JP5012927B2 - トルク変動吸収装置 - Google Patents

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本発明は、駆動源と変速機との間に配設され、駆動源と変速機との間に生じるトルク変動を吸収するトルク変動吸収装置に関し、特に、リミットトルク値の変化を低減させることができるトルク変動吸収装置に関する。
内燃機関や電動モータ等の駆動源と変速機との間のトルク変動を吸収するトルク変動吸収装置がある。従来のトルク変動吸収装置は、駆動源の駆動軸に固定されるフライホイールの駆動トルクの変動を吸収するダンパ機構と、ダンパ機構とフライホイールとの間の変動トルクが所定値(リミットトルク値)に達するとフライホイールから入力軸への動力伝達を制限するリミッタ部と、を有する。
ダンパ機構は、変速機の入力軸に連結されており、外周に固定されたディスクの両面に摩擦材を有する。リミッタ部は、ダンパ機構の摩擦材とフライホイールとが直接的又は(摩擦面プレートを介して)間接的に摩擦係合している。
リミッタ部がすべりを開始するリミットトルク値は、その作動の回数により経時変化するため、以下のような問題点がある。すなわち、リミットトルク値が大幅に増大した場合には、過大なトルクが変速機に入力されることになり、変速機へ過度の負担がかかるおそれがある。一方、リミットトルク値が大幅に低下した場合には、正常な伝達トルク以下ですべることになり、十分なトルク伝達が不能となり車両等の加速の低下に繋がるおそれがある。
以上のような問題点の原因が摩擦材の摩耗粉であることに着目し、発生した摩耗紛を遠心力により外部雰囲気中に排出できるように、リミッタ部の摩擦材に内周側から外周側へと連通するスリットを形成したトルク変動吸収装置が提案されている(特許文献1参照)。このようなスリットを設けることにより、リミットトルク値の安定化を図ることができるというものである。
特開2003−194095号公報(図2)
しかしながら、従来のトルク変動吸収装置では、リミッタ部における摩擦材の摩擦面の当り具合に対する改良が不十分であり、リミットトルク値の安定化が不十分であった。
本発明の目的は、リミットトルク値の変化(特に経時変化)を低減させることができるトルク変動吸収装置を提供することである。
本発明の第1の視点は、駆動源からの駆動力が伝達される第1回転部材と、変速機の入力軸に連結されるとともに、外周に固定されたディスクの両面に略環状の摩擦材を有するダンパ機構と、前記摩擦材と前記第1回転部材とが直接的又は、摩擦面プレートを介して間接的に摩擦係合するリミッタ部と、を備えるトルク変動吸収装置において、前記摩擦材は、その摩擦面側に該摩擦材の全表面積に対し20%以上かつ80%以下の摩擦しない部分を有し、
前記摩擦材は補強材を有しており、前記摩擦材の断面から見て摩擦面の端部近傍では、該摩擦面の中央部近傍よりも前記補強材の出現が少ないことを特徴とする。
本発明の第2の視点は、駆動源からの駆動力が伝達される第1回転部材と、変速機の入力軸に連結されるとともに、外周に固定されたディスクの両面に略環状の摩擦材を有するダンパ機構と、前記摩擦材と前記第1回転部材とが直接的又は、摩擦面プレートを介して間接的に摩擦係合するリミッタ部と、を備えるトルク変動吸収装置において、前記摩擦材は、複数のブロック状の摩擦材により構成されるとともに、前記ディスクにおける前記摩擦材を配設することが可能な領域のうち該領域の全表面積に対する20%以上かつ80%以下の領域が摩擦面となるように配設され
前記摩擦材は補強材を有しており、前記摩擦材の断面から見て摩擦面の端部近傍では、該摩擦面の中央部近傍よりも前記補強材の出現が少ないことを特徴とする。
また、本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記摩擦材を配設することが可能な領域のうち前記摩擦材が配設されていない領域は、内周側から外周側へと連通することが好ましい。
また、本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記ブロック状の前記摩擦材は、摩擦面側に摩擦しない部分を有することが好ましい。
また、本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記ブロック状の前記摩擦材の前記摩擦しない部分は、内周側から外周側へと連通することが好ましい。
また、本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記摩擦材は、前記ディスクに接着されることが好ましい。
また、本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記摩擦材は突起部を有し、前記ディスクは前記摩擦材の突起部と嵌合する凹部を有することが好ましい。
また、本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記摩擦材は、弾性力を有する材質よりなることが好ましい。
また、本発明の前記トルク変動吸収装置において、前記摩擦材と摩擦係合する前記摩擦面プレート側の摩擦面、及び前記摩擦材の摩擦面の一方又は両方が表面粗化処理されていることが好ましい。
本発明によれば、摩擦面の当り具合を良くすることが可能となりリミットトルク値の変化を抑えることができる。
また、本発明によれば、摩擦材の断面から見て摩擦面の端部近傍で該摩擦面の中央部近傍よりも前記補強材の出現が少ないように摩擦材を成型することにより、補強材のエッジが摩擦面プレートを傷つけるのを防ぐことができるので、相手摩擦面の表面粗さの変化が少なくなり、その結果、リミットトルク値の安定化を達成できる。
また、本発明によれば、摩擦材に弾性力を有する材質を用いることにより、摩擦面の当り具合を略均一にすることが可能となり、リミットトルク値の安定化を達成できる。
さらに、本発明によれば、摩擦材及び摩擦面プレートの一方又は両方の摩擦面を表面粗化処理(例えば、ショットピーニング、ボンデ処理等)を施すことにより、摩擦面が粗くなり、初期の摩擦係数のみを上昇させることが可能となる。したがって、経時的に上昇する特性である摩擦係数にとって初期の摩擦係数のみが上昇すれば、摩擦係数の変化率は低下することになり、リミットトルク値の安定化を達成できる。
本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置の構成を模式的に示した一部切欠平面図である。 本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置の構成を模式的に示したA−A´間の断面図である。 本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置のリミッタ部におけるディスク及び摩擦材の構成を模式的に示した(A)部分平面図及び(B)部分拡大断面図である。 本発明の実施形態2に係るトルク変動吸収装置のリミッタ部におけるディスク及び摩擦材の構成を模式的に示した第1の(A)部分平面図及び(B)部分拡大断面図である。 本発明の実施形態2に係るトルク変動吸収装置のリミッタ部におけるディスク及び摩擦材の構成を模式的に示した第2の(A)部分平面図及び(B)部分拡大断面図である。 本発明の実施形態3に係るトルク変動吸収装置のリミッタ部におけるディスク及び摩擦材の構成を模式的に示した(A)部分平面図及び(B)部分拡大断面図である。 本発明の実施形態4に係るトルク変動吸収装置のリミッタ部におけるディスク及び摩擦材の構成を模式的に示した(A)部分平面図及び(B)部分拡大断面図である。 本発明によるトルク変動吸収装置の摩擦材の幅を変化させた場合の耐久試験でのトルク変動の経時変化を示した図である。 本発明によるトルク変動吸収装置の摩擦材の幅と耐久試験後のリミットトルク値の関係を示した図である。 本発明によるトルク変動吸収装置の摩擦材の溝の割合を変化させた場合の耐久試験でのトルク変動の経時変化を示した図である。 本発明によるトルク変動吸収装置の摩擦材の溝の割合と耐久試験後のリミットトルク値の関係を示した図である。
本発明の実施形態1について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置の構成を模式的に示した一部切欠平面図である。図2は、本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置の構成を模式的に示したA−A´間の断面図である。図3は、本発明の実施形態1に係るトルク変動吸収装置のリミッタ部におけるディスク及び摩擦材の構成を模式的に示した(A)部分平面図及び(B)部分拡大断面図である。ここでのトルク変動吸収装置は、自動車のエンジンと変速機との間に配設されるものについて説明する。
トルク変動吸収装置1は、保持プレート10と、ダンパ機構20と、リミッタ部30と、を有する。保持プレート10は、駆動源であるエンジンからの駆動力をダンパ機構20側に伝達する回転部材である。また、保持プレート10には、摩擦材26から発生した摩耗紛を遠心力により外部雰囲気中に排出するための穴や溝(図示せず)を形成してもよい。ダンパ機構20は、駆動源の駆動軸に固定される保持プレート10の駆動トルクの変動を吸収する。リミッタ部30は、ダンパ機構20と保持プレート10との間の変動トルクが所定値(リミットトルク値)に達すると保持プレート10から入力軸への動力伝達を制限する(図2参照)。
ダンパ機構20は、ハブ21と、サイドプレート22と、スラスト部材23と、ダンパ部材24と、ディスク25と、摩擦材26と、リベット27と、を有する。ハブ21は、径方向に延在するフランジ部21aを有し(図2参照)、変速機の入力軸(図示せず)の外周面に形成された外スプラインと連結される内スプラインを備えたスプライン部21bを有する(図2参照)。フランジ部21aとスプライン部21bとは一体的に構成されている。ハブ21には、フランジ部21aの径方向外側に切欠いてなる切欠部21cがあり(図1参照)、この切欠部21cはスプリングシート24aの外周面側がフランジ部21aの外周面よりも径方向外側に位置するように構成されている。
サイドプレート22は、ハブ21のフランジ部21aの両面にハブ21と同軸かつ相対回転可能に配設されている。サイドプレート22は、ハブ21の軸方向両側に配設される第1サイドプレート22Aと第2サイドプレート22Bとにより構成されている(図2参照)。サイドプレート22A、22Bにはダンパ部材24の外周側を連結するための窓孔22cを有する。第1サイドプレート22A、22Bは、それぞれ外周側でリベット27によってディスク25と連結するための貫通孔を有する。サイドプレート22には、ダンパ部材24を収容するための窓穴22cがある(図1参照)。
スラスト部材23は、ハブ21とサイドプレート22の接触面の間に介設されている略環状の部材であり、スラスト部材23は、ハブ21と第1サイドプレート22Aの接触面の間に介設されている第1スラスト部材23Aと、クラッチハブ21と第2サイドプレート22Bの接触面の間に介設されている第2スラスト部材23Bと、皿バネ23cと、から構成されており、クラッチハブ21のフランジ部21aとサイドプレート22の間にヒステリシスを発生させる。なお、皿バネ23cは、他の付勢手段であってもよい。
ダンパ部材24は、コイルスプリングであり、クラッチハブ21とサイドプレート22の対向する位置にそれぞれ形成される切欠部21c及び窓孔22c内に収容されており、ここでは4個(2個の場合もある)のダンパ部材24を用いている。各ダンパ部材24は、一対のスプリングシート24a及び24bとで支持されながらこれら切欠部21c及び窓孔22c内に収容されている(図1参照)。
ディスク25は、略環状のディスクであり、サイドプレート22の外周よりも外側に延在する。ディスク25の内周近傍は、両外側からサイドプレート22で挟持されており、サイドプレート22と連結するための貫通孔を有する。ディスク25の軸方向両側には、略環状の摩擦材26が固定されている。
摩擦材26は、ディスク25の両面に接着剤などにより接着されている。摩擦材26の摩擦面は、第1摩擦面プレート31と第2摩擦面プレート32によって挟持されている(図2参照)。摩擦材26の径方向の幅は、摩擦面の当り具合を良くするため、該摩擦材26の外周の直径の1〜6%(図2において、B/D(%))であり、好ましくは2〜6%であり、より好ましくは3〜6%である。
また、摩擦材26とディスク25との接着力を増強するために、摩擦材26が突起部26dを有し、ディスク25が摩擦材26の突起部26dと嵌合する凹部又は孔を有することが好ましい(実施形態2〜4に適用することも可能)。また、摩擦材26には、摩擦材26から発生した摩耗紛を遠心力により外部雰囲気中に排出するための溝(内周側と外周側とを連通するスリット;図示せず)を形成してもよい。さらに、摩擦材26は、その摩擦面の当り具合を略均一にするため、弾性力を有する材質を用いることが好ましい。
リベット27は、ディスク25の貫通孔とサイドプレート22の貫通孔に挿通し、ディスク25とサイドプレート22を連結する。
リミッタ部30は、第1摩擦面プレート31と、第2摩擦面プレート32と、皿バネ33と、リベット34と、を有する。リミッタ部30は、ダンパ機構20の摩擦材26を含めて解釈する場合がある。第1摩擦面プレート31は、保持プレート10に固定されており、保持プレート10の反対側からダンパ機構20の摩擦材26と摩擦係合するプレートである。また、第1摩擦面プレート31には、摩擦材26から発生した摩耗紛を遠心力により外部雰囲気中に排出するための穴や溝(図示せず)を形成してもよい。第2摩擦面プレート32は、保持プレート10側からダンパ機構20の摩擦材26と摩擦係合するプレートである。皿バネ33は、保持プレート10と第2摩擦面プレート32の間に介在し、保持プレート10から離間する方向に第2摩擦面プレート32を付勢する。この付勢によって、ダンパ機構20の摩擦材26が第1摩擦面プレート31と第2摩擦面プレート32によって挟持され、保持プレート10とダンパ機構20が摩擦係合状態になる。リベット34は、保持プレート10と第1摩擦面プレート31とを固定する。
なお、実施形態1では、第1摩擦面プレート31と第2摩擦面プレート32との間に摩擦材26が狭持されるように構成したが、これ以外に、保持プレート10の一部と第2摩擦面プレート32の間に摩擦材を配設して、変動トルクが所定値(リミットトルク値)に達すると保持プレート10に対して摩擦材が滑るように構成することも可能である。
以上のように構成されるトルク変動吸収装置1の動作について説明する。エンジンが駆動した場合、保持プレート10が駆動軸の駆動に伴って回転する。変動トルクが所定値(リミットトルク値)より小さい範囲内においては、リミッタ部30を介してダンパ機構20のディスク25とサイドプレート22に回転トルクが伝達され、ダンパ機構20が回転する。サイドプレート22の回転トルクはダンパ部材24、スラスト部材23を介してフランジ部21aからハブ21に伝達され、変動トルクに応じてダンパ部材24が弾縮しながらハブ21が回転する。このように、ダンパ機構20を介して入力軸に駆動軸の駆動力が伝達される。
上記の状態からエンジンの駆動トルクが大きくなり、保持プレート10とハブ21との間の変動トルクが所定値(リミットトルク値)に達すると(変動トルクが第1摩擦面プレート31と第2摩擦面プレート32との間での摩擦材26の回転方向の保持トルクに達するときに相当)、摩擦材26が滑り出し、サイドプレート22とハブ21との間では所定値(リミットトルク値)以上の変動トルクを伝達しなくなる。
次に本実形態1による効果を説明する。図8のグラフは本発明によるトルク変動吸収装置の耐久試験の結果を示しており、試験条件として、エンジンの始動、停止を繰り返すことで、トルク変動吸収装置にトルク変動を所定回数入力した結果である。グラフの縦軸は、使用開始時の初期リミットトルク値を0%としたときの、リミットトルク値の増加を割合で表しており、横軸は、所定回数のトルク変動を入力し続けた時間経過を示しており、その所定回数は、実際の車両が例えば数10万Km走行した際のトルク変動の回数に基づいて設定される。グラフ中の破線は、比較例として示したもので、摩擦材26の幅(図2において、B/D(%))を15%、30%に設定したトルク変動吸収装置のリミットトルク値の経時変化を示しており、試験開始初期では、リミットトルク値が急に増加したのち、時間が経過するにつれ、リミットトルク値は使用開始時に比べて約50%増加をして安定する。これは、トルク変動吸収装置の伝達可能なトルクの上限が、初期の値の1.5倍に増加してしまいエンジンからの過大なトルク変動が変速機に入力されていまい、変速機に負荷がかかる虞があることを示している。グラフ中の2本の実線は、本発明で限定されるように、摩擦材26の幅(図2において、B/D(%))を1%、6%に設定したトルク変動吸収装置のリミットトルク値の経時変化を示しており、使用時間が経過するにつれ、リミットトルク値が使用開始時に比べて約30%までしか増加せず、リミットトルク値の経時変化率(増加率)を抑制できることが分る。図9は、様々な摩擦材の幅(図2において、B/D(%))に対応するリミットトルク値の変化率を表しており、図8において初期のトルクリミット値から、トルク変動がある程度の回数入力され、急な増加が終了した後の安定したトルクリミット値への増加率を示したグラフである。
本発明に限定される摩擦材の幅が1%〜6%では、リミットトルク値の増加は30%以下であるが、摩擦材の幅が10%を超えるとリミットトルク値の増加が50%以上になってしまう。
したがって、摩擦材26の径方向の幅を該摩擦材26の外周の直径の1〜6%(図2において、B/D(%))に設定することで摩擦面の当り具合を良くすることが可能となりリミットトルク値の変化を抑えることができる。
次に、本発明の実施形態2について図面を用いて説明する。図4及び図5は、本発明の実施形態2に係るトルク変動吸収装置のリミッタ部におけるディスク及び摩擦材の構成を模式的に示した(A)部分平面図及び(B)部分拡大断面図である。
実施形態2に係るトルク変動吸収装置は、実施形態1に係るトルク変動吸収装置におけるダンパ機構のディスク上に固定された摩擦材の構成が異なる。摩擦材以外の構成については、実施形態2に係るトルク変動吸収装置と実施形態1に係るトルク変動吸収装置とは同様である。
摩擦材26は、摩擦面の当り具合を良くするため、その摩擦面側に該摩擦材の全表面積に対し20%〜80%の摩擦しない部分(溝26a)を有し、好ましくは30%〜70%の摩擦しない部分であり、より好ましくは40%〜60%の摩擦しない部分である。摩擦しない部分は、例えば、溝、凹部とすることができる。また、摩擦しない部分(溝26a)は、摩擦材26から発生した摩耗紛を遠心力により外部雰囲気中に排出するため、内周側から外周側へと連通することが好ましい。摩擦材26は、ディスク25の両面に接着剤などにより接着されている。また、摩擦材26とディスク25との接着力を増強するために、ディスク25は貫通した孔を有し、摩擦材26はディスク25の両面に配された摩擦材26を互いにディスク25の当該孔を通じて一体に繋げるための架橋部26eを有することが好ましい(実施形態1、3及び4に適用することも可能)。さらに、摩擦材26は、その摩擦面の当り具合を略均一にするため、弾性力を有する材質を用いることが好ましい。
また、本実施形態2による効果を説明する。図10のグラフは本発明によるトルク変動吸収装置の耐久試験の結果を示しており、試験条件として、エンジンの始動、停止を繰り返すことで、トルク変動吸収装置にトルク変動を所定回数入力した結果である。グラフの縦軸は、使用開始時の初期リミットトルク値を0%としたときの、リミットトルク値の増加を割合で表しており、横軸は、所定回数のトルク変動を入力し続けた時間経過を示しており、その所定回数は、実際の車両が例えば数10万Km走行した際のトルク変動の回数に基づいて設定される。グラフ中の2本の破線は、比較例として示したもので、摩擦材26の両表面の摩擦面積に対して、それぞれ溝26aが15%、90%の面積割合に設定されたトルク変動吸収装置のリミットトルク値の経時変化を示している。第1摩擦面プレート31および第2摩擦面プレート32に対しての非接触部である溝26aの面積が15%の摩擦材では、使用時間とともにリミットトルクの値が急に増加したのち、約60%に増加し、溝26aの面積が90%設けられた摩擦材では、使用時間とともにリミットトルクの値が30%に増加したのち(図10中、点P)、急激に減少し−35%になった。(図10中、点Q)この急激な減少は、溝26aの面積が90%設けられると摩擦材26の摩擦面が少なくなり過ぎて、摩擦材自体の急な摩耗が進むことに起因している。
一方、グラフ中、実線で示される溝26aの面積が20%、80%に設定された摩擦材では、使用時間とともにリミットトルク値の増加の割合が30%に抑制された。
図11は、様々な溝の面積の割合に対応するリミットトルク値の変化率を表しており、図10において初期のトルクリミット値から、トルク変動がある程度の回数入力され、急な増加が終了した後の安定したトルクリミット値への増加率を示したグラフである。
摩擦材26に設ける溝26aの面積はその片側一面において表面積の20%以上80%以下であると、トルクリミット値の増加が30%ほどに抑制される。これは、溝26aの割合がこの範囲であると、摩擦により発生した異物となる摩擦材の摩耗粉が溝26aにより効率的に排出されて、リミットトルク値が安定すると考えられる。なお図11中の点P、Qは、図10中の点P、Qに対応しており、特に点Qの値は、図10における90%設けられた摩擦材のリミットトルクの最大値と最小値の差を示している。
次に、本発明の実施形態3について図面を用いて説明する。図6は、本発明の実施形態3に係るトルク変動吸収装置のリミッタ部におけるディスク及び摩擦材の構成を模式的に示した(A)部分平面図及び(B)部分拡大断面図である。
実施形態3に係るトルク変動吸収装置は、実施形態1に係るトルク変動吸収装置におけるダンパ機構のディスク上に固定された摩擦材の構成が異なる。摩擦材以外の構成については、実施形態2に係るトルク変動吸収装置と実施形態1に係るトルク変動吸収装置とは同様である。
摩擦材26は、摩擦面の当り具合を良くするため、複数のブロック状の摩擦材により構成されている。また、摩擦材26は、ディスク25における摩擦材26を配設することが可能な領域のうち該領域の全表面積に対する20%〜80%の領域が摩擦面となるように配設されており、好ましくは30%〜70%の領域であり、より好ましくは40%〜60%の領域である。隣り合うブロック状の摩擦材26の間は、空所26cとなる。ここで、ディスク25における摩擦材26を配設することが可能な領域とは、ディスク25の両面のうち、サイドプレートと連結されたときにサイドプレートと当接する領域を除く領域をいう。ディスク25における摩擦材26を配設することが可能な領域のうち摩擦材26が配設されていない領域は、摩擦材26から発生した摩耗紛を遠心力により外部雰囲気中に排出するため、内周側から外周側へと連通することが好ましい。なお、図示されていないが、ブロック状の摩擦材26は、さらに摩擦面の当り具合を良くするため、摩擦面側に摩擦しない部分(図4の溝26aと同様なもの)を有することが好ましい。摩擦しない部分は、例えば、溝、凹部とすることができ、摩擦材26から発生した摩耗紛を遠心力により外部雰囲気中に排出するため、内周側から外周側へと連通することが好ましい。また、摩擦材26は、ディスク25の両面に接着剤などにより接着されている。また、摩擦材26とディスク25との接着力を増強するために、摩擦材26が突起部(図3の突起部26dと同様なもの)を有し、ディスク25が摩擦材26の突起部と嵌合する凹部(図示せず)を有することが好ましい。また、ディスク25は貫通した孔を有し、摩擦材26はディスク25の両面に配された摩擦材26を互いにディスク25の当該孔を通じて一体に繋げるための架橋部(図4の架橋部26eと同様なもの)を有することが好ましい。さらに、摩擦材26は、その摩擦面の当り具合を略均一にするため、弾性力を有する材質を用いることが好ましい。
なお、実施例3の効果は、実施例2の効果をしめす図10、図11と同様である。
次に、本発明の実施形態4について図面を用いて説明する。図7は、本発明の実施形態4に係るトルク変動吸収装置のリミッタ部におけるディスク及び摩擦材の構成を模式的に
示した(A)部分平面図及び(B)部分拡大断面図である。
実施形態4に係るトルク変動吸収装置は、実施形態1〜3に係るトルク変動吸収装置におけるダンパ機構のディスク上に固定された摩擦材に補強材26bを有する点で異なる。
摩擦材以外の構成については、実施形態4に係るトルク変動吸収装置と実施形態1〜3に係るトルク変動吸収装置とは同様である。摩擦材26は硬い補強材26bを含んだものであり、摩擦材26の断面から見て、摩擦面の端部近傍では該摩擦面の中央部近傍よりも補強材26bの出現が少ない。特に、実施形態2、3に係るトルク変動吸収装置の摩擦材のように、摩擦材26の径方向でなく回転方向の断面から見て、摩擦面の端部近傍では該摩擦面の中央部近傍よりも補強材26bの出現が少ないことが好ましい。補強材26bには、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、石綿、アラミド繊維などの耐熱性繊維を用いることができる。このような構成によれば、補強材のエッジが摩擦面プレートを傷つけるのを防ぐことができるので、相手摩擦面の表面粗さの変化が少なくなり、その結果、リミットトルク値を安定化させることができる
次に、本発明の実施形態5について説明する。実施形態5に係るトルク変動吸収装置は、実施形態1〜4に係るトルク変動吸収装置におけるリミッタ部の摩擦面プレート及び、ダンパ機構の摩擦材の一方又は両方が表面粗化処理(例えば、ショットピーニング、ボンデ処理等)されている点で異なる。表面粗化処理されている点を除けば、実施形態5に係るトルク変動吸収装置と実施形態1〜4に係るトルク変動吸収装置とは同様である。このような構成によれば、摩擦面プレートと摩擦材との間の摩擦面が粗くなり、初期の摩擦係数のみを上昇させることが可能となる。したがって、経時的に上昇する特性である摩擦係
数にとって初期の摩擦係数のみが上昇すれば、摩擦係数の変化率は低下することになり、リミットトルク値を安定化させることができる。
1 トルク変動吸収装置
10 保持プレート(第1回転部材)
20 ダンパ機構
21 ハブ
21a フランジ部
21b スプライン部
21c 切欠部
22 サイドプレート
22A 第1サイドプレート
22B 第2サイドプレート
22c 窓穴
23 スラスト部材
23A 第1スラスト部材
23B 第2スラスト部材
23c 皿バネ
24 ダンパ部材
24a、24bスプリングシート
25 ディスク
26 摩擦材
26a 溝
26b 補強材
26c 空所
26d 突起部
26e 架橋部
27 リベット
30 リミッタ部
31 第1摩擦面プレート
32 第2摩擦面プレート
33 皿バネ
34 リベット

Claims (3)

  1. 駆動源からの駆動力が伝達される第1回転部材と、
    変速機の入力軸に連結されるとともに、外周に固定されたディスクの両面に略環状の摩擦材を有するダンパ機構と、
    前記摩擦材と前記第1回転部材とが直接的又は、摩擦面プレートを介して間接的に摩擦係合するリミッタ部と、を備えるトルク変動吸収装置において、
    前記摩擦材は、その摩擦面側に該摩擦材の全表面積に対し20%以上かつ80%以下の摩擦しない部分を有し、
    前記摩擦材は補強材を有しており、前記摩擦材の断面から見て摩擦面の端部近傍では、該摩擦面の中央部近傍よりも前記補強材の出現が少ないことを特徴とするトルク変動吸収装置。
  2. 駆動源からの駆動力が伝達される第1回転部材と、
    変速機の入力軸に連結されるとともに、外周に固定されたディスクの両面に略環状の摩擦材を有するダンパ機構と、
    前記摩擦材と前記第1回転部材とが直接的又は、摩擦面プレートを介して間接的に摩擦係合するリミッタ部と、を備えるトルク変動吸収装置において、
    前記摩擦材は、複数のブロック状の摩擦材により構成されるとともに、
    前記ディスクにおける前記摩擦材を配設することが可能な領域のうち該領域の全表面積に対する20%以上かつ80%以下の領域が摩擦面となるように配設され、
    前記摩擦材は補強材を有しており、前記摩擦材の断面から見て摩擦面の端部近傍では、該摩擦面の中央部近傍よりも前記補強材の出現が少ないことを特徴とするトルク変動吸収装置。
  3. 前記摩擦材は突起部を有し、前記ディスクは前記摩擦材の突起部と嵌合する凹部又は孔を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトルク変動吸収装置。
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