JP5010276B2 - 吸水性樹脂を主成分とする粒子状植物育成用保水材 - Google Patents

吸水性樹脂を主成分とする粒子状植物育成用保水材 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、植物育成用保水材に関するものである。更に詳しくは、本発明は、植物体の育成に際して前記植物体への水の供給源としての機能を発揮するとともに、良好な植物体の発育を促進し、土壌や砂地への適用による土壌改質および緑化促進、植物体を支持ないし担持することが可能な植物育成用保水材に関するものである。より具体的には、本発明は、田圃栽培、露地栽培、節水栽培、緑化工法等への保水用担体として使用した際に、吸水速度が速く取り扱いに優れるものであり、植物成長を阻害することがない植物用保水担体に関する。むしろ、植物育成用保水材であって、植物の成長を促進する土壌中で高濃度使用や膨潤ゲル担体での使用が可能な植物用育成用保水材に関する。
背景技術
近年、吸水性樹脂は体液(尿や血液)を吸収させることを目的として、紙おむつや生理用ナプキン、失禁パッド等などの衛生材料(吸収物品)において、その主要な構成材料として幅広く利用されている。上記吸水性樹脂の具体例としては、ポリアクリル酸部分中和物架橋体等のポリアクリル酸系吸水性樹脂を含むポリカルボン酸系吸水性樹脂や澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物等がある。これらの中でも特にポリアクリル酸系吸水性樹脂が低価格性および物性面で優れるものであり大量に使用されている。
また近年、吸水性樹脂は衛生材料以外にもその低価格面や保水性を活かして農園芸用途等に使用されるようになってきた。例えば、前記ポリアクリル酸系吸水性樹脂は、その保水性を利用して緑化工法、節水栽培、砂地栽培の保水材として利用されている(例えば、特開昭58−42602号公報、特開昭63−68026号公報、特開昭64−51028号公報参照)。さらに、植物成長に悪影響を与えない保水剤の提供を目的にポリアクリル酸アンモニウム塩を用いた吸水性樹脂が開示されている(例えば特開昭62−273283号公報参照)。また、特開2000−139208号公報には植物成長阻害を改善したポリアクリル酸系吸水性樹脂に関する技術が開示されている。
しかしながら、例えば特開昭58−42602号公報、特開昭63−68026号公報および特開昭64−51028号公報のような従来のポリアクリル酸系吸水性樹脂を植物育成用保水剤として使用した場合は、植物の成長に悪影響を及ぼし、特に著しい発根および根成長阻害を引き起こすことが明らかとなっている(川島和夫ら、高吸水性高分子物質の作物の初期成長へ及ぼす影響、砂丘研究、31(1)、1−8、1984年)。また、植物における発根や根成長にはカルシウムが必須であることが明らかとなっている(高倉直、植物の成長と環境、農文協、162頁表5−2)。
それゆえ、カルボン酸の対イオンを従来一般に使用されているナトリウム塩から単純にアンモニウム塩に置換するという特開昭62−273283号公報開示の技術を用いても、著しい発根および根成長阻害を抑制することが出来なかった。よって、従来のポリアクリル酸系吸水性樹脂を緑化工法等に使用する場合には、植物の幼苗、種子等がポリアクリル酸系吸水性樹脂と直接接触することによる著しい成長阻害を受けないようにするため、その使用量が制限され、例えば土壌中に数重量%以下しか使用できなかった。そのため、潅水頻度の低減や保水効果が充分に発揮できなかった。また、特に、他の担体と混合せずに膨潤ゲル化させた状態での栽培ができず、挿し木栽培、ハイドロカルチャーやフラワーアレンジメント等のようなインテリアなどの植物保水用担体に使用できなかった。
米国特許第6286254号明細書の開示技術によれば、乾燥重量あたりカルシウムイオン吸収量が50mg未満でありかつイオン交換水(室温25℃)中での吸水倍率が100倍以上であるハイドロゲル形成性高分子を含む植物育成保水担体を調製し、植物成長に必要なカルシウムを植物体から奪わないことで成長阻害を防止している。しかしながら、米国特許第6286254号明細書には、アクリルアミドとアクリル酸との共重合架橋体やアクリル酸系吸水性樹脂を水で膨潤させて得られるハイドロゲルに塩化カルシウム等の水溶性ないし水易溶性の多価金属がドーピングされているため、吸水速度の低下が著しいことが記載されている。従って、前記ハイドロゲルは吸水率が高くても、吸水速度が低下するために、吸水性樹脂が実際に吸収する水量が低く土中に水が散逸する。そのため、実際土壌への使用時には流出散逸による潅水効率が低下する。
特開2000−139208号公報開示の技術によれば、乾燥重量1gあたりカルシウムイオン吸収量0〜100mgであり、かつ塩素イオンの含有量が乾燥重量1gあたり0.07〜7mmolのアクリル酸系吸水性樹脂を植物保水担体として用いることで植物体へのカルシウムの吸収を促進し、植物体の成長阻害を防止している。しかしながら、特開2000−139208号公報開示の技術では、吸水性樹脂の含水状態が高い状態で塩化カルシウム等の多価金属と混合するために、吸水性樹脂全体に対して均一に多価金属が分布することとなり、米国特許第6286254号開示の技術と同様に、多価金属による架橋で吸水倍率の低下が大きい。特に保水材の吸水速度が低下する。このため、実際の使用時においては、例えば保水材として土壌に混合後に潅水した水を充分に吸収しきれずに流出し、潅水効率が低下するという問題がある。また、特開2000−139208号公報開示の技術では保水材が塩素イオンを含有するために、実際の工業的生産に対しては装置や設備への負担やダメージが大きくなる。さらに潮解性を有する塩化カルシウム等を添加することで、保水材の吸湿流動性(アンチケーキングないしアンチブロッキング性)が悪くなるためにその粉体取り扱い特性が問題となる。また、塩素イオンが存在するために、焼却の際の問題や、その他例えば土壌に繰り返し散布することで、その蓄積が環境に対する問題となる。このように、従来技術においては、植物育成用保水材の保水材としての吸水特性と、植物育成用としての植物体への成長促進特性は相反するものであり、両者を満足させる植物育成用保水材の提供は極めて困難であった。
本発明が解決しようとする課題は、従来、相反する吸水特性と植物体の成長促進特性を有する植物育成用保水材を与えることによって、潅水効率の極めて優れた土壌改良や緑化用の新規植物育成用保水材を提供することである。さらに、土壌中での高濃度使用が可能であり、膨潤ゲルに直接栽培使用が可能な新規植物育成用保水材を提供することである。
発明の開示
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、カルボキシル基含有の吸水性樹脂に、特定の多価金属化合物を吸水性樹脂粒子の表面に担持することで、植物体の成長阻害がなく、優れた吸水特性を有する植物育成用保水材を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の植物育成用保水材を用いた場合、植物がカルシウムイオン欠乏症に陥ることなく、植物成長に対する発根成長を促進する。しかも、この保水材は吸水速度が速くかつ、飽和吸水倍率が高く植物育成材の保水特性が優れるため、潅水効率が向上し植物に対して充分な水分を供給することができる。また、本発明の植物育成用保水材は、例えばカルシウム塩またはカルシウム化合物等の植物体の栄養塩を担持しているので植物成長を促進し、担持化合物の水に対する溶解度を調整することで長期間にわたって栄養塩を徐放し続けることができる。また、本発明の植物育成用保水材は土壌中での高濃度使用が可能であり、膨潤ゲルでの直接栽培が可能となる。さらに、優れた粉体流動性を示すために作業性取り扱い性に優れた植物育成用保水材を提供することができる。
図面の簡単な説明
図1は、実施例17における植物育成の結果を示す図である。
(A)植物育成用保水材(1)と培養土との混合土壌
(B)吸水性樹脂(1)と培養土
(C)培養土
(D)吸水性樹脂(1)、培養土および硫酸カルシウムとの混合土壌
図2は、実施例18における植物育成の結果を示す図である。
(A)植物育成用保水材(5)と培養土との混合土壌
(B)培養土
(C)吸水性樹脂(1)と培養土との混合土壌。
発明を実施するための最良の形態
本発明の第一は、カルボキシル基を有する水不溶性の吸水性樹脂(A)と多価金属化合物(B)とを含む植物育成用保水材であって、吸収速度(10分間のイオン交換水に対する吸水倍率)が20〜500g/gであり、重量平均粒子径が200〜10,000μmである粒子状植物育成用保水材である。本発明の第二は、カルボキシル基を有する水不溶性の吸水性樹脂(A)と多価金属化合物(B)とを含む植物育成用保水材であって、カルシウム徐放指数が0を超えて50mg/L以下であり、重量平均粒子径が200〜10,000μmである、粒子状植物育成用保水材である。
本発明者らは、従来の吸水性樹脂が植物成長阻害を引き起こす要因を詳細に検討した結果、植物は、発芽、発根の際にカルシウムの要求性が高いが、吸水性樹脂に種子を直播すると前記樹脂に含まれるカルボン酸ナトリウム基等により、潅水中のカルシウムが捕獲され、植物によるカルシウムの利用率が制限されること、前記吸水性樹脂は植物の発芽直後の根から、植物体に蓄えているカルシウムも捕獲するため、カルシウム不足によって発芽率、発根率が低下すること、および、発根した場合であっても吸水性樹脂中に根を張ることができず、植物体の水分摂取が不十分となり、さらに植物成長に必要なカルシウム不足を助長するために発芽、発根率を低下させることを見い出した。特に、吸水性樹脂がカルボキシル(塩)基を含む場合にはカルシウムを捕獲しやすく発根障害を起こしやすい。
かかる問題を解決するために、本発明では、吸水性樹脂の表面に特定量のカルシウムを含ませることで、飽和吸水倍率や吸水速度といった吸水性能を低下させることなく植物体へのカルシウムの供給能力を向上させることができる。特に生分解性に優れる吸水性樹脂としてポリアミノ酸やその架橋体がある。しかし、これらの吸水性樹脂に含まれるカルボキシル基の塩もカルシウムを捕獲しやすく発根障害を起こしやすい。この場合でも本発明では、吸水性樹脂の表面に特定のカルシウムを含ませることで、飽和吸水倍率や吸水速度といった吸水性能を低下させることなく植物体へのカルシウム供給能力を向上させ植物成長を促進することができる。また、保水材としての吸水特性、特に吸水速度が極めて優れるために、例えば土壌へ給水散布した水を速やかに吸水するため、流出あるいは蒸散による水の散逸が少なく、例えば、砂漠や砂地においての緑化のような農業用途において潅水効率が高く、潅水頻度が極めて少ない。従来の吸水性樹脂がカルシウムを吸収するのに対して、むしろ、本発明の粒子状植物育成用保水材は、カルシウム徐放指数が0を超えて50mg/L以下であり、カルシウムを放出する能力も有する。このため、植物体に必須の栄養素(カルシウム)も供給できる。以下、本発明を詳細に説明する。
(1)吸水性樹脂(A)
本発明の「吸水性樹脂(A)」とは、植物育成用保水材中で、または前記保水材とする前には粒子状であって、ヒドロゲルを形成しうる水膨潤性水不溶性の架橋重合体をいう。例えば、水膨潤性とはイオン交換水中において飽和吸水倍率が、20〜1,000g/g、好ましくは50〜1,000g/g、より好ましくは100〜1,000g/gという多量の水を吸収するものを指し、水不溶性とは吸水性樹脂中の未架橋の水可溶性成分(水溶性高分子)が好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜25重量%、さらに好ましくは0〜20重量%、特に好ましくは0〜15重量%、さらに特に好ましくは0〜10重量%、最も好ましくは0〜7重量%のものを指す。水可溶性成分量が50重量%を越えると、溶出分による成長の阻害が生じ、植物育成効果が低減する場合がある。また、吸水によって形状維持効果が低減するため、種苗を樹脂中に定植できない場合がある。なお、飽和吸水倍率および水可溶性成分の数値は、後記する実施例で規定する測定方法によるものとする。
本発明では吸水性樹脂として例えばポリアスパラギン酸架橋体やγ−グルタミン酸架橋体のようなポリアミドタイプの吸水性樹脂、CMC架橋体などの天然物吸水性樹脂も例示されるが、好ましくは吸収特性の面から不飽和単量体を重合して得られ内部架橋構造を有する吸水性樹脂を用いることがより好ましい。さらに吸水性樹脂粒子の表面に有機二次架橋構造を有していてもよい。かかる吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸部分中和物重合体、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、その架橋体、アクリロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物の架橋体、カルボキシル基含有架橋ポリビニルアルコール変性物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体が挙げられる。これらの吸水性樹脂は単独で、または2種以上の混合物の形態で用いられうる。好ましくは、アクリル酸及び/又はその塩(中和物)を主成分とする単量体を重合および架橋することにより得られるポリアクリル酸部分中和物重合体が用いられる。以下、本発明の植物育成用保水材に使用される吸水性樹脂の原料やその製造に採用される反応条件について説明する。
(a)不飽和単量体
不飽和単量体(以下単に「単量体」と略す)としては、アクリル酸および/またはその塩を主成分として使用することが好ましい。その他の単量体を併用してもよい。併用される単量体として、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸およびそのアルカリ金属塩やアンモニウム塩、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソブチレン、ラウリル(メタ)アクリレート等の水溶性または疎水性不飽和単量体等を共重合成分とするものが挙げられる。
本発明でアクリル酸(塩)以外の単量体を用いる場合には、前記アクリル酸(塩)以外の単量体は、主成分として用いるアクリル酸及びその塩の合計量に対して、好ましくは30モル%以下(下限0モル%)、より好ましくは10モル%以下、最も好ましくは5モル%以下の割合である。この割合が30モル%を超える場合は未架橋の水可溶性成分が増加するので好ましくない。前記使用量の範囲であれば、最終的に得られる植物育成用保水材の植物成長促進や吸水特性以外に抗菌性等といった別の機能を付与すると共に、植物育成用保水材をより一層安価に得ることができる。
なお、単量体に酸基含有の不飽和単量体を使用する場合、その塩としてはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が挙げられる。得られる植物育成用保水材としての機能、工業的入手の容易さ、安全性の面からナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。さらに植物体内の生理作用によるためか理由は不明であるが、前記ナトリウム塩、カリウム塩、及びアンモニウム塩よりなる群から選択される2種以上の組み合わせからなる塩を使用することで、より良い植物成長を促進することができる。
また特に、カルボキシル基を有する不飽和単量体の塩について、その塩としての対イオンの量は、例えば、ナトリウムイオンやカリウムイオン、アンモニウムイオン等の一価の対イオン量が、前記カルボキシル基のモル数に対して1モル%以上であり、好ましくは10モル%以上であり、より好ましくは15モル%以上である。また、前記一価の対イオン量は、前記カルボキシル基のモル数に対して好ましくは75モル%以下、より好ましくは70モル%以下、さらに好ましくは65モル%以下、次に好ましくは60モル%以下、特に好ましくは55モル%以下、さらに特に好ましくは50モル%以下、最も好ましくは40モル%以下である。具体的には、前記カルボキシル基に対する一価の対イオン量は、前記カルボキシル基のモル数に対して、通常0〜75モル%、好ましくは5〜75モル%、より好ましくは5〜70モル%、さらに好ましくは10〜70モル%、よりさらに好ましくは10〜65モル%、次に好ましくは10〜60モル%、特に好ましくは20〜60モル%、さらに特に好ましくは20〜55モル%、最も好ましくは20〜40モル%である。
前記したように前記吸水性樹脂(A)の有するカルボキシル基の一価の対イオン量が5モル%未満、特に1モル%未満の場合、植物育成用保水材の吸水特性、例えば飽和吸水倍率や吸水速度が低下する場合もあり好ましくない。また、一価の対イオン量が75モル%、特に90モル%を超える場合はマグネシウムやカルシウム、亜鉛等の植物にとって有用な栄養塩に対する、カルボキシル基含有吸水性樹脂自身の吸収能力が強まるために植物体の成長阻害を引き起こす場合もあり好ましくない。なお、一価の対イオン量は、一価のナトリウムやカリウム等のアルカリ金属やアンモニアやアミンによるアクリル酸の中和率(前記アクリル酸塩のモル%を指す)である。上記塩を形成するためには単量体の状態でアクリル酸を水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアや炭酸アンモニウム等で中和してもよく、アクリル酸およびアクリル酸塩を混合してもよい。また、単量体の重合途中または重合後に重合体として中和してもよい。上述した手段を併用してもよい。
(b)架橋性単量体(内部架橋剤)
吸水性樹脂は架橋構造を必須に有する。吸水性樹脂は架橋性単量体を使用しない自己架橋型のものであってもよい。一分子中に、2個以上の重合性不飽和基や、2個以上の反応性基を有する架橋性単量体(吸水性樹脂の内部架橋剤とも言う)を共重合又は反応させたものがさらに好ましい。これら内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これら内部架橋剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。また、これら内部架橋剤は、反応系に一括添加してもよく、分割添加してもよい。少なくとも1種または2種類以上の内部架橋剤を使用する場合には、最終的に得られる吸水性樹脂や植物育成用保水材の吸収特性等を考慮して、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を重合時に必須に用いることが好ましい。
これら内部架橋剤の使用量は前記単量体(内部架橋剤を除く)の量に対して、好ましくは0.001〜2モル%、より好ましくは0.005〜0.5モル%、さらに好ましくは0.01〜0.2モル%、特に好ましくは0.03〜0.15モル%の範囲内とされる。上記内部架橋剤の使用量が0.001モル%よりも少ない場合、並びに、2モル%よりも多い場合には、充分な吸収特性が得られないおそれがある。
上記内部架橋剤を用いて架橋構造を重合体内部に導入する場合には、上記内部架橋剤を、上記単量体の重合前あるいは重合途中、あるいは重合後、または中和後に反応系に添加するようにすればよい。
(c)重合開始剤
本発明に用いられる吸水性樹脂を得るために上述の不飽和単量体を重合するに際して使用される開始剤としては過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酢酸カリウム、過酢酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤や、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等の光重合開始剤を用いることができる。これら重合開始剤の使用量は物性面から通常0.001〜2モル%、好ましくは0.01〜0.1モル%(対全単量体)である。これらの重合開始剤の量が0.001モル%未満の場合には未反応の残存単量体が多くなり、一方重合開始剤の量が2モル%を超える場合には重合の制御が困難となるので好ましくない。
(d)重合方法
本発明に用いられる吸水性樹脂を得るために上述の単量体を重合するに際しては、バルク重合や沈殿重合を行うことが可能である。性能面や重合の制御の容易さ、さらに膨潤ゲルの吸収特性の観点から、上記単量体を水溶液とすることによる水溶液重合や逆相懸濁重合を行うことが好ましい。
単量体を水溶液とする場合の前記水溶液(以下、「単量体水溶液」と称する)中の単量体の濃度は、水溶液の温度や単量体の種類によって決まり、特に限定されるものではない。当該濃度は10〜80重量%の範囲内が好ましく、20〜60重量%の範囲内がさらに好ましい。また、上記水溶液重合を行う際には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよい。併用される溶媒の種類は、特に限定されるものではない。
上記の重合を開始させる際には、前述(c)の重合開始剤を使用して開始させる。また、前述重合開始剤の他にも紫外線や電子線、γ線などの活性エネルギー線を単独あるいは重合開始剤と併用してもよい。重合開始時の温度は、使用する重合開始剤の種類にもよるが、15〜130℃の範囲が好ましく、20〜120℃の範囲がより好ましい。重合開始時の温度が上記の範囲をはずれると、得られる吸水性樹脂の残存単量体の増加や、過度の自己架橋反応が進行して吸水性樹脂の吸水性能が低下するおそれがあるので好ましくない。
なお、「逆相懸濁重合」とは、単量体水溶液を疎水性有機溶媒に懸濁させる重合法である。例えば、米国特許第4093776号明細書、同第4367323号明細書、同第4446261号明細書、同第4683274号明細書、同第5244735号明細書などの米国特許に記載されている。水溶液重合は分散溶媒を用いずに単量体水溶液を重合する方法である。例えば、米国特許第4625001号明細書、同第4873299号明細書、同第4286082号明細書、同第4973632号明細書、同第4985518号明細書、同第5124416号明細書、同第5250640号明細書、同第5264495号明細書、同第5145906号明細書、同第5380808号明細書などの米国特許や、欧州特許第0811636号明細書、同第0955086号明細書,同第0922717号明細書などの欧州特許に記載されている。これら重合法に例示の単量体や開始剤なども本発明では適用できる。
重合後、通常は含水ゲル状架橋重合体である。本発明では、含水率が10〜50重量%の場合はこの含水ゲル状架橋重合体を吸水性樹脂(A)として使用することもできる。このような吸水性樹脂は、例えば、含水率10〜50重量%の含水ゲル状架橋重合体をミートチョッパーなどで細切し、これにカルシウム化合物などの無機化合物をその表面に担持させることにより得られる。
(e)乾燥
一方、含水ゲル状架橋重合体を、必要に応じて乾燥し、乾燥の前および/または後で通常粉砕して使用することもできる。熱風乾燥する場合は通常60℃〜250℃、好ましくは100℃〜220℃、より好ましくは120℃〜200℃の温度範囲で行われる。乾燥時間は、重合体の表面積、含水率、および乾燥機の種類に依存し、目的とする含水率になるように選択される。本発明に用いることのできる吸水性樹脂の含水率(吸水性樹脂や植物育成用保水材に含まれる水分量で規定され、180℃で3時間熱風乾燥したときの乾燥減量で測定される)は特に限定されない。得られる植物育成用保水材の固体状態での物性面や取り扱い性から室温でも流動性を示す粉末である。よって前記粉末は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜40重量%、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%、最も好ましくは0〜10重量%の含水率を有する。吸水性樹脂の好ましい粒子径は後述する。
なお、上記逆相懸濁重合による重合方法を用いた場合には通常重合反応終了後に得られる含水ゲル状架橋重合体を、例えばヘキサン等の炭化水素の有機溶媒中に分散させた状態で共沸脱水して含水率を0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量%とした後に、デカンテーションあるいは蒸発により有機溶媒と分離し、必要に応じてさらに別法で乾燥することができる。また、乾燥方法としては、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、疎水性有機溶媒との共沸による脱水、高温の水蒸気を用いた高湿乾燥等目的の含水率となるように種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。
(f)有機二次架橋処理(表面架橋処理)
本発明の植物育成用保水材に用いられる吸水性樹脂は、上記の架橋重合の後、必要により乾燥粉砕したものに、さらに表面に架橋(二次架橋)処理をしてもよい。表面架橋処理については、植物育成用保水材を適用する土壌の塩濃度や土壌を形成する鉱物種等の性状、潅水で使用される水質等を考慮して必要に応じてなされる。
有機二次架橋処理が共有結合性架橋剤を用いて行われる場合、上記表面に架橋を行うための架橋剤としては、種々のものがあるが、物性の観点から、一般的には、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物またはそのハロエポキシ化合物との縮合物、オキサゾリン化合物、モノ、ジ、またはポリオキサゾリジノン化合物、多価金属塩、アルキレンカーボネート化合物等が用いられている。本発明で用いられる表面架橋剤としては、具体的には、米国特許第6228930号明細書、同第6071976号明細書、同第6254990号明細書などに例示されている。モノ、ジ、トリ、テトラまたはポリエチレングリコール、モノプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノールなどの多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテルやグリシドールなどのエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン等の多価アミン化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;上記多価アミン化合物と上記ハロエポキシ化合物との縮合物;2−オキサゾリジノンなどのオキサゾリジノン化合物;エチレンカーボネートなどのアルキレンカーボネート化合物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらの架橋剤の中でも少なくとも多価アルコールを用いることが好ましい。炭素数2〜10、好ましくは炭素数3〜8の多価アルコールが用いられることが好ましい。
表面架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂(表面架橋をする前の状態の吸水性樹脂)100重量部に対して、0.001重量部〜10重量部の範囲内が好ましく、0.01重量部〜5重量部の範囲内がより好ましい。本発明において、表面架橋には水を用いることが好ましい。この際、使用される水の量は、使用する吸水性樹脂(表面架橋をする前の状態の吸水性樹脂)の含水率にもよるが、通常、前記吸水性樹脂100重量部に対し0.5〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。また、本発明において、水以外に親水性有機溶媒を用いてもよい。前記親水性有機溶媒の使用量は、表面架橋をする前の吸水性樹脂100重量部に対して0〜10重量部、好ましくは0〜5重量部、より好ましくは0〜3重量部の範囲である。さらに、本発明では種々の混合方法のうち、必要により水及び/または親水性有機溶媒を予め混合した後、次いで、その水溶液を吸水性樹脂に噴霧あるいは滴下混合する方法が好ましく、噴霧する方法がより好ましい。噴霧される液滴の大きさは、平均300μm以下(下限0.1μm)が好ましく、200μm以下がより好ましい。
有機二次架橋処理がポリイオン結合性架橋でなされる場合、吸水性樹脂は、米国特許第5382610号明細書や特開平6−370号公報記載のポリアルキレンアミン、変性ポリアミン、ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン等によって被覆されうる。
表面架橋処理に際して、吸水性樹脂(表面架橋をする前の状態の吸水性樹脂)と前記表面架橋剤、水や親水性有機溶媒を混合する際に用いられる混合装置としては両者を均一にかつ確実に混合するために、大きな混合力を備えていることが好ましい。上記の混合装置としては例えば、円筒型混合機、二重壁円錐混合機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、双腕型ニーダー、粉砕型ニーダー、回転式混合機、気流型混合機、タービュライザー、バッチ式レディゲミキサー、連続式レディゲミキサー等が好適である。
なお、表面架橋剤の混合に際しては、表面架橋前に多価金属化合物(B)と混合したり、または、前記多価金属化合物と共存させても本発明の植物育成用保水材を得ることができる。前記多価金属化合物については後述する。また表面架橋剤の混合に際し、本発明の効果を妨げない範囲で、混合系中に、前記多価金属化合物以外に例えば二酸化珪素等の水不溶性微粒子粉体や界面活性剤を共存させてもよい。
表面架橋剤を混合後の吸水性樹脂は好ましくは加熱処理される。上記加熱処理を行う際の条件としては、表面架橋する前の吸水性樹脂温度もしくは熱媒温度(特に、熱媒温度)は、好ましくは100〜250℃、より好ましくは150〜250℃であり、加熱時間は、好ましくは1分〜2時間の範囲である。温度と時間の組み合わせの好適例としては、180℃で0.1〜1.5時間、200℃で0.1〜1時間である。なお、吸水性樹脂が逆相懸濁重合で得られる場合には、重合終了後の共沸脱水途中および/または共沸脱水終了時において、例えば含水率が50重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下の吸水性樹脂とともに上記表面架橋剤を疎水性有機溶媒中に分散させることにより、表面が架橋処理された吸水性樹脂を得ることができる。
(g)吸水性樹脂の粒子径
本発明の植物育成用保水材に使用する吸水性樹脂(A)の粒子径に限定はなく、用途によって適宜選択することができる。吸水性樹脂の重量平均粒子径は、後述する実施例に記載する方法で規定される。例えば、植物育成用保水材として使用するには、150μm未満の粒子径は好ましくは0〜20重量%であり、より好ましくは0〜10重量%であり、特に好ましくは0〜5重量%である。150μm以下の粒子径が20重量%を超えると、吸水性樹脂から溶出される水可溶分量が増加するために植物成長阻害を引き起こす場合がある。また、600μm以上の粒子が全体の20重量%以上であり、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上である。さらに、好適に用いられる吸水性樹脂の重量平均粒子径は、200〜10,000μmであり、好ましくは500〜5,000μm、特に好ましくは500〜2,000μmである。重量平均粒子径が10,000μmを超える場合は吸水速度が大きく低下するために植物育成用の吸水性樹脂としての取り扱い性が低下する場合がある。また重量平均粒子径が特に200μm未満の場合は吸水ゲル状態での表面積が大きいため乾燥しやすく、植物体への水分供給以上に水分の蒸散が早いため好ましくない。なお、重量平均粒子径は、後記する実施例に記載する方法で測定する。
上記の粒子径は後述の植物育成用保水材にも適用され、吸水性樹脂ないし植物育成用保水材の粒子径は、目的やその必要に応じて不溶性微粒子や親水性溶媒、好ましくは水を添加混合してさらに造粒して調整してもよい。
本発明の本発明の植物育成用保水材は後述するが、上記により得られた吸水性樹脂(A)に多価金属塩(B)を添加させることによって得られる。
(2)多価金属化合物(B)
本発明で使用する多価金属化合物(B)とは、多価金属の塩または水酸化物であり、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アルカリ土類金属などの二価の金属およびアルミニウム等三価の金属や亜鉛、鉄、マンガン、銅、モリブデン等の遷移金属の、ハロゲン化物や硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等の無機の正塩および複塩や乳酸や脂肪酸等の有機塩、および水酸化物や酸化物である。吸水後のゲル状態の安定性や植物の発芽成長等の植物体に対する生理作用に良い環境を与えるために、多価金属化合物は、カルシウム、マグネシウム、鉄、ケイ素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物、またはこれらの混合物である。植物体の根毛等の根部成長性にとってカルシウムが必須成分(主成分)であるため、前記無機化合物としてカルシウムを必須として含むことが好ましい。これにより、前記無機化合物は、カルシウム徐放性を発揮させることができる。なお、多価金属化合物(B)としては、酸化カルシウムと酸化ケイ素との組成物のように、前記元素の1種を含む多価金属化合物を2種以上組み合わせた組成物であってもよく、カルシウムフェライトや硫酸マグネシウムカルシウムカリウムのように、前記元素の2種以上を含む1種の多価金属化合物であってもよい。少なくとも、吸水性樹脂にカルシウムとともに、上記元素の1種以上を含ませることで、特に植物育成用などに使用する場合に、発根率、発芽率に優れる。
前記多価金属化合物(B)は、水難溶性であることが好ましい。前記化合物の、常圧下20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度が0を超えて10.0g以下、好ましくは0.001〜10.0g、より好ましくは0.001〜5.0g、さらに好ましくは0.005〜1.0g、より好ましくは0.005〜0.5g、特に好ましくは0.005〜0.3gである。上記溶解度が10.0gを超えると、多価金属元素イオン、特にその中でも2価以上の多価金属イオンが吸水性樹脂内部に浸透しやすくなり、吸水性樹脂粒子内部のカルボキシル基と金属架橋を引き起こすため吸水倍率を低下させる。また、植物成長の栄養塩となりうるこれらの多価金属イオンの溶解度が高い場合、実使用時では降水や散水によって急激な放出拡散のために、植物体への持続的な栄養塩供給といった面からも好ましくない。一方、水に不溶性の多価金属化合物は、植物が無機元素を利用することができず、好ましくない。
このような多価金属化合物(B)を構成する化合物としては、カルシウム、マグネシウム、鉄および珪素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素の硫酸塩、炭酸塩等の無機の正塩および複塩、乳酸や脂肪酸等との有機塩、および水酸化物や酸化物が例示できる。これらの中でも、植物育成用保水材としての吸水特性(吸水倍率や吸水速度等)や吸水ゲル状態の安定性、植物発芽成長等の植物体への生理作用の点から硫酸塩や炭酸塩の無機の正塩および複塩、乳酸や有機酸、脂肪酸等との有機塩、および水酸化物や酸化物が好ましい。具体的には、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム等のカルシウム化合物、酸化マグネシウムや水酸化マグネシウム、乳酸マグネシウムやクエン酸マグネシウム等のマグネシウム化合物、酸化鉄、酸化珪素等の上記溶解度範囲を有する無機化合物が例示される。より具体的には、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム等のカルシウム化合物と、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、乳酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、酸化鉄のいずれかとの混合物がある。なお、上記のようにカルシウムを必須に含むことが好ましく、その際のカルシウム化合物は、前記多価金属化合物(B)中に5重量%以上含むことが好ましく、根部以外の葉の生育や果実の収量増のためには5〜100重量%であることが好ましく、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは10〜95重量%である。マグネシウム、鉄および珪素からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物は、前記多価金属化合物(B)中に5〜95重量%含まれることが好ましく、より好ましくは10〜90重量%である。
このような多価金属化合物(B)として、本発明では焼却灰を使用することもできる。焼却前の原料によって焼却灰に含まれる元素も異なるが、前記したカルシウム化合物を必須に含み、さらにマグネシウム化合物や鉄化合物、珪素化合物を含むものとして、フライアッシュ、スーパーアッシュ、クリンカアッシュ、シンダアッシュなどがある。なお、フライアッシュとは、微粉炭燃焼ボイラの燃焼ガスから集じん機で採取された石炭灰であり、シンダアッシュとは、微粉炭燃焼ボイラの燃焼ガスが空気予熱器・節炭器などを通過する際に落下採取された石炭灰であり、クリンカアッシュとは、微粉炭燃焼ボイラの炉底に落下採取された石炭灰である。スーパーアッシュとは、下水汚泥焼却灰を粉砕加工して粒子を小さくそろえたものである。これら焼却灰は、前記したカルシウム、マグネシウム、鉄および珪素から選ばれる群からなる少なくとも2種以上を含めばよい。カルシウム、マグネシウムの配合量が多い点でフライアッシュやスーパーアッシュを好適に使用することができる。なお、多価金属化合物(B)として焼却灰を使用する場合の溶解度は、前記焼却灰に含まれる上記元素の各溶解度が20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度が0を超えて10.0g以下を満たす必要がある。フライアッシュなどは従前から、建材ボード、高速道路橋梁、高架道路橋梁、鉄橋基礎、下水道工事、防水、モルタル工事、カーペット裏張り材などに多様されてきたが、植物育成用吸水材として吸水倍率の高い吸水性樹脂と併用または複合されることはなかった。しかしながら、本発明においてこのような焼却灰を多価金属化合物(B)として使用することで、廃棄物を高度に利用することができる。なお、焼却灰に更に他の多価金属化合物を添加して使用してもよい。従って、カルシウム量を増加させるために、例えば炭酸カルシウムや硝酸カルシウム、水酸化カルシウム等の前記カルシウム化合物とフライアッシュとの混合物なども使用することができる。なお、前記の多価金属化合物(B)は、吸水性樹脂(A)と反応してその対イオンが変化したような場合でも多価金属化合物とする。
前記例示した多価金属化合物(B)のうち、吸水性樹脂粒子の表面への付着性や植物成長特性、カルシウム徐放特性、吸水性能、経済性の観点から、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウムが最も好ましい。
前記多価金属化合物(B)は通常、含水率が10重量%以下の結晶水を含む粉末の形状でありその粒径は特に限定されるものではない。通常、一般的な吸水性樹脂の重量(重量)及び平均粒子径よりも小さいものが使用され、好ましくは0.001〜150μm、より好ましくは0.1〜75μmのものが使用される。なお、前記多価金属化合物(B)の添加方法や添加量については、(3)植物育成用保水材で後述する。
(3)植物育成用保水材(植物育成用保水剤)
本発明の植物育成用保水材には、吸水性樹脂と多価金属化合物とが含まれており、吸水性樹脂と多価金属化合物との少なくとも一部が、好ましくは実質的に一体化しているものである。特には、吸水性樹脂の表面ないし表層付近に多価金属化合物が一体化されているものが好ましい。ここに「一体化」とは、少なくとも多価金属化合物の一部が吸水性樹脂に化学的または物理的に結合している形態をいう。このような一体化の態様としては、前記吸水性樹脂に存在する官能基に多価金属化合物が化学的に結合しているもの、前記吸水性樹脂の表面に多価金属化合物が物理的に付着しているもの、または前記吸水性樹脂の表面に多価金属化合物が浸透しているものなどがある。
上記したように吸水性樹脂は、通常カルボン酸ナトリウムのようなカルボン酸一価塩を有している。カルボン酸一価塩はキレート作用によって、発芽発根成長に必要なカルシウムイオン等の植物体に必要な栄養塩である多価金属イオンを奪う特性がある。この現象は、特にカルボキシル基(塩)の含有量が3mmol/gを超える場合に顕著である。従って、たとえ吸水特性に優れる吸水性樹脂であっても植物体と吸水性樹脂とが直接接触する状況では、例えば潅水効率向上のために吸水性樹脂の使用濃度が1重量%以上、特に5重量%以上の土壌濃度で使用することは困難であった。しかしながら、本発明のように、吸水性樹脂と多価金属化合物が吸水性樹脂の表面ないし表層付近で一体化して存在すると、吸水性樹脂の表面に存在するカルボン酸一価塩が植物体からカルシウムイオン等の多価金属イオンを捕獲することができず、植物体の成長阻害を防止することができる。このため、土壌中での使用量を1重量%以上、特には5重量%以上という高濃度にでき、潅水効果を大幅に向上させることが可能となる。なお、多価金属化合物と吸水性樹脂を別個に投与した場合には、吸水性樹脂粒子の表面に存在するカルボン酸一価塩によって上記植物成長抑制効果が発現するため好ましくない。
本発明では、植物成長促進作用と保水材としての吸水特性を確保するため、前記多価金属化合物が前記吸水性樹脂の表面に付着および/または被覆して担持されていることが好ましい。なお、本発明において「吸水性樹脂の表面」とは、吸水性樹脂の少なくとも最外表面の一部を含む概念である。すなわち、最外表面と、粒子の直径に対して最外表面から中心方向に通常0〜20%、好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜5%、特に好ましくは0〜1%の距離で形成される殻層とのことを指す。植物育成用保水材の粒子平均では、最外表面から通常0〜50μm、好ましくは0〜20μm、より好ましくは0〜5μm、特に好ましくは0〜1μmの距離で形成される殻層と最外表面を指す。よって、前記多価金属化合物が前記吸水性樹脂の最外表面に被覆される形態や、吸水性樹脂に多価金属化合物を表面および/または表層にのみ担持させた形態でもよい。特に、吸水性樹脂の表層部分に存在するカルボキシル基(塩)と多価金属イオンとを塩交換して、吸水性樹脂の表面および表層付近に多価金属化合物などの多価金属イオンが置換された形態などが含まれる。よって、前記植物育成用保水材においての無機化合物の分布は、最外表面から中心方向に対して最外表面に無機化合物が分布する割合が高く、中心方向に向かうに従って無機化合物の分布する割合が低くなり、中心付近にはほとんど存在しない形態となるものである。植物育成用保水材の表面や表層付近に、水微溶性の前記溶解度を有する多価金属化合物が存在すると、カルシウムやマグネシウム等の植物栄養塩である無機化合物がゆっくりと土壌中に徐放されるために塩害を引き起こすことなく、植物体に効率よく供給することが可能となる。また、吸水性樹脂粒子の内部に多価金属化合物が浸透すると、吸水性樹脂内部のカルボン酸一価塩(カルボン酸ナトリウム基やカルボン酸カリウム基等)と無機化合物を構成する多価金属イオンとの置換によるイオン架橋が引き起こされ、飽和吸水倍率や吸水速度が大きく低下する。しかしながら、特定の溶解度を有する多価金属化合物を使用し、吸水性樹脂の表面または表層付近に多価金属化合物を存在させることで、イオン架橋による吸水特性低下を防ぎ、吸水特性の高い植物育成用保水材となる。
なお、植物育成用保水材に含まれる無機元素の分布は、例えば電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)等により分析確認することが可能である。前記植物育成用保水材の表面をホモジナイザー等により研磨することにより表層および粒子内部の無機元素の濃度や分布を分析することができる。
前記多価金属化合物の含有量は、前記植物育成用保水材(固形分)に対して通常5〜50重量%、好ましくは7〜50重量%、より好ましくは9〜50重量%、次に好ましくは10〜50重量%であり、さらに好ましくは10〜45重量%、さらにより好ましくは15〜45重量%、特に好ましくは15〜40重量%、最も好ましくは15〜30重量%である。特に5重量%未満の場合は植物成長阻害作用を低減する効果が低く、一方、50重量%を超えると植物育成用保水材としての吸水倍率の低下を引き起こす場合がある。また、本発明の植物育成用保水材は、前記吸水性樹脂(A)の表面に、粒子状植物育成用保水材の7〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは20〜40重量%の前記多価金属化合物(B)が存在することが好適である。表面に前記多価金属化合物(B)が上記範囲で存在すれば、植物からのカルシウムイオンの捕獲を抑制でき、かつカルシウム徐放性を容易に発揮できるからである。なお、前記植物育成用保水材に対する前記多価金属化合物含有量を定量する場合は、予め前記植物育成用保水材に含まれている水分等の揮発成分を、60±5℃で減圧(1mmHg未満)下で24時間乾燥除去処理を行ってから定量測定する。
植物育成用保水材の粒子径は用途により適宜選択される。植物育成用保水材として使用するには、150μm未満の粒子径は好ましくは0〜20重量%であり、より好ましくは0〜10重量%であり、特に好ましくは0〜5重量%である。150μm以下の粒子径が20重量%を越えると、吸水性樹脂から溶出される水可溶分量が増加するために植物成長阻害を引き起こす場合がある。また、600μm以上の粒子が全体の20重量%以上であり、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上である。さらに、好適に用いられる植物育成用保水材の重量平均粒子径は、200〜10,000μmであり、好ましくは500〜5,000μm、特に好ましくは500〜2,000μmである。重量平均粒子径が10,000μmを超える場合は吸水速度が大きく低下するために植物育成用の保水材としての取り扱い性が低下する場合がある。また重量平均粒子径が特に200μm未満の場合は吸水ゲル状態での表面積が大きいため乾燥しやすく、植物体への水分供給以上に水分の蒸散が早いため好ましくない。
また、本発明において、後記する実施例に記載する方法で定義される、植物育成用保水材の吸水速度(10分間のイオン交換水に対する吸水倍率)は、通常20〜500g/gを示すものであり、製造コスト等経済性とのバランスで好ましくは30〜500g/g、より好ましくは50〜500g/g、特に好ましくは70〜500g/g、最も好ましくは100〜500g/gであると従来にない優れた吸水速度を示す。前記吸水速度が20g/gを下回ると土壌に対して水を散布し潅水する場合、土壌中から拡散流出する場合があり、所望の保持水量が確保されず潅水頻度を高くなり非効率となる。一方、500g/gを上回るものは製造コスト上、不利となる場合がある。
本発明の粒子状植物育成用保水材は、カルシウム徐放指数が0を超えて50mg/L以下、好ましくは1.0〜20mg/Lである。前記指数は、より好ましくは1.5〜15mg/Lであり、特に好ましくは2.0〜15mg/Lである。前記指数が50mg/Lを超えると、吸水性樹脂粒子内部のカルボキシル基との金属架橋が引き起こされるため吸水倍率を低下させる場合があり、持続的なカルシウム拡散が困難となる場合がある。
また、本発明の植物育成用保水材の飽和吸水倍率は、20〜1,000g/g、好ましくは50〜1,000g/g、より好ましくは100〜1,000g/gである。
また、本発明において、植物育成用保水材の水可溶性成分量(可溶分量/抽出可溶物量)は、好ましくは0〜20重量%、より好ましくは0〜15重量%、次に好ましくは0〜10重量%、さらに好ましくは0〜7重量%、特に好ましくは0〜5重量%、最も好ましくは0〜3重量%である。可溶分量が上記範囲を超える場合は、可溶分を主として構成する未架橋の水溶性高分子(ポリアクリル酸(塩)など)が植物体の生存環境に溶出するために植物の成長阻害を引き起こすので好ましくない。また、本発明の植物育成用保水材を特定の飽和吸水倍率、例えばイオン交換水吸水ゲル化し、飽和吸水倍率が20g/gの膨潤状態や30g/gの膨潤状態、50g/gの膨潤状態、70g/gの膨潤状態、100g/gの膨潤状態とし、24時間、25℃の密閉状態で放置したときの保水材から溶出する可溶分量(溶出可溶物量)は、少ないほど好ましく、0〜0.5重量%、好ましくは0〜0.3重量%、さらに好ましくは0〜0.1重量%であり、最も好ましくは0〜0.005重量%である。
また、本発明の植物育成用保水材は、含水率が0〜20重量%の乾燥状態においても付着性が少なく、内部摩擦係数または内部摩擦角が小さいために、安息角が小さくなり粉体の流動性が優れる特徴を示す。前記粉体特性における内部摩擦係数や内部摩擦角は粉体層のせん断試験から求めることができる。粉体のせん断試験をおこなう装置としてはせん断箱式、リングせん断式、あるいは平行平板式などがあり、例えば、Jenike Shear Cell等がある。さらに吸湿時の流動性(以下、単に「吸湿流動性」と略す)にも優れた特性を示す。吸湿流動性とは、25℃相対湿度90%RH放置下でのブロッキングないしケーキングについて評価される粉体の流動性を意味する。本発明の植物育成用保水材は、植物育成用保水材の含水率が通常10〜30重量%、特に15〜30重量%の範囲において、ブロッキングないしケーキングがなく、吸湿流動性の優れた特徴を示す。これら粉体としての流動性に優れることから、製造時の搬送や実使用時における散布性等に優れた特性を示す。本発明の植物育成用保水材の吸湿時の吸湿流動性(アンチケーキングまたはアンチブロッキング)は、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0〜2重量%である。なお、前記吸湿流動性、含水率は後記する実施例で記載する方法による測定値である。
(4)用途
本発明の植物育成用保水材は、給水(潅水)してゲル化させ、これに播種すると発芽率および発根率に優れるため、特に植物育成用保水材として好適に使用できる。このような植物育成用保水材は、代替土壌とも言うべきものであり、他の植物育成用担体を併用することなく優れた発芽率および発根率を確保することができる。しかも、前記植物育成用保水材中に根を張らせることができるため、保水効率にも優れる。
本発明の植物育成用保水材は、用途に応じて、更に、消臭剤、抗菌剤、害虫及び動物の忌避剤、農薬(殺虫剤、殺菌剤、除草剤等)、植物活力剤、植物延命剤、植物ホルモン、ミネラル、顔料、染料、増粘剤、粘着剤、塩類、pH調整剤、カオリン土、粘土や土壌等を0〜30重量%、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜1重量%含んでいてもよい。
特に、植物ホルモンとしては、発根とカルス化を促進する2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、ナフタレン酢酸、インドール酢酸等のオーキシン、芽の分化を促進するカイネチン、ゼアチン、インペンテニルアデニン、ベンジルアデニン等のサイトカイニンが挙げられる。その他、茎や葉梢の成長を促進するジベレリン、成長バランスの調節作用を有するアブシジン酸、開花や果実の成熟を促進するエチレン等も挙げられる。必要となるホルモンは、植物の種類によっても異なる。これらの植物ホルモンは単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。特に、乳酸、酢酸、木酢等の抗菌作用を示すものや抗菌剤を前記植物育成用保水材に含有させておくことが好ましい。これらの添加量は、植物育成用保水材に対して0〜10重量部、好ましくは0〜5重量部、より好ましくは0〜1重量部である。
本発明の植物育成用保水材は、土壌、その他の植物育成用担体と混合して使用することもできる。混合可能な植物育成用担体としては、土壌、砂礫、軽石、炭化物、ピート、スポンジ、バーミキュライト、バークや、パーライトやゼオライト、フィルトン、多孔質セラミックやくんたん等の多孔質無機資材や、ロックウール、スポンジ、水苔、ヤシガラ、クリプトモスやポリスチレンやポリウレタン等の合成樹脂発泡体およびその破砕物、パルプ等が挙げられる。これらの植物育成用担体は、単独あるいは2種以上混合して組み合わせて使用することができる。前記植物育成用保水材の配合率は任意に設定することができ、また対象植物の種類や対象植物の生育状態、前記植物育成用保水材の使用方法に応じて適宜選択することができる。この際の植物育成用保水材の配合量は、土壌、その他の植物育成用担体の量に対して1〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%、次に好ましくは2〜15重量%、特には3〜10重量%、最も好ましくは3〜7重量%である。この量が1重量%を下回ると、保水効果が十分でない場合がある。一方、この量が30重量%を超えると、土壌や地盤の強度が低下したり、乾燥時に土壌体積が減少する場合がある。
本発明の植物育成用保水材は、成長阻害がなくかつ、植物の成長を促進しうる。また、土壌、その他の植物育成用担体を全く使用せず、単独でも前記植物育成用保水材100重量%でも植物を生育させることができる。これは従来のアクリル酸系吸水性樹脂の単独使用では植物が生育できなかったことと比べ驚くべき効果である。従って、ゲルでの挿し木やハイドロカルチャー等のインテリアにも適用することができる。
本発明の植物育成用保水材の使用方法は特に限定されない。田畑に散布する方法、ゲル化して保水材として苗床等に使用する方法が一般的である。更に、砂漠、砂丘等の乾燥地、道路の中央分離帯、側帯、街路樹用、屋内観賞用、ビル等の屋上緑化用等の人工地盤土壌などに混合して使用することもできる。また、成形苗等に含ませて植物と一緒に移植しても構わない。対象とする種子や植物の種類や状態も限定されず、例えば、種子の発芽、育苗、葉菜、果菜、根菜、花等の生育、成木の植え替え等に使用できる。
(5) 植物育成用保水材の製造方法
本発明の植物育成用保水材は(A)吸水性樹脂と(B)多価金属化合物と含むものである。前記保水材は以下の方法で製造することができる。
(a−1)含水率が0〜50重量%の状態の前記吸水性樹脂(A)と、前記吸水性樹脂(A)の固形分に対して10〜50重量%の前記多価金属化合物(B)とを、溶液またはスラリーの形態で混合する工程を含む製造方法。
(a−2)含水率が0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%の粉体状態の前記吸水性樹脂(A)と、多価金属化合物(B)とを粉体状態で混合した後に得られた混合物に水性液または水蒸気を添加混合する工程を含む製造方法。
(a−3)含水率が50〜20重量%の前記吸水性樹脂(A)と、前記多価金属化合物(B)とを、前記多価金属化合物を50重量%以上の濃度で含有する溶液またはスラリーまたは粉体の形態で混合する工程を含む、製造方法。
上記(a−1)から(a−3)の製法以外の例えば、含水率が20重量%以下の吸水性樹脂(A)に多価金属化合物(B)を粉体どうしで添加混合する、ドライブレンド法により製造してもよい。しかし、前記吸水性樹脂(A)の表面に、前記(B)多価金属化合物が担持ないし付着あるいは被覆していることが望ましいので、前記ドライブレンド法よりも上記(a−1)から(a−3)の製法が好ましい。さらに、必要に応じて、多価金属化合物を混合液、水などの水性液に添加してもよい。
また、含水率が50重量%を超える状態の(A)吸水性樹脂と(B)多価金属化合物を溶液ないしスラリー状態で混合した場合、前記(A)吸水性樹脂の樹脂内部まで多価金属化合物が浸透し、吸水性樹脂内部が多価金属化合物により塩架橋されるために植物育成用保水材としての吸水特性が大きく低下するために好ましくない。その他、吸水性樹脂の重合時に単量体へ添加した場合も、前記(A)吸水性樹脂の内部が(B)多価金属化合物により多価金属塩で塩架橋されるため好ましくない。
本発明で用いる植物育成用保水材を上記(a−1)の方法で製造する場合、(A)吸水性樹脂の含水率は、前記吸水性樹脂内部への多価金属化合物の浸透を防ぐために低い方が好ましい。好ましい含水率は0〜50重量%であり、次に好ましくは0〜40重量%、より好ましくは0〜35重量%、さらに好ましくは0〜30重量%以下、特に好ましくは0〜20重量%、最も好ましくは0〜10重量%である。
また、(B)多価金属化合物は溶液またはスラリーの形態で添加される。しかし、多くの多価金属化合物は水に対する溶解度が低いため水性液等の溶媒と混合され、スラリー状態で前記(A)吸水性樹脂と混合される。
前記スラリー中の多価金属化合物濃度は50重量%以上100重量%未満であるが、好ましくは50〜95重量%、より好ましくは50〜90重量%、特に好ましくは50〜80重量%である。なお、硫酸カルシウム2水和物のような前記多価金属化合物の濃度は、その水重量を除いた金属化合物として算出される。例えば、硫酸カルシウム2水和物では、水を除いた硫酸カルシウムとして算出される。前記濃度が90重量%を超える場合、スラリーが流動性を失って湿粉状態となるために均一な添加が困難なために好ましくない。前記スラリーの添加量は、多価金属化合物の種類等により特に限定されない。水性液を溶媒としてスラリーに用い、前記スラリーの添加量が多い場合は、前記(A)吸水性樹脂の含水率が高くなる。このため、前記スラリーの添加量は、(A)吸水性樹脂の固形分に対して、50重量%以下が好ましく、より好ましくは0を超えて40重量%以下、さらに好ましくは0を超えて30重量%以下、特に好ましくは0を超えて20重量%以下、特に好ましくは0を超えて10重量%以下、最も好ましくは0を超えて5重量%以下である。
また、前記(B)多価金属化合物を含むスラリーに使用される溶媒は多価金属化合物を均一に分散させることが出来れば特に限定されるものではない。ただし、前記(A)吸水性樹脂の表面に前記(B)多価金属化合物を担持ないし付着させるためには極性溶媒が好ましく特に水が好ましい。なお、前記スラリーに使用する溶媒には、目的やその必要に応じて、前述(1)吸水性樹脂に記載の(f)表面架橋処理の表面架橋剤や、不溶性微粒子や親水性溶媒、乳化剤を添加してもよい。また、前記スラリーの流動性を調整するために、有機または無機分散剤(界面活性剤、水溶性高分子等)を添加してもよい。本発明では種々の混合方法のうち、スラリーを吸水性樹脂に噴霧あるいは滴下混合する方法が好ましい。さらに、前記(B)多価金属化合物ごとの種類によっては、温度と前記多価金属化合物の水に対する溶解度や、温度に対するスラリー濃度とスラリー流動性を考慮して、適宜スラリーを加熱あるいは冷却してもよい。通常、凝固点を超えて沸点までの加熱であるが、好ましくは20〜80℃で加熱される。
本発明で用いる植物育成用保水材を上記(a−2)の方法で製造する場合、含水率が0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%の粉体状態の前記(A)吸水性樹脂に、(B)多価金属化合物の粉体を添加混合した後に、得られた混合物に水性液または水蒸気を添加混合することにより製造される。水性液を添加する場合、添加される水性液は前述(a−1)記載の水性液が使用される。その水性液の使用量は最終的に得られる植物育成用保水剤の含水率が0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは0〜15重量%、特に好ましくは0〜10重量%、特に好ましくは0〜5重量%となるように調整される。また、水蒸気を添加する場合、この水蒸気の添加量は、最終的に得られる植物育成用保水剤の含水率が0〜30重量%となるように調整されることが好ましい。
本発明で用いる植物育成用保水材を上記(a−3)の方法で製造する場合、含水率が50〜20重量%の状態の(A)吸水性樹脂を、多価金属化合物(B)を50重量%以上の濃度で含有する溶液、またはスラリーまたは粉体に混合することが好ましい。粉体で混合すれば、吸水性樹脂粒子内部への多価金属化合物の浸透を防ぎ、表面または表面付近にカルシウム化合物を効果的に付着または被覆ないし担持させることができる点で有利である。なお、(A)吸水性樹脂の含水率は好ましくは40〜20重量%である。前記吸水性樹脂の含水率が50重量%以上では前述のように(A)吸水性樹脂の内部での多価金属による塩架橋で吸水特性が低下する。前記含水率が20重量%以下では前記(A)吸水性樹脂表面に多価金属化合物が担持ないし付着することができなくなるので好ましくない。前記スラリーの添加量は、多価金属化合物の種類等により特に限定されない。水性液を溶媒としてスラリーに用い、前記スラリーの添加量が多い場合は、前記(A)吸水性樹脂の含水率が高くなる。このため、前記スラリーの添加量は、(A)吸水性樹脂の固形分に対して、50重量%未満が好ましく、より好ましくは0を超えて40重量%以下、さらに好ましくは0を超えて30重量%以下、特に好ましくは0を超えて20重量%以下、更に特に好ましくは0を超えて10重量%以下、最も好ましくは0を超えて5重量%以下である。なお、上記は、本発明の植物育成用保水材であって、使用する(A)粒子状吸水性樹脂や(B)多価金属化合物、植物育成用保水材に含まれる(B)多価金属化合物の濃度などは、本発明の第一、第二に記載したのと同様である。
なお、上記(a−1)〜(a−3)で使用される混合装置は両者を均一にかつ確実に混合するために、大きな混合力を備えていることが好ましい。上記の混合装置としては例えば、前述(2)吸水性樹脂(f)の混合装置が好適である。また、前記(A)吸水性樹脂と(B)多価金属化合物との混合時の温度は、前記吸水性樹脂(A)表面に多価金属化合物が担持ないし付着することができれば特に限定されるものではない。混合性の点で、前記(A)吸水性樹脂の温度は30℃以上が好ましく、より好ましくは40〜80℃である。
実施例
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。また、特に記載ない場合、「部」は「重量部」を意味する。
(測定方法)
吸水性樹脂、植物育成用保水材は以下の方法によって測定した。以下に、吸水性樹脂を対象として説明するが、各実施例および比較例で製造した植物育成用保水材の特性は、吸水性樹脂に代えて各植物育成用保水材を使用して同様に測定することができる。
また、測定に用いた吸水性樹脂ないし植物育成用保水材は、そのままの状態で測定してもよいが、下記(1)、(2)、(5)、(7)、(9)については予め60±5℃で減圧(1mmHg(133.3pa)未満)下で24時間乾燥してから測定する。
(1)飽和吸水倍率
サンプルである吸水性樹脂の粉末0.02gを不織布製の袋(60mm×80mm)に均一に入れ、25℃に調温した500mlのイオン交換水(電気伝導度5μS/cm以下)に浸漬した。24時間静置後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを行った後、袋の重量W(g)を測定した。同様の操作を吸水性樹脂粉末を用いずに行い、そのときの重量W(g)を測定した。これら重量W、Wから、次式に従って飽和吸水倍率(g/g)を算出した。
(2)吸水速度(イオン交換水中の10分間での吸水倍率)
内径60mmのプラスチック支持円筒の底にステンレス製400メッシュ(目開き38μm)を融着させた測定セルに、室温(20〜25℃)、相対湿度50±5%の条件で、サンプルである吸水性樹脂1.0gを厚さを均一に投入し、重量W(g)を測定した。
直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mmのガラスフィルター(株式会社相互理化学硝子製作所製、細孔直径100〜120μm)を置き、イオン交換水(20〜25℃、電気伝導度5μS/cm以下)をガラスフィルターの上面と同じ高さになるように加えた。
次いで、上記測定セルを前記ガラスフィルターの上に載せ、吸水性樹脂にイオン交換水を吸収させた。なお、吸水中はイオン交換水の液面が一定になるように随時イオン交換水を給水して補充した。10分後、前記測定セルの重量W(g)を測定した。そして、W、Wから、下式に従って吸水速度(イオン交換水中の10分間での吸水倍率)(g/g)を算出した。
(3)発芽勢指数および発根勢指数
植物育成用保水材の植物に及ぼす影響を評価するために、イオン交換水を吸水した植物育成用保水材(吸水ゲル)を培地とし、種子の発芽勢試験を行った。種子としては短期的に発芽勢試験が容易で、市販で入手可能なカイワレ大根の種子(例えばタキイ種苗株式会社等より入手される発芽率85%以上のカイワレ大根種子)を使用した。
まず、高さ250mmのポリプロピレン製容器にイオン交換水を150ml投入し、次いで、吸水性樹脂サンプルを1.5g秤量して前記容器中に投入し、投入後1時間放置することにより吸水性樹脂サンプルからなるゲル培地(飽和吸水倍率100g/gのゲル培地)を作成した。なお、飽和吸水倍率が100倍未満の吸水性樹脂サンプルのゲル培地は、植物育成用保水材の飽和吸水倍率を考慮して所望により吸水性樹脂の仕込み量を適宜調整することにより作成した(例えば、飽和吸水倍率30g/gのゲル培地の作成時にはサンプルを5g秤量して仕込む)。続いて培地上に上記カイワレ大根種子を30粒播き、前記容器の上に不織布で蓋をして、培養室で1週間培養し発芽させた。1週間後、発芽したカイワレ大根を取り出し、発芽した固体の基部(根と茎の分岐点)から葉先までを茎葉長(地上部長さ:L)として測定した。地下部の長さは発芽した固体の基部から主根の先端までの根長(地下部長さ:L)として測定した。
なお、発芽勢指数試験は試験間での比較をより正確に行うために、対照として多価金属化合物を含まない75%ナトリウム塩中和のポリアクリル酸架橋重合体の吸水性樹脂をコントロールサンプルとして使用した。茎葉長(地上部長さ:L(mm))と根長(地下部長さ:L(mm))との相対値(%)を下式より算出し、播種した種子30粒の平均値を求め発芽勢指数および発根勢指数とした。なお、発芽発根しなかった種子はそれぞれ発芽勢指数0、発根勢指数0と規定した。また、根成長の勢いについて根毛が成長しているかどうかを目視で確認した。コントロールサンプルについては後述する。
(4)潅水効率評価
内径60mmのプラスチック支持円筒の底にステンレス製400メッシュ(目開き38μm)を融着させた測定セルに、室温(20〜25℃)、相対湿度50±5%の条件下で、サンプルである吸水性樹脂1.0gと、モデル砂として直径約1mmのガラスビーズ50gを散布し混合した。次いで、イオン交換水を1000g/分の流速で前記セルの上部から底面のメッシュへと1分間注ぎ、通水しながらゲル培地を作成した。次いで、上記カイワレ大根種子を20粒播き、前記容器の上に不織布で蓋をして、日中は屋外に8時間、夜は培養室で16時間放置を2週間継続した。この放置を継続している間、カイワレ大根の成長について観察した。潅水効率による発芽評価の判断基準は以下の通りである。
○:発芽率が90%以上であり、茎葉根が十分に成長し根毛が十分に成長したサンプル、
○〜△:発芽率が90%以上で茎葉根の成長および根毛の成長が観察されたが、途中で枯死した株が発芽種子の半分であったサンプル、
△:発芽率が90%以上で茎葉根の成長および根毛の成長が観察されたが、全ての株が途中で枯死したサンプル、
×:発芽したが茎葉根の成長が不十分で根毛の成長が見られず、すべての株が途中で枯死したサンプル、
××:発芽しなかったサンプル。
(5)重量平均粒子径(質量平均粒子径)
吸水性樹脂サンプル粉末を5600μm、4750μm、4000μm、3350μm、2800μm、2360μm、2000μm、1700μm、1400μm、1000μm、850μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μmのJIS(日本工業規格)標準ふるいでふるい分けした。残留百分率を対数確率紙にプロットした。これにより、重量平均粒子径(D50)を読み取った。なお、上記ふるいがない場合は、JIS標準ふるいを参考に適宜使用することで測定することができる。
ふるい分けは吸水性樹脂サンプル粉末10gを室温(20〜25℃)、相対湿度50%RHの条件下で、前記のJIS標準ふるい(The IIDA TESTING SIEVE:内径80mm)に仕込み、ロータップ型ふるい振盪機(株式会社飯田製作所製「ES−65型ふるい振盪機」:回転数230rpm、衝撃数130rpm)により10分間分級した。なお、「重量平均粒子径(D50)」とは、米国特許第5051259号明細書などにあるように一定目開きの標準ふるいで粒子全体の50重量%に対応する標準ふるいの粒子径のことである。
(6)吸湿流動性(アンチケーキング性/アンチブロッキング性)
JIS20メッシュ(目開き850μm)を通過した吸水性樹脂のサンプル約2gを、直径52mmのアルミカップに均一に散布した後、温度25℃±1℃で相対湿度90±5%の恒温恒湿機中に1時間放置した。1時間後、アルミカップに入った吸水性樹脂サンプルを8.6メッシュ(目開き2,000μm)のJIS標準ふるい(The IIDA TESTING SIEVE:内径80mm)の上に移し、ロータップ型ふるい振盪機(株式会社飯田製作所製「ES−65型ふるい振盪機」;回転数230rpm、衝撃数130rpm)を用いて、室温(20〜25℃)、相対湿度50%RHの条件下で5秒間分級し、2000μmメッシュ上に残存した吸水性樹脂の重量(Ag)と前記メッシュを通過した吸水性樹脂の重量(Bg)を測定した。本発明においては、吸湿流動性は下式に従って算出した。
なお、本発明において、吸湿流動性(アンチケーキング性/アンチブロッキング性)は数値が低いほど流動性に優れる指数である。
上記のように、前記目開き850μmの金網を通過した、植物育成用保水材を構成する吸水性樹脂(A)の粒子を用いて吸湿流動性を測定しているが、前記目開き850μmの金網を通過しない粒子の吸湿流動性については、850μmを通過した粒子の値を適用する。さらに吸水性樹脂(A)のすべての粒子が、目開き850μmの金網を通過しない場合は、JIS20メッシュ(目開き850μm)を目開き2000μmに替えて測定される。また、吸水性樹脂(A)の粒子のすべてが目開き2000μmの金網を通過しない場合は、吸水性樹脂を適宜粉砕して測定する。
(7)吸水性樹脂の水可溶性成分量(可溶分量)
吸水性樹脂サンプル0.5gを1000mlの脱イオン水中に分散させて16時間攪拌した後に放置することにより、前記サンプルから水可溶分を抽出した。16時間後、この抽出液を濾紙1枚(ADVANTEC東洋株式会社、品名:(JIS P 3801、No.2)、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を用いて濾過した。濾液E(g)をナスフラスコに回収し、80℃に加温しながらロータリーエバポレーター(東京理化器械株式会社製、タイプN)を用いて全量濃縮し、濃縮した濾液をアルミカップに入れ180℃の無風オーブンで3時間加熱した。濾液中に含まれる固形分量D(g)を測定し下式に従って算出した。
(8)含水率
吸水性樹脂サンプル1.000gをアルミカップに入れ、180℃の無風オーブンで3時間加熱し、その乾燥減量を測定した。
(9)カルシウム徐放指数
まず、内径80mm、高さ250mmのポリプロピレン製容器(株式会社テラオカ製、型番「24−0210−02」)に、25±0.5℃に調温したカルシウムイオン濃度200mg/Lの塩化カルシウム水溶液1Lを投入し、次いで、1gの吸水性樹脂サンプルを前記容器中に投入し、直径50mmの攪拌子((相互理化学硝子製作所製:製品コード「1065−10」)を用い、回転速度60rpmで48時間攪拌した。なお、攪拌は25±1℃に保った恒温室にて行なった。48時間攪拌後、吸水性樹脂の分散した塩化カルシウム水溶液をディスポーザブルシリンジ(株式会社テルモ製、商品名「SS−30ES」、内容量30ml)で採取し、膨潤ゲル化した吸水性樹脂をフィルター(GLサイエンス社製、商品名「タイプ25A」)を用いて分離濾過しカルシウム水溶液を回収した。回収したカルシウム水溶液をプラズマ発光分光分析でカルシウム量(Xmg/L)を定量した。あわせて、吸水性樹脂を分散させずにカルシウムイオン濃度200mg/Lの塩化カルシウム水溶液1Lをそのまま前記攪拌子にて48時間前記条件にて攪拌した。攪拌し、前記ディスポーザブルシリンジおよびフィルターを通過させた水溶液を空試験としてプラズマ発光分光分析でカルシウム量(Ymg/L)を定量した。カルシウム徐放指数は下式にて算出した。
(10)土壌評価
吸水性樹脂サンプル5gと培養土(タキイ種苗株式会社製、商品名「タキイ培養土」)50gを混合し、得られた混合物を、底穴に目開き38μmの金網を備え付けたビニル樹脂製の植木鉢(直径16cm、高さ12cm)に投入し、続いて、水道水500gを注ぎ込み、評価用培地を調製した。続いて、前記培地に対して小松菜幼苗(タキイ種苗(株)社製の種子を予め前記培養土にて1週間育成した幼苗)を植え込み、2週間ごとに水道水500gを潅水した。幼苗を鉢ごと日中は屋外に8時間、夜は培養室(25℃、相対湿度70±5%RH)で16時間の環境で2ヶ月間育成した。2ヶ月後の苗の生育状態や葉の枚数、色づきを具合を観察した。
(参考例1)
20モル%のアクリル酸と80モル%アクリル酸ナトリウムからなる単量体水溶液5500g(単量体濃度38重量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)12.0gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら反応系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウム 2.46g及びL−アスコルビン酸0.10gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。重合を開始して60分経過前に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、 150℃で90分間熱風乾燥した。次いで得られた乾燥物を、振動ミルを用いて粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(1)を得た。なお、吸水性樹脂(1)を、前述の種子発芽勢試験(発芽勢指数)のコントロールサンプルとして用いた。
(参考例2)
単量体水溶液中の単量体を、アクリル酸30モル%とアクリル酸ナトリウム70モル%(単量体濃度38重量%)に代えたこと以外は参考例1と同様の操作を行い、不定形破砕状の吸水性樹脂(2)を得た。
(参考例3)
単量体水溶液中の単量体を、アクリル酸60モル%とアクリル酸ナトリウム40モル%(単量体濃度38重量%)に代えたこと以外は参考例1と同様の操作を行い、不定形破砕状の吸水性樹脂(3)を得た。
(参考例4)
単量体水溶液中の単量体を、アクリル酸80モル%とアクリル酸ナトリウム20モル%(単量体濃度38重量%)に代えたこと以外は参考例1と同様の操作を行い、不定形破砕状の吸水性樹脂(4)を得た。
(参考例5)
アクリル酸40モル%とアクリル酸ナトリウム60モル%からなる単量体濃度が55重量%の単量体水溶液150gにポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)を0.11gおよび開始剤として過硫酸ナトリウム0.13gを混合して反応液を調製した。前記反応液を窒素ガスで30分間バブリングして脱酸素をした後、ホットプレート(「NEO HOTPLATE HI−1000」、株式会社井内盛栄堂製)上に置かれ窒素ガスを封入した底面200mm×260mmのテフロン(登録商標)コートしたステンレス製容器中に注いだ。前記反応液は容器に注いだ直後に速やかに重合し、含水ゲル状重合体が得られた。得られた含水ゲル状重合体を直径1.5mmの孔径のスクリーンを有する竪型粉砕機(形式VM27−S、株式会社オリエント製)で回転刃の周速7m/秒で粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(5)を得た。
(参考例6)
吸水性樹脂(4)を目開き38μmの金網上にひろげて150℃で90分間熱風乾燥し、吸水性樹脂(6)を得た。
(参考例7)
アクリル酸水溶液5500g(単量体濃度38重量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)12.0gを溶解し反応液としたこと以外は参考例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂(7)を得た。
吸水性樹脂(1)〜(7)の結果を表3および表4に記載する。なお、発芽勢指数についてはイオン交換水膨潤倍率が70倍のゲル培地を用いて評価した。以下実施例、比較例で得られた植物育成用保水剤についても表3および表4に記載する。
(参考例8)
アクリル酸50モル%とアクリル酸ナトリウム50モル%からなる単量体濃度が65重量%の単量体水溶液150gにポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)0.11gおよび開始剤として過硫酸ナトリウム0.13gを混合して反応液を調製した。前記反応溶液を窒素ガスで30分間バブリングして脱酸素をした後、ホットプレート(株式会社井内盛栄堂製、商品名「NEO HOTPLATE HI−1000」)上に置いて窒素ガスを封入した底面200mm×260mmのテフロン(登録商標)コートしたステンレス製容器中に注いだ。前記反応液は容器に注いだ直後に速やかに重合し、含水ゲル状重合体が得られた。得られた含水ゲル状重合体を直径1.5mmの孔径のスクリーンを有する竪型粉砕機(形式VM27−S、株式会社オリエント製)で回転刃の周速7m/秒で粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(8)を得た。
(参考例9)
硫酸カルシウム2水和物(20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度0.27g)500g、酸化マグネシウム(20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度0.60mg)200g、酸化鉄(III)(20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度10mg未満)10g、及び酸化亜鉛(20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度0.40mg)10gをレディゲミキサー(レディゲ社製、タイプ:M5R)に投入して330rpmで15秒間攪拌混合し複合無機化合物(1)を得た。
(参考例10)
水酸化カルシウム500gと下水汚泥焼却灰の粒度調整灰(東京都下水道局、下記組成のスーパーアッシュ:20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度12mg)500gをレディゲミキサー(レディゲ社製、タイプ:M5R)に投入して330rpmで15秒間攪拌混合し無機化合物(2)を得た。
(参考例11)
酸化マグネシウム200gと酸化亜鉛100gをレディゲミキサー(レディゲ社製、タイプ:M5R)に投入して330rpmで15秒間攪拌混合し無機化合物(3)を得た。
(実施例1)
吸水性樹脂(3)300gをレディゲミキサー(レディゲ社製、タイプ:M5R)に投入し、硫酸カルシウムの50重量%の濃度で含有するスラリーを60g滴下しながら330rpmで15秒間攪拌混合した。混合後120℃で10分間熱風乾燥し、目開き2mmの金網を通過させて植物育成用保水材(1)を得た。
(実施例2)
硫酸カルシウムに代えて水酸化カルシウム(和光純薬工業社製、平均粒子径30μm)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、植物育成用保水材(2)を得た。
(実施例3)
硫酸カルシウムに代えて炭酸カルシウム(和光純薬工業社製、平均粒子径10μm)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、植物育成用保水材(3)を得た。
(実施例4)
硫酸カルシウムの50重量%の濃度で含有するスラリーを120g使用すること以外は実施例1と同様の操作を行い、植物育成用保水材(4)を得た。
(実施例5)
硫酸カルシウムに代えて酸化カルシウム(和光純薬工業社製、平均粒子径20μm)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い植物育成用保水材(5)を得た。
(実施例6)
吸水性樹脂(2)100gに対して商品名エポミンP−1050(数平均分子量約7万のポリエチレンイミンの50%水溶液、株式会社日本触媒製)6gを滴下し、攪拌により混合し、さらに硫酸カルシウムの50重量%の濃度で含有するスラリー40gを滴下し、混合した。混合後120℃で10分間熱風乾燥し、目開き2mmの金網を通過させて植物育成用保水材(6)を得た。
(実施例7)
吸水性樹脂(2)100gに、プロピレングリコール0.5部と、1,4−ブタンジオール0.3部と、水3部とからなる表面架橋剤を混合した。上記の混合物を200℃で45分間加熱処理した。続いて硫酸カルシウムの50重量%の濃度で含有するスラリー30gを滴下し、混合後120℃で10分間熱風乾燥し、目開き2mmの金網を通過させて植物育成用保水材(7)を得た。
(実施例8)
シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に吸水性樹脂(5)500gを投入した。次に、ジャケット温度を70℃に保ちながら蓋をし、吸水性樹脂(5)を10分間攪拌した。次いで、攪拌しながら硫酸カルシウム2水和物80gを混合した。得られた混合物を120℃で10分間熱風乾燥し、目開き2mmの金網を通過させて植物育成用保水材(8)を得た。
(実施例9)
吸水性樹脂(4)100gと硫酸カルシウム2水和物20gをレディゲミキサー(レディゲ社製、タイプ:M5R)に投入し、330rpmで15秒間攪拌混合した。続いて、前記レディゲミキサーに水10gを噴霧しながらさらに15秒間混合した。混合物を120℃で10分間熱風乾燥し、目開き2mmの金網を通過させて植物育成用保水材(9)を得た。
(実施例10)
吸水性樹脂(4)を吸水性樹脂(6)に代えたこと以外は実施例9と同様の操作を行い、植物育成用保水材(10)を得た。
(実施例11)
吸水性樹脂(3)を吸水性樹脂(7)に代えたこと以外は実施例1と同様の操作を行い植物育成用保水材(11)を得た。
(実施例12)
吸水性樹脂(8)300gと硫酸カルシウム2水和物(和光純薬工業社製、平均粒子径30μm)60gを実施例1記載のレディゲミキサーに粉末の形態で投入し330rpmで1分間混合した。混合後、目開き2mmの金網を通過させて植物育成用保水材(12)を得た。
(実施例13)
吸水性樹脂(8)300gと硫酸カルシウム2水和物(和光純薬工業社製、平均粒子径30μm)60gを実施例1記載のレディゲミキサーに粉末の形態で投入し330rpmで1分間混合した。さらに、9gのイオン交換水を噴霧しながら、さらに330rpmで1分間混合した。混合後、目開き2mmの金網を通過させて植物育成保水材(13)を得た。
(実施例14)
硫酸カルシウムに代えて無機混合物(1)を50重量%の濃度で含有するスラリー120gを使用すること以外は実施例1と同様の操作を行い、植物育成用保水材(14)を得た。
(実施例15)
硫酸カルシウムに代えて無機混合物(2)の50重量%の濃度で含有するスラリー120gを使用すること以外は実施例1と同様の操作を行い、植物育成用保水材(15)を得た。
(実施例16)
硫酸カルシウムに代えて石炭焼却灰(日本フライアッシュ協会製、商品名「フライアッシュ」、組成下記表、20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度8.0mg)を50重量%の濃度で含有するスラリー120gを使用すること以外は実施例1と同様の操作を行い、植物育成用保水材(16)を得た。
(実施例17)
植物育成用保水材(1)3gと培養土(タキイ種苗(株)製、商品名「タキイ培養土」)を、植物育成用保水材と培養土の合計量に対して前記植物育成用保水材が20重量%となるように混合土壌を調製した。続いて、底穴に見開き38μmの金網を備え付けたビニル樹脂製植木鉢(底面直径8cm、上面直径12cm、高さ10cm)に前記混合土壌を投入し、水道水(姫路市)200gを注ぎ込み、評価用培地を調製した。前記培地に対して小松菜種子(タキイ種苗(株)社製)を25粒播種し、2週間の発芽勢の状態を観察した。結果を図1(A)に示す。
比較として、植物育成用保水材(1)に代えて吸水性樹脂(1)を使用し、吸水性樹脂(1)と培養土との合計量に対して前記植物育成用保水材が20重量%となるように混合し、さらに硫酸カルシウム0.3gを混合した。続いて水道水(姫路市)200gを注ぎ込み、同様の操作を行い2週間の発芽勢を観察した。結果を図1(D)に示す。
また、吸水性樹脂(1)と培養土との調整培地(図1(B)参照)と、植物育成用保水材を使用せずに培養土のみで育成したときの生育状態(図1(C)参照)についても観察した。
(実施例18)
植物育成用保水材(5)3.5gと培養土(タキイ種苗(株)製、商品名「タキイ培養土」)50gを混合し、底穴に見開き38μmの金網を備え付けたビニル樹脂製植木鉢(底面直径10cm、上面直径15cm、高さ12cm)に投入し、水道水500gを注ぎ込み、評価用培地を調製した。続いて、前記培地に対して小松菜種子(タキイ種苗(株)社製)を5粒播種した。3週間ごとに水道水500gを潅水しながら、鉢ごと日中は屋外に8時間、夜は培養室(25℃、相対湿度70±5%RH)で16時間の環境で2ヶ月間育成した。4ヶ月後成長状態を観察した。結果を図2(A)に示す。
比較として、植物育成用保水材(5)に代えて吸水性樹脂(1)を使用して同様の操作を行い小松菜の生育状態を観察した。結果を図2(C)に示す。
あわせて、植物育成用保水材を使用せずに培養土のみで育成したときの生育状態についても観察した。結果を図2(B)に示す。
(比較例1)
吸水性樹脂(3)に代えて吸水性樹脂(1)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、比較植物育成用保水材(1)を得た。
(比較例2)
1000mlのビーカーにアクリル酸230g、48重量%濃度の水酸化ナトリウム133g、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.5gおよび水636gを混合して反応液とした。前記反応液を窒素ガス置換し、酸素濃度を0.1ppm以下とした。その後、窒素ガスを封入した底面200mm×260mmのテフロン(登録商標)コートしたステンレス製容器中に反応液を注入し、前記反応液を10℃に冷却した。続いて35重量%濃度の過酸化水素水0.023g、L−アスコルビン酸0.00575g、および過硫酸ナトリウム0.20gを反応液に添加した。前記添加後、約30分以内に重合反応が開始し、約2時間後にピーク温度に到達しさらに熟成させて含水ゲル状重合体を得た。得られた前記ゲル状重合体を、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に投入し、約2時間攪拌して裁断した。裁断された重合体と50重量%の塩化カルシウム水溶液35.5gを混合し、前記反応器中で約2時間攪拌した後、50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、 110℃で120分間熱風乾燥した。次いで得られた乾燥物を、振動ミルを用いて粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、比較植物育成用保水材(2)を得た。
(比較例3)
吸水性樹脂(1)10gを4000gの蒸留水で膨潤したところに、0.28重量%の塩化カルシウム水溶液1000gを加え、攪拌して2時間放置した。放置後、膨潤ゲル化した内容物をナイロン製の濾過布で濾し取り、目開き38μmの金網にひろげて熱風乾燥した。次いで得られた乾燥物を、振動ミルを用いて粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、比較植物育成用保水材(3)を得た。
(比較例4)
塩化カルシウムを硝酸カルシウムに代えたこと以外は比較例3と同様の操作を行い、比較植物育成用保水材(4)を得た。
(比較例5)
硫酸カルシウムに代えてリン酸マグネシウム(20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度20mg)を50重量%の濃度で含有するスラリー6gを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い比較植物育成用保水材(5)を得た。
(比較例6)
硫酸カルシウムに代えてリン酸マグネシウムを50重量%の濃度で含有するスラリー60gを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い比較植物育成用保水材(6)を得た。
(比較例7)
硫酸カルシウムに代えて無機混合物(3)を使用すること以外は実施例1と同様の操作を行い比較植物育成用保水材(7)を得た。
(比較例8)
N−ビニルアセトアミド架橋体(昭和電工(株)製、商品名「ノニオレックスNA−500M」)を比較植物育成用保水材(8)として用いた。
(比較例9)
吸水性樹脂(3)を吸水性樹脂(2)に代えて、リン酸カルシウム(20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度25mg)を50重量%の濃度で含有するスラリー6gを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い比較植物育成用保水材(9)を得た。
産業上の利用可能性
優れた吸水特性と植物成長促進特性を有する植物育成用保水材が提供される。灌水効率のきわめて優れた土壌改良や緑化工法用の新規植物育成用保水材や、切花を含む観賞植物用の植物支持担体として有利に利用される。
実施例17における植物育成の結果を示す図である。(A)植物育成用保水材(1)と培養土との混合土壌、(B)吸水性樹脂(1)と培養土、(C)培養土、(D)吸水性樹脂(1)、培養土および硫酸カルシウムとの混合土壌。 実施例18における植物育成の結果を示す図である。(A)植物育成用保水材(5)と培養土との混合土壌、(B)培養土、(C)吸水性樹脂(1)と培養土との混合土壌。

Claims (20)

  1. カルボキシル基を有する水不溶性の吸水性樹脂(A)と多価金属化合物(B)とを含む植物育成用保水材であって、吸収速度(10分間のイオン交換水中での吸水倍率)が20〜500g/gであり、重量平均粒子径が200〜10,000μmであり、
    前記多価金属化合物(B)の20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度が0を超えて10.0g以下であり、
    前記多価金属化合物(B)がカルシウムを必須に含む、粒子状植物育成用保水材。
  2. カルボキシル基を有する水不溶性の吸水性樹脂(A)と多価金属化合物(B)とを含む植物育成用保水材であって、カルシウム徐放指数が0を超えて50mg/L以下であり、重量平均粒子径が200〜10,000μmであり、
    前記多価金属化合物(B)の20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度が0を超えて10.0g以下であり、
    前記多価金属化合物(B)がカルシウムを必須に含む、粒子状植物育成用保水材。
  3. カルシウム徐放指数が1.0〜20mg/Lであり、飽和吸水倍率が20〜1,000g/gである、請求項1または2に記載の粒子状植物育成用保水材。
  4. 前記多価金属化合物(B)が、前記植物育成用保水材中に10〜50重量%含有される、請求項1〜3のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
  5. 前記多価金属化合物(B)が、前記吸水性樹脂(A)の表面に存在する、請求項1〜4のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
  6. 前記多価金属化合物(B)が前記吸水性樹脂(A)の表面に付着および/または被覆ないし担持されている請求項5に記載の粒子状植物育成用保水材。
  7. 前記吸水性樹脂(A)の表面に、粒子状植物育成用保水材の10〜50重量%の前記多価金属化合物(B)が存在する、請求項1〜6のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
  8. 前記吸水性樹脂(A)の有するカルボキシル基の一価の対イオン量が、前記カルボキシル基のモル数に対して5〜75モル%である請求項1〜7のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
  9. 含水率が1〜30重量%である、請求項1〜8のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
  10. 前記多価金属化合物(B)がマグネシウム、鉄およびケイ素よりなる群から選択される少なくとも一種の元素をさらに含む、請求項1〜9のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
  11. 前記多価金属化合物(B)が、硫酸カルシウム、水酸化カルシウムおよび炭酸カルシウムよりなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
  12. 前記多価金属化合物(B)が焼却灰である、請求項1〜9のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
  13. 前記吸水性樹脂(A)が単量体としてのアクリル酸および/またはその塩の重合により得られる重合体である請求項1〜12のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
  14. 前記吸水性樹脂(A)の可溶分量が10重量%未満である請求項1〜13のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
  15. カルボキシル基を有する水不溶性の粒子状吸水性樹脂(A)と多価金属化合物(B)とを含む植物育成用保水材の製造方法であって、含水率が0〜50重量%の状態の前記吸水性樹脂(A)と、前記吸水性樹脂(A)の固形分に対して10〜50重量%の前記多価金属化合物(B)とを、溶液またはスラリーの形態で混合する工程を含み、
    前記多価金属化合物(B)の20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度が0を超えて10.0g以下であり、
    前記多価金属化合物(B)がカルシウムを必須に含む、植物育成用保水材の製造方法。
  16. カルボキシル基を有する水不溶性の粒子状吸水性樹脂(A)と多価金属化合物(B)とを含む植物育成用保水材の製造方法であって、含水率が50〜20重量%の前記吸水性樹脂(A)と、前記多価金属化合物(B)とを、前記多価金属化合物を50重量%以上の濃度で含有するスラリーまたは粉体の形態で混合する工程を含み、
    前記多価金属化合物(B)の20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度が0を超えて10.0g以下であり、
    前記多価金属化合物(B)がカルシウムを必須に含む、植物育成用保水材の製造方法。
  17. カルボキシル基を有する水不溶性の粒子状吸水性樹脂(A)と多価金属化合物(B)とを含む植物育成用保水材の製造方法であって、含水率が0〜20重量%の粉体状態の前記吸水性樹脂(A)と、多価金属化合物(B)とを粉体状態で混合した後に、得られた混合物に水性液または水蒸気を添加混合する工程を含み、
    前記多価金属化合物(B)の20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度が0を超えて10.0g以下であり、
    前記多価金属化合物(B)がカルシウムを必須に含む、植物育成用保水材の製造方法。
  18. 前記吸水性樹脂(A)が単量体としてのアクリル酸および/またはその塩の重合により得られる重合体である請求項15〜17のいずれかに記載の植物育成用保水材の製造方法。
  19. 請求項1〜14のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材を用いた、植物育成方法。
  20. 前記粒子状植物育成用保水材を他の植物育成用保水担体と混合し、その配合量が1〜30重量%である、請求項19に記載の植物育成方法。
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