JP4540890B2 - ブレーキ材 - Google Patents

ブレーキ材 Download PDF

Info

Publication number
JP4540890B2
JP4540890B2 JP2001211586A JP2001211586A JP4540890B2 JP 4540890 B2 JP4540890 B2 JP 4540890B2 JP 2001211586 A JP2001211586 A JP 2001211586A JP 2001211586 A JP2001211586 A JP 2001211586A JP 4540890 B2 JP4540890 B2 JP 4540890B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite
brake
copper
brake material
friction coefficient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001211586A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003026479A (ja
Inventor
茂 半澤
直樹 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2001211586A priority Critical patent/JP4540890B2/ja
Priority to DE60236513T priority patent/DE60236513D1/de
Priority to EP20020745951 priority patent/EP1416184B1/en
Priority to PCT/JP2002/007039 priority patent/WO2003006844A1/ja
Publication of JP2003026479A publication Critical patent/JP2003026479A/ja
Priority to US10/753,201 priority patent/US20040142158A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4540890B2 publication Critical patent/JP4540890B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D69/02Composition of linings ; Methods of manufacturing
    • F16D69/023Composite materials containing carbon and carbon fibres or fibres made of carbonizable material
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D2200/00Materials; Production methods therefor
    • F16D2200/0034Materials; Production methods therefor non-metallic
    • F16D2200/0039Ceramics
    • F16D2200/0047Ceramic composite, e.g. C/C composite infiltrated with Si or B, or ceramic matrix infiltrated with metal
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/249921Web or sheet containing structurally defined element or component
    • Y10T428/249924Noninterengaged fiber-containing paper-free web or sheet which is not of specified porosity
    • Y10T428/249927Fiber embedded in a metal matrix

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量で、耐摩耗性、耐酸化性等に優れたブレーキ材に関する。特に、大型自動車等や航空機などの大型輸送機械の停止または速度制御の際に使用する速度制御装置に連動して装着されているブレーキ材に関する。
【0002】
【従来の技術】
軽量で、耐摩耗性等に優れ、大型自動車等や航空機などの大型輸送機械において装着されている制動装置で使用されるブレーキ用パッドまたはディスクとしては、現在は高温下での摩擦係数が極めて高く、軽量であり、熱変形を生じない材料であるカーボンファイバーインコンポジット(以下C/Cコンポジットと称することもある)が広く使用されている。
【0003】
このような大型輸送機械においては、緊急停止のための過大荷重下でのブレーキ制動、長時間にわたるブレーキ制動、高頻度でのブレーキ制動等を繰り返す必要に迫られることがあり、C/Cコンポジットを摩擦材として使用した制動装置の場合には、摩擦材が空気中で高温下に長時間曝されることとなる。従って、摩擦材は基本的には高温で燃焼しやすい炭素繊維をその主成分とするものであるために、このような条件下では、酸素と反応して、著しく摩耗するだけでなく、発煙して大事故寸前に至るケースもあると報告されている。しかしながら、高温下における摩擦力の高さ、ブレーキに装着の際に要求される柔軟性などの性能の点から、それに代わる原料を見い出せていないのが現状である。
【0004】
そこで、本発明者らは、複合炭素繊維であるC/Cコンポジットが有する優れた耐衝撃性、軽量等の優れた点を保持しながら、動摩擦係数においてC/Cコンポジットよりも優れた性能を有するSi−SiC系材料からマトリックスとを備えている繊維複合材料からなることを特徴とするブレーキ用部材を特開2000−81062公報において提案している。
【0005】
さらに、より安価に入手可能な基材を利用し、用途、使用態様等に応じてより広い製品群から所望とする性能を発揮できる製品を選択できる様にするための品揃えのために、用途、使用態様等に応じた設計性能を有する複合材料として、複合炭素繊維であるC/Cコンポジットまたは所望の形状にC/Cコンポジットを成形して製造した成形体の表面に、耐摩耗性に優れた、少なくとも炭化珪素と、所望により含有されていてもよい金属珪素とからなる複合材部を所定の割合で配置させて形成することにより製造されるブレーキ用パッドまたはディスク、および同パッドからなるブレーキを2001年3月2日出願に係る特願2001−58310明細書中で提案している。
【0006】
上記の提案に係るブレーキ材は、ブレーキ制動の面では申し分ないものの、耐摩耗性の点、特に航空機などの緊急停止条件下における1200℃にも達する高温度下では、必ずしも、十分な耐摩耗性を発揮することができず、その点で十分な耐久性を発揮できないことが見出された。特に、航空機産業においても、各部品のより耐使用年限の長期化が望まれており、ブレーキ材においても例外ではない。例えば、民間航空機においても、少なくとも通常条件下で3000回の着陸を十分にこなすことが求められており、この点でも必ずしも市場のニーズに応えうるものとすることはできない。
【0007】
一方、本発明の発明者の一人である半澤等は、積層体からなる所謂C/Cコンポジットに、銅等の金属を含浸させた摺動性に優れた複合材料を2000年4月4日に公開された特開2000−95586公報において提案している。しかし、このものは、銅が元来有する特質である熱伝導性を利用したヒートシンクとしての利用に加え、銅が本来的に有する摺動性を利用するものであり、ブレーキ材としての利用は全く考えていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような現状に鑑みてなされたもので、ブレーキ材として必要とされる制動性を示すに十分な動摩擦係数を具備し、高温条件下においても、少なくとも、従来から使用されてきているC/Cコンポジットと同等かそれ以上の耐摩耗性を示すブレーキ材およびその製造方法の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の目的を達成するために種々検討した結果、複合炭素繊維であるC/Cコンポジットまたは所望の形状にC/Cコンポジットを成形して製造した成形体に、溶融された銅を含浸させて得られるC/Cコンポジットと、同C/Cコンポジットを構成する繊維間の孔隙部に含浸された所望の量の銅を含む金属からなるマトリックスとからなり、少なくとも0.01以上の動摩擦係数を有することを特徴とするブレーキ材が、上記の目的を達成できることを見出して、本発明を完成させたものである。
【0010】
即ち、本発明によれば、C/Cコンポジットと、金属銅とからなるマトリックスとからなり、前記金属銅は全ブレーキ材の質量の15%〜60%含有され、少なくとも0.01以上の動摩擦係数を有することを特徴とするブレーキ材が、また、特に、常温における動摩擦係数が0.05〜0.4であるブレーキ材、さらに、摩耗量が0.0〜0.3mm/(N・km)であるブレーキ材が提供される。なお、前記C/Cコンポジットは、少なくとも炭素繊維の束と炭素繊維以外の炭素成分とを含有するヤーンが三次元的に組み合わされ、これらヤーンが互いに分離しない程度に一体化されたヤーン集合体で構成されたものであるブレーキ材が好適に使用される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、基材であるC/Cコンポジットと、C/Cコンポジットを構成する繊維間の孔隙部に含浸された所望の量の銅を含む金属からなるマトリックスとからなり、少なくとも0.01以上の動摩擦係数を有することを特徴とするブレーキ材に関する。本発明において、基材としては、C/Cコンポジットを使用するが、C/Cコンポジットであれば、特に制限はなく、通常、C/Cコンポジットと称されるものであれば、その製法、由来等は問わず使用可能である。例えば、特開平2−80639号公報に記載の方法により製造される積層体様のC/Cコンポジットであっても、また、各種用途に使用されている所謂汎用性のC/Cコンポジットであってもよいことはいうまでもない。
さらに、所望の孔隙量を有するC/Cコンポジットからなる成形体を用意し、必要に応じて、その成形体を焼結し、焼結体を得、かくして得られた成形体または焼結体に、溶融状態とした銅よりなる金属を所望とする量含浸させ、必要に応じてさらに焼結し、同金属で含浸された前記焼結体を室温まで冷却させることを含むことを特徴とする、C/Cコンポジットと、金属銅とからなるマトリックスとからなり、少なくとも0.01以上の動摩擦係数を有するブレーキ材の製造方法が提供される。
【0012】
マトリックスとしての銅については、通常の工業用に使用される金属銅であればよく、例えば、純銅等が好適に使用される。なお、銅以外の他の金属を含む場合には、その量が、ブレーキ制動に著しく不都合を与えない限り、含まれていてもよいが、通常、その量が50%を超えると、制動作動中に金属が溶融して遊離してきて影響を及ぼすことがあるので、なるべく純度の高い金属銅を使用することが好ましい。
【0013】
本発明に係るブレーキ材は、常温における動摩擦係数が少なくとも0.01以上、好ましくは0.01〜0.4、さらに好ましくは0.1〜0.4程度である。さらに、摩耗量は、所定の大きさのテストピースを70kgfの押しつけ圧で、押し付けて試験するとき20.0mm3/(N・km)以下、好ましくは、10.0mm3/(N・km)以下、より好ましくは、0.0〜0.3mm3/(N・km)の範囲内であることが好ましい。
【0014】
ここで成形体とは、C/Cコンポジットを所定の形状に成形したものをいう。なお、本発明に係るブレーキ材の製造においては、基材または同基材からの成形体に対して、焼成により所望の量、即ち、得られるブレーキ材の動摩擦係数が少なくとも0.01以上、好ましくは0.01〜0.4、さらに好ましくは0.1〜0.4程度となるように金属銅を含浸させた後、焼成し、このものを必要に応じて、所望とする大きさ、形状に加工することにより、製造される。この場合、動摩擦係数をブレーキ材としての設計性能を所望の範囲内とするには、基材であるC/Cコンポジットの含浸前の孔隙量が、容量%で、0.5%〜20%程度としたものを使用することが好ましい。
【0015】
基材のC/Cコンポジットに溶融含浸させる金属銅の量は、全ブレーキ材の質量の約15%〜約60%の範囲内を占めるようにすることが必要である。約15%未満では、航空機のブレーキ制御に必要とされる十分な動摩擦係数が達成できず、一方約60%を超えても、動摩擦係数の増大はそれほど望まれず、むしろ、ブレーキ材の重量増をもたらし、単位当たり燃料の飛行距離の低下となる等の悪影響がでるので好ましくない。
【0016】
金属銅を含浸させるに当たっては、通常は、2000年4月4日公開に係る特開2000−95586公報に記載された方法によればよい。従って、参考までに此処に同公報の内容を引用する。
【0017】
念のため、本発明に係るブレーキ材の製造方法として概説する。例えば、特開平2−80639号公報に記載の方法により調製された炭素繊維からなるヤーンの積層体を、加圧焼成して所望の孔隙量を有する焼結体を得、このものに金属銅を含浸させる。勿論、汎用性のC/Cコンポジットを使用してもよい。但し、その孔隙量は、容量%で、0.5%〜25%程度の範囲内にあることが必要なことはいうまでもない。この様な汎用性のC/Cコンポジットとしては、アクロス社製のAC200、日本カーボン社製CCM190C等が挙げられる。
【0018】
銅の含浸は、前記焼結体と少なくとも銅を含む金属とを互いに接触させない状態で加熱し、所定温度に達した段階で両者を接触させて直ちに高圧力を付与して、前記金属を前記焼結体中に含浸させ、ついで、少なくとも前記金属が含浸された前記焼結体を室温まで冷却させればよい。勿論、金属銅は、基材の炭素成分とは元々反応性が極めて低いため、銅と基材とを接触させたまま加熱し、銅を溶融させても問題はない。
【0019】
このように、含浸させようとする金属銅を、基材となる焼結体と接触させないまま所定温度まで加熱し、溶融後直ちに接触加圧し、含浸後は速やかに冷却させることにより、一般に困難とされる焼結体への前記金属銅の含浸処理を容易に行うことができ、しかも、焼結体への前記金属銅の含浸率を所望とする範囲内とすることができ、その結果、所望とする動摩擦係数を有するブレーキ材を得ることができる。
【0020】
含浸工程としては、特に制限はなく、前記焼結体と前記金属銅を同一の容器に入れ、前記金属銅を前記容器内の下方に配置した後、前記容器内を負圧又は常圧状態にし、溶融金属銅を前記焼結体含浸させるか、あるいは、前記金属銅を加熱溶解して前記金属銅を溶融し、前記溶融金属銅が所定温度に到達した段階で、前記容器を転回して該容器内において前記溶融金属銅中に前記焼結体を浸漬させることにより、前記溶融金属を焼結体中に含浸させてもよい。
【0021】
含浸の際に、付与する圧力としては、10kgf/cm2 以上、1000kgf/cm2 以下であり、好ましくは50kgf/cm2 以上、200kgf/cm2 以下であり、さらに好ましくは100kgf/cm2 以上、150kgf/cm2 以下である。この場合、前記圧力の付与時間は10秒以上、30分以下であり、望ましくは2分以上、10分以下である。
【0022】
また、前記所定温度は、含浸させようとする前記金属銅の融点より10℃〜250℃高い温度であり、好ましくは前記融点より50℃〜200℃高い温度、即ち、1100℃〜1350℃、好ましくは、1150℃〜1350℃程度である。この場合、焼結体に含浸させるべき前記金属の加熱は、0.01HPa以下の真空中で行うことが好ましい。
【0023】
前記冷却工程としては、前記容器を転回して含浸後の前記焼結体と非含浸の残存溶融金属とを分離する工程と、前記容器内の前記含浸用ガスを抜き、速やかに冷却用ガスを導入して容器内を冷却する工程とを有するようにしてもよく、前記容器を転回して含浸後の前記焼結体と非含浸の残存溶融金属とを分離する工程と、前記容器を冷やし金に接触させることにより、前記容器内を冷却する工程とを有するようにしてもよい。
【0024】
前記冷却工程における冷却速度は、含浸時の温度から800℃まで、−400℃/時間以上とすることが好ましく、より好ましくは−800℃/時間以上である。
【0025】
この様にして製造される本発明に係るブレーキ材は、常温での動摩擦係数が航空機などのブレーキ制御に必要な値である、少なくとも0.01であり、また、基材がC/Cコンポジットであるため、靱性に富み、優れた耐衝撃性、高硬度性を有する。従って、従来使用されているC/Cコンポジットが有している特性を保持したまま、同C/Cコンポジットが有する耐高温摩耗性が低いという欠点を克服することができる。
【0026】
また、C/Cコンポジットを基材としていることから、軽量であり、大型輸送機械に実装しても燃料消費に実質的に影響せず、エネルギーの消費上問題を生ずることがなく、省エネルギーの要請にもかなう材料であるといえる。
【0027】
本発明に係るブレーキ材の表面には、一部金属銅が露出しており、ブレーキ制動の際には、摩擦熱のために、一部の銅が溶融し、互いに焼き付くなどして、よりブレーキ制動力を発揮することが考えられる。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例および比較例により詳しく説明することとするが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
なお、各例によって得られたブレーキ材は、以下に示す方法よりその特性を評価した。
【0029】
(動摩擦係数および摩耗量の評価方法)
42mm角で厚さが4mmおよび8mmのテストピースと大きさ外径36mm、内径が24mm、厚さが8mmのデスク様のテストピースを用意し、これを重ね合わせ、治具にセットして、面圧が1.2MPaと1.9MPaとなるように荷重Fp(N)をかけ、回転数200rpmで10分間、400rpmで5分間回転させつつ、両テストピースを互いに押しつけ、その際の摩擦力Fs(N)を測定した。動摩擦係数の値は下式により算出した。また、摩耗量は、デスク様のテストピースの試験前の質量Wa(mg)と試験後の質量Wb(mg)を測定し、これと、テストピースの密度ρ(g/cm3)より、摩耗量V(mm3)を下式により算出した。
動摩擦係数μ=Fs/Fp
摩耗量V=(Wa−Wb)/ρ
【0030】
なお、この試験条件は、航空機におけるブレーキ制御条件をモデルとして設定したものである。即ち、航空機では、ブレーキ制御の際のブレーキ材同士の面圧は、1.5〜2.0MPaであること、また、航空機は130km/hr〜170km/hrで着地し、20秒で停止する。この条件を外挿するに際し、タイヤ径を2m、ブレーキ材径を500mmで、150km/hrで回転しているタイヤに20秒間力をかけ続けたと仮定し、摺動距離SDを求めた。即ち、摺動距離は下式で与えられる。
Figure 0004540890
となる。また、デスク様のテストピースの半径の真中では、摺動距離は、回転数200rpmで、10分間摺動したとすると、
Figure 0004540890
となる。この摺動距離に類似させて上記条件を採用したものである。
【0031】
なお、テストピースの肉厚は、4mmでは、摩擦粉が焼けるほどの高温となったため、航空機での通常ブレーキ制御時に近い温度となるテストピースの温度が、660℃〜700℃となるような条件として、テストピースの肉厚を倍の8mmとして、より実際の条件に合わせた条件下でも試験した。
【0032】
(実施例)
特開平2−80639号公報に記載の方法に基づき、炭素繊維を一方向に引き揃えたものにフェノール樹脂を含浸させたプリプレグシートを炭素繊維が互いに直交するように積層し、ホットプレスで180℃、10kg/cm2で樹脂を硬化させた。ついで、窒素中で2000℃で焼成し、密度1.60g/cm3、空隙量が15%のC/Cコンポジットの焼成体を得た。
特開2000−95586公報記載の方法に従い、このものを金属銅と同一の容器に入れ、前記金属銅を前記容器内の下方に配置した後、金属銅を加熱溶解して前記金属銅を溶融し、前記溶融金属銅が所定温度に到達した段階で、前記容器を転回して該容器内において前記溶融金属銅中に前記焼結体を浸漬させる工程により、前記溶融金属を焼結体中に含浸させた。その他の条件は、同公報記載の条件に従った。なお、動摩擦係数を所望の範囲内とするために、使用した金属銅の量は、質量%で49%となる量を選択した。
【0033】
かくして得られたブレーキ材から、42mm角で厚さが4mmおよび8mmのテストピースと大きさ外径36mm、内径が24mm、厚さが8mmのデスク様のテストピースそれぞれを切り出し、このテストピースを使用して、上記の測定方法により、摩擦係数、および摩耗量を測定し、その結果は図2および図3に示す。なお、図2は、70kgfと100kgfの押しつけ力をかけたときの、回転数200rpm、10分後の測定結果であり、図3は、さらに、70kgfの押しつけ力をかけたときの、回転数400rpm、5分後の測定結果である。
なお、比較のために、上記の焼結体そのものから同じようにテストピースを切り出し試験に供している。このものは、図1では、C/Cと表示している。また、測定値は、70kgfの押しつけ力をかけたときの、回転数200rpm、10分後のものをそれぞれ示す。
【0034】
(比較例)
外径300mm、内径150mm、厚さ20mmの大きさを有する円盤様C/Cコンポジット基材に、Si−SiC系材料からなるマトリックス層を配した繊維複合材料を製造し、これを用いてブレーキ用部材を製造した。
C/Cコンポジットは、特開2000−81062公報に記載の方法、即ち、以下のような方法により製造した。
炭素繊維を一方向に引き揃えたものにフェノール樹脂を含浸させたプリプレグシートを炭素繊維が互いに直交するように積層し、ホットプレスで180℃、10kg/cm2で樹脂を硬化させた。ついで、窒素中で2000℃で焼成し、密度1.0g/cm3、開気孔率50%のC/Cコンポジットを得た。
【0035】
次に、得られたC/Cコンポジットを、純度99.8%で平均粒径1mmのSi粉末で充填されたカーボンるつぼ内に施設した。ついで、焼成炉内にカーボンるつぼを移動した。焼成炉内の温度を1300℃、不活性ガスとしてアルゴンガス流量を20NL/分、焼成炉内圧を1hPaとし、またその保持時間を4時間として処理した後、焼成炉内の圧力をそのまま保持しつつ、炉内温度を1600℃に昇温することにより、C/CコンポジットにSiを含浸させて複合材料を製造した。
【0036】
かくして得られたブレーキ材から、製造例と同様に、42mm角で厚さが4mmおよび8mmのテストピースと大きさ外径36mm、内径が24mm、厚さが8mmのデスク様のテストピースそれぞれを切り出し、このテストピースを使用して、上記の測定方法により、摩擦係数、および摩耗量を測定し、その結果は、C/Cコンポジットと共に図1に示す。なお、このものは、図1中ではSC01として表記している。なお、図1のデータは、同一の条件で製造した7点の試料からそれぞれテストピースを切り出し、このテストピースについて試験して得られた結果を示す。
【0037】
図1〜図3から明らかなとおり、本発明に係るブレーキ材は、本発明者らが先に提案した特開2000−81062公報に開示のブレーキ用部材に比較して、動摩擦係数において安定した数値を示すと共に、摩擦量においては、C/Cコンポジット、比較例のブレーキ材に比較して、格段に少なくなることがわかる。従って、本発明に係るブレーキ材は、実用性、特に、耐久性の点で優れた特質を有していることがわかる。
【0038】
【発明の効果】
本発明に係るブレーキ材は実用可能な動摩擦係数を示し、また、摩耗量が少ないことから、極めて有望なブレーキ材であることがわかる。また、C/Cコンポジットを基材としていることから、軽量であり、エネルギーの損失が少なく、省エネルギーの要請にも添う。さらに、基材がC/Cコンポジットであるため、靱性に富み、優れた耐衝撃性、高硬度性を有する。
従って、本発明に係るブレーキ材は、上記の結果からも明らかなとおり、航空機などの大型輸送機械の制動装置におけるブレーキ用部材として極めて有望な素材である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 C/CコンポジットとSi−SiC含有の比較例のブレーキ材の性能試験の結果を示すグラフである。
【図2】 本発明に係るブレーキ材の性能試験結果の一例を示すグラフである。
【図3】 本発明に係るブレーキ材の性能試験結果の他の例を示すグラフである。

Claims (4)

  1. C/Cコンポジットと、金属銅とからなるマトリックスとからなり、前記金属銅は全ブレーキ材の質量の15%〜60%含有され、少なくとも0.01以上の動摩擦係数を有することを特徴とするブレーキ材。
  2. 常温における動摩擦係数が0.05〜0.4である請求項1に記載のブレーキ材。
  3. 摩耗量が0.0〜0.3mm/(N・km)である請求項1または2に記載のブレーキ材。
  4. 前記C/Cコンポジットは、少なくとも炭素繊維の束と炭素繊維以外の炭素成分とを含有するヤーンが三次元的に組み合わされ、これらヤーンが互いに分離しない程度に一体化されたヤーン集合体で構成されたものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレーキ材。
JP2001211586A 2001-07-12 2001-07-12 ブレーキ材 Expired - Fee Related JP4540890B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001211586A JP4540890B2 (ja) 2001-07-12 2001-07-12 ブレーキ材
DE60236513T DE60236513D1 (de) 2001-07-12 2002-07-11 Bremsmaterial
EP20020745951 EP1416184B1 (en) 2001-07-12 2002-07-11 Brake material
PCT/JP2002/007039 WO2003006844A1 (fr) 2001-07-12 2002-07-11 Materiau de frein et son procede de fabrication
US10/753,201 US20040142158A1 (en) 2001-07-12 2004-01-07 Brake material and method of manufacturing the brake material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001211586A JP4540890B2 (ja) 2001-07-12 2001-07-12 ブレーキ材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003026479A JP2003026479A (ja) 2003-01-29
JP4540890B2 true JP4540890B2 (ja) 2010-09-08

Family

ID=19046869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001211586A Expired - Fee Related JP4540890B2 (ja) 2001-07-12 2001-07-12 ブレーキ材

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20040142158A1 (ja)
EP (1) EP1416184B1 (ja)
JP (1) JP4540890B2 (ja)
DE (1) DE60236513D1 (ja)
WO (1) WO2003006844A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10212486A1 (de) * 2002-03-21 2003-10-16 Sgl Carbon Ag Verbundwerkstoff mit Verstärkungsfasern aus Kohlenstoff
JP5438288B2 (ja) * 2008-06-17 2014-03-12 株式会社 エマージー ディスクブレーキ用のディスク素材と、その製造方法
EP4263122A1 (en) * 2020-12-21 2023-10-25 Oerlikon Metco (US) Inc. Lightweight corrosion-resistant wear-resistant brake disc, and method of manufacturing

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02503904A (ja) * 1987-06-18 1990-11-15 エアロスパチアール・ソシエテ・ナシヨナル・アンジュストリエル 部品、とくに炭素‐炭素ブレーキディスクの製造方法および得られた部品
JPH062723A (ja) * 1992-06-18 1994-01-11 Nissan Motor Co Ltd C/cコンポジット製ブレーキ材料の製造方法
JPH08109083A (ja) * 1992-08-25 1996-04-30 Toyo Tanso Kk 複合材料、その製造方法及びその複合材料から成る摺動封止用部材
JPH11292662A (ja) * 1997-12-16 1999-10-26 Ngk Insulators Ltd 繊維複合材料およびその用途
JP2000081062A (ja) * 1998-09-08 2000-03-21 Ngk Insulators Ltd ブレーキ用部材
JP2000095586A (ja) * 1998-09-18 2000-04-04 Ngk Insulators Ltd 複合材料及びその製造方法
JP2000095588A (ja) * 1998-09-21 2000-04-04 Kubota Corp 有機性廃棄物の高効率好気性発酵方法
JP2001122672A (ja) * 1999-10-20 2001-05-08 Ngk Insulators Ltd ヒートシンク用部材、および同部材をヒートシンクとして使用した電子機器用電子基板モジュール

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5405560A (en) * 1987-06-18 1995-04-11 Societe Nationale Industrielle Et Aerospatiale Process for the production of a part, particularly a carbon-carbon brake disk and to the part obtained
JP3154008B2 (ja) * 1991-10-29 2001-04-09 三菱瓦斯化学株式会社 摩擦材料の製造方法
DE69515792D1 (de) * 1994-10-25 2000-04-27 Mitsubishi Chem Corp Gleiteinheit für Bremse
US5803210A (en) * 1994-12-28 1998-09-08 Nippon Oil Co., Ltd. Disk brakes
US6524681B1 (en) * 1997-04-08 2003-02-25 3M Innovative Properties Company Patterned surface friction materials, clutch plate members and methods of making and using same
DE69806333T3 (de) * 1997-12-16 2006-06-14 Ngk Insulators Ltd Faserverbundwerkstoff und seine Verwendung
JP4647053B2 (ja) * 1999-02-09 2011-03-09 日本碍子株式会社 SiC−C/Cコンポジット複合材料、その用途、およびその製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02503904A (ja) * 1987-06-18 1990-11-15 エアロスパチアール・ソシエテ・ナシヨナル・アンジュストリエル 部品、とくに炭素‐炭素ブレーキディスクの製造方法および得られた部品
JPH062723A (ja) * 1992-06-18 1994-01-11 Nissan Motor Co Ltd C/cコンポジット製ブレーキ材料の製造方法
JPH08109083A (ja) * 1992-08-25 1996-04-30 Toyo Tanso Kk 複合材料、その製造方法及びその複合材料から成る摺動封止用部材
JPH11292662A (ja) * 1997-12-16 1999-10-26 Ngk Insulators Ltd 繊維複合材料およびその用途
JP2000081062A (ja) * 1998-09-08 2000-03-21 Ngk Insulators Ltd ブレーキ用部材
JP2000095586A (ja) * 1998-09-18 2000-04-04 Ngk Insulators Ltd 複合材料及びその製造方法
JP2000095588A (ja) * 1998-09-21 2000-04-04 Kubota Corp 有機性廃棄物の高効率好気性発酵方法
JP2001122672A (ja) * 1999-10-20 2001-05-08 Ngk Insulators Ltd ヒートシンク用部材、および同部材をヒートシンクとして使用した電子機器用電子基板モジュール

Also Published As

Publication number Publication date
WO2003006844A1 (fr) 2003-01-23
US20040142158A1 (en) 2004-07-22
EP1416184B1 (en) 2010-05-26
DE60236513D1 (de) 2010-07-08
JP2003026479A (ja) 2003-01-29
EP1416184A4 (en) 2007-09-05
EP1416184A1 (en) 2004-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1028098B1 (en) SiC-C/C composite material and uses thereof
US5526914A (en) Brake rotors, clutch plates and like parts and methods for making the same
US6472058B2 (en) Fiber-composite material and method for producing the same
JP2001505863A (ja) 複合炭素/炭素―炭化ケイ素材料の摩擦部材およびその製造方法
EP0515193B1 (en) Disc brake for vehicles
US11384809B2 (en) Sintered friction material and production method for sintered friction material
EP1831129B1 (en) A shaped composite material
JP4540890B2 (ja) ブレーキ材
US6521344B1 (en) Member for brake
KR101610131B1 (ko) 자동차 브레이크 디스크 제조 방법
JP4464552B2 (ja) 新規な複合材料および複合材料の製造方法
JP4426126B2 (ja) ブレーキ用パッドまたはディスク、およびブレーキ
JP6783183B2 (ja) 炭素短繊維強化複合材料およびその製造方法
EP3875561A1 (en) Sintered friction material and method for producing sintered friction material
JP4338362B2 (ja) アルミニウム複合材の製造方法
JP7401233B2 (ja) 焼結摩擦材及び焼結摩擦材の製造方法
JP4322437B2 (ja) 複合材料、ブレーキ用パッドまたはディスク、およびブレーキ
JPH0987050A (ja) ブレーキ材およびエレベータ非常停止用ブレーキ装置
JP2002274945A (ja) 高速回転体用円盤およびその製造方法
JPH03237182A (ja) 摩擦部材
Sandvig et al. Non-woven fibrous product

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100622

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100623

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4540890

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees