JP3529823B2 - クラッチディスクの一体成形方法 - Google Patents
クラッチディスクの一体成形方法Info
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- JP3529823B2 JP3529823B2 JP02813594A JP2813594A JP3529823B2 JP 3529823 B2 JP3529823 B2 JP 3529823B2 JP 02813594 A JP02813594 A JP 02813594A JP 2813594 A JP2813594 A JP 2813594A JP 3529823 B2 JP3529823 B2 JP 3529823B2
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- facing
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- molding
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- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一体成形方法、特に、
環状のセンタープレートの両面に環状のフェーシング粗
成形材を加熱圧着させてクラッチディスクを一体成形す
るクラッチディスクの一体成形方法に関する。
環状のセンタープレートの両面に環状のフェーシング粗
成形材を加熱圧着させてクラッチディスクを一体成形す
るクラッチディスクの一体成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】乾式クラッチは、マニュアルトランスミ
ッションを備えた自動車等においてエンジンとトランス
ミッションとの間に配置され、駆動力を断続するもので
ある。この種の乾式クラッチには、1または複数枚のク
ラッチディスクが設けられている。クラッチディスク
は、平板又は凹凸状のバネ板の環状のセンタープレート
の両面に環状のフェーシングを取り付けたものである。
このフェーシングは、例えば、ガラス繊維のヒモ材を規
則的に屈曲させながら円環に巻きつけた環状の繊維板に
熱硬化性樹脂を含浸させたものである。
ッションを備えた自動車等においてエンジンとトランス
ミッションとの間に配置され、駆動力を断続するもので
ある。この種の乾式クラッチには、1または複数枚のク
ラッチディスクが設けられている。クラッチディスク
は、平板又は凹凸状のバネ板の環状のセンタープレート
の両面に環状のフェーシングを取り付けたものである。
このフェーシングは、例えば、ガラス繊維のヒモ材を規
則的に屈曲させながら円環に巻きつけた環状の繊維板に
熱硬化性樹脂を含浸させたものである。
【0003】この種のクラッチディスクにおいて、セン
タープレートとフェーシング粗成形材とを一体成形する
方法が、特公平5−59819号公報に開示されてい
る。この公報に示されたクラッチディスクの一体成形方
法は、センタープレートに対応する環状のセンタープレ
ートの両面に水平な枠型と押型と上下1対の中子とでフ
ェーシング粗成形材を加熱圧着する方法である。枠型は
内周に水平な加圧面を環状に有し、押型は筒状壁の先端
に水平な加圧面を有している。
タープレートとフェーシング粗成形材とを一体成形する
方法が、特公平5−59819号公報に開示されてい
る。この公報に示されたクラッチディスクの一体成形方
法は、センタープレートに対応する環状のセンタープレ
ートの両面に水平な枠型と押型と上下1対の中子とでフ
ェーシング粗成形材を加熱圧着する方法である。枠型は
内周に水平な加圧面を環状に有し、押型は筒状壁の先端
に水平な加圧面を有している。
【0004】ここでは、上下の中子は、外径が環状のフ
ェーシング粗成形材の内径と等しい環状体であり、環状
の両加圧面の内周に隙間無く挿通可能に形成されてい
る。この結果、枠型と押型と上下の中子とで形成される
環状空間内の外に熱硬化性樹脂がバリとなって出る余地
はほとんどない。この一体成形方法では、両加圧面の内
径側に上下1対の中子を当てがい、フェーシング粗成形
材でセンタープレートの両面を挟んだ3層体を両加圧面
の間で圧縮しながら加熱する。
ェーシング粗成形材の内径と等しい環状体であり、環状
の両加圧面の内周に隙間無く挿通可能に形成されてい
る。この結果、枠型と押型と上下の中子とで形成される
環状空間内の外に熱硬化性樹脂がバリとなって出る余地
はほとんどない。この一体成形方法では、両加圧面の内
径側に上下1対の中子を当てがい、フェーシング粗成形
材でセンタープレートの両面を挟んだ3層体を両加圧面
の間で圧縮しながら加熱する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の一体成形方
法では、環状空間からのバリの発生を抑えるために、中
子が環状の両加圧面の内周に隙間無く挿通可能となって
いる。このため、環状空間内に収納するフェーシング粗
成形材の量を、環状空間内に隙間なく収納されるように
精度良く管理しなければならない。このように、フェー
シング粗成形材の量を精度良く管理すると、粗成形材を
加熱圧着する際に、その流動性が悪い場合には、成形後
のフェーシングの外周部や内周部に欠落が生じ易い。
法では、環状空間からのバリの発生を抑えるために、中
子が環状の両加圧面の内周に隙間無く挿通可能となって
いる。このため、環状空間内に収納するフェーシング粗
成形材の量を、環状空間内に隙間なく収納されるように
精度良く管理しなければならない。このように、フェー
シング粗成形材の量を精度良く管理すると、粗成形材を
加熱圧着する際に、その流動性が悪い場合には、成形後
のフェーシングの外周部や内周部に欠落が生じ易い。
【0006】また、枠型と押型の間及び枠型や押型と中
子の間でバリが発生しにくいため、フェーシング粗成形
材の量が多い場合、中子とセンタープレートとの間に水
平にバリが発生することがある。中子とセンタープレー
トとの間に水平にバリが発生すると、発生したバリを機
械加工で除去するのが困難である。本発明の目的は、フ
ェーシング粗成形材の量の管理精度を高めることを不要
とし、フェーシングの内外周部の欠落を生じにくくする
ことにある。
子の間でバリが発生しにくいため、フェーシング粗成形
材の量が多い場合、中子とセンタープレートとの間に水
平にバリが発生することがある。中子とセンタープレー
トとの間に水平にバリが発生すると、発生したバリを機
械加工で除去するのが困難である。本発明の目的は、フ
ェーシング粗成形材の量の管理精度を高めることを不要
とし、フェーシングの内外周部の欠落を生じにくくする
ことにある。
【0007】本発明の他の目的は、パリを除去しやすく
することにある。
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るクラッチデ
ィスクの一体成形方法は、環状のセンタープレートの両
面に環状の粗成形材を、枠型と枠型内に摺動可能に嵌め
込まれた押型と枠型及び押型の内周側に配置された上下
1対の分割中子とで形成される環状空間内で加熱圧着
し、フェーシング粗成形材の表面と直交する方向にバリ
を発生させてクラッチディスクを一体成形する方法であ
る。この方法では、中子の外周面と枠型及び押型のそれ
ぞれの加圧面の内周部との間に所定間隙が形成され得る
ように枠型、押型及び中子を配置して環状のセンタープ
レートの両面にフェーシング粗成形材を加熱圧着する。
ィスクの一体成形方法は、環状のセンタープレートの両
面に環状の粗成形材を、枠型と枠型内に摺動可能に嵌め
込まれた押型と枠型及び押型の内周側に配置された上下
1対の分割中子とで形成される環状空間内で加熱圧着
し、フェーシング粗成形材の表面と直交する方向にバリ
を発生させてクラッチディスクを一体成形する方法であ
る。この方法では、中子の外周面と枠型及び押型のそれ
ぞれの加圧面の内周部との間に所定間隙が形成され得る
ように枠型、押型及び中子を配置して環状のセンタープ
レートの両面にフェーシング粗成形材を加熱圧着する。
【0009】なお、枠型、押型及び中子は実質的に同心
に配置されているのが好ましい。また、所定の間隙は、
0.01mm以上0.05mm以下であるのが好まし
い。
に配置されているのが好ましい。また、所定の間隙は、
0.01mm以上0.05mm以下であるのが好まし
い。
【0010】
【作用】本発明に係るクラッチディスクの一体成形方法
では、中子の外周面と枠型及び押型のそれぞれの加圧面
の内周部との間に間隙が形成され得るように、枠型、押
型及び中子を配置して、フェーシング粗成形材でセンタ
ープレートの両面を挟んだ3層体を加熱圧着する。加熱
圧着により、フェーシング粗成形材からその一部が、枠
型と押型との間の間隙及び中子と押型及び枠型との間隙
から流れ出てバリとなる。
では、中子の外周面と枠型及び押型のそれぞれの加圧面
の内周部との間に間隙が形成され得るように、枠型、押
型及び中子を配置して、フェーシング粗成形材でセンタ
ープレートの両面を挟んだ3層体を加熱圧着する。加熱
圧着により、フェーシング粗成形材からその一部が、枠
型と押型との間の間隙及び中子と押型及び枠型との間隙
から流れ出てバリとなる。
【0011】ここでは、間隙によって発生したバリは、
フェーシング面と直交する方向に発生するので、成形後
に内外周を研磨することによって簡単に除去できる。ま
た、バリを許容しているのでフェーシング粗成形材の量
の管理精度を緩めることができ、フェーシング粗成形材
の量を多めに投入できるため、成形後のフェーシングの
内外周部に欠落が生じにくい。さらに、枠型、押型及び
中子は実質的に同心に配置されていると、生成されたバ
リの厚みが均一になり、よりバリを除去しやすい。さら
にまた、所定の間隙が0.01mm以上0.03mm以
下であれば、バリの厚みを管理でき、さらにバリを除去
しやすい。
フェーシング面と直交する方向に発生するので、成形後
に内外周を研磨することによって簡単に除去できる。ま
た、バリを許容しているのでフェーシング粗成形材の量
の管理精度を緩めることができ、フェーシング粗成形材
の量を多めに投入できるため、成形後のフェーシングの
内外周部に欠落が生じにくい。さらに、枠型、押型及び
中子は実質的に同心に配置されていると、生成されたバ
リの厚みが均一になり、よりバリを除去しやすい。さら
にまた、所定の間隙が0.01mm以上0.03mm以
下であれば、バリの厚みを管理でき、さらにバリを除去
しやすい。
【0012】
【実施例】図1は、本発明方法を実施するための成形金
型1の成形時の状態を示す断面部分図である。図におい
て、成形金型1は、プレス機の上側熱板10に複数個の
ボルト(図示せず)により固着された押型2と、プレス
機の下側熱板11に押型2と同心に取り付けられた枠型
3と、押型2及び枠型3内にそれぞれ同心に配置された
上下1対の中子4,5とから主に構成されている。
型1の成形時の状態を示す断面部分図である。図におい
て、成形金型1は、プレス機の上側熱板10に複数個の
ボルト(図示せず)により固着された押型2と、プレス
機の下側熱板11に押型2と同心に取り付けられた枠型
3と、押型2及び枠型3内にそれぞれ同心に配置された
上下1対の中子4,5とから主に構成されている。
【0013】押型2は、枠型3上に立設されたガイドピ
ン6により枠型3に対して上下移動可能である。押型2
の内周側には環状の突起部7が形成されており、突起部
7に対向する枠型3の内周側には、階段状の段差8が形
成されている。突起部7の先端には、水平な加圧面7a
が形成されている。また、段差8には、突起部7の加圧
面7aに平行に加圧面8aが形成されている。突起部7
の内周側には中子4が配置され、段差8の内周側には中
子5が配置されている。
ン6により枠型3に対して上下移動可能である。押型2
の内周側には環状の突起部7が形成されており、突起部
7に対向する枠型3の内周側には、階段状の段差8が形
成されている。突起部7の先端には、水平な加圧面7a
が形成されている。また、段差8には、突起部7の加圧
面7aに平行に加圧面8aが形成されている。突起部7
の内周側には中子4が配置され、段差8の内周側には中
子5が配置されている。
【0014】図2に示すように、突起部7の外周面7b
と段差8の外周面8bとの間には、ギャップ12が形成
されている。また、図3に示すように、突起部7の内周
面7cと中子4の外周面4aとの間にはギャップ13
が、段差8の内周面8cと中子5の外周面5aとの間に
はギャップ14がそれぞれ形成されている。これらのギ
ャップ12〜14の大きさは0.01mm〜0.05m
m、より好ましくは0.01mm〜0.03mmに設定
される。このようにギャップ12〜14の大きさを設定
すると、ギャップ12〜14により生成されるバリの厚
みを管理でき、バリを除去しやすい。
と段差8の外周面8bとの間には、ギャップ12が形成
されている。また、図3に示すように、突起部7の内周
面7cと中子4の外周面4aとの間にはギャップ13
が、段差8の内周面8cと中子5の外周面5aとの間に
はギャップ14がそれぞれ形成されている。これらのギ
ャップ12〜14の大きさは0.01mm〜0.05m
m、より好ましくは0.01mm〜0.03mmに設定
される。このようにギャップ12〜14の大きさを設定
すると、ギャップ12〜14により生成されるバリの厚
みを管理でき、バリを除去しやすい。
【0015】突起部7の加圧面7aと段差8の加圧面8
aとの間には、クラッチディスク20のフェーシング粗
成形材21が配置される。また、中子4,5の間には、
両面にフェーシング粗成形材21を加熱圧着するための
センタープレート22がガイドピン24により規定の位
置に嵌め込まれる。中子4は,ボルト23によりセンタ
ープレート22を挟持した状態で中子5に締結される。
aとの間には、クラッチディスク20のフェーシング粗
成形材21が配置される。また、中子4,5の間には、
両面にフェーシング粗成形材21を加熱圧着するための
センタープレート22がガイドピン24により規定の位
置に嵌め込まれる。中子4は,ボルト23によりセンタ
ープレート22を挟持した状態で中子5に締結される。
【0016】クラッチディスク20は、図4および図5
に示すように、センタープレート22と、その両面にフ
ェーシング粗成形材21を成形したフェーシング材21
aとから構成される。センタープレート22は、平板の
鋼材を円環状に打ち抜いて得られた部材であり、その外
周側には、フェーシング粗成形材21が連通する連通孔
25が千鳥状に打ち抜かれている。また内周側には、図
示しないクラッチディスク本体を固定するための複数の
リベット孔26が同一直径上に打ち抜かれている。セン
タープレート22はこれらを形成した状態で鋼材を焼き
入れして製造される。
に示すように、センタープレート22と、その両面にフ
ェーシング粗成形材21を成形したフェーシング材21
aとから構成される。センタープレート22は、平板の
鋼材を円環状に打ち抜いて得られた部材であり、その外
周側には、フェーシング粗成形材21が連通する連通孔
25が千鳥状に打ち抜かれている。また内周側には、図
示しないクラッチディスク本体を固定するための複数の
リベット孔26が同一直径上に打ち抜かれている。セン
タープレート22はこれらを形成した状態で鋼材を焼き
入れして製造される。
【0017】フェーシング材21aとなるフェーシング
粗成形材21は、図6に示すように、ガラス繊維のひも
材に熱硬化性樹脂やゴム,硫黄粉,カーボン粉及びその
他の無機充填材を含んだモールド(粘着物)を被覆した
ロープ27を交錯円環状に巻き付け、加圧して仮成形し
たものである。このように構成された成形金型1を用い
たクラッチディスク20の一体成形は以下の手順で実施
される。
粗成形材21は、図6に示すように、ガラス繊維のひも
材に熱硬化性樹脂やゴム,硫黄粉,カーボン粉及びその
他の無機充填材を含んだモールド(粘着物)を被覆した
ロープ27を交錯円環状に巻き付け、加圧して仮成形し
たものである。このように構成された成形金型1を用い
たクラッチディスク20の一体成形は以下の手順で実施
される。
【0018】まず、図7(A)に示すように、成形金型
1に仕込むべき規定の重量に計量されかつ熱硬化性樹脂
が含浸されたフェーシング粗成形材21を2枚用意し、
1枚を成形金型1の枠型3内の加圧面8a上に配置す
る。次に、その上にプライマー及び接着剤を塗布乾燥し
たセンタープレート22を、リベット孔26にガイドピ
ン24を嵌め合わせて、下側の中子5上の所定の位置に
載置する。そして、このセンタープレート22の上に上
側の中子4を配置して、センタープレート22を中子
4,5で挟み、上下の中子4,5をガイドピン24に合
わせて載置してボルト23により締結する。この結果、
センタープレート22が中子4,5の所定位置に配置さ
れ挟まれる。ついで、中子4,5を嵌め合わせたセンタ
ープレート22上に、熱硬化性樹脂が含浸された2枚目
のフェーシング粗成形材21を配置する。
1に仕込むべき規定の重量に計量されかつ熱硬化性樹脂
が含浸されたフェーシング粗成形材21を2枚用意し、
1枚を成形金型1の枠型3内の加圧面8a上に配置す
る。次に、その上にプライマー及び接着剤を塗布乾燥し
たセンタープレート22を、リベット孔26にガイドピ
ン24を嵌め合わせて、下側の中子5上の所定の位置に
載置する。そして、このセンタープレート22の上に上
側の中子4を配置して、センタープレート22を中子
4,5で挟み、上下の中子4,5をガイドピン24に合
わせて載置してボルト23により締結する。この結果、
センタープレート22が中子4,5の所定位置に配置さ
れ挟まれる。ついで、中子4,5を嵌め合わせたセンタ
ープレート22上に、熱硬化性樹脂が含浸された2枚目
のフェーシング粗成形材21を配置する。
【0019】この状態で、図7(B)に示すように、プ
レス機で加熱しながら上側熱板10を下降させて、押型
2と枠型3とにより上下から加圧してセンタープレート
22とフェーシング粗成形材21とを一体成形する。こ
の成形時に、センタープレート22は、上下の中子4,
5で挟まれ固定されている。ここでは、フェーシング粗
成形材21は、成形金型1の押型2と枠型3と上下の中
子4,5とによって囲まれ、例えば圧力15MPa、温
度150℃、加圧時間10分の加圧成形条件の下で、押
型2と枠型3とによって加圧されてセンタープレート2
2と一体に成形される。加圧成形中においてフェーシン
グ粗成形材21に含まれる熱硬化性樹脂が硬化するとき
に発生するガスを抜くためのガス抜き操作を1分間隔で
10秒間、合計3回実施する。この加圧成形時に、熱硬
化性樹脂が加熱されて図7(B)に示すように、ギャッ
プ12〜14からはみ出す。
レス機で加熱しながら上側熱板10を下降させて、押型
2と枠型3とにより上下から加圧してセンタープレート
22とフェーシング粗成形材21とを一体成形する。こ
の成形時に、センタープレート22は、上下の中子4,
5で挟まれ固定されている。ここでは、フェーシング粗
成形材21は、成形金型1の押型2と枠型3と上下の中
子4,5とによって囲まれ、例えば圧力15MPa、温
度150℃、加圧時間10分の加圧成形条件の下で、押
型2と枠型3とによって加圧されてセンタープレート2
2と一体に成形される。加圧成形中においてフェーシン
グ粗成形材21に含まれる熱硬化性樹脂が硬化するとき
に発生するガスを抜くためのガス抜き操作を1分間隔で
10秒間、合計3回実施する。この加圧成形時に、熱硬
化性樹脂が加熱されて図7(B)に示すように、ギャッ
プ12〜14からはみ出す。
【0020】続いて、図7(C)に示すように、上側熱
板2を上昇させて、枠型3から押型2を離反させ、中子
4,5を分離して図4および図5に示したクラッチディ
スク20を得る。この結果、図8に示すように、ギャッ
プ12〜14にはみ出した樹脂によりフェーシング材2
1aの内外周部にバリ28が発生する。しかし、このバ
リ28は、ともに、フェーシング材21aの上下のフェ
ーシング面と直交する方向に形成されているので、成形
後にフェーシング面を研磨することによって、簡単に除
去できる。また、突起部7と段差8と中子4,5とで形
成される環状空間に対してフェーシング粗成形材21を
多めに投入できるので、内外周部に欠落が生じにくい。
板2を上昇させて、枠型3から押型2を離反させ、中子
4,5を分離して図4および図5に示したクラッチディ
スク20を得る。この結果、図8に示すように、ギャッ
プ12〜14にはみ出した樹脂によりフェーシング材2
1aの内外周部にバリ28が発生する。しかし、このバ
リ28は、ともに、フェーシング材21aの上下のフェ
ーシング面と直交する方向に形成されているので、成形
後にフェーシング面を研磨することによって、簡単に除
去できる。また、突起部7と段差8と中子4,5とで形
成される環状空間に対してフェーシング粗成形材21を
多めに投入できるので、内外周部に欠落が生じにくい。
【0021】〔他の実施例〕
(a) 中子4,5を、押型2及び枠型3から複数個の
ばねを介して支持してもよい。この場合には、金型から
の離脱時の動作がスムーズになる。 (b) 突起部7の先端面7a及び段差8の加圧面8a
にそれぞれ突起を設け、加圧成形時にフェーシング粗成
形材21表面に溝を形成してもよい。
ばねを介して支持してもよい。この場合には、金型から
の離脱時の動作がスムーズになる。 (b) 突起部7の先端面7a及び段差8の加圧面8a
にそれぞれ突起を設け、加圧成形時にフェーシング粗成
形材21表面に溝を形成してもよい。
【0022】
【発明の効果】本発明に係るクラッチディスクの一体成
形方法では、中子の外周面と枠型及び押型のそれぞれの
加圧面の内周部との間に間隙が形成され得るように、枠
型、押型及び中子が配置されているので、加熱圧着時
に、フェーシング面と直交する方向に流れ出してバリが
形成される。このバリは、フェーシング面と直交する方
向に形成されるため、容易に除去できる。また、フェー
シング粗成形材を多めに入れることができ、内外周部で
の欠落が生じにくい。さらに、枠型、押型及び中子を同
心に配置したり、間隙が所定の範囲であると、生成され
たバリの厚みを管理でき、よりバリの除去が容易であ
る。
形方法では、中子の外周面と枠型及び押型のそれぞれの
加圧面の内周部との間に間隙が形成され得るように、枠
型、押型及び中子が配置されているので、加熱圧着時
に、フェーシング面と直交する方向に流れ出してバリが
形成される。このバリは、フェーシング面と直交する方
向に形成されるため、容易に除去できる。また、フェー
シング粗成形材を多めに入れることができ、内外周部で
の欠落が生じにくい。さらに、枠型、押型及び中子を同
心に配置したり、間隙が所定の範囲であると、生成され
たバリの厚みを管理でき、よりバリの除去が容易であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の実施に用いる成形金型の断
面部分図。
面部分図。
【図2】成形金型の外周側の断面部分図。
【図3】成形金型の内周側の断面部分図。
【図4】クラッチディスクの一例を示す平面一部切欠き
図。
図。
【図5】図4のV−V断面図。
【図6】フェーシング粗成形材の斜視図。
【図7】本発明方法の手順を示す断面部分図。
【図8】加熱圧着後のクラッチディスクを示す断面部分
図。
図。
1 成形金型
2 押型
3 枠型
4,5 中子
7a,8a 加圧面
12〜14 ギャップ
20 クラッチディスク
21 フェーシング粗成形材
21a フェーシング材
22 センタープレート
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
B29K 105:20 B29K 105:20
B29L 31:16 B29L 31:16
(56)参考文献 特開 平6−47765(JP,A)
特開 昭54−1380(JP,A)
特公 平5−59819(JP,B2)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B29C 45/14
B29C 43/18
B29C 43/36
F16D 13/62
Claims (3)
- 【請求項1】環状のセンタープレートの両面に環状のフ
ェーシング粗成形材を、枠型と前記枠型内に摺動可能に
嵌め込まれた押型と前記押型の内周側に配置された上下
1対の分割中子とで形成される環状空間内で加熱圧着し
てクラッチディスクを一体成形するクラッチディスクの
一体成形方法において、 前記1対の中子の外周面と前記枠型及び押型のそれぞれ
の加圧面の内周部との間に所定の間隙が形成され得るよ
うに前記枠型、押型及び中子を配置して環状のセンター
プレートの両面にフェーシング粗成形材を加熱圧着し、
前記フェーシング粗成形材の表面と直交する方向にバリ
を発生させる、クラッチディスクの一体成形方法。 - 【請求項2】前記枠型、押型及び中子は実質的に同心に
配置されている請求項1に記載のクラッチディスクの一
体成形方法。 - 【請求項3】前記所定の間隙は、0.01mm以上0.
05mm以下である請求項1または請求項2に記載のク
ラッチディスクの一体成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02813594A JP3529823B2 (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | クラッチディスクの一体成形方法 |
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