本発明におけるアセタール骨格含有アルコール化合物(A)は下記式(1)で表される化合物である。
式(1)中R1、R2はそれぞれ独立して、水素又は炭素数1〜6の炭化水素基を表し、炭素数1〜6の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が挙げられる。R1、R2のいずれも炭素数1〜4の炭化水素基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
本発明で使用するアセタール骨格含有アルコール化合物(A)はヒドロキシピバルアルデヒドとジオール化合物との反応生成物として既存の手法で得ることができ、例えばヒドロキシピバルアルデヒドとネオペンチルグリコールの反応生成物である下記式(2)などが挙げられる。
本発明の重合性化合物(C)はアセタール骨格含有アルコール化合物(A)とエチレン性不飽和基含有化合物(B)を反応させることで得ることができ、エチレン性不飽和基含有化合物(B)としては例えばエチレン性不飽和基含有カルボン酸化合物(B−1)あるいはエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物(B−2)が挙げられる。
本発明で使用するエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸化合物(B−1)としては、例えば(メタ)アクリル酸類やクロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、或いは飽和または不飽和二塩基酸と不飽和基含有モノグリシジル化合物との反応物が挙げられる。上記において(メタ)アクリル酸類としては、例えば(メタ)アクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、(メタ)アクリル酸二量体、飽和または不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体と当モル反応物である半エステル類、飽和または不飽和二塩基酸とモノグリシジル(メタ)アクリレート誘導体類との当モル反応物である半エステル類等が挙げられる。
これらのうち、感光性樹脂組成物としたときの感度の点で(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物または桂皮酸が好ましく、反応はアセタール骨格含有アルコール化合物(A)とエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸化合物(B−1)を酸触媒の存在下で脱水縮合させる方法により製造できる。
エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸化合物(B−1)を使用して、本願発明の(メタ)アクリレート化合物を得た際には、粘度が低く、ハンドリング性に優れた(メタ)アクリレート化合物を得ることができる。
反応させる際に使用するエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸化合物(B−1)の使用量はアセタール骨格含有アルコール化合物(A)の水酸基1.0モルに対し、0.8〜3.0モルが好ましく、1.0〜2.0モルが更に好ましい。
反応させる際に使用する酸触媒は、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等公知のものから任意に選択でき、その使用量は、エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸化合物(B−1)に対して0.1〜10モル%、好ましくは1〜5モル%である。
反応により生成した水を留去するのには共沸溶媒を用いることができる。ここでいう共沸溶媒とは60〜130℃の沸点を有し、水と容易に分離できるものであり、特に、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素の使用が好ましい。その使用量は任意であるが、好ましくは反応混合物に対し10〜70重量%である。
原料として用いる市販品の(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和基含有モノカルボン酸化合物(B−1)には、既にp−メトキシフェノール等の重合禁止剤が添加されているのが普通であるが、反応時に改めて重合禁止剤を添加してもよい。そのような重合禁止剤の例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、3−ヒドロキシチオフェノール、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−ベンゾキノン、フェノチアジン等が挙げられる。その使用量は反応原料混合物に対し0.01〜1重量%である。
反応温度は60〜130℃の範囲でよいが、反応時間の短縮と重合防止の点から、75〜120℃で行なうのが好ましい。反応は生成する水の量で進行を確認することができ、水の生成が止まったところを反応の終了と判定する。
反応終了後、一般的な後処理と同様に水洗処理等を実施して、反応に溶媒等を使用していれば減圧留去にて取り除くことで本発明の重合性化合物(C)を得ることができる。
本発明で使用するエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物(B−2)は一分子中にイソシアネート基をもつエチレン性不飽和基含有重合性化合物のことを表し、例えば2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート等の1級アミノ基含有(メタ)アクリレート化合物とホスゲン等のカルボニル化試薬とのイソシアネート化反応生成物や水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と(ポリ)イソシアネート化合物の反応生成物が挙げられる。
エチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物(B−2)を使用して、本願発明の(メタ)アクリレート化合物を得た際には、着色が少ない(メタ)アクリレート化合物を得ることができる。
ここで、1級アミノ基含有(メタ)アクリレート化合物とホスゲン等のカルボニル化試薬とのイソシアネート化反応生成物の中で、例えば下記式(A)等が挙げられる。
(上記式中R
3は水素原子又はメチル基を表し、R
4は炭素数1〜10の炭化水素基を表す。)
上記式中R
4は炭素数1〜6の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜3の炭化水素基が特に好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリレートとは、1分子中にヒドロキシル基と(メタ)アクリレートを少なくとも各々1個ずつ有する化合物であり、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレートなどの2価アルコールのモノ(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等の3価のアルコールのモノアクリレート及びジ(メタ)アクリレートや、これらアルコールの水酸基の一部をアルキル基やε−カプロラクトンで変性したモノ及びジ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の、4価以上のアルコールの多官能(メタ)アクリレートでヒドロキシル基を有するものや、これらアルコールの水酸基の一部をアルキル基やε−カプロラクトンで変性したヒドロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物とは、1分子中にイソシアネート基を2個以上含んでなる化合物であり、例えば、脂肪族系ジイソシアネ−ト化合物、芳香族系ジイソシアネ−ト化合物、これらの3量体等が挙げられる。ここで言う脂肪族系ジイソシアネート化合物とは、イソシアネート基が鎖状炭素原子に結合したジイソシアネート化合物と、イソシアネート基が環状飽和炭化水素の炭素原子に結合したジイソシアネート化合物とを意味し、芳香族系ジイソシアネート化合物とは、イソシアネート基が芳香環の炭素原子に結合したジイソシアネート化合物を意味する。
脂肪族系ジイソシアネート化合物としては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−ジイソシアネートシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート、p−テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルシクロヘキサンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルシクロヘキサンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。中でも、イソホロンジイソシアネートが好ましい。
芳香族系ジイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,6−フェニレンジイソシアネート等ジイソシアネートモノマー類等が挙げられる。
このうち、脂肪族系ジイソシアネート化合物、および、該脂肪族系ジイソシアネート化合物の3量体が、塗膜の耐候性を良好とするため好ましい。脂肪族系ジイソシアネート化合物の3量体としては、例えば、上記脂肪族系イソシアネ−ト系のイソシアヌレート型ポリイソシアネート等が挙げられ、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。これらは各々単独あるいは混合物で用いても差し支えない。
水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と(ポリ)イソシアネート化合物の反応生成物によりエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物(B−2)を得る場合、反応後にイソシアネート基が残存するような当量関係([NCO]/[OH]モル比:>1)で仕込む。仕込み比を高くすると未反応のポリイソシアネート化合物が多く存在し、感光性樹脂組成物の硬化性に影響を及ぼす場合がある。また仕込み比を小さくすると、アセタール骨格含有アルコール化合物(A)由来の特徴が小さくなり、感光性樹脂組成物の接着性に影響を及ぼす場合がある。具体的に好ましくは、ポリイソシアネート化合物のNCO基1.0モルに対しアルコール化合物のOH基を0.01〜0.99モルが好ましく、0.10〜0.95モルがより好ましい。
エチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物(B−2)としては、市販されているものを使用することが簡便であり、例えば2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートとしてカレンズMOI、カレンズAOI(昭和電工(株)製)を使用することが好ましい。
本発明の重合性化合物(C)はアセタール骨格含有アルコール化合物(A)の水酸基とエチレン性不飽和基含有化合物(B)のイソシアネート基を反応させることにより得ることができ、水酸基のモル数とイソシアネートのモル数の比率は0.8:1.2〜1.2:0.8好ましくは0.9:1.1〜1.1:0.9の比率で反応させることが好ましい。
反応は、無溶剤で行うことができるが、生成物の結晶性が高く作業性向上のためアルコール性水酸基を有さない溶剤中あるいは後述する重合性化合物(D)中で行なうことが好ましい。溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のエステル類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等の単独又は混合有機溶媒中で行うことができる。
反応温度は通常30〜150℃、好ましくは50〜100℃の範囲である。反応の終点はイシアネート量の減少で確認する。また、これらの反応時間の短縮を目的として触媒を添加してもよい。この触媒としては、塩基性触媒及び酸性触媒のいずれかが用いられる。塩基性触媒の例としては、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、アンモニアなどのアミン類、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類を挙げることができる。また酸性触媒の例としては、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、トリブトキシアルミニウム、チタニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、塩化アルミニウム、オクチル酸スズ、オクチルスズトリラウレート、ジブチルスズジラウレート、オクチルスズジアセテート等のルイス酸触媒を挙げることができる。これら触媒の添加量は、反応原料混合物の総重量部100重量部に対して、通常0.1〜1重量部である。
原料として用いる(メタ)アクリレート化合物には、既に4−メトキシフェノール等の重合禁止剤が添加されているのが普通であるが、反応時に改めて重合禁止剤を添加してもよい。そのような重合禁止剤の例としては、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、3−ヒドロキシチオフェノール、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−ベンゾキノン、フェノチアジン等が挙げられる。その使用量は反応原料混合物の総重量部100部に対し0.01〜1重量部である。
本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の重合性化合物(C)と(C)成分以外の重合性化合物(D)を任意成分として含有させることができる。使用しうる重合性化合物(D)の具体例としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物、マレイミド化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、不飽和ポリエステル等を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物に併用可能な(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物の具体例としては、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(D−1);ウレタン(メタ)アクリレート(D−2);エポキシ(メタ)アクリレート(D−3);(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(D−4);アルキル(メタ)アクリレート又はアルキレン(メタ)アクリレート(D−5);芳香環を有する(メタ)アクリレート(D−6);脂環構造を有する(メタ)アクリレート(D−7)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
尚、反応物については、公知の反応条件で得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物に併用可能な(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(D−1)とは、主鎖にエステル結合を1つ以上有する(メタ)アクリレートの総称として、ウレタン(メタ)アクリレート(D−2)とは、主鎖にウレタン結合を1つ以上有する(メタ)アクリレートの総称として、エポキシ(メタ)アクリレート(D−3)とは、1官能以上のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる(メタ)アクリレートの総称として、(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(D−4)とは、主鎖にエーテル結合を1つ以上有する(メタ)アクリレートの総称として、アルキル(メタ)アクリレート又はアルキレン(メタ)アクリレート(D−5)とは、主鎖が直鎖アルキル、分岐アルキル、直鎖又は末端にハロゲン原子及び/又は水酸基を有していてもよい(メタ)アクリレートの総称として、芳香環を有する(メタ)アクリレート(D−6)とは、主鎖又は側鎖に芳香環を有する(メタ)アクリレートの総称として、脂環構造を有する(メタ)アクリレート(D−7)とは、主鎖又は側鎖に、構成単位に酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい脂環構造を有する(メタ)アクリレートの総称として、それぞれ用いる。
本発明の感光性樹脂組成物に併用可能な(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(D−1)としては、例えば、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートの如き単官能(ポリ)エステル(メタ)アクリレート類;ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン又はグリセリン1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトール又はジトリメチロールプロパン1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たテトラオールのモノ、ジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトール1モルに1モル以上のε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たヘキサオールのモノ、又はポリ(メタ)アクリレート;
(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール、(ポリ)ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール等のジオール成分とマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸、セバチン酸、アゼライン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の多塩基酸、及びこれらの無水物との反応物であるポリエステルポリオールの(メタ)アクリレート;前記ジオール成分と多塩基酸及びこれらの無水物とε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等からなる環状ラクトン変性ポリエステルジオールの(メタ)アクリレート等の多官能(ポリ)エステル(メタ)アクリレート類等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の感光性樹脂組成物に併用可能なウレタン(メタ)アクリレート(D−2)は、少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有するヒドロキシ化合物(D−2−イ)とイソシアネート化合物(D−2−ロ)との反応によって得られる(メタ)アクリレートの総称である。
少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有するヒドロキシ化合物(D−2−イ)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなど各種の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物と、上記の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とε−カプロラクトンとの開環反応物などを挙げることができる。
イソシアネート化合物(D−2−ロ)の具体例としては、例えば、P−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、P−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環構造のジイソシアネート類;イソシアネートモノマーの一種類以上のビュレット体又は、上記ジイソシアネート化合物を3量化したイソシアネート体等のポリイソシアネート;上記イソシアネート化合物と前記、ポリオール化合物とのウレタン化反応によって得られるポリイソシアネート等を挙げることができる。
尚、ウレタン(メタ)アクリレートを得る際に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するヒドロキシ化合物(D−2−イ)とイソシアネート化合物(D−2−ロ)との反応において、任意にポリオールを反応させても構わない。
使用できるポリオールとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1、5−ペンタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール等の炭素数1〜10のアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のトリオール、トリシクロデカンジメチロール、ビス−〔ヒドロキシメチル〕−シクロヘキサン等の環状骨格を有するアルコール等;及びこれら多価アルコールと多塩基酸(例えば、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等)との反応によって得られるポリエステルポリオール、多価アルコールとε−カプロラクトンとの反応によって得られるカプロラクトンアルコール、ポリカーボネートポリオール(例えば1,6−ヘキサンジオールとジフェニルカーボネートとの反応によって得られるポリカーボネートジオール等)又はポリエーテルポリオール(例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA等)等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物に併用可能エポキシ(メタ)アクリレート(D−3)は、1官能性以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートの総称である。エポキシ(メタ)アクリレートの原料となるエポキシ樹脂の具体例としては、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、カテコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル等のフェニルジグリシジルエーテル;ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物;水素化ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、水素化2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化合物等の水素化ビスフェノール型エポキシ化合物;臭素化ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール−F型エポキシ樹脂等のハロゲノ化ビスフェノール型エポキシ化合物;シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル化合物等の脂環式ジグリシジルエーテル化合物;1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族ジグリシジルエーテル化合物;ポリサルファイドジグリシジルエーテル等のポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−Aノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物に併用可能な(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(D−4)としては、例えば、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ブチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の単官能(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート類;
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、プロピレングリコールとテトラヒドロフランの共重合体、ポリイソプレングリコール、水添ポリイソプレングリコール、ポリブタジエングリコール、水添ポリブタジェングリコール等の炭化水素系ポリオール類等の多価水酸基化合物と(メタ)アクリル酸から誘導される多官能(メタ)アクリレート類;ネオペンチルグリコール1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテルを付加したジオールのジ(メタ)アクリレート;
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類のアルキレンオキシド変性体のジ(メタ)アクリレート;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールS等の水添ビスフェノール類のアルキレンオキシド変性体ジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパン又はグリセリン1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトール又はジトリメチロールプロパン1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を付加したトリオールのモノ、ジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトール1モルに1モル以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテル化合物を付加したヘキサオールの3乃至6官能(メタ)アクリレート等の多官能(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート類などを挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物に併用可能なアルキル(メタ)アクリレート又はアルキレン(メタ)アクリレート(E−5)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートの炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレート類;
ジオキサングリコールのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート又はトリ(メタ)アクリレート(以下、ジ、トリ、テトラ等の多官能の総称として「ポリ」を用いる。)、グリセリンのモノ(メタ)アクリレート又はポリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのモノ又はポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート等のトリオール、テトラオール、ヘキサオール等の多価アルコールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル類;などを挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物に併用可能な芳香環を有する(メタ)アクリレート(D−6)としては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の感光性樹脂組成物に併用可能な脂環構造を有する(メタ)アクリレート(D−7)としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する単官能(メタ)アクリレート類;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の水添ビスフェノール類のジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等の環状構造を持つ多官能性(メタ)アクリレート類;テトラフルフリル(メタ)アクリレート等の構造中に酸素原子等を有する脂環式(メタ)アクリレート、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の感光性樹脂組成物に併用可能な(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、上記した化合物の他に、例えば、(メタ)アクリル酸ポリマーとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応物又はグリシジル(メタ)アクリレートポリマーと(メタ)アクリル酸との反応物等のポリ(メタ)アクリルポリマー(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;トリス(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート等のイソシアヌル(メタ)アクリレート;ポリシロキサン骨格を有する(メタ)アクリレート;ポリブタジェン(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート等も使用可能である。
また、本発明の感光性樹脂組成物に併用可能なマレイミド基含有化合物(D−8)としては、例えば、N−n−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、2−マレイミドエチル−エチルカーボネート、2−マレイミドエチル−プロピルカーボネート、N−エチル−(2−マレイミドエチル)カーバメート等の単官能脂肪族マレイミド類;N−シクロヘキシルマレイミド等の脂環式単官能マレイミド類;N、N−ヘキサメチレンビスマレイミド、ポリプロピレングリコール−ビス(3−マレイミドプロピル)エーテル、ビス(2−マレイミドエチル)カーボネート等の脂肪族ビスマレイミド類;1,4−ジマレイミドシクロヘキサン、イソホロンビスウレタンビス(N−エチルマレイミド)等の脂環式ビスマレイミド;マレイミド酢酸とポリテトラメチレングリコールとをエステル化して得られるマレイミド化合物、マレイミドカプロン酸とペンタエリスリトールのテトラエチレンオキサイド付加物とのエステル化によるマレイミド化合物等のカルボキシマレイミド誘導体と種々の(ポリ)オールとをエステル化して得られる(ポリ)エステル(ポリ)マレイミド化合物、芳香族マレイミド化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の感光性樹脂組成物に併用可能な(メタ)アクリルアミド化合物(D−9)としては、例えば、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等の単官能性(メタ)アクリルアミド類;メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能(メタ)アクリルアミド類などを挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物に併用可能な不飽和ポリエステル(D−10)としては、例えば、ジメチルマレート、ジエチルマレート等のフマル酸エステル類;マレイン酸、フマル酸等の多価不飽和カルボン酸と多価アルコールとのエステル化反応物を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物に併用可能な重合性化合物(D)は、用途に応じて適宜好ましい材料を選定できるが、硬化膜強度を向上させる上で、ウレタン(メタ)アクリレート(D−2)やアルキル(メタ)アクリレート又はアルキレン(メタ)アクリレート(D−5)を併用するのが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、前記(C)及び(D)成分の割合としては、特に制限がないが、(C)成分100重量%に対して、(D)成分を10〜2000重量%を含有するのが好ましく、20〜1000重量%を含有するのが特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる光重合開始剤(E)の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、4,4'−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等が挙げられる。これらの添加割合としては、感光性樹脂組成物の固形分を100重量%としたとき、通常0.01〜30重量%、好ましくは、0.1〜25重量%である。
これらは、単独または2種以上の混合物として使用でき、さらにはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等の安息香酸誘導体等の促進剤などと組み合わせて使用することができる。これらの促進剤の添加量としては、光重合開始剤(E)に対して、100重量%以下となる量を必要に応じて添加する。
更に、本発明の感光性樹脂組成物は、用途に応じて、非反応性化合物、無機充填剤、有機充填剤、シランカップリング剤、粘着付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料、染料等を適宜使用することができる。
前記、非反応性化合物の具体例としては、反応性の低い、或いは反応性の無い液状若しくは固体状のオリゴマーや樹脂であり、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、エポキシ樹脂、液状ポリブタジェン、ジシクロペンタジェン誘導体、飽和ポリエステルオリゴマー、キシレン樹脂、ポリウレタンポリマー、ケトン樹脂、ジアリルフタレートポリマー(ダップ樹脂)、石油樹脂、ロジン樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコン系オリゴマー、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、グリコールエステル類、クエン酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、脂肪酸エステル類、エポキシ系可塑剤、ヒマシ油類、テルペン系水素添加樹脂ポリイソプレン骨格、ポリブタジエン骨格又はキシレン骨格を有するオリゴマー又はポリマー及びそのエステル化物、ブタジエンホモポリマー、エポキシ変性ポリブタジエン、ブタジエン−スチレンランダムコポリマー、ポリブテン、等の柔軟化剤などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。かかる成分の紫外線硬化型樹脂組成物中における重量割合は、通常10〜80重量%、好ましくは10〜70重量%である。
前記、無機充填剤としては、例えば、二酸化珪素、酸化珪素、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、タルク、カオリンクレー、焼成クレー、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、水酸アルミニウム、酸化アルミニウム、ガラス、雲母、硫酸バリウム、アルミナホワイト、ゼオライト、シリカバルーン、ガラスバルーン、等を挙げることができる。これらの無機充填剤には、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤などを添加、反応させるなどの方法により、ハロゲン基、エポキシ基、水酸基、チオール基の官能基を持たせることもできる。
前記、有機充填剤としては、例えば、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリオレフィン樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリスチレン、アクリル共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、フッ素樹脂、ナイロン12、ナイロン6/66、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などを挙げることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトレメトキシシラン又はγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等のチタネート系カップリング剤;アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤;アセチルアセトン・ジルコニウム錯体等のジルコニウム系カップリング剤、などを挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物に使用可能な粘着付与剤、消泡剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、顔料及び染料は、公知慣用のものであれば如何なるものも、その硬化性、樹脂特性を損なわない範囲で、特に制限無く使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物を得るには、上記した各成分を混合すればよく、混合の順序や方法は特に限定されない。
各種添加剤の組成物中に存在する場合、各種添加剤の光硬化型透明接着剤組成物中における重量割合は、0.01〜3重量%、好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.02〜0.5重量%である。
本発明の感光性樹脂組成物は、実質的には溶剤を必要としないが、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素など、その他の一般によく用いられる有機溶剤によって本発明の感光性樹脂組成物を希釈して使用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物は、180〜500nmの波長の紫外線又は可視光線を照射することによって重合させることができる。又、紫外線以外のエネルギー線の照射によって、あるいは、熱によっても硬化させることができる。
波長180〜500nmの紫外線又は可視光線の光発生源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀−キセノンランプ、エキシマーランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、エキシマーレーザー、太陽光を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、柔軟性に優れ、耐候性、耐光性が高く、透明性の維持が必要である光学用途以外にも、インキ、プラスチック塗料、紙印刷、金属コーティング、家具の塗装など種々のコーティング分野、ライニング、接着剤、更にはエレクトロニクス分野における絶縁ワニス、絶縁シート、積層板、プリント基板、レジストインキ、半導体封止剤などの多くの分野に有用である。更に具体的な用途としては、平凸版インキ、フレキソインキ、グラビアインキ、スクリーンインキなどのインキ分野、ツヤニス分野、紙塗工剤分野、木工用塗料分野、飲料缶用塗工剤又は印刷インキ分野、軟包装フィルム塗工剤、印刷インキ又は粘着剤、感熱紙、感熱フィルム用塗工剤、印刷インキ、接着剤、粘着剤又は光ファイバーコート剤、液晶表示装置、有機EL表示装置、タッチパネル型画像表示装置等の表示装置のエアギャップ充填剤(表示装置と表面板とのギャップの充填剤)などの用途に有用である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
実施例1(C−1)
撹拌装置、還流冷却管、温度計を備えたガラス製四つ口フラスコに、アセタール骨格含有アルコール化合物(A)として下記式(2)の化合物(三菱ガス化学(株)製、HPA−NPG−acetal)188.3g、エチレン性不飽和基含有化合物(B)としてアクリル酸を86.5g、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸一水和物を2.0g、重合禁止剤としてハイドロキノン0.9g、溶媒としてトルエンを650g仕込み、還流脱水縮合を生成水が流出しなくなるまで行った。得られた反応溶液を20%水酸化ナトリウム水溶液で中和洗浄し、有機層を水で洗浄し、得られた有機層をエバポレータにて減圧留去することで下記式(3)が主成分である本発明の重合性化合物(C−1)を210g得た。得られた(C−1)の粘度は30mPa・sであり、液屈折率(25℃をアッベ屈折率計(DR−M2:(株)アタゴ製)にて測定したところ、1.452であった。得られた化合物のNMRスペクトルは以下図1のようになった。
実施例2(C−2)
撹拌装置、還流冷却管、温度計を備えたガラス製四つ口フラスコに、アセタール骨格含有アルコール化合物(A)として上記式(2)の化合物を188.3g、エチレン性不飽和基含有化合物(B)として2−イソシアナトエチルメタクリレート(カレンズMOI、昭和電工(株)製)を155.2g、重合禁止剤として4−メトキシフェノールを1.0g、溶媒としてトルエンを250g仕込み、還流下で20時間反応させ赤外吸収スペクトル(IR)測定によりイソシアネート基由来のピークが消失したことを確認した。得られた反応溶液を3回水洗し、濃縮することで下記式(4)が主成分である本発明の重合性化合物(C−2)を300g得た。得られた(C−2)は淡黄色結晶状であり、得られた化合物のNMRスペクトルは以下図2のようになった。
実施例3〜6、比較例1〜2
表1に示す組成で配合した感光性樹脂組成物をバーコーター(No.20)を用いて易接着処理ポリエステルフィルム(東洋紡(株)製:A−4300、膜厚188μm)に塗布し、80℃の乾燥炉中に1分間放置後、空気雰囲気下で120W/cmの高圧水銀灯を用い、ランプ高さ10cmの距離から5m/分の搬送速度で紫外線を照射し、硬化皮膜(10〜15μm)を有するフィルムを得た。
試験例
実施例又は比較例で得られたフィルムにつき、下記項目を評価しその結果を表2に示した。
(鉛筆硬度)
JIS K 5400に従い、鉛筆引っかきを用いて、塗工フィルムの鉛筆硬度を測定した。即ち、測定する硬化皮膜を有するポリエステルフィルム上に、鉛筆を45度の角度で、上から1kgの荷重を掛け5mm程度引っかき、傷の付き具合を確認した。5回測定を行い、傷なしの回数を数える。
評価 5/5:5回中5回とも傷なし
0/5:5回中全て傷発生
(耐擦傷試験)
スチールウール#0000上で200g/cm2の荷重を掛け10往復させ、傷の状況を目視で判断した。
評価 ○:傷無し
×:傷発生
(密着性)
JIS K 5400に従い、フィルムの表面に1mm間隔で縦、横11本の切れ目を入れて100個の碁盤目を作る。セロハンテープ(登録商標)をその表面に密着させた後一気に剥がした時に剥離せず残存したマス目の個数を表示した。
評価 ◎:95個以上
○:80〜94個
△:50〜79個
×:49個以下
R−128H:日本化薬(株)製;フェニルグリシジルエーテルエポキシアクリレート
R−604:日本化薬(株)製;ジオキサングリコールジアクリレート
DPHA:日本化薬(株)製;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとペンタアクリレートの混合物
DPHA−40H:日本化薬(株)製;多官能ウレタンアクリレート
Irg.184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
MEK:2−ブタノン
表1に示した結果から、本発明の重合性化合物(C)を含有する感光性樹脂組成物をコートしたフィルムは、鉛筆硬度や耐擦傷性を維持した上、耐密着性に関して優れている。