JP5229879B2 - (メタ)アクリレート化合物及びそれを含有する樹脂組成物並びにその硬化物 - Google Patents
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Description
(1)下記一般式(1)で表される化合物(A)。
(3)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(a)が2−ヒドロキシエチルアクリレートである前記(1)に記載の化合物(A)、
(4)下記式(3)で表されるフェニルフェノール
(5)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(a)が炭素数2〜6のアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルである前記(4)に記載の化合物(A)の製造法、
(6)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(a)が2−ヒドロキシエチルアクリレートである前記(4)に記載の化合物(A)の製造法、
(7)前記(1)ないし前記(3)のいずれか一項に記載の化合物(A)と化合物(A)以外の重合性化合物(B)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物、
(8)重合性化合物(B)が(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(B−1)、ウレタン(メタ)アクリレート(B−2)、エポキシ(メタ)アクリレート(B−3)、(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(B−4)、アルキル(メタ)アクリレートないしはアルキレン(メタ)アクリレート(B−5)、芳香環を有する(メタ)アクリレート(B−6)及び脂環構造を有する(メタ)アクリレート(B−7)、マレイミド基含有化合物(B−8)、(メタ)アクリルアミド化合物(B−9)、及び不飽和ポリエステル(B−10)からなる群より選ばれる1種以上の化合物である前記(7)に記載の感光性樹脂組成物、
(9)重合性化合物(B)がウレタン(メタ)アクリレート(B−2)、アルキル(メタ)アクリレートないしはアルキレン(メタ)アクリレート(B−5)、及び芳香環を有する(メタ)アクリレート(B−6)からなる群より選ばれる1種以上の化合物である前記(8)に記載の感光性樹脂組成物、
(10)光重合開始剤(C)を含有する前記(7)ないし前記(9)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、
(11)前記(7)ないし前記(10)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物、
(12)前記(11)に記載の硬化物の層を有するフィルム、
に関する。
温度計、冷却管、攪拌器を取り付けたフラスコに塩化シアヌルを92.2g(0.5mol)、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(a)としてHEA(大阪有機化学工業(株)製、2−ヒドロキシエチルアクリレート)を69.7g(0.6mol)、反応溶媒としてトルエンを900ml、ジメチルアセトアミドを100ml仕込んで混合した。次いで脱塩化水素剤として炭酸カリウムを82.9g(0.6mol)加え40℃の反応温度で3時間反応させた。続いて反応溶媒としてトルエンを500ml追加し、下記式(4)の化合物(三光株式会社製、O−PP)を170.2g(1.0mol)仕込んで混合した。次いで脱塩化水素剤として炭酸カリウムを152.0g(1.1mol)加え50℃で4時間反応させた。各ステップとも反応はHPLCにて進行度合いを確認しながら合成した。
合成後、得られた反応液を5%NaOH水溶液で3回洗浄し、次いで洗浄水が中性になるまで水洗を行った。水洗後の溶液をロータリーエバポレーターを用いて減圧下に溶媒を留去し、本発明の化合物(A−1)(下記式(5))を含有する粗生成物を197.5g得た。(A−1)をカラムクロマトグラフィーにて精製した後に以下の実施例にて物性評価を実施した。精製した(A−1)はほぼ無色の淡黄色透明樹脂状であった。
4.28−4.34ppm=4H、5.83ppm=1H、6.08ppm=1H、6.39ppm=1H、7.06ppm=2H、7.26−7.38ppm=16H
温度計、冷却管、攪拌器を取り付けたフラスコに塩化シアヌルを92.2g(0.5mol)、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(a)としてHEAを75.5g(0.65mol)、反応溶媒としてトルエンを900ml、ジメチルアセトアミドを100ml仕込んで混合した。次いで脱塩化水素剤として炭酸カリウムを89.8g(0.65mol)加え40℃の反応温度で3時間反応させた。続いて反応溶媒としてトルエンを500ml追加し、下記式(6)の化合物(三光株式会社製、P−PP)を170.2g(1.0mol)仕込んで混合した。次いで脱塩化水素剤として炭酸カリウムを152.0g(1.1mol)加え50℃で4時間反応させた。各ステップとも反応はHPLCにて進行度合いを確認しながら合成した。
合成後、得られた反応液を5%NaOH水溶液で3回洗浄し、次いで洗浄水が中性になるまで水洗を行った。水洗後の溶液をロータリーエバポレーターを用いて減圧下に溶媒を留去し、本発明の化合物(A−2)(下記式(7))を含有する粗生成物を198.2g得た。(A−2)をカラムクロマトグラフィーにて精製した後に以下の実施例にて物性評価を実施した。精製した(A−2)は白色結晶状であった。
4.52−4.58ppm=4H、5.96ppm=1H、6.20ppm=1H、6.35ppm=1H、7.32−7.77ppm=18H
温度計、冷却官、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら上記式(4)の化合物(O−PP 三光株式会社製)170g、エピクロルヒドリン370g、メタノール74gを仕込み溶解させた。更に70℃に加熱しフレーク状水酸化ナトリウム41gを90分かけて分割添加し、その後、更に70℃で60分間反応させた。反応終了後、水200gで二回洗浄を行い生成した塩などを除去した後、加熱減圧下(〜70℃、−0.08MPa〜−0.09MPa)、撹拌しながら、3時間で、過剰のエピクロルヒドリン等を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン450gを加え溶解し、70℃にまで昇温した。攪拌下で10重量%の水酸化ナトリウム水溶液10gを加え、1時間反応を行った後、洗浄水が中性になるまで水洗を行った。水洗後の溶液をロータリーエバポレーターを用いて減圧下にメチルイソブチルケトン等を留去し、目的とするエポキシ樹脂217gを得た。得られたエポキシ樹脂はエポキシ当量が233g/eq.で、常温で液状であった。
攪拌装置、還流管をつけた1Lフラスコ中に、比較合成例で得られたエポキシ樹脂を139.8g(0.6eq.)、熱重合禁止剤として、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを0.55g、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸化合物(b)としてアクリル酸を43.3g(0.6eq.)、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを0.55g仕込み、98℃で30時間反応させ、酸価を測定したところ2.4mg・KOH/gであり反応を終了とした。この工程により透明淡黄色樹脂状の化合物(H−1)180gを得た。
温度計、冷却管、攪拌器を取り付けたフラスコに塩化シアヌルを92.2g(0.5mol)、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(a)としてHEAを191.6g(1.65mol)、反応溶媒としてトルエンを750ml仕込んで混合した。次いで脱塩化水素剤として炭酸カリウムを276.4g(2.0mol)加えた。系はすぐ発熱する為、80℃以下となるよう冷却しながら1時間攪拌した。続いて反応温度90℃で12時間反応させ、反応温度を60℃に冷却し、トリエチルアミン25.3g(0.25mol)を添加し、6時間反応させた。
合成後、得られた反応液を水洗、1%HCl水溶液で洗浄し、次いで洗浄水が中性になるまで水洗を行った。水洗後の溶液をロータリーエバポレーターにて減圧下に溶媒を留去し、化合物(H−2)158.8gを得た。
(A−1) (A−2) (H−1) (H−2)
液屈折率 1.592 1.610 1.580 1.511
測定装置:多波長アッベ屈折計DR−M2 株式会社アタゴ製
測定波長:589nm(D線)
実施例で合成した化合物(A−1、A−2)及び比較例1で得られた化合物(H−1)、比較例2で得られた化合物(H−2)を表2に示す組成で配合した感光性樹脂組成物をバーコーター(No.20)にて易接着処理ポリエステルフィルム(東洋紡(株)製:A−4300、膜厚188μm)に塗布し、80℃の乾燥炉中に1分間放置後、空気雰囲気下で120W/cmの高圧水銀灯を用い、ランプ高さ10cmの距離から5m/分の搬送速度で紫外線を照射し、硬化皮膜(10〜15μm)を有するフィルムを得た。
配合量(g)
実施例 比較例
3 4 5 6 7 3 4 5
(A−1) 5 5 10
(A−2) 5 10
(H−1) 5 10
(H−2) 5
OPP−1 *1 10 10 10 10 10 10 10 10
DPHA−40H *2 35 30 35 30 30 35
PET−30 *3 35 35
Irg.184 *4 3 3 3 3 3 3 3 3
MEK *5 50 50 50 50 50 50 50 50
*2:DPHA:日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA−40H(多官能ウレタンアクリレート):(B−2)
*3:PET−30:日本化薬(株)製、KAYARAD PET−30(ペンタエリスリトールトリアクリレート/ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物):(B−5)
*4:Irg.184(イルガキュアー184):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)
*5:MEK:2−ブタノン
実施例3〜7又は比較例3〜5で得られたフィルムにつき、下記項目の評価結果を表3に示した。
JIS K 5400に従い、鉛筆引っかきを用いて、塗工フィルムの鉛筆硬度を測定した。即ち、測定する硬化皮膜を有するポリエステルフィルム上に、鉛筆を45度の角度で、上から1kgの荷重を掛け5mm程度引っかき、傷の付き具合を確認した。5回測定を行い、傷なしの回数を数える。
評価 5/5:5回中5回とも傷なし
0/5:5回中全て傷発生
スチールウール#0000上で200g/cm2の荷重を掛け10往復させ、傷の状況を目視で判断した。
評価 5:傷の発生が全く観察されなかった
評価 4:1〜5本の傷の発生が観察された
評価 3:6〜50本の傷の発生が観察された
評価 2:51〜100本の傷の発生が観察された
評価 1:塗膜剥離が観察された
JIS K 5400に従い、フィルムの表面に1mm間隔で縦、横11本の切れ目を入れて100個の碁盤目を作った。セロハンテープをその表面に密着させた後一気に剥がした時に剥離せず残存したマス目の個数を表示した。
測定する硬化皮膜を有するポリエステルフィルムを5cm×5cmにカットし、80℃の乾燥炉に1時間放置した後、室温まで戻した。水平な台上で浮き上がった4辺それぞれの高さを測定し、平均値を測定値(単位:mm)とした。この時、基材自身のカールは0mmであった。
表面のクラック、白化、曇り等の状態を目視にて判断した。
評価 ○:良好
△:微少クラック発生
×:著しいクラック発生
鉛筆硬度2H 擦傷性 密着性 カール 外観
実施例3 5/5 5 100 7 ○
実施例4 5/5 5 100 8 ○
実施例5 5/5 5 100 6 ○
実施例6 5/5 5 100 6 ○
実施例7 5/5 5 100 5 ○
比較例3 1/5 3 87 8 ○
比較例4 2/5 3 90 6 ○
比較例5 5/5 5 100 10 ○
Claims (12)
- ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(a)が炭素数2〜6のアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルである請求項1に記載の化合物(A)。
- ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(a)が2−ヒドロキシエチルアクリレートである請求項1に記載の化合物(A)。
- ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(a)が炭素数2〜6のアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステルである請求項4に記載の化合物(A)の製造法。
- ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル(a)が2−ヒドロキシエチルアクリレートである請求項4に記載の化合物(A)の製造法。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の化合物(A)と化合物(A)以外の重合性化合物(B)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
- 重合性化合物(B)が(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(B−1)、ウレタン(メタ)アクリレート(B−2)、エポキシ(メタ)アクリレート(B−3)、(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(B−4)、アルキル(メタ)アクリレートないしはアルキレン(メタ)アクリレート(B−5)、芳香環を有する(メタ)アクリレート(B−6)及び脂環構造を有する(メタ)アクリレート(B−7)、マレイミド基含有化合物(B−8)、(メタ)アクリルアミド化合物(B−9)、及び不飽和ポリエステル(B−10)からなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項7に記載の感光性樹脂組成物。
- 重合性化合物(B)がウレタン(メタ)アクリレート(B−2)、アルキル(メタ)アクリレートないしはアルキレン(メタ)アクリレート(B−5)、及び芳香環を有する(メタ)アクリレート(B−6)からなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項8に記載の感光性樹脂組成物。
- 光重合開始剤(C)を含有する請求項7ないし請求項9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項7ないし請求項10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
- 請求項11に記載の硬化物の層を有するフィルム。
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