JP2000139208A - 植物保水用担体 - Google Patents

植物保水用担体

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JP2000139208A
JP2000139208A JP10316440A JP31644098A JP2000139208A JP 2000139208 A JP2000139208 A JP 2000139208A JP 10316440 A JP10316440 A JP 10316440A JP 31644098 A JP31644098 A JP 31644098A JP 2000139208 A JP2000139208 A JP 2000139208A
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hydrogel
carrier
plant
polymer
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Yasuhiro Obonai
康弘 小保内
Koji Furukawa
浩二 古川
Hiroshi Yoshioka
浩 吉岡
Yuichi Mori
森  有一
Kazuhiro Kasuya
和宏 糟谷
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M & M Kenkyusho Kk
Sanyo Chemical Industries Ltd
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M & M Kenkyusho Kk
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な保水性を有し、しかも発根阻害ないし
は根の伸長阻害を実質的に生じない植物保水用担体を提
供する。 【解決手段】 カルシウムイオン吸収量が乾燥重量1g
あたり0〜100mgであり;塩素イオンの含有量が乾
燥重量1gあたり0.07〜7mmolであり;且つ、
25℃のイオン交換水中での吸水倍率が1.0×101
〜1.0×103倍であるハイドロゲル形成性の高分子
を、植物保水用担体として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物体の育成に際
して該植物体を支持ないし担持するとともに、該植物体
への水の供給源としての機能をも発揮することが可能な
植物保水用担体に関し、より具体的には、流体播種、圃
場栽培、露地栽培、緑化工等に保水用担体として使用し
た際に、植物生長を阻害することなく植物に水を供給す
ることが可能な植物保水用担体に関する。
【0002】本発明の植物保水用担体は、植物体の育成
に際して、他の植物体支持用担体(例えば、土壌)と組
み合わせて、該「他の植物体支持用担体」の保水性を向
上させる(すなわち、保水剤として用いる)ことも可能
である。
【0003】
【従来の技術】紙おむつ、生理用品等に大量に使用され
てきたポリカルボン酸系高吸水性樹脂、特にポリアクリ
ル酸系重合体は、その低価格性および優れた保水性を活
かして、農業の分野でも使用されるようになってきた。
【0004】例えば、該ポリアクリル酸系重合体のハイ
ドロゲルは、その保水性を利用して流体播種用の担体と
して、あるいは緑化工、節水栽培、砂地栽培の保水用担
体として利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ポリアクリル酸系ハイドロゲルの場合には、適量を越え
ると植物の生長に悪影響、特に著しい発根および根の伸
長阻害が生じることが明らかになっている(川島和夫
ら、高吸水性高分子物質の作物の初期生長へ及ぼす影
響、砂丘研究、31(1)、1−8、1984)。
【0006】特に、従来のポリアクリル酸系ハイドロゲ
ルを組織培養用担体、流体播種用担体、緑化工用に使用
する場合には、植物の幼苗、種子等が高濃度のポリアク
リル酸系ハイドロゲルと直接、接触するために、著しい
発根および根の伸長阻害が生じ、その使用が大幅に限定
されている。
【0007】また、従来のポリアクリル酸系ハイドロゲ
ルを圃場あるいは露地用の保水用担体として使用した場
合でも、保水用担体効果を高めるために根の近辺の該ハ
イドロゲルの濃度を増大させた際には、植物の根の伸長
が阻害されることが明らかになっている。
【0008】上記したポリアクリル酸樹脂からなるハイ
ドロゲルが、植物の生長を著しく阻害した例としては、
架橋したポリアクリル酸ナトリウムに蒸留水を吸収させ
てハイドロゲルを作成し、該ハイドロゲルとキュウリ、
インゲンマメの種子を各時間(3、6、9、12、2
4、48時間)接触させた後、それぞれの種子の発芽お
よび発根状態を観察した実験が報告されている(川島和
夫ら、高吸水性高分子物質の作物の初期生長へ及ぼす影
響、砂丘研究、31(1)、1−8、1984)が報告
されている。
【0009】このような実験の結果、キュウリの種子の
場合は、前記ハイドロゲルと36〜48時間接触させる
と根の伸長が著しく抑制され、インゲンマメの場合も、
全く同様に根の伸長阻害が認められたことが報告されて
いる。更には、根のα−ナフチルアミン酸化能も、前記
ハイドロゲルと5時間以上、接触させると顕著に低下し
たとされている。このような植物の生長阻害および機能
障害は、この報告においては、該ハイドロゲル中の水分
を植物が有効に使用出来ないことによるものであると推
定されている。
【0010】また、ポリアクリル酸ナトリウム架橋物に
水を吸収させることによって作成したハイドロゲル上に
イネの種子を播種し、発根過程を観察したところ、著し
い発根障害が認められたことも報告されている(杉村順
夫ら、緑化工用資材としての高吸水性ポリマーの利用、
緑化工技術、9(2)、11−15、1983)。しか
しながら、該ハイドロゲルを水道水で透析処理すると発
根障害は認められなかったが、このように蒸留水で透析
した場合においても、根の生長回復は認められなかった
とされている。この現象に関しては、この報告において
は、水道水のような弱電解質溶液で該ハイドロゲルを水
洗または透析処理すると、ハイドロゲルへの水吸引力が
弱められ、ゲルから根毛への水の移動が容易になり発根
障害が解決すると推定されている。
【0011】更には、架橋ポリアクリル酸ナトリウムハ
イドロゲルを混合した土壌中でのダイズの根の伸長程度
が、ポリビニルアルコール系ハイドロゲルと比較して顕
著に阻害された例も報告されている(中西友子、バイオ
サイエンスとインダストリー、52(8)、623−6
24、1994)。この現象は、該文献においては、ポ
リアクリル酸ナトリウムハイドロゲル中の水は植物に利
用されにくいことによるものと推定されている。
【0012】上述したように、従来においては、架橋ポ
リアクリル酸のアルカリ金属塩からなるハイドロゲルの
植物の生長が阻害されるのは、該ハイドロゲル中の水が
植物に有効利用されないためと考えられてきた。
【0013】本発明の目的は、上記した従来のハイドロ
ゲル保水用担体の問題点を解消した植物保水用担体を提
供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、従来のポリアクリル
酸系ハイドロゲルと同程度の保水性を有し、しかも発根
阻害ないしは根の伸長阻害を実質的に生じない植物保水
用担体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、該ハイドロゲルの根の伸長の阻害が、単に該ハイ
ドロゲル中の水の有効利用性のみに基づくとするには、
該ハイドロゲルの影響が過大であることに着目するに至
った。
【0016】本発明者らは上記知見に基づき更に研究を
進めた結果、ハイドロゲル中のカルシウム・イオン吸着
能が、該ハイドロゲルに接触する植物体の発根阻害ない
しは根の伸長阻害に重大な影響を与えるのみならず、該
カルシウム・イオン吸着能との組み合わせにおいて、ハ
イドロゲル中に存在する塩素イオンも、該ハイドロゲル
に接触する植物体の発根阻害ないしは根の伸長阻害に重
大な影響を与えることをも発見した。
【0017】本発明の植物保水用担体は上記知見に基づ
くものであり、より詳しくは、カルシウムイオン吸収量
が乾燥重量1gあたり0〜100mgであり、且つ、塩
素イオンの含有量が乾燥重量1gあたり0.07〜7m
molであり、且つ、イオン交換水(室温、25℃)中
での吸水倍率が1.0×101〜1.0×103倍である
ハイドロゲル形成性の高分子を含むことを特徴とするも
のである。ここに、「保水用担体」とは、特に断らない
限り「乾燥状態」のものをいう。もちろん、実際の市場
等での流通時には、該担体の一部または全部が、その内
部に水を保持してなる「ハイドロゲル」状態であっても
よい(以下の記載においても、同様とする)。
【0018】本発明の植物保水用担体が、従来のポリア
クリル酸系ハイドロゲルと同程度の保水性を有し、しか
も発根阻害ないしは根の伸長阻害を実質的に生じない理
由は、必ずしも明確ではないが、本発明者らの知見によ
れば、以下のように推定される。
【0019】すなわち、本発明者らは、後述するような
実験結果に基づき、従来の「架橋ポリアクリル酸のアル
カリ金属塩」からなるハイドロゲルが、カルシウムイオ
ンを中心とした重金属イオンを選択的に吸着するという
事実を見出した。
【0020】換言すれば、本発明者の実験によれば、従
来の架橋ポリアクリル酸ハイドロゲルが好適な結果を与
えなかったのは、農業用用水(井戸水、水道水、河川
水、湖水等)中の主としてカルシウムイオンを吸着し、
植物がカルシウムイオン欠乏症に陥るか、あるいは植物
体内の主としてカルシウムイオンを該ハイドロゲルが根
から直接吸収してしまう結果、植物がカルシウムイオン
欠乏症に陥っていたものと推定された。
【0021】更なる実験の結果、本発明者らは、ハイド
ロゲル形成性の高分子を含む本発明の保水用担体(特定
のカルシウムイオン吸収量を有する)が植物の根等に接
触した場合、該接触に基づく保水用担体の根からのカル
シウムイオンの直接吸収を、該保水用担体中に存在する
塩素イオンが効果的に抑制することを見出した。特定の
カルシウムイオン吸収量のみならず特定の塩素イオンの
含有量を有する本発明の植物保水用担体が植物の発根阻
害ないしは根の伸長阻害を実質的に生じないことは、上
記効果の組み合わせに基づくと推定される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に説明
する。以下の記載において量比を表す「部」および
「%」は、特に断らない限り重量基準とする。 (保水用担体)本発明の保水用担体は、カルシウムイオ
ン吸収量が乾燥重量1gあたり0〜100mgであり、
且つ、塩素イオンの含有量が乾燥重量1gあたり0.0
7〜7mmolであり、且つ、25℃のイオン交換水中
での吸水倍率が1.0×101〜1.0×103倍である
ハイドロゲル形成性の高分子を含む。本発明において、
上記した「カルシウムイオン吸収量」、「塩素イオンの
含有量」、および「イオン交換水中での吸水倍率」は、
例えば、以下の方法により好適に測定可能である。 (カルシウムイオン吸収量の測定)1gの乾燥保水用担
体を、カルシウムイオン濃度200mg/Lの塩化カル
シウム水溶液1Lに添加し、時々撹拌しながら25℃で
48時間、恒温槽中で放置して、上記の保水用担体を膨
潤させつつカルシウムイオンを吸収させる。膨潤した保
水用担体を分離し、残存する上清(上記塩化カルシウム
水溶液の過剰分)中のカルシウムイオン濃度を原子吸光
分析により定量する(A mg/L)。
【0023】この際、上記原子吸光分析法によるカルシ
ウムイオン分析においては、下記の条件が好適に使用可
能である。 <原子吸光分析の測定条件> 原子吸光分析装置:島津製作所社製、商品名:AA−6
500オートシステム 点灯条件:Ca#8 電流:10mA/0mA 波長:422.7nm スリット幅:0.5μm このようにして測定したカルシウムイオン濃度の定量値
(A)に基づき、保水用担体1gあたりのカルシウムイ
オン吸収量は、次式により求められる。保水用担体と上
清の分離に際し、未架橋の水溶性高分子が上清中に溶解
している可能性があるため、必要に応じて、分画分子量
1,000〜 3,000程度の限外濾過膜を用いた限
外濾過による分離を行うことが好ましい 。
【0024】保水用担体1gあたりのカルシウムイオン
吸収量(mg/g)=200−A 上記方法により測定された「カルシウムイオン吸収量」
が保水用担体の乾燥重量1gあたり100mgを越える
場合では、後述する実施例に示すように、該保水用担体
に接触する植物体に「カルシウムイオン欠乏症」が生じ
易くなる。本発明においては、この「カルシウムイオン
吸収量」は、保水用担体の乾燥重量1gあたり100m
g以下である。 (塩素イオンの作用)本発明の保水用担体においては、
ハイドロゲル形成性の高分子の塩素イオンの含有量が乾
燥重量1gあたり0.07〜7mmolである。
【0025】本発明者の知見によれば、本発明のハイド
ロゲル中に存在する塩素イオンが該ハイドロゲルによる
植物体内からのカルシウムイオンの吸着を抑制する現象
は、本発明者による種々の実験データに基づき、以下の
メカニズムによると推定される。
【0026】植物のカルシウムイオンの吸収・離脱過程
は主として物理化学的に行われ、植物体内・外のカルシ
ウムイオンの濃度勾配によって支配されると考えられて
いる(例えば、熊沢喜久雄編、植物栄養学大要、p11
8、(株)養賢堂、1974を参照することができ
る)。植物体内のカルシウムイオンはカウンターイオン
として塩素、硝酸、リン酸、水酸イオン等と結合して存
在している。リン酸および水酸イオンと結合したカルシ
ウムイオンは水難溶性であり植物の吸収・離脱過程には
関与していないと考えられる。
【0027】一方、硝酸イオンと結合したカルシウムイ
オンは水溶性ではあるものの、植物体内に吸収された硝
酸イオンは直ちに硝酸還元酵素により亜硝酸イオンに還
元され、さらに亜硝酸還元酵素の作用でアンモニウムイ
オンに変えられ、カルシウムイオンのカウンターイオン
として利用されないものと推定される(例えば神阪盛一
郎ら著、植物の生命科学入門、p138,(株)培風
館、1991を参照)。
【0028】したがって、カルシウムイオンの吸収・離
脱過程に密接に関連しているのは塩素イオンであり、電
気的中性条件により、カルシウムイオンの出入りには塩
素イオンの出入りが伴うという推定が成り立つ。
【0029】ここで、外液の塩素イオン濃度が植物体内
の塩素イオン濃度より高い場合には、カルシウムイオン
の植物体内から体外への移行は、塩素イオンの濃度勾配
に逆らって行われなければならず、カルシウムイオンの
植物体からの離脱が抑制されることになる。
【0030】一方、外液の塩素イオン濃度が体内の濃度
より低い場合には、カルシウムイオンの植物体からの離
脱過程が促進されることになる。
【0031】更に、植物体によるカルシウムの吸収は、
(離脱の場合とは逆に)外液の塩素濃度が体内の濃度よ
り高い場合には促進され、逆に低い場合には吸収は抑制
されることとなる。
【0032】即ち、本発明者の知見によれば、外液の塩
素イオンの濃度が体内液の濃度より高い場合には植物体
内にカルシウムイオンが蓄積され易く、逆に、外液の塩
素イオンの濃度が体内液の濃度より低い場合には、植物
体内からカルシウムが体外に離脱し易くなると推定され
る。
【0033】上記した本発明者による「推定メカニズ
ム」は、植物体内の塩素イオン濃度が約7mM(例え
ば、Higinbotham, N.B., et al., Plant Physiol.
,37,1967を参照)とされていることにより支
持される。すなわち、上記した本発明者が得た実験デー
タに基づく「推定メカニズム」、および「植物体内の塩
素イオン濃度が約7mM」との文献の記載に基づけば、
カルシウムの植物体内からの離脱を抑制するためには、
外液の塩素イオン濃度は少なくとも約7mM以上である
ことが好ましいと考えられるからである。
【0034】通常、植物の生長に使用されている井戸
水、水道水、河川水、湖水等の農業用用水中の塩素イオ
ン濃度は1mM以下であり、植物体内の塩素イオン濃度
よりはるかに低い。
【0035】本発明のハイドロゲルに該農業用用水を吸
水、膨潤させた際に、該ハイドロゲル中の塩素濃度を少
なくとも植物体内の塩素濃度(通常、約7mM)以上に
するために必要な該ハイドロゲルの乾燥重量1gあたり
の含有塩素イオン量(A,mmol/g)は、該ハイド
ロゲルの吸水倍率をBとすると次式で表される。
【0036】A=7×B/1,000 ここで農業用用水による該ハイドロゲルの吸水倍率
(B)は、該ハイドロゲルの化学組成および農業用用水
の塩濃度に依存する数値である。このBを約10倍〜約
1,000倍として、上式を用いて計算すると、Aは約
0.07mmol/g〜約7mmol/gとなる。すな
わち、本発明者の実験データに基づく「好適な含有塩素
イオン量」(0.07〜7mmol)は、このような計
算値からも支持される。
【0037】後述する〔実施例〕の表1に記載したよう
に、乾燥重量1gあたり100mg/g以上のカルシウ
ムイオン吸収量を有し、かつハイドロゲル中に塩素イオ
ンを含有しないハイドロゲルの場合(比較例6に記載の
市販品ポリアクリル酸塩系ハイドロゲル)は、根および
茎の著しい成長阻害が認められた。
【0038】更に、乾燥重量1gあたりの塩素イオン含
有量(A)が0.07〜7mmol/gの範囲内であっ
ても、カルシウム吸収量が100mg/gを越える場合
(比較例7)は、根および茎に著しい生長阻害が認めら
れた。
【0039】更に、カルシウムイオン吸収能が100m
g/g以下であっても塩素イオンがゲル中に含まれない
場合(比較例1〜5)には、根および茎の著しい生長阻
害が認められた。
【0040】一方、低いカルシウム吸収量(63mg/
g)を示すハイドロゲルであっても、該ハイドロゲル中
の塩素イオン濃度が7mmol/gを越える場合(比較
例8)は、吸収倍率が著しく低下し保水用担体としての
性能が低下するばかりでなく植物体内外の大きな塩素イ
オン濃度差による塩害のために根および茎の著しい生長
阻害が認められた。
【0041】後述の表1に示すように、カルシウム吸収
量が100mg/g未満で且つ塩素イオン含有量が0.
07〜7mmol/gであるハイドロゲル形成性高分子
を含む本発明の植物保水用担体(実施例1〜4)は、根
および茎の生長を全く阻害することなく、植物保水用担
体として好適に機能している。
【0042】上述したように、本発明の範囲外にあるカ
ルシウム吸収能および塩素イオン含有量を有するハイド
ロゲル(市販品ポリアクリル酸ナトリウムハイドロゲル
は、比較例6に示すようにカルシウム吸収量が高く、且
つ、塩素イオンを含有しない)によって生ずるカルシウ
ムイオン欠乏症では、細胞膜の構造が破壊され、細胞分
裂をはじめとして多くの膜構造依存性の重要な機能が停
止または遅滞し、外観的には根の伸長が顕著に阻害され
る(このようなカルシウムイオン欠乏症の詳細について
は、例えば、熊沢喜久雄編、植物栄養学大要、p1
8、(株)養賢堂、1974、を参照することができ
る)。 (塩素イオン含有量の測定)0.2gの乾燥状態のハイ
ドロゲル形成性の高分子を200mlのイオン交換水に
浸漬し、2日間放置する。この上清をフィルターで濾過
し、濾液中の塩素イオン濃度をイオン分析計(Ion Anal
yzerIA−100、東亜電波工業)により分析する。こ
のようにして求めた塩素イオン濃度に基づき、上記イオ
ン交換水200ml中の塩素イオン量を計算により求
め、該計算値を「乾燥ハイドロゲル形成性高分子0.2
g」中の塩素イオン量とする。
【0043】この際、上記イオン分析計による塩素イオ
ン分析においては、下記の条件が好適に使用可能であ
る。 <イオン分析計の測定条件> カラム:陰イオン用カラムPCI−201S(東亜電波
工業社製)、およびカードカラムPCI−201SG
(東亜電波工業社製) 溶媒:陰イオン用溶離液(東亜電波工業社製) カラム槽温度:40±4℃ 上記方法により測定された「塩素イオン含有量」が保水
用担体の乾燥重量1gあたり0.07〜7mmolの範
囲内であれば、後述する実施例に示すように「カルシウ
ムイオン欠乏症」を抑制することが可能となる。 (イオン交換水中の吸水倍率の測定) 乾燥保水用担体の一定量(W1g)を秤取り、過剰量
(例えば、前記保水用担体の予想吸水量の1.5倍以上
の重量)のイオン交換水(電気伝導度5μS/cm以
下)に浸漬し、室温(25℃)で2日間(48時間)恒
温槽中に放置して、前記保水用担体を膨潤させる。余剰
の水を濾過により除去した後、吸水膨潤した保水用担体
の重量(W2g)を測定し、次式により吸水倍率を求め
る。
【0044】吸水倍率=(W2−W1)/W1 この吸水倍率の測定に際しては、重量W1、W2の測定
は、例えば、精密な電子天秤(島津製作所製、LIBROR A
EG-220; LIBROR EB−3200−D等)を用いて
測定することが好ましい。
【0045】上記した方法により測定された「吸水倍
率」が10倍未満では、保水用担体の一定量を用いた場
合に、植物に充分な水分を供給することが困難となる。
この「吸水倍率」は、本発明においては10〜1,00
0倍であるが、該吸水倍率は30〜900倍(更には5
0〜800倍)であることが好ましい。
【0046】本発明の保水担体と、農業用用水等の比較
的塩濃度が低い水とを組み合わせる場合、例えば、ゲル
中に解離性のイオン基を導入して、分子鎖を広げ、内部
浸透圧を高めることにより、該担体を構成するハイドロ
ゲルの吸水倍率を最も有効に向上させることもできる。 (ハイドロゲル形成性の高分子)本発明の保水用担体を
構成する「ハイドロゲル形成性の高分子」とは、架橋
(crosslinking)構造ないし網目構造を有し、該構造に
基づき(その内部に)水を保持することにより、ハイド
ロゲルを形成可能な性質を有する高分子をいう。また、
「ハイドロゲル」とは、高分子からなる架橋ないし網目
構造と、該構造中に支持ないし保持された(分散液体た
る)水とを少なくとも含むゲルをいう。
【0047】架橋ないし網目構造中に保持された「分散
液体」は、水を主要成分として含む液体である限り、特
に制限されない。より具体的には例えば、分散液体は、
水自体であってもよく、また、水溶液、および/又は含
水液体(例えば、水と一価ないし多価アルコール等の混
合液体)のいずれであってもよい。
【0048】本発明においては、上記ハイドロゲル形成
性の高分子としては、水溶性または親水性の高分子化合
物を架橋して得られたものを用いることが好ましい。こ
のような架橋された高分子は、水溶液中で吸水し、膨潤
はするが溶解しないという性質を有している。上記した
水溶性または親水性の高分子化合物の種類、および/又
は架橋密度(ないし架橋率)を変化させることによっ
て、吸水率を変化させることが可能である。 (水溶性または親水性高分子化合物)本発明において保
水用担体を構成するハイドロゲルを与えるべき水溶性ま
たは親水性高分子化合物としては、メチルセルロース、
デキストラン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレ
ンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリN−ビニル
ピロリドン、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリビニル
ピリジン、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリルアミ
ド、ポリN−メチルアクリルアミド、ポリヒドロキシメ
チルアクリレート、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸お
よびそれらの塩、ポリN,N−ジメチルアミノエチルメ
タクリレート、ポリN,N−ジエチルアミノエチルメタ
クリレート、ポリN,N−ジメチルアミノプロピルアク
リルアミドおよびそれらの塩等が挙げられる。 (架橋)上記したような高分子化合物に架橋構造を付与
ないし導入する方法としては、該高分子化合物を与える
べき単量体を重合する際に架橋構造を導入する方法と、
該単量体の重合終了後に架橋構造を導入する方法とが挙
げられるが、本発明においては、これらのいずれの方法
を用いてもよい。
【0049】前者の(単量体重合時の架橋導入)方法
は、通常、二官能性単量体(あるいは3以上の官能基を
有する単量体)を共重合することにより実施可能であ
る。このような2以上の官能基を有する単量体として
は、例えば、N,N´−メチレンビスアクリルアミド等
のビス(メタ)アクリルアミド類;(ポリ)アルキレン
グリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペ
ンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール
のポリ(メタ)アクリレートまたはポリ(メタ)アリル
エーテル;ジビニルベンゼン等のジビニル化合物;テト
ラアリロキシエタン、ペンタエリスリトールトリアリル
エーテル等のアリロキシアルカン類等の1種または2種
以上が挙げられる。
【0050】後者の(単量体重合終了後の架橋導入)方
法は、通常、光、電子線、γ線照射等により分子間に架
橋を形成することにより実施可能である。
【0051】また、このような後者の方法は、例えば、
高分子化合物中の官能基(例えば、カルボキシル基、ア
ミノ基等)と結合しうる官能基(例えば、イソシアネー
ト基、グリシジル基等)を分子内に複数個有する多官能
性分子を架橋剤として用いて、該高分子化合物を架橋さ
せることによっても実施可能である。この場合、後述す
る粒子の表面架橋に用いる架橋剤と同様のものをも使用
できる。
【0052】本発明におけるハイドロゲル形成性高分子
の吸水率は、上記の架橋構造、特に架橋密度に依存し、
一般に架橋密度が低い程、吸水率が大きくなる傾向があ
る。
【0053】このような「架橋密度」は前者の方法にお
いては、例えば、二官能性単量体の共重合比を変えるこ
とで、後者の方法においては、例えば、光、電子線、γ
線等の照射量を変えることで、任意に所望の程度に制御
することが可能である。
【0054】本発明においては、架橋密度は、全単量体
に対する分岐点のモル比で、約0.01mol%〜約1
0mol%、更には約0.05mol〜約5mol%の
範囲にあることが好ましい。前者の(重合時の架橋導
入)方法により架橋構造を導入する場合、二官能性単量
体の全単量体(該二官能性単量体自体をも含む)に対す
る共重合重量比は、約0.005wt.%〜約3wt.%
(更には約0.01wt.%〜約2wt.%)の範囲であ
ることが好ましい。
【0055】本発明において架橋密度が約10mol%
を越える場合には、本発明のハイドロゲル形成性の高分
子の吸水倍率が小さくなるために、本発明のハイドロゲ
ル形成性の高分子の保水用担体としての効果が小さくな
る。一方、架橋密度が約0.01mol%未満の場合に
は、該ハイドロゲル形成性の高分子の機械的強度が弱く
なり、取扱いが困難になる。
【0056】上述したような架橋密度(全単量体に対す
る分岐点のモル比)は、例えば、13C−NMR(核磁気
共鳴吸収)測定、IR(赤外吸収スペクトル)測定、ま
たは元素分析によって定量することが可能である。
【0057】更に、本発明の保水用担体を構成するハイ
ドロゲル形成性の高分子において、その粒子の表面近傍
の架橋密度をその内部の架橋密度より高くする(いわゆ
る「表面架橋」を導入する)ことによって、該ハイドロ
ゲル形成性の高分子における高い吸水倍率と高い機械的
強度とのより良好なバランスを得ることもできる。この
ような態様においては、粒子の表面近傍の比較的架橋密
度が高い部分が、主に、高い機械的強度(および担体粒
子相互間の非粘着性の向上)に寄与し、他方、内部の比
較的架橋密度が低い部分が、主に、高い吸水倍率に寄与
することができる。これにより、吸水倍率を実質的に低
下させることなく、良好な機械的強度および粒子相互間
の良好な非粘着性を実現することが容易となる。
【0058】上記した態様における表面近傍の最も高い
架橋密度Dsと、粒子内部の最も低い架橋密度Diとの
比(Ds/Di)は、吸水倍率と機械的強度とのバラン
スの点からは、通常2〜100程度、更には5〜100
程度(特に10〜100程度)であることが好ましい。
【0059】上記の表面近傍の架橋密度と粒子内部の架
橋密度の測定は、例えばX線電子分光法ESCA(XP
S)、電子プローブ微量分析法EPMA、減衰全反射法
ATR、二次イオン質量分析法SIMS(飛行時間型S
IMS(TOF−SIMS)等)、等の局所分析法によ
って架橋剤の存在比を表面近傍と粒子内部それぞれにつ
いて求めることによって行うことができる。
【0060】本発明の植物保水用担体において、該担体
を構成するハイドロゲル形成性の高分子が高い機械的強
度を有する場合、個々の担体粒子間に適当な空隙を保持
することが容易となり、該空隙の存在によって植物の根
への酸素供給性を更に向上させることが可能となる。
【0061】本発明において、ハイドロゲル形成性の高
分子表面架橋を導入する方法は特に制限されず、例え
ば、従来公知の種々の方法(ないしは該方法の2以上の
組み合わせ)が利用可能である。
【0062】特に、本発明のハイドロゲル形成性の高分
子が、高分子鎖に結合されたカルボキシル基を有する場
合、該カルボキシル基と反応しうる官能基を少なくとも
2個以上有する架橋剤を用いて、該高分子の微粒子の表
面近傍を架橋する方法が好適に用いられる。そのような
架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、グリセロールシグリシジルエーテル、ポ
リグリセロールポリグリシジルエーテル等の1分子中に
エポキシ基を2〜10個有するポリグリシジル化合物;
グリセリン、エチレングリコール等の炭素数2〜20の
多価アルコール、アルキレン基の炭素数が2〜10のア
ルキレンカーボネート、ポリアミドポリアミンエピクロ
ルヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等
のポリアミン樹脂類(分量200〜500,000)、
多価イソシアネート化合物(特開昭59−189103
号公報に記載)、多価アジチジニウム塩基化合物(特開
平6−287220号公報に記載)等が挙げられる。こ
れらの架橋剤は単独で使用してもよく、また必要に応じ
て2種以上を併用してもよい。中でも、比較的低い温度
で架橋反応を行うことができるという点からは、ポリグ
リシジル化合物、ポリアミン樹脂類が好ましく使用可能
である。
【0063】本発明においてハイドロゲル形成性の高分
子および粒子の集合体の形状、大きさ等は特に制限な
く、例えば粉末状、粒状、塊(ブロック)状等のものが使
用可能であり、またその大きさは1μmから数cmのも
のまでが使用可能である。使用する目的に応じて、これ
らの形状、大きさ等は適宜選択することができる。例え
ば、ハイドロゲル形成性の高分子を単独で使用する場合
には、粒子径は比較的大きい方が好ましく、300〜
5,000μmの粒状のものが好適であり、他の担体材
料と併用する場合には、5〜1,000μmの粉末状の
ものが好適である。
【0064】ハイドロゲル形成性高分子の表面を上記架
橋剤で架橋する手法としては、水を含有したアルコール
類、ケトン類、エーテル類等の多量の低沸点有機溶媒中
に、表面架橋すべきハイドロゲル形成性高分子を分散さ
せ、上記の架橋剤を加えて架橋する方法(特開昭57−
44627号);含水率を10〜40wt%に調節した
ハイドロゲル形成性高分子の含水物に架橋剤を添加して
架橋する方法(特開昭59−62665号);無機質粉
末の存在下に、架橋剤および水をハイドロゲル形成性高
分子に吸収させ、次いで攪拌下に加熱して、架橋反応と
水の除去とを同時に行う方法(特開昭60−16395
6号);ハイドロゲル形成性高分子1重量部に対し、水
1.5〜5.0重量部および不活性な無機質粉末の存在
下、沸点100℃以上の多量の親水性不活性溶剤中に分
散させて架橋する方法(特開昭60−147475
号);ハイドロゲル形成性高分子を1価アルコールのア
ルキレンオキサイド付加物、有機酸の1価塩およびラク
タム類のいずれかを含有する水溶液および架橋剤で処理
し、且つ反応させる方法(特開平7−33818号)な
どを用いることができる。 (カルボキシル基を有する高分子)植物体の保水に好適
なカルシウムイオン吸収量を有し、しかも好適な「イオ
ン交換水中での吸水倍率」を有するハイドロゲル形成性
の高分子の好適な一態様として、例えば、高分子鎖に結
合されたカルボキシル基を有し、該高分子鎖が架橋され
たハイドロゲル形成性の高分子であって、該カルボキシ
ル基のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の含有量が
1gあたり0.3〜7mmolであるハイドロゲル形成
性の高分子を挙げることができる。この「カルボキシル
基のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の含有量」
は、0.5〜6.5mmol(特に、1.0〜6.0m
mol)であることが好ましい。上記「カルボキシル基
のアルカリ金属塩の含有量」は、例えば、以下の方法に
より好適に測定可能である。 (カルボキシル基塩の含有量の測定方法)保水用担体を
イオン交換水で充分に洗浄した後乾燥し、0.2gの乾
燥保水用担体を、白金るつぼに秤取り、電気炉で灰化し
た後、1N塩酸5mlで溶解、蒸留水を加えて50ml
の定容として、原子吸光分析により陽イオン濃度(Dm
M)を求める。乾燥保水用担体1g中のカルボキシル基
塩の含有量は、D/4(mmol=1リットル中のモル
濃度)として算出される。ここで使用した原子吸光分析
用の溶液中の乾燥保水用担体の濃度は、上述したように
0.2g/50ml=4g/1L(リットル)であるか
ら、乾燥保水用担体1g中のカルボキシル基塩の含有量
は、(D/4)mmolとなる。
【0065】この際、上記原子吸光分析法による陽イオ
ンにおいては、前述した「カルシウムイオン分析」にお
けるのと同様の条件が好適に使用可能である。
【0066】「ポリアクリル酸のアルカリ金属塩の架橋
物」からなる従来のハイドロゲルは、非イオン性の親水
性高分子架橋物からなるハイドロゲルと比較して著しく
高い吸水倍率を有し、この高吸水倍率がゆえに従来、農
業分野で保水用担体として使用されてきた。しかしなが
ら本発明の実験によれば、従来より農業用用途として開
発されてきたポリアクリル酸のアルカリ金属塩の架橋物
からなるハイドロゲルにおいては、解離性のイオン基の
導入量が非常に高く(例えば、アクリル酸のアルカリ金
属塩の導入量が乾燥樹脂1gあたり約8mmol以
上)、上記したように植物の生長に必須であるカルシウ
ムイオン等の重金属イオンを吸着してしまい、植物生長
を著しく阻害する傾向があった。
【0067】これに対して、本発明者の実験によれば、
解離性のイオン基(例えばカルボキシル基のアルカリ金
属塩またはアンモニウム塩)を乾燥保水用担体1gあた
り0.3〜7mmol導入した場合には、植物に対して
カルシウムイオン欠乏症を生じさせることなく植物を育
成させるに充分な保水効果(イオン交換水中での吸水倍
率が10〜1,000倍)を示すことが見出された。
【0068】ここでカルボキシル基のアルカリ金属塩と
しては、ナトリウム塩またはカリウム塩が望ましい。カ
ルボキシル基のアルカリ金属塩の含有量が乾燥保水用担
体1gあたり、0.3mmol未満では、保水用担体の
吸水倍率を10倍以上とすることが困難である。一方、
カルボキシル基のアルカリ金属塩の含有量が7mmol
を超えると、カルシウムイオン吸収量が乾燥保水用担体
1gあたり100mgを超え易くなる。 (単量体)上記ハイドロゲル形成性の高分子化合物は例
えば、カルボキシル基のアルカリ金属塩またはアンモニ
ウム塩を有する単量体(I)と、親水性単量体(II)お
よび架橋性単量体(III)の三元共重合によって得るこ
とができる。
【0069】ここで単量体(I)としては、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のアルカ
リ金属塩またはアンモニウム塩を挙げることができる。
これらは単量体の塩として重合しても良いし、カルボン
酸として重合後に中和により塩としても良い。ただし、
その含有量を、保水用担体1gあたり0.3〜7mmo
lとなるように設定することが好ましい。
【0070】親水性単量体(II)としては、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル
アミド、メタクリルアミド、N−ビニルアセトアミド等
を挙げることができる。ここでカルボン酸を含む単量体
を親水性単量体(II)として使用する場合には、ハイド
ロゲルのpHが低くなる傾向があるので、その場合カル
ボキシル基のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の含
有量を1gあたり1.0〜6.0mmolとすることが
望ましい。
【0071】また、このような場合には、カルボン酸を
含む単量体の一部をカルシウム塩として共重合させても
良い。本発明者の知見によれば、このカルシウム塩型単
量体は、保水用担体のカルシウム吸収量を低減させる効
果、およびpH低下を回避する効果のみならず、重合を
促進する効果が認められた。
【0072】架橋性単量体(III)としては、N,N′
−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−エ
チレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート等を例示できる。架橋性単量体
(III)の使用量は、(重合濃度にもよるが)全単量体
に対して通常0.01〜5mol%の範囲、更には0.
1〜1mol%の範囲であることが好ましい。この使用
量が0.01mol%未満では、保水用担体の強度が不
足する傾向がある。他方、この使用量が5mol%を超
えると、保水用担体としての吸水倍率を100倍以上と
することが困難となる。
【0073】また、上記ハイドロゲル形成性の高分子化
合物は、酢酸ビニルと無水マレイン酸の共重合物、酢酸
ビニルとアクリル酸(塩)の共重合物等のケン化反応に
よっても得ることができる。得られる高分子化合物はポ
リビニルアルコール系重合体となるが、重合体に結合し
たカルボキシル基のアルカリ金属塩またはアンモニウム
塩の含有量が乾燥重量1gあたり0.3〜7mmolと
なるように調製すれば、カルシウムイオン吸収量が保水
用担体1gあたり0〜100mg、かつイオン交換水中
での吸水倍率が10〜1,000倍である本発明の植物
保水用担体とすることができる。 (カルシウムイオン処理)上記ハイドロゲル形成性の高
分子化合物は、市販のポリアクリル酸塩系高吸水性樹脂
を強酸あるいはカルシウムイオンで処理することによっ
ても得ることができる。市販のポリアクリル酸塩系高吸
水性樹脂においては、一般に高分子鎖に結合したカルボ
キシル基の70%以上がアルカリ金属塩となっており、
その含有量は樹脂1gあたり約8mmol以上である。
そのため樹脂1gあたりのカルシウムイオン吸収量は1
20mg以上となり、植物保水用担体として適していな
い。
【0074】本発明においては、「ハイドロゲル形成性
の高分子」が「カルボキシル基の多価金属塩」を含有す
ることが、好ましい一態様である。該多価金属塩のイオ
ンとしては、例えば、Ca2+、Mg2+、Al3+、B
2+、Sr2+、B3+、Be2+、Fe2+、Fe3+、Mn2+
等が挙げられる。中でも、Ca2+、Mg2+、Al3+、B
2+、Sr2+、B3+、Be2+が好ましく、Ca2+が特に
好ましい。
【0075】該多価金属塩の含有量は、「ハイドロゲル
形成性の高分子」の乾燥重量1gあたり0.1〜7mm
olであり、好ましくは0.5〜6.5mmol、より
好ましくは1.0〜6.0mmolである。このような
「カルボキシル基の多価金属塩」の含有量は、例えば、
以下の方法により好適に測定可能である。 (カルボキシル基多価金属塩の含有量の測定方法)保水
用担体をイオン交換水で充分洗浄した後乾燥し、0.2
gの乾燥保水用担体を、白金るつぼに秤取り、電気炉で
灰化した後、1N塩酸5mlで溶解、蒸留水を加えて5
0mlの定容として、原子吸光分析により多価金属イオ
ン濃度(EmM)を求める。乾燥保水用担体1g中のカ
ルボキシル基多価金属塩の含有量はE×価数/4(mm
ol)として算出される。この多価金属イオンの価数
(例えば、Mgイオンであれば、価数=2)は、該多価
金属イオンが混合している場合には、各多価金属イオン
の価数を「重み付け平均」して得られた価数を用いる。
【0076】このような市販のポリアクリル酸塩系高吸
水性樹脂に塩酸、硝酸、硫酸等の強酸あるいは、塩化カ
ルシウム、硝酸カルシウム等のカルシウムイオン水溶液
を加えると、該高吸水性樹脂中のカルボキシル基のアル
カリ金属塩をカルボン酸あるいはカルボキシル基のカル
シウム塩に置換することができる。したがって、強酸や
カルシウムイオンの添加量を適切に設定することによ
り、重合体に結合したカルボキシル基のアルカリ金属塩
の含有量が乾燥保水用担体1gあたり0.3〜7mmo
lとなるように調整することができ、カルシウムイオン
吸収量が乾燥保水用担体1gあたり0〜100mg、か
つイオン交換水中での吸水倍率が10〜1,000倍で
ある本発明の植物保水用担体を得ることができる。
【0077】ただし、カルボキシル基をカルボン酸に置
換する場合には、ハイドロゲルが酸性となる傾向が強い
ので、特にこの場合はカルボキシル基のアルカリ金属塩
の含有量が乾燥保水用担体1gあたり1.0〜6.0m
molとなるように調整することが望ましい。 (塩素イオンの導入法)本発明の植物保水用担体に塩素
イオンを含有させる方法としては、ハイドロゲル形成性
の高分子に塩素イオンを含有する水溶液を吸収させるこ
とによって行うことができる。また、ハイドロゲル形成
性の高分子を水中で合成する場合には、この水溶液に塩
素イオンを含有させておく方法がより好ましい。この
時、塩素イオンの添加量は得られる植物保水用担体の乾
燥重量1gあたり0.07〜7mmolとなるように設
定する。
【0078】塩素イオンのカウンター陽イオンの種類に
特に制限はないが、Na,K,Ca,NH4イオンであ
ることが好ましい。中でも、Naイオンであることが特
に好ましい。
【0079】また、既にハイドロゲル形成性の高分子が
塩素イオンを乾燥重量1gあたり7mmol以上含有し
ている場合は、これを塩素イオンを含まない(あるいは
低塩素イオン濃度の)水で洗浄することにより、塩素イ
オンの含有量を所望の設定値まで低減させることもでき
る。
【0080】特にポリアクリル酸塩系のハイドロゲル形
成性高分子を本発明の植物保水用担体として使用する場
合、アクリル酸およびアクリル酸のアルカリ金属塩を架
橋重合させた後、多価金属塩を添加する方法が好適に利
用される。特に多価金属塩として塩化カルシウム、塩化
マグネシウムを使用した場合には、アルカリ金属塩をC
a,Mgに置換することにより、該ハイドロゲルのCa
吸収量を抑制し、且つ、該ハイドロゲルに塩素イオンを
導入することができる。 (種子の発芽勢テスト)保水用担体の植物に及ぼす影響
を評価するためには、農業用用水を吸収した保水用担体
(ハイドロゲル)を培地として、種子の発芽勢試験を行
うことが好ましい。種子材料としては、例えば、短期的
な発芽勢試験が容易なカイワレ大根の種子(例えば、発
売元、タキイ種苗株式会社のもの)を、農業用用水とし
て一般的な地下水組成(表1)の合成水を上記試験に用
いることができる。
【0081】
【表1】 種子の発芽勢試験は、例えば、以下のようにして行うこ
とができる。
【0082】上記した合成水16mLと、各種保水用担
体160mg(1重量%)を試験管(直径2.5cm、
高さ15cm)に入れ、充分撹拌後25℃で30分間放
置し、農業用用水を吸収した保水用担体からなるゲル状
培地を調製する。上記カイワレ大根の種子を、各試験管
内のゲル状培地表面に5粒ずつ均一に播き、直径6mm
の穴に綿を詰めたシリコン栓で蓋をする。このように蓋
をした試験管を、培養室(25℃、2000Lux、1
6時間日長)で4日間培養し、発芽勢を調査する。
【0083】上記の発芽勢試験においては、例えば、地
上部の長さは、発芽した個体の基部(根と茎の分岐点)
から葉先までの平均茎葉長として測定し、地下部の長さ
は、発芽した個体の基部から主根の先端までの平均根長
として測定すればよい。
【0084】各発芽勢テスト間の比較をより正確に行う
ためには、各発芽勢テストにコントロールサンプルとし
て基準ハイドロゲル(カルシウム吸収量が10mg/g
未満)を使用し、表1に示すように各種ハイドロゲルの
地上部長さおよび地下部長さを基準ハイドロゲルの長さ
に対する相対値(%)として表すことが好ましい。 (保水用担体の使用方法)本発明の保水用担体は、単独
で使用してもよく、また、必要に応じて「他の植物体育
成用担体」とともに用いてもよく、また、「他の植物体
育成用担体」の種類、使用割合等は特に制限されない
が、通常、「他の植物体育成用担体」100部に対し
て、本発明の保水用担体を(乾燥状態で)通常0.01
〜100部程度、更には0.1〜50部程度、更には、
0.2〜40部程度(特に0.2〜10部程度)用いる
ことが好ましい。
【0085】このような「他の植物体育成用担体」とし
ては、例えば、土壌あるいは礫、砂、軽石、炭化物、ピ
ート、バーミキュライト、バーク、多孔質の無機資材
(パーライト、ゼオライト、フィルトン(多孔質セラミ
ック、くんたん、)ロックウール、スポンジ、水苔、ヤ
シガラ、クリプトモス、粉末状のスチレン樹脂発砲体、
ウレタンフォームの粗砕品、各種合成樹脂の発砲体、パ
ルプ等が、単独で、あるいは必要に応じて2種以上混合
して、好適に使用可能である。
【0086】本発明の土壌改質剤を用いて植物体を育成
する場合は、上記した土壌等からなる「他の植物体育成
用担体」に対して、本発明のハイドロゲルないし高分子
からなる保水用担体を、任意の割合で混合することが出
来る。
【0087】このように本発明の保水用担体と、「他の
植物体育成用担体」とを併用する場合、上記のように混
合して使用する場合の他、「他の植物体育成用担体」の
表面部分および/又は該担体の内部に、本発明の保水用
担体からなる層を1層以上配置してもよい。
【0088】以下に実施例を示し、本発明を更に具体的
に説明する。実施例1 1リッターのビーカーに、アクリル酸230g、48%
の水酸化ナトリウム水溶液133g、ペンタエリスリト
ールトリアリルエーテル1.0g、および水636gを
添加し10℃に冷却した。
【0089】この溶液を、断熱重合槽に入れ、窒素を通
じて溶液の溶存酸素を0.1ppm(オリエント電気社
製、商品名溶存酸素計 DO220PBで測定)とした
後、35%の過酸化水素水0.023g、L−アスコル
ビン酸0.00575g、および過硫酸カリウム0.2
3gを添加した。該添加後、約30分で重合反応が開始
し、約2時間後に最高温度72℃に到達した。更に、こ
の温度で5時間熟成させて重合を完結させた。
【0090】得られた重合体は、含水ゲル状を有してい
た。この重合体をニーダー(入江商会社製、商品名BENC
H KNEADERPNV−1;回転数70rpm)で約2時間
撹拌して細断し、更に50%の塩化カルシウム水溶液3
5.5gを配合し、ニーダーで約2時間撹拌して混合し
た。引き続き110℃で加熱乾燥した後、粉砕して平均
粒径450ミクロン(日機装社製、商品名:マイクロト
ラックFRA粒度分析計で測定)の水吸収性樹脂(ハイ
ドロゲル形成性高分子)を得た。実施例2 実施例1で用いたニーダーに無機塩の水溶液を配合する
際に、50%塩化カルシウム水溶液35.5gに代え
て、該50%塩化カルシウム水溶液71gを用いた以外
は実施例1と同様な操作を行い、吸水性樹脂を得た。実施例3 実施例1で用いたニーダーに無機塩の水溶液を配合する
際に、50%塩化カルシウム水溶液35.5gに代え
て、該50%塩化カルシウム水溶液106.5gを用い
た以外は実施例1と同様な操作を行い、吸水性樹脂を得
た。比較例1 実施例1で用いたニーダーに無機塩の水溶液を配合する
際に、50%塩化カルシウム水溶液35.5gに代えて
水酸化カルシウム23.9gを用いた以外は実施例1と
同様な操作を行い、吸水性樹脂を得た。比較例2 1リッターのビーカーに、アクリル酸230g、48%
の水酸化カリウム水溶液186.7g、ペンタエリスリ
トールトリアリルエーテル1.0g、および水582.
3gを添加し10℃に冷却した。
【0091】この容器を、断熱重合槽に入れ、窒素を通
じて溶液の溶存酸素を0.1ppmとした後、35%の
過酸化水素水0.023g、L−アスコルビン酸0.0
0575g、および過硫酸カリウム0.23gを添加し
た。該添加後約30分で重合が開始し、約2時間後に最
高温度72℃に到達した。該温度で5時間熟成させて、
重合を完結させた。
【0092】得られた重合体は、含水ゲル状を有してい
た。この重合体をニーダーで約2時間撹拌して細断し、
更に水酸化カルシウム23.9gを配合し、ニーダーで
約2時間撹拌して混合した。引き続き110℃で加熱乾
燥した後、粉砕して平均粒径450ミクロンの吸水性樹
脂を得た。比較例3 実施例1で用いたニーダーに無機塩の水溶液を配合する
際に、50%塩化カルシウム水溶液35.5gに代えて
50%硝酸カルシウム水溶液104.9gを用いた以外
は実施例1と同様な操作を行い、吸水性樹脂を得た。比較例4 比較例2で用いたニーダーに無機塩を配合する際に、水
酸化カルシウム23.9gに代えて50%硝酸カルシウ
ム水溶液104.9gを用いた以外は比較例2と同様な
操作を行い、吸水性樹脂を得た。実施例4 市販のポリアクリル酸系ハイドロゲル(三洋化成工業社
製,商品名:サンフレッシュST−500D)10gを
4Lの蒸留水で膨潤させたところに、1LのCaCl2
溶液(Ca含有1g;濃度0.28%)を加え、よく撹
拌した。時々撹拌しながら2時間ほど放置し、網(メッ
シュの細かさ:ナイロンメッシュ濾過布、250メッシ
ュ、安積濾紙社製、商品名N−No250HD)でゲル
を濾し取った後、乾燥器(120℃)中で1時間乾燥さ
せた。乾燥後、乳鉢で粉砕しゲル粉末とした。比較例5 実施例4で用いたサンフレッシュST−500D10g
を4Lの蒸留水で膨潤させたところに、1LのCa(N
32溶液(Ca含量1g)を加え、よく撹拌した。時
々撹拌しながら2時間ほど放置し、網でゲルを濾し取り
乾燥器(120℃)中で1時間乾燥させた。乾燥後、乳
鉢で粉砕しゲル粉末とした。 <カイワレ大根発芽勢テスト>上記で得た実施例1〜
4、および比較例1〜5の吸水性樹脂を用いて、上述し
た方法で、カイワレ大根発芽勢テストを行った。得られ
た結果を、下記の表2に示す。
【0093】
【表2】 比較例6 市販のポリアクリル酸系ハイドロゲル4種(サンフレッ
シュ、三洋化成工業社製; アクリホ−プ、日本触媒社
製; ダイヤウェット、三菱化学社製; スミカゲル、
住友化学社製)のそれぞれについて、カルシウムイオン
吸収量、塩素イオン含有量、吸水倍率およびカイワレ大
根発芽勢テストを行った。得られた結果を表1に示す。比較例7 比較例6で用いたスミカゲル約10gを、塩化ナトリウ
ム濃度が約0.6w%の食塩水約100ml中に添加
し、よく撹拌した。ゲルが膨潤し、離水が見られなくな
ったところで、乾燥(120℃、3時間)し、乳鉢で粉
砕して、ゲル粉末とした。比較例8 実施例4で調製したハイドロゲル約10gを、塩化ナト
リウム濃度が約3.0w%の食塩水約300ml中に添
加し、よく撹拌した。ゲルが膨潤したところで、乾燥
(120℃、5時間)し、乳鉢で粉砕して、ゲル粉末と
した。
【0094】
【発明の効果】本発明の植物保水用担体を用いた場合に
は、該保水用担体の小さいカルシウムイオン吸収量と好
適な塩素イオン含有量とに基づき、植物がカルシウムイ
オン欠乏症に陥ることがなく、またその吸水倍率も充分
大きいため、植物に対して充分な水分を供給することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 浩二 山梨県塩山市熊野274 有限会社向山蘭園 内 (72)発明者 吉岡 浩 東京都新宿区大久保3−4−1 エムアン ドエム研究所内 (72)発明者 森 有一 東京都新宿区大久保3−4−1 エムアン ドエム研究所内 (72)発明者 糟谷 和宏 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内 Fターム(参考) 2B022 AB13 BA01 BA03 BA04 BA07 BA12 BA13 BA14 BA21 BA22 BA24 BB01 DA19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウムイオン吸収量が乾燥重量1g
    あたり0〜100mgであり;塩素イオンの含有量が乾
    燥重量1gあたり0.07〜7mmolであり;且つ、
    25℃のイオン交換水中での吸水倍率が1.0×101
    〜1.0×103倍であるハイドロゲル形成性の高分子
    を含むことを特徴とする植物保水用担体。
  2. 【請求項2】 前記ハイドロゲル形成性の高分子が、高
    分子鎖に結合されたカルボキシル基を有し、且つ、該カ
    ルボキシル基のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の
    含有量が、乾燥重量1gあたり0.3〜7mmolの高
    分子である請求項1記載の植物保水用担体。
  3. 【請求項3】 高分子鎖に結合されたカルボキシル基を
    乾燥重量1gあたり3〜17mmol有し、且つ、該カ
    ルボキシル基のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の
    含有量が、乾燥重量1gあたり0.3〜7mmolであ
    るハイドロゲル形成性の高分子を含むことを特徴とする
    請求項1記載の植物保水用担体。
  4. 【請求項4】 前記ハイドロゲル形成性の高分子がポリ
    アクリル酸系重合体である請求項3記載の植物保水用担
    体。
  5. 【請求項5】 更に、カルボキシル基の多価金属塩を含
    む、請求項3または4記載の植物保水用担体。
  6. 【請求項6】 前記ハイドロゲル形成性の高分子が表面
    架橋されたものである請求項1記載の植物保水用担体。
  7. 【請求項7】前記塩素イオンのカウンターイオンが,N
    a、K、Ca、および/又はNH4イオンである請求項
    1記載の植物保水用担体。
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