JP5010276B2 - 吸水性樹脂を主成分とする粒子状植物育成用保水材 - Google Patents
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Description
本発明は、植物育成用保水材に関するものである。更に詳しくは、本発明は、植物体の育成に際して前記植物体への水の供給源としての機能を発揮するとともに、良好な植物体の発育を促進し、土壌や砂地への適用による土壌改質および緑化促進、植物体を支持ないし担持することが可能な植物育成用保水材に関するものである。より具体的には、本発明は、田圃栽培、露地栽培、節水栽培、緑化工法等への保水用担体として使用した際に、吸水速度が速く取り扱いに優れるものであり、植物成長を阻害することがない植物用保水担体に関する。むしろ、植物育成用保水材であって、植物の成長を促進する土壌中で高濃度使用や膨潤ゲル担体での使用が可能な植物用育成用保水材に関する。
近年、吸水性樹脂は体液(尿や血液)を吸収させることを目的として、紙おむつや生理用ナプキン、失禁パッド等などの衛生材料(吸収物品)において、その主要な構成材料として幅広く利用されている。上記吸水性樹脂の具体例としては、ポリアクリル酸部分中和物架橋体等のポリアクリル酸系吸水性樹脂を含むポリカルボン酸系吸水性樹脂や澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物等がある。これらの中でも特にポリアクリル酸系吸水性樹脂が低価格性および物性面で優れるものであり大量に使用されている。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、カルボキシル基含有の吸水性樹脂に、特定の多価金属化合物を吸水性樹脂粒子の表面に担持することで、植物体の成長阻害がなく、優れた吸水特性を有する植物育成用保水材を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
図1は、実施例17における植物育成の結果を示す図である。
(A)植物育成用保水材(1)と培養土との混合土壌
(B)吸水性樹脂(1)と培養土
(C)培養土
(D)吸水性樹脂(1)、培養土および硫酸カルシウムとの混合土壌
図2は、実施例18における植物育成の結果を示す図である。
(A)植物育成用保水材(5)と培養土との混合土壌
(B)培養土
(C)吸水性樹脂(1)と培養土との混合土壌。
本発明の第一は、カルボキシル基を有する水不溶性の吸水性樹脂(A)と多価金属化合物(B)とを含む植物育成用保水材であって、吸収速度(10分間のイオン交換水に対する吸水倍率)が20〜500g/gであり、重量平均粒子径が200〜10,000μmである粒子状植物育成用保水材である。本発明の第二は、カルボキシル基を有する水不溶性の吸水性樹脂(A)と多価金属化合物(B)とを含む植物育成用保水材であって、カルシウム徐放指数が0を超えて50mg/L以下であり、重量平均粒子径が200〜10,000μmである、粒子状植物育成用保水材である。
本発明の「吸水性樹脂(A)」とは、植物育成用保水材中で、または前記保水材とする前には粒子状であって、ヒドロゲルを形成しうる水膨潤性水不溶性の架橋重合体をいう。例えば、水膨潤性とはイオン交換水中において飽和吸水倍率が、20〜1,000g/g、好ましくは50〜1,000g/g、より好ましくは100〜1,000g/gという多量の水を吸収するものを指し、水不溶性とは吸水性樹脂中の未架橋の水可溶性成分(水溶性高分子)が好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜25重量%、さらに好ましくは0〜20重量%、特に好ましくは0〜15重量%、さらに特に好ましくは0〜10重量%、最も好ましくは0〜7重量%のものを指す。水可溶性成分量が50重量%を越えると、溶出分による成長の阻害が生じ、植物育成効果が低減する場合がある。また、吸水によって形状維持効果が低減するため、種苗を樹脂中に定植できない場合がある。なお、飽和吸水倍率および水可溶性成分の数値は、後記する実施例で規定する測定方法によるものとする。
不飽和単量体(以下単に「単量体」と略す)としては、アクリル酸および/またはその塩を主成分として使用することが好ましい。その他の単量体を併用してもよい。併用される単量体として、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸およびそのアルカリ金属塩やアンモニウム塩、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソブチレン、ラウリル(メタ)アクリレート等の水溶性または疎水性不飽和単量体等を共重合成分とするものが挙げられる。
吸水性樹脂は架橋構造を必須に有する。吸水性樹脂は架橋性単量体を使用しない自己架橋型のものであってもよい。一分子中に、2個以上の重合性不飽和基や、2個以上の反応性基を有する架橋性単量体(吸水性樹脂の内部架橋剤とも言う)を共重合又は反応させたものがさらに好ましい。これら内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
本発明に用いられる吸水性樹脂を得るために上述の不飽和単量体を重合するに際して使用される開始剤としては過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酢酸カリウム、過酢酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤や、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等の光重合開始剤を用いることができる。これら重合開始剤の使用量は物性面から通常0.001〜2モル%、好ましくは0.01〜0.1モル%(対全単量体)である。これらの重合開始剤の量が0.001モル%未満の場合には未反応の残存単量体が多くなり、一方重合開始剤の量が2モル%を超える場合には重合の制御が困難となるので好ましくない。
本発明に用いられる吸水性樹脂を得るために上述の単量体を重合するに際しては、バルク重合や沈殿重合を行うことが可能である。性能面や重合の制御の容易さ、さらに膨潤ゲルの吸収特性の観点から、上記単量体を水溶液とすることによる水溶液重合や逆相懸濁重合を行うことが好ましい。
一方、含水ゲル状架橋重合体を、必要に応じて乾燥し、乾燥の前および/または後で通常粉砕して使用することもできる。熱風乾燥する場合は通常60℃〜250℃、好ましくは100℃〜220℃、より好ましくは120℃〜200℃の温度範囲で行われる。乾燥時間は、重合体の表面積、含水率、および乾燥機の種類に依存し、目的とする含水率になるように選択される。本発明に用いることのできる吸水性樹脂の含水率(吸水性樹脂や植物育成用保水材に含まれる水分量で規定され、180℃で3時間熱風乾燥したときの乾燥減量で測定される)は特に限定されない。得られる植物育成用保水材の固体状態での物性面や取り扱い性から室温でも流動性を示す粉末である。よって前記粉末は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜40重量%、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%、最も好ましくは0〜10重量%の含水率を有する。吸水性樹脂の好ましい粒子径は後述する。
本発明の植物育成用保水材に用いられる吸水性樹脂は、上記の架橋重合の後、必要により乾燥粉砕したものに、さらに表面に架橋(二次架橋)処理をしてもよい。表面架橋処理については、植物育成用保水材を適用する土壌の塩濃度や土壌を形成する鉱物種等の性状、潅水で使用される水質等を考慮して必要に応じてなされる。
本発明の植物育成用保水材に使用する吸水性樹脂(A)の粒子径に限定はなく、用途によって適宜選択することができる。吸水性樹脂の重量平均粒子径は、後述する実施例に記載する方法で規定される。例えば、植物育成用保水材として使用するには、150μm未満の粒子径は好ましくは0〜20重量%であり、より好ましくは0〜10重量%であり、特に好ましくは0〜5重量%である。150μm以下の粒子径が20重量%を超えると、吸水性樹脂から溶出される水可溶分量が増加するために植物成長阻害を引き起こす場合がある。また、600μm以上の粒子が全体の20重量%以上であり、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上である。さらに、好適に用いられる吸水性樹脂の重量平均粒子径は、200〜10,000μmであり、好ましくは500〜5,000μm、特に好ましくは500〜2,000μmである。重量平均粒子径が10,000μmを超える場合は吸水速度が大きく低下するために植物育成用の吸水性樹脂としての取り扱い性が低下する場合がある。また重量平均粒子径が特に200μm未満の場合は吸水ゲル状態での表面積が大きいため乾燥しやすく、植物体への水分供給以上に水分の蒸散が早いため好ましくない。なお、重量平均粒子径は、後記する実施例に記載する方法で測定する。
本発明で使用する多価金属化合物(B)とは、多価金属の塩または水酸化物であり、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アルカリ土類金属などの二価の金属およびアルミニウム等三価の金属や亜鉛、鉄、マンガン、銅、モリブデン等の遷移金属の、ハロゲン化物や硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等の無機の正塩および複塩や乳酸や脂肪酸等の有機塩、および水酸化物や酸化物である。吸水後のゲル状態の安定性や植物の発芽成長等の植物体に対する生理作用に良い環境を与えるために、多価金属化合物は、カルシウム、マグネシウム、鉄、ケイ素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物、またはこれらの混合物である。植物体の根毛等の根部成長性にとってカルシウムが必須成分(主成分)であるため、前記無機化合物としてカルシウムを必須として含むことが好ましい。これにより、前記無機化合物は、カルシウム徐放性を発揮させることができる。なお、多価金属化合物(B)としては、酸化カルシウムと酸化ケイ素との組成物のように、前記元素の1種を含む多価金属化合物を2種以上組み合わせた組成物であってもよく、カルシウムフェライトや硫酸マグネシウムカルシウムカリウムのように、前記元素の2種以上を含む1種の多価金属化合物であってもよい。少なくとも、吸水性樹脂にカルシウムとともに、上記元素の1種以上を含ませることで、特に植物育成用などに使用する場合に、発根率、発芽率に優れる。
本発明の植物育成用保水材には、吸水性樹脂と多価金属化合物とが含まれており、吸水性樹脂と多価金属化合物との少なくとも一部が、好ましくは実質的に一体化しているものである。特には、吸水性樹脂の表面ないし表層付近に多価金属化合物が一体化されているものが好ましい。ここに「一体化」とは、少なくとも多価金属化合物の一部が吸水性樹脂に化学的または物理的に結合している形態をいう。このような一体化の態様としては、前記吸水性樹脂に存在する官能基に多価金属化合物が化学的に結合しているもの、前記吸水性樹脂の表面に多価金属化合物が物理的に付着しているもの、または前記吸水性樹脂の表面に多価金属化合物が浸透しているものなどがある。
本発明の植物育成用保水材は、給水(潅水)してゲル化させ、これに播種すると発芽率および発根率に優れるため、特に植物育成用保水材として好適に使用できる。このような植物育成用保水材は、代替土壌とも言うべきものであり、他の植物育成用担体を併用することなく優れた発芽率および発根率を確保することができる。しかも、前記植物育成用保水材中に根を張らせることができるため、保水効率にも優れる。
本発明の植物育成用保水材は(A)吸水性樹脂と(B)多価金属化合物と含むものである。前記保水材は以下の方法で製造することができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。また、特に記載ない場合、「部」は「重量部」を意味する。
吸水性樹脂、植物育成用保水材は以下の方法によって測定した。以下に、吸水性樹脂を対象として説明するが、各実施例および比較例で製造した植物育成用保水材の特性は、吸水性樹脂に代えて各植物育成用保水材を使用して同様に測定することができる。
サンプルである吸水性樹脂の粉末0.02gを不織布製の袋(60mm×80mm)に均一に入れ、25℃に調温した500mlのイオン交換水(電気伝導度5μS/cm以下)に浸漬した。24時間静置後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを行った後、袋の重量W2(g)を測定した。同様の操作を吸水性樹脂粉末を用いずに行い、そのときの重量W1(g)を測定した。これら重量W1、W2から、次式に従って飽和吸水倍率(g/g)を算出した。
内径60mmのプラスチック支持円筒の底にステンレス製400メッシュ(目開き38μm)を融着させた測定セルに、室温(20〜25℃)、相対湿度50±5%の条件で、サンプルである吸水性樹脂1.0gを厚さを均一に投入し、重量Wa(g)を測定した。
植物育成用保水材の植物に及ぼす影響を評価するために、イオン交換水を吸水した植物育成用保水材(吸水ゲル)を培地とし、種子の発芽勢試験を行った。種子としては短期的に発芽勢試験が容易で、市販で入手可能なカイワレ大根の種子(例えばタキイ種苗株式会社等より入手される発芽率85%以上のカイワレ大根種子)を使用した。
内径60mmのプラスチック支持円筒の底にステンレス製400メッシュ(目開き38μm)を融着させた測定セルに、室温(20〜25℃)、相対湿度50±5%の条件下で、サンプルである吸水性樹脂1.0gと、モデル砂として直径約1mmのガラスビーズ50gを散布し混合した。次いで、イオン交換水を1000g/分の流速で前記セルの上部から底面のメッシュへと1分間注ぎ、通水しながらゲル培地を作成した。次いで、上記カイワレ大根種子を20粒播き、前記容器の上に不織布で蓋をして、日中は屋外に8時間、夜は培養室で16時間放置を2週間継続した。この放置を継続している間、カイワレ大根の成長について観察した。潅水効率による発芽評価の判断基準は以下の通りである。
○〜△:発芽率が90%以上で茎葉根の成長および根毛の成長が観察されたが、途中で枯死した株が発芽種子の半分であったサンプル、
△:発芽率が90%以上で茎葉根の成長および根毛の成長が観察されたが、全ての株が途中で枯死したサンプル、
×:発芽したが茎葉根の成長が不十分で根毛の成長が見られず、すべての株が途中で枯死したサンプル、
××:発芽しなかったサンプル。
吸水性樹脂サンプル粉末を5600μm、4750μm、4000μm、3350μm、2800μm、2360μm、2000μm、1700μm、1400μm、1000μm、850μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μmのJIS(日本工業規格)標準ふるいでふるい分けした。残留百分率を対数確率紙にプロットした。これにより、重量平均粒子径(D50)を読み取った。なお、上記ふるいがない場合は、JIS標準ふるいを参考に適宜使用することで測定することができる。
JIS20メッシュ(目開き850μm)を通過した吸水性樹脂のサンプル約2gを、直径52mmのアルミカップに均一に散布した後、温度25℃±1℃で相対湿度90±5%の恒温恒湿機中に1時間放置した。1時間後、アルミカップに入った吸水性樹脂サンプルを8.6メッシュ(目開き2,000μm)のJIS標準ふるい(The IIDA TESTING SIEVE:内径80mm)の上に移し、ロータップ型ふるい振盪機(株式会社飯田製作所製「ES−65型ふるい振盪機」;回転数230rpm、衝撃数130rpm)を用いて、室温(20〜25℃)、相対湿度50%RHの条件下で5秒間分級し、2000μmメッシュ上に残存した吸水性樹脂の重量(Ag)と前記メッシュを通過した吸水性樹脂の重量(Bg)を測定した。本発明においては、吸湿流動性は下式に従って算出した。
吸水性樹脂サンプル0.5gを1000mlの脱イオン水中に分散させて16時間攪拌した後に放置することにより、前記サンプルから水可溶分を抽出した。16時間後、この抽出液を濾紙1枚(ADVANTEC東洋株式会社、品名:(JIS P 3801、No.2)、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を用いて濾過した。濾液E(g)をナスフラスコに回収し、80℃に加温しながらロータリーエバポレーター(東京理化器械株式会社製、タイプN)を用いて全量濃縮し、濃縮した濾液をアルミカップに入れ180℃の無風オーブンで3時間加熱した。濾液中に含まれる固形分量D(g)を測定し下式に従って算出した。
吸水性樹脂サンプル1.000gをアルミカップに入れ、180℃の無風オーブンで3時間加熱し、その乾燥減量を測定した。
まず、内径80mm、高さ250mmのポリプロピレン製容器(株式会社テラオカ製、型番「24−0210−02」)に、25±0.5℃に調温したカルシウムイオン濃度200mg/Lの塩化カルシウム水溶液1Lを投入し、次いで、1gの吸水性樹脂サンプルを前記容器中に投入し、直径50mmの攪拌子((相互理化学硝子製作所製:製品コード「1065−10」)を用い、回転速度60rpmで48時間攪拌した。なお、攪拌は25±1℃に保った恒温室にて行なった。48時間攪拌後、吸水性樹脂の分散した塩化カルシウム水溶液をディスポーザブルシリンジ(株式会社テルモ製、商品名「SS−30ES」、内容量30ml)で採取し、膨潤ゲル化した吸水性樹脂をフィルター(GLサイエンス社製、商品名「タイプ25A」)を用いて分離濾過しカルシウム水溶液を回収した。回収したカルシウム水溶液をプラズマ発光分光分析でカルシウム量(Xmg/L)を定量した。あわせて、吸水性樹脂を分散させずにカルシウムイオン濃度200mg/Lの塩化カルシウム水溶液1Lをそのまま前記攪拌子にて48時間前記条件にて攪拌した。攪拌し、前記ディスポーザブルシリンジおよびフィルターを通過させた水溶液を空試験としてプラズマ発光分光分析でカルシウム量(Ymg/L)を定量した。カルシウム徐放指数は下式にて算出した。
吸水性樹脂サンプル5gと培養土(タキイ種苗株式会社製、商品名「タキイ培養土」)50gを混合し、得られた混合物を、底穴に目開き38μmの金網を備え付けたビニル樹脂製の植木鉢(直径16cm、高さ12cm)に投入し、続いて、水道水500gを注ぎ込み、評価用培地を調製した。続いて、前記培地に対して小松菜幼苗(タキイ種苗(株)社製の種子を予め前記培養土にて1週間育成した幼苗)を植え込み、2週間ごとに水道水500gを潅水した。幼苗を鉢ごと日中は屋外に8時間、夜は培養室(25℃、相対湿度70±5%RH)で16時間の環境で2ヶ月間育成した。2ヶ月後の苗の生育状態や葉の枚数、色づきを具合を観察した。
20モル%のアクリル酸と80モル%アクリル酸ナトリウムからなる単量体水溶液5500g(単量体濃度38重量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)12.0gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら反応系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウム 2.46g及びL−アスコルビン酸0.10gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。重合を開始して60分経過前に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、 150℃で90分間熱風乾燥した。次いで得られた乾燥物を、振動ミルを用いて粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(1)を得た。なお、吸水性樹脂(1)を、前述の種子発芽勢試験(発芽勢指数)のコントロールサンプルとして用いた。
単量体水溶液中の単量体を、アクリル酸30モル%とアクリル酸ナトリウム70モル%(単量体濃度38重量%)に代えたこと以外は参考例1と同様の操作を行い、不定形破砕状の吸水性樹脂(2)を得た。
単量体水溶液中の単量体を、アクリル酸60モル%とアクリル酸ナトリウム40モル%(単量体濃度38重量%)に代えたこと以外は参考例1と同様の操作を行い、不定形破砕状の吸水性樹脂(3)を得た。
単量体水溶液中の単量体を、アクリル酸80モル%とアクリル酸ナトリウム20モル%(単量体濃度38重量%)に代えたこと以外は参考例1と同様の操作を行い、不定形破砕状の吸水性樹脂(4)を得た。
アクリル酸40モル%とアクリル酸ナトリウム60モル%からなる単量体濃度が55重量%の単量体水溶液150gにポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)を0.11gおよび開始剤として過硫酸ナトリウム0.13gを混合して反応液を調製した。前記反応液を窒素ガスで30分間バブリングして脱酸素をした後、ホットプレート(「NEO HOTPLATE HI−1000」、株式会社井内盛栄堂製)上に置かれ窒素ガスを封入した底面200mm×260mmのテフロン(登録商標)コートしたステンレス製容器中に注いだ。前記反応液は容器に注いだ直後に速やかに重合し、含水ゲル状重合体が得られた。得られた含水ゲル状重合体を直径1.5mmの孔径のスクリーンを有する竪型粉砕機(形式VM27−S、株式会社オリエント製)で回転刃の周速7m/秒で粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(5)を得た。
吸水性樹脂(4)を目開き38μmの金網上にひろげて150℃で90分間熱風乾燥し、吸水性樹脂(6)を得た。
アクリル酸水溶液5500g(単量体濃度38重量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)12.0gを溶解し反応液としたこと以外は参考例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂(7)を得た。
アクリル酸50モル%とアクリル酸ナトリウム50モル%からなる単量体濃度が65重量%の単量体水溶液150gにポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)0.11gおよび開始剤として過硫酸ナトリウム0.13gを混合して反応液を調製した。前記反応溶液を窒素ガスで30分間バブリングして脱酸素をした後、ホットプレート(株式会社井内盛栄堂製、商品名「NEO HOTPLATE HI−1000」)上に置いて窒素ガスを封入した底面200mm×260mmのテフロン(登録商標)コートしたステンレス製容器中に注いだ。前記反応液は容器に注いだ直後に速やかに重合し、含水ゲル状重合体が得られた。得られた含水ゲル状重合体を直径1.5mmの孔径のスクリーンを有する竪型粉砕機(形式VM27−S、株式会社オリエント製)で回転刃の周速7m/秒で粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(8)を得た。
硫酸カルシウム2水和物(20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度0.27g)500g、酸化マグネシウム(20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度0.60mg)200g、酸化鉄(III)(20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度10mg未満)10g、及び酸化亜鉛(20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度0.40mg)10gをレディゲミキサー(レディゲ社製、タイプ:M5R)に投入して330rpmで15秒間攪拌混合し複合無機化合物(1)を得た。
水酸化カルシウム500gと下水汚泥焼却灰の粒度調整灰(東京都下水道局、下記組成のスーパーアッシュ:20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度12mg)500gをレディゲミキサー(レディゲ社製、タイプ:M5R)に投入して330rpmで15秒間攪拌混合し無機化合物(2)を得た。
酸化マグネシウム200gと酸化亜鉛100gをレディゲミキサー(レディゲ社製、タイプ:M5R)に投入して330rpmで15秒間攪拌混合し無機化合物(3)を得た。
吸水性樹脂(3)300gをレディゲミキサー(レディゲ社製、タイプ:M5R)に投入し、硫酸カルシウムの50重量%の濃度で含有するスラリーを60g滴下しながら330rpmで15秒間攪拌混合した。混合後120℃で10分間熱風乾燥し、目開き2mmの金網を通過させて植物育成用保水材(1)を得た。
硫酸カルシウムに代えて水酸化カルシウム(和光純薬工業社製、平均粒子径30μm)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、植物育成用保水材(2)を得た。
硫酸カルシウムに代えて炭酸カルシウム(和光純薬工業社製、平均粒子径10μm)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、植物育成用保水材(3)を得た。
硫酸カルシウムの50重量%の濃度で含有するスラリーを120g使用すること以外は実施例1と同様の操作を行い、植物育成用保水材(4)を得た。
硫酸カルシウムに代えて酸化カルシウム(和光純薬工業社製、平均粒子径20μm)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い植物育成用保水材(5)を得た。
吸水性樹脂(2)100gに対して商品名エポミンP−1050(数平均分子量約7万のポリエチレンイミンの50%水溶液、株式会社日本触媒製)6gを滴下し、攪拌により混合し、さらに硫酸カルシウムの50重量%の濃度で含有するスラリー40gを滴下し、混合した。混合後120℃で10分間熱風乾燥し、目開き2mmの金網を通過させて植物育成用保水材(6)を得た。
吸水性樹脂(2)100gに、プロピレングリコール0.5部と、1,4−ブタンジオール0.3部と、水3部とからなる表面架橋剤を混合した。上記の混合物を200℃で45分間加熱処理した。続いて硫酸カルシウムの50重量%の濃度で含有するスラリー30gを滴下し、混合後120℃で10分間熱風乾燥し、目開き2mmの金網を通過させて植物育成用保水材(7)を得た。
シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に吸水性樹脂(5)500gを投入した。次に、ジャケット温度を70℃に保ちながら蓋をし、吸水性樹脂(5)を10分間攪拌した。次いで、攪拌しながら硫酸カルシウム2水和物80gを混合した。得られた混合物を120℃で10分間熱風乾燥し、目開き2mmの金網を通過させて植物育成用保水材(8)を得た。
吸水性樹脂(4)100gと硫酸カルシウム2水和物20gをレディゲミキサー(レディゲ社製、タイプ:M5R)に投入し、330rpmで15秒間攪拌混合した。続いて、前記レディゲミキサーに水10gを噴霧しながらさらに15秒間混合した。混合物を120℃で10分間熱風乾燥し、目開き2mmの金網を通過させて植物育成用保水材(9)を得た。
吸水性樹脂(4)を吸水性樹脂(6)に代えたこと以外は実施例9と同様の操作を行い、植物育成用保水材(10)を得た。
吸水性樹脂(3)を吸水性樹脂(7)に代えたこと以外は実施例1と同様の操作を行い植物育成用保水材(11)を得た。
吸水性樹脂(8)300gと硫酸カルシウム2水和物(和光純薬工業社製、平均粒子径30μm)60gを実施例1記載のレディゲミキサーに粉末の形態で投入し330rpmで1分間混合した。混合後、目開き2mmの金網を通過させて植物育成用保水材(12)を得た。
吸水性樹脂(8)300gと硫酸カルシウム2水和物(和光純薬工業社製、平均粒子径30μm)60gを実施例1記載のレディゲミキサーに粉末の形態で投入し330rpmで1分間混合した。さらに、9gのイオン交換水を噴霧しながら、さらに330rpmで1分間混合した。混合後、目開き2mmの金網を通過させて植物育成保水材(13)を得た。
硫酸カルシウムに代えて無機混合物(1)を50重量%の濃度で含有するスラリー120gを使用すること以外は実施例1と同様の操作を行い、植物育成用保水材(14)を得た。
硫酸カルシウムに代えて無機混合物(2)の50重量%の濃度で含有するスラリー120gを使用すること以外は実施例1と同様の操作を行い、植物育成用保水材(15)を得た。
硫酸カルシウムに代えて石炭焼却灰(日本フライアッシュ協会製、商品名「フライアッシュ」、組成下記表、20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度8.0mg)を50重量%の濃度で含有するスラリー120gを使用すること以外は実施例1と同様の操作を行い、植物育成用保水材(16)を得た。
植物育成用保水材(1)3gと培養土(タキイ種苗(株)製、商品名「タキイ培養土」)を、植物育成用保水材と培養土の合計量に対して前記植物育成用保水材が20重量%となるように混合土壌を調製した。続いて、底穴に見開き38μmの金網を備え付けたビニル樹脂製植木鉢(底面直径8cm、上面直径12cm、高さ10cm)に前記混合土壌を投入し、水道水(姫路市)200gを注ぎ込み、評価用培地を調製した。前記培地に対して小松菜種子(タキイ種苗(株)社製)を25粒播種し、2週間の発芽勢の状態を観察した。結果を図1(A)に示す。
植物育成用保水材(5)3.5gと培養土(タキイ種苗(株)製、商品名「タキイ培養土」)50gを混合し、底穴に見開き38μmの金網を備え付けたビニル樹脂製植木鉢(底面直径10cm、上面直径15cm、高さ12cm)に投入し、水道水500gを注ぎ込み、評価用培地を調製した。続いて、前記培地に対して小松菜種子(タキイ種苗(株)社製)を5粒播種した。3週間ごとに水道水500gを潅水しながら、鉢ごと日中は屋外に8時間、夜は培養室(25℃、相対湿度70±5%RH)で16時間の環境で2ヶ月間育成した。4ヶ月後成長状態を観察した。結果を図2(A)に示す。
吸水性樹脂(3)に代えて吸水性樹脂(1)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、比較植物育成用保水材(1)を得た。
1000mlのビーカーにアクリル酸230g、48重量%濃度の水酸化ナトリウム133g、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.5gおよび水636gを混合して反応液とした。前記反応液を窒素ガス置換し、酸素濃度を0.1ppm以下とした。その後、窒素ガスを封入した底面200mm×260mmのテフロン(登録商標)コートしたステンレス製容器中に反応液を注入し、前記反応液を10℃に冷却した。続いて35重量%濃度の過酸化水素水0.023g、L−アスコルビン酸0.00575g、および過硫酸ナトリウム0.20gを反応液に添加した。前記添加後、約30分以内に重合反応が開始し、約2時間後にピーク温度に到達しさらに熟成させて含水ゲル状重合体を得た。得られた前記ゲル状重合体を、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に投入し、約2時間攪拌して裁断した。裁断された重合体と50重量%の塩化カルシウム水溶液35.5gを混合し、前記反応器中で約2時間攪拌した後、50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、 110℃で120分間熱風乾燥した。次いで得られた乾燥物を、振動ミルを用いて粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、比較植物育成用保水材(2)を得た。
吸水性樹脂(1)10gを4000gの蒸留水で膨潤したところに、0.28重量%の塩化カルシウム水溶液1000gを加え、攪拌して2時間放置した。放置後、膨潤ゲル化した内容物をナイロン製の濾過布で濾し取り、目開き38μmの金網にひろげて熱風乾燥した。次いで得られた乾燥物を、振動ミルを用いて粉砕し、さらに金網で分級、調合することにより、比較植物育成用保水材(3)を得た。
塩化カルシウムを硝酸カルシウムに代えたこと以外は比較例3と同様の操作を行い、比較植物育成用保水材(4)を得た。
硫酸カルシウムに代えてリン酸マグネシウム(20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度20mg)を50重量%の濃度で含有するスラリー6gを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い比較植物育成用保水材(5)を得た。
硫酸カルシウムに代えてリン酸マグネシウムを50重量%の濃度で含有するスラリー60gを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い比較植物育成用保水材(6)を得た。
硫酸カルシウムに代えて無機混合物(3)を使用すること以外は実施例1と同様の操作を行い比較植物育成用保水材(7)を得た。
N−ビニルアセトアミド架橋体(昭和電工(株)製、商品名「ノニオレックスNA−500M」)を比較植物育成用保水材(8)として用いた。
吸水性樹脂(3)を吸水性樹脂(2)に代えて、リン酸カルシウム(20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度25mg)を50重量%の濃度で含有するスラリー6gを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い比較植物育成用保水材(9)を得た。
優れた吸水特性と植物成長促進特性を有する植物育成用保水材が提供される。灌水効率のきわめて優れた土壌改良や緑化工法用の新規植物育成用保水材や、切花を含む観賞植物用の植物支持担体として有利に利用される。
Claims (20)
- カルボキシル基を有する水不溶性の吸水性樹脂(A)と多価金属化合物(B)とを含む植物育成用保水材であって、吸収速度(10分間のイオン交換水中での吸水倍率)が20〜500g/gであり、重量平均粒子径が200〜10,000μmであり、
前記多価金属化合物(B)の20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度が0を超えて10.0g以下であり、
前記多価金属化合物(B)がカルシウムを必須に含む、粒子状植物育成用保水材。 - カルボキシル基を有する水不溶性の吸水性樹脂(A)と多価金属化合物(B)とを含む植物育成用保水材であって、カルシウム徐放指数が0を超えて50mg/L以下であり、重量平均粒子径が200〜10,000μmであり、
前記多価金属化合物(B)の20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度が0を超えて10.0g以下であり、
前記多価金属化合物(B)がカルシウムを必須に含む、粒子状植物育成用保水材。 - カルシウム徐放指数が1.0〜20mg/Lであり、飽和吸水倍率が20〜1,000g/gである、請求項1または2に記載の粒子状植物育成用保水材。
- 前記多価金属化合物(B)が、前記植物育成用保水材中に10〜50重量%含有される、請求項1〜3のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
- 前記多価金属化合物(B)が、前記吸水性樹脂(A)の表面に存在する、請求項1〜4のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
- 前記多価金属化合物(B)が前記吸水性樹脂(A)の表面に付着および/または被覆ないし担持されている請求項5に記載の粒子状植物育成用保水材。
- 前記吸水性樹脂(A)の表面に、粒子状植物育成用保水材の10〜50重量%の前記多価金属化合物(B)が存在する、請求項1〜6のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
- 前記吸水性樹脂(A)の有するカルボキシル基の一価の対イオン量が、前記カルボキシル基のモル数に対して5〜75モル%である請求項1〜7のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
- 含水率が1〜30重量%である、請求項1〜8のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
- 前記多価金属化合物(B)がマグネシウム、鉄およびケイ素よりなる群から選択される少なくとも一種の元素をさらに含む、請求項1〜9のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
- 前記多価金属化合物(B)が、硫酸カルシウム、水酸化カルシウムおよび炭酸カルシウムよりなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
- 前記多価金属化合物(B)が焼却灰である、請求項1〜9のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
- 前記吸水性樹脂(A)が単量体としてのアクリル酸および/またはその塩の重合により得られる重合体である請求項1〜12のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
- 前記吸水性樹脂(A)の可溶分量が10重量%未満である請求項1〜13のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材。
- カルボキシル基を有する水不溶性の粒子状吸水性樹脂(A)と多価金属化合物(B)とを含む植物育成用保水材の製造方法であって、含水率が0〜50重量%の状態の前記吸水性樹脂(A)と、前記吸水性樹脂(A)の固形分に対して10〜50重量%の前記多価金属化合物(B)とを、溶液またはスラリーの形態で混合する工程を含み、
前記多価金属化合物(B)の20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度が0を超えて10.0g以下であり、
前記多価金属化合物(B)がカルシウムを必須に含む、植物育成用保水材の製造方法。 - カルボキシル基を有する水不溶性の粒子状吸水性樹脂(A)と多価金属化合物(B)とを含む植物育成用保水材の製造方法であって、含水率が50〜20重量%の前記吸水性樹脂(A)と、前記多価金属化合物(B)とを、前記多価金属化合物を50重量%以上の濃度で含有するスラリーまたは粉体の形態で混合する工程を含み、
前記多価金属化合物(B)の20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度が0を超えて10.0g以下であり、
前記多価金属化合物(B)がカルシウムを必須に含む、植物育成用保水材の製造方法。 - カルボキシル基を有する水不溶性の粒子状吸水性樹脂(A)と多価金属化合物(B)とを含む植物育成用保水材の製造方法であって、含水率が0〜20重量%の粉体状態の前記吸水性樹脂(A)と、多価金属化合物(B)とを粉体状態で混合した後に、得られた混合物に水性液または水蒸気を添加混合する工程を含み、
前記多価金属化合物(B)の20℃での100gのイオン交換水に対する溶解度が0を超えて10.0g以下であり、
前記多価金属化合物(B)がカルシウムを必須に含む、植物育成用保水材の製造方法。 - 前記吸水性樹脂(A)が単量体としてのアクリル酸および/またはその塩の重合により得られる重合体である請求項15〜17のいずれかに記載の植物育成用保水材の製造方法。
- 請求項1〜14のいずれかに記載の粒子状植物育成用保水材を用いた、植物育成方法。
- 前記粒子状植物育成用保水材を他の植物育成用保水担体と混合し、その配合量が1〜30重量%である、請求項19に記載の植物育成方法。
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