JPH0624453B2 - 土壌保水剤および保水方法 - Google Patents

土壌保水剤および保水方法

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JPH0624453B2
JPH0624453B2 JP63230897A JP23089788A JPH0624453B2 JP H0624453 B2 JPH0624453 B2 JP H0624453B2 JP 63230897 A JP63230897 A JP 63230897A JP 23089788 A JP23089788 A JP 23089788A JP H0624453 B2 JPH0624453 B2 JP H0624453B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、土壌保水剤および保水方法に関する。さらに
詳しくは、日光に対する吸水ゲルの長期安定性に優れた
土壌保水剤およびこの保水剤を植物培土および乾燥土壌
に施用して保水性を向上させる方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 従来から、紙おむつ・生理用品などの衛生材料に使用さ
れている吸水性樹脂が単独あるいは土、砂、パルプ等と
複合化されて土壌保水剤として使用できることが知られ
ている。しかしながら、衛生材料に使用されている吸水
性樹脂を単に土壌の保水剤用途に転用したにすぎないこ
とから、安全性の点で吸水ゲルのPHが中性になるよう
に、中和度は60〜80モル%に調節されていた。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記のようなカルボン酸基を有する単量
体(A1)、カルボン酸塩基を有する単量体(A2)および重合
性架橋剤(C)のみを構成単位とし、PHが中和になるよう
に部分中和された従来の吸水性樹脂は、日光や紫外線に
対する吸水ゲルの安定性に劣る、すなわち、吸水ゲルが
日光や紫外線に暴露されるとポリマーが分解されて吸水
力を極端に損なうという欠点がある。したがって日光に
暴露されることが避けられない、植物培土あるいは乾燥
土壌の保水剤として使用するには充分満足のいくもので
はなかった。
この点を改善する目的で、カルボキシル基の含有量を低
下せしめた吸水性樹脂(例えば、イソブチレン−無水マ
レイン酸共重合体架橋物)やカルボキシル基を含有しな
い吸水性樹脂(例えば、架橋ポリエチレンオキシド、変
性ポリビニルアルコール架橋物)を土壌保水剤として使
用することが提案されている。しかしながらこれらの吸
水性樹脂は親水性が乏しいために吸水力が低く、植物に
有効な保水性を確保するためには土壌に多量に施用しな
ければならないという問題点がある。
また従来の吸水性樹脂の中和度を96モル%以上に高め
て、日光に対する吸水ゲルの安定性を改善する方法も考
えられるが、PHがアルカリ性となりハンドリング時の安
全性の点で問題である。
更に、従来の吸水性樹脂が膨潤状態で日光により劣化す
るのを改善する目的で、該吸水性樹脂にラジカル連鎖禁
止剤を含有させる方法が提案されている(特開昭63-152
667号公報)。しかしながらこの方法は、短時間の安定
性改善にはある程度の効果が認められるものの、長時間
に亘る安定性が要求される目的には効果が不十分であ
り、土壌保水剤として実用に供されるには至っていな
い。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、吸水ゲルの日光に対する長期安定性に優
れ、吸水力が大きく、かつPHが中性で安全性の高い土壌
保水剤および土壌の保水方法について鋭意検討した結
果、ある特定量の非イオン性親水性単量体を必須の構成
単位としてランダムに共重合された吸水性重合体が、吸
水ゲルの日光に対する安定性、大きい吸水力、安全性の
すべてを満足することは見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、カルボン酸基を有する単量体(A1)、
カルボン酸塩基を有する単量体(A2)、非イオン性親水性
単量体(B)および重合性架橋剤(C)を必須の構成単位と
し、(A1)と(A2)のモル比が50:50〜5:95であり、且つ
(A1)と(A2)の合計が50〜97.99モル%、(B)が2〜30モル
%、(C)が0.01〜5モル%である吸水性のランダム共重
合体からなることを特徴とする日光に対する吸水ゲルの
安定性に優れた土壌保水剤;請求項1〜4のいづれか記
載の吸水性重合体と無機物質とを混合、造粒または成形
してなる日光に対する吸水ゲルの安定性に優れた土壌保
水剤;請求項1〜5のいづれか記載の土壌保水剤を土壌
に対し0.01〜10重量%の割合で施用することを特徴とす
る土壌の保水方法および緑化方法である。
本発明においてカルボン酸基を有する単量体(A1)として
は、例えば、不飽和モノまたはポリカルボン酸[(メ
タ)アクリル酸(アクリル酸および/またはメタクリル
酸をいう。以下同様の記載を用いる。)、(エタ)アク
リル酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、ケイ皮酸等]およびこれらの無水物[無水マレイ
ン酸など]などが挙げられる。
カルボン酸塩基を有する単量体(A2)としては、上記単量
体(A1)の塩が挙げられ、この塩としては、例えばアルカ
リ金属塩(ナトリウム、カリウム、リチウムなどの
塩)、アルカリ土類金属塩(カルシウム、マグネシウム
などの塩)、アンモニウム塩およびアミン塩(メチルア
ミン、トリメチルアミンなどのアルキルアミンの塩;ト
リエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカ
ノールアミンの塩など)およびこれらの2種以上が挙げ
られる。これらの内で好ましいものは、ナトリウム塩、
カリウム塩、アンモニウム塩およびアミン塩である。更
に好ましいものは、土壌中で分解した後に植物の栄養分
(加里または窒素肥料)になるという点からカリウム
塩、アンモニウム塩およびアミン塩である。
上記単量体(A1)および(A2)は2種以上を併用してもよ
い。
本発明において非イオン性親水性単量体(B)としては、
例えばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[ヒド
ロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタク
リレートなど]、アルコキシポリアルキレングリコール
(メタ)アクリレート[メトキシジエチレングリコール
アクリレート、メトキシポリエチレングリコール200
のメタクリレートなど]、(メタ)アクリル酸のアルキ
レンオキサイド付加物[メタクリル酸のエチレンオキサ
イド4〜5モル付加物、アクリル酸のプロピレンオキサ
イド4〜5モル付加物など]、(メタ)アクリルアミ
ド、[アクリルアミドなど]、N-アルキル(メタ)アク
リルアミド[N-メチルアクリルアミドなど]、酢酸ビニ
ル、N-ビニル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
本発明において重合性架橋剤(C)としては、(1)2個以上
の重合性二重結合を有する化合物、および(2)少なくと
も1個の重合性二重結合を有しかつ単量体と反応性の官
能基を少なくとも1個有する化合物が挙げられる。
(1)の化合物としては下記のものが挙げられる。
N,N′−アルキレン(C1〜C6)ビス(メタ)アク
リルアミド: N,N′−メチレンビスアクリルアミドなど。
ポリオール類と不飽和モノまたはポリカルボン酸との
ジまたはポリエステル: ポリオール類[エチレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、
ポリオキシプロピレングリコールなど]のジ−またはト
リ−(メタ)アクリル酸エステル:不飽和ポリエステル
[上記ポリオール類とマレイン酸などの不飽和酸との反
応によって得られる]およびジ−またはトリ−(メタ)
アクリル酸エステル[ポリエポキシドと(メタ)アクリ
ル酸との反応によって得られる]など。
カルバミルエステル: ポリイソシアネート[トリレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、4,4′−ジフエニルメタ
ンジイソシアネートおよびNCO基含有プレポリマー(上
記ポリイソシアネートと活性水素原子含有化合物との反
応によって得られる)など]とヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートとの反応によって得られるカルバミル
エステルなど。
ジまたはポリビニル化合物: ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレ
ン、ジビニルエーテルなど。
ポリオール類のジ−またはポリ−(メタ)アリルエー
テル: ポリオール類[アルキレングリコール、グリセリン、ポ
リアルキレングリコール、ポリアルキレンポリオール、
セルロースなど]のジ−またはポリ−(メタ)アリルエ
ーテル、例えばポリエチレングリコールジアリルエーテ
ルおよびジアリルデンプン、ジアリルセルロースなど。
ポリカルボン酸のジ−アリルエステル: ジアリルフタレート、ジアリルアジペートなど。
不飽和モノ−またはポリ−カルボン酸とポリオールの
モノ(メタ)アリルエーテルとのエステル: ポリエチレングリコールモノアリルエーテルの(メタ)
アクリル酸エステルなど。
ポリアリロキシアルカン類: テトラアリロキシエタンなど。
化合物(2)の例としては、カルボン酸基、カルボン酸塩
基、カルボン酸無水物基と反応性の基(ヒドロキシル
基、エポキシ基、カチオン性基など)を含むエチレン性
不飽和化合物があげられる。例えばヒドロキシル基含有
不飽和化合物[N-メチロール(メタ)アクリルアミドな
ど]、エポキシ基含有不飽和化合物[グリシジル(メ
タ)アクリレートなど]、4級アンモニウム塩基含有不
飽和化合物[N,N,N-トリメチル-N-(メタ)アクリロイ
ロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N,N,
N-トリエチル-N-(メタ)アクリロイロキシエチルアン
モニウムクロライドなど]および3級アミノ基含有不飽
和化合物[(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、
(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルなど]等があ
げられる。
重合性架橋剤の内で好ましいものは、ビス(メタ)アク
リルアミド、ポリオール類と不飽和モノカルボン酸との
ジ−またはポリ−エステルおよびアリロキシアルカンで
あり、特に好ましいものはN,N′-メチレンビスアクリル
アミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよ
びテトラアリロキシエタンである。
上記カルボン酸塩基を含有する単量体(A1)およびカルボ
ン酸基を有する単量体(A2)の合計量は、吸水性のランダ
ム共重合体中において50〜97.99モル%、好ましくは60
〜94.95モル%である。97.99モル%を越える場合、得ら
れた吸水性重合体の耐光性が不十分であり、吸水状態で
日光や紫外線により容易に分解される。一方、50モル%
未満の場合、得られた吸水性重合体の吸水・保水力が低
いものとなる。
吸水性のランダム共重合体中における(A1)と(A2)のモル
比は50:50〜5〜95の範囲であり、好ましくは40:60〜
20:80である。上記範囲を越える場合には、得られた吸
水性重合体のPHが酸性あるいはアルカリ性となり、ハン
ドリング時の安全性の点で問題である。
非イオン性の親水性単量体(B)の量は、吸水性のランダ
ム共重合体中において2〜30モル%、好ましくは5〜20
モル%である。30モル%を越える場合、得られた吸水性
重合体の吸水・保水力が低いものとなる。一方、2モル
%未満の場合、得られた吸水性重合体の耐光性が不十分
であり、吸水状態で日光や紫外線により容易に分解され
る。
重合性架橋剤(C)の量は、吸水性のランダム共重合体中
において0.01〜5モル%、好ましくは0.05〜3モル%で
ある。5モル%を越える量では、得られる吸水性重合体
の日光に対する安定性は良好であるが、架橋度が大きく
なりすぎて吸水量が低下する。一方0.01未満の少量で
は、架橋度が小さすぎて吸水ゲルにべとつきが生じ、か
つ日光に対する安定性も不十分なものとなる。ただし重
合時に自己架橋を生じさせる重合法(例えば、特開昭53
-46389号公報などに記載の重合法)を採用した場合に
は、重合性架橋剤を上記よりも少ない量とすることがで
きる。
上記の単量体とともに、必要によりその他の重合性単量
体を15モル%以下の範囲で共重合して、吸水性のランダ
ム共重合体の構成単位とすることができ、例えばスルホ
ン酸基および/またはスルホン酸塩基を有する重合性単
量体[ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルト
ルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホアルキ
ル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリルアミド-2
-メチルプロパンスルホン酸およびこれらのアルカリ金
属塩またはアンモニウム塩など]、リン酸基を含有する
重合性単量体[2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイ
ルホスフェート、フェニル-2-アクリロイロキシエチル
ホスフェートなど]、第4級アンモニウム塩基を有する
単量体[(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチル
アンモニウムメチルサルフェート、トリメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミドの塩化物など]、疎水性
の不飽和カルボン酸アルキル(C1〜C10)エステル[メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート
など]、芳香族ビニル炭化水素[スチレン、ビニルトル
エンなど]、脂肪族ビニル炭化水素[エチレン、プロピ
レンなど]、不飽和ニトリル類[(メタ)アクリロニト
リルなど]などが挙げられる。
これらの内で好ましいものは、2-(メタ)アクリルアミ
ド-2-メチルプロパンスルホン酸およびこのアルカリ金
属塩である。
本発明において、必要により多糖類を共重合して吸水性
重合体の構成単位としてもよい。この多糖類としては、
デンプン、セルロースやその他の天然および合成多糖類
などが挙げられる。
デンプンとしては、例えば、小麦デンプン、トウモロコ
シデンプンなどの生デンプン;酸化デンプン、カルボキ
シメチル化デンプン、アルキルエーテル化デンプン、ア
リールエーテル化デンプン、アミノエチルエーテル化デ
ンプン、α化デンプンなどの加工デンプンが挙げられ
る。
セルロースとしては、例えば、木材、葉、茎、ジン皮、
種子などから得られる天然セルロース;カルボキシメチ
ル化セルロース、アルキルエーテル化セルロース、酢酸
セルロース、ヒドロキシアルキルエーテル化セルロース
などの加工セルロースが挙げられる。
必要により使用される上記多糖類の量は、好ましくは吸
水性重合体中の20重量%以下、更に好ましくは10重量%
以下である。20重量%を越えると得られた吸水性重合体
の吸水力が低いものとなる。
カルボン酸基を有する単量体(A1)またはこれとカルボン
酸塩基を有する単量体(A2)、非イオン性親水性単量体
(B)および重合性架橋剤(C)および必要によりその他の単
量体および/または多糖類をランダム共重合する方法に
ついては特に限定はなく、従来から知られている方法で
よい。例えば、これらの単量体水溶液、水分散液または
有機溶剤/水混合溶液をラジカル重合開始剤を用いて重
合する方法、有機溶媒を使用した逆相懸濁重合による方
法および放射線、電子線、紫外線などを照射する通常の
方法などが挙げられる。
カルボン酸基を有する単量体(A1)のみを使用してランダ
ム共重合した場合、重合後にカルボン酸基の一部を中和
して本発明の吸水性重合体を得るが、この方法としては
従来から知られているアルカリ物質で中和する方法が挙
げられる。
アルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物(水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムな
ど)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸ナトリウム、重炭酸ナ
トリウムなど)、アミン化合物(メチルアミン、トリメ
チルアミンなどのアルキルアミン;トリエタノールアミ
ン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミンな
ど)、アンモニウム化合物(アンモニアなど)よびこれ
らの2種以上が挙げられる。これらの内で好ましいもの
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン化合物
およびアンモニアである。更に好ましくは土壌中で分解
した後に植物の栄養分(加里または窒素肥料)になると
いう点から、水酸化カリウム、トリメチルアミンおよび
アンモニアである。
この中和度は、カルボン酸基を有する単量体のの合計に
対して50〜95モル%であり、好ましくは得られた吸水性
重合体のPHを中性にするという観点から60〜80モル%で
ある。
一方、(A1)とカルボン酸塩基を有する単量体(A2)を95:
5〜50:50の範囲のモル比、好ましくは80:20〜60:40
の範囲のモル比で併用して重合した場合、重合後の中和
は省略できる。
また上記の吸水性重合体を、該重合体中の官能基(例え
はカルボキシル基)と反応しうる基を少なくとも2個有
する化合物でさらに架橋せしめることにより、より高い
ゲル強度を有した吸水性重合体を製造することができ
る。
この化合物としては、エポキシ基、水酸基、イソシアナ
ート基、第4級アンモニウム基などのカルボン酸基およ
び/またはカルボン酸塩基と反応性の基を少なくとも2
個有する化合物およびイオン架橋を形成し得る多価金属
化合物が挙げられる。
次いで吸水性重合体を通常の方法で乾燥し、必要により
粉砕して希望の形状に調整し、本発明の土壌保水剤を得
る。
乾燥、粉砕後の形状については特に制限はなく、粉粒
状、フレーク状、パール状、繊維状などのいづれの形状
にあってもよい。好ましいのは、土壌との混合性の点か
ら粉粒状、フレーク状およびパール状であり、特に好ま
しくは粒径25〜100メッシュの粉粒状およびパール状で
ある。
上記吸水性重合体は、吸水性能として少なくとも50ml/g
であり、好ましくは100〜1,000ml/gのものである。
本発明において、吸水性重合体に増量剤・添加剤または
支持材として有機性物質[例えばパルプ、紙、不織布、
布、ピートモス、オガクズ、フミン酸、リグニンスルホ
ン酸、PVAなど]、無機物質[例えばバーミキュライ
ト、パーライト、シリカ、ベントナイト、タルク、クレ
イ、粘土、鉱石、砂など]等併用して混合・造粒・成形
・積層・接着などの方法により土壌保水剤とすることが
できる。例えば、(イ)バーミキュライト、ベントナイ
ト、クレイ、粘土、鉱石、砂などの無機物質と混合また
は造粒した土壌保水剤コンポジット、(ロ)ベントナイ
ト、タルク、クレイ、粘土などと加圧成形または押出成
形した土壌保水剤、(ハ)2枚以上の紙、パルプおよび/
または不織布等でサンドイッチしたシート状土壌保水剤
などが挙げられる。
これらの内で好ましいものは、吸水性重合体と無機物質
と混合、造粒または成形してなる土壌保水剤である。
また肥料、植物栄養素、農薬(殺菌剤、、殺虫剤、除草
剤など)、成長調節剤、酸素発生剤、樹脂エマルジョ
ン、界面活性剤なども必要により保水剤に添加または保
水剤と併用して土壌に施用することができ、これらの使
用量は通常使用されている量でよい。
本発明において土壌としては、水の存在する条件下で植
物が生育しうる土壌であれば特に限定はなく、例えば沖
積土壌、砂質土壌、洪積土壌、火山灰土壌などが挙げら
れる。また育苗用や園芸用のなどに使用される天然およ
び人口の培土なども土壌の範囲内に含まれる。好ましく
は透水係数の大きい(通常0.5cm/sec〜0.2×10-5cm/se
c)乾燥土壌であり、砂質土壌、砂漠土などが挙げられ
る。
土壌保水剤の土壌に対する施用量は、0.01〜10重量%で
ある。保水剤の施用量が10重量%を越えると、土壌が長
期間にわたって過湿になりすぎ、植物の根腐れや土壌通
気性の低下を生じる原因となる。一方施用量が0.01重量
%未満の場合、植物の生育に有効な保水性が得られな
い。好ましくは植物の根が多く存在する地表から約30cm
以内の土壌に対し0.01〜10重量%であり、更に好ましく
は0.01〜5重量%である。
本発明の土壌保水剤を土壌に施用する方法としては特に
限定はなく、例えば(1)土壌表面に施用した後に土壌表
面から約50cm深さまでの土壌と一緒に耕転する方法、
(2)保水剤と土壌とをあらかじめ混合したものを土壌に
敷設する方法、(3)保水剤を施用した後、覆土する方
法、(4)土壌に穴を掘って保水剤を埋め込む方法、(5)単
に土壌表面に敷くまたは散布する方法、などが挙げられ
る。保水剤は播種前、播種後あるいは植物の生育途中、
生育後のいずれの段階で施用してもよく、また植物の生
育状況に応じて2回以上にわたって施用してもよい。保
水剤は乾燥物の状態で施用してもよく、あらかじめ水ま
たは肥料水を吸収させてゲル状物としてから上記(1)〜
(5)の方法で施用してもよい。
なお施用に当たっては、手作業で行ってもよく、散布
機、耕運機などの機械を使用してもよい。
このように実施することにより、日光に暴露される条件
下においても、土壌の保水性向上、植物の栽培および緑
化を行うことができる。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明は
これに限定されるものではない。以下において、部およ
び%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
実施例1 開閉可能な密閉容器にアクリル酸23部、アクリル酸ナト
リウム94部、ヒドロキシエチルアクリレート5部、N,
N′−メチレンビスアクリルアミド0.5部および水350部
を仕込み、攪拌しながら内容物の温度を10℃に保った。
系内を窒素置換した後、重合開始剤として過酸化水素0.
01部およびアスコルビン酸0.005部を添加して重合を開
始させた。約4時間で重合は完結し、中和度75.8%のゲ
ル状架橋重合体を得た。密閉容器よりゲル状重合体を取
り出し、ニーダーで細断した後、150℃に加熱されたド
ラムドライヤー上に延伸して乾燥し、28〜100メッシュ
の粒度に粉砕して吸水性重合体を得た。これを本発明の
土壌保水剤(イ)とした。
実施例2 アクリル酸85部、プレンマーPE-200(日本油脂(株)
製、メタクリル酸のエチレンオキサイド4〜5モル付加
物)15部、N,N′−メチレンビスアクリルアミド0.4部お
よび水300部を開閉可能な密閉容器に仕込み、窒素雰囲
気下で液温を15℃とした後、0.5%の過硫酸アンモニウ
ム水溶液1部および0.5%の亜硫酸水素ナトリウム水溶
液1部を添加して重合させたところ発熱とともにゲル状
となった。重合開始から6時間後に密閉反応容器を開
き、生成したゲル状架橋重合体を取り出した。このゲル
400部を細断した後、50%の水酸化カリウム水溶液99部
を加え、均一に混練して重合体中のポリアクリル酸部分
の約75モル%をポリアクリル酸カリウムに変換した。
この部分中和されたゲルを150℃に加熱されたドラムド
ライヤーで乾燥し、28〜100メッシュの粒度に粉砕して
吸水性重合体を得た。これを本発明の土壌保水剤(ロ)と
した。
実施例3 実施例1において、ヒドロキシエチルアクリレート5部
に代えてアクリルアミド20部使用する以外は全く同様の
方法で吸水性重合体を得た。これを本発明の土壌保水剤
(ハ)とした。
実施例4 実施例1で得られた吸水性重合体10部およびベントナイ
ト90部を均一に混合し、さらに微量の水を添加して2〜
5mmの大きさに加圧成形して粒状物を得た。これを本発
明の土壌保水剤(ニ)とした。
比較例1 実施例1において、ヒドロキシエチルアクリレートを使
用しない以外は同様にして吸水性重合体を得た。これを
比較の土壌保水剤(a)とした。
比較例2 実施例2において、ブレンマーPE-200を使用しない以外
は同様にして吸水性重合体を得た。これを比較の土壌保
水剤(b)とした。
比較例3 比較例1で得られた吸水性重合体10部およびベントナイ
ト90部を均一に混合し、さらに微量の水を添加して2〜
5mmの大きさに加圧成形して粒状物を得た。これを比較
の土壌保水剤(c)とした。
実施例5 実施例1〜3で得た土壌保水剤(イ),(ロ)および(ハ)、比
較例1〜2で得た吸水性重合体(a)および(b)の各5gを、
砂質土壌を満たした1/2000アールポットの表面に散布
し、表層より10cmの深さまでを耕転して均一に混和した
(土壌に対する混和量:0.1%)。その後毎朝十分な灌水
を行い、日光にあたる土壌表層のゲルの状態を下記の4
段階の基準で評価した。評価結果を第1表に示した。
また市販吸水性樹脂「サンウェットIM-1000」「三洋化
成工業(株)製、澱粉−ポリアクリル酸架橋重合体の部
分ナトリウム塩)および「アクアキープ10SH」(製鉄化
学工業(株)製、架橋ポリアクリル酸の部分ナトリウム
塩)を用いて同様の評価を行い、結果を比較例4および
5として第1表に併記した。
実施例6 実施例1〜4で得た土壌保水剤(イ),(ロ),(ハ)および(ニ)
を、第2表に示した割合で砂質土壌の表層より20cmの深
さに均一に混和した。次いでキュウリの苗を定植して、
育成し、35日後から100日後にわたって収穫量を調査し
た。この結果を第2表に示した。本栽培試験において、
定植直後に充分灌水し、以後は対照区(保水剤を施用し
ない区)の状態に応じて灌水した。
同様に、比較例1、3で得た土壌保水剤(a)または(c)を
使用した結果および市販吸水性樹脂「アクアキープ10S
H」を使用した結果(比較例6)についても第2表に併
記した。尚、試験時期は4月30日から8月8日である。
第2表より、本発明の土壌保水剤を施用した試験区のキ
ュウリの収穫量は、対照区および比較例区に比べて増加
した。特に、比較例区が収穫後期に収穫量が減少してい
るのに対し、本発明の実施例区は収穫後期においても収
穫量は増加した。
[発明の効果] 本発明の土壌保水剤および土壌の保水方法は、次のよう
な効果を奏する。
(1)日光に暴露されても吸水ゲルが劣化して糊状を呈し
たり、液状化することがない。したがって土壌に施用す
ることにより、長期間にわたり保水性や保肥性を維持す
ることができる。
(2)日光に暴露されても安定なゲル状態を維持して土壌
の通気性を保ち、植物の生育に良好な環境を与える。
(3)一般に葉菜類や果菜類などの有用植物の根は土壌表
層に多く分布している。本発明の保水剤は日光に暴露さ
れる土壌表層で特に有効な保水性と保肥性を発揮するた
め、これら植物の成長を促進し、収穫量のアップが可能
となる。
(4)灌水量および灌水回数の低減が可能となる。
(5)従来の吸水性樹脂の様に日光による劣化を見越して
多めに施用する必要がないため、保水剤施用量が少なく
てすむ。
(6)PHが中和であることから、安全性が高い。
(7)吸水性重合体と無機物質とを混合、造粒または成形
して得られる土壌保水剤は、上記(1)〜(6)の効果に加え
て、土壌との混和性が良い、風などで飛散しにくいとい
ったように、ハンドリング面で特に優れている。
上記効果を奏することから本発明の土壌保水剤および土
壌の保水方法は、土壌の保水性改良、露地および施設内
における植物の栽培、苗の育苗、苗の定植、植木鉢やプ
ランターによる家庭園芸および菜園、公園・ゴルフ場・
道路緑地帯・海岸などにおける植樹や芝・草花の育成、
法面の緑化、砂丘地や砂漠地における緑化および農産物
の節水栽培や点滴栽培など、土壌や培土に施用し、かつ
日光に暴露されるあらゆる用途に有効である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボン酸基を有する単量体(A1)、カルボ
    ン酸塩基を有する単量体(A2)、非イオン性親水性単量体
    (B)および重合性架橋剤(C)を必須の構成単位とし、(A1)
    と(A2)のモル比が50:50〜5:95であり、且つ(A1)と(A
    2)の合計が50〜97.99モル%、(B)が2〜30モル%、(C)
    が0.01〜5モル%である吸水性のランダム共重合体から
    なることを特徴とする日光に対する吸水ゲルの安定性に
    優れた土壌保水剤。
  2. 【請求項2】ランダム共重合体において、(A1)と(A2)の
    合計が60〜94.95モル%、(B)が5〜20モル%、(C)が0.0
    5〜3モル%である請求項1記載の土壌保水剤。
  3. 【請求項3】(A1)と(A2)のモル比が40:60〜20:80であ
    る請求項1または2記載の土壌保水剤。
  4. 【請求項4】(B)が、ヒドロキシアルキル(メタ)アク
    リレート、アルコキシポリアルキレングリコール(メ
    タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸のアルキレンオ
    キサイド付加物、(メタ)アクリルアミド、N-アルキル
    (メタ)アクリルアミドおよびN-ビニル-2-ピロリドン
    からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1
    〜3のいづれか記載の土壌保水剤。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいづれか記載の吸水性重合
    体と無機物質とを混合、造粒または成形してなる日光に
    対する吸水ゲルの安定性に優れた土壌保水剤。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいづれか記載の土壌保水剤
    を土壌に対し0.01〜10重量%の割合で施用することを特
    徴とする土壌の保水方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいづれか記載の土壌保水剤
    を地表から約30cm以内の土壌に対し0.01〜10重量%の割
    合で施用することを特徴とする土壌の保水方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいづれか記載の土壌保水剤
    を乾燥土壌に対し、0.01〜10重量%の割合で施用し緑化
    を行うことを特徴とする乾燥土壌の緑化方法。
  9. 【請求項9】土壌の透水係数が0.5cm/sec〜0.2×10-5cm
    /secである請求項7〜8のいづれか記載の方法。
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