JP4426126B2 - ブレーキ用パッドまたはディスク、およびブレーキ - Google Patents

ブレーキ用パッドまたはディスク、およびブレーキ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量で、耐磨耗性、耐酸化性等に優れた新規ブレーキ用パッドまたはディスクに関する。特に、大型自動車等や航空機などの大型輸送機械の停止または速度制御の際に使用する速度制御装置に連動して装着されているブレーキ用パッドまたはディスク、および同ブレーキ用パッドまたはディスクを使用して構成されるブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】
軽量で、耐磨耗性等に優れ、大型自動車等や航空機などの大型輸送機械において装着されている制動装置で使用されるブレーキ用パッドまたはディスクとしては、現在は高温下での摩擦係数が極めて高く、軽量であり、熱変形を生じない材料であるカーボンファイバーインコンポジット(以下C/Cコンポジットと称することもある)が広く使用されている。
【0003】
このような大型輸送機械においては、緊急停止のための過大荷重下でのブレーキ制動、長時間にわたるブレーキ制動、高頻度でのブレーキ制動等を繰り返す必要に迫られることがあり、C/Cコンポジットを摩擦材として使用した制動装置の場合には、摩擦材が空気中で高温下に長時間曝されることとなる。従って、摩擦材は基本的には高温で燃焼しやすい炭素繊維をその主成分とするものであるために、このような条件下では、酸素と反応して、著しく磨耗するだけでなく、発煙して大事故寸前に至るケースもあると報告されている。しかしながら、高温下における摩擦力の高さ、ブレーキに装着の際に要求される柔軟性などの性能の点から、それに代わる原料を見い出せていないのが現状である。
【0004】
そこで、本発明者らは、複合炭素繊維であるC/Cコンポジットが有する優れた耐衝撃性、軽量等の優れた点を保持しながら、高温が発生することを余儀なくされる大型輸送機械のブレーキ用摩擦材として使用しても、酸素存在下でもその磨耗を著しく軽減でき、結果として、頻繁に交換作業することを必要としないブレーキ用摩擦材として、少なくとも炭素繊維の束と炭素繊維以外の炭素成分とを含有するヤーンが層方向に配向しつつ三次元的に組み合わされ、互いに分離しないように一体化されているヤーン集合体と、このヤーン集合体中で隣り合う前記ヤーンの間に充填されている、Si−SiC系材料からマトリックスとを備えている繊維複合材料からなることを特徴とするブレーキ用部材を特開2000−81062公報において提案している。
【0005】
上記の公開公報に開示のブレーキ用摩擦材は、C/Cコンポジットからなる母材にSi−SiC材料からなる層を配したセラミックス・金属・炭素からなる複合材料を用いて構成される。このSi−SiC材料は、繊維複合材料のマトリックス層として形成されているので、繊維の積層方向での強度が増し、剥離を防止でき、ひいてはブレーキ用部材に耐久性を付与することができる。しかし、このSi−SiC材料からなるマトリックスを形成させるに際しては、金属珪素をC/Cコンポジットである母材に含浸させ、次いで、所望の条件下で含浸物を焼成することを要する。
【0006】
上述のような構成からなる積層体であるC/Cコンポジットに金属珪素を含浸させるには、温度・圧力・雰囲気を微妙に制御する特殊な設備や、かなりの熟練と時間を要することから、さらに改良が望まれている。また、母材そのものも、上述のような特別な構造体であることから必ずしも、安価とはいえないことから、より安価に入手可能な母材を利用し、用途、使用態様等に応じてより広い製品群から所望とする性能を発揮できる製品を選択できる様にするための品揃えのために、用途、使用態様等に応じた設計性能を有する複合材料の出現が望まれているのが現状である。
【0007】
一方、米国特許第5,560,455号明細書においては、アルミナ製の繊維、窒化珪素製の繊維、炭素繊維などを基材とし、これにポリマー由来のセラミックを配してなるブレーキ用パッドまたはディスク、および同パッドを使用したブレーキが提案されている。しかし、製造方法についての詳しい記載は同明細書にはないので、正確な判断はできないが、必ずしも、容易に製造できるかについては若干の不安があるだけでなく、その性能評価に関するデータの記載もないことからどの程度の性能を発揮できるかについての判断材料を欠くので、その有用性を評価できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような現状に鑑みてなされたもので、C/Cコンポジットを母材として利用し、より簡便な方法により製造可能であって、耐磨耗性に優れたブレーキ用パッドまたはディスク、および同パッドからなるブレーキを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の目的を達成するために種々検討した結果、複合炭素繊維であるC/Cコンポジットまたは所望の形状にC/Cコンポジットを成形して製造した成形体の表面に、耐磨耗性に優れた、少なくとも炭化珪素と、所望により含有されていてもよい金属珪素とからなる複合材部を所定の割合で配置させて形成することにより製造されるブレーキ用パッドまたはディスク、および同パッドからなるブレーキが、耐磨耗性に優れていることを見出して本発明を完成させたものである。
【0010】
なお、ここで成形体とは、成形後焼成したいわゆる焼結体をも含むものであることはいうまでもない。また、複合材部とは、少なくとも炭化珪素と、所望により含有されていてもよい金属珪素とからなり、母材であるC/Cコンポジットの表面と同一か、場合によっては、若干飛び出して形成されているものをいう。母材表面に形成された形状は、摩擦力を発揮できればよく、特別に制限は無いが、通常は、円形、楕円形、多角形、所謂星型などの何れでもよく、加工性などの点から、円形が好ましい。複合材部が、母材表面から若干飛び出して形成されている場合の、飛び出している部分の高さは、通常は、0.05mm〜1.5mm程度、好ましくは、0.1mm〜1.0mm程度である。また、各複合材部の大きさは、円形の場合でその直径が0.5cm〜2.5cm程度、好ましくは、0.7〜1.5cm程度であればよい。
【0011】
本発明のブレーキ用パッドまたはディスクは、炭素繊維と炭素とから構成される母材と、少なくとも炭化珪素と、所望により含有されていてもよい金属珪素とからなる複合材料であって、少なくとも炭化珪素と、所望により含有されていてもよい金属珪素とから構成される複合材部が、パッドの両表面に所望の大きさで点在して形成されており、該複合材部がパッドの表面積の5%〜50%を占める。5%未満では、充分なブレーキ制動が発揮できず、また、50%を超えて複合材部を形成させても、金属珪素を大量に使用しなければならないことから、コスト高となるだけでなく、ブレーキ制動の効果に積極的な貢献は認められにくい。
【0012】
なお、該複合材部が中心部において密で、外周部において疎となるように形成されており、パッドの外周部からパッドの半径の2分の1の距離までの表面における複合材部の占める面積が全複合材部の面積の最大50%、最小で15%となるように構成させることが好ましい。なお、パッドの外周部からパッドの半径の2分の1の距離までの表面における複合材部の占める面積が全複合材部の面積の50%を超すことは、必ずしも、外周部の強度低下という問題が発生することがあるので好ましくない。また、車輪または車軸との凸部と嵌合することによりブレーキを制動させることとなるブレーキ用パッドまたはディスクに設けられている切り欠き部近傍には、他の部分と比較して、機械的強度が高いことが要求されるので、さらにブレーキ用パッドまたはディスクの切り欠き部近傍には実質的に複合材部が形成されていないことが好ましい。なお、切り欠き部近傍とは、パッドの大きさや切り欠き部そのものの大きさによっても異なるが、切り欠き部のそれぞれの端部から少なくとも5mm迄の距離をいう。
【0013】
該複合材部は母材内部に延びて形成された脚部を有し、かつ、該脚部は少なくとも炭化珪素と所望により含有されていてもよい金属珪素からなることをが好ましい。さらに、該脚部は一部が中空である管状体であり、ブレーキ用パッドまたはディスクの両表面からそれぞれ延びて形成されており、一方の表面から延びて形成された管状体である脚部は、他の表面から延びて形成されている管状体である脚部とは、相互に互い違いとなるような位置に設けられており、かつ、その先端部は、それぞれ、他端から延びて形成されている管状体の脚部の先端部を超えて、ブレーキ用パッドまたはディスクを構成する母材を貫通しない長さで反対側の表面に向かって延びていることが好ましい。
【0014】
本発明に係るブレーキ用パッドまたはディスクは、常温における動摩擦係数が0.05〜0.6であることが好ましく、さらに、比磨耗量が0.0〜0.3mm3/(N・km)であることが好ましい。さらにまた、大気中で10℃/分の割合で昇温したときに5%質量減少が生じる温度が600℃以上であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係るブレーキ用パッドまたはディスクは、典型的には、図1(A)および(B)に模式的に示すように、C/Cコンポジットからなる母材4と、該母材4上に所望とする割合において点在する複合材部2と、母材内部に侵入して形成された脚部3(図示せず)とからなる複合材料1である。そしてその脚部は、図2に示すように、その先端は少なくとも母材内部にまで達している、少なくとも炭化珪素と、所望により含有されていてもよい金属珪素から形成された、少なくとも一部が中空である管状体の脚部3を形成していてもよい複合材料1である。
【0016】
本発明に係るブレーキ用パッドまたはディスクは、本出願人による平成12年12月8日出願にかかる特願2000−374972記載の方法により製造することができる。従って、同出願の内容をここに参考までに引用することとする。
なお、本発明に係るブレーキ用パッドまたはディスクの製造においては、母材または同母材からの成形体に対して、焼成により所望の量、即ち、該複合材部がパッドの表面積の5%〜50%を占めるような充分な密度で金属珪素を含浸させた後、焼成し、このものを所望とする大きさ、形状に加工することにより、製造される。さらに好ましくは、該複合材部が中心部において密で、外周部において疎となるように形成されており、パッドの外周部からパッドの半径の2分の1の距離までの表面における複合材部の占める面積が全複合材部の面積の最大50%となるように金属珪素を配置させることが好ましい。もちろん、切り欠き部近傍には、実質的に複合材部を設けないようにする。即ち、パッドの大きさや切り欠き部そのものの大きさによっても異なるが、切り欠き部のそれぞれの端部から少なくとも5mm迄の距離の範囲内には、複合材部を設けないことが好ましい。
【0017】
ペレット状の金属珪素を使用して複合材部を形成させる場合には、ペレット状の金属珪素の配置場所、配置量を調整することで、母材表面を複合材部が所定の面積を占めるように形成させればよい。
【0018】
あるいは、所望の大きさに調製したC/CコンポジットまたはC/Cコンポジットから常法に従い調製した成形体に、該複合材部がパッドの表面積の5%〜50%を占めるような充分な密度で金属珪素を含浸させた所望の大きさと深さを有する微細な孔隙を形成し、この微細な孔隙に金属珪素を含浸させ、次いで、焼成して目的とするブレーキ用パッドまたはディスクを形成させることにより製造してもよい。
【0019】
微細な孔隙を形成する方法としては、通常、直径0.2〜2.0mm、好ましくは0.3〜1.0mmの微細な孔隙を穿削できる方法であれば、どの様な方法も使用可能である。即ち、通常、微細な孔隙の穿削に採用される、ドリルによる穿削、レーザーによる穿削、ドリルでの細孔加工などの方法が挙げられるが、作業効率、得られた微細な孔隙の直線性等の点からドリルによる穿削が好ましい。なお、使用するドリルとしては、穿削性能の点から、ダイヤモンドコーティングドリルが好適に使用され、加工時の回転数は3600rpm以上が好ましい。通常は、微細な孔隙の深さは、母材表面から測定して、少なくとも10mm、好ましくは15mm程度に達していればよい。場合によっては、貫通孔を形成していてもよいことはいうまでもない。
【0020】
また、形成する微細な孔隙は、上述のように、焼成により所望とする量で複合材部を両表面に形成するに充分な密度であればよく、通常は、100cm2当たり5〜50個、好ましくは、16〜36個程度を、所望とする間隔、好ましくは各微細な孔隙相互間の間隔が均等な位置となるように設けられる。もちろん、所望の大きさに調製したC/CコンポジットまたはC/Cコンポジットから常法に従い調製した成形体の表面に、パッドの中心からパッドの外周部までのパッドの半径の2分の1の距離までの表面における複合材部の占める面積が全複合材部の面積の最大50%となるように金属珪素を配置し、圧力、温度を制御して含浸させ得るように形成されていることが好ましい。
【0021】
なお、複合材部の配置は、パッドの表面積の5%〜50%を占めるような充分な密度となるように配置させることが必要であり、好ましくは、パッドの外周部からパッドの半径の2分の1の距離までの表面における複合材部の占める面積が全複合材部の面積の最大50%となるように形成する必要があるが、各表面から穿削する微細な空隙の位置は、上記の条件を充足できる限り、特に制限はないが、各表面から穿削する微細な空隙の位置が千鳥掛けとなるように構成することが好ましい。
【0022】
いずれの形成方法を採用するにしても、本発明に係るブレーキ用パッドまたはディスクの複合材部においては、ほぼ純粋に珪素が残留している珪素相から、ほぼ純粋な炭化珪素相に至るまで、いくつかの相異なる相を含み得る。つまり、複合材部は、典型的には珪素相と炭化珪素相とからなるが、珪素相と炭化珪素相との間に、珪素をベースとして炭素の含有量が傾斜的に変化している珪素と炭化珪素の共存相、換言すれば、Si−SiC相を含み得る。従って、複合材部とは、炭素の濃度が0mol%から50mol%まで変化している材料から形成されたものをいうこととなる。
【0023】
なお、摩擦力等の機械的作用に対して充分な強度を有する脚部が形成された複合材部を形成するには、ドリルなどにより所望とする大きさの微細な空隙を所望とする位置に所望量形成し、この微細な空隙に金属珪素を含浸させればよい。微細な孔隙内においても、シリコンが同孔隙の周囲に存在する炭素繊維を構成する炭素原子および/または微細な孔隙内で周囲に存在する炭素繊維の表面に残存している遊離炭素原子と反応し、炭化珪素が生成し、微細な孔隙には、母材内部深くまで達した炭化珪素と所望により含有されていてもよい金属珪素とから形成された少なくとも一部が中空の管状体である脚部が形成されることとなる。炭化珪素と所望により含有されていてもよい金属珪素とから形成された少なくとも一部が中空の管状体の脚部は、いわゆるアンカー効果を発揮する。即ち、少なくとも一部が中空の管状体であるこの脚部は、複合材部がC/Cコンポジットまたはその成形体の表面に突き出て形成されている場合でも、この複合材部に予測を遙かに超えた機械的衝撃が加えられても、母材から剥離することを防止できるという効果を発揮するものである。
【0024】
少なくとも一部が中空であるとは、シリコンが微細な孔隙の周囲に存在する炭素繊維を構成する炭素原子および/または微細な孔隙内で周囲に存在する炭素繊維の表面に残存している遊離炭素原子との反応により生成する炭化珪素と未反応の状態で残存することもある金属珪素が、微細な空隙を完全に塞ぐ量には達しないために、一部に中空部が残存することを意味するものである。なお、炭化珪素と所望により含有されていてもよい金属珪素とから形成された少なくとも一部が中空である管状の脚部とは、主として炭化珪素から形成された管状体で、一端は母材表面に露出して形成されている複合材部に接合し、他端は少なくとも母材内部深くまで達して形成されており、その管状体の平均直径は、微細な孔隙の径によっても左右されるが、通常は、約0.3mm〜約1.0mm程度で、その全長は、母材の厚さにより異なるが、通常は、少なくとも10mm、好ましくは、少なくとも15mm程度である。もちろん、上述のように貫通孔を形成していてもよい。
【0025】
なお、焼成条件については、以下の条件によればよい。C/Cコンポジットまたは成形体と金属珪素を、1100〜1400℃の温度、0.1〜10hPaの圧力に1時間以上保持し、かつその際、C/Cコンポジットまたは成形体と金属珪素の合計質量1kg当たり不活性ガスを0.1NL以上、好ましくは1NL以上、さらに好ましくは10NL以上流すように制御することが望ましい。C/Cコンポジットまたは成形体へ金属珪素を溶融、含浸する際には、雰囲気温度を1450〜2500℃、好ましくは1700〜1800℃に昇温する。この場合、焼成炉内圧は0.1〜10hPaの範囲が好ましい。
【0026】
この様にして製造される本発明に係るブレーキ用パッドまたはディスクは、常温での動摩擦係数が0.05〜0.6と大きく、また、耐クリープ性、耐スポーリング性を有する炭化珪素と所望により含有されていてもよい金属珪素とからなる複合材部がパッドの表面に形成されているので、C/Cコンポジットの有する低耐磨耗性を克服することができ、酸素存在下において高温下に余儀なく曝される、例えば、ブレーキ用パッドまたはディスクとしても使用する場合には、その磨耗量は、500℃で1.0%/時間以下、より好ましくは0.6%/時間以下である。また、優れた耐磨耗性をも併せ持つ。
【0027】
また、C/Cコンポジットを母材としていることから、軽量であり、大型輸送機械に実装しても燃料消費に実質的に影響せず、エネルギーの消費上問題を生ずることがなく、省エネルギーの要請にもかなう材料であるといえる。さらに、母材がC/Cコンポジットであるため、靱性に富み、優れた耐衝撃性、高硬度性を有する。従って、従来使用されているC/Cコンポジットが有している特性を保持したまま、同C/Cコンポジットが有する耐高温磨耗性が低いという欠点を克服することができる。
【0028】
炭化珪素と所望により含有されていてもよい金属珪素とからなる複合材部が母材表面に形成されているので、高温下で酸素に曝されても、表面に存在する金属珪素−炭化珪素材料が溶融してガラスとなり母材それ自体を酸素から保護する速度の方が、酸素が母材であるC/Cコンポジットの内部に拡散する速度よりも大きいため、母材を酸化から保護することができる。即ち、本発明に係るブレーキ用パッドまたはディスクの場合には、自己修復性を示し、より長期間にわたる使用が可能となる。この効果は、金属珪素が窒化ホウ素、銅、ビスマス等の物質または元素を含有しても影響は受けない。
【0029】
さらに、SiC材料は熱膨張係数がC/Cコンポジットより大きいため、長期間のブレーキ制動により発生する高温下で使用しても、SiC材料からなる層が剥離するおそれがあるのに対し、本発明に係るブレーキ用パッドまたはディスクの場合には、表面に形成されている炭化珪素と所望により含有されていてもよい金属珪素とからなる複合材部の熱膨張係数はC/Cコンポジットと同程度であるため、熱膨張係数の差に起因する剥離を防ぐことができ、ブレーキ用パッドまたはディスクとして優れた特質を有するものであるとすることができる。
【0030】
このような本発明に係るブレーキ用パッドまたはディスクは、C/Cコンポジットの耐衝撃性、高硬度性および軽量性と、Si−SiC材料の、耐酸化性、耐スポーリング性、自己潤滑性、耐磨耗性等を併せ持ち、さらに、自己修復性をも有するため、高温酸化条件下での使用に長期間耐えることができ、具体的には、航空機を含む大型輸送機械の分野におけるブレーキ用パッドまたはディスクとしても、好適に用いることができる。
【0031】
なお、ブレーキを本発明に係るブレーキ用パッドまたはディスクから構成するには、例えば、図1(A)に示した形状のブレーキ用パッドまたはディスクと図1(B)に示した形状のブレーキ用パッドまたはディスクとを通常は交互に所望とする量を重ね合わせて調製すればよい。すなわち、本発明によれば、さらに、炭素繊維と炭素とから構成される母材と、少なくとも炭化珪素と、所望により含有されていてもよい金属珪素とからなる複合材料からなるブレーキ用パッドまたはディスクであって、少なくとも炭化珪素と、所望により含有されていてもよい金属珪素とから構成される複合材部が、パッドの両表面に所望の大きさで点在して形成されており、該複合材部がパッドの表面積の5%〜50%を占める複数のブレーキ用パッドまたはディスクからなるブレーキが提供されることとなる。
【0032】
さらにまた、該複合材部が中心部において密で、外周部において疎となるように形成されており、パッドの外周部からパッドの半径の2分の1の距離までの表面における複合材部の占める面積が全複合材部の面積の最大50%であるブレーキ用パッドまたはディスクからなるブレーキが提供されることとなる。
【0033】
【実施例】
次に、本発明を実施例および比較例により詳しく説明することとするが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、各例によって得られた複合材料は、以下に示す方法よりその特性を評価した。
【0034】
(動摩擦係数の評価方法)
テストピースをジグにセットして100rpmで10分間回転させ、相手材(SUJ10mm球)を2kgの荷重Fp(N)でテストピースに押し付け、その際の摩擦力Fs(N)を測定した。摩擦係数の値は下式により算出した。
摩擦係数μ=Fs/Fp
【0035】
(比磨耗量の評価方法)
テストピースをジグにセットして100rpmで10分間回転させ、相手材(SUJ10mm球)を2kgの荷重Pでテストピースに押し付け、試験前の質量Wa(mg)と試験後の質量Wb(mg)を測定した。テストピースの密度ρ(g/cm3)より、磨耗量V(mm3)を下式により算出した。
V=(Wa−Wb)/ρ
比磨耗量Vs(mm3/(N・km))は、磨耗量V(mm3)、試験荷重P(N)および摺動距離L(km)より、下式にて算出した。
Vs=V/(P・L)
【0036】
(圧縮強さの評価方法)
テストピースに圧縮荷重を加え、下記の式により算出した。
圧縮強さ=P/A
(式中、Pは最大荷重時の荷重、Aはテストピースの最小断面積を表す。)
【0037】
(層間せん断強さの評価方法)
テストピースの厚さhの4倍の距離を支点間距離として3点曲げを行い、下式により算出した。
層間せん断強さ=3P/4bh
(式中、Pは破壊時の最大曲げ荷重、bはテストピースの幅を表す。)
【0038】
(曲げ弾性率の評価方法)
テストピースの厚さhの40倍の距離を支点間距離Lとして3点曲げを行い、荷重−たわみ曲線の直線部の初期の勾配P/σを用いて、下式により算出した。
曲げ弾性率=1/4・L3/bh3・P/σ
(式中、bはテストピースの幅を表す。)
【0039】
(自己修復性の評価方法)
Max:20MPa〜Min:5MPaの繰り返し応力を10万回印加し、内部にマイクロクラックを発生させた後、900℃で2時間アルゴン雰囲気下でアニールし、圧縮強度の測定を行った。
【0040】
(製造例)
外径300mm、内径150mm、厚さ20mmの大きさを有する円盤様C/Cコンポジット(嵩比重:1.6;アクロス社製)を母材として使用して、以下の条件で本発明に係るブレーキ用ディスクを製造した。すなわち、上記C/Cコンポジットに一方の表面に、100cm2当たり45個、直径10mm、高さ20mmで、重さ3gの純度99.5%の金属珪素のペレットを、所定の間隔で設けられた直径0.5mmの孔の上に配置させた。この金属珪素を母材に含浸させ、次いで、焼成して焼結体の表面に、母材の海に点在する島状に形成された、炭化珪素と所望により含有されていてもよい金属珪素からなる複数の複合材部を形成させて目的とする、炭素繊維とから構成される母材と、炭化珪素と、金属珪素とからなる複合材料であって、該C/CコンポジットまたはC/Cコンポジットからなる成形体の焼結体の表面に、点在して形成されて炭化珪素と所望により含有されていてもよい金属珪素からなる複合材部であって、その一部は母材内部に侵入して脚部を形成している複合材料を得た。
【0041】
この複合材料を平面研削盤により図1(A)に示した外周部に切り欠き部を形成させる態様については、外径290mm、内径160mm、厚さ15mmの大きさ、図1(B)に示した外周部に切り欠き部を形成させる態様については、外径270mm、内径130mm、厚さ15mmに切断加工した後、更に、図1(A)に示した態様については、外周部に最大幅28mm、深さ22mmの切り欠き部と、図1(B)に示した態様については、内周部に最大幅18cm、深さ20mmの切り欠き部をそれぞれ等間隔で設け、800#砥石で平面研削仕上げし、ブレーキ用ディスクとした。得られたブレーキ用ディスクは、その複合材部の合計面積の表面を占める割合は10.5%で、かつ、の外周部からパッドの半径の2分の1の距離までの表面における複合材部の占める面積が全複合材部の面積15%を占めており、その研削面における表面粗さはRa=1μmであり、平面度は真直度で2μmであった。得られたブレーキ用パッドまたはディスクについて、上記の測定方法により、摩擦係数、比磨耗量、層間せん断強さ、圧縮強さ、曲げ弾性率等を測定し、その結果を表1に示す。
【0042】
(比較例)
外径300mm、内径150mm、厚さ20mmの大きさを有する円盤様C/Cコンポジット母材に、Si−SiC系材料からなるマトリックス層を配した繊維複合材料を製造し、これを用いてブレーキ用部材を製造した。
C/Cコンポジットは、特開2000−81062公報に記載の方法、即ち、以下のような方法により製造した。
炭素繊維を一方向に引き揃えたものにフェノール樹脂を含浸させたプリプレグシートを炭素繊維が互いに直交するように積層し、ホットプレスで180℃、10kg/cm2で樹脂を硬化させた。次いで、窒素中で2000℃で焼成し、密度1.0g/cm3、開気孔率50%のC/Cコンポジットを得た。
【0043】
次に、得られたC/Cコンポジットを、純度99.8%で平均粒径1mmのSi粉末で充填されたカーボンるつぼ内に施設した。次いで、焼成炉内にカーボンるつぼを移動した。焼成炉内の温度を1300℃、不活性ガスとしてアルゴンガス流量を20NL/分、焼成炉内圧を1hPaとし、またその保持時間を4時間として処理した後、焼成炉内の圧力をそのまま保持しつつ、炉内温度を1600℃に昇温することにより、C/CコンポジットにSiを含浸させて複合材料を製造した。
【0044】
上記の複合材料を用い、平面研削盤により実施例と同様に所定の大きさに切断加工した後、切り欠き部を設け、次いで800#砥石で平面研削仕上げし、ブレーキ用部材とした。得られた摺動材の研削面における表面粗さはRa=1μmであり、平面度は真直度で2μmであった。
【0045】
得られたブレーキ用部材について、製造例と同様の方法により測定し、その結果を表1に併せ示す。
【0046】
【表1】
Figure 0004426126
【0047】
表1より、本発明に係る複合材料は、本発明者らが先に提案した特開2000−81062公報に開示のブレーキ用部材に比較して、各測定項目において遜色なく、極めて優れた複合材料であることがわかる。即ち、本発明に係るブレーキ用パッドまたはディスクの場合には、上記の公開公報に開示のブレーキ用部材と同程度の摩擦係数と、酸素の存在下での高温条件での耐磨耗性とを有していることがわかる。
【0048】
比磨耗量についても、本発明に係るブレーキ用ディスクは、比較例のブレーキ用部材と同等で、また、圧縮強さおよび層間せん断強さにおいて優れた値を示し、曲げ弾性率においてC/Cコンポジットと同程度の値を示した。
本発明に係るブレーキ用ディスクの場合には、炭化珪素と所望により含有されていてもよい金属珪素から形成された少なくとも一部が中空である管状の脚部が母材内部深くまで達して形成されていることから、比較例のブレーキ用部材に比べ、圧縮強さが大きくなったものと考えられる。
【0049】
【発明の効果】
本発明に係る複合材料は酸素の存在下での高温条件での耐磨耗性においても優れ、また、耐酸化性、耐クリープ性、耐スポーリング性を有するSi−SiC層が所望とする割合で両表面に配されているので、C/Cコンポジットの有する低耐磨耗性を克服することができ、高温でかつ酸素存在下においても、使用が可能である。また、C/Cコンポジットを母材としていることから、軽量であり、エネルギーの損失が少なく、省エネルギーの要請にも沿う。さらに、母材がC/Cコンポジットであるため、靱性に富み、優れた耐衝撃性、高硬度性を有する。
従って、本発明に係るブレーキ用パッドまたはディスクは、航空機などの大型輸送機械の制動装置におけるブレーキ用部材として極めて有望な素材であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るブレーキ用ディスクにおける複合材部の形成状態の一態様を示す模式図、(A)はブレーキ制動時に車輪側に、(B)は車軸側にそれぞれ嵌合して、停止制動するように取り付けられる。
【図2】 本発明に係るブレーキ用ディスクの一態様の部分断面構造を模式的に示す拡大図である。
【符号の説明】
1…ブレーキ用ディスク、2…複合材部、3…少なくとも一部が中空の管状体である脚部、4…母材、5…ブレーキ用ディスクの穴。

Claims (5)

  1. 炭素繊維と炭素とから構成される母材と、少なくとも炭化珪素と、所望により含有されていてもよい金属珪素とからなる複合材料からなるブレーキ用パッドまたはディスクであって、少なくとも炭化珪素と、所望により含有されていてもよい金属珪素とから構成される複合材部が、パッドまたはディスクの両表面に所望の大きさで点在して形成されており、該複合材部がパッドまたはディスクの表面積の5%〜50%を占めており、
    該複合材部が中心部において密で、外周部において疎となるように形成されており、パッドまたはディスクの外周部からパッドまたはディスクの摺動部内径までの2分の1の距離までの表面における複合材部の占める面積が全複合材部の面積の最大50%であり、
    さらにブレーキ用パッドまたはディスクの切り欠き部近傍には実質的に複合材部が形成されておらず、
    該複合材部は母材内部に延びて形成された脚部を有し、かつ、該脚部は少なくとも炭化珪素と所望により含有されていてもよい金属珪素からなり、
    該脚部は一部が中空である管状体であり、該脚部は、ブレーキ用パッドまたはディスクの両表面からそれぞれ延びて形成されていることを特徴とするブレーキ用パッドまたはディスク。
  2. レーキ用パッドまたはディスクの一方の表面から延びて形成された管状体である脚部は、他の表面から延びて形成されている管状体である脚部とは、相互に互い違いとなるような位置に設けられており、かつ、その先端部は、それぞれ、他端から延びて形成されている管状体の脚部の先端部を超えて、ブレーキ用パッドまたはディスクを構成する母材を貫通しない長さで反対側の表面に向かって延びていることを特徴とする請求項に記載のブレーキ用パッドまたはディスク。
  3. 常温における動摩擦係数が0.05〜0.6である請求項1又は2に記載のブレーキ用パッドまたはディスク。
  4. 比磨耗量が0.0〜0.3mm3/(N・km)である請求項1〜のいずれか1項に記載のブレーキ用パッドまたはディスク。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のブレーキ用パッドまたはディスクからなるブレーキ。
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