。
Figure 0006529164
本発明において用いられる多価アルコールとは水酸基数が4以上の多価アルコールであり、具体例には、ペンタエリスリトール又はジトリメチロールプロパンが挙げられる。中でも溶解性が良いジトリメチロールプロパンが好ましい。
4価のリンカーとは、本発明において用いられる多価アルコール由来の構造である。例えば多価アルコールが4価のアルコールであるペンタエリスリトールの場合は前記式[II]の構造であり、4価のアルコールであるジトリメチロールプロパンであれば前記式[III]の構造である。
本発明のビスフェノール化合物は、触媒存在下で、4−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド誘導体と多価アルコールとの縮合反応によって得られる。4−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド誘導体の使用量は多価アルコール1モルに対して通常0.25〜5.0モルであり、好ましくは0.03〜2.5モルである。4−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド誘導体の使用量が多価アルコールで表される化合物1モルに対して0.03モルより少ないと、4−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド誘導体の残存量が多くなり、耐熱性が低くなるため好ましくなく、5.0モルより多いとゲル化の恐れがあるため好ましくない。
本発明において用いることができる酸触媒としては、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸触媒、塩酸、硫酸等の無機酸触媒、リンタングステン酸のほかに、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、リンモリブデン酸ナトリウム、リンタングストモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸等のヘテロポリ酸が好ましく挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、複数の種類を併用してもよい。用いる触媒の使用量は、多価アルコール1モルに対して通常0.001〜15モルであり、好ましくは0.002〜10モルである。
本発明のビスフェノール化合物を得る反応では、必要に応じて溶剤を使用することができる。用い得る溶剤としては、4−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド誘導体との反応性を有するものでなければ特に制限されないが、多価アルコールで表される化合物を容易に溶解させる点ではアルコール類、非プロトン性極性溶媒、芳香族炭化水素類を溶剤として用いるのが好ましい。
用いることができる溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが好ましく挙げられるが、これらに限定されない。溶剤はそれだけでもよいし、2種類以上混合してもよい。
溶剤を使用する場合の使用量は特に制限されないが、例えば、一般式[I]で表される化合物1モルに対し100〜500質量部を使用することができる。
反応温度は通常10〜150℃であり、好ましくは30〜130℃であり、特に好ましくは50℃〜120℃である。反応時間は通常0.5〜20時間であるが、原料化合物の種類によって反応性に差があるため、この限りではない。
反応終了後、公知の手法にて触媒のクエンチを行う。酸性触媒を用いた場合、塩基で中和してもよいし、水で洗浄してもよい。塩基性化合物としては特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、炭酸ナトリウム、トリポリリン酸5ナトリウム、アンモニア等、炭酸カリウム等の金属炭酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどのリン酸塩、イオン交換樹脂、アルミナ等の塩基性固体が好ましく挙げられる。この際、塩基を均一に分散させるために、水溶液として徐々に滴下することが好ましい。
反応終了後、本発明のビスフェノール化合物を取り出す場合には、反応物を水洗後または水洗無しに、加熱減圧下で反応液から未反応物や溶媒等を除去する。未反応物を効率的に除去するために、水蒸気蒸留や塩基性条件下において水洗を行ってもよい。結晶で取り出す場合、大量の水中に反応液を滴下することにより結晶を析出させる。
次に、本発明のエポキシ樹脂について説明する。
本発明のエポキシ樹脂は、上記手法によって得られた本発明のビスフェノール化合物を溶剤中において、エピハロヒドリンと反応させ、エポキシ化することにより得られる。
本発明のエポキシ樹脂を得る反応において用いるエピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等が好ましく挙げられ、特に、工業的に入手が容易なエピクロルヒドリンが好ましい。エピハロヒドリンの使用量は、本発明のビスフェノール化合物の水酸基1モルに対し通常2〜100モルであり、経済性を考慮すると好ましくは2〜8モルである。通常エポキシ樹脂は、アルカリ金属酸化物の存在下でビスフェノール化合物とエピハロヒドリンとを付加させ、次いで生成した1,2−ハロヒドリンエーテル基を開環させてエポキシ化する反応により得られる。
エポキシ化反応に使用できるアルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が好ましく挙げられ、これらは固形物をそのまま使用しても、あるいはその水溶液を使用してもよい。水溶液を使用する場合は、該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に、減圧下または常圧下で連続的に留出させた水及びエピハロヒドリンの混合液から分液により水を除去し、エピハロヒドリンのみを反応系内に連続的に戻す方法でもよい。アルカリ金属水酸化物の使用量は、本発明のビスフェノール化合物等の水酸基1モルに対して通常0.9〜3.0モルであり、好ましくは1.0〜2.5モルであり、より好ましくは1.0〜2.0モルであり、特に好ましくは1.0〜1.3モルである。また、エポキシ化反応において、特にフレーク状の水酸化ナトリウムを用いることで、水溶液とした水酸化ナトリウムを使用するよりも得られるエポキシ樹脂に含まれるハロゲン量を顕著に低減させることが可能となる。更にこのフレーク状の水酸化ナトリウムは、反応系内に分割添加されることが好ましい。分割添加を行なうことで、反応温度の急激な減少を防ぐことができ、これにより不純物である1,3−ハロヒドリン体やハロメチレン体の生成を防止することができる。
エポキシ化反応を促進するために、触媒を用いることができる。用いることができる触媒としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が好ましく挙げることができる。4級アンモニウム塩の使用量としては、本発明のフェノール樹脂の水酸基1モルに対し通常0.1〜15gであり、好ましくは0.2〜10gである。
反応温度は通常30〜90℃であり、好ましくは35〜80℃である。反応時間は通常0.5〜10時間であり、好ましくは1〜8時間である。反応終了後、反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下で反応液からエピハロヒドリンや溶媒等を除去する。また得られたエポキシ樹脂中に含まれるハロゲン量をさらに低減させるために、回収した本発明のエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行ない、閉環を確実なものにすることも出来る。この場合、アルカリ金属水酸化物の使用量は、本発明のビスフェノール化合物の水酸基1モルに対して通常0.01〜0.3モルであり、好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に加熱減圧下で溶剤を留去することにより本発明のエポキシ樹脂が得られる。また、本発明のエポキシ樹脂が結晶として析出する場合は、大量の水に生成した塩を溶解した後に、本発明のエポキシ樹脂の結晶を濾取してもよい。このようにして得られる本発明のエポキシ樹脂は、本発明のビスフェノール化合物に含まれるヒドロキシル基がグリシジル化された構造を有する。
本発明のエポキシ樹脂は下記一般式[IV]で表されるものを含む。
Figure 0006529164
(一般式[IV]中、Gはグリシジル基を表し、R、R2、a、b、c及びXは一般式[I]と同一である。)
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について記載する。本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂及び本発明のビスフェノール化合物の少なくともどちらか1つを必須成分として含有する。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のビスフェノール化合物は1種以上のエポキシ樹脂(本発明のエポキシ樹脂及び他のエポキシ樹脂)と併用して使用することができる。また、本発明のエポキシ樹脂は単独でまたは他のエポキシ樹脂と併用して本発明のエポキシ樹脂組成物において使用することが出来る。
本発明において用いられる他のエポキシ樹脂の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、アルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、等シルセスキオキサン系のエポキシ樹脂(鎖状、環状、ラダー状、あるいはそれら少なくとも2種以上の混合構造のシロキサン構造にグリシジル基、および/またはエポキシシクロヘキサン構造を有するエポキシ樹脂)等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は硬化剤を含有することもできる。硬化剤は単独または複数を使用できる。用いることができる硬化剤としては、例えばフェノール樹脂、フェノール系化合物、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、カルボン酸系化合物などが挙げられる。用いうる硬化剤の具体例としてはフェノール樹脂、フェノール化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロロメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4’−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4’−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、テルペンとフェノール類の縮合物などのポリフェノール類、及び本発明のビスフェノール化合物が挙げられるが、本発明ではこれらに限定するものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
好ましいフェノール樹脂としては、フェノールアラルキル樹脂(芳香族アルキレン構造を有する樹脂)が挙げられ、特に好ましくはフェノール、ナフトール、クレゾールから選ばれる少なくとも一種を有する構造であり、そのリンカーとなるアルキレン部が、ベンゼン構造、ビフェニル構造、ナフタレン構造から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする樹脂(具体的にはザイロック、ナフトールザイロック、フェノールビフェニレンノボラック樹脂、クレゾール−ビフェニレンノボラック樹脂、フェノール−ナフタレンノボラック樹脂などが挙げられる。)である。
アミン系化合物、アミド系化合物としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンより合成されるポリアミド樹脂などの含窒素化合物などが挙げられる。
酸無水物系化合物、カルボン酸系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ブタンテトラカルボン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、などの酸無水物;各種アルコール、カルビノール変性シリコーン、と前述の酸無水物との付加反応により得られるカルボン酸樹脂などが挙げられる。
また、その他、イミダゾール、トリフルオロボラン−アミン錯体、グアニジン誘導体の化合物なども挙げられる。
本発明では硬化剤をこれらに限定するものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、全エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、硬化剤とともに硬化促進剤を併用しても差し支えない。硬化促進剤の具体例としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、テトラブチルアンモニウム塩、トリイソプロピルメチルアンモニウム塩、トリメチルデカニルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩、トリフェニルベンジルフォスフォニウム塩、トリフェニルエチルフォスフォニウム塩、テトラブチルフォスフォニウム塩などの4級フォスフォニウム塩が挙げられる(4級塩のカウンターイオンはハロゲン、有機酸イオン、水酸化物イオンなど、特に指定は無いが、特に有機酸イオン、水酸化物イオンが好ましい。)、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。硬化促進剤を用いる場合は、エポキシ樹脂100質量部に対して0.01〜5.0質量部が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、リン含有化合物を難燃性付与成分として含有させることもできる。リン含有化合物としては反応型のものでも添加型のものでもよい。リン含有化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−2,6−ジキシリレニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4'−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)等のリン酸エステル類;9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のホスファン類;エポキシ樹脂と前記ホスファン類の活性水素とを反応させて得られるリン含有エポキシ化合物、赤リン等が挙げられるが、リン酸エステル類、ホスファン類またはリン含有エポキシ化合物が好ましく、1,3−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、1,4−フェニレンビス(ジキシリレニルホスフェート)、4,4'−ビフェニル(ジキシリレニルホスフェート)またはリン含有エポキシ化合物が特に好ましい。リン含有化合物の含有量はリン含有化合物/全エポキシ樹脂=0.1〜0.6(質量比)が好ましい。0.1以下では難燃性が不十分であり、0.6以上では硬化物の吸湿性、誘電特性に悪影響を及ぼす懸念がある。
さらに本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて酸化防止剤を添加しても構わない。使用できる酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン系酸化防止剤が挙げられる。酸化防止剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。酸化防止剤の使用量は、本発明の硬化性樹脂組成物中の樹脂成分に対して100質量部に対して、通常0.008〜1質量部、好ましくは0.01〜0.5質量部である。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤の具体例として、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、等のモノフェノール類;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルスルホン酸エチル)カルシウム等のビスフェノール類;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェノール等の高分子型フェノール類が例示される。
イオウ系酸化防止剤の具体例として、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルル−3,3’−チオジプロピオネート等が例示される。
リン系酸化防止剤の具体例として、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイト等のホスファイト類;9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のオキサホスファフェナントレンオキサイド類などが例示される。
これらの酸化防止剤はそれぞれ単独で使用できるが、2種以上を組み合わせて併用しても構わない。特に本発明においてはリン系の酸化防止剤が好ましい。
さらに本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて光安定剤を添加しても構わない。光安定剤としては、ヒンダートアミン系の光安定剤、特にHALS等が好適である。HALSとしては特に限定されるものではないが、代表的なものとしては、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、等が挙げられる。HALSは1種のみが用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
さらに本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてバインダー樹脂を配合することも出来る。バインダー樹脂としてはブチラール系樹脂、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、NBR−フェノール系樹脂、エポキシ−NBR系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。バインダー樹脂の配合量は、硬化物の難燃性、耐熱性を損なわない範囲であることが好ましく、樹脂成分100質量部に対して通常0.05〜50質量部、好ましくは0.05〜20質量部が必要に応じて用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機充填剤を添加することができる。無機充填剤としては、結晶シリカ、溶融シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、タルク等の粉体またはこれらを球形化したビーズ等が好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これら無機充填剤の含有量は、本発明の樹脂組成物において0〜95質量%を占める量が用いられる。更に本発明の樹脂組成物には、シランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、界面活性剤、染料、顔料、紫外線吸収剤等の種々の配合剤、各種熱硬化性樹脂を添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば本発明のビスフェノール化合物、エポキシ樹脂、並びに必要により硬化剤、硬化促進剤、リン含有化合物、バインダー樹脂、無機充填材及び配合剤を必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合して樹脂組成物を得、その樹脂組成物をポッティング、溶融後(液状の場合は溶融無しに)注型あるいはトランスファー成型機などを用いて成型し、さらに80〜200℃で2〜10時間加熱することにより本発明の硬化物を得ることができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物を必要に応じてトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の溶剤に溶解させ、硬化性樹脂組成物ワニスとし、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させて加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明の硬化性樹脂組成物Aの硬化物とすることができる。この際の溶剤は、本発明の硬化性樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10〜70質量%、好ましくは15〜70質量%を占める量を用いる。また液状組成物であれば、そのまま例えば、RTM方式でカーボン繊維を含有するエポキシ樹脂硬化物を得ることもできる。
以下、本発明を実施例で更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下に示す材料、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。合成例、実施例、比較例において部は質量部を意味する。
なお、エポキシ当量は以下の条件で測定した。
・エポキシ当量
JIS K−7236に記載された方法で測定し、単位はg/eq.である。
・DSC
示唆走査熱量分析器:TA−instruments製DSC Q−2000
実施例1
窒素パージを施したフラスコに(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(8.44g)を量りとり、THF(53ml)を加えた。反応溶液を氷浴で冷却し、カリウム tert―ブトキシド(4.6g)を加えた。10分間撹拌した後、THFに溶解させたシリンガアルデヒド(東京化成工業株式会社製、3.0g)を滴下して加えた。反応温度を室温に戻し、30分間撹拌した後に塩化アンモニウム水溶液を加えた。水層を酢酸エチルで三回抽出した後に、有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。ろ過で硫酸マグネシウムを取り除いた後、溶媒をエバポレーターで留去した。組成生物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘキサン−酢酸エチル)で精製した。温度計、攪拌機、冷却管及びディーン・スターク装置を付したフラスコに、生成物(2.8g)、メタノールに溶解させたジトリメチロールプロパン(1.68g)、p−トルエンスルホン酸(20mg)、トルエン(75ml)を仕込み、70℃で1.5時間、窒素をバブリングしながら反応を行った。この間に生成したメタノールは系外へ留去した。反応終了後、系内の温度を室温に下げ、水を加えた。次いで、水層を酢酸エチルで三回抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで脱水した。硫酸マグネシウムをろ過で取り除き、溶媒を減圧下、留去して、組成生物を得た。組成生物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、目的のビスフェノール化合物(2.7g)を得た。
攪拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら実施例1で得られたビスフェノール化合物(2.7g)、エピクロロヒドリン(70.2g)、テトラエチルアンモニウムクロリド(10mg)、水(175mg)を加えて、90℃にまで昇温した。次いで30%水酸化ナトリウム水溶液(1.32g)を添加した後、さらに60℃で30分間、75℃で30分間、90℃で30分間反応を行った。反応終了後水洗いを行い、有機層の溶媒を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン(50ml)を加え溶解し、75℃にまで昇温した。撹拌下で30%水酸化ナトリウム水溶液(60mg)を加え、2時間反応を行った。その後、有機層を水洗いし、得られた有機層からロータリーエバポレーターを用いて、メチルイソブチルケトン等の溶媒を留去することで本発明のエポキシ樹脂(2.8g)を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は372g/eqであった。
実施例2〜3
シリンガアルデヒドを表1のように代えた以外は実施例1と同様の操作を行った。
実施例1〜3で得られたエポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製H−1、水酸基当量103g/eq.)を1対1の比率で混合し、メチルエチルケトンに溶解させた。1wt%のトリフェニルホスフィンを加えた後に、溶媒を110℃、10分間で乾燥させ、示唆走査熱量計により硬化物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006529164
注)
シリンガアルデヒド:東京化成工業(株)製
バニリン:関東化学(株)製鹿特級
4−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド:和光純薬工業(株)製特級
以上より、本発明のビスフェノール化合物が樹脂原料として有用であることが示された他、本発明のエポキシ樹脂もフェノールノボラックにより硬化することから、化学工業製品の原料として有用であることが明らかである。

Claims (9)

  1. 一般式[I]で表されるビスフェノール化合物。
    Figure 0006529164
    一般式[I]中、RおよびRはメトキシ基を示す。aはRとRの置換数であって、0〜3(整数)であり、RとRの置換数は異なってもよい。bとcは水酸基の置換数であって、1〜3(整数)であり、bとcは異なってもよい。Xは4価のリンカーを示す。
  2. 一般式[I]において、ヒドロキシ基がフェニル基の4位にあり、RおよびRがフェニル基の3,5位にある請求項1に記載のビスフェノール化合物。
  3. 一般式[I]中、Xは式[II]
    Figure 0006529164
    または、式[III]
    Figure 0006529164
    で表される請求項1に記載のビスフェノール化合物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のビスフェノール化合物にエピハロヒドリンを反応させることにより得られるエポキシ樹脂。
  5. 一般式[IV]で表されるエポキシ樹脂。
    Figure 0006529164
    (一般式[IV]中、Gはグリシジル基を表し、R、R2、a、b、c及びXは一般式[I]と同一である。)
  6. エポキシ樹脂および請求項1乃至3のいずれか1項に記載のビスフェノール化合物を含有するエポキシ樹脂組成物。
  7. さらに硬化剤を含有する請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. エポキシ樹脂が請求項4又は請求項5に記載のエポキシ樹脂である請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 請求項6乃至8のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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